Parvam Horto✧caelum
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Parvam Horto ~きみの箱庭~
✧Describe
浮かんでは消える泡沫が空を目指して飛んでいく。ぱちんと弾けて、湖の中へと溶けていく。
カンテラの底には水草や枯れ木が飾られているが、中央は不自然な円に切り取られていた。
紫陽花に囲まれた水面からそうっと見下ろせば、夜には空の月が閉じ込められる。
深く刺さった杭は大地の上では止まり木の顔をしているが、その実、本来の役目は封らしい。
それも、青空を宿した瞳には、もう見えない。
紫陽花浮かぶ水面は空を映し込み、カンテラを満たす清涼な空気を鏡の中に作り上げた。
昼間は美しい爽やかな青色を返し、夕暮れは穏やかな茜色を溶かし、夜には星屑散らした藍色が彩る。
まあるく縁取られた水面の周囲には豊かな緑が茂り、訪れた小鳥たちの休憩所になっていた。
彼らが去る頃にふわりと真白の羽根が舞い、彼方の|天《そら》へと連れていく。
少女はまだ、籠の中。うつろう空を眺めている。
✧Recipe
二相のカンテラ
まあるい穴の開いた硝子で底を切り分けた。
火の灯らないカンテラには空が宿る。
泡沫の雫
底に溜まった透明の水。
まあるい穴からぷかりぷかりと泡沫が飛んで、弾ける。
空映す水鏡
カンテラの穴からできた水面は空を溶かす。
夏空の瞳には樂園を。深淵を望まぬ限りは。
無名の残骸
水底を埋めるルドウィジアが何かを隠した。
突き立てた杭は湖底に映る月を貫き、何もない顔で大地に根差す。
紫彩の紫陽花
穴を縁取る優しい紫。時折鈴の音が響く。
緑の絨毯
春夏の新緑。シロツメクサの咲く茂み。
時々、四つ葉のクローバーが見つかるらしい。
造形の空
カンテラの中にもうひとつの空。
現実世界と同じように時と共にうつろう作り物。
|天《そら》からの来訪者
真白な小鳥が時折羽を休めている。
カンテラの扉を開けて、空へ。
|天《そら》からの贈り物
来訪者が残した小さな羽根。ふわふわしている。
✧Comment
大地の下に水を溜め硝子で区切った、四角いカンテラ型のパルダリウムです。
見えているものが真実とは限らないようで、無暗に水鏡には触れない方が賢明です。
吊り下げて鑑賞する事が前提ですが、大きく揺らすと水が零れてしまうので注意しましょう。
不可思議な事があったとしても、今の状態でカンテラは安定しています。その先は、ご自身の判断で。
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