シナリオ

●ックスしないと出られないダンジョン?!(全年齢)

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「やあ少年くん。FAXしないと出られない部屋を知っているかな?」
 とっても怪しいお姉さん風な雰囲気を出しているアーマリア・アマクサ(人間災厄「カタリナカタリ」お姉さん・h01673)がそんなことを言ってきた。
 説明しよう!
 √ドラゴンファンタジーには危険なダンジョンがいっぱい!
 天上界の遺産が生み出すダンジョンは、内部や近くにいる生物をモンスターに変えてしまう恐ろしい環境破壊存在!
 自身がモンスター化することなくダンジョンの危険に対処できるのは、√能力者だけ!
 ならば行くしかないだろう!
「そんな少年少女諸君の前に立ちはだかるトラップがコレだ」
 その名も……『●ックスしないと出られない部屋』である。
 入った瞬間に出られなくなる部屋。
 そこには閉ざされた出入り口が1つだけあり、『FAXしないと出られない部屋』とだけ書かれている。
 君達の目の前の机には、壊れたFAX機材のようなものが置いてあるのだ。
 え、『FAXてなに?』だって?
 コピー機や電話機でよくやるアレだよアレ!古の通信用途!
「因みにこれ、ダンジョン自体もファックスをよく知らないみたいでね。ファックスっぽければ大体OKみたいなんだよ」
 しかし雷文明の代わりに魔法文明の発展した√ドラゴンファンタジーではそんな通信機器……え?もしかして似たようなもの、ある?
 まあとにかく、モンスター化しないで攻略できるのは√能力者だけなので君達の手にかかっている!
 無理矢理この部屋を越えようとしてもダンジョンの謎の魔力で元の部屋に戻されてしまう。
 正攻法で攻略しよう。
「因みにファックス部屋を出たら次に待っているのは、『エックスしないと出られない部屋』だよ」
 身体で×印を作って、『エーッッックス!!!』と心の底から叫べと書かれた紙が貼ってある。
 気合が足りないと無反応らしい。
 なお、こっちのエックス部屋はお題をガン無視で強行突破して貰っても全く問題ない。
 どうやらファックス部屋に魔力をいっぱい使ったのでこっちはこけおどしのようだ。
「2つの『ックス部屋』を突破すれば最終階層に待っているのはダンジョンボスだ」
 ダンジョンボスは『アークデーモン』。
 人型の悪魔の姿をしたようなモンスターで、人類への明確な悪意を持っている。
 人の欲望に付け込んだ計略を好み、今回のダンジョン罠を設計したようである。
 なお、罠については渾身の出来とか自認しているようなので、そのあたりをおちょくると隙が出来るらしい。
 実際、星詠みの力がなければ詳細が分からない罠で、攻略できなければダンジョンは着々と周囲をモンスター化していっていたので、かなり強力なダンジョン主である。
「モンスター化せずにこの罠を突破できるのは√能力者だけ。少年少女諸君、頑張ってくれたまえ」
 そしてアーマリアは君達を応援するのであった。

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第1章 冒険 『FAXをしないと出られない部屋』


誉川・晴迪
リズ・ダブルエックス

●『●ックスしないと出られない部屋』
「さてはて、お役に立てるでしょうか」
 誉川・晴迪(幽霊のルートブレイカー・h01657)はそんな危険なダンジョンにやってきてしまった。
 この部屋はダンジョンの特別な罠で出来ており、お題をクリアーしないと外に出ることができないのである。
 それは例え、幽霊である晴迪も例外ではない。
「まさか、私がこんな部屋に閉じ込められるなんて……」
 そして一緒に閉じ込められてしまったのはリズ・ダブルエックス(ReFake・h00646)であった。
 真っ白な四角い部屋に、出入り口は1つだけ。
 好奇心旺盛に部屋の中を眺めて回る晴迪。
 呆然とするリズ。
 対称的な二人の間にあるのは、机だけ。
「これこれは、とっても興味深い……」
 そこにあったのは、壊れたFAX機材。
 そうここは『FAXをしないと出られない部屋』であった。
「私が入るべき部屋は次の部屋だったのではないでしょうか」
 次はエックスしないと出られない部屋の予定だからね。
 しかしサポートで来て貰ったのであれば仕方ない。
「いやはや。この出られない部屋はすごいですね。全く出られる気がしません」
 晴迪はマイペースにぐるぐると色んなところを見て回って満足したようであった。
「おっと、キチンとお仕事は致しますよ」
 流石に遊んでばかりもいられないと晴迪はにゅるんと部屋の中央の机に戻る。
 そして壊れているFAXをふむーんと覗き込む。
「それにしても、FAX。FAXですか……」
 ベルセルクマシンのリズは機械系統には詳しそうであった。
 だが如何せん、年代が違いそうな気がしていた。
 そんなわけでじっくりと様子を眺める。
「うーん。壊れているとなると、幽霊な私では難しいかもしれません」
 晴迪はふわふわと浮遊しながら360度色んな角度でFAX機材を見つめるが、手を出せない。
 まあFAXを知っていても、壊れたFAXを直せるかというとそれは別なのは確かである。
「大丈夫です」
 しかしそこにリズが自信満々に応える。
「おお、FAXの仕方を知っていたのかな」
「いえ。レイン兵器だと信じれば、それはもうレイン兵器。そういう可能性もあります!」
 そして使うのは√能力:レインシステム転換。
 近くにある無機物に【レイン兵器に宿る精霊の力】を注ぐことで、一定時間活動可能なエネルギーを与える√能力である。
 注ぐ[レイン兵器に宿る精霊の力]を1体に集中すると、対象を【概念的なレイン兵器】化して硬度強化と【気象操作】による環境変化能力と【レーザー】攻撃能力を与える事も可能なのだ!
 しかも意思を抑え付けて術者の為に戦わせようとする事ができる!
「これでFAXもできます!」
『ピー、ガガガッガッ』
 動き出したFAX機材はビームを放った!
 出られない部屋の扉が開いた!
 ダンジョン的にはOKだったらしい!
 晴迪はおー、ぱちぱち。と拍手していた!
 とりあえず脱出に成功したのであった!

リズ・ダブルエックス
黄昏・剱
片町・真澄

●『●ックスしないと出られないダンジョン』

 √ドラゴンファンタジーに出現したダンジョンの罠。
 遅延目的として作られたその部屋はただただ、侵入者を足止めすることだけに特化していた。
 突破する方法はただ1つ。
 お題に沿った行動を取ることでのみ、出口が開く。
 だが逆に言えば、それ以外の方法では脱出は非常に困難。
 無理矢理この部屋を越えようとしてもダンジョンの謎の魔力で元の部屋に戻されてしまう。
 正攻法以外では突破できない罠部屋であった。
 そんな危険な場所に、とある男女が閉じ込められてしまっていた。

「って、『FAXしないと出られない部屋』ってなんやねん!!
 そんな危険な部屋で、片町・真澄(爆音むらさき・h01324)はお題目を見て叫んでいた。
 え、『FAXてなに?』だって?
 コピー機や電話機でよくやるアレだよアレ!古の通信用途!
「そーいうコトやないねん!!」
 ツッコミを入れる真澄の目の前にある机には、壊れたFAX機材のようなものが置いてあるのだった。
「どこが壊れているのだろう?」
 真澄がツッコミで忙しい中、黄昏・剱(鋼焔の後継・h09087)は既に壊れたFAX機材を弄っていた。
 鍛冶に関わったという鬼の血を引く剱は、こういった工業製品の中身が出ていて好き放題にできるものには興味が出て来るようである。
「どないなん? なおりそーか?」
 頑張る剱に真澄は狼耳を傾けながら応援する。
 FAXを知っていたとしても流石に壊れた機材を直せるかというと話は別だ。
 まあコンセントが抜けてるだけ、みたいな事もあるようだが。
「どうでしょうか。まだ何処が上手く行っていないのかもわかっていませんから」
 しかし流石に弱冠15歳の剱は、FAXは触れたことがあったとしても、見てすぐにどこが異常があるのかわかるものではない。
 ひとまずコンセントを抜き差ししたり、電話線を入れてみたり、電源を入れてみたり、と電化製品の故障の際にすることをやってみるがどうにも芳しくない。
 故障の具合がかなり部屋を引き当ててしまったようであった。
「なん、やて……、つまりウチらがやっぱり」
「お任せください。この罠は既に攻略済みです」
 だがそこにリズ・ダブルエックス(ReFake・h00646)が乱入してきた!
 男女が閉じ込められたとはいったが、別に男女1組とは言っていないのである!
「一度脱出したはずだったのですが、気付いたら再びこの部屋を訪れてしまっていました」
 この●ックスしないと出られないダンジョン内にはFAXしないと出られない部屋は1つしかないとは言っていないのである。
 何個のFAX部屋を攻略しないといけないかはプレイングの数と内容次第で変わるからである。
 つまりリズが前回攻略した部屋の次のFAX部屋なのだ。
「そういう理由で、私にはこの前回のFAX部屋から引き続き連れて来た『レイン兵器化したFAX』がいます」
『ピー、ガガガッガッ』
 まだいたFAX兵器!
 リズが前回引っかかったFAX部屋のFAXである。√能力で自立稼働できるようにしたのだ。
『ピー、ガガガッガッ、ピー!!』
 動き出したFAX機材はビームを放った!
 出られない部屋の扉が開いた!
「って、それでええんかい!?」
「このFAXを直さなくても扉は開くんだ」
 とにもかくにもダンジョンの罠を突破し、先に進むのであった。

フーディア・エレクトラムリーグ
金菱・秀麿
リーガル・ハワード
志藤・遙斗

●『●ックスしないと出られないダンジョン』

 √ドラゴンファンタジーに出現したダンジョンの罠。
 遅延目的として作られたその部屋はただただ、侵入者を足止めすることだけに特化していた。
 突破する方法はただ1つ。
 お題に沿った行動を取ることでのみ、出口が開く。
 だが逆に言えば、それ以外の方法では脱出は非常に困難。
 無理矢理この部屋を越えようとしてもダンジョンの謎の魔力で元の部屋に戻されてしまう。
 正攻法以外では突破できない罠部屋であった。
 そんな危険な場所に、とある男女が閉じ込められてしまっていた。

「よし。僕も警視庁異能捜査官として事件解決に協力しよ……え?」
 リーガル・ハワード(イヴリスの炁物・h00539)は、ダンジョン攻略に来たところでそんな危険な罠にはまってしまった。
「まっ、待て待て待てっ! なんだこの部屋はっ!?」
 慌てふためくリーガル。
 彼の視線の先には、この部屋を突破するためのお題。
 そう『FAXしないと出られない部屋』という文字が書かれていたのだ!
「なんだよ、FAXって!!」
 え、『FAXてなに?』だって?
 コピー機や電話機でよくやるアレだよアレ!古の通信用途!
 目の前の机には、壊れたFAX機材のようなものが置いてあるのだ。
「ラックスではないのですの~!? 騙されましたですのーっ!」
 いっしょに閉じ込められた男女の女の側、フーディア・エレクトラムリーグ(暴食汚職暴力お嬢・h01783)が、机の上にあるとても食べられそうにない機材をみて嘆く。
 なんか女性側っていうか、どっちかというと生物学的に雌って感じだった。
 因みにラックスはどっかの国の言葉で鮭のことである。
「その場合も『ラックスしないと出られない部屋』の意味がわからな過ぎるだろう!?」
「お鮭食べ放題ではないのですの~……」
 リーガルのツッコミが早くもオーバーヒートを起こしそうだった。
 頑張れ、リーガル!
 この依頼ではツッコミ役は大変貴重な存在なんだ!
「おー、そうかぁ。最近の子はFAX知らないんだねぇ……」
 そこに 金菱・秀麿(骨董好きの異能刑事・h01773)が何処か遠くを見るような瞳で話に入って来た。
 なお、男女とは言ったが別に男女1組とは言っていないのである。
「ある意味これも骨董品に近くなってきてるのかねぇ……そんなこともないかなぁ……」
 警視庁異能捜査官にして不思議骨董屋店主である秀麿は時代の流れの早さを感慨深げに実感していた。
 いつもは飄々としているだけのその空気が、どこか、哀愁を漂わせていたような気がしなくもない気がする。
「どーでもいいのですわ~! 早くここから出して欲しいのですわ~! お腹が空き過ぎて暴れてしまうのですわ~!」
 まあそんな40代の空気などなんの腹の足しにもならないと、フーディアは転げまわる。
 このックスしないと出られない部屋は、基本的に真っ白なだけで食べ物とかは何も置いていないのだ。
「あー、ここから早く出たいのは俺も同感ですね」
 さらに男側で増えた警視庁異能捜査官の志藤・遙斗(普通の警察官・h01920)も脱出のために行動を開始するのに賛同した。
 その手には火のついていないタバコがあり、指でずっと弄っていた。
 脱出できない密閉されたこのックスしないと出られない部屋では、火を使うのは、タバコは、安全性が担保されないのである。
 そう思い当たってしまった遙斗はすぐにでもタバコを吸いたい……おっと、警視庁異能捜査官として早くダンジョンを攻略したいと職務に忠実であらんとしたのだ。
「仕方ない。ここは僕に任せてもらおうか」
 見かねたリーガルが壊れたFAX機材に手をかざす。
「失礼。少し話を伺ってもいいだろうか」
 使うのは√能力:喚び水の手。
 物体に手をかざすことで、周囲のインビジブルを生前の姿に変え、最近3日以内の目撃内容について聞き出すことができるのだ。
「これで、3日以内にこの部屋を突破した人がいれば状況を詳しく聞いて再現すればいいだけだ」
「なるほど。それなら俺も付き合いましょう」
 リーガルの√能力を見て、遙斗も続く。
 同系統の√能力、職務質問。
 【鎮魂用のタバコの煙】によってインビジブルを【生前の姿】に変えることで、同じく目撃内容を聞き出せるのである。
 シュポッ。
「ふぅー。さてと少しお話を伺っても良いですか?」
 タバコを吸って煙を吐くと、警察手帳を開く遙斗。
「……ん? それタバコ吸いたかっただけじゃないか!?」
「これは事件解決に必要なことです」
「はっ! 美味しそうな匂いがした気がしましたのですわ!」
「煙ではお腹は膨れないねぇ……」
 なんやかんやあって、コンセントをさしたらFAXできた。

雪月・らぴか


「むむむ、そこ『せ』じゃないんだね!いや別に『せ』だとよかったなーとかそういうことじゃないけど!因みに私はそこが『せ』になること題材にしたゲームもやったことあるよ!ゲーム好きの守備範囲は意外と広いんだよ!」
 雪月・らぴか(霊術闘士らぴか・h00312)は謎のコメントをしながら謎の言い訳もしていた。
 そんな彼女がいるのは『FAXしないと出られない部屋』である。
 真っ白い部屋の中、壊れたFAX機材をどうにか直してFAXしないと先に進めないのである。
「一応ファックスに手を出す前に部屋の中調べるよ!電話線とかあるかなー?」
 電話線もコンセントも机に備え付けだった。
 しかもちゃんとささっている。
 それなのにFAXは動かない。
「うーん。ファックスは知ってるけど流石に直しかたはわからないね。パソコンなら多少弄るけどねー」
 ごちゃごちゃと何となく弄ってみてみるらぴか。
 結果、なんかFAX機材はより分解されただけだった。
「ここは!!! √能力の出番っ!!!」
 これ以上壊れてしまいそうな予感がしたらぴかは即座に路線変更。
 【雪霊幽玉ゴーストオーブ】を発動する。
「うひょー!心霊現象起こしちゃうよー!」
 【霊的な雪の玉】が創造されると、それをぺしっとFAX機材に当てる。
 この雪の玉は物品修理効果があるのだ。
「雪なのは、私が霊的なものを出そうとすると大抵雪とか氷がついてきちゃうからだね!  直るかなー?」
 空気に溶けるように雪玉が消えると、そこには、分解される前の姿のFAX機材が!
「むむ! 直った? 直ったのかな? 紙セットして適当に番号入れて送信押せばおっけーだったりしないかなー?」
 とりあえず試してみることに問題はなさそうなのでらぴかはFAXをしてみる。
 ピーガガガッ、ピーッ。
 ダンジョンの扉は開いた!
「やったー!」
 どうやらこれでOKだったようだ。
「ところで『ファックス』って一文字削るとあれだよね!」
 そうだね、|斧《アックス》だね!

青亀・良助


『●ックスしないと出られない部屋』
 眼鏡をかけたインテリっぽい青年。
 青亀・良助(バトラーブルー・h05282)はそんなヤバイ部屋で、唯一、己と机以外にいる存在に向き合っていた。
「ほう。なるほど。どうやら、我々で"しないと"いけないようですね」
 カチリ、と光が反射して真っ白に見える眼鏡を押し上げる。
 その声音は敢えて感情を抑制しようとしているが、隠しきれない興奮のようなものをにじませていた。
「まさかまさか、ダンジョンの中でこんな罠にかかってしまうとは……ふぅ」
 わざとらしく首を振り、溜息までついて見せる。
 そして外に出る為に必要な相手に、ゆっくりと近づいていく。
「そう。これはダンジョンの罠を突破するために必要な行為。仕方ない、避けられない罠なのです」
 そのままダン! と机に手をついて、相手をゆっくりと品定めする。
「あぁ……メールで書類データも送れる昨今、こうした家庭用FAXは珍しいですね」
 そう、この部屋は『FAXをしないと出られない部屋』!
 机の上にある壊れたFAX機材をどうにかして、FAXしないと外に出れない罠なのだ!
「多少のメカニックの嗜みと家電マニアの知識でなんとか解決しましょうか」
 良助は外に出る為に必要な|相手《FAX機材》への興味を隠し切れない様子で色々触る。
「送信ですから中の紙の有無は関係ないですし、電源も問題ないですかね?」
 中の配線が問題ないか、ゴミが詰まったりがないかも丁寧に調べて問題を解決してゆく。
 その手つきは滑らかで。
「ほう、中はこうなっていたのですね。綺麗な(配線の)色をしているじゃないですか」
 丁寧で。
「ここがおかしくなっているんですね?もうちょっとの辛抱ですよ」
 ねっとりと。
「ふふふ、スムーズに(送信用の紙を)飲み込むじゃないですか。いい子ですね」
 しつこく。
「あとはしっかりと最後まで(番号を)入れれば……あっ」
 周到であった。
 ピーガガガgッ、ピーッ……。
 丁寧な修復作業にFAX機材はすぐさま、送信を始めたのだった。
「これで直りましたね」
 出入り口が開いたのを確認した良助はすくっと立ち上がると、|キリリとした表情に切り替える《今まで違う表情だったってことです》。
「あ、無事に終わったらこの子(FAX)持って帰っていいですか? あ、だめ。そうですか」

戌神・光次


「え。今の若者はFAX知らないのか?マジ?」
 戌神・光次(自由人・h00190)は衝撃を受けていた。
 FAX部屋に閉じ込められる若者がいると言う話にである。
「いや家庭用はもう無いと思うけどさ。仕事用とかはまだ使うだろ?うちの少年サッカークラブの事務所にもあるぞ。……まぁ使う機会は滅多に無いけどさ……」
 そもそも仕事に使う場合もかなり相手先が限られて来てしまっている気がする。
 なので場所によっては本当に知らない人もいるようなのだ。
「そうか……おじさんちょっと悲しくなったよ……」
 ずーんと気落ちしてしまう光次であった。
「とりあえず最低限の保守くらいは事務所でしてるから点検するか」
 しかし落ち込んでいてもこの『FAXしないと出られない部屋』から先に進める訳ではない。
 光次は大人の勤め人として、気落ちしたまま、けれども特に手が止まることもなくFAX機材の点検をする。
「……ただの紙詰まりか。ちゃっちゃと直して」
 電源を入れて送信しようとするとピーピー言うので中身を開いたらよくある紙詰まりだった。
「送信先……うちの事務所でいいか」
 何の感慨もなく詰まった紙を取り除くと、そこでようやく悩むところがあったが、すぐにFAX番号を打ち込む。
「こっちの√にも在るか知らんが無くても送信ミスになるだけだろ。内容はテスト送信って事にして……よし」
 ピーガガガgッピー、ガガガガ……。
「これで開くはずだ。開かないなら……うん。蹴り壊すか」
 ちょっとだけやる気を出せそうな気がした光次。
 だが、FAX部屋の出入り口は普通に開くのであった。
「あ、そっかー」
 こうしてまた一人、√能力者がFAX部屋を突破するのであった。

第2章 冒険 『〇〇しないと出られない部屋』


黄羽・瑠美奈
誉川・晴迪

●第二章 エックスしないと出られない部屋

 ●ックスしないと出られないダンジョン。
 そこは√ドラゴンファンタジーに出現したダンジョンの罠の1つ。

 遅延目的として作られたその部屋はただただ、侵入者を足止めすることだけに特化していた。

 侵入者は、真っ白い部屋に閉じ込められてしまい、脱出が困難になる。
 この部屋を通るには、お題に沿った行動を取ることで、扉が開く仕組みになっているのだ。

「さてはて、お役に立てるでしょうか」
 誉川・晴迪(幽霊のルートブレイカー・h01657)はそんな危険なダンジョンにやってきてしまった。
 この部屋はダンジョンの特別な罠で出来ており、お題をクリアーしないと外に出ることができないのである。
 それは例え、幽霊である晴迪も例外ではない。
「えぇーっ!? ウチが、あの、噂のあの部屋に来ちゃったのーっ!?」
 そして一緒に閉じ込められてしまったのは黄羽・瑠美奈(メイドイエロー・h05439)であった。
 ギャルな感じの瑠美奈は、閉じ込められた状況に対してもオーバーリアクションで騒いでいた。
 フンフン、とマイペースに部屋の中を眺めて回る晴迪。
 うわー、うわーっ! と騒ぎ立てる瑠美奈。
 対称的な二人の目の前にあるのは、扉に書かれたお題目であった。
「これこれは、とっても興味深い……」
 そこに書かれていたのは短い文章だけ。

『身体で×印を作って、『エーッッックス!!!』と心の底から叫べ』

 そう、この部屋は『エックスしないと出られない部屋』であった!
 渾身のエックスを繰り出せばクリアーできる!
「ん~~~、エーーーッックス!!!」
 早速、瑠美奈は全力全開で両手を振り上げ、エックスした!
『……シーン』
「これ効果音でるのっ!?」
 しかし気合が足りないと無反応だったりシーンとなってしまうようであった。
 残念!
「中々強敵だね!」
「おお~頑張ってください」
 晴迪は完全に応援モードであった。
「エーーーックス! エーーーッックス!! エーックスッッッ!!!!」
 ハイテンションなまま、瑠美奈は何度もいっぱい××する!
「ふぅー、ふぅー……、こんなに頑張ってるのにぃ~」
 息も絶え絶えになる程、××した瑠美奈であったが、残念ながら無反応のままであった。
「ふーむ……」
 晴迪はそんな瑠美奈を残して一人でぐるぐると部屋の中を観察していく。
 そして何かに気付いた。
「おや? この壁、すり抜けたら通路が続いてますね」
「ふえっ?」
 |上層階《一章の際》では、確かに正攻法以外ではまず通過することは不可能だった。。
 だが、実は、こっちのエックス部屋の方は、なんかその辺がかなり雑っぽいのだ。
 なので、エックスしても出られるが、そもそもエックスしなくても、前回と違ってゴリ押しでもいけるっぽかったのである。
「お顔を隠して、ひとつ、ふたつ、みっつ」
 巨大な白布を出してふわっとすると、壁が崩れて通路が出現。
 先に進む道が見つかるのであった。
「えええーっ!? あんなに頑張ったのに」
「こういった方法もあるのですねぇ」
 ともかく、二人はエックス部屋をクリアーするのであった。

雪月・らぴか


「うひょー!」
 雪月・らぴか(霊術闘士らぴか・h00312)は両手両足を広げつつ飛び跳ねると肥高々に叫んだ。
「エーッッックスッ!!」
 しゅた。たゆん。
 シーン。
「うん、これだけじゃ開かないよね!開いたらプレイング300文字もいらないもんね!さてさて、どうやって盛ろうかなー?」」
 らぴかが立ち往生してしまったのは、この●ックスしないと出られないダンジョンの一室。
 その名も『エックスしないと出られない部屋』である。
 この部屋は身体で×印を作って、『エーッッックス!!!』と心の底から叫ぶことで扉が開くのだ!
 しかし渾身具合が足りないと先程のように、無反応だったり、シーンと返ってきたりするのである。
 厳しい。
「そうだ!」
 ダンジョン説明をしている間にらぴかは次なる手を思いついたらしい。
 取り出したのは1つの蝋燭。
 そこに霊力をぐぐいと込めると、ピンクの霊的な炎が灯り、それをらぴかはじっと見つめると……壁にぶちまける!
「うひょー! 強めに放火!燃えないけど焦げるくらいはすると思うし、これで『X』の形に焦がすよ!」
 霊力を込めれば込めるだけ火力が上がる系のアイテムのようで、らぴかは盛大に火炎を生み出し壁を焼く。
「でもって【砲雪玉砕スノーキャノン】で大砲10基召喚!」
 √能力によって【巨大な雪玉を放つ雪だるま大砲】を複数召喚するらぴか。
 この大砲は召喚する数が多ければ多い程、その命中率や機動力は下がるのだが、相手は壁である。
 特にデメリットはない。
「因みに10基なのは10がローマ数字でXだからだね! 狙って狙って口から雪玉ドーンっ!」
 焦がしたところ狙ってX型に撃ち込む!
 激しい音と衝撃が起きる中で、らぴかは再び、先程よりも気合を入れて飛び跳ねる。
 そして身体全体でXを作りながらのぉ……。
「えええええっくすうううううううう!!!!」


 うん、壁が破壊されて奥の通路が見えるようになっていた。

戌神・光次
青亀・良助


「どこかでうちの駄メイドの声が聞こえた気がしましたが、気のせいでしょうね」
 青亀・良助(バトラーブルー・h05282)はくいっと眼鏡を上げながら説明文を読む。
 このダンジョンは、●ックスしないと出られないダンジョン。
 閉じ込められた部屋に設定されたお題目をクリアーしないと脱出できないという代物なのである。
 こんな危険なダンジョンに、良助はもう一人の参加と共に閉じ込められてしまったのだ。
「まさかこんな部屋にまた閉じ込めらるとはな」
 そのもうひとりとは、戌神・光次(自由人・h00190)だった。
 因みに良助は、19歳、男性。クール系眼鏡執事。
 光次は42歳、男性。元プロサッカー選手で現在は地元の少年サッカークラブで監督兼コーチ。
 密室に二人。
 何も起きないはずもなく。
「エーッッックス!!!」
 良助はロックバンド風に腕をクロスさせて叫ぶ!
 そう、この部屋は『エックスしないと出られない部屋』!
 身体全体で渾身のエックスを繰り出せというお題なのだ!
「……開けば御の字と、とりあえず試しにやってみましたがやはり無理でしたか」
 良助はすっと身体を戻して眼鏡をくいっとしていた。
「星詠みの話でタネは分かっていますし、切り替えましょう」
「ふむ。これはアレか。世界大会でアメリカ代表が使ってきた、あの技を使えという事か」
 今度は光次の出番であった。
「あれには散々苦しめられたからな。やり方は覚えている」
 そう言って慣れ親しんだように足を上げると、足の裏にインビジブルを集めたインビジブルボールを作り出す。
 そこに、横に控えていた良助が走り出す。
「ファンダーチェンジ!」
 同時に全身スーツのバトラーブルーへと変身!
 そう、謎の必殺技をする時は、何故かスポーツでも変身するアレである!
「へい、パス!」
 ポン、と光次は良助へとパスを出す。
 良助はボールを華麗に受けると、適度な高さに蹴りあげる。
「よし、今だ!」
 ボールを渡してフリーになった光次は助走つけてジャンプし、前方宙返り。
「ここですね」
 計算され尽くしたかのようなジャストな位置にドロップキックのように両足でボールに足を当てる光次。
 そして、ヒットの瞬間、両手足を大きく広げる勢いで蹴り出す!
「これが必殺シュート「シューティング・エックス」!」
 もちろん√能力の攻撃技判定なので、扉にボールがシューーーーゥ!!!
 爆発ッ!!!!
「……おお、一発で扉を破壊した。流石エースストライカーの必殺シュート、凄まじい威力だな」
 シュートの威力で扉を叩き壊しただけに見えなくも無い気もするが、光次は気にしないことにした。
「さて、子供騙しのギミックなどとっとと抜けましょう。FAXを壊れたままや杜撰な状態でダンジョンに置いておくのも許しておけませんしね」
 とにかく突破は突破。
 二人は通路を進むのであった。

柳・依月
森屋・巳琥

●エックスしないと出られない部屋

 それは√ドラゴンファンタジーに出現したダンジョンの罠。
 遅延目的として作られたその部屋はただただ、侵入者を足止めすることだけに特化していた。
 侵入者を閉じ込め、出入り口を開けるには、お題に沿った行動を取れと書いてあるのだ。
 実際、その『お題』通りの行動をすれば扉は開く。
 だが、このダンジョンの名前は『●ックスしないと出られないダンジョン』。
 そのお題は決して一筋縄ではいかないものなのだ。

 そんな危険な場所に、とある男女が閉じ込められてしまっていた。

「えっちなのはいけないです」
「欠片もえっちなことはする必要ねぇから」
 森屋・巳琥(人間(√ウォーゾーン)の量産型WZ「ウォズ」・h02210)がちょっと顔を赤くしていたが。
 柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・h00126)はそれを切って捨てていた。
 まあそれも仕方ない。
 巳琥は7歳。
 そんな相手に22歳の大学生な依月はいくら人妖「公園のお兄さん」でもツッコミをするだけであった。
「いえその、興味はなくない……ですけど」
「とりあえずお題な」
 そんな二人の目の前にあるのは、扉に書かれたお題目であった。
 そこに書かれていたのは短い文章だけ。

『身体で×印を作って、『エーッッックス!!!』と心の底から叫べ』

 そう、この部屋は『エックスしないと出られない部屋』であった!
 渾身のエックスを繰り出せばクリアーできるのであった!

「俺も人間の作る文化ってのが好きだけど、これはなんか違くねーか?」
 依月はパチモン臭さを感じるお題に首をひねっていた。
 恐らくこのダンジョンは、内容をしっかり理解しないで、表面だけ真似してみたのだろう。
 時間さえ稼げればいいので、それはそれでありな作戦ではあった。

「とりあえずやってみるか……」
 依月は両手両足を広げると、声高々に叫ぶ。
「エーーーッックス!!!」
 ……。
 シーン。
「開かねぇのかよっ!」
 どうやら渾身具合が足りなかったようであった。
「あ、この部屋。どうやら力技でも突破可能なようですよ」
「それを早く言えよ!……だったらこれだ」
 依月はそういうことなら、と√能力を発動する。
「次は〜きさらぎ駅〜きさらぎ駅に停車いたします」
 怪異顕現:きさらぎ駅。
 【怪談「きさらぎ駅」】を語ることで、己の周囲を語りの内容を反映した【時空の歪んだ、数多の怪異蔓延る異界の駅】へと変えるのだ。
 この中であれば、攻撃は射程が届く限り全て必中となる。
「小鳥は野に放たれました」
 それに合わせて、巳琥もまた√能力を発動する。
「白き鳥の指揮者」
 30羽以上の【デフォルメ調のシマエナガ型自律性ビット】が召喚されると、それらが一斉に出入り口へと飛び込んでいく。
 依月の√能力によってすべてが必中効果を得たシマエナガ型自律性ビットはことごとくが扉にぶつかり、その物量を持って、扉を壊すのであった。
「よし。開いたな。これを作ったヤツは悪趣味だな」
「私みたいなこどもにセクハラする変態な不審者さんにはオシオキが必要だと思います」

ルーネシア・ルナトゥス・ルター
青木・緋翠

●エックスしないと出られない部屋

 『●ックスしないと出られないダンジョン』。
 それは√ドラゴンファンタジーに出現したダンジョン。
 このダンジョンの罠は、単純明快ながらも、一筋縄ではいかない。
 遅延目的として作られたその部屋はただただ、侵入者を足止めすることだけに特化していた。
 侵入者を閉じ込め、出入り口を開けるには『お題』に沿った行動を取れと書いてあるのだ。
 そんな危険な場所に、とある男女が閉じ込められてしまっていた。

「ここで会ったのも何かの縁……とは言ったものの、このお題はね……」
 閉じ込められた男女の女性側、ルーネシア・ルナトゥス・ルター(逢魔銀・h04931)は書かれたお題を見上げていた。
 スタイルもよく、高身長な彼女は飄々とした中性的な口調の狼獣人お姉さんと言う雰囲気を持っていた。
「そうですね。俺もダンジョン攻略のために来たのですが……まさかこんな罠の部屋とは知らず」
 閉じ込められた男女の男性側、青木・緋翠(ほんわかパソコン・h00827)も目を細めたまま困惑してしまっていた。
 二人の目の前にあるのは、扉に書かれたお題目であった。
「私は痛みには多少の耐性はあるから、多少は無茶しても構わないよ」
「すみません。俺は、誰かが傷つくのは嫌ですから」
 そこに書かれていたのは短い文章だけ。

『身体で×印を作って、『エーッッックス!!!』と心の底から叫べ』

 そう、この部屋は『エックスしないと出られない部屋』であった!
 渾身のエックスを繰り出せばクリアーできるらしいのだ!
 という事で。
「|銀弾『電燼貪狼』《シルバーバレット『デンジントンロウ』》」
 ルーネシアは精霊銃を構えると√能力を込めた弾丸を、お題の書かれた扉に向けて放つ!
「得意分野は暗殺なのだけどね。たまにはこんな力技もいいさ」
 そのまま続けて弾丸を放ちまくる。
 実はこのエックス部屋。お題をクリアーしても扉は開くが、それはそれとして力技で扉を開けてもOKなのである。
 どれくらい渾身のエックスをしないといけないのか分からない罠を正攻法でいくより、さっさと力技で行く方が早いこともある。仕方ない。
「俺もお手伝いしますね」
 緋翠も√能力を発動。|ヘルプキャラ:二足歩行ロボ《ヘルプキャラ・ニソクホコウロボ》で、【箱に足が生えたようなロボ】12体を呼び出す。
「>召喚 ヘルプキャラ:二足歩行ロボ」
 それらは反応速度は遅いものの、別に戦闘をするわけではないので、十二分に力を発揮し、扉をドンドン体当たり!
 問題なく、エックス部屋の扉を開くのであった。

リズ・ダブルエックス


「やだ、私、2回もFAXしてます。これじゃあ、今後、リズ・ダブルファックスになってしまいます」
『ピー、ガガガッガッ』
 リズ・ダブルエックス(ReFake・h00646)は、『FAXしないと出られない部屋』を2度も経験した猛者であった。
 恐らくきっと多分、今現在の√能力者の中では最もFAX部屋を経験した単独トップだろう。
 運命が彼女を導いていた。
「そうなると、流石にあれなので、今回はエックスします!」
『ピー、ガガガッガッ』
 そんな訳で今度こそ、『エックスしないと出られない部屋』に来てもらった!
 この部屋は、身体で×印を作って、『エーッッックス!!!』と心の底から叫べば扉が開くのだ。
 なお力技もOKとする。
「そもそも私はこの部屋をフリーパスで突破できても良いんじゃないでしょうか?エックスで出られるのにダブルエックスですよ!」
『ピー、ガガガッガッ』
 そう主張するリズ・ダブルエックスであったが、扉はお前の渾身のエックスを見せてみろと佇むばかりであった。
「いいでしょう!気合を入れて【LXF精霊暴走モード】を使用します」
『ピー、ガガガッガッ』
 部屋の挑戦を受けて立つリズ。
 防具【LXF】から自身の【光翼】を展開すると、√能力を発動する。
「無理をします。申し訳ありませんが付き合って下さい。「レイン」に宿る精霊達……!」
 ドン!
 凄まじい魔力が迸り、リズの背中に【精霊の魔力で蒼色】に輝く光翼が生まれる。
「|LXF精霊暴走モード《フライトアーマー・エレメンタル・ベルセルク》!!」
 それを解き放てば、青く輝く光翼をエックス状に展開される!
 その上で、リズ自身もまた両手両足を広げて叫ぶ。
「これでダブルエーーックス!!」
『ピー、ガガガッガッ』
 この気魄に、遂に××しないと出られない部屋の扉は開かれるのであった!

第3章 ボス戦 『アークデーモン』


●第3章 ボス戦 『アークデーモン』

 ●ックスしないと出られないダンジョン。

 その独特な2つの『ックス部屋』の罠を突破した√能力者たち。

 最終階層に待っているのはダンジョンボスであった。

『オ~ホッホッホッ! よくぞここまで辿り着きましたわ!』

 そこに待ち構えていたのは『アークデーモン』。

 人型の悪魔の姿をしたようなモンスターだ。
 強力な魔力と、人外の身体能力の持ち主でかなりの強敵でもある。

『ワタクシの作ったダンジョンは楽しんでいただけましたかしら?』

 だが何よりも彼女が厄介なのは、人類への明確な悪意を持っていることであろう。

 彼女がこの●ックス部屋の罠を作った理由は明確。
 時間稼ぎである。
 ダンジョンの核となっている遺産による、モンスター化ダンジョン化の侵食の時間を得ていたのだ。

 まさに人の欲望に付け込んだ計略であった。
 その分だけ、彼女の能力も上昇している。

『ですが、貴方たちの冒険もここまで! 罠に時間を食っていた間に力を蓄えたワタクシ自身が最後の砦となって、蹂躙して差し上げますわ!!!』

 戦闘特化タイプではないが、それでもボスとしては強敵な敵だ。
 油断なく戦って欲しい!

 なお、アークデーモンの中では、罠については渾身の出来とか自認しているようなので、そのあたりをおちょくると隙が出来るらしい。
 その辺りを突くといいかもしれない。
戌神・光次
雪月・らぴか


「えええ!?ファックス、エックスと来たのに最後はアークデーモンってそこは◯ックスで揃えないの!?」
 雪月・らぴか(霊術闘士らぴか・h00312)
 ごめんね。ランダム的な感じで出くわしたメンバーなんだ……。
「キツネっぽいやつでフォックスとか……角が牛っぽい!じゃあオックスってことでいっかー」
『ワタクシの作ったダンジョンは楽しんでいただけましたかしら?』
 らぴかが一人でそんな風に騒いでいると、件のアークデーモンは妖艶な笑みを浮かべながら優雅にそう聞いて来た。
 彼女はダンジョンボス。
 ダンジョンがその存在を広げていくためにこの●ックスしないと出られない部屋という罠を用意した張本人である。
 かなりの自慢げな様子から、力作だったのだろう。
「あー、うん。とりあえず言うことはだな」
 誇らしげなアオリ顔をしているアークデーモンに戌神・光次(自由人・h00190)が若干疲れた顔で返事をする。
「お前が期待していたより時間稼ぎ効果無かったと思うぞアレ」
『は?』
「あのファックスしろって変なギミックだったよねー」
 光次の言葉に固まるアークデーモン。
 渾身の出来だったのだ。
 今まで多くの冒険者を罠だけで帰還させ続けて来たのだ。
「どっちも早々に突破できたしな……」
『は? え?』
「変なだけだったけど!どうせなら本当にどこかに送らないとダメとか、√能力使用禁止とかもつけた方がよかったんじゃないかなー?」
 今までの冒険者相手にはきちんと実績があったのだ。
 なんか突然やってきた一部の集団(√EDENの能力者)がなんかよくわかんない方法で突破し始めただけなのだ。
「次の部屋は普通に壁壊れたし実はエックス関係なかったよね!せめてもっと壁硬くしておこうよ!」
 少ないダンジョンリソースをやりくりしてどうにか作った渾身の罠部屋なのである。
 実際、FAXは存在を知らないと全く進むことができない異なる√世界の品物を使っているし。
 エックス部屋が扉を壊せるのは、予知で知ってるからであって、FAX部屋が完全にズル禁止にしていたので次の部屋もそのルールが適用されていると誤認させることで、リソースを確保していたのである。
 かなり人間の思考をトレースできていたと自負できる出来だったのだ。
「自分で言うほど力が溜まってないんだろ?」
『ああああああーーーーっ!!!!』
 √能力者の予知などという存在さえなければ、実際ちゃんと優秀だったアークデーモンは二人の冷気とかサッカーボールとかと一緒に繰り出されてくる煽りに精神をメッタメタにされていた。
『ええい! 全て滅ぼしてくれるっ!!【|悪魔の一撃《デモンズ・ストライク》】!』
 ここにきてアークデーモンは大技の√能力を発動してくる。
 【魔力を帯びた拳】による一撃は、近距離への高威力と、外れたとしても【侵蝕汚染異界】を周辺に展開するという悪魔っぽい技だ。
「その攻撃には、ビリオンノッカーを正面からぶつける!」
 とはいえ、その√能力すらも予知されている。
 光次は対策として、サッカーボールでその魔力の拳を受け止めにいく。
「そいつは外せば領域を作るが、当たれば作れないんだろう?」
『なにっ!?』
「このボールはそう簡単に壊れない特別製でね。どっちが強く叩けるかの勝負なら負けるつもりはない」
 サッカーボールを介してアークデーモンの拳を受け止めた光次は、√能力で無数の蹴りの連打で即座に押し返す!
 相殺……つまり命中自体はしているため【侵蝕汚染異界】も展開されず、冷静さを欠いた状態のアークデーモンはこの力技の解決法に一瞬反応が遅れる。
「きたきた繋がるコンボチャンス!」
 そこにらぴかが待ってましたとばかりに、手に持っていた魔杖を変形!
 杖から、アックスモードに! 
「ぶち込むよ!」
 そこから斧、鎌、槍、鎚、棍、鞭、鎖、鋏と連続変形させながらコンボを叩き込む!
『ぎゃっ、がっ、ひっ、ああっ、ぎっ』
「そうだな、さっき覚えた丁度いいのがある」
 コンボを受けて動けないアークデーモンに光次もトドメとばかりに、サッカーボールを空に放りながら助走をつけて飛び上がる。
「お前さんも食らっておくか。「シューティング・エックス」を!」
「【変形連鎖トランスチェイン】」
 らぴかの連続コンボがエックス字に軌道を残し、光次のドロップキックからの両足を開く空中シュートがアークデーモンへの決まるのだった!!

ガイウス・サタン・カエサル
ロバーリア・ゴールデン


『ええい、ワタクシとしたことが、取り乱してしまいましたわ!』
 ダンジョンボス『アークデーモン』。
 妖艶な美女のような、悪魔悪魔した見た目の彼女は、ダンジョンを広げようとする明確な人類の敵であった。
 侵入者である√能力者にいいようにやられ、かなり動揺しているところに、追加のメンバーがやってくる。
「オーッホッホッ!レディ・ロバーリア、参上ですわっ!」
 ロバーリア・ゴールデン(下町に咲く気品の筋肉、黄金の子爵亭看板騎士。14歳の病進行中・h09097)が高貴な高笑いと共に颯爽と登場する。
「オーッホッホッホッ! 見なさい庶民の皆さまっ!  この風こそ、貴族が切り開く“栄光の先駆け”ですわ!」
 先陣を切ると強くなる√能力で、サポート参加なので気にせず参加だ!
 別の√能力なくても戦力になるなら問題ないのだ。
「むしろ私たちの糧になる相手だ。それくらいで問題はないだろう」
 更に参戦して来てくれたのはガイウス・サタン・カエサル(邪竜の残滓・h00935)だ。
 邪竜の残滓たる彼は、例えダンジョンボスであろうとも、自らを成長させる糧。要するに経験値を稼ぐためにやってきたのだ。
 その眼、態度が完全にアークデーモンを見下していた。
『キィーッ!! また、どいつもこいつもワタクシを下に見て!』
「ええ、わたくしは別に下に見たりはしておりませんが……」
『ワタクシは庶民ではないのよっ!』
 完全にとばっちりだったロバーリアにも、アークデーモンは理不尽な怒りを示してくる。
『これでも食らいなさい!! |悪魔の虐殺《デモンズ・ジェノサイド》』
 アークデーモンは怒れるままに手を振るうと、大量の魔力弾を放って来る。
 この√能力は、指定した地点から一定範囲内を威力100分の1だが、300回攻撃できるものなのだ。
『逃げ場のない攻撃よ! これで倒れ伏しなさいなっ!』
 全方位からの多重300回攻撃。
 1つ1つの威力は低くとも、それが300も重なれば総合ダメージはかなりのものになるだろう。
 アークデーモンは勝ち誇った笑みを浮かべていた。
「来い。|光輝降臨《コウキコウリン》」
 そんな相手に、ガイウスは冷静に√能力を発動する。
「これを防げ」
 異次元に格納しておいた顕現した【光り輝く何か】を取り出すと、それがそのまま周囲の悪魔の虐殺の魔力弾を弾き返していく。
 困難を解決する為に必要で、誰も傷つける事のない願いを叶える√能力なのである。
「守るだけならば誰も傷つける事はない」
『な、なにぃっ!?』
「オーッホッホッホッ! あとはお任せあれですわ!」
 攻撃を防いだところで、ロバーリアが突撃。
 黄金戦斧ハルバリアを振り回して、アークデーモンをぶっ飛ばすのであった。

青亀・良助


『ワタクシの作ったダンジョンは楽しんでいただけましたかし
 妖艶な見た目をしたアークデーモンは艶やかな笑みを浮かべながらそう聞いてきた。
 ●ックスしないと出られない部屋ダンジョンを作ったダンジョンボスである。
 前屈みになって覗き込んで来るその瞳に見つめられれば、如何に堅物っぽい青亀・良助(バトラーブルー・h05282)と言えども……。
「ダンジョンの出来とかは正直どうでもいいですよ」
 ばっさり切り捨てていた。
「まあ、かかった人たちもいましたし、それなりの成果があったのでは?」
『は、はぁ!?』
 このアークデーモンは今回作った●ックスしないと出られない部屋の罠には相当な自信があったのだ。
 実際、予知能力持ちの√能力者が来るまでは幾人もの冒険者たちをただただ時間だけ浪費させて返り討ちというか退却に陥らせてきた実績もあるのだ。
「それよりも!」
 だがそんなことは、良助には関係なかった。
「許せないのはFAXの扱いです」
『はぁ? FAXって確かあの、√EDENから持って来た変な箱よね?』
「あんなダンジョンギミックとしてぞんざいに扱い、不調だったりコンセントが抜けていたりと問題のある状態でおいていたのは度し難い」
 良助は熱く語るが、残念ながら、このダンジョンの罠の内容からしてアークデーモンはそもそもFAXを理解せずに設置していたに違いない。
 何しろガー、ピピピ、とか言えば扉は開く程だったのだ。
 なのでそんな懇々と説明されても何も伝わっていなかった。
「僭越ながら、家電愛好家の一人として、貴方を成敗し、FAX達を救い出しましょう」
『なぜ!?』
「変身っ! バトラーブルー!」
 問答無用で良助は変身!
 執事+亀(玄武)をモチーフにした青い戦隊に姿を変える。
『ええい、ワケが分からん!』
 アークデーモンはとりあえず魔力波を放って攻撃をしてくるが、良助の言動に混乱していたのか狙いが甘い。
「|亀甲障壁《カラペース・バリア》」
 良助は複数の六角形で構成された障壁のバリアを作ると、それを足場に地震を回避。
 飛び上がって接近すると両腕のシールドを構える。
「シールドガントレット『トータスガーダー』!!」
『ふべっ?!』
 そのまま怒りのままにシールドガントレットによってボコボコに殴るのだった。
 なお、ダンジョンFAXはアークデーモンが創造したものなので、ダンジョンが消える際には一緒に消えてしまう模様であった。

望月・惺奈
志藤・遙斗
パンダカ・パンダナ・パンダ
ミオ・カタギリ
風宮・ワタル
レイシー・トラヴァース



 √ドラゴンファンタジーに出現した『●ックスしないと出られないダンジョン』。
 そのダンジョンの罠は主に、特定のお題をクリア―しない限り扉が開かないと言うもの。
 達成困難な●ックスしないと出られない部屋を作り出し、このダンジョンボスは時間稼ぎを行っていたのだ。

『オ~ホッホッホッ! よくぞここまで辿り着きましたわ!』

 そこに待ち構えていたのは『アークデーモン』。

 人型の悪魔の姿をしたようなモンスターだ。

『ワタクシの作ったダンジョンは楽しんでいただけましたかしら?』

 彼女は今回のダンジョン罠に絶対の自信を持っていた。
 その名も『FAXしないと出られない部屋』である!

 そう、古の通信機器、FAXを正しく使えないと出られない部屋だったのだ!
 ただでさえ見た事のない若者が出てきているような気がする機器なのに、ここは√ドラゴンファンタジーである。
 もはや冒険者ではなんのことかさっぱり!
 幾人もの現地の侵入者を撃退してきたすごい罠なのだ!


「ご機嫌よう。錬金術士の望月惺奈です」
 そんなダンジョン攻略に買って出てきてくれたのは望月・惺奈(存在証明の令嬢錬金術士・h04064)であった!
「トラブル解決の方法は錬金術です!」
 15歳の、それも空想未来からやってきた、さらに言うならば良家のお嬢様な惺奈がFAXを知っているかは分からない。
 だが確実に分かる方法はあった。
「ここが私のアトリエです!|永久を刻む安息の錬金《エテルネルメント》」
 惺奈は杖を取り出すと√能力を発動。
 それによって予め建造しておいた【アトリエ】の内部に召喚した【錬金術士の少女】に、FAXについて調べさせたうえで念話で報告させる。
「事前に調査が出来るのであれば、●ックスダンジョンの罠も怖くありません!」
『な、なんですってー!?』
 アークデーモンは渾身の、実績もある、自信のあったFAX部屋を軽々と突破され、大きく動揺していた!
「ああ、大変だったな」
 そこに同じくFAX部屋を突破した志藤・遙斗(普通の警察官・h01920)もやってきた。
 そのまま懐からタバコを1本取り出すと、手慣れた仕草で火をつける。
「ふーっ……。喫煙室が無かったおかげで|コレ《タバコ》が吸えなかった。ちゃんと用意しておいてくれません?」
『は、ハァ!?』
 完全にダンジョン罠ギミックと無関係な部分で文句を言われて、アークデーモンは思考が一瞬真っ白になる。
「ぱんぱかぱーん!パンダだぞ!」
「オレが相手になるぜ?かかって来な!」
「もう頭使わないで正面から突っ込んでいーんだろ!? あたしに任せな!」
「オーッホッホッホ! 悪い生き物相手には容赦いたしませんわよ!」
 そこに パンダカ・パンダナ・パンダ(大熊猫大進撃!!・h12359)と風宮・ワタル(人間の鉄拳格闘者・h00874)と レイシー・トラヴァース(星天を駆ける・h00972)。
 それにミオ・カタギリ(終身名誉生徒会長・h08302)がなだれ込んで来る!
 罠さえ突破できれば、あとは腕っぷし自慢の3人とあとお嬢様の出番なのだ!
「FAX部屋ってのは、初めてで楽しかったぜ」
「ガー、ピピ、って面白かったけど、パンダは容赦しないぞ!」
 レイシーはマジックミサイルを打ち込みながら接近し、パンダナは流星錘のような殴り棺桶を振り回し豪快にアークデーモンを横殴りにする。
『ぐぅっ!?ワタクシのダンジョンが、こんな簡単に攻略されるなんて、おかしいですわ!』
 未だに罠を攻略された精神的ショックから立ち直りきれていないアークデーモンはレイシーとパンダナと猛攻にダメージを負う。
「指先一つでミサイル発射だぜ! マジックミサイル!!」
 無数の【マジックミサイルランチャー】を召喚し一斉発射すると、アークデーモンに集中攻撃が決まる。
『ぐぅ……! 厄介なヤツらめ!』
 そこで起死回生を狙い、√能力を発動してきた。
「喰らいなさい! |悪魔の重圧《デモンズ・プレッシャー》!」
「おわっ!?」
「きゃっ」
 【√能力を打ち消す魔力波】を放ち、レイシーのミサイルランチャーを消し去ってきた。
 ついでにアークデーモンにとって忌まわしき惺奈のアトリエも崩壊させると、さらに好き放題豪快奔放に暴れるパンダナに能力を行使する。
『揺れなさいな!』
「お? おおっ? すごい揺れるのだー!」
 指定した対象に最大で震度7相当の震動を与え続ける能力を受けたパンダナは、ぐらぐらする視界と感覚に立っていられなくなる。
『オ~ホッホッホッ! その大きな武器を振り回すには、この震度では難しいですわね!』
「だったらこうなのだー!」
 勝ち誇って高笑いを上げるアークデーモンだったが、パンダナは冷静に√能力を使用する。
「森羅万象、我が掌に有りだぞ!」
 振り回していた殴り棺桶に、【巨人の闘気】を注ぎこむ。
「暴君の流儀だぞー!」
 すると、殴り棺桶は巨大化しながら浮遊。
 ひとりでに動きだして、【闘気放出】をしながらアークデーモンに攻撃を仕掛けにいくようになった。
『な、なんですってー!? ぎゃーっ!?』
 単純な質量攻撃にアークデーモンは殴り飛ばされる。
「それならこっちからもお見舞いしてやりましょう」
 そこに援護に回っていた遙斗が√能力を解放する。
「抵抗するなら容赦はしない!」
 |制圧行動《テイコウスルナ》。
 【霊的疑似振動】を放ち、こちらも相手を最大で震度7相当の震動を与え続ける能力である。
『ぐぅぅ……狙いが定まりませんわね……、ならばこれですわ!』
 アークデーモンもまた、震動にまともに立っていられなくなる。
 しかしそこは相手も同じ能力を使う悪しき√能力者。
 すぐに別の√能力によって反撃してくる。
『はぁぁ! |悪魔の一撃《デモンズ・ストライク》』
 【魔力を帯びた拳】を、誰もいない地面に向けて放つアークデーモン。
 この攻撃は、外れた場合に周辺を【侵蝕汚染異界】へと変え、敵の行動成功率を阻害する力があるのだ。
『当てられないのであれば、そもそも当てる必要のない技を使えばよいですわ!』
 またもや勝ち誇るアークデーモン。
 しかしこの行動もまた、予知を含めた√能力者には対策済みのものだった。
「そんなもん、全部かき消してやるぜ!」
 身軽な動きで懐に飛び込んでいったワタルが叫ぶ。
 その動きは、一切の侵蝕汚染異界の影響を受けていなかった。
『な、何故!?』
 その秘密は、ワタルの右の掌。
「ルードブレイカーぁ!!」
 自身の右掌で触れた√能力を無効化する力を発揮させたまま突撃したワタルは相手の√能力をかき消したのだ。
 そのまま動揺するアークデーモンにワタルは強烈な掌底を叩き込む。
「オーッホッホッホ! 財閥の子女として、高笑いはお負けになりませんことよ!」
 その隙にミオがここぞとばかりに攻め立てる。
「|超学園砲《スーパーガクエンキャノン》ですわ!」
 召喚されたのは……【クローバー学園印の超巨大レーザーキャノン】で武装した「私立クローバー学園」であった!
『な、なによそれはぁー!?』
「これが我が私立クローバー学園の力ですわ!」
 そして放たれる武装の一斉射撃によってアークデーモンをぶっ飛ばすのであった。

リズ・ダブルエックス


『ワタクシのダンジョンが、こんなヤツらに突破されるなんて……』
 ダンジョンボスであるアークデーモンは、なんか色々散々な言われようをしながらボコボコにされてふらふらになっていた。
 これでも●ックスダンジョンの罠には自信も実績もあったからこそ、それを打ち砕かれて参っているようであった。
「私はあなたのダンジョンの恐ろしさをわかっていますよ!」
 しかし、そんなアークデーモンに正面から声をかけるものがいた。
 |最も多く《サポ2回採用したので》このダンジョンの罠を攻略してきた、リズ・ダブルエックス(ReFake・h00646)である。
『ほ、ほう! オーッホッホッホッ! そうね、ワタクシのダンジョンの罠の素晴らしさをやっと理解できるモノが来たようね!』
 散々けちょんけちょんに言われまくってきたアークデーモンは、罠に翻弄され、闘志を燃やすリズを見て調子を取り戻して高笑いをあげる。
『ワタクシの作ったダンジョンは楽しんでいただけましたかしら?』
「私の名前をダブルファックスに変えようという魂胆。敵ながら恐ろしい冴えでした……!」
『……待って、なんのお話なのかしら? ダブルファックス? 名前?』
 至極真面目な顔でリズの語る全く心当たりのない罠の内容に、せっかく自尊心を取り戻しかけていたアークデーモンは完全に困惑していた。
 全ては2回もサポートに来た運命ってやつの所為なんだ……!
「エックス部屋のエックスパワーで、行きますっ!」
『なんなのエックスパワーって!?』
 リズはこの部屋に来る前にあった、エックシしないと出られない部屋で使った【LXF精霊暴走モード】を継続!
 X状の光翼を展開した状態のまま、ブースターで加速!
 一気にアークデーモンへと駆け寄っていく。
『くっ!? |悪魔の一撃《デモンズ・ストライク》!』
 アークデーモンはリズの急加速から、その攻撃の威力を推し量り、魔力の帯びた拳を己の真下に振るう。
 周辺を【侵蝕汚染異界】へと変えることで、リズの行動成功率を阻害しにかかった。
「確かにペナルティは強力ですが、増加した攻撃回数を考えればこちらが上です!」
 どれだけ成功率を下げられようとも、そもそも元の成功率が高ければ問題はない!
 暴走されたレイン兵器による、通常時の4倍になった攻撃回数と移動速度を駆使してリズはアークデーモンの周囲を旋回しながら撃ちまくる!
「|LXF精霊暴走モード《フライトアーマー・エレメンタル・ベルセルク》!」
 激しい砲撃の嵐が、アークデーモンをハチの巣にするのであった。

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