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立花・晴

●よく晴れた夕暮れの影の下、伸びやかな声で猫が鳴いた。故に、彼は今日も生きている。●紅茶染めの髪に黄昏を映した眼。佗住いの青年。●気随気儘な文学者の傍らに目には見えない猫がいる、不可思議なことに鳴き声だけが聞こえてくる。あれは化生の仕業に違いないとの噂がある。●本を読むように星を詠む。そこに物語が有るのであれば、どのような星でもきっとここに在る意味もあると信じている。(読み:たちばな・はる)