白と白、白紙の上に交わす2人の軌跡
「これが、きららさまの物語……」
ノートの上に踊る、可愛らしく丸みを帯びながらも読みやすい文字を一つ一つ噛み締めて。美土代・鈴蘭は、ほぅと吐息を漏らした。
彼女が読み進めている一冊のノートに細かく書き綴られていたのは、夢野・きららのプロフィールである。
切っ掛けは、きららの提案から。
――コダマくんを通して知り合ったぼくらだけど、まだまだお互いに知らないことだらけじゃない?
神田神保町の『古書祭り』を巡る一件で、『Anker』という縁を結んだ2人。
だがきららの言う通り、面識はごくごく浅い範囲に留まる。『ならば、知ろうじゃないか!』。
そんな経緯を経て、彼女の手元にきららの『プロフィール帳』がある、という訳だ。
きららがどの様な存在で、どの様な道程を歩み、どの様な大切な存在が居るか。
その全てが一般人として生まれ育った鈴蘭にとっては鮮烈で、心躍る物語であった。
ノートを読み終えた鈴蘭は読み応えのある一編の小説を読み終えた時の様にぐぐっと身体を伸ばすと、ペンを手に学習机へと向き直る。
「では、きららさまに私のことを知って頂ける様に。鈴蘭、ファイトですよ」
『おー』と小さく手を上げ。……あまりの恥ずかしさに手を引っ込めると。
白紙のノートの上に、年の割に美しい文字をつらつらと記し始めるのであった。
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【名前】|美土代《みとしろ》・|鈴蘭《すずらん》
・名前は神保町の『すずらん通り』から。
ご先祖様は、同じ神田の『美土代町』に居を構えていたそうです。
【私について】
・自宅兼店舗の小さな古ビルに住み、近くの小学校に通っています。お嬢さま校と呼ばれていますが、どうなのでしょう。電車通学ですが、歩いて通う事もできる距離です。
・好きなものは神保町の街とカレー、古書の香り。それにスズランの花も!
・大切な存在は『祖父』のようです。
【趣味】
・街のお散歩と読書です。祖父の古書店が近代文学を専門としているためでしょうか、ファンタジー小説などを読むのが好きです。活字を読む事そのものが好きなのかも。
お供にお茶とレコードがあると最高です!
【特技】
・記憶力には少しだけ自信があります。
お店の古書たちは入れ替わりも含めて把握していますし、街のお店のそれぞれの専門についても、ばっちり頭に入っています。
一度お店にいらしたお客様のお顔と購入して下さった本も、ちゃんと覚えていますよ。
・魔法少女になってから、魔法の弓を射るのが上手くなりました。
【長所】
・万世橋の秘密基地でも、職員さんの失くし物を探す時などに記憶力が役立ちました。推理にも役立てられるかも……?
・力仕事もお任せください。本も台車も重たいですからね。
・学業は恥ずかしくない程度の成績を取っています。運動神経も並程度はある、はず?
【短所】
・あわてんぼうで、そそっかしいところです。普段は丁寧な所作を心掛けて、隠しています。
・本を読み過ぎたためか、眼鏡があると心強いかなー?くらいの視力です。
【その他】
・古書店は明治時代に曽祖父が創業した老舗なのですが、初代店舗は震災で焼けてしまいました。
今の小さなビルとして再建されたのは、昭和になってからです。
・白百合や鈴蘭の花を思わせる衣装に変身しますが、魔法少女としての名乗りはまだ決まっていません。素敵な案を募集中です……!
・一度変身したら、変身前の正体はバレない様に振舞うのが鉄則だと教えて頂いたので、可能な限り貫きたいです。
【最後に】
・きららさまとAnkerという深い縁を結ぶ事が出来て、光栄です。
『私にしか出来ない事』を探して、サポートしていけたらと思います。どうぞこれから……仲良くしてください!