シナリオ

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鬼に背を預けても

#√妖怪百鬼夜行 #プレイング受付中 #途中参加歓迎 #4/9(水)いっぱい迄受付予定

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●マガツヘビの掟
『全てのあやかしよ、マガツヘビを討ち滅ぼすべし』

 人妖、獣妖、そして古妖に至るまで。
 妖怪はみんな知っている。
 マガツヘビの掟を知っている。

 人間の君、半妖の君も聴いたことはある?
 そう、その掟のこと。
 そして今、マガツヘビが蘇ってしまったの。

 いにしえの掟に従うべきは、今。
 だって、だって――。

●今なお伝えられし
「もう街の破壊は始まってしまっているのだもの」
 朽葉・日菜和(h05033)は確かにそう言った。
 憂うように目を伏せ、そう言った。

 関東某所の飲み屋街に、黄泉返りしマガツヘビは顕現したのだと。
 マガツヘビの肉体から剥がれ落ちた鱗や肉片は次々に『小型マガツヘビ』と成り、街を破壊して回っていると。
「私も蛇に連なる妖だけれど……マガツヘビは全く別物の、得体の知れぬ存在よ。無限の妖力を持ち、世界の全てを汚染するの」
 その強さは、たとえ『古妖』の総力を結集しても、彼等だけではたった一体のマガツヘビを倒すこともできない。それ程のものだという。
 だからこそ。
「予兆は視たかしら? 既に古妖も事態の収拾に動き始めているの。実際、まさに今回の現場では、一人の鬼獄卒が戦ってくれているわ」

 此度、成すべきは古妖の討伐ではない――共闘だ。
 マガツヘビも√能力者に分類される。短期間で繰り返し幾度も倒せば、やがて蘇生しなくなると伝えられる。
「けれども……マガツヘビは愚鈍ではあれど、途方もなく強大な怪物なの。どうか、この機を逃さないで。たとえ、古妖に思うところがあったとしても」
 此度の事件において討つべきは、マガツへビのみ。
 全てが呑み込まれる前に。
 全てが汚されてしまう前に。
これまでのお話

第2章 ボス戦 『マガツヘビ』


●壊
 瓦礫の中を駆けてゆく。
 その途中、不自然な穴があった。
 戦いの最中に“本体”の姿を視認できなかったのはおそらく、奴が地下に潜ったからであろう。
 さて、潜航したマガツヘビは果たして何処にいったのか。
 答えは、すぐ其処だ。

 ――峨旺旺旺旺旺旺旺雄雄雄怨!

 地平線から顔出した。
 ぬうっと化け物が顔出した。
 否、地平線ではない――真新しいクレーターだ。
 街を深々と抉った其処から、マガツヘビが上半身のみを覗かせている。
「ぶち壊してやったぞこの野郎! 此れでも矮小というか糞共が!!」
 吼える。吼える。化け物が吼える。
「だが足りねえ! まだ足りねえ!」
 怒りに任せて、ただ吼える。
「人も妖も、全ての√も、あとあれだ、√EDEN……!!」
 討たねばならない。
「だがまずは……お前らからだ! そこの矮小なお前らからぶち壊す!」
 討たねば全てが、壊される。

 * * *

「小型の排除は首尾よく行ったが、天がこちらに味方したとも言えよう」
 鬼獄卒は言葉を続ける。彼が言うまでもないことかもしれないが。
「マガツヘビは『無限の妖力』を持つ。何の迷いも躊躇いもなく振り翳す」
 それは、古妖ですらも敵わぬ程の力。
「後には退けぬ。されど……ははは、どう戦ったものか」
 それでも、鬼獄卒は笑っていた。
「力を合わせ、策を巡らせ――言うは易く、行うは難いな」
 それでも、彼が敵に背を見せるつもりはないようだった。
「いざ、行くか。共に」
 此度の戦、鬼獄卒が背を預けるは√能力者達だ。