シナリオ

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夢見るこどもに祝福を

#√マスクド・ヒーロー #三章開始日時へのご意見ありがとうございました #断章執筆中、ゆっくりお待ちください #詳しくはMSページに記載済み

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 #√マスクド・ヒーロー
 #三章開始日時へのご意見ありがとうございました
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 秘密結社『プラグマ』に忠誠を誓う、とある組織の拠点にて。
「——子供を攫ってその純粋な心を洗脳し、プラグマに忠実な怪人に改造する、か。ここにも似たようなやつらがいるが……」
 上司から渡された計画書に目を通しながら、ワニ怪人がでっぷりとしたその腹を擦る。その横では熱帯魚のプレコを改造した下級戦闘員たちが、『水槽のお掃除屋』の異名通り室内を掃除して回っていた。
「まぁ、中間管理職からさらに上の幹部になれるチャンスだしな。いいか、お前らのその見た目を利用して、ガキ共とお友達になったら俺のところに連れてくるんだぞ」
「|プレー《うん、わかったー》」
「あくまでお友達としてだ、騒ぎになるとヒーローが来て面倒になるからな」
「|レコー《わかったー》。……|レコレコ《おてがみ わたした》?」
「手紙ぃ? ……あー渡した渡した。だからきっとサンタがプレゼントくれるさ」
 わーいわーいと喜ぶように、戦闘員たちがその場でぴょんぴょん飛び跳ねる。すると机の上の書類がばさりと飛び散って——。
「あ、こら暴れるんじゃ……」
 ——ひらり。
 幼稚園児が描いたような絵と文字入りの紙が彼らの中心に舞い落ちた。
「……こいつはやべぇ、うっかりだ!!」

●待降節にたわむれを
「♪じんぐっべー、じんぐっべー」
 ご機嫌なひらがな英語の発音と共に、クリスマス定番の曲を歌う坂堂・一。その肩では小さなサンタ帽をかぶり、これまたご機嫌でミニタンバリンを振っているチンチラ型精霊がいた。

「どこもかしこもすっかりクリスマスムード、だね。そんな中でもお構いなしに動くのが、悪の組織たる所以、かな。√マスクド・ヒーローのとある遊園地で、怪人による誘拐事件を予知した、よ」
 頭にお揃いのサンタ帽をかぶりながら、星詠みの少年は急にスンっと真面目な顔で説明を始める。なおチンチラはまだタンバリンを振っていた。お前ら自由か。

「主な実行犯はプレとレコっていう、見た目は幼稚園児くらいの、魚怪人集団の下級戦闘員、だよ。遊園地という場所のせいか、着ぐるみか何かだと思われている、みたい。無防備に近付いた子供と仲良く遊ぶフリをして、誘拐するよう、だよ」
 ただ、実際に誘拐されるまではかなり時間がある。何故ならば——。
「この子たち、サンタさんを待っているらしいん、だ」
 幹部にクリスマスの話を聞いて、自分たちも良い子にしていればサンタさんに会えるとドキドキわくわくしているらしい。そのため子供たちとただ仲良く遊び、痺れを切らした幹部が迎えに来るまでサンタを待っているそうだ。
 だからその前に彼らご待望のサンタさんのフリをし、クリスマスらしいことをやってあげれば良いと少年は告げる。
「きっと満足しておうちに帰ると思うんだよ、ね。その後、駆けつけた幹部を倒せば解決、なんだけど……」
 この幹部、実は相当なウッカリ者らしい。そのせいか他人のうっかりエピソードに同情し、励ましてくれたりする……そんなちょっと憎めない感じの怪人だが、日を改めて再び実行されても困るので撃退してほしい、と少年は語った。

 遊園地のイベント広場では現在『|待降節《アドベント》マーケット』が行われており、クリスマスグッズや色んなフード・ドリンクを提供するブースが数多く並んでいる。作戦実行前に警戒すれば敵の星詠みに察知されるため、そ知らぬふりでマーケットを楽しむといいだろう。
「それじゃあ、楽しんだ後はよろしくおねがいする、ね」
これまでのお話

第3章 ボス戦 『幹部怪人うっかりヤ兵衛』