和紋家・塵栖の掟
かつて群れを持たず、捨てられた街の隙間でただ生き延びることに徹していた蜚廉。無数の死と背中合わせの歳月を重ねるうち、「命の長さは価値ではなく証だ」と悟る。どれだけ穢れた場所に在ろうと、生きること自体が誇りとなる――それが彼の掟、「塵栖の掟」である。今や彼は、どの地に身を潜めようと、堂々と胸を張って言う。「我は生き残った者なり」と。