あいの君と呼ばれた女の・墓標

ルイの現状における最後の主人。
「涙を累々と溜めてきたおまえに相応しい」と、ルイと彼を名付けた。
ただの象牙の涙壺でなくなった彼の姿を「美しい、いい男だね、あたしがあと50歳若けりゃ一緒に夜の街に繰り出すとこだ」と褒めてくれたので、ルイはいつまでも美しく在り続けることを、己に課している。
あいの君という名の占い師だった。
最晩年にルイが付喪神として現れ、最期の時を一緒に過ごす。今は町外れの墓地に眠る。