眞白・スノーベル
💧しとしとと玉濡れの音がする。それが、私の最期の記憶。💧梅雨色の瞳に霧雨のような儚い印象を持つ、甘雨のような少女。濡れ揺れる眼差しは雨上がりの空の虹彩を宿す。💧雨雫に濡れた、バイカウツギの花のように。 💧本当はね、覚えていないの。なにも、なにもね。雨音以外は、なにも。だから、どうして|現世《うつしよ》に戻ってしまったのか、わからないのよ。なにも。 🌸足は霞。見えると思えば在るように見える

