黒穂ノ社
「ほのくろさまって知ってる?」
かつて神の穂を刈り取ったお狐様の伝承があるの。ほのかみさまって言われてた。
それが今はまっくろになっちゃったんだって。
都市の隙間にある忘れられたような小さな神社。
ビルとビルの狭間にあるそれは、人々の視界からすり抜けるような存在だ。
苔た鳥居、鈴は風にゆれて音が残る。
お賽銭箱は空っぽ。
忘れられてるけどどこか綺麗で、おみくじは誰かのセルフサービス式。
ごくたまに誰かが祈っているのを見かけることもある。
罰当たりな誰かのせいで荒れちゃった本殿の奥
木の階段の先にこじんまりとした"家"があった。
住人はおとな1人とこどもが二人。
みんなで過ごすリビングと、少し広めにとったこども部屋。
そして、良い子危険立入禁止と札が貼られたおとなの部屋。
ここはちいさな世界で過ごすのんびりとした家族の住処。
---memo---
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