フレームロッド・バイヤー
●労働者、良い響きだと思わないか?
「あ~、いいねえ!お前さんその調子でどんどん治療を受けていかないかい?」
なあに此処は誰も邪魔しにくる奴はいない。答える自由は当然あるさ。
真人化工場の場所は、誰にも暴かれていない。
「え?直ぐには答えにくい?なら別案を出そうか」
カルテには目を通した。腕を失った被検体は今や修理箇所が全身に存在する。
患者がだんだんと、修繕過程で完全機械化していくだけの病棟だ。
「改造手術には同意が入る。腕以外のパーツを付けるなら当然だろう?お前さんは選ぶ権利がある」
白衣の|堕天使《・・・》は、問いかけに対する返答は求める。
「お前さんは改造を拒否してそうな顔だね」
『ほ、他のチームのみんなも此処にいるだろ!この通りだ!助けてくれ!』
この痛みから解放して欲しい。治療が叶うなら助けて欲しい。戦場で負傷し、なにかの因果でこの場所に運ばれた兵士は白衣の堕天使にそう返事をした。
|治療《・・》という名の改造は拒否される。今日だけで片手の指の数を超えた。どの被検体も目の前の兵士と所属は同じなのだろう。
「あたしは構わないが――此処は物資不足だ。理想までの治療費は……」
√ウォーゾーンの戦場で戦う兵士に払える金額では到底ない。
さあ、どうする?痛みを遺しそのまま終えるかい?
それとも――完全機械化に、同意する?
他の奴らは、この書類にサインしたが?
●行方不明になった生存者を探して
「最近、戦場で戦う少年兵、傭兵が負傷したあと行方不明になっているのだって」
アレスター・ペクスパンテーラ(彷徨の歌・h06027)は不審な案件に眉をひそめる。
「おかしな話だよね、どこへ消えたんだって普通に不審なやつだもの。そこで一つ、不審な情報のたまり場に"戦闘機械群の統率者"が関わったかも知れない工場があるんだけど、どう思う?」
該当の工場は、一見普通の武器製造工場だ。
銃器を中心に、弾丸、銃筒などの部分的生産ラインを確保した場所でもある。
組み上げられたパーツ郡は、外に出荷されることはなく完成までを工場内で行う。
工場は、常時稼働状態にあるという。
「ぼくね。普段の工場姿を隠れ蓑にしてると思うんだよね」
工場が|地上だけ《・・・・》という可能性は薄いのではないか。
「見えないところで悪さするには、……ぼくなら隠すね。直ぐ見つからないように。だから、先輩たちには知らん顔して赴いて暴いてほしいんだよ。おかしな場所はどこかに在るはず」
そうそう、とアレスターは言葉を続ける。
「そこで働いてる人達は、人類側の人達なんだ。それもまた奇妙な話でね、口裏を合わせたようにゲームで言う……そう、"村人A"みたいな決められた言葉しか言わないそうだよ。試しに、工場見学のアポイントメントを声を変えてとったらさ、"イイヨ"って返事が来たものだから、安心して見学できるよ」
よかったね、と言いたげなアレスターだが、要するに"潜入調査"である。
「もし、裏の顔がわかったらその後に在るのは戦闘だろうし……先輩たちなら戦闘で解決するほうが得意かな。心配はしてないんだけど、気をつけて行ってほしいよ」
消えた負傷兵たちの行方が、どこかで見つかるかも知れないし。
見つからなくても、不審な事案を明るみに出せるだろうし。
「きっと、悪い話にはならないと思うよ」
√能力者先輩は、|カチコミ《・・・・》案件――好きでしょう?
マスターより
タテガミこんにちは、タテガミです。
内容的には、最近噂の√ウォーゾーンのお話をひとつ。
●簡単な概要
場所は、ある戦力が拮抗しつつ在る機械都市の1つ。
港やビルなどが多く存在する地域の「工場」に会社訪問という名の潜入するところから始まります。殆のことがない限り、ずっと室内かと思います。
この工場の周囲は、|なぜか《・・・》戦闘機械群の技術力が異様に高く、戦力が途切れることがないようです。その原因は、一体……。
どっちみち、わるい施設なので爆発させてしまった方が人類のためかも知れません。
二章は潜入スタイルにより分岐しそうです。今のところは断章でのお知らせ。
三章は、OP上段部の誰かがいるのかもしれません。
●その他
必要そうだと思った箇所には断章、タグを短めで簡潔に置きたいと思います。各章、顔を出したいところだけ参加もOK。ノリはプレイングの内容に左右されます。
かける時着手するさくさく進行スタイルをする予定なのでご興味が有りましたらお手柔らかにお願いします。
95
第1章 冒険 『変な音がする』
POW
耳を澄ます
SPD
見て探す
WIZ
推理する
√ウォーゾーン 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
●笑顔溢れる案内を躱して
「ヨウコソいらっしゃいました」
「少しそれぞれの説明をしますが、あとはご自由にお過ごしください」
やたらと笑顔で恰幅の良い男性が、楽しげに工場内を案内してくれる。やってきた能力者たちの事を尋ねてくる事はなく、注意事項等も一切言わない。
怪しい。怪しすぎる。
彼の軽い説明に観光がてらに尋ねれば|不自然なほど《・・・・・》一方通行で怪しい返答が紛れ込んでいる。なにか、おかしい、そんな違和感は何処までも降り積もってくる。ワンフロアで完結したこの工場内には彼以外にも働く人影は見渡す限り数多くある様子。誰もが作業に没頭しているが、銃の製造ラインに複数のコンベアー。
室内を埋めている機械は確かに多い。
作業工程それぞれの作業に不自然な様子はないのだが――。
オメガ・毒島フォーさん(h01293)と
√ウォーゾーンの少年兵が負傷したあと行方不明……なんだかものすごく身に覚えのあるような話ですね。
自分の過去を知る人間からしたら同じように見えていたのかもしれない、そんな事がよぎった
案内を受けつつ通信機(メガネ型モニター)越しの|毒島博士《Anker》へ映像データ等を送り分析して貰いましょう
フォーさんが調査をする際は私が従業員達の注意を引きつけます
『『『オーメガ♪オメガ♪最高傑作♪』』』((爆音))
工場あちこちに忍ばせたオメガフォン(※スマホ)が同時に大合唱の大騒ぎ!
騒ぎになっている隙にフォーさんと合流
オメガフォンの充電が尽きるまであと71時間です!急ぎますよ!
フォー・フルードオメガ店長(h06434)と
一人称:自分
二人称:苗字+さん、役職呼び
基本的に敬語
真人化。正直に申しますと脳のある無しによる差というのは|自分《殺戮機械》には理解できない点ではあります。何にせよ実情を知る必要はある。向かいましょう店長。
潜入は事前にアイテム「EOCマント」を使い透明に。
店長は一人で見学に来た、と作業員に誤認させながら解説を聞く店長から離れ探索へ。
√能力を使用し、作業員含むここに来た人達が移動した経路を再現。経路を辿り隠し通路の様な物を探します。その際に情報収集技能なども使い何がここで行われているかを推測しつつ店長の元へ帰還します。
店長は合図を出すと言っていましたが…この音でしたか
●ああ素晴らしき大合唱
『右側が、それぞれの部品を。左側が組み立てていく工程なのですが……』
恰幅の良い男は聞いてもいないことをペラペラと話し続ける。
その数歩後ろをゆっくりとついていく風を装うフォー・フルード(理由なき友好者・h01293)はあくまで、"見学者"の体裁を崩さない。2m程の大きさを誇るフォーの後ろを、|オメガ《Ω》・|毒島《ぶすじま》(サイボーグメガちゃん・h06434)が密かに姿勢を正して歩いている風を装って歩行補助車輪を出してしゃーっと滑り歩きをしている。
――ふむ、この男性が言っていること自体には嘘はないですね。
オメガの眼鏡はちょっとした違和感にポインターを当てていく(基本オフの機能である。遠隔で手動操作が可能。時々|博士《Anker》が"此処、なにか変"とデカデカと|毳々《けばけば》しい吹き出しを勝手に出してくるので注意が必要なのだが)仕様を本日は起動している。異変や音を見落としては、ならない。博士には、映像データを常時送信状態のため分析をお願いしてある。
――博士なら、違和感ポイントピックアップをそこら中にしてくるはず。
「聴きましたか、フォーさん。最近巷を騒がしている√ウォーゾーンの少年兵負傷者行方不明事件を……」
「店長。それ、通算5回目です」
「そうですね。2度では足りないほど重要なので複数回強調しました。……なんだかものすごく身に覚えのあるような話でしたので」
オメガがこうして"オメガ"として第二の人生を歩むものであること。
それは即ち、元のオメガを識る人の前からは"行方不明"であるのと同じだ。
――本当に、よくあることですね。少年兵をなんだと思っているんでしょうか。
生きていたら|再利用《リサイクル》。
それ以外でも|再利用《リサイクル》。
「正直に申しますと脳のある無しによる差というのは|自分《殺戮人形》には理解できない点ではあります。この場の方々は"ある"と言えるのでしょうか」
「場合によりますが、現段階の博士調査では此処で作業する人間はほぼ"機械"判定です。壊れたレコードのように同じ発言を繰り返す案内役男性と同じですね」
ほぼ説明は|自動化《オートメンション》なのだ。
聴かれずとも語り続ける言葉の数々を、フォーとオメガは2順分聞いている。
既に|説明がループしている《・・・・・・・・・・》と気がついているのだ。
『――以上なのですが、なにか気になる点はありますか?』
「あ、右手側の作業順番が知りたいですね。最初はどこからなのでしょう(誘導)」
『了解しました。では説明しましょう(3順目開始)』
フォーがオメガに向かって頷いて応え、ふぁさぁっと|堂々と《・・・》事前に購入してきたEOCマントを羽織って透明化を行った。本来は最初の時点で透明化予定だったが、博士がオメガへ最初の解析完了後の暗号を送りつけてきたのだ。
『|-・・・- ・・-- -・・- -・--- ・-・-- ・・ -・-・・ -・--- ・-・-- -・・-・ -・・-・ ・-・-・ -・ ・・ ・- ・-・ ・- 《目の前で消えても問題ない》』と。
「なんで今日に限ってモールス信号通信だったんでしょうか……」
半信半疑疑っていたが、これが透明化して離れていったフォーの事を尋ねることもなければ、オメガの言動にも、先程までの二人の会話にさえ突っ込んでくる様子がない。
気にしていないのではなく"その動作をプログラミングされていない"という印象を受けるのだ。人間的ではなく、命令以外を行わない機械的な合理的な処理である。
――確かに、問題ありませんでした。
――では、ここからは手筈通りに。
説明を半分くらい聞き流しながら、壁伝いに歩きフォーが行う|事象再現演算《バックログシミュレーション》。
――歩いてみると室内に通路らしいものはありませんでした。
――であれば、通路は隠蔽しているか、|壁回りの書き換えている《・・・・・・・》のではないでしょうか。
以前、誰かが通過した経路をインビジブルに働き掛けて、再現し出現させる。
対象は"作業員"から"ここに来た人達が移動した経路"。
――大男が数人横に並べそうな程の通路ですね。
大扉を出現さて見せたフォーはそんな隠し通路のようなモノから、インビジブルに更に様子を再現して貰う。それは過去。此処であった"シュミレーション"。
――ふむ。
最近3日以内に再現された通路を10人以上通り抜けた人影郡があったと、インビジブルは伝えてくる。人影の背丈はカルテらしき物を持った1人と、自動化操縦の医療用WZに乗せて運ばれる負傷兵らしき個体群が大半。
――あれが少年兵、と見るべきでしょうね。グループ単位で運び込んだ、と。
――そして運び込まれたものが出てきたことは"ない"。
――あるのは、WZや相応の機械だけ、なのですか。
この道を往復したのはシュミレーション上、"WZのみ"であった。作業員が通った痕跡は一切ない。
――休まず働いている、というのでしょうか?
――まるで"機械"化させられた人形とでもいうように。
――運び込んだ|カルテ持ち《医療班》の独断専行しているのでしょうか。
フォーは考え続けながら、此処で行われているだろう事件の真相を探り続ける。
「ところで」
案内役の男性の後ろについて回っていた単独のオメガは、話題を突然提示する。
「こちら、見学者の毒島博士でございます」
スマホ越しに、ドクター・毒島と目があった。すっごいにまぁっと笑っている。
「博士。素晴らしい同時多発セッションをお願いします」
|博士にオネガイ《オメガ・ヨイショ》。準備は万全。
さあ演奏は気を始めましょう。そーれ、ぽちっとな。博士が何かを押した途端――。
『『『オーメガ♪オメガ♪最高傑作♪』』』((爆音))
耳を覆いたく成るほどの大合唱が始まった。工場あちこちに忍ばせたオメガフォン(※スマホ)は、話を聞いている間に潜ませていたので全方位から聞こえてくるゾ!
『な、何の音だ!スマホの電源を切れ!作業の効率が悪い!』
『『はい!』』
騒ぎにしては冷静度が異常に高い従業員による捜索が始まりオメガのことを気にする存在は居なく成る。フォーと合流し、シャァアアと補助車輪の勢いのままオメガはスケーティングを開始。
「店長は合図を出すと言っていましたが……この音でしたか」
「最強威力でしょう。流石です博士。オメガフォンの充電が尽きるまであと71時間です!急ぎますよ!」
頼れる博士の発明、流入爆音ミュージックが全て止まるのはさていつになることやら。隠蔽・透明化。博士によって遠隔で何でも行われたスマホは爆音を鳴らし続けるだろう。充電が尽きるまでの時間、見つからなければ永遠に素晴らしい音を奏で続ける。
さあ隠された工場奥へ、今のうちに突き進め!
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
日南・カナタカチコミ大好きす…!
……は!なんか今脊髄反射してしまった!
なんかこう心の内側から湧き上がってくるような…『彼方』の反応かな…?
ま、まあ、そんな事はどうでもいい!怪いし工場をぶち暴いてやる!
案内してくれる人達もヤバイって…なんか片言だってばよ…
インプットされてるの言わされてる感じじゃん…
あ、あーー!ト、トイレ!そう、トイレに行きたい!
と言って案内を振り切って建物内の死角に隠れる
まぁトイレがあったらそこへ
流石にトイレにまで監視カメラとかないだろう…ってあったらヤバイな…
とかなんとか思いつつこっそりと【心霊聴取】を行う
現れたインビジブルに隠し通路等がないか、
ここ最近負傷兵が運ばれて来ていないかを聞く
番田・陽葉アドリブ◎
ここが√ウォーゾーンという厳しい世界だとしても
子供たちが戦いの道具にされていくのを見るのは辛いべ…
こんな悪い大人たちの食いもんにさせるわけにはいかねぇ
工場見学に来た悪の武器商人パンダとして振る舞う
潜入捜査…一度してみたかったんだべ!
演技と情報収集をフル活用するべ〜
ほほぅ、これは素晴らしい生産ラインだべね
他にはどんな武器を作ってるんだべか?
従業員の統率もしっかり取れてるべ
等々、案内人にそれとなく聞いて探りを入れてみるべ
まぁすぐにボロは出したりは…しないべな
見学の最中も機械音に混じって奇妙な音や声が聞こえてこないか聞き耳や野生の勘で工場内をくまなく探す
どんな手がかりでも見つけてみせるべ!
セージ・ジェードゥアドリブなど歓迎
【心情】
中々に胸糞が悪い事をしていそうだな。
さて、一体何が出てくるのやら。
【行動】
SPDで判定。
ゴーグルやステルスクロークは持ってきた鞄の中に隠して行動。
何かあった時のためにこっそりと自分や周囲の仲間に√能力を使用し能力を底上げしておく。
端末を弄り時折写真を撮って案内係の反応を見ておこう。堂々としているんだから問題ないんだろうけれどもさ。
そうしたらメモをしている振りをして工場のシステムにハッキングを仕掛け情報収集しよう。
外側は隠れていても内部の情報はどうかな?システム内でおかしな場所がないか調べてみよう。
隠していてもシステムは簡単には誤魔化せないはず。
●カチコミまでのカウントダウン
『本日はよくぞいらっしゃいマシタね。どのような経緯からお越しデ?』
「(カチコミ大好きで……!)」
「あ、俺たち銃器系工場見学趣味の武器商人仲間なんだよ、ねっ!」
「そうだべな。わだすらの売りさばく武器は常に最高でないと困るんだべ。最高の場所で生まれた武器を、見て確認するのは商人の仕事だべ」
『アア、まあ色んな方がいるでしょうし順次案内を致しますネ』
当たり障りない会話を意識していたのにも関わらず思わず勢いよく説明係の恰幅の良い男性に真っ向から真実を包み隠さず言いかけた|日南《ひなみ》・カナタ(捜査三課の異能捜査官・h01454)。脊髄反射とは恐ろしいものである。
――なんか、こう。今、心の内側から湧き上がってくるような奴で……!
――……『彼方』の反応かな……?
カチコミ案件に反応した衝動はカナタか、それとも『彼方』か。
――ま、まあ。もう敵地だし!そんな事は一旦横に置いておこう!
気持ちをすぐに切り替えて、工場の怪しさを暴き、ぶち破る事を決意を新たにした。
カナタの言葉を引き継いだのは捜査三課の仲間であり、カチコミ案件達成のため秘密裏に暗躍中であるからこそ口裏を合わせた|番田《ばんだ》・|陽葉《ようよう》(はぐれ |熊猫《パンダ》純情派・h10140)は、仕事仲間としての演技を堂々と行う。
――わだすも潜入調査……一度してみたかったんだべ!
悪の武器商人パンダとして、なるべく威厳を保とうと表情が崩れないように意識する陽葉は、ほうほう、と直ぐ何にでも相槌を打つ。なんだかんだ、ワクワクしている人材が多い捜査三課だが、当然仕事は|真面目《・・・》に行うのみである。
『こっちは不純物が混ざってないか、目視確認エリアでして。磁石を使用している為あまり近づくと電気製品が故障する場合があります。気をつけてくだサイ』
「(陽葉さん?!顔、顔!人がいいのがでちゃってるって!)」
「わだすにも、なんてわかりやすい説明だべ」
ほっこりと頬を綻ばせた笑顔を見せた陽葉は、√ウォーゾーンにやってきたのは実のところ初めてだ。
――此処は厳しい世界だとは聞いていたけども。
――子供達が戦いの道具にされていくのを見るのも聞くのも、辛いべ……。
従業員の顔が見えないか、ジャイアントパンダの体格から見える観察を行う。
働く従業人は、帽子が目深でよく見えない。衛生面、埃類に注意を払った作業着の着用で男女の判別以外は上手く出来ないが、なにか不自然な|違和感《・・・》がある。
――なんだべ?
体中の毛がなんだか落ち着かない感じ。
「(案内してくれる人達も、従業員さんたちもなーんか不気味じゃない?ヤバい感じするんだけど……!)」
「(ああ、片言が目立つ……)」
セージ・ジェードゥ(影草・h07993)とヒソヒソと小声で話していても誰も気にする素振りすらない。
「(インプットされてるのを言わされてる感じじゃん……)」
コンベアーの稼働音、工場の駆動音で煩いから、と片付けるには来訪者に対して意識を向けなさすぎではないか。薄ら寒さすら感じるカナタは、生唾を呑んだ。
「(言わされてるっぽくて、それしか頭がない、っぽい印象だべな……)」
観察。静観。
勝手に話す説明と案内をしている男はセージに静かに見定められている事に気づいている様子がない。流れるようにスマホで撮影などをしても、注意がとんでこない。
――こういう場合は機密案件だから、って注意するもんじゃないのか?
――関心がない、という話ではないな、これは。
人が、職場に他人が訪れた時。
大抵の場合は緊張というものが雰囲気に出るものだが、作業中の従業員にそれらしい|感情《・・》がセージには見て取れない。悪く言えば、|人らしくない《・・・・・・》。
――此処に入るのは見た目は人、中身は機械ってことか?
――中々に胸糞悪い事をしていそうだな。
表向きはとても真面目な武器工場のようだが。
――暴かれた裏側ではさて、一体何が出てくるやら。
ステルスクロークやゴーグルは鞄の中に隠したままだが、持ち物検査等も特に行われなかった。
――何を持ち込まれても大丈夫って自信か?
セージは、当たり障り無く無口な学生を演じて、会話を聞き流しながら"歩きスマホ"を常時使用する演技に勤しみ、その手元ではスマホに偽装されたハッキングツールを流れるように使用するだけだ。密かに半径内の味方に対し"|能力強化:命中・反応《ハッキングバフ・ヒットリアクション》"、つまりは自身のハッキング端末に情報制御レベルでのハッキングを掛けて接続し回線切断までの間、命中率・反応速度を普段よりもスムーズになるよう働きかける。
『……ということなので、次のセクションは当社自慢の――』
「ほほぅ、これは素晴らしい生産ラインだべな」
武器商人としての側面を出し、ぐいっと身を乗り出した陽葉が大きめな体格のまま、ぐいっと前に進み出る。
「他にはどんな武器を作ってるんだべか?従業員の統率もしっかり取れてるべ」
これはこれは、儲かってるんでしょう?
生産ラインがしっかりしているのだから、その功績はお墨付きのはずだ。
「まさか銃中心ってだけで、その他を作ってないとかはないんだべ?」
ではほかを創るなら何に力を入れているのか。
『ハハ、我々は常に仕事をするのみで……つまりエキスパート、ってヤツデス』
「(機械群に属している、だなんてボロが出たりはしないだべか)」
裏取り出来れば潜入理由が出来るのだが、耳を澄ますと聞こえてくる稼働音の中に――定期的に聞こえるごうんごうん、という音以外に、妙な音が紛れている気がしてきた。
"歯医者"で聴きそうなドリル音や、改造系車両が走る様なエンジン音。
|見えてるフロアに《・・・・・・・・》、そんなモノは見当たらないのに。
「(……なんだべ、この音。別の部屋の騒音を誤魔化しているんだべか)」
「あ、あーー!!ちょっと、ト、トイレ!そう、トイレに行きたい!どっちですか!!」
陽葉の後ろに隠れていたカナタ渾身の限界発言。コレに対しても案内の男は不気味なほど冷静に返答してきた。
『ああ、そのコンベアーの向こう側の突き当りです』
「ありがとうございま~す!」
カナタは最後まで聴かずに離脱して駆けていく。真実そこにトイレが無くても構わなかった。調査の基本は、情報収集である為だ。
「流石に此処まで監視カメラとかはないだろ、いやないと良いんだけど!」
監視の目がないことを信じて、カナタは|心霊聴取《クレアオーディエンス》を行う。
「――話、聞かせて貰っても良いかな」
静かに心を落ち着けて、問いかければ|揺蕩う者《インビジブル》は、カナタの前に像を結んで応えてくれる。それは|「負傷した|少年兵《行方不明者》」の姿をとった。
「……やっぱり。君、此処3日以内の事、教えて欲しいんだけど……」
『あっち。扉は映像で隠されてる……ぼくが殺されたのは、あっち……』
負傷した腕を持ち上げた負傷兵の指出す方には"壁"しかなかったが、殺人事件は――カチコミの|理由《正当性》は生まれた。これは殺人事件、として成立している。
『鍵はかかってないよ、此処では通る人が基本存在しないだけ……』
「此処最近負傷兵は、運ばれたんだろう?それって……」
『まだ、半分は生きてる。でも半分は、工場労働者に(人体魔改造)させられた。ずっと、この工場で続けてる裏の顔、みたいで……。病院って、言われてるみたいだけど此処の従業員は、全員"元少年兵"。案内の人も傭兵とかだったらしいけど、ただし、見た目はそのまま、中身は完全に機械で……与えられた仕事しか、出来ないよ』
負傷兵の再利用を機械群が率先して行っているんだ。
改造されたら、自由意志を持って考える事はないよ。
体が死んで物理的に心が死ぬ為、"少年兵は殺された"と表現するようだ。
「……こども」
セージが端末を弄り、スマホにメモを残している傍らに呟いた。同時に成立させていた工場へのハッキングで、"従業員一覧"を覗き見たのだ。
そこには年齢が羅列されていた。案内する恰幅の良い男以外フロアに居るのは全員子供であった。システムに表示されている名義は従業員、という割振りでもなかった。
"武器製造ライン用・工場業専用機"、という割振りであった。人権が、全く無いことがセージのハッキングにより発覚した。システム防衛管理もノーガードであった。
「(多分、全員が行方不明……)」
「……こんな悪い大人たちのくいもんにさせるわけにはいかねえ」
カナタがコンベアーの向こうで手招きしているのが見えた。
急ぎ、急行せよのハンドサイン――と解釈出来なくもない。
陽葉とセージは流れるようにトイレを借りたいと言って離脱する。
それすらも|怪しまれることはなかった《・・・・・・・・・・・・・》。
「……戦いの道具にされてるにしても、あんまりだべ」
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
クラウス・イーザリー(気味が悪いな……)
人なのに機械みたい……いや、下手な機械よりも話が噛み合わないかもしれない
何かがあるのはほぼ確定だろうけど、その何かを探さなければいけない
傭兵として生きる俺にとっても他人事じゃないし……
案内人に付いていきながら密かに機械仕掛けの瞳を使用
透明化とジャミング、感覚共有を全て使って周囲に飛ばして情報を探る
多分あるだろう地下への道を探る、怪しいことをしている場所を探る他に、ハッキングでも情報を抜いてみよう
ドローンたちの機能をフルに使うと頭がふらふらするけど、決まったことしか答えない案内人が怪しむことは無い……かな?
できれば負傷兵たちも見付けて助けたいから、辛くても手は抜かないよ
●人間が人間らしくない工場
対人しているはずだ。対面で今、工場見学の説明を受けているわけだが人間と話している感じがどこかしない。出来の悪い、音楽をただ聞かされている気分だ、とも思う。
――ラジオのや無線での一方的な話し掛ける感じに似てるかも。
――どこか、気味が悪いな……。
クラウス・イーザリー(太陽を想う月・h05015)は色んな場所で色んな人を見てきた。その認識は決して間違いなどではない。
――悪意のようなものは、感じない。
――俺を殺す気しかないなら、やってきた時点で串刺しとか致命的な方法が出来たはずだ。工場に立ち入った時点で数の暴力、とか。
他にも例えば罠とか奇襲とか、力任せの制圧とか。暴力的な攻撃を加える方法は傭兵として生きるクラウスの√ウォーゾーンへの熱い信頼がそう結論を素早く弾いている。
『はい。施設の見学に来る人も普段いる方ですのデ、問題なくこうして応じさせて頂きマシタ』
愛想笑いを一度浮かべたきり、クラウスは何も言っていない。
だが、案内の男は一人で|相槌《・・》を打ちながら勝手に喋り続けている。
「もしかしなくても下手な機械より会話にならない、ね」
では、こちらの状況を判断しているのは"そういう動作を命令された機械"だと思えば配慮の必要はないのかもしれない。銃器系の工場であること自体は、正しいようだけれど、とクラウスは配慮の隙間を考慮しようとしたが、直ぐに考えるのをやめた。
案内人の相槌を聞き流し、傭兵として密かに|機械仕掛けの瞳《オートマタ》を放つ。透明化させたドローンは、空間内を静かに観察し感覚を共有したクラウスに見えたものを届ける。これは少しばかり、頭に負担が掛かるのだが――こちらが顔色を替えたところで、心配してくる男にも見えなかったのだ。
――さて。
飛ばしたドローンから見えた光景は、説明された通りのワンフロア。壁があり、機材が有り室内に仕切りがあり、従業員と相当数が詰まった室内だ。
――効率重視の作業だけがこの場で行われてる実態のようだけど……。
索敵に複数飛ばしているが、「創り上げた武器」を搬出・運搬するような場所はどこにも見当たらない。これは、|わざと《・・・》戦闘機械群によって隠されている書庫でも在る。
「質問、いいかな」
『どうぞ』
「右手と、左手側の作業が終わり完成品はどこかへ集めて出荷しているのかな、と」
『それなら、この奥の壁に映像で壁に偽装している道がありましてその奥に、運送ルートが在るんデスよ。地下から搬出しているんですね』
クラウスは、呆れた。これでは質問に答えるAIではないか。
会社ならば非公開情報の一つ二つあるべきなのだが――。
「成程。それは理想的なルートだね」
作られた武器は正しく搬出されているらしい。では表の顔、工場としてのシステムが廻っているのも納得だ。では、次の問題は。
「此処の工場にもネット環境はあるよね、アクセスしても構わないかな」
フル稼働は負担が掛かりすぎるため、一部以外は早々にドローン制御を打ち切る。此処まで来ると、案外大胆に口頭で尋ねても、軽い返事が返ってきそうな気がしたのだ。
『ああ、どうゾ』
何故か了承がとれたので、堂々と残りのドローンでハッキングを掛ける。
すると、プロテクトが一切ない事で何度目かの驚きがクラウスを襲った。
――管理が杜撰でも会社が、回る……?
引っ張り出せたのは"外来者名簿"。会社に訪れた外部の人間リストであった。
「……ああ、そうなんだ」
それは、全員把握まではしていないが"行方不明"とされた負傷兵の名前であった。何日に負傷、奥の部屋へ搬入。形式にブレはあるが、おおよそ同じ記載があった。
「誰も、退出していないんだね」
負傷兵だけを集める施設。そしてその行方を誰も知らない。
「じゃあ俺、向こうの部屋の人に呼ばれているから行くよ」
来客リストに自分の名をハッキングして刻みつけて、ページを閉じる。
案内人はどうぞ、お進みください、としか言わなかった。案内を終えて去っていく。
咎めることも疑う事もされないのは、やはり違和感しか存在しないが――溜息を小さく零し、クラウスは堂々と、奥の施設へと足を進めた。
🔵🔵🔵 大成功
第2章 集団戦 『自動頒培機『ミスター・バブルス』』
POW
もう少しだけ楽しもう
自身が受けた武器や√能力を複製した【ガムボール型戦闘機械】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
自身が受けた武器や√能力を複製した【ガムボール型戦闘機械】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
SPD
分かち合う情報、残る感触
半径レベルm内にレベル体の【ガムボール型戦闘機械】を放ち、【内部のセンサー】による索敵か、【踏んで気づかないうちに張り付いたべとべと】による弱い攻撃を行う。
半径レベルm内にレベル体の【ガムボール型戦闘機械】を放ち、【内部のセンサー】による索敵か、【踏んで気づかないうちに張り付いたべとべと】による弱い攻撃を行う。
WIZ
多くのバブル、トラブルばかり
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【踏むと冗談みたいに転ぶ大量のガムボール】で300回攻撃する。
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【踏むと冗談みたいに転ぶ大量のガムボール】で300回攻撃する。
●「ガムはいかが?」最初にそう言えとマニュアルで決められていてね
工場フロアから、各々の手段で奥へと進むと通路は段々と下方へと進む階段へと変わっていく。時折聞こえるドリル音やエンジン音。その音の元凶は、どうやら下層から響いているようだ。此処まで監視カメラらしきものを見た人はいないだろう。
それどころか、話し声や、通りすがった機械または人型とも遭遇しなかった。
不気味なほど人の気配が存在しない。掃除用機械さえ、存在しないにも関わらず――どこか血なまぐさい臭いが、漂っているような気がした。
しかし、そんな場所で目を凝らすと床に点々と見えるだろう。赤褐色の痕跡が。
誰かが確かに運び込まれた血の跡が。
医療系の消毒液の匂いも同時にふんわりと下方の階層から漂ってくる。
負傷を直すためだけに負傷兵を運び込んでいたのか?行方不明になっても戦死で片付けられるように選ばれたのか?おそらくは、それだけでは足りない惨劇が待っている。
それでも尚進んでいくと、「多数の戦闘機械」が能力者たちを出迎えた。
『ガムはいかが?お腹は空いてないかい?』
差し出してくる品物と、見た目のポップな印象は一致する。
『ああそれともミスター・バブルスと話すのはいやかい?』
妙にフレンドリーに話す相手は色んな色の類似固体だらけだ。
『このガムの面白いところは秘密なのだけれどね』
こそ、と声を潜めたミスター・バブルスは囁く。
『ガムの中になんと、大ハズレだと寄生型の極小サイズ戦闘機械群が腹から君をぶち破るって寸法さ!ちょっと残念だとお腹が壊れる細菌・毒物が君を楽しませてくれるよ!』
『ちょっと!それは内緒でしょ!』
『ああっとしまった!忘れてくれ君たち!あたりなら5日は活動できる非常食に成るから!ほんとだって!』
ガムボールマシン型戦闘機械自体には、悪意らしいものは見えない。
それどころか、不自然な血のついた包帯が足元、肩、腕。どこかに必ずある。
一体何故だろうか――。
しかし、相手はやってきたお客様相手に止まることも、しないだろう。
日南・カナタ同じ課の皆と一緒だったんなんて感激!
この先もご一緒出来るなら宜しくだぜ!
それにしても負傷した少年兵達を治療と称し施設で人体改造…
なんて胸糞だ…でも、まだ助かる命があるかもしれない!その為にカチコミだ!
って事でガム売りのおじさん邪魔なんだよ!
…ちょっとて待て…まさか…これにも負傷兵の人体が使われてるってのか…?
…マジかよ…くそが!ぜってぇ許せねぇ!!
多分めっちゃ怒ってます
それでも恐らく負傷兵の人体であろう部分には攻撃を当てないよう気遣う冷静さは残っている
人体じゃない部分にぜってぇ当てる!そこだ!ロックオン!【必中撃】!!
絶対後で遺体は回収するからな
ちょっと待ってろよ…ボスを倒してくるから!
番田・陽葉アドリブ・連携◎
わだすはガムはあんまり好きじゃねぇんだべ
だって食べたのに吐き出さなきゃいけねぇなんて
そんなのお腹が満たされねぇべ!
…ってそうじゃなかったべ
えーと
あんたたち!わだすらは一応、客なんだべよ?
お客様にそんなおっかねえお菓子を配っちゃダメなんだべ!
武器を構えて臨戦態勢をとる
仲間と連携しつつ先ずは杓文字を振りかぶり重量攻撃を喰らわせていくべ
とりぁー!どっせーい!!
敵の攻撃はダッシュで避けていくべ
回避が難しいときは中華鍋の盾受けで凌いでいくべ
そんでカウンターからの√能力を発動!
うっかり外すと味方にも影響が出ちまうから確実に当たる状況で使用していくべ
さっさとこいつらを倒して先へ進むんだべ…!
セージ・ジェードゥアドリブなど歓迎
【心情】
血のついた包帯か。何があったのかあんまり想像したくないな。
先に進むためには倒すしかない。恨むなら全て終わった後で恨んでくれ。
【行動】
WIZで判定。
まずはステルスクロークを身に纏って√能力を発動。鋭い爪のついたロボットアームを出す。
それで地形を利用し壁や天井を掴んでぶら下がる。踏むとってことなら空中にいれば踏むこともないだろう。
そこからクイックドロウや援護射撃、弾道計算の技能を使い小型改造拳銃で遠距離攻撃を行う。
敵が動いて狙いがつけられない時は自分を浮かせているもの以外のロボットアームを切り離し拘束させてから攻撃。
●ガムで膨らむ回想録
並ぶ色んなカラーはとにかく陽気。
『ミスター・バブルスと話をして、そして返事をひとつ選ぶかい?』
異形な頭をガラガラとガムボールの数だけ音を立てている。
――血のついた包帯だな、あれは。
腕に巻かれた包帯が動くたびにひらりと宙を舞うどこか、どうも鉄錆た色に変色している装飾品に映る。セージ・ジェードゥは目は、その実情を推測して、ただ目を逸らした。異形頭のバブルスに、そんな怪我は見受けられない。
では、それは誰が所有していた"怪我"の名残だったのか。
「ガム売りのおじさん邪魔なんだよ!」
売る側はそういう時一人いるだけで良いと思うんだけど、と日南・カナタは最速で突っ込んだ。そろぞろ同じ商品を売るやつは大抵警視庁異能捜査官に暴かれたら、|刑務所《ッムショ》案件待った無し。怪しい薬、転売ガム、なんでも可能性は浮上する。
「……って、ちょっと待って。……まさか……」
『ミスター・バブルスは、陽気なのが取り柄なのさ♪』
『どうする?きみたち。どれでも差し上げようと、思っているんだよ』
誰でも良いよ、一人でも応えてくれれば。
異形の頭を揺らしながら、バブルスは返答を待つ。
彼らは"襲ってくる"樣子は見えない。ただ"返答"を待っている。
そうプログラムされた調整済みの"機械"のように。
――あの固体の足についた包帯。なんかまだ生々しい色だな。
――数日前、いや"今日"かもしれない真新しい赤だ。
――負傷した少年兵達を治療と称し施設で人体改造……。
これがその結果か?助かる命はどこかにあるか?
消費された結果、負傷兵の人体が辿り着いたのは、この結末?
「マジかよ……くそが!……ぜってぇ許せねえ!!」
「選ぶ。先を急いでいる」
カナタの一人絞り出すような声に対し、セージは静かに"ガムボールはいらない"と、バブルスとの会話を拒否した。
――斃すしか、進む手段がない。
――恨むなら、全て終わった後で恨んでくれ。
『そんなそんな、多くのバブル、トラブルばかり!楽しいよ!』
両手を広げ、色とりどりの集団バブルスが、がらりがらりと異形頭の中身を一斉に地面にぶちまける。ころころと転がるバブルは千差万別の色を誇り、ちょっとした、ゴムボールのプールを連想させた。
『みてくれこのバブル群!おや……?』
セージが、いない。
キョロりキョロキョロ、右左。
カナタもいない。
――こっちだ。
息を極力殺し、フード付きのクロークを大いに活用して√能力"|起動:工作腕《スターティング・クラフトアーム》"を使用し、天井に張り付いている。
カナタも同時に掴み上げ、二人して天井に逃げおおせている。
――確かに直ぐに攻撃姿勢に映ってたかも、だ。
この場における重厚な事件の集積から、カナタが猪突猛進に突っ込む前に一度相手を見る時間を作る。
「(それでも人体に、当てるくらいは冷静のつもりだよ)」
セージは機転を利かせて個数多めに出現させた無数のクラフトアームで、足場とバブルスがばら撒いた異物を踏まずにやり過ごす術を選んだのだ。
ばら撒く間に、|雲《蜘蛛》隠れ、というやつだ。
――鋭い爪のロボットアームを用いたのが正解だったな。
「(最適部位を、最大で討つ、いいね?それがせめてもの……)」
「(……祈るより前に、やることをやるべきだ)」
地形を利用し壁や天井に、張り付くセージは最大に最高率のタイミングを狙う手元に構えるのは、次なる戦闘手段。
せめてもの、被害を最小で、最大の突破効率に繋げられるように。
「あー。あだすは――……ガムはなあ」
転がるガムボールの群れ、そしてバブルスを見比べて、番田・陽葉はやや困った顔で応じた。のんびりとした対応を心がけ、頭上を悟らせまいと身振り手振りを加えておく。あくまでセージとカナタがどこへ行ったのか、気が付かないフリに徹した。
『ガムはいるかい?どこからでも出してみせよう!』
「あんまり好きじゃねぇんだべ」
いらない、と陽葉も返答するとバブルスは痺れを切らしたように陽気に話しかけ続ける。
『好きじゃないが好きになる瞬間が、ここにあったならばどうだい?』
『これはね、ミスター・バブルスしか持っていない秘密の味なんだ!』
『ポケットからでも、色んな場所から新しいものを差し上げよう!』
あれやこれやと勧誘スタイル。頭に血のついた包帯を巻いたバブルスが、ほらほら遠慮しないでと歩いてくるが――これが、冗談みたいにすっ転んだ。
立ち上がれば転ぶ。転びながらまた転ぶ。
『冗談抜きで立ち上がれなくなるほどのウマさ!実証済みだよ』
『それよりこっちにおいでよ、食べ放題だ!』
どの個体もすってんころりと転がりながらも声を掛けてくるので、一周回って不気味な空間が、そこにあった。
「だって、ガムはガムだべ?……ごくんと呑むとお腹を壊してしまうんだべ?」
食べ終わったら包み紙に包んでゴミ箱へ。
常識には聡い陽葉が、論破する。
「そんなのお腹が満たされねぇべ!」
くわっと怖い顔をちょっぴり晒し、本音が零し、バブルスたちはジャイアントパンダに論破を受ける。
『『ああ、それはそうだね、マナーが第一だ』』
「……えーっと、そうじゃなかったべ。あんたたち!わだすらは一応、客なんだべよ?こんなに足場を埋めてどうすんだべ、お客様にそんなおっかねえお菓子を配っちゃダメなんだべ!」
武器を構えて戦闘姿勢に移る陽葉に、バブルスたちは、やれやれと言いたげに応答を始める。
『全く、そんなにショータイムが好きなんだね?』
『いいともいいとも、任せておくれ。"そういうマニュアル"もあるのさ』
ぽーんぽーん、と何かを投げる。バブルスたちの"隠し玉"。
ガムボール型の戦闘機械を新たにばら撒いて、奔らせる。
『そんなに言うなら、選んであげよう!最高のガムボール!』
「選べるんだべ?白と黒を希望するべ」
人の良さがさり気なくでる陽葉は、|杓文字《しゃもじ》ですぱぁああんとガムボール型の戦闘機械を壁に向かってホームラン!
「小さいのがなんだべ、小さすぎてみないべ。不正販売は、禁じられているってマニュラルはないんだべか」
いいや、なくても構わない。
ガムボール型の戦闘機械を頼りにバブルトラップから脱げだしてきた固体に向けて、さっそうと叩きつけるその拳!威力はお墨付きの、|白黒衝撃穿《モノクロームインパクト》!
「とりぁー!……どっせええええい!」
素早い一撃はバブルスをあっという間にふっ飛ばし、動く理由を失わせる。
曰く、気絶を狙った攻撃だ。内部構造が"ニンゲン"でも"機械"でも、在るべき"核"に衝撃を与えれば止まるもの。絶対外さないように狙ったのだ。
外れた時に映える竹林は、此処では手向けの花にしてあげられないが――。
「肉球の有り難みを、釣り銭代わりに受け取るんだべよ」
「次はお前だ!動くな!」
動いた固体に頭上から降り注ぐ、カナタの大声。セージの援護射撃。
クイックドロウに驚いて、たたらを踏んだバブルスは。
表情の読めない頭を揺らし、ただ楽しそうに言う。
『そうかそうかそこにいたんだね、じゃあもう少し楽しもう』
『ミスター・バブルスは、そう"対応"するのが正しいんだ』
自身が受けた銃撃を、模して創造しした新手の"ガムボール戦闘機械"を生み出して、空中に向けて投げかける。
『新しいガムボールがほしいと言うんだね、銃撃型はバブルスも初めてだ!』
「そんなのもう、ガムとは言えないだろ」
工兵、セージは動くモノに対してロボットアームを伸ばして、対処する。
差し向けられた複製体も、バブルス自体も絡め取り、拘束。動きを封じた。
それ以上動くんじゃない。
「人体に銃弾をごちそうするのが最新のガム?」
『そういうガムも、楽しいだろう?』
「まったく楽しく――ないからァ!」
人体じゃない部分に狙いは既に定めている。
その偉業の頭は、多少崩れる程度じゃあ致命的にはならないだろう?
「そこだぁあ!!!」
飛び降りる威力を乗せてカナタが放つ|必中撃《ロックオンアタック》。
カナタ式ロングハンマーのフルスイングは、顔面ガラスを激しく突き崩した。
人間的に考えたら、脳震盪待ったなしの威力で"叩く"。
手応えは、分厚いガラスそのもので――破壊音もガラスの爆ぜる音そのもの。
バブルスは高威力を浴びて倒れ伏す。立ち上がる固体はカナタと陽葉を皮切りに、拘束協力するセージが協力することで極力最小の被害に抑え、敵を張り倒し、戦闘不能に追い込んでいく。
「これで、片付いたべ。さっさと先へ進むんだべ……!」
今は振り返っている時間はない。身元の確認は今は後で。
事件はまだ、終わっていない。この先に、|犯人《ボス》がいるはずだ。
「カチコミといこう。証拠はもう、揃いすぎてる。絶対後で遺体は回収するからな」
事後収集の手回しは、既に段取りを組める程度に関係者は多いのだ。
「ちょっと待ってろよ……ボスを倒してくるから!」
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
クラウス・イーザリー「そんなことを言われて食べる奴の方が少ないだろ……」
律儀に突っ込みを入れながら武器を構える
ちょっと気が抜けるけど、奥に進むには戦うしか……
……包帯?まさか、負傷した人たちの慣れの果て……?
彼らの正体が何であれ、黙ってやられる訳にはいかない
乱戦遊戯を使用
壁を蹴って跳び、相手の身体を踏み台にして更に跳んでバブルス達を蹴飛ばす
放たれたガムボールは手近な位置にあれば蹴り飛ばして敵にぶつけて牽制し、更に思念で操作した兵器で追撃する
うっかりガムを踏んづけてしまったら魔力を箆っぽい形に錬成してべとべとを排除
なんか汚く感じちゃうな……
嫌な予感が杞憂であればいいと思いながら、基本的には気絶させるだけに留めるよ
●ガムはみんなでたのしもう
「そんなことを言われて食べる奴の方が少ないだろ……」
クラウス・イーザリーは、比較的まともな返答で辞退した。
『そうかい?子供は喜ぶってマニュアルに……』
「俺この間、二十歳になってるから」
『そうなのかい?成人おめでとう記念で"ガムはいかが"?』
陽気なミスター・バブルスは、何故か嬉しそうに祝いを兼ねてプレゼントしようとしてくる。
「記念ガムは、仮に食べても一人ではいらないかな」
律儀に応えながらも、クラウスは武器を構える。
ちょっと気が抜けるのだが、奥へ進むためには必要だ。
だいぶ、おもちゃ感が強く、敵っぽさが薄いのだが。
『じゃあ今度会う時はおともだちも連れてきて!』
『ミスター・バブルスがこっそりおともだちのぶんまでおもしろガムをあげちゃうよ!』
『……あれれ?反応がないな?』
ガムを貰うか否か、で思考を停めていたわけではない。クラウスの視線は、バブルスたちの肩や足に巻き付けられた血濡れた包帯に釘付けだったのだ。
――あれは、数日以内に取り替える必要がある包帯だね。
――衛生面考慮と、物資不足から在る地域ではその方式が取られている。丁度、その地域の負傷兵が行方知れずって話でも……。
――これってそういう?……いやな推理パズルになっちゃったな。
「いいや、負傷したのかい?つい最近」
『不思議なことをいうね!ミスター・バブルスはこの通りぴんぴんしているよ!怪我識らずだね!痛みとはさよならしたのさ!』
「さよならした、ふうん……君、言いくるめ下手っていわれない?」
――まさか、負傷した人たちの慣れの果て。
――当人の思考パターンまで改造の範囲に含まれてるって?
『そ、そんなことはないよ!ミスター・バブルスはみんなのためにガムを配るのが仕事なのさ。だから君にも、ガムをあげよう!』
ぽおんと投げる、その一つ。
ガムボール型戦闘機械を浮かべて、バブルスは楽しげに語りだす。
『君好みのガム味を、暴いてみせよう!』
『痛みよりずっと、そのほうが楽しい時間を提供できるからさ!』
分かち合う情報、そして流通に乗せてみんなでわらおう。
バブルスの理念に対して、見え隠れする人間的雑念。
クラウスは、頭を振って静かに戦闘姿勢を取る。
――彼らの正体が何であれ、黙ってやられる訳にはいかない。
『さあさあミスター・バブルスに見せてくれ!』
『見せてくれないなら、転ばせてでも、暴いちゃうぞ!』
ぶわああと飛び交うガムボール型機械に目をつけて、クラウスは駆け出して、バブルスの追跡を振り切るために壁を蹴りって勢いよく跳ぶ。
乱戦遊戯。
その場にあるものは全て、何でも利用して、本体を狙うのだ。しなやかな動きに、バブルスは口笛(どこから鳴らされてるかは不明)を吹いて、感心を示す。
『わあすごい!いいね、あ、でもそこ……』
「……え?」
嫌な踏み心地がちょっとある。べたぁあ。
足の裏にいつの間にか仕組まれた|攻撃《嫌がらせ》。
『ミスター・バブルスは仕込むほうが得意なんだ。工作兵だったからね、成績優秀だったんだぞお』
『ちょっと!今は違うでしょ』
『あっしまった今のは忘れてくれ!』
放たれたガムボールに追跡される中、蹴り飛ばして振り切る。今なにか、どこか胸糞悪い案件が聞こえた気もする。
「忙しくて聞いてなかったや。あ、これ、返すね」
今、回し蹴りで落ちたガムボール型戦闘機械を捕まえて、思念操作を加えてボール代わりに追撃する。
狙いは胴体。ガムボールがぶつかって壊れたらそれでいいのに――がごぉん、と派手な音を立てるだけ。硬そうな音が響いた。
『おおっとこれはきいた!』
バブルスは、ぐーらぐらと身体全体を揺らしている。きていないわけではないようだ。
ちょっとの隙間に、足についたべたべたを、跳ねて蹴り落として、の喧嘩殺法を続けていたクラウスが、叩き落とした固体に擦り付けるように魔力を流して強引に綺麗さっぱり剥ぎ取って、ベタベタ固体化したガムボール型機械を、クラウス選手、助走まで律儀に付けて勢いよく蹴りの威力を乗せて蹴り放った――!
「そっか。これは返しておくよ!」
ありがとう、と受け取ろうとしたバブルスは、顔面で受け取る羽目になった。距離感と慎重さを見誤ったのだ。
「どれが皆の分かわからないけど、それぞれ用に俺が選んでおいたから」
バブルスにガム(ボール型機械の選抜。どれもベタベタを塗りた繰り返したもの)を蹴り与え、バブルスは与える側に"生まれた"のに、与えられた。どれもがいらないと否定しなかった。
『『べたべただーーー!!!』』
気づかないうちにベタベタべとべとまみれにされて、誰かにぶつかってはくっついて。バブルスは動きをだんだん封じられていく。
――これはなんだか汚く感じちゃうな。
「じゃあそっちはそっちで仲良くしておいて」
べったりくっついたバブルス達を置いていくように見せかけて、足癖の悪いクラウスは後ろから昏倒させる蹴り(此処はベタベタ汚染箇所ではない)、黙らせる。
「まあせめて、昏倒してる意識の向こうで誰かがガムを受け取ると良いね」
誰も喋らなくなった頃、クラウスは息を整えてから奥へと進んでいくことにした。
🔵🔵🔵 大成功
オメガ・毒島フォーさん(h01293)と
元人間感と悪意の無さ……一旦抵抗できないよう制圧だけしてふんじばっておきましょう。
無理そうであれば破壊という方向で。よろしくお願いしますよフォーさん。
オメガWi-Fi起動!
これがオメガ級の速度です。決して働き者の部下に仕事を押し付けて楽をしているだけでは───あッ待ってくださいこれあんまり範囲広くなくて……フォーさん!?フォーさぁん!?
慌ててオメガ・ブレードで滑走して追いかける後方腕組み店長。
……このガムってやっぱり食べちゃマズイですかね。マズイ?そうですか……
しかしアタリを引けば……駄目?そうですか……
後ろ髪を引かれつつ大人しく先へ進むのだった。
フォー・フルードオメガ店長(h06434)と
(わざとらしい包帯。改造されたのだとでも言いたげなそれ。それでこちらの行動を鈍らせるのが目的か、あるいは包帯を外すことすら省かれる扱いか。最悪は破壊、それは変わらないがアイテム「マーカーダート」のEMP出力を最小限に調整……完了)
了解しました。出来る限り破壊は避けます。
戦闘はまず「カスタム拳銃」で√能力発動、ガムボールマシン達の中心に撃ち込む。
今回発生させる弱点はあくまで破壊せず動きを止めるポイント。そのポイントにマーカーダートを投擲。店長の√能力と投擲+弾道計算技能で効果的な部位へ投擲を狙います。
相手の√能力のガムボール型戦闘機械はカスタム拳銃で撃ち抜くのを目指す
●ガムの味は、エトセトラ
『ガムはいかが?こたえを聞いてもいいかい?』
『それとも、ガムの代わりにミスター・バブルスとおしゃべりかい?』
どちらも構わないよ。楽しくやろう。
陽気に語り、陽気に、誘う。
彼らバブルスたちは、まるで"子供"のように振る舞って見せる。
『ところで君たちは何色が好きなんだい?』
『ミスター・バブルスが選んであげよう』
『そのためには、リサーチが必要なのだけれどねっ!』
ぶわああああ、と周囲に浮かべて探りに掛けるお祭り騒ぎ。
色とりどりのガムボール型戦闘機械はとにかく数が多かった。
『どれか好みの色はあるかな?』
『内側までサーチすれば、どんな色が好みかわかるかな?』
声を潜め、目の前の状況を分析する。
会話に応じなかったのは、彼ら二人が陽気なスタイルに乗っていかなかったからにほかならない。
「察するに……」
「言葉にすると、後味がガム風味になりますよ、店長」
「そうですね。美味しいガムであれば歓迎するんですが……」
「あれはこちらの動揺を誘う作戦か、それとも偽装工作の……」
バブルスの、異形の頭ガムボールがガラガラ音を立てているのが見える。実に色とりどりだ。あれが何味なのか、考えるだけで興味は尽きない。
しかし、今回の案件のガム風味である場合、噛めば噛むほど、味が出ちゃう泥沼スタイルであるともいえる。真実の姿を明るみに出せば純粋な人ほどないちゃうかも知れないので、情報の公開には留意が必要かもしれない。
相手は|目視《サーチ》の結果。
全体的にポップな風貌に、違和感の塊はただ一点。
血のついた包帯。あれだけが異物だ。それ自体には何の特殊性もない。
それがそれぞれ固体の、別々の場所にある。
肩に、足に、脇腹に。肘に、股に。
少年兵が受けて運ばれる重症ポイント箇所を、適切に抑えているのだ。
「……とはいえ、あれは装飾としては味があるのではないですか?」
「ガムだけに?」
「ええ、ええ。ガムだけにです」
果たして集団のミスター・バブルスは陽動なのか?それとも遊び半分に配置された軍勢か。装飾の異物である包帯をあえて残したのならそれ相応の理由はあるのではないか。考えれば考えるほど、答えは迷宮入りしていくのだが、オメガ・毒島が分析から導き出せる"結論"を言う前に、フォー・フルードが遮り、戦闘するなら――の分析へ話を戻していく。
「あるいは包帯を外すことすら省かれる扱いか。そこまで含めた付属品であるとみるのも良いでしょう」
「……元人間でも、そうでなくてもこの悪意の無さです。新たな人生を歩むなら、相応に居るべき場所はあるでしょうに。フォーさん、一旦抵抗できないよう制圧だけしてふんじばっておきましょう」
提案。それは、"ここに在るべきではない"とオメガが判断した発言。
眼鏡の奥に隠れた心境の内訳は、此処では秘匿情報とする。
「無理そうであれば破壊という方向で。よろしくお願いしますよフォーさん」
――最悪は破壊。
――それは変わらないが"マーカーダート"のEMP出力を最小限に調整。
――……完了。
「了解しました。出来る限り破壊は避けます」
『さあ始めよう!ミスター・バブルに教えてくれ!』
差し向けられた小型機械に向けて行動を先行させたのはフォーだ。
構えたカスタム拳銃「Gr-429c」をスッ、と向けて、射撃開始。
|脆弱性顕現試行《ワン・アヘッド・リーディング》にて彼が撃った地点のバブルス軍団のド真ん中。戦闘機械、という括りであれば仮称改造固体であるバブルスにも含まれるはずである。故に、――この軍団最大の弱点の"強制的弱点発生"は、不可避といえた。
「潜在的不全点を確認」
顔面のガラス、いいや、――フォーが導き出した"弱点"は。
――もともと持っていた、"負傷箇所"。
「店長」
「オメガWi-Fi起動!」
説明しよう。|オメガWi-Fi《ミンナメガモリ》とは、なんと年会費無料の素晴らしいWi-Fiだ!オメガポイントも稼げるので、おすすめプランになっています。ただし、数回に一度、謎の広告(博士の顔)またはアプリ(博士の顔)が紛れ込むので、博士の顔が紛れ込む事を許容できる人ならば最強の武器でとなるのである。
「今日はパケット気にせずガツンといきましょう!オメガ級!ですので!」
オメガWi-Fiとフォーを接続することで、思考速度から行動速度、標的捕捉から何から何まであっという間で可能にする。
『それで何が出来るんだい?ガムの味を当てるのかい?』
「楽しそうですがそちらが解析サーチを完了させるまでの間に――あッフォーさん待って!?フォーさぁん!?待って!!待ってそこでクイックターンしてステイです!オメガWi-Fi接続範囲って案外広くなくって!」
バブルスが動き出したことで、フォーがカスタム拳銃で小型戦闘機械を打ち抜きながら、回避行動に移った。立ち位置がちょっと圏外になってしまったのだ。それだけで発生する脆弱性!そう、これがオメガ級!
オメガWi-Fi生産者もおそらくにっこり百点満点のサムズアップを決めてくれることでしょう。働き者の部下に任せっきりにさせない素敵なWi-Fiとなっております。
「くっ……!」
慌ててオメガ・ブレードで滑走し、コーナーで差をつけ――ないで程々の距離を維持するオメガは後方腕組み店長ヅラが映像記録に残っています。
「ではどうぞ!」
「脆弱性を|制圧《コントロール》」
オメガの支援を受けて、フォーが穿つ武装に選んだのは、マーカーダート。
対機械群投擲型電磁ナイフの、弾道計算技能効率がオメガWi-Fi補正で跳ね上がり――包帯の中心(血痕のシミ)が存在するところを的確に穿ち、射抜く。
『ミスター・バブルスの弱点に気がついたのかい?』
『そこは隠していたつもり、だったのにな』
バブルスが内包していた「元負傷兵」としての致命的な負傷部位に攻撃を打ち込むことで、攻撃の痛みが"戻ってくる"。
『は、はは。笑えない痛みだね。ガムでも食べるかい?』
『ガムを食べたいのは、"ぼくら"のほうさ』
『怪我が治ったら皆で笑ってバカな話をしながら、ガムの一つでも食べて楽になれたら、なんて願ったばかりに……』
『ガムを相手に差し出す、そんな陽気な夢を語ったばかりに……』
途絶える声はバブルスらしからぬ、誰かの言葉。
傷を撃たれた自動頒培機は、みるみる行動力を失って沈黙する。
静かになった事で、懇切丁寧に拘束し、縛って隅に寄せておく。
彼らは機能停止したのではない。"気絶"したのである。
「ところでフォーさん……このガムってやっぱり食べちゃマズイですかね。マズイ?そうですか……ってアァア!なんかベタベタします!!」
いつの間にかオメガ・ブレードがべたべたのべとべとになっていた。
だが今はそれどころではない!ガムだよ、ガムの味なんだよ!
「店長。食べたら何が起こるかわからないですよ」
「しかしアタリを引けば……」
「外れたら、ひどい目に遭うかもしれません。このあとの方がだいじではないですか?それより興味が大事ですか?」
「う、ぬぬ。興味のほうが大事という気持ちは大変に在るのですが、フォーさんのそれは駄目という意味ですよね?ええ、ええわかっていますそうですか……では一個だけでも!」
オメガが後ろ髪を引かれつつ、大人しく先へ進むのだった。
だがあわよくば、ガムのことは気になる。オメガはこの事件が済んだ時「ミスター・バブルス印のガム」のレビューを検索するのだと心には決めたようである。当然、ほぼ酷評しか存在しなかった事は、言うまでもない。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『白衣の堕天使『ドクター・ムラサメ』』
POW
「お前さんも妖怪人にならないかい?」
自身の【注射器の中身】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【半妖怪人化(効果時間60秒)】を付与する【即席簡単妖怪人化薬(試作品)】に変形する。
自身の【注射器の中身】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【半妖怪人化(効果時間60秒)】を付与する【即席簡単妖怪人化薬(試作品)】に変形する。
SPD
「ちょいとチクッとするよぉ~」
半径レベルmの指定した全対象に【異常に高いドクターの医療知識】から創造した【謎の薬剤の入った無数の注射器】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
半径レベルmの指定した全対象に【異常に高いドクターの医療知識】から創造した【謎の薬剤の入った無数の注射器】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
WIZ
「安心しとくれ。ちゃんと運転免許は持ってるから」
自身の【改造救急車】を【派手】に輝く【緊急爆走モード】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
自身の【改造救急車】を【派手】に輝く【緊急爆走モード】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
●じゃあ行動に対する嘆願も、契約書にサインということで
「……指示?ああ、此処で医療行為をしていていいと、場所の提供を『重陽真君』に斡旋してもらってね、いい職場で働いていただけなんだが」
奥へと進むと、一人だけ、人間味のある存在とであう。
「なんだ、真人化工場だと聞いたって?ああ、なんだ。あたしは善意で働いただけだよ」
白衣の堕天使は、悪気無く来客を迎え入れた。
「治療費を払えなかったヤツらは、第二の人生を歩んでいただろ?此処にはそういうのしかいないわけだ、あたしがやったんだが、うまいこと出来ていただろう?」
完全機械化、その過程の|治療《改造》なんで、此処から出荷していくのも担ってたわけだが。
「あー、完全悪って顔されると参るな。治療費を払えた奴は丁寧に戦場におくりかえしてやったんだよ?怪我が治るまで面倒見てやったからね」
ドクター・ムラサメ。そんな名札を下げているその人物。
「行方不明負傷兵?だいたい此処に運ばれてたのは真実さ、その大半が治療費不足で、めでたく機械の仲間入り。記憶引き継ぎ有無は勿論任意アンケートを取ったが」
「あたしは此処で治療をしていただけだ。それがなにか、悪いのかい?」
治療同意のサインも、機械化同意のサインも白衣の堕天使は契約して行った、と紙束を見せつける。あれこそが、消えた負傷兵の数に比例する。
「それとも何か?ここまで暴いたってーことは、改造されたいのかい?金次第で請け負うが……あ、あたし本来の趣味は妖怪人化させることなんだが、必要なら第二の人生を始めた指示されたことしかできないほど全部機械兵化した奴らみたいに、してやろうか?」
あの存在は、医療行為という行動自体は名医のそれだ。
悪意はないのかもしれないが、放置してもいいことにはならないだろう。
オメガ・毒島フォーさん(h01293)と
契約書(同意)はある。
しかしまともな支払いが難しい一般√ウォーゾーン兵士相手にそんな契約を持ちかけるのはほぼ選択肢がないのと同義……とはいえ物資不足の為タダでやる訳にもいかないというのも解る。
なんとも複雑。大体物資不足のせいです。嫌になりますね本当に。
自分の運の良さを改めて実感しますよ。
とはいえ博士以外の改造はノーサンキューです!
フォーさん、60秒時間を稼いで下さい。ついでに動きも止めておいてください。
あと明日の掃除代わってください(最後のみ早口小声)
(被せるように)チャージ開始!
やはり頼りになりますね。
────これがメガトン級のオメガ級。
メガ・オメガ・ビーム!
フォー・フルード店長(h06434)と
(自分の判断基準に沿って判断すれば少年兵達とこのドクターの関係に異議はない。契約が成立したのなら介入する理由がない。なので、今回の行動基準は店長に任せるとしよう)
強いて言えば、好きに身体を弄れるというメリットをあなたは享受したのでしょう。契約をしていても倫理を無視すればそれに対して感情的な反撃を受けるのは分かっていたのではないかと。自分から言えるのは派手にやりすぎた、それだけです。戦闘を開始します。
60秒、カウント開始。
注射器の投擲は弾道予測技能で回避を目指しつつ、√能力発動。カスタム拳銃で弾を撃ち出し相手の動きを予測。銃撃でとにかく相手の動きを阻害。後は任せました店長。
●交渉決裂待ったなし!
ぴらり。たった一枚の何の変哲もない紙がドクター・ムラサメの手元で揺れている。
「契約書、ですか」
『そうだよ、どうする?』
一枚を二枚に。人数分増やしたムラサメが返答を待っている。やはり攻撃的な姿勢は、ない。あくまで契約に基づいた労働をしているだけ、というスタイルが目立つわけだが――。
――自分が単独で訪れていたならば、そうしたか。
考察するフォー・フルードの分析では当然引き起こされた展開は一つだけだ。ムラサメと行方不明少年兵達との関係は、正しく運用されたものだ。契約があったのなら、遂行されるべきである。
承諾し、サインをしたのならそれが|答え《アンサー》。
――自分はそう考えますが。
立場、考えが異なるならば返答は代わるはず。
――行動基準は店長に任せるとしよう。
静かに判断し、そしてオメガ・毒島のムラサメへの"返答"を待つ。
「それですよ、契約書」
『ん?これがどうしたんだい?これは新規のやつだが』
「違います。|契約書《同意済》の方です。それが在る、というのは厄介な話かと」
腕を組みながら話すオメガの目はちょっと座っている。もとより生真面目そうなサイボーグアイを持っているが、それでも静かに思う部分が高性能義眼に映っては光る。
「私も戦場のことは詳しい方です。ええ、ええ。そこはかとなく引き起こる悲劇というのはおおよそ想像に固くありません」
『ふむ、理屈屋だな』
「なんとでもどうぞ……あ、でも慎重派と言ってください!そこ重要なので。しかしまともな支払いが難しい一般√ウォーゾーン兵士相手にそんな契約を持ちかけるのはほぼ選択肢がないのと同義……とはいえ物資不足の為タダでやる訳にもいかないというのも解る」
お金が在っても物資がない。高騰しているから無駄にも出来ない、一つ一つが高額だ。武装も防具もそれから生きるための食糧も、何かが足りれば何かが足りない。要約するオメガの思いを"難しい話ですね"とまとめ上げて世間話の体裁を整えて呟くと、ムラサメは不敵に笑い、そして自信満々に言うのだ。
『だろう?あたしは尽くしてやっただけだよ』
妙に満足げなのが気にかかるのだが、フォーは静かに分析しているまでに徹している。
「なんとも複雑怪奇!そしてこれ全部大体物資不足のせいです。嫌になりますね本当に。自分の運の良さを改めて実感しますよ」
あのときああすればよかった。大半の解決法は全て物資が満足にあったなら、なんとかなることばかりだった、とオメガは考える。だがなんとかならないのが、この場所。
そして――オメガにとっての|あの日《・・・》だ。
『お兄さんたち、此処まででなにか不備でもあるんじゃないかい?あたしはメンテも得意だよ。見てさしあげようか、ああ無料メンテのキャンペーンはしてないから当然一筆書いてもらわないとなにもできないわけなんだが……』
「(これ、危ない勧誘の手口に似てますね)」
「(ああ、店長がこの間買わされそうになったっていう『幸運と秋運のツボ』の話ですか?確か格安10カートン(箱単位。一箱10封入を10箱の計算)……の話でしたか?)」
「(あ、違いますよフォーさん!あれは博士がネット通販で勝手に発注して届いたもので勧誘じゃないんです!普通に元凶は博士でした!)」
「(勧誘でもない。そうなんですね……)」
脳内テレパシーを視線上で行う彼らは特別な訓練を施されています。おそらくいつでも傍に存在感。オメガを見守る博士のせいでしょう。
「――ろくでもない話を思い出すのはこのくらいで。ええ、とはいえ博士以外の改造はノーサンキューです!」
『ああなんだ、面白そうだと想ったのに』
ムラサメの視線が冷たくなる。自分の周囲に認識を向けて、指を鳴らすとあら不思議。謎の液体がたっぷたぷの注射器が大量発生したではないか。
『じゃあ目視確認によるお注射で失礼するよ』
「状態不確認じゃないですか!それでも医療関係者なんですか!?……フォーさん、今からカウントです。60秒稼いでください!ついでに、動きを止めておいてくださいね!」
医療関係者だからそう判断したのよ、と返答が返ってくる前に行動開始。さあテキパキ働こう。
「|明日の掃除代わってください《チャージ開始》!」
「――了解です。そうそう……」
何か言葉が二重ではなかったか?フォーは、聞こえたものに疑問を向ける時間を考慮から一旦除外した。気の所為ではないかも知れないが、計画を進めるためのカウントを始めよう。計測開始。
『なんだい?』
「強いて言えば、好きに身体を弄れるというメリットをあなたは享受したのでしょう?契約をしていても倫理を無視すればそれに対して本人、ないしは察知した対象から感情的な反撃を受けるのは分かっていたのではないかと」
『倫理も論理も、語る口が本人になければ無問題じゃないかね。それ以外からの暴力は、正当防衛を訴えるのが良いに決まってる』
「それが本音ですか。自分から言えるのは派手にやりすぎた、それだけです」
戦闘開始行動を開始します。
数秒過ぎて、|予測演算射撃機構《セルフ・ワーキング》を迅速起動。既に予測できている。会話後に、ムラサメはフォーに向かって注射器投擲を行いだす未来を。
『派手さが欲しいって?全く……要望には答えるのが医者だよ!』
ぶぉん、と放られる注射器は、フォーの緑に輝く部分を事細かに狙い定められている。その隙間一つ一つを埋め立ててやると言わんばかりに。
「いいえ。医者ならば、穏便で冷静な問診からが良いでしょう」
起動は丸わかり、弾道予測で容易に躱すことは可能。回避行動を取った後、即座に"撃たれた注射器"目掛けてカスタム拳銃で弾を撃ち出し、相殺。ぱりんぱりんと盛大に、破壊しては謎の液体が床を濡らした。
『あーあ、今ので少年兵数十人は助けられたのに』
「あれが回復薬であったなら、そうでしょうね」
予測し、導き出されたものは"腐敗"属性の液体だ。主に機械類を参加させて駄目にするタイプの代物で、凶悪な原液というのがフォーが思う内蔵液体の正体だ。
「あいにくこちらに不備はありません。事足りたメンテナンスも必要はないので、ご安心を撃たれたモノは全て"正当防衛"で相殺します。当然、金銭負担はそちらです」
――フォーさんよく言ってくださいました!
「……|後は任せました店長《明日は代わったら一週間掃除してください》」
「なん、だと……」
思わず聞こえた返事にオメガが正気を失いかけたが此処で60秒。
「いいえでも頼りになるのは良いことです!──これがメガトン級のオメガ級!」
|メガ・オメガ・ビーム《メガトンビーム》!
ムラサメとの交渉は盛大に決裂。高威力に高められた熱暴走アタックをくらえ!当社比なんと博士計算18倍!邪悪な腐敗液体だって一瞬蒸発待ったなし!つまり逃げ道はどこにもないのです!
放たれたビームの勢いでぶわあああああっと関節部等から蒸気を出して冷却処理が行われたことで、視界は蒸気まみれ。
でもこれが、オメガ級なので。
「店長、当然……」
「当てましたよ!不発なんてとんでもない!」
ですよね?問いかけても返事がムラサメから返ってこない。
どうやら直撃コースで降り掛かったダメージに等しいレベルで悶えているようだ。かわいそうに。空けた視界がクリアになったとき、そこには怪我をし、余裕を失ったムラサメが居ることだろう。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
日南・カナタそうか、あんたは「仕事」として負傷兵らを改造してたんだな
俺ら警察は自分の善悪の感情で動いてるわけじゃない。
要は法に則って正しいか正しくないかだ。
|√ウォーゾーン《ここ》での法律は|√EDEN《あっち》とは違うのかもしれないけど、それでも人権は尊重されるべきだ。
あんたは…改造される負傷兵たちの声は聞いたのか?望まぬ改造を施したじゃないのか?
まぁどっちにしてもあんたがやってる事は人類に敵対する兵器を作り出していることになる。
これはあんたを止める十分な理由だよなぁ!
|警視庁異能捜査官《カミガリ》の威信にかけてここはぶっ壊す!
(さっきは自分の感情で動いてるわけじゃないとか言ったけど…
めちゃくちゃ自分の感情だよ!こういう善悪自覚なく行動してる奴が一番厄介だ!)
拳銃にて【桜花乱舞】を放ちつつ相手を牽制
主に足元を狙い動きを阻害する
一連の動きは仲間と連携しつつ攻撃の隙を狙う
よっし!ここで決める!
そんで後で『重陽真君』とやらの事を詳しく聞かせて貰おうか!
*アドリブ・連携歓迎
クラウス・イーザリー「……あんな機械兵を量産されるのは困るよ」
彼女にとっては純粋な治療行為で、同意も(方法はともかく)得たのかもしれないけど
その結果が機械兵への改造なのであれば、やはり見過ごすことはできない
改造されるのもお断りだよ
刀の形に錬成した魔力兵装を手に極月を使用
暴走形態の刀で斬りかかり、レイン砲台のレーザーも合わせて連続攻撃
相手の攻撃は速度で狙いを定め辛くして見切りで回避
当たっても激痛耐性で堪えて戦い続ける
何が良くて何が悪いかなんて、俺にはわからない
ただ放置しておきたくないって思うだけだ
戦闘後はバブルス達を外に連れ出す
一応生きてはいる……と言ってもいいのかな
何というか、全体的に後味が悪いな……
番田・陽葉アドリブ・連携◎
…そうだべな
確かにあんたは自分の職務を全うしただけだべ
だから…わだすも√能力者としての職務を全うするべ!覚悟ォ!!
この改造女を放置するわけにはいかねぇ
あんたも自由に動けなくなっちまった子たちと同じ目に遭ってもらうべ
なーに√能力であんたの方向感覚をちょっこし狂わせてもらうだけだべよ?
ほーれ!こっちが「下」だべ
ムラサメの動きが止まったり鈍った瞬間を見逃さず
みんなと力を合わせて総攻撃!わだすは重量攻撃でぶっ飛ばすべ!!
ムラサメのおっかねぇ攻撃は盾受けでガード
改造されんのはごめんだべー!
ムラサメを倒したあとは
まだ改造を受ける前の少年兵がいるかもしれねえ
間に合うなら助け出してやりたいべ
セージ・ジェードゥアドリブなど歓迎
【心情】
第二の人生ね。機械生の間違いじゃないか?
申し訳ないがもう改造済みでね。これ以上機械の体に改造したら自爆したくなってくる。
【行動】
WIZで判定。
ステルスクロークを身に纏って√能力を発動。
再び鋭い爪を備えたロボットアームを生やす。
それを使い壁を掴んでクライミングして敵の攻撃を回避する。
天井付近まで逃げればそう簡単に攻撃出来ないだろうが届くと過程して暴走モードが終わるまで耐える。
その後は小型改造拳銃でクイックドロウなどの技能を駆使して遠距離攻撃する。
出来れば救急車のフロントガラスを銃撃で割り、そこに切り離したロボットアームを入れて拘束したい。
●カチコミだ!
薄暗い工場の奥底、機械の駆動音と消毒液の臭いが混ざり合う異様な空間。ところにより、真新しい硝煙の匂いまで留まっている気がした。
そこに白衣を纏った「堕天使」ドクター・ムラサメは、まるで世間話でもするかのように屈託なく笑った。
「顔になんか言いたいことが在る、ってかいてるね。さてどうしたもんか……」
ムラサメと記された名札は妙に新しい。行方不明となった負傷兵・少年兵たちの数に比例する、真っ白な契約書の束と、すでにサインされた紙の山にも目が移るばかりだ。
「……あんな機械兵を量産されるのは困るよ」
静かに、だが明確な拒絶を口にしたのはクラウス・イーザリーだった。
――何が良くて何が悪いかなんて、俺にはわからない。
――ただ放置しておきたくないって思うだけだ。
彼女にとっては合意の在る純粋な治療行為だったかもしれない。だが、目の前の光景はおおよそ"救済"ではなく、魂を塗り潰す作業にしか見えなかった。改造し、改良を施して、野に解き放つかの邪悪さが見えない所業。怪我した兎を野に返す。それくらいムラサメにとっては自然なことだったのかも知れないが、クラウスの柔和な顔立ちに静かな怒りの影が差し、その手には刀の形を錬成した魔力兵装が握られる。
「同意も得たのかもしれないけれど、その結果がこれなら……やはり見過ごせない。改造されるのも、お断りだ」
クラウスが地を蹴り、一気に踏み込む。
それに応じるように、ムラサメが艶然と微笑んだ。
『おや、つれないねぇ。なら、お前さんも気分を変えてはどうだい。怖い顔し続けるもんじゃないよ。あ、そうだ、『妖怪人』にならないかい?今なら安くしておくよ』
ムラサメの手元で、巨大な注射器が毒々しい光を放っている。
『なあに、同意さえくれれば一発さ』
視界内の対象を強制的に変貌させる即席簡単妖怪人化薬(試作品)が充填され、必殺の一撃として放たれた。
「同意、しないよ」
クラウスは、既に否定をしている。ただその魔力を存分に解放した。魔力兵装に限界まで込められた力が蒼白く脈打ち、|極月《ゴクゲツ》と呼称される暴走形態へと変容する。
――暴走した魔力が周囲を傷付けないように集中しなきゃ。防御は後回しだ。
刀身から溢れ出した圧倒的な圧力が、ムラサメの投擲を次々と弾き飛ばした。蒼い閃光とレイン砲台のレーザーが交差し、超高速の連撃が空気を切り裂く。防御を捨てたその猛攻は、ムラサメのサイン済み契約書の山を激しく切り捨てた。
セージ・ジェードゥはステルスクロークから鋭い爪を備えた複数のロボットアームを再び生やす――|起動:工作腕《スターティング・クラフトアーム》を使用し、壁を垂直にクライミングし天井の配管を掴み、静かに戦場を見下ろしていたセージは、ムラサメの言葉を鼻で笑った。
――第二の人生ね。それって、機械生の間違いだろ。
そこに第二の"人"要素なんて欠片もないだろ、とセージは内心で毒づく。効率と機能を追求された鉄の身体の痛みを、彼は誰よりも知っている。これ以上、自分と同じ"人ではない何か"を増やすつもりはなかった。
「こっちは、申し訳ないがもう改造済みでね。これ以上機械の体に改造したら自爆したくなってくる」
『いっそのこと爆発してご覧よ、修理改造ならお安い御用だ』
ムラサメは、鼻で笑った。
『ああそれともこれから怪我人になるかい?作るのもあたしはそういうのも得意さ……緊急爆走モード、行くよぉ!』
怪我人を作るといったムラサメは、指を鳴らし遠くから自動操縦で突っ込んできた愛用車の改造救急車を喚び出した!そしてすごい勢いで運転席に乗った!ばたん。
ムラサメが乗った時点で輝く緊急形態へと変形し、部屋全体が明るく照らされて眩しい!その中で問答無用でアクセルを踏んだムラサメは圧倒的な加速と手数でセージを追い詰めようとする鉄の獣を操るのだ!無理やり備品を轢き潰して飛び跳ねを敢行するが、ぎりぎり届かない!セージはアームを駆使して三次元的に空間を跳ね、天井付近に逃れて暴走する車両の猛攻が終わるまで耐え凌ぐ。
そのうち暴走車両は、|動力《エネルギー》不足で停まった――。
「悪いが、こいつで御用だ!」
セージが小型改造拳銃を引き抜き、電光石火の早撃ちを見せる。正確無比な弾丸が救急車のフロントガラスを粉砕した!さらに予め切り離したロボットアームを車内へ叩き込み、ハンドルの自由を奪って無理やり拘束状態に追い込んだ。
『やるねえ、あたしの運転で怪我人が生まれないとはね』
ムラサメは、強引に気合だけで拘束状態のまま車外へ飛び出した。
まだ、こちらと対話する気がありそうな余裕を見せている。
「……そうだべな。あんたは職務を全うしただけだべ。だから……わだすも√能力者としての職務を全うするべ!――覚悟ォ!!」
地面を揺らすような力強い声と共に、番田・陽葉が前に出る。
――この改造女を放置するわけにはいかねぇ。
――あんたも不自由に動けなくなっちまった子たちと同じ目に遭ってもらうべ。
少年たちの尊厳を奪う"仕事"は、魂の冒涜に等しかった。
許せる道理もない。
「あんたの方向感覚をちょっこし狂わせてもらうべ?」
陽葉が放った|天地反転笹矢雨《インバーテッド・バンブーレイン》が、ムラサメの視界を、そして世界の重力を捻じ曲げる。
「ほーれ!こっちが『下』だべ!」
防御不能の笹葉の矢が命中し、ムラサメは指定された方向へと「落下」し始めた。
『おやっと、足元がふわふわするねぇ!』
方向感覚を喪失し、セージのアームの拘束から脱出したムラサメの隙を見逃さず、陽葉は盾を構えて突進した。
『ほおらお返しだ!』
注射器を素早く取り出して投げつけてきたが改造薬の散布を力強く盾ガードし、渾身の重量攻撃でムラサメを吹き飛ばす!
「わだすも、改造されんのはごめんだべ!」
べえ、と舌をだして、陽葉もまた否定した。
「そこまでだ、ドクター!」
最後に、日南・カナタが銃口を突きつけた。
「あんたは『仕事』として負傷兵らを改造してたんだな。でも、俺ら警察は自分の善悪の感情で動いてるわけじゃない。要は法に則って正しいか正しくないかだ!」
なあ、そうだろ?
「|√ウォーゾーン《ここ》の法がどうあれ、人権は尊重されるべきだ。あんた、彼らの声を聞いたのか?望まぬ改造を施したんじゃないのか!」
――めちゃくちゃ自分の感情だよ!
――こういう善悪の自覚なく行動してる奴が一番厄介だ!
――さっきは自分の感情で動いてるわけじゃないとか言ったけどさ……!
警視庁捜査官としての規律を語りながらも、カナタの内側では煮え繰り返るような義憤が渦巻いていた。善意を隠れ蓑にした暴力を、カナタは断じて認めない。
『法律が、此処に在ると思うのかい?此処を任されたあたしがルールだよ』
「まぁどっちにしてもあんたがやってる事は人類に敵対する兵器を作り出していることになる。これはあんたを止める十分な理由だよなぁ!」
彼は拳銃M360J『SAKURA』を用いた|桜花乱舞《ブロッサムバレット》を起動し、リズミカルな連射でムラサメの足元を狙い撃ち――。
「さあ、これ以上弾丸を浴びたくなかったら大人しく救急車に戻るんだよ!」
前方には陽葉が戦闘態勢を維持したまま待機し、セージが再度切り離したアームによる拘束を施し、逃走経路を封鎖した。
「……よっし!ここで決める!|警視庁異能捜査官《カミガリ》の威信にかけて……ここはぶっ壊す!」
『な、なにを……』
カナタの瞳が"ターゲット"を完全に捉える。
|必中撃《ロックオンアタック》。
放たれた一撃は、救急車の動力核を正確に貫いた。
車両は爆発待ったなしだが爆風に煽られながらの、逃走者はおそらくないだろう。
それこそ、病院送りレベルの重症であるはずだ。
動力源破壊が起こったことで凄まじい爆発と共に工場の駆動音が止まり、静寂が訪れる。爆風で宙に舞った大量の契約書が、雪のように白く降り積もる。そこには、奪われた少年たちの未来が、無機質なサインとして刻まれていた。
「……間に合うなら、助け出してやりたいべ」
陽葉は真っ先に、室内を隈なく探しそしてまだ改造を受ける前の、重傷を負って横たわる生身の少年兵を発見。駆け寄った。
涙もろい陽葉の瞳に、かすかな希望の光が宿る。カナタは散らばった書類を可能な限り回収しながら、ムラサメが口にした『重陽真君』の名を強く脳裏に刻み込む。
関わった事件の容疑者だ。名前を覚えておく必要はあるだろう。
「……後味が悪いな」
クラウスが、ぽつんと取り残された「ミスター・バブルス」たちの元へ歩み寄る。
――うん、一応生きてはいる……と言ってもいいのかな。
かつて少年兵だった機械兵たちは、ガムボールのガチャガチャのような異形頭を揺らし、場合により破壊された状態では在るが、再起不能には陥っていない。
虚ろな動作で『ガムはいかが?』と繰り返す。上位者にくだされた命令しか出来ないその無機質な言葉の裏に、かすかな人間性が未だに残っていることを信じて、みんなでバブルスたちを外へと連れ出した。光の射す出口へと向かう能力者の背後で、冷たい機械の城は、ただ静かに沈黙していた。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功