萬餐
まずは一献
夜行の片隅で噂の一つでも小耳に挟めば、あるいは酒精の匂いに誘われてみれば、
いずれは辿り着けるであろう裏路地に咲く赤提灯。
曰く魔除けだという不可思議な文様の暖簾をくぐれば、
酒器、あるいは酒気を商うのだと宣う酒舗の端くれ。
――ようこそお客人。まずは一献、さあさあどうぞ。
神とて人とて妖怪とて、酔い痴れるは等しいものだ。
酔わずして花が咲くものか。酔わずして理を見るものか。
まずは一献、傾けてから。
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お誘いした方のみ