繰廻・果月

御伽草子の裏話、誰も知らぬ誰かの噺。繰り連ねて言葉を廻し、果ての月が浮かぶまで、貴方に語り聴かせましょう。/「え?語るだけで歌ってくれへんのかって?…もう、そないなこと急に言われたら困ってしまうやないの。アタシの歌は、どうしても頑張らなあかん誰かの為にしか歌わへんのや……せやから、あんたがどうしても頑張らなアカンって時に、歌ったるわ」/怒りの感情が欠落している語り部は激情を語る事が出来るのか