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石榴ヶ原・隠

「|万天道《ヨロズアメノミチ》っていう怪談があるんだ」「それはどんな?」「どんな街だろうと、『三丁目』があるなら、そのどこかに店に通じる扉があるって」「店?」「色々な物を扱ってるんだって、普通じゃ買えないものもさ」「例えば?」「人の命とか、寿命とか――」「成程。|亡霊《きみ》が噂の出元か。私は只の骨董品屋だよ――ま、時には少し、荒っぽいこともするがね」
「――いらっしゃいませ。そして、然様なら」