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黒白無常の目

#√EDEN #Zodiac-Anker #國崎静寂 #プレイング受付中

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●さびつき、あかく
 ふぅ、と息を吐き、吸い込み、また息を吐く。登る煙は赤い色。血の色にも似たそれ、今となっては。
 ――血錆の赤と臭いには勝てはしない。

 煙管からとん、と灰を落とし、新しい煙草を詰めて、國崎静寂は静かに前を見据える。どろどろの世界。赤く爛れた血肉、ひっくり返った臓腑、露出した骨の僅かな赤みを帯びた白だけが、目立って見えた。
 ぐちゃり踏み締め静寂は歩き始める。此度の不幸は中々だった。疑心暗鬼の末の『共喰い』がここまでの有り様になろうとは。足音は軽く、家々を過ぎ去り、赤い靴跡は静かに途切れていく……。
 ああ、少しばかり腹が減ったなと。たとえばそう、選ぶのなら、中華料理。日本向けのものがいい。エビチリ。――生まれ出た大量のインビジブルを目の前にして、煙管を片手に静寂は鼻を鳴らした。

●おかえり。
「『おかえり』諸君! 面倒なことになっているぞ!」
 ディー・コンセンテス・メルクリウス・アルケー・ディオスクロイ(辰砂の血液・h05644)、赤い爪をぴんと立てる。
「Zodiac-Ankerはご存知かね――見えぬ錨を己の宿敵に穿ち、どこまでも追いかけることが出来るようになる。その錨の先を察知したというわけさ」
 かりかりとまるで自分の爪を赤い鉛筆のように扱い、資料へと線を引く。その線の先に描かれている名は、『國崎静寂』――人間災厄。

「先日、凄惨な大量殺人事件が発生した。しかし√EDENの人類はあまりに忘れやすいのでなあ……既に追いかける記者なども少なくなってきた。表向きは殺人とされているが、実情は異なる」
 そこまで言ってふう、と息を吐いた星詠みはカリカリと爪で静寂の名前を囲んでいく。
「自殺と殺害が織り混ざった、人間たちによる『共食い』だった。まるで蠱毒の有様だ」
 だが、残った毒虫が一匹見つからないのだ。そしてその正体こそが――。
「静寂だ。己の√能力で人を狂わせたようだな」
 ――メルクリウスは笑う。さも、面白そうに、どうにも楽しげに。怪人としての血が騒ぐのだ。ばちりと脳から鳴る音を無視して、彼は話を続ける。
 静寂は次の得物を探している。それこそ、前回のように『おもしろ』みのある事件を引き起こすために。一度覚えてしまった快楽だ。依存から抜け出すのは難しい。それが殺人ともなれば……。

「穿たれた錨は中々取り除けないものさ。さあいざ行け諸君! わたくしは今回も働かないぞ! アッハッハ!!」

マスターより

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第1章 冒険 『月夜の出来事』


 とあるネオン街。
 欲望が渦を巻いている。
 月夜の明かりさえも眩むほどにその道は明るく、そして狭く、人の往来があった。誰しもが『楽しみ』にこの場所へ訪っているのだ。暗い顔をするものもいるが、それはそれ、これはこれ。

 静寂は歩く。血生臭さはすっかりと煙草の紫煙に掻き消され、どこか甘い香りを漂わせながら。
 どこの店にしようか。どの相手にしようか。
 その視線は『客人』のものだった。