シナリオ

2
此ノ花咲き誇る也

#√EDEN #√汎神解剖機関 #プレイング締め切り21日(火)8時30分まで

タグの編集

作者のみ追加・削除できます(🔒️公式タグは不可)。

 #√EDEN
 #√汎神解剖機関
 #プレイング締め切り21日(火)8時30分まで

※あなたはタグを編集できません。

●香る花畑
 快晴の空の下、色とりどりの花が咲き誇る。
 大輪の花々が咲き、辺り一面芳醇な香りに包まれている。

「わあ、綺麗ね」
「いい匂いー!」

 絶好の観光日和に、様々な花が咲き誇ることで知られるこの花畑は観光客で賑わっていた。
 色とりどりの花の中を思い思いに楽しむ人々。ある人は綺麗な花に微笑み、ある人は思い出として写真を撮る。

 そんな人々の輪からフラフラと外れる者が数人。危うげな足取りのまま、何かに導かれるように同じ方角へ進んでいく。

 ――……。

 そのとき、どこからともなく微かな声が聞こえた。密やかに、でも確かに、人を呼ぶ声。

 ――おいで、おいで。

 人々は、その声に誘われて花畑の奥へと進んでいく。
 次第に、周囲に漂う花の香気が強くなる。咽るほどに濃くなるその香りを気にせず進んだ先には――。

●星詠み
「みんな、花畑を見に観光に行ってみない?」

 集まった√能力者へと突然言い放ったのは、星詠みの|矢神・霊菜《やかみ・れいな》だ。
 星詠みの彼女がそう言うのだ、ただの観光で終わらないのは間違いない。

「実はとある花畑に怪異が出現すると予兆があってね」

 その花畑は毎年色とりどりの花で彩られ、観光地として有名だ。
 今年も例に漏れず花が咲き乱れ、多くの観光客が訪れている。

 「どうもこの花畑に出現する怪異は人々を惑わせ誘い込むみたい。怪異が関わる以上、何が起こるかなんて……ね?」

 その末路は推して知るべし。
 そうならないためにも、早期に対処する必要がある。

「幸い、被害が出る前に知ることができた。今ならまだ間に合うわ」

 早急に事件を解決してきて。その言葉と共に、彼女は√能力者たちを送り出す。
これまでのお話

第2章 集団戦 『蓮華ノ君』


POW 天子様ノ為ノ侍女
移動せず3秒詠唱する毎に、1回攻撃or反射or目潰しor物品修理して消える【自身を模した侍女】をひとつ創造する。移動すると、現在召喚中の[自身を模した侍女]は全て消える。
SPD 教育ノ「いろは」
半径レベルm内の味方全員に【天子様に必要な教養】を接続する。接続された味方は、切断されるまで命中率と反応速度が1.5倍になる。
WIZ 天子様、来タレリ
インビジブルの群れ(どこにでもいる)に自身を喰わせ死亡すると、無敵獣【我らの理想の天子様】が出現する。攻撃・回復問わず外部からのあらゆる干渉を完全無効化し、自身が生前に指定した敵を【天上の光】で遠距離攻撃するが、動きは鈍い。
イラスト 文月燈夏
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 広大な花畑の片隅に、その一角はあった。
 どの区画の花も綺麗に咲き乱れている。その中でも、この一角にある花はより美しく、より芳しく咲き誇る。

 ただ、それだけの違いのはずだった。

 他の花に比べて色が鮮やかで、香りは少しばかり濃い。
 意識して見比べなければ気付かないほどの、僅かな差異。けれど、一度目に留まればどうしても視線が外せなくなる。

 |幸運《不運》にもその一角へと視線を向けたものは、引き寄せられるように近づいていく。

 ――いらっしゃい、いらっしゃい。

 聞こえるのは風が通り、花々がそよぐ音。しかし、まるで語り掛けるかのように音が耳に残る。

 甘い香りが、そっと包み込む。鼻腔を通り、肺を満たす。やがて思考を侵し、染み込んでいく香りは、拒絶という選択肢を静かに奪っていく。

 ここは、心地よい場所だと。
 そう思うことに何の疑問も抱かなくなる。
 不安はない。むしろ、このまま奥へと進むべきだと、そんな考えさえ湧き起こる。

 奥へと向かうごとに、香りは深く、甘く、絡みつくかのよう。

 やがて。

 花の合間に何かが立っているのが見える。

 人の形をしているように見えた。けれど、よく見ればそれは人ではない。
 頭部に咲くのは、大輪の蓮華。
 花弁がわずかに傾き、こちらを|向いている《みている》。

 言葉はない。ただ、香りが強くなっていくだけ。
 足を止める理由は、もう存在しない。

 ――捧げなければ。

 その思いだけが、静かに沈んでいく。

 養分を。
 より美しく、より芳しく咲かせるために。
 すべては、その先に在るもののために。
シンシア・ウォーカー
ミューレンさん(h07427)と!
星さんを見送り、2人でまた先の花畑へ。
こちらはまた鮮やかな色味が綺麗な花畑の区画ですねぇ。香りも大変よくて……あれ?なんだか周囲の様子が妙ですね。

止めなさい!その先に何があるのかは知りませんし特段知りたくもありませんが、見過ごす訳にはいかないのです。
√能力を発動。論理的思考力を高めて周辺のお客さんを正気に戻す手助けををしつつ、私はレイピア片手に前へ出るとしましょう。全力魔法を込めて刺突します!
ミューレンさんに後ろから援護していただけるのは心強いですね!
煙幕の中でも今までの経験と環境耐性でもって的確に敵を狙ってみせますよっ。これが淑女の勘!
ミューレン・ラダー
シンシアさんと!(h01919)

団長さんをお見送りしたら二人で次の場所に向けて出発
ん?ここ妙に香りが強い?
マタタビに似て――ないにゃ、すごーくヤな感じ!
あちこちからふらふら何人も集まって来るし
全員を正気に戻すの大変だから√能力でまとめて衝撃与えちゃお!
奥にいる怪しい蓮華怪人たちの足止めにも!
どろん煙幕も追加して突っ込むシンシアさんの姿も隠す!
シンシアさんならきっと、カンで怪人を避けてくれるはず
この隙に一般の人はぺちぺちして正気に戻して連れ立って逃げてもらお
面倒みきれないからね!

組んだ手を振り上げ霊力を込めて、シンシアさんに近づく怪人に向けて一気に振り抜く!
霊力弾でどんどん援護してくよ!

 シェードガーデンでひと休憩をしたあと。シンシア・ウォーカー(放浪淑女・h01919)とミューレン・ラダー(ご機嫌日和・h07427)の二人は、再び花畑を見回り始めた。
 いくつかの区画を通り、花畑の端へと差し掛かった頃。

「こちらはまた鮮やかな色味が綺麗な花畑の区画ですねぇ。香りも大変よくて……」
「ん? ここ妙に香りが強い?」

 いっそう鮮やかな花に目を止めるも、ミューレンの耳がぴくりと動く。
 甘く濃い香りが、どこか異様に満ちていた。

 頭がぼんやりする。
 このまま匂いを辿って、その先へ進みたくなる――そんな衝動が滲む。

「マタタビに似て――ないにゃ、すごーくヤな感じ!」
「……ええ。この香りは、少々良すぎますね」

 ミューレンはすぐに頭を振り、シンシアもまた意識を繋ぎ止めるように手を握る。

 ふと、シンシアの視線が周囲へと向く。
 花畑のあちこちで、どこか覚束ない足取りの人影が目に入る。

「……あれ? なんだか周囲の様子が妙ですね」
「あちこちからふらふら何人も集まって来てるにゃ!」

 人々の足は、まるで導かれるように同じ方向へと向かっている。
 その先。花畑の奥に“何か”が立っていた。

 風に揺れる濃い桃色の花弁。だが――風が止んでも、それはゆらりと揺れ続ける。

 やがて、ソレが像を結ぶ。

 平安時代の女房を思わせる装束。その上に咲き誇る大きな蓮華。
 怪異――蓮華ノ君。

「怪異……!」
「匂いの正体は、あの怪異のようですね」

 警戒する二人に対し、香りに誘われた人々の足は止まらない。
 このままでは、あの怪異のもとへ――。

 シンシアは一歩踏み出し、声を張る。

「止めなさい! その先に何があるのかは知りませんし、特段知りたくもありませんが――見過ごすわけにはいきません!」

 だが、声は届かない。

「全然正気に戻らない! 全員を正気に戻すの大変だから√能力でまとめて衝撃与えちゃお!」
「仕方ありませんね」

 ミューレンが、|猫騙し《コッチムイテホイ》を発動する。

「じゃんけんなしの強制で、せーのっ」

 霊波動が広がり、人々と怪異の動きが僅かに止まる。
 その隙にシンシアが|"Be a lady."《ビー・ア・レディ》を重ねる。ミューレンの√能力により、一瞬揺らいだ意識。シンシアの√能力が、戻りかけた思考力を増幅させる。

「お客さんのことは頼みます!」
「援護するよ!」

 シンシアはレイピアを片手に前へ出た。ミューレンが援護のためどろん煙幕を追加する。煙幕が広がり、視界を白く染める。

 視界不良の中、シンシアは素早く駆けた。この程度は障害にもならない。むしろ、ミューレンの援護はシンシアにとって心強さを与えてくれる。

「はあ!」

 気迫と共に、鋭い刺突が一体を貫き、内側から魔力が炸裂する。だが、間髪入れず次の個体が迫る。シンシアは最小限の動きで攻撃を往なし、距離を取った。

 敵の数が多い。しかも、増えている。
 そして気付く。後方で詠唱している個体がいる。その周囲には、詠唱するごとに分身が生み出されていた。

「キリがありませんね」

 どうしたものかとシンシアが考えた時だ。

「シンシアさんっ!」

 ミューレンの声と共に、霊力弾がシンシアの横を掠める。それは今まさに迫ろうとしていた蓮華ノ君を打ち抜く。同時に、民間人を正気に戻し避難誘導を終えたミューレンが戻ってきた。

「みんな逃がしたよ!」
「流石です。では、こちらに集中できますね」

 短いやり取り。それだけで十分だった。
 前方の蓮華ノ君へ組んだ手を振り上げたミューレンが、一気に振り抜き霊力弾を放つ。

「道を開けるよ!」
「ありがとうございます!」

 僅かに拓いた路。シンシアは迷いなく踏み込んだ。
 駆け抜けた先にいる個体へと、刺突を繰り出す。確かな手応えと共に、蓮華ノ君の詠唱が途切れた。

 一拍遅れて、全てが崩れる。分身も、本体も、霧のように消えていく。
 やがて、甘い香りも風に溶けていった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功