炬火
月は、季節は、また廻る。
むかし、むかし。竜は輝石の森と人里とのさかいめに住んでおりました。
月の暦に従う竜の群れは輝石を磨きその身に飾り、時折里にやって来ては人々の痛みや苦しみを癒して回っていたのだとか。
森と人里とのさかいめは『ゆめ』と『うつつ』の境界線。
彼らは曖昧なせかいのはざまを行き来し、今も人々にさいわいを運び続けているのです。
ほら、また今日も――夜のしじまに火が灯る。
それは篝。竜の歩みを示す星の灯火なのでしょう。