晴路屋
――“ハレルヤ!”
驟雨、白雨、小糠雨。雨に追い立てられた爪先が知らない小径を歩き出す。
奇妙な看板、窮屈な建物、慣れた光景、見慣れぬ世界。
恐る恐る?踊る踊る? そんな貴方が行き着く先で、
ひとつの店先に吊された傘たちが律動的に雨で鳴る。
――如何にも頓知気な店構え。
猫又に成り損ねたよな古びた招き猫は捻くれ者で余所向けど、
その姿は戸を確と見据えており、一応の招く意思を見せている。
その招待に戸を開ければ、雑多な奇天烈が並び並ぶその奥で。
豪雨、陰雨、暴風雨。
そういう面相の男が顔を上げた。
『来客?――この怪しい店構えで?』
『やれ、これは賞賛せざるを得ないね』
――“ハレルヤ!”
雨が止んで晴路が広がれども、決して傘は忘れずに。
この店の棚には雨傘を置くつもりは微塵もないのでね。
ひとつの店先に吊された傘たちが律動的に雨で鳴る。
――如何にも頓知気な店構え。
猫又に成り損ねたよな古びた招き猫は捻くれ者で余所向けど、
その姿は戸を確と見据えており、一応の招く意思を見せている。
その招待に戸を開ければ、雑多な奇天烈が並び並ぶその奥で。
豪雨、陰雨、暴風雨。
そういう面相の男が顔を上げた。
『来客?――この怪しい店構えで?』
『やれ、これは賞賛せざるを得ないね』
――“ハレルヤ!”
雨が止んで晴路が広がれども、決して傘は忘れずに。
この店の棚には雨傘を置くつもりは微塵もないのでね。