シナリオ

王劍戦争前哨戦:ゼーロットを追い詰めろ!

#√EDEN #√ウォーゾーン #HailHolyHumanity

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●一騎当千の麗しき襲撃者、再び
 ――グシャッ!
 |巨大なモーニングスター《棘付きハンマー》が強烈に振り下ろされると、全身を深紅に彩った戦闘機械が叩き潰され、そのまま四方八方に機体を構成していた部品が飛び散った。
 |聖職者《シスター》を思わせる女がまるで棒切れを拾い上げるように軽々とその巨大ハンマーを持ち上げると戦闘機械はもはや原型をとどめておらず、ドラム缶の中身をぶちまけたかのようまおびただしい量の油が床面に広がっていく。
「馬鹿な……!? たった一撃で!?」
「ひ、怯むな! 閣下をお守りしろ!」
 驚異的な火力を前に狼狽える部隊に指揮官は必死の叱咤でかろうじて秩序を取り戻すと陣形を組み戦列を敷く。
 しかし――。
「異端者のみなさん、せっかくお越しいただいたのですが……ここで全員排除しますね♪」
 凄惨な光景にそぐわない慈愛に満ちた笑顔と優しい声で全員の処刑を宣告すると女は再びハンマーを構え、まるで美しい舞踏のような動きで振り回したと思うと、周囲を囲む戦闘機械群が薙ぎ払われ吹き飛んでいく。
 まるで悪夢のように強靭な鋼鉄の装甲が消し飛んでいく。
「安心してください。仲間外れは出しませんから。一人も逃がしませんよ」
 もはや意地とプライドだけで対峙している深紅の戦闘機械群を見据えながら、また一体、さきほどまで精強な戦闘機械群だった何かがハンマーに叩き潰された。

●それはゾディアック・サインの導きか
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます」
 呼びかけに集まったEDENに礼を述べるのは、抜群のプロポーションを申し訳程度の深紅の装甲で覆った一見すると可憐な少女に見えるナイチンゲールにして星詠みの|深紅・弌《 プルプール・アインス》(クリムゾン1・h11009)だ。
 ちなみに『星詠み』とは特殊な√能力者で、十二星座から『ゾディアック・サイン』を得て、将来起こり得る事件や悲劇を予知することができる。
 今回、|弌《アインス》が予知したのは戦闘機械群による√EDEN侵攻だ。
「かつての大侵攻とは比べ物にならないほどささやかな規模ですが、ゼーロットが√EDENへの侵攻を企図しているようです」
 侵攻地点を示す地図には赤い点が点滅している。
「廃病院を拠点に侵攻を企てたようですが……どういうことか既に率いていた部隊は壊滅し、ゼーロット自身も命からがら必死に逃げまわっています」
 驚くEDENに|弌《アインス》は続ける。
 √EDENに侵攻した戦闘機械群は廃病院内で未知の敵と遭遇して交戦の末に惨敗したとのこと。
 以前にも出現した謎の|聖職者《シスター》の仕業らしい。
「|EDEN《我々》が現場に現れれば彼女は|EDEN《我々》にも攻撃してきます。彼女の目的は不明ですが、迫りくる王劍戦争のことを考えるとこのままゼーロットを取り逃がすことはできませんので彼女もゼーロットも撃破してください」
 敵の敵もやはり敵らしい。|星詠み《アインス》の言う通り、どちらも戦って倒すしかないようだ。
「強敵との連戦が予想されます。どうか万全の準備を整えて現地に向かってくださ い」
 |弌《アインス》に見送られ、現地へ向かう途上、誰かがふと思った。

 ――ゼーロットって強敵だっけ?

マスターより

如月麗文
 初めまして、あるいはお久しぶり、|如月《きさらぎ》|麗文《れいぶん》と申します。
 せっかくなので作った背景を使ってみました。
 第1章は|件《くだん》の|聖職者《シスター》と戦闘です。
 第2章はあっさり見つかるゼーロットをボコります。
 第3章は廃病院が爆発するので脱出します。

 せっかく生き延びたネタキャラのゼーロットさんが|こんなところ《第二次王劍戦争》で終わってはもったいないので前哨戦に出てきていただくことにしました。

●プレイングについてのお願い
 プレイングですが土日に執筆なので【木曜日 8:31】〜【土曜日 8:30】の間に送っていただけると対応しやすいです。
 プレイングがない場合はサポートさんを採用して進めていきます。

 皆様のステキなプレイングをお待ちしております。
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よろしいですか?

第1章 ボス戦 『シスター『ファナ・テイカー』』


POW |私、脱いでもすごいんです!《艶麗な下着着用中》
「攻撃を宣言し・防具を脱ぎ・敵の攻撃を弾いた後・正面から・【|モーニングスター《手に持つハンマー》 】で近接攻撃する」場合のみ、与えるダメージが8倍になる。
SPD おはようございます。そしておやすみなさいませ!
【|モーニングスター《手に持つハンマー》 】を用いた通常攻撃が、2回攻撃かつ範囲攻撃(半径レベルm内の敵全てを攻撃)になる。
WIZ 聖なる炎よ! 邪悪を焼き払いたまえ!
【|聖水瓶《実は焼夷手榴弾》の投擲 】による牽制、【|聖水瓶《焼夷手榴弾》の炎上】による捕縛、【|モーニングスター《手に持つハンマー》】による強撃の連続攻撃を与える。
イラスト nno
√EDEN 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 廃病院に入ってすぐ、高い天井に開けた空間、まばらに並ぶかつてソファだったであろう錆びた骨組み、受付窓口と思われる部屋を区切るようなカウンター……そんな総合受付と思しき広い部屋に女が一人。
「あら、これはこれは……新しいお客さんかしら?」
 そう言うと女はハンマーを肩に担いでふいに現れたEDENたちに向き直る。
「……みなさん、人間の姿をしていますけど、|ただの“人間”じゃない《異端者》ですね」
 戦闘機械群の残骸がそこかしこに転がる凄惨な光景にそぐわない慈愛に満ちた笑顔と優しい声で|乱入者《EDEN》たちの正体を看破すると女はハンマーをまるで美しい舞踏のような動きで振り回したと思うと、対峙するように構える。
「新たな異端者のみなさん、せっかくお越しいただいたのですが……ここで全員排除しますね♪」
 星詠みの事前情報通り、問答無用で戦闘のようだ。
 先にゼーロットを見つけられなかったのは残念だが、こうなった以上は彼女を倒すしかないだろう。
深見・音夢
敵の敵は味方、とはならないっすか。別件でお会いした聖職者っぽい方とは話が通じたんすけどあちらとは別案件っすかね。
あとこう、同担拒否は良くある話とはいえせめて異端じゃなく異教って言って欲しいところ! まぁ人外なとこは否定しないっすが。

さて、ここまでやる気満々なら応じないのは不作法ってものっす。
……いや、そこでおもむろに脱いだらシスターとしてのアイデンティティとかどうなるんすか!? そういう能力なのは分かるんすけど!
って言ってる場合じゃなかったっすね。それじゃ予告にお応えしてこちらも正面からプレゼントっす。
……ただし、中身は閃光弾と粘着弾っすけどね! もちろん本命の対物貫通弾も遠慮なくどうぞっす!

 √ウォーゾーンから侵攻してきた戦闘機械群をなぎ倒した|聖職者《シスター》。
 星詠みからもたらされている以前の会敵情報と現状からすると彼女もまた√EDENの√能力者ということになるのだが……。
「敵の敵は味方、とはならないっすか。別件でお会いした聖職者っぽい方とは話が通じたんすけどあちらとは別案件っすかね」
 ハンマーを構える|聖職者《シスター》に油断なく対峙する深見・音夢(星灯りに手が届かなくても・h00525)だったが、別件での出来事を引き合いに√EDENの√能力者同士でどうにか会話の余地はないものかと探りを入れてみるものの。
『あららー、異端者と協力するその聖職者っぽい方も異端者に違いないので成敗ですねー』
 異端者はすべからく排除対象らしく、その返事はにべもなかった。
 どうにも話し合いの余地はなさそうだが、それでも音夢としてはこだわりポイントに関しては自らの主張をせずにはいられない。
「あとこう、同担拒否は良くある話とはいえせめて異端じゃなく異教って言って欲しいところ!」
 まぁ人外なとこは否定しないっすが、と心の内で付け加える。
『同担拒否? 異端の言葉はよくわかりませんけれども、呼称のご希望にも沿えそうにありません。|人《人間》でもないのに|人《人間》の振りをしているのですから』
 どうやら|聖職者《シスター》にも異端呼びへのこだわりがあるらしく、音夢の要求はあえなく却下された。
 もはや事ここに至り、十分すぎるほどの敵意と戦意を向けられ、先方もここまでやる気満々なら応じないのは不作法というもの。
 交戦を決心すると音夢は|明星《試製型対物狙撃銃》を手に持ち、|聖職者《シスター》に開戦を態度で示す。
『神の御名において! |楽園《√EDEN》に蔓延る異端に裁きの|鉄槌《ハンマー》を!』
 正面から正々堂々と宣戦を布告すると、|聖職者《シスター》はあろうことかシスター服をまるで歌劇の早着替えのように脱ぎ捨て、音夢に撃ってこいとばかりに挑発的な笑みを向けた。
「……いや、そこでおもむろに脱いだらシスターとしてのアイデンティティとかどうなるんすか!? そういう能力なのは分かるんすけど!」
 敬虔で慎み深い|聖職者《シスター》からある種の過激な夜のお店のダンサーのようになった敵を前に、思わず音夢は叫んでしまった。
 艶美なデザインの下着もさることながらそれらが覆うスタイルの豊かさたるや、自慢するだけあって着やせするタイプだ。
「って言ってる場合じゃなかったっすね。それじゃ予告にお応えしてこちらも正面からプレゼントっす」
 わざわざ準備時間までくれた|聖職者《シスター》からの挑戦に音夢も応じ、|明星《試製型対物狙撃銃》に弾丸を装填すると狙いを定め引き金を引く。
「絡め手を使わせてもらうっすよ。一番――」
 初弾は寸分たがわず|聖職者《シスター》に襲い掛かるが、射線を見切られたのかあえなく|鉄球《ハンマー》で弾かれ――その瞬間、目がくらむ閃光があたりに迸った。
 音夢の√能力【|三点式連装弾《トリコロール・バレット》】はただの三連射ではない。
 2発目は|聖職者《シスター》の足元に着弾し、その動きを封じる。
「……ただし、中身は閃光弾と粘着弾っすけどね! もちろん本命の対物貫通弾も遠慮なくどうぞっす!」
 そして音夢は動きの止まった相手に本命の3発目、対物貫通弾を叩き込むと、弾丸は|聖職者《シスター》の柔肌を難なく貫通し、暗い廃病院に鮮血の花が咲いた。
 だが、|聖職者《シスター》も√能力の条件を整えると猛然と|鉄球《ハンマー》を音夢に振り下ろす。
 閃光弾の目くらましと粘着弾の影響か、狙いはわずかに外れ、床を粉々に砕く。
 巻きあがる砂煙に包まれつつ飛んでくる破片に強かに打ち据えられながらも音夢は改めて間合いを取り対峙する。
「このゴツイゴーグルがなかったら危なかったっすよ。さて、仕切り直しっす」
 一方、|聖職者《シスター》もまた倒すべき異端を睨むように見据えていた。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

森屋・巳琥(サポート)
基本は専守防衛寄りな後方支援が主で、主役はメインでプレしてる人です。
その方々達の手助けになれば幸いです。

WZ使用者へ【クラフト・アンド・デストロイ】で応急補修も行けるので継戦力に一役買えそうです。
【白銀の雫の願い】なら汎用的にお手伝いもできそうですね。

攻勢ならば【ヴェノム・バレット】で切り込み役援護射撃や
【蜃気楼の分隊】での頭数や【相乗りウォーゾーン】での壁役的連携・支援も行けそうです。
一応トドメに【インビジブル活性弾】ありますがとれるなら、ですね

年端いかないのは確かですが一人の兵士として
大変な世界ですが生き抜いていくのですー
あ、一応。興味はなくない…ですけど、えっちなのはいけないらしいです。

 閃光と銃声、そして強烈な打撃音とともに廃病院の一部が崩れ視界が遮られるほど舞い上がった砂煙が落ち着くと、標的を確認した森屋・巳琥(人間(√ウォーゾーン)の量産型WZ「ウォズ」・h02210)の駆るウォーゾーンが、かつては窓であったであろう枠を周囲の壁ごと破壊しながら飛び込んできた。
「目標、正面――」
 カメラが捉えた|聖職者《シスター》を瞬時に照準に収めた巳琥は、ウォーゾーンの持つ試作型対物狙撃銃【Proto-Meteor shower】の大火力で撃ちぬくべくコックピットでトリガーを引き絞る。
 ウォーゾーンからすれば至近ともいえる距離から放つ必中を期した射撃は、ただの敵機であれば直撃を免れないであろう。
 だが、今回の相手は戦闘機械群を単独で屠った簒奪者。
 |聖職者《シスター》の髪の一部をその弾丸の勢いで切り裂いたものの文字通り間一髪で躱され、敵の後方で派手な爆発を引き起こすにとどまった。
『そんなものまで持ち出してくるなんて、ここは√EDENですよ? 異端者は節操がないですね』
 先刻、一瞬だけ見せた激しい敵意と睨むような視線はどこへやら、会敵時のような穏やかな|聖職者《シスター》のそれで|異端者《EDEN》たちを窘めるような口調で非難すると……。
『それでは改めてそのデカブツを処分するとしましょう――神の御名において! |楽園《√EDEN》に蔓延る異端に裁きの|鉄槌《ハンマー》を!』
 √能力の発動を宣言した。
 先ほどの行動に倣うのであれば攻撃宣言に続くのは防具を脱ぐこと。すでにシスター服は脱ぎ捨てているのだから別の防具を捨てることになるが、なんと|聖職者《シスター》はあろうことか自らの胸部を艶やかに彩る防具に手をかけたのだ!
「あーーーーーーっ! ちょっと待ってーーーーー!」
 この行動を見た巳琥は急に慌てふためくと大声をあげながらウォーゾーンのハッチを開くとまるで緊急脱出でもするかのような勢いで飛び出した。
 巳琥の予想外の動きに驚いたのか、あるいは意外と根は素直なのか、|聖職者《シスター》が動きを止めたところに、こちらも間一髪といったところで巳琥がその右掌で|聖職者《シスター》を突き飛ばす。
『……っ!』
 先ほどの巳琥の右掌は、触れた√能力を無効化する彼女の√能力だ。
 無効化されたために|聖職者《シスター》もそれ以上の準備動作を取りやめたが、ウォーゾーンを乗り捨ててまでしてこの攻撃を止めたかったのだろうかと、巳琥の思い切った行動へのやや怪訝な表情が見て取れた。
「危なかった……えっちなのはいけないらしいです!」
 こうして|全年齢対象《ルートエデン》の世界観は守られたのだった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アルマ・ノイマン(サポート)
L96A1の|少女人形《レプリノイド》の職業暗殺者×ジェネラルレギオン。小さくて軽い少女。
一人称はわたし、二人称はあなた又は下の名前呼び捨て。話し方は、人との交流が不得手なので少々辿々しいです。
行動の際は取得技能及び所持装備を、√能力は習得しているものを、状況に応じて適宜使用します。戦闘で使えそうな武器や技能も所持、習得しています。
積極的ではありませんが観察力が高めで他人のサポートを得意とします。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。
あとはおまかせします。よろしくおねがいします。
赤星・緋色(サポート)
呼ばれた気がする
「私の番」だって
なんやかんやで解決できるように√能力とか技能とか装備でがんばりまっす

 7歳女児の決死の奮闘で世界観が守られたところで続けて√EDENの敵に立ち向かうのは10歳女児のアルマ・ノイマン(L96A1の|少女人形《レプリノイド》・h01393)と11歳女児の赤星・緋色(フリースタイル・h02146)だ。
 女児に頼りすぎと言うなかれ、こう見えてもアルマは称号の通りL96A1という狙撃銃の|少女人形《レプリノイド》であり、緋色にいたっては人間災厄なので何の問題もない。
『さすがは異端者たちですね。年端のいかぬ少女の外見で戦場に立つのですから』
「うら若き|聖職者《シスター》が艶麗な下着姿で戦場に立っているのも大概だと思うけど?」
 女児の片割れ、緋色から直球ストレートな突っ込みが入った。
『|人の苦労《√能力のせいなの》も知らないで……まぁここであなたたちも容赦なくまとめて排除しますから覚悟してください』
 |聖職者《シスター》はまた元通りの穏やかな口調だが、どことなく本心が垣間見えるような気がしないでもない微妙な言い回しをしつつ、外見女児のEDENを排除すべくハンマーを構える。
「あなた、倒す」
 一方、どこか辿々しいもののアルマは簒奪者へ向けて宣言。自身のモチーフともいうべき|狙撃銃《L96A1》を|聖職者《シスター》へ向けて構えた。
『健気なことですね、と言いたいところですが、外見が女児なだけでどちらも異端者ですから……おはようございます。そしておやすみなさいませ!』
 |聖職者《シスター》も異端者相手であれば容赦しないとばかりに|モーニングスター《手に持つハンマー》でアルマに襲い掛かる。
 もとより表情が乏しいアルマであったが、当たればひとたまりもないであろうもはやトゲ付き鉄球とでも言うべき凶器が迫ろうとも冷静に見極め、まるでサーカスや大道芸の演目のように上に下に見事な体さばきで躱していくと、回転の隙をつき一気に跳躍。
 |聖職者《シスター》の至近距離に迫ると隠し持っていた|超小型拳銃《S.W.デリンジャー》を抜いて敵に押し付けると同時に引き金を引く。
「|破壊《デストロイ》」
 押し付けていたことで鈍い発砲音が響き、弾丸に貫かれたであろう個所から流れ出る血を手で押さえるようにしながら|聖職者《シスター》はなおも|モーニングスター《手に持つハンマー》を振り回す。
 アルマが闇に紛れて離脱する中、代わって参戦してきたのは緋色だ。
「呼ばれた気がする。私の番だって」
 女児だろうが異端者と言いつつも、女児にしてやられるとやはり堪えるようで、苦痛に顔を歪めながら小賢しい異端者を叩き潰すべく|聖職者《シスター》はハンマーを持つ手に力を籠める。
「仕組みは分からないけど触ったところが壊れる、って私が言ってたよ」
 今度は緋色に飛び込まれ気が付けば腹部に凶器が突き立てられていた。
『この……!』
 二度もしてやられた怒りをすべて叩きつけるかのように|モーニングスター《手に持つハンマー》で全力のフルスイング。
 綺麗に芯で捉えられた緋色がマンガのように壁に頭から突き刺さるが、|聖職者《シスター》のダメージは着実に積み重なっていった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

シンシア・ファルクラム(サポート)
セレスティアルの19歳女です。
普段の口調は「わたし、~様、ございます、ございましょう、ございますか?」
心を許したら少しフランクに「わたし、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?」です。

√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。18禁展開はNGで。
戦い方はエネルギーバリアで守り、足を止めての炎で反射と攻撃。雷を落としたり、周りにあるものをドラゴンの依代にするなど。
また、速度を活かした剣や拳打の近接戦も。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!

『その翼……いかにも異端者らしい出で立ちですね』
 |聖職者《シスター》の言葉通り、新たに駆けつけた√能力者、シンシア・ファルクラム(歌い、奏でる空の柱・h08344)の背中には純白の輝くような一対の翼が広がっていた。
「姿ひとつで異端と断じて排除する……なんと悲しいありようでしょうか」
 廃病院内のところどころに差し込む光を受けて輝く美しい銀髪を揺らしながらシンシアは目の前の|聖職者《シスター》を憐れむ。
『|世界《√EDEN》はそうあるべきだからですよ』
 だが|聖職者《シスター》もまた譲らない。
 事前に星詠みも告げていたように、もとより話し合いのできる相手ではない。
「あなた様がなおもそうおっしゃるのでしたら……わたしはあなた様をここで止めるほかございませんね」
 |聖職者《シスター》の好きにさせれば多くの者たちが排除されることになるだろう。
 ここでシンシアが戦って止めるしかないのだ。
『もとより異端者が素直に排除されてくれるとは思っておりません。だからこそ、そのために私がいるのです』
 相も変わらず優しげな笑顔と穏やかな口調、それでいて言っていることは物騒そのものだ。
 そんなどこかつかみどころのないふんわりした様子からふいに空気が一瞬にして緊張すると。
『聖なる炎よ! 邪悪を焼き払いたまえ!』
 神の威光を振りかざすかのように声を張り上げ聖水瓶を放り投げたかと思えば、たちまちシンシアの周囲で火の手が上がった。
 もしかしたら何か特別な炎なのかもしれないが、シンシアにしてみればわたし相手に炎でございますか、と思ってしまうくらいのささやかな火炎であろうか。
 だが次の瞬間、シンシアのエネルギーバリアに強烈な衝撃が加わった。
 周囲を炎で覆ってからのハンマーで本命の一撃、それが|聖職者《シスター》の狙いであったのだ。
『あららー、見た目通りお堅いんですねー』
 ハンマーの一撃を防がれながらもまたいつもの調子に戻って冗談を言う|聖職者《シスター》であったが。
「妃竜様、妃竜様。今宵の遊びを始めましょう」
 3秒の詠唱完了と同時にシンシアの口付近からさながら竜の炎のように噴射される燃え盛る炎は、あっという間に|聖職者《シスター》を飲み込むと一瞬のうちに全身火だるまに変え、跡形もなく燃やし尽くしたのだった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

第2章 ボス戦 『統率官『ゼーロット』』


POW マルチプライクラフター
自身のレベルに等しい「価値」を持つ【新兵装】を創造する。これの所有者は全ての技能が価値レベル上昇するが、技能を使う度に13%の確率で[新兵装]が消滅し、【爆発】によるダメージを受ける。
SPD スマッシュビーム
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【腹部から発射されるビーム光線】で300回攻撃する。
WIZ リモデリング・フィンガー
視界内のインビジブル(どこにでもいる)と自分の位置を入れ替える。入れ替わったインビジブルは10秒間【放電】状態となり、触れた対象にダメージを与える。
イラスト V-7
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 |聖職者《シスター》を倒し、廃病院内を捜索するとあっさりとゼーロットは見つかった。
 病院の地下2階、ところどころ崩れかけている駐車場だ。
「ええい、忌々しい! 生肉風情がこの吾輩の作戦を邪魔するとは!」
 地団太を踏みながら何やらお怒りのゼーロット。
「生肉ども! この寛大なる吾輩の恩情に感謝し、どうしてもというなら見逃してやってもいいぞ!」
 ……こいつは何を言っているんだ?
 現場の誰もがそう思った。
リーガル・ハワード(サポート)
よし。僕も|警視庁異能捜査官《カミガリ》として事件解決に協力しよう

基本的に落ち着いた物腰だが、あまりにも動揺したりツッコミの際はうるさくなる。……仕方ないだろ!
非戦闘時は√能力や有効な技能を用い、淡々と情報の収集を試みよう
ラエナムに追跡・捕縛させたりも
と、所作や身嗜みはそこそこ綺麗な方だと思う(元お坊ちゃん)

戦闘ではアウィスを用いた近接戦がメイン
状況によってはPDW-MP7A2も使うよ
防御は武器受けをはじめ、世界の歪みで弾き飛ばしたりグレンデルに防護結界を張ってもらったり
多少の怪我は厭わないが、命のやりとりを楽しむ戦いってのはしないな

他の√能力者を妨害したり不快にする行動はNGでよろしく頼むよ

「……は?」
 あまりな物言いにリーガル・ハワード(イヴリスの炁物きぶつ・h00539)は思わずあっけにとられ呆れ声が漏れてしまった。
 ゼーロットの部下は全滅し、ゼーロット自身もこの廃病院の地下駐車場でEDENに追い詰められている。
 それにもかかわらず。
『聞こえんのか生肉ども! この寛大なる吾輩の恩情に感謝し、どうしてもというなら見逃してやってもいいぞと言っておるのだ!』
 これまで|警視庁異能捜査官《カミガリ》としていろんな容疑者たちを追い詰めてきたが、今回の追跡対象のそのふてぶてしさはある意味で屈指のものだ。
 この状況であってもこういう態度を貫けるゼーロットは案外大物――とはとても言えないがコメディアンの才能はありそうな気はする。
「あんたは何を言っているのか!?」
 そんなもはやボケとしか思えないゼーロットの態度に思わずツッコんでしまった。
『生肉風情が統率官たる吾輩に対してなんと無礼な! せっかく見逃してやろうという吾輩の恩情を仇で返すとは、己の愚かさを悔いるがいいわ!』
 だが生肉と見下す相手からツッコまれどうやら統率官様はお怒りのご様子。
 そして手元に部品のようなものが集まったかと思うとあれよあれよという間に強力な火砲のような新兵装を創造していた。
『ふははははははは! このスーパーゼーロット砲の威力を思い知るがいい!』
 そうしてリーガルにスーパーゼーロット砲を向けると自慢の威力を見せつけようとするが。
「これは一時没収だな」
 勝ち誇るゼーロットが高笑いをしている間に間合いを詰めたリーガルがスーパーゼーロット砲を右手で掴むと、部品がひしゃげながら凍結し、バラバラになって地面に散らばっていく。
 右掌で触れた√能力は無効化されるリーガルの√能力によりスーパーゼーロット砲はただのガラクタになり下がったのだ。
『なっ!?』
 あっけにとられているゼーロットに黒槍アウィスで一閃。
 金属同士が激しく衝突する音を響かせて吹き飛んでいったゼーロットが駐車場の壁に激突し、轟音と煙をまき散らすのだった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

六道・穂積(サポート)
「手が必要?了解した。俺でできることならやろう」

戦闘時は主に√能力より取得技能(弾道計算、制圧射撃、誘導弾、援護射撃等)と武器(ファミリアセントリー、マルチツールガン、ミサイルランチャー等)を使用します。故に、主戦力になるよりは他者のサポート、誘導的な役割を担うことが多い。ただし他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。
あとはおまかせで。よろしくおねがいします。

『おのれ生肉ども! もはや生かしてはおかん!』
 やぶれかぶれにでもなったのか、舞い上がった煙も意に介さず、数撃てば当たるとばかりにゼーロットは腹部からビームを乱射しだした。
 ここが廃病院の地下駐車場だからいいものの、弱いくせにめんどくさい奴である。
「手が必要? 了解した。俺でできることならやろう」
 慣れた動作でEDEN各位が遮蔽をとってゼーロットの無駄弾をやり過ごす中、真面目な六道・穂積(第六研究所の研究成果・h03934)は敵の銃撃に応戦する。
 やたらとピカピカ光っている発射地点めがけてファミリアセントリーで陽動を仕掛けると、ゼーロットの注意がそちらに向かった隙をついて携行型のミサイルランチャーで戦車さえも吹き飛ばすミサイルをお見舞いする。
「これでも喰らえ!」
 狙い通りミサイルは一直線にゼーロットが居るあたりに突進し地下駐車場全体を揺るがすような大爆発であたり一面が光と炎で彩られた。
「やったか!?」
『おのれ生肉がー!』
 残念、やれてない。
 いまだゼーロットは健在なようで、いつも通りのやかましい叫び声で喚き散らしながらビームを乱射し続けている。
「ここままではらちが明かないな」
 穂積は意を決するとファミリアセントリーの援護の元、ブレイキング・ブーストでゼーロットに肉薄する。
「お返しだぜ!」
『ぶほぉ!?』
 ゼーロットの奇天烈な悲鳴も意に介さず、至近距離からG3のフルオート射撃を食らわせるのだった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

クレア・霧月・メルクーシナ(サポート)
人間災厄「ネクロノミコン」の|古代語魔術師《ブラックウィザード》×ゴーストトーカー、21歳の女です。
保有している凶悪な魔術・霊術知識や災厄としての危険性とは裏腹に、ほんわかとした雰囲気で日々をノリとテンションで乗り切っている能天気な性格です。

柔和な物腰ながらも好奇心は強く、事件や戦闘には積極的に介入し解決へ導こうとします。
天然な所も有りますが、どんな役割でも自分の出来る事を元気いっぱいにこなそうとします。
あとはノリとテンションでおまかせで!

他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

『なんと野蛮な生肉どもだ! 吾輩にこのような仕打ちをするとは!』
 長物で殴打(実際には切りつけられてる)されミサイルを撃ち込まれ雨あられと銃弾を撃ち込まれ、それでも稼働状態を維持できているあたり戦闘機械群驚異のメカニズムだがマントはボロボロで装甲はボコボコな上にところどころ穴やら亀裂やらが開いている。
『やはり√EDENの輩は品性のかけらもない!』
 頭部で何やらピコピコ点滅させながら簒奪者にして侵略者という自身の立場を脇に置き、相変わらずEDENを罵っていた。
『まったく、こんな未開の地にぐわーーー!』
 そんな彼が言うところの未開にして野蛮人の土地でゼーロットに襲い掛かってきたのはサバンナにでもいそうな猛獣だった!
『今度は生肉の畜生か! いったいどうなっているのか!』
「畜生なんてひっどーい!」
 サバンナでライオンに襲われている人間みたいな状態になっているゼーロットの罵倒に抗議の声をあげたのはこちらも場違いに明るい声のクレア・霧月・メルクーシナ(能天気災厄「ねくろのみこん」・h04420)である。
 こう見えて人間災厄「ネクロノミコン」にしてゼーロットを襲っている猛獣の飼い主(?)なのだ。
「あーでもこっちに来ちゃいけない子かもっ!? ま、いっか〜」
 黒い猫でも白い猫でもネズミを捕るのが良い猫だ、とばかりにここに来ちゃいけなくても簒奪者を狩るならそれはきっと良い猫なのである。
 正確には|月棲獣《ムーンビースト》というらしい。
 そんな猛獣に上に乗っかられて絶体絶命な感じのゼーロットはたまらず√能力のリモデリング・フィンガーで視界内のインビジブルと場所を入れ替え脱出。
 延べ43秒間の攻防の末、|月棲獣《ムーンビースト》が効果時間切れで消滅するとクレアに復讐するべく怒り心頭で追いかけるが。
「わーい! 鬼さんこちらー!」
 クレアは鬼ごっこでも楽しむような無邪気さでゼーロットを引っ掻き回すのだった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

處混・ジョー(サポート)
人間災厄『TW8臨時放送』の元気な電波系の男の子

普段は明るく元気だけどときどき電波を受信して奇妙なことを言ったりする(放送事故とか怖いCMのイメージ)
なぜか声にもノイズが混じっているような気配がする
電波系だけど根はいい子

使える能力や技能はどれでも使って戦うよ
味方に迷惑をかけたり公序良俗に反するようなことはしないからね
説得できる余地のある相手は説得するし
訳ありっぽい相手には情を漏らしたりするかも

あとはおまかせします。よろし…
ザザッ…███からお詫びとお知らせです…

アドリブ絡み歓迎

「わーい! ジョーも混ぜてー!」
 一見すると無邪気なEDENと追いかけっこをしているように見えるゼーロットに横合いから混ざるように並走しだしたのは一見すると明るく元気な小学生にも見える處混・ジョー(試験電波発射中・h13212)だ。
『ええい! またしても鬱陶しい生肉が現れおってからに!』
 勘のいいEDEN諸氏はすでにお気づきの通り、もちろんただの小学生ではなく、人間災厄『TW8臨時放送』の元気な電波系の男の子である。
 しかし、TW8臨時放送とはいったい何なのか? はて、なんでしょうね。
「ゼーロットのおじちゃん、ジョーと遊ぼー!」
『やかましいわ、この生肉が! 貴様から葬ってくれるわ!』
「それじゃーねー! お店屋さんごっこしよー!」
 もともと会話が通じなさそうなゼーロットに電波系の男の子が遭遇すれば、当然のようにお互いにかみ合わない会話を好き勝手に展開する始末。
 業を煮やしたゼーロットは横合いから現れたよくわからない|男の子《生肉》を黙らせるべく腹部を向けてビームの発射態勢に入る。
 一方、ジョーのほうはというと、そんなゼーロットなどお構いなしにお店屋さんごっこを始めていた。
「√EDENへいらっしゃいませー。毒電波はいかがですか?」
 毒電波を販売しているお店とはいったい何なのか?
 そもそもそれはまっとうな店なのか?
 そんな疑問もどこへやらジョーが手に持つ杖が奇妙なアンテナを生やしたかと思うとゼーロットめがけて毒電波を照射し始める。
『生肉めがいったい何を言ってあばばばばばばばばばばばばばば』
 ゼーロットの持つ通信アンテナが毒電波を受信したとたん全身が痺れるようなあるいは激しく痛むような、機械のゼーロットには何とも奇妙な異常が襲いかかった。
「わーい! わーい!」
 奇妙な動きをするゼーロットに合わせてひっちゃかめっちゃかにビームが周囲を飛び交う様が賑やかに見えて嬉しいのかジョーははしゃぎながらアンテナを手に走り回るのだった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

深見・音夢
あ、統率官……と言うより元統率官殿じゃないっすか。こんなとこにいたんすね。
先ほどのシスター殿のインパクトが強すぎて本来の目的を忘れるところだったっすよ。
まぁ、そんなわけなんで見逃してもらえるとは思わないことっす!

で、大分偉そうなこと言ってるっすけど今の今まで部下を見捨てて逃げ回ってたんすよね。となれば警戒すべきは逃げの一手。
なんだかんだでここまで生き延びてきたしぶとさと逃げ足は侮れないっすが、そんな相手にこそ【熱情語りの独壇場】っす!
開けた場所なら距離を離せたでしょうが、室内ではそうはいかないっす。逃げようが隠れようが射程範囲内なら絶対当ててみせるっすよ!

 殴られ撃たれ人間災厄ズに弄ばれたゼーロットはもはやぼろ切れにしか見えないマントに弾痕と亀裂だらけのボディ、|点《つ》かなくなった光点の数々と、侵攻開始時からは見る影もない無残な姿となり果てていたが、その謎に強気で高慢な口調は全く衰えてはいない。
『おのれ生肉どもが! この吾輩をここまでコケにするとは! 許しがたいぞ!』
 廃病院の地下駐車場でいまだにしぶとくボコられ続けるゼーロットであるが、さすがは|王権執行者《レガリアグレイド》というべきか、今なお驚異的な耐久力によって立ち続けていた。
「あ、統率官……と言うより元統率官殿じゃないっすか。こんなとこにいたんすね」
 そんな|王権執行者《レガリアグレイド》にあろうことか肩書に“元”をつけて呼びかけるのは推しへの愛と尊みでエネルギーを賄う怪人、深見・音夢(星灯りに手が届かなくても・h00525)だ。
『生肉の分際で無礼な! 吾輩は統率官であるぞ!』
 そう、驚くべき偶然が重なった結果、歴史的な大敗を喫したにもかかわらず、その責任の所在が不明なままゼーロットは失脚することもなく、そしてEDENへの戦意も失うこともなかったのだ。
 そんな感じなので“元統率官“などと呼ばれれば当然のように憤慨する。
『その上、殿とはなんだ! 統率官ゼーロット様と呼べ!』
「先ほどのシスター殿のインパクトが強すぎて本来の目的を忘れるところだったっすよ」
 先ほどのシスターのアイデンティティは心配したのに、ゼーロットの|アイデンティティ《統率官設定》は全否定にかかる音夢。その上、話も聞いていないという。
 シスターもシスターで傾ける情熱は熱いものがあっただけに、何か感じ入るところがあったのかもしれない。そしてゼーロットにはそんなものはなかったのだろう。
『吾輩を忘れるとは何という不敬!』
「まぁ、そんなわけなんで見逃してもらえるとは思わないことっす!」
『見逃してやるのは吾輩のほうだ!』
 立て続けに|アイデンティティ《見逃してやる発言》を否定にかかるあたり皮肉や挑発しているようにも見えるが安定の話の通じないゼーロットはまったく|効《聞》いていない。
 ここまで大分偉そうなことを言っているが、実際問題として部下を見捨てて逃げ回っていたのは事実。そしてここまで相当な猛攻を浴びてきているはずだが、いまだに動き回れるそのしぶとさは侮るべきではないだろう。
 撤退を転進、全滅を玉砕、大敗を大勝利と言い換えて発表しそうだが、音夢にはそんな相手にぴったりの√能力がある。

 ――|熱情語りの独壇場《オシカツオンステージ》

 音夢のAnkerにして推しのとあるバーチャルアイドルがいかに尊いかを語り、その内容をコンサートステージで実演するのだ。
 真っ暗な地下駐車場でひとつ、またひとつと光の点が輝いていくと視界いっぱいに広がるのは満天の星空、その一点にスポットライトが集まると現れたのは星の海を美しいひれのようにスカートを翻して舞うように進む人魚姫さながらのアイドル。
 衣装に纏う星がキラキラと光を反射して彼女をさらに輝かせると、トーン記号が煌めいてミュージックスタート。
 八分音符の髪飾りが歌姫のステップとともに楽譜とステージを跳ねていくのだ。
 そう、これこそがアイドル!
 だがゼーロットに推し活を理解できるはずもなく。
『ええい、くだらん! こんなくだらんステージなんぞに付き合えるか! 今回は見逃してやるから感謝するがいい!』
 途端、空気が凍り付く。
 だがそんな空気に気が付くこともなく、偉そうにしながら情けなく逃げていくゼーロット。
 その背中に音夢は無言で|【明星】《試製型対物狙撃銃》で狙いをつけると、静かに引き金を引き絞る。
 必中の弾丸は必殺の威力をもってゼーロットの頭部を吹き飛ばしたのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 日常 『日常の非常事態』


POW 力とか物量とかパワープレイでなんとかする
SPD 素早い対応とか技能を生かすとかテクニックでなんとかする
WIZ 知識とか発想とかインテリジェンスでなんとかする
イラスト みささぎ かなめ
√EDEN 普通5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

 ゼーロットの頭部が吹き飛び、簒奪者は倒れた。
 戦いは終わった。
 誰もがそう思ったその時――なんとゼーロットが爆発した!
 続けて地下駐車場のあちこちで爆発が、上階からは地響きとともに爆発音が聞こえてくる。
 ゼーロットの死とともにただの残骸と思っていた深紅の戦闘機械群が一斉に爆発したのだ。
 このままでは地下フロアもろとも崩落するのは確実に思えるほどの規模。
 このままでは生き埋めになる。
 √能力者なら生き埋めになっても生き返るが、ここまでやったのだからやっぱり生きて脱出したいもの。
 かくして、崩れゆく廃病院からの脱出劇が始まるのだった。
リーガル・ハワード(サポート)
よし。僕も|警視庁異能捜査官《カミガリ》として事件解決に協力しよう

基本的に落ち着いた物腰だが、あまりにも動揺したりツッコミの際はうるさくなる。……仕方ないだろ!
非戦闘時は√能力や有効な技能を用い、淡々と情報の収集を試みよう
ラエナムに追跡・捕縛させたりも
と、所作や身嗜みはそこそこ綺麗な方だと思う(元お坊ちゃん)

戦闘ではアウィスを用いた近接戦がメイン
状況によってはPDW-MP7A2も使うよ
防御は武器受けをはじめ、世界の歪みで弾き飛ばしたりグレンデルに防護結界を張ってもらったり
多少の怪我は厭わないが、命のやりとりを楽しむ戦いってのはしないな

他の√能力者を妨害したり不快にする行動はNGでよろしく頼むよ

「……は?」
 あまりな状況にリーガル・ハワード(イヴリスの|炁物《きぶつ》・h00539)は思わずあっけにとられ呆れ声が漏れてしまった。
「|戦闘機械群の派閥《レリギオス・オーラム》の統率官のひとりで|王権執行者《レガリアグレイド》の|あんた《最高幹部》が自爆装置を積んでるのかよ!」
 そしてあちこちから爆発が巻き起こる中、リーガルは爆発音に負けず劣らず大声で絶叫。
 愉快なネタキャラの印象が強くて忘れがちだがゼーロットは組織で言うと倒されたら負けレベルの高い地位にある。
 そんな地位にありながら自爆装置を積んでいるというわけのわからなさに、リーガルはツッコミを入れざるを得なかったのだ。
 しかしそうしている間にも爆発や瓦礫は容赦なくEDENたちに襲い掛かり、リーガルもあわや圧死という状況をグレンデルの防御結界で事なきを得ていた。
「ゼーロットぉぉぉぉぉ! 今度会ったらただじゃおかないからな!」
 自爆して消し飛んだ簒奪者に恨み言をぶつけつつ、力を使ったことで再使用のための睡眠行動に入った|エゾタヌキ《グレンデル》を小脇に抱えると、飛び交う破片を世界の歪みで弾きつつ、それ以上にゼーロットのせいで歪み切ったこの戦場の中、崩れゆく廃病院をラエナムの先導で地上へ向けて駆け抜けていくのだった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

深見・音夢
ええい往生際が悪いっすねぇ!? これも悪の組織のお約束ってやつっすか。
というかこんなの仕込むのにリソースを割いてるからボコボコにされるんす!
ああいやもう愚痴ってる場合じゃなかったっすね、さっさと駆け抜けるっすよー!

最短ルートとか崩れ具合から安全なルートを計算とかそういうややこしいのは苦手っすから、とにかく地下から上がるところから!
……しかしこの崩れ具合だと流石になりふり構っていられないか。どうせ見られる相手もいないことだし【擬装限定解除・夜鮫】で一気に加速しつつ、障害物があれば力ずくで突破しよう。
全く、こういう奥の手はもっとシリアスな場面で使うものなのだけれどね!

 ゼーロットにとどめを刺したのも束の間、深見・音夢(星灯りに手が届かなくても・h00525)は√能力の終了に伴い先ほどまでのキラキラのアイドル衣装から元の黒の戦闘服に戻ると、あちらこちらの爆発で崩れ始めた廃病院の地下駐車場でせっかく幕を下ろした舞台でこのイカれたカーテンコールを引き起こした|統率官殿《ゼーロット》に思いのたけをぶつけていた。
「ええい往生際が悪いっすねぇ!? これも悪の組織のお約束ってやつっすか」
 すでに|往生して《死んで》いる相手に往生際とはこれいかに。でも意味は引き際の悪さなので大丈夫。本人は悪の組織のつもりはないだろうけど|お約束《鉄板ネタ》は律儀に踏襲してくれるので今回もきっとそうなのだろう。
「というかこんなの仕込むのにリソースを割いてるからボコボコにされるんす!」
 自爆用の爆薬は戦闘じゃ|ただのデッドウェイト《無駄な重量》なので動きが鈍くなるのであるからして至極当然の指摘。しかし、仮に積んでいなかったとしたらあの|聖職者《シスター》に勝てただろうか? たぶんやっぱりボコボコにされていただろう。
 とはいえ無駄に量を積んでいたのか、爆発は思いのほか激しく地下駐車場全体を激しく振動させている。
 このままでは生き埋めは時間の問題だろう。
「ああいやもう愚痴ってる場合じゃなかったっすね、さっさと駆け抜けるっすよー!」
 まだまだ言いたいことは山ほどあるが、それはまた次の機会に。相手が機械だけに。
 さしあたってはここへ来るまでのルートはわかっているのであとは崩落前に脱出するためのスピードだけだ。
 怪人形態になれば造作もないことだが、容姿にコンプレックスのある音夢は人前での変身をよしとはしていなかった。だが……。
「……しかしこの崩れ具合だと流石になりふり構っていられないか」
 すでにそこら中の壁や天井、床にヒビが入り、各所で小さな崩落も起きていて、突入してきたEDEN諸氏も各々に脱出で忙しく、音夢を気にかける者はこの場にはいなかった。
 どうせ見られる相手もいないことだしと、√能力【|擬装限定解除・夜鮫《オトメノスガオ》】で一気に加速する。
 発動するや否やたちどころに音夢の歯と肌は夜色に輝く鮫のそれになり、崩れゆく廃病院の中を飛躍的に向上した速度で獲物に襲いかかる鮫が巧みに海中を泳いでいくように、崩落しあるいは崩れかかってくる天井や壁を躱していく。
 さながらアクション映画のラストを飾るクライマックスシーンのように闇の中を駆け抜けると、完全に崩壊した廃病院の濛々と上がる砂煙の中から、間一髪で脱出に成功した音夢が姿を現した。
 こういう時に役に立つゴーグルとマフラーでしっかりと決めた音夢は、瓦礫の山と化した廃病院を見やると。
「全く、こういう奥の手はもっとシリアスな場面で使うものなのだけれどね!」
 そうは言いながらも音夢の表情はどこかまんざらでもなく誇らしげだった。
 ここにゼーロットの野望は完全に潰えたのだ。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

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