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大妖『|禍津鬼荒覇吐《まがつおにあらはばき》』

〜√EDEN・湯島聖堂〜

久しいな、王劍『|明呪倶利伽羅《みょうじゅくりから》』よ……。
幾度も童子新生を繰り返してきた俺を探し当てるとは、余程√EDENへの恨みが腹に据え兼ねたとみえる。

これを見よ。久しかろう、マガツヘビの断片である。
滑稽にも、年若き古妖共はマガツヘビの掟の真相までは知らぬようだ。
無理もない。掟を定めしは、どこぞではまだ『|竜《ドラゴン》』の飛び交っていた頃。
機が熟するまで俺達の|従獣《マガツヘビ》が悪戯に浪費されぬよう定めた事など、わかる筈も無い。

我が名はアラハバキ。『|禍津鬼荒覇吐《まがつおにあらはばき》』
無形なる原初が神の一柱。
だが王劍よ、俺の神力とお前の怨で√EDENを殲滅すれば、俺の膨大な空の器も、瞬く間に満たされることだろう。

この機を狙い、他√よりも多くの簒奪者共が俺達の『宴』に訪れるだろうが……。
構うことは無い。√EDENでの大殺戮は、莫大な量のインビジブルを呼び寄せる。
宴に加わる簒奪者が皆、全てを満たして尚余りある程に……。