Blood Tide Abbey
血の盟約は秘し、耽溺するからこそ、心躍るのです。
ザミラオレーシャ・ザドルノフ(異薔薇の密盟者)にとって、血とは薔薇。薔薇のように耽溺、賛美、賞玩する存在なのだ。
血に酔うエルフが、その酩酊を心から楽しむための自戒の盟約。
「ひとつ、妄りに血を流してはならない」
「ふたつ、妄りに血を求めてはならない」
「みっつ、妄りに血に昂ってはならない」
何故なら、血とは貴いものだから。
「よっつ、己が血を誇りなさい」
「いつつ、皆の血を尊びなさい」
「むっつ、異の血を重んじなさい」
何故なら、血は掛替えの無いものだから。
そして、
「ななつ、――並べて鮮血を畏れなさい」
何故なら、血を介するは責任を伴うものだから。
血に溺れ、血を貴び、血を結ぶ密盟の長として、
この密盟で己を戒めると誓ったザミラ。
だが、彼女は欠落を抱えてしまった。
密盟には、アナタの力が必要だ。
どうか、その力と意思を貸して欲しいと願った。
「見返りとして、我が血の一滴を授けましょう」
さあ、アナタはどうする――。