√妖怪百鬼夜行
妖怪と人類の共存・混血が進み、大正時代と現代が入り混じった令和の地球です。
しかし今、情念を喰らう「古妖」達が、封印から解き放たれようとしています。
むかしむかし、妖怪の生まれしこと
かつて、この√には妖怪だけが住んでいました。妖怪は強大な妖力と凄まじい凶暴性を持ち、気紛れに開く別√への道に我先にと雪崩込み、衝動のままに悪徳と殺戮の限りを尽くし、生きる為に必要ないにも関わらず、諧謔の為に多くの血肉を喰らってきたと言われています。しかしながら、彼らはその性質から妖怪同士でも騙し殺し喰らい合っていたため、やがて数を増やすことができなくなり、結果として緩やかに滅亡しつつありました。
|百鬼夜行《デモクラシィ》のはじまりしこと
しかし、他の√で言う所の大正時代あたりから、少しづつ何処かの√から人間達が迷い込むようになりました。人間は妖怪達にとっては最も美味い餌でしたが、やがて短い寿命を生き急ぐ彼らの儚い美しさに魅了され、自らの未来なき凶暴性を反省し、中には人と添い遂げる妖怪すら現れ始めました。そうした「人間を愛するようになった妖怪達」は、まるで人間のように団結し、群れ集う妖怪の群れ……
『|百鬼夜行《デモクラシィ》』となりて、今もなお人を喰らい続ける妖怪達を
『古妖』と呼び、次々と封印していきました(なぜ封印するかというと、古妖の多くが√能力者に覚醒していたためです)。
情念故に、古妖の封印解かれしこと
凶暴な古妖達を封印したおかげで、人と妖怪の交わる社会は目まぐるしい発展を遂げました。しかし時が過ぎ、社会が平和になったとて抑えられぬが「情念」というもの。あの人に愛されたい、死んだお父さんに会いたい、邪魔者を殺したい……そういった情念は人も妖怪も抱くものです。古妖はそうした情念を感じ取り、漏れ出る妖力で彼らを封印に導きます。そして、その情念を満たすことを条件に、古妖の封印は解かれてしまうのです。
多くの封印には、万一の際の警報装置が設置されていますが、大概は年代物のためうまく動作するとは限らず、動作したとて戦える者がいなければ何にもなりません。他√への侵略も躊躇わぬ古妖は、可及的速やかに倒し、再封印しなければなりません……!
※なお、強力な古妖は、その肉片を幾つにも分割されて各地に封印されています。封印されたにも関わらず同じ古妖が出るのは、多くの場合「分割された別の肉片」という事になります(全ての肉片が揃った古妖の力がどれ程かは、皆考えないようにしています)。
√妖怪百鬼夜行の光景
己の凶暴性を克服し、人と交わり始めた妖怪達は、徐々に数を増やし、社会を興隆させてゆきました。妖怪達は人間達とその考え方を好ましく思い、容貌が人に似てるとハイカラと思うまでに感化されてゆきました。その結果妖怪と人の混血はますます進み、今では妖怪3:人間1ぐらいまで、人間の人口が増えつつあります。
町並みは転入が最も多かった大正時代の気配を色濃く残しつつ、最近の転入者達が持ち込んだスマートフォンやインターネット等の広域通信網を四苦八苦で再現した事により、大正と現代が入り交じる不思議な光景が展開されています。また、人間が持ち込んだ文化は、人間達のブームが去った後でもしつこく愛好されています。元号もいつのまにか令和に変わっており、例えば、令和の今でもメンコはコンビニスイーツ並に新作が作り続けられています。
しかし、あちこちに古妖を封印した「祟りの柳」や「呪いの社」がある影響か、次元が出鱈目に混合された
『奇妙建築』も数多く存在します。入口は狭いのに巨大なお屋敷や、名古屋から鳥取に繋がる裏路地など様々で、下手に封印をいじる訳にもいかないため、皆「それはそういうもの」として暮らしています。
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