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ハロルド・ロットバルト
何処からどう見ても、ただの少年。なんの力もありはしない、なんの志しもありはしない──その筈だった。けれど、蝶々のはばたきが世界に何かを齎すように。少年は何かに齎され、そして何かを失った。──それはきっと、始めから。
何処へ行くのかわからぬままに、少年はただ、世界へ羽ばたいてゆく。

