シナリオ

⑥待ち受けるはメイド怪人

#√マスクド・ヒーロー #秋葉原荒覇吐戦 #秋葉原荒覇吐戦⑥

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⚔️王劍戦争:秋葉原荒覇吐戦

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
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(毎日16時更新)

●待ち受けるはメイド怪人
「王劍戦争第壱号『|秋葉原《あきはばら》|荒覇吐戦《あらはばきのいくさ》』が始まったね」
 そう言って、周囲の√能力者達に声をかけるのは、星詠みのヨーキィ・バージニア(|ワルツを踊るマチルダ《ワルチング・マチルダ》・h01869)だ。
「大妖『|禍津鬼荒覇吐《まがつおにあらはばき》』が王劍『|明呪倶利伽羅《みょうじゅくりから》』を手に、√EDENに侵攻してきたよ。それに呼応して、多くの王権執行者達もこの地へ侵攻してきているみたいだ」
 ヨーキィは始まった王劍戦争について解説を入れる。
「ヨーキィちゃんは√EDENの出じゃないけど、√EDENには大切な指揮官様Ankerもいる。一緒に頑張って守ろうね」

「今回みんなに行ってもらうのは、AKI-OKA ARTISANという商業施設だよ」
 山手線の高架下にあるこのショップ街は、√マスクドヒーローの怪人『マンティコラ・ルベル』が正体を隠して通っており、ここに集う芸術家や職人達から得た新進気鋭のアイデアで、ここを密かに『√能力者を殺す殺人儀式場』に改造していたようだ、とヨーキィは語る。
「ここに配置された怪人は決して民間人を殺さず、静かに√能力者を待っているみたいだよ」
 今回相手をしてもらうのは『メイドマスケ』。悪の派遣組織「仮面武闘バルマスケ」のメイド怪人だ、とヨーキィは語る。
「メイドマスケは奉仕意識の高い炊事洗濯掃除のプロフェッショナル。今も道ゆく民間人に紅茶を奉仕しながら、みんなを待ってるみたい」
 メイドマスケの流儀はこうして「民間人に奉仕をしながら戦う」こと。
「真正面から戦う場合、メイドマスケも真正面から応じてきてしまうから、可能な限り流儀に従いつつ戦う方が良いと思うよ」
 間違っても民間人に犠牲者を出さないためにも、うまく相手の流儀に付き合いながら戦おう。

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第1章 ボス戦 『メイドマスケ』


澪崎・遼馬
ヘカテー・ディシポネー
神薙・ウツロ
和紋・蜚廉

「この場合の“流儀に乗る”というのは“こちらも戦いながら人々へ奉仕する”という認識で間違いないだろうか」
 そう、メイドマスケに尋ねるのは密葬課に所属する異能捜査官、澪崎・遼馬(地摺烏・h00878)だ。
「あら、私の流儀に付き合ってくださるのですか? 音に聞く√EDENの√能力者というのは付き合いが良いのですね。ですが……私の奉仕意識に敵うでしょうか?」
「ほう。それが汝の流儀か。良いだろう、付き合うぞ。どの様な奉仕をするのか、見せてもらおうではないか。プロフェッショナルと言うからには、他者に任せられぬ唯一性が無くては」
 その言葉に地を這い、時を越えし、武を極めし者、和紋・蜚廉(現世の遺骸・h07277)が頷く。
「メイドは確かに人に奉仕するのが仕事だろう、その精度も高いはず。だが、当人も公僕の身。民衆に奉仕するのが務めなれば、奉仕において引けを取るつもりは欠片もない」
 遼馬もまた、メイドマスケの言葉に応じる。
(「このメイドマスケとかいう怪人…。もしかして「ドクターM」とかが関わってるんじゃ……」)
 一方、二人の背後で、メイドマスケという怪人の正体について考察するのは、√ウォーゾーンで人類殲滅派戦闘機械群が実行しようとしていた「|M作戦《マテリアルプロジェクト》」の中心的存在となる筈だったベルセルクマシンのヘカテー・ディシポネー(悪の秘密結社オリュンポスの|女幹部《メイド》候補生(仮)・h06417)だ。現在は|少女人形《レプリノイド》素体で行動している。
「それでは、始めましょうか」
 そう言って、メイドマスケが高出力ガンマ線レーザー砲を構える。
「ちょっと待って」
 √EDENに生まれ育ち、10代の頃から簒奪者相手にバトルしてきた中堅能力者、神薙・ウツロ(護法異聞・h01438)がそこに割り込む。
「君がメイド怪人ちゃん? 私の首が目当てなら相手してもいいけど、その前に伝えておきたいことがある――」
「なんでございましょうか」
 ウツロの言葉にメイドマスケが首を傾げる。
(「こちらの男性、先ほどまでどこにいらっしゃったでしょうか……。他の方々との会話に気を取られていました……、もしや何か策略をお持ちなのでは……」)
「あちらのお客様がロイヤルミルクティーを御所望だよ!」
「!」
 だが、メイドマスケの思考はウツロの民間人を刺ししめして紡がれたその言葉に遮られる。
「失礼致しました、直ちにお持ちします」
 メイドマスケが方向転換をする。
「こっちの人はジンジャーミルクティー! そっちの人はシナモンミルクティー! あっちの人はミントフレークティーお代わりだって!」
 続けてウツロが次々に民間人を指し示し、声高に告げる。
「ほらほらメイドがゲストをお待たせしちゃダメでしょ! 仕事できるところ見せて!」
 実はウツロは√能力『護法異聞:参仟佰参式』を既に発動していた。
 ウツロの言霊はメイドマスケの呪法に対する抵抗力を下げつつ、そのまま言霊としてメイドマスケを操る。
「どうやら、始まったようだな。さて、奉仕と戦闘両方においてどちらが優れているか決めようか」
 メイドマスケが給仕を始めるのを見て、遼馬も動き出す。
「既に紅茶が振る舞われたようだが、コーヒー党の方がいればこちらもどうぞ。ふふ、味は当人が保障するゆえゆっくり楽しんでほしい。」
 そうして、遼馬が振る舞うのはアケガラス珈琲。彼の行きつけの喫茶店で提供されるコーヒーで、香り高さと深い苦味が人気のコーヒーだ。
 そして、世の中には紅茶派がいればコーヒー派もいるというもの。メイドマスケの紅茶を断り、遼馬のコーヒーを楽しむものも現れ始めた。
「っ」
 そうなると、メイドマスケはさらに焦り、ますますウツロの術中にハマっていく。
(「くっ……、|奉仕者《メイド》としての所作も完璧ね……。理論だけの私と違って、メイドとしての実戦、試用期間を経て得た経験も見られるわ」)
 その様子を見て、ヘカテーはそのようにメイドマスケを分析する。術中にハマっていようが、メイドとして優れていることは疑いようがない。
 だが、どれほど優れていても、完璧なことなど滅多にあり得ない。
 故に、メイドとしての教育を受けさせられたヘカテーはそれに気付いた。
「え、あのカフェテーブル……一部が汚れているじゃない」
 それは、遼馬とウツロによって焦らされたからこそ生じたメイドマスケの隙。
「プロがそんな基本的なミスを見逃すはずがない。まさか、私を試している?」
 が、ヘカテーは少々邪推した。
「くっ、やってやろうじゃない。そ、そう、これは私のプラグラムが仕方なく人間たちの世話をしたいって言うからよ。べ、別に人間たちの為に奉仕してる訳じゃないんだからね!」
 カフェテーブルの掃除を始めるヘカテー、併せて、民間人の席の移動を密かに進めることで、メイドマスケを攻撃する隙を作り出した。
「今よ。私の連鎖から逃れて見なさい!」
 ヘカテーの√能力『|屠殺連鎖鞭《スローターチェインウィップ》』が発動する。
 不可視化された鞭状ワイヤー攻撃がメイドマスケに襲いかかる。
「くっ、不覚でございます」
 続けて、高圧電流が襲い掛かり、メイドマスケが麻痺する。
「今だ」
 遼馬が右目を輝かせて宣言する。彼は√能力『|浄眼《シニガミノメ》』により、相手の隙をずっと伺っていたのだ。
「少し早いが判決を伝えよう」
 メイドマスケに特攻を持つ呪具が一斉に発射される。√能力『|閻羅十王ノ審判《タイザンシンテイノサバキ》』だ。
 同時に、ウツロも四神の名前を冠する四体の護霊「天之四霊」を放ってその隙を突く。
 対するメイドマスケは拘束されながらも、高出力ガンマ線レーザー砲で攻撃を放つ。それは民間人を傷つけないように配慮された砲撃で、√能力者達には回避することは容易い。
「……見事だ。その精神性、そしてその技術。並々ならぬ努力の賜物だな」
 だが、その様子を見ていた蜚廉が頷く。
「良きものを見せてもらった。では、次は我も見せよう」
 発動する√能力は『|原闘機構《オリジン》』。
「弾く、防ぐのではない。これは適応。いかなる環境でも生存を獲得するのが我が流儀」
 適応反射能力により、放射線への適応力を獲得し、高出力ガンマ線レーザー砲による砲撃を真正面から受け止めながら、蜚廉が進む。
「この適応力……。本来なら私は排除せねばならない敵!」
 だが、メイドマスケは動けない。
 闘気硬化能力により拳を固めて握り込んで、メイドマスケの胴を穿つ。
「ぐっ!?」
 メイドマスケがそれで抵抗力を失ったことで、ヘカテーのワイヤーに装備された溶断機能への抵抗が失われ、メイドマスケは細切れに切断された。
 うまくメイドマスケの流儀に乗り、流儀を利用し、自身の流儀を貫いた四人の√能力者によって、此度の戦いも終わりを迎えたのであった。

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挿絵イラスト