晩景
迷わぬように、とおりゃんせ。
――いきはよいよい かえりはこわい。空が、時が、進む事を拒むような夕刻の旋律が街中に響く
《 pm.6:00 》
血のように染まる陽光が街を赫に染めた時
夕焼けの真っ赤な色と底の見えない影の深淵が世界を支配する。
情緒を揺さぶり、泣きたくなるような赫だけがかげろうのように揺らめく陽と共に見下ろしてくるのだ。
黄昏に攫われたのではないか?
此の晩景を見た誰しもが感じた彼の√世界で立ち竦んだ刻
鴉の鳴き声が一つ聴こえた気がした――。
此処から先は、|Loss Time Prologue.《夕刻の延長線》