シナリオ

房総半島に生えた落花生ダンジョン

#√EDEN #√ドラゴンファンタジー #途中参加歓迎 #複数人プレ歓迎 #飛び込みプレイング歓迎

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●房総のビーチ一帯がダンジョンと化した
「な、何これ……?」
 その日、千葉県の房総半島の都市、南房総ではハプニングが発生していた。なんと近隣のビーチ一帯が落花生だらけの√ドラゴンファンタジーのダンジョンになっていたのである。
「どういう事!?」
「こんなにビーチに落花生が生えてたらうちの商売あがったりだぁ!!」
 と、一部の落花生農家の声もあり、急ぎダンジョンを消滅させる事になったのである。

●|未来予知《ゾディアック・サイン》によると
「どうやら南房総市に誰かが√ドラゴンファンタジーから天上界の遺産を持ち込んでダンジョン発生させてしもたらしいねん!」
 星詠みの濱城・茂音(HATAKEの伝承者・h00056)は、己の星座である双子座から読み取った未来予知を告げた。
「落花生生えてるんはまあ……千葉やからなぁ。納豆が生えてるよりはまだ攻略しやすいはずやで。最初にクラゲのインビジブルがうようよしとるから、その群れ討伐してな。落花生ビーチダンジョンを進んでいけば核の所まで辿り着くはずやねん。でもビーチやし横長なんよね~」
 縦に階層が無いだけまだマシだったかもしれない。
「あと! わざわざ√ドラゴンファンタジーから天上界の遺産を持ち込んだ悪いやつがおるかもしれんさかい、見つけたらそいつもコテンパンにしといてや!」
 見つけたらでええよ、と茂音は注釈する。

「それじゃあ、いってらっしゃい! ダンジョンの落花生は持って帰って来なくても大丈夫やで!」
 現地へと√能力者を送り出す、茂音だった。――落花生は正規の店舗で購入しよう!

マスターより

椿油
 椿油です。ほんと納豆ダンジョンじゃなくて良かったかもしれない(一部界隈にはウケそうですが)。
 第1章は『インビジブル・クローク』との集団戦です。ダンジョンに蔓延るクラゲっぽい邪悪なインビジブルです。
 第2章は分岐が入ります。順調に進めばダンジョンのモンスターか、遺産をわざわざ持ち込んだ悪い√能力者のどちらかと戦います。
 第3章はダンジョンの核である『パフェ・スイート』とのボス戦です。落花生パフェでも作ろうとしているのでしょうか。撃破すればダンジョンは消滅します。

 皆様のアツいプレイング、お待ちしております!
2

第1章 集団戦 『インビジブル・クローク』


POW クロークテンタクル
半径レベルm内にレベル体の【クラゲ型インビジブル】を放ち、【接触】による索敵か、【痛みをもたらす触手】による弱い攻撃を行う。
SPD 溶解針
自身の【触手】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【溶解毒】を付与する【毒針】に変形する。
WIZ ライフスクイーズ
敵に攻撃されてから3秒以内に【触手】による反撃を命中させると、反撃ダメージを与えたうえで、敵から先程受けたダメージ等の効果を全回復する。
√EDEN 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●うねうね……
『ふよふよ……』
『うねうね……』
 そう効果音を呟きながら飛んでいるインビジブル・クローク。
『ふよ……』
『うね……』
『くらくら……』
『ふよくら……』
 この大量に居るインビジブル・クロークを倒さないと、ビーチのひと時の平和すら訪れない。早急な対処が必要そうだ――。
シンシア・ウォーカー
[アドリブ/連携歓迎]
折角南房総の海景色を楽しめると思ったのに…。
サングラスまで引っ張りだしてきたんですよ!まったく、誰ですか天上界の遺産持ち込んだの!
あ、でも落花生がなっているところを初めて見れたので、そこはちょっと嬉しいかも?

美しいビーチに毒々しい色のインビジブルが沢山。あの触手はなんだか不気味なので、遠距離から攻撃するとしましょう。海でクラゲ的なものに刺されるの、嫌ですし。
……目と目があったらインビジブル・バトル!
√能力揚湯分隊を使用、こちらもインビジブルを召喚。彼らには遠距離からべしべし霊的な衝撃波を飛ばして貰って、私は最後方から魔導書を用いての魔法攻撃で加勢しましょう。
木ノ下・味香
アドリブ、絡みOKです。

あらあら、こんな所にダンジョンなんて物騒ですわ
早くお片づけしなきゃいけませんね

でも海だからクラゲなの?海に入る時期じゃないけど駆除しないと危ないわ

団体戦は得意じゃないけど仕方ないわね
精霊銃で戦闘錬金術を使って戦うわ
囲まれないように気を付けて距離を取りながら戦うわ

でもなんで落花生なの?ダンジョン消したら消えるわよね。それは少し勿体ないわね

「折角南房総の海景色を楽しめると思ったのに……」
 シンシアはがっかりした表情でインビジブル・クロークの群れを見つめる。
「サングラスまで引っ張りだしてきたんですよ! まったく、誰ですか天上界の遺産持ち込んだの!」
 憤慨と悲しみを乗り越えるには、まずこの群れを倒す必要がありそうだ。

「あらあら、こんな所にダンジョンなんて物騒ですわ。早くお片づけしなきゃいけませんね」
 味香は折角の海に生えた落花生ダンジョンを片付けるべく、シンシアと共に移動し始めた。
「でも海だからクラゲなの? 海に入る時期じゃないけど駆除しないと危ないわ」
 インビジブル・クロークはどう見てもクラゲである。海ならではのインビジブルかもしれない。

 シンシアは遠距離から√能力《|揺蕩分隊《タヨレルミナサマ》》を発動して12体のインビジブルを向かわせる。目と目があったら、インビジブルにはインビジブル。理にかなったバトルである。
『ゆらゆら……!?』
 急に来た別勢力のインビジブルにインビジブル・クロークもたじたじである。
 一方、味香は√能力《|戦闘錬金術《プロエリウム・アルケミア》》を発動し、己の武器【精霊銃】を|対標的必殺兵器《ターゲットスレイヤー》へと変形させ、錬金毒を遠くから撃ち込んでいく。

『ふよよ……』
『うねうね……!?』
 触手も毒針も届かない。何故なら二人とも遠方から攻撃しているからだった。

 シンシアは【魔導書】からも攻撃を飛ばしていく。
「ふう、数が多すぎないかしらこの群れ」
『ゆらぁ……』
 少しずつ撃退しているので、単に物量の問題だろうか。

 そして、ここで味香が誰も言わなかった疑問に気づく。
「でもなんで落花生なの?」
 それはそう。いくら千葉県だからってもっとこう、何かあっただろう。海の幸とか。天上界の遺産を持ち込んだ輩に聞いてみたいものである。
「……ダンジョン消したら消えるわよね。それは少し勿体ないわね」

『うねうね』
『ふらふら』
 少しずつ数を減らしていくインビジブル・クローク。

 ――今のうちに採集しておくべきだろうか。大量に実っている落花生を横目に、攻撃を続けるシンシアと味香だった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

アリエル・スチュアート
・心情
…これ、もし発生場所が市川だったら梨だったりしたのかしら?
いや、私は別に千葉と大して縁も無いんだけど。

・行動
まずはクラゲが相手ね。
まあ確かにクラゲも千葉っぽいわね、三番瀬ではあまり見ないけど。
だから私は東葛飾地域とは別に縁は無いわよ?
とはいえ、こうも数が多いとフェアリーズの出番ね。
フェアリーズ達を何隊かに分けて、それぞれでミサイルで攻撃を仕掛けて各個殲滅を狙うわよ。
私自身は接近戦は得意じゃないから距離を開けて、クラゲ達の動きを観察してそれを的確にフェアリーズに指示。
必要であればドローン空母からも援護射撃をしてもらおうかしらね。
もちろん私も全力魔法で援護するわ。
数には数で対抗、って事よ。

「(……これ、もし発生場所が市川だったら梨だったりしたのかしら? いや、私は別に千葉と大して縁も無いんだけど)」
 アリエルは訝しんだ。
「まずはクラゲが相手ね」
『ふよよ……』
『うねうね……』
 インビジブル・クロークが大量に漂っている。

「(とはいえ、こうも数が多いとフェアリーズの出番ね)」
 √能力《|妖精達の行軍《フェアリーズスウォーム》》を発動したアリエル。【ドローン「フェアリーズレギオン」】を17体飛ばし、何隊かに分けた上で各自にミサイルを撃ち込んでもらう事にした。

『ふよ……!?』
 ミサイルが命中してすぐに反撃せずに下がるドローンを見て、インビジブル・クロークはおそらく憤慨した。どうして皆遠距離から攻撃してくるのかと。
 そして、アリエル自身も魔法を飛ばし、【ドローン空母「フェアリーズネスト」】からも援護射撃が飛んで来る。
「数には数で対抗、って事よ」

『ふよよ……』
『うね~っ』
 地面にぽとりと落ちて消滅したインビジブルクローク。触手が伸縮自在なタイプだったらどうなっていたか――。ともあれ、もう少しでインビジブル・クロークの撃破は完了である。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

バナーテイル・シートン
え?ピーナッツが実ってる??
だったらー、ぼく達もいかなくちゃー!
今なら食べ放題、ぼくも、頬袋にいっぱいつぎ込んでいくんだよー!

うひゃー!!
なんだこれー!!
(カピバラに乗りながら必死に戦う)
けっこー、めんどくさいんだよー!!(触手が)
こうなったら、上にジャンプして突撃だよー!
そこで噛みついたり引っ掻きまわしたりする。
とにかくいいかげんにしろー!!

「え? ピーナッツが実ってる?? だったらー、ぼく達もいかなくちゃー!」
 バナーテイルはハイイロリスの獣人である。
「今なら食べ放題、ぼくも、頬袋にいっぱいつぎ込んでいくんだよー!」
 カピバラに乗ってレッツゴー。インビジブル・クロークが次に来る√能力者の方へ顔(?)を向けた。

『ふよよ……!』
『ふらふら……!!』
『うねうね……!!!』
 大群でカピバラに乗ったバナーテイルを追いかけてくる。
「うひゃー!! なんだこれー!!」
 執拗に触手で刺そうとしてくるインビジブル・クローク。
「けっこー、めんどくさいんだよー!!」

 そして、大群にプスリプスリと毒針を刺されてカチンと頭に来たバナーテイル。
「とにかくいいかげんにしろー!!」
 √能力《サヴェイジ・ビースト》を発動しながらカピバラからジャンプし、噛みついたり引っ掻き回したりして反撃ダメージと全回復に成功する。

 バナーテイルが戦場を文字通り引っ掻き回していくと、気付けばその場に居たインビジブル・クロークは全部鋭利な爪で裂かれていたのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 集団戦 『モンスター化農作物』


POW 我らに隷属するがいい!
【美味しい農作物 】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【洗脳】に対する抵抗力を10分の1にする。
SPD お前たちの協力があればもっと美味しくなれるのだ!
【美味しい農作物 】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【洗脳】に対する抵抗力を10分の1にする。
WIZ すくすく育つ
自身の【穀物類 】がA、【野菜類】がB、【果物類】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●落花生を食べるがいい!!
『食べろ……落花生を食べろ……!』
 そう呟くモンスターが沢山居た。
『ふはは、落花生を食べるのだー!』
『我が落花生に一片の不良品無し!』
『落花生で世界征服!』
『落花生はいかがですか?』

 彼らは『モンスター化農作物』。落花生ダンジョンの落花生の部分がモンスターになっているような存在である。彼らの武器である「放ってくる落花生」を奪うのは難しいかもしれないが、ドロップ品として落花生は普通にあるだろう。

 ――さあ、落花生を食べるのだ!!
木ノ下・味香
アドリブ、絡みOK


だからなんで落花生なのよ
食べろって言いながら投げつけてくるなんて矛盾してないかしら
食べ物を粗末にしてはダメですよ
食べろって言うなら食べられるように渡してくれたら嬉しいのですけど、その勢いでは食べられないですね、残念だわ

精霊銃で√能力を使って戦うわ
囲まれないように気を付けて距離を取りながら戦うわ

ここの奥にいるボスは落花生をどうしたいのかしら
ビーチに落花生…
これで布教や宣伝のつもりなら間違ってますね
美味しいモノはゆっくり楽しむべきだわ
アリエル・スチュアート
・心情
落花生をやたらと推すわね。
でも私は千葉の名産は梨だと思うので、貴方達の存在を二重の意味で否定するわ。
あ、でも千葉の物なら落花生も嫌いじゃないわよ?

・行動
とりあえず今回も数が多いか。
なら今回もフェアリーズと空母、私の魔法による連携攻撃を仕掛けていくわ。
もし私一人でどうしようも出来ないなら他の√能力者にも協力を仰ぐわ。
距離を置いた状態で敵の動きを観察してそれを伝えたりしてね。
…所で南房総なら枇杷とか菜の花もあるでしょ?
そっちも推してあげなさいよ、千葉の事を思うならね。
このダンジョンを持ち込んだ奴は千葉への愛が足りないわ。

…ま、全部終わったらピーナッツブレッドくらいは作ってあげてもいいけど。
シンシア・ウォーカー
[連携/アドリブ歓迎]
落花生はおいしく頂きたいですが、それはそれとして倒します。

とりあえずウィザード・フレイムで燃やすとしますか。レッツ焼畑農業!ダンジョンだから周辺環境への影響も気にしなくて大丈夫なはず!
【範囲攻撃】を用いて敵集団に向けて火をつけていきましょう。

落花生はいくらか持ち帰りたいですね、雑用インビジブルに拾わせときましょう。
どう食べるのがおいしいかしら……まずはシンプルに塩茹で?
バナーテイル・シートン
あー!!
食べ物が喋ってるー!!
|落花生《ピーナッツ》食べるけどー。
うーん、|落花生《ピーナッツ》食べるにはー、倒した方がいいかなー??
なんか|不思議の国のアリス《アリス・イン・ワンダーランド》っぽいんだよー!!
うるさいー!!
だまってー、食料になれよー!!
(一気に√能力使用して、蔦で喋る落花生を蔦で縛り上げて「めきゃっ」してから、ピーナッツばりぼり(リスの歯は硬い実を齧るのに適している)ついでに、頬袋に残りのピーナツ(皮むき済)詰めるリスである。あと、野菜とか草部分はカピバラさんが食べる)

ふぅ、そういえばー、まだ奥があるねー…

「だからなんで落花生なのよ」
 味香はビシッとモンスター化農作物にツッコむ。
「食べろって言いながら投げつけてくるなんて矛盾してないかしら」
 ごもっともである。

「落花生をやたらと推すわね。でも私は千葉の名産は梨だと思うので、貴方達の存在を二重の意味で否定するわ」
『そんなー!? 落花生食べろこのやろー!!』
 モンスター化農作物が泣きべそかきそうな顔でアリエルへと返事しながら洗脳落花生を投げていく。
「あ、でも千葉の物なら落花生も嫌いじゃないわよ?」
『ほっ』
 嬉しそうな顔をしたモンスター化農作物。それはそれ、これはこれなのである。

「落花生はおいしく頂きたいですが、それはそれとして倒します」
 シンシアは早速√能力《ウィザード・フレイム》の炎を放ち、モンスター化農作物を燃やしていく。
『ぎゃぁぁ!! 落花生食べてからにしてー!!』
 焼き落花生が地面へと落ちていく。水分を含んだ樹の身体はパチパチ音を立てて燃えた。

 悲鳴をあげるモンスター化農作物を見て、バナーテイルは思わず声をあげる。
「あー!! 食べ物が喋ってるー!!」
 とてもきらきらした顔で落花生の生る方を見つめていた。
「落花生ピーナッツ食べるけどー。うーん、落花生ピーナッツ食べるにはー、倒した方がいいかなー??」
 栗鼠の前歯が落花生に狙いを定めていく――。

「(今回も数が多いか)」
 アリエルは√能力《|妖精達の行軍《フェアリーズスウォーム》》を発動して、【ドローン「フェアリーズレギオン」】を一機増えて18体飛ばし、ミサイルが次々とモンスター化農作物を襲う。
『美味しく焼いて食べてねー!!!』
 食べられたいという叫びがダンジョン中に響き渡る。

「ここの奥にいるボスは落花生をどうしたいのかしら」
 味香は√能力《|樹の願い《オトメノイノリ》》を発動して、緑属性の弾丸を【精霊銃】から発射しカマイタチの効果でスパッと伐採していく。
「ビーチに落花生……これで布教や宣伝のつもりなら間違ってますね」
『何ですと?』
「美味しいモノはゆっくり楽しむべきだわ」
『即決もオツなものでしょう!!!』
「食べ物を粗末にしてはダメですよ。食べろって言うなら食べられるように渡してくれたら嬉しいのですけど、その勢いでは食べられないですね、残念だわ」
『うがぁぁぁーーッちゃっちゃと食べろよぉぉーーッ!!!』
 モンスター化農作物は嘆きながら伐られていくのだった。

「なんか|不思議の国のアリス《アリス・イン・ワンダーランド》っぽいんだよー!!」
『お褒めに預かり光栄。さあ! 落花生を食べるのです!!』
「うるさいー!! だまってー、食料になれよー!!」
 怒ったバナーテイルは√能力《|植物領域《プラントゾーン》》を発動して、美味しい農作物が放てないように蔦で『めきゃっ』と音がする程縛り上げてからモンスター化農作物の上に登り、落花生をその鋭い前歯で割っていく。頬袋にどんどん詰めていき、あっという間に落花生は平らげられていく。
『食べられてしあわせ……♪』
 縛られながら嬉し泣きするモンスター化農作物。変わったモンスターである。

「(落花生はいくらか持ち帰りたいですね、雑用インビジブルに拾わせときましょう)」
 無事に焼畑農業を済ませたシンシアは、【雑用インビジブル】を向かわせて少し焦げた落花生を回収させていく。
「どう食べるのがおいしいかしら……まずはシンプルに塩茹で?」
『い……炒めるのも……おススメだよ……ぉ……』
 焼かれて枯れ木と化したモンスター化農作物が枯れそうな声で教えてくれた。

 ――その頃、バナーテイルが食べていない他の実った野菜は移動の為に乗っていたカピバラがもひもひもひと食べているのだった。

「……所で南房総なら枇杷とか菜の花もあるでしょ? そっちも推してあげなさいよ、千葉の事を思うならね」
 アリエルはズバリビシッと指摘する。
『だ、だって上が落花生推しなんだもの!!!』
 モンスター化農作物も苦労しているようだ。
「このダンジョンを持ち込んだ奴は千葉への愛が足りないわ。……ま、全部終わったらピーナッツブレッドくらいは作ってあげてもいいけど」
『……やったぁ♪』
 布教成功という笑顔でにんまり笑っているモンスター化農作物はミサイルに焼かれたのだった。

「ふぅ、そういえばー、まだ奥があるねー……」
 バナーテイルが奥を見つめると、その先から落花生の匂いと美味しそうな匂いが立ち込めてくるのだった――。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『パフェ・スイート』


POW ゼラチナルアース
【大地ゼリー化魔法『ゼラチナルアース』】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
SPD 至高のシュークリームボム
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【一度味わうと病みつきになるシュークリーム】を、同時にレベル個まで具現化できる。
WIZ ソフトクリームミサイル
【何故か命中率の高いソフトクリームミサイル】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【ソフトクリームのベトベト感とヒンヤリ感】に対する抵抗力を10分の1にする。
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●落花生フレーバーを開発するのです
『ら~ら~、ららら落花生♪ ららら落花生♪』
 ダンジョンの核のある層では、『パフェ・スイート』がオリジナルソングを歌いながらクリーム状と化したピーナッツをゆっくりとかき混ぜていた。
『む! 何者! ……あ、ダンジョンをクリアしてきてくれた人ですかぁ♪』
 パフェ・スイートは歓迎する素振りを見せた。

『ほらほら、階層クリアしたら落花生好きになりましたよね? なりましたね? そこでパフェちゃんの新開発・落花生フレーバー魔法を喰らうのです! これで貴方も千葉県民!!!』

 勿論既にご指摘の通り、千葉=落花生で無いのはパフェ・スイートも知っている。だが、恐らくパフェ・スイートの使う魔法に落花生以外の物が合わなかったのだろう。
『√EDENに落花生フレーバーソフトクリームを布教するのです♪ さあ! まずは落花生好きな貴方達が実験台になるのです!!!』
 そう言って杖を構えたパフェ・スイート。……やはりモンスターはモンスターであった。
シンシア・ウォーカー
[アドリブ/連携歓迎]
あなたが落花生推しの元凶ね。落花生フレーバーソフトクリーム?いやまあ、全国各地色々なご当地ソフトクリームあるからいいとは思うけれども。普通に美味しそうですし。
それはそれとして南房総、そして千葉を守るために戦います!……別に千葉県民ではありませんが。

連携出来そうなら、私は後方支援に回りましょう。
ソフトクリームミサイルはなんだか冷たそうなので、こちらは炎で対抗。【全力魔法】で強化したウィザード・フレイムで燃やしていきます。

食べ物は!大事にしましょう!!

ダンジョン攻略が済んだらお寿司食べて帰ろうかしら。ああ、でもラーメンも美味しそう……
木ノ下・味香
連携アドリブOK

今までの落花生のゴリ押しって好きにさせるためだったの?色々間違ってるわね
あの攻撃…全てが落花生味なのかしら

精霊銃で√能力を使って戦うわ
囲まれないように気を付けて距離を取りながら戦うわ

正直、全て落花生味ってちょっとね……やり過ぎはくどいんじゃないかしら
何事もほどほどがいいのよ
あと、落花生好きは否定しないけどこのダンジョンの過程で好きになったわけじゃないからね?
それからパフェに選ぶならもう少し可愛いフルーツ選んだ方がよかったんじゃないかしら?
アリエル・スチュアート
・心情
いや、別に千葉県民になるなら梨で良いし、何なら海苔でも良いわ。(再び溢れ出る心の東葛飾地域)
あ、でも海苔アイスは流石に行徳でも見たことないわね…。

・行動
この子、かわいい顔して意外とえぐい攻撃をしてくるわね。
あんまりゼリー化大地で足を取られすぎるのも考え物だから…フェアリーズと空母の援護射撃を頼りに接近を試みようかしらね。
自分の立ってる所もゼリー化したら、流石に貴方でも…って何このシュークリーム!?
こんな事されても私は「海苔ソフト(狂暴化)・梨ソフト(正直病)・落花生ソフト(虚言癖)」しか食べないわよ?
…あ、あれ?
と、とにかく接近して…この槍の奥の手、ライトニングボールを受けなさい!
バナーテイル・シートン
なんか、聞いたことある曲なんだよなー(某貸金業者を思い出して)
それはそれとして、ドラゴンプロトコルかなー??
あのねー、元から好きだからー、好きなままなんだよねー。
千葉県民??
何言ってるんんだよー!!
これは、突っ込まないといかないかなー??
てなわけで、止まっちゃえー!!

「あなたが落花生推しの元凶ね」
 シンシアはあからさまに分かりやすくポツンと仁王立ちしているパフェ・スイートに声をかける。
『ふっふっふ! そうなのです。パフェちゃんによるイチオシ落花生フレーバーソフトクリーム提供までの伏線だったのですよ。ゆくゆくは落花生パフェを!』
「落花生フレーバーソフトクリーム? いやまあ、全国各地色々なご当地ソフトクリームあるからいいとは思うけれども。普通に美味しそうですし。それはそれとして南房総、そして千葉を守るために戦います! ……別に千葉県民ではありませんが」
『問答無用! 落花生フレーバーを食べるのです!』

「今までの落花生のゴリ押しって好きにさせるためだったの? 色々間違ってるわね」
 味香はパフェ・スイートに異を唱える。
『どこが間違っているというのです? いわばこれは洗脳なのですよ』
 ついに自白したようだ。
「(あの攻撃……全てが落花生味なのかしら)」
 若干落花生の匂いが漂ってくる杖を構えたパフェ・スイートを見て味香は訝しんだ。

「いや、別に千葉県民になるなら梨で良いし、何なら海苔でも良いわ」
 アリエルは千葉県と言えばと、ブシャーと美味しい梨汁フレーバーを想像した。
「(あ、でも海苔アイスは流石に見たことないわね……)」
『梨アイスはつまらないのです! やるならインパクトをガツンと、なのです!』
 確かに梨フレーバーは既にそこかしこで売っていそうではある。

「なんか、聞いたことある曲なんだよなー。それはそれとして、ドラゴンプロトコルかなー??」
 バナーテイルは首を傾げた。
『ららら落花生の歌が気に入ってくれたのなら、落花生も気にいるですね!?』
「あのねー、元から好きだからー、好きなままなんだよねー」
『がーん!』
 落ち込むパフェ・スイートだが、好きなら良いではないかと一同は思った。

『さて言い残す事は無いですね? 行くですよ、落花生をプレゼンツ!』
 ソフトクリームミサイルとシュークリームボムを勢いよく放つパフェ・スイート。
「食べ物は! 大事にしましょう!!」
 シンシアは√能力《ウィザード・フレイム》で後方から炎で相打っていく。

「この子、かわいい顔して意外とえぐい攻撃をしてくるわね」
 ドローンの【フェアリーズレギオン】及び【フェアリーズネスト】で援護射撃を行いつつ、接近を試みる。
『落花生シュークリームボム喰らえですー!』
「何このシュークリーム!?」
 ベタリと落花生フレーバーを浴びるアリエル。
「こんな事されても私は|海苔ソフト《狂暴化》・|梨ソフト《正直病》・|落花生ソフト《虚言癖》しか食べないわよ? ……あ、あれ?」
『いえーい、布教大成功なのです! 今日から貴女も千葉県民♪』
 ダブルピースで喜ぶパフェ・スイート。
「と、とにかくライトニングボールを受けなさい!」
 √能力《|魔導槍の光迅球《ライトニングボール》》を発動したアリエルは、【魔導槍「グリモワールランス」】からライトニングボールを2回放ってパフェ・スイートをお仕置きしていく。
『あばばばば!!!』

 味香は√能力《|樹の願い《オトメノイノリ》》を発動し、カマイタチを放ちながら味方を強化していく。
『いたた、カマイタチは流石に痛いのです!』
「正直、全て落花生味ってちょっとね……やり過ぎはくどいんじゃないかしら。何事もほどほどがいいのよ」
『じゃあ90%落花生にするです?』
 ――味香とあまり話が通じていない。
「あと、落花生好きは否定しないけどこのダンジョンの過程で好きになったわけじゃないからね?」
『え! もったいないのです! パフェちゃんの落花生美味しくないですか!?』
「それからパフェに選ぶならもう少し可愛いフルーツ選んだ方がよかったんじゃないかしら?」
『ガーーン!!』
 パフェ・スイートの背後に重いピアノの音でガーンとショックが響き渡る。

『根底から否定されたです~~……パフェちゃんは千葉県の人気度を上げつつ千葉県民の皆さん以外にも楽しんでもらおうと……』
 落ち込むパフェ・スイートに、バナーテイルが突っ込んでいく。
「千葉県民?? 何言ってるんだよー!!!」
『ふぇぇ!?』
 √能力《ダイナミックエントリー》を発動し、カピバラから高く飛んでドリルスピンを加えながらドロップキックをパフェ・スイートへぶつけるバナーテイル。
『あごぉぉ!!!』
 大きく吹っ飛んでK.O.されたパフェ・スイート。
「あ、ダンジョンが崩れる音がするんだよー!」
 どうやら同時にパフェ・スイートの核としての機能も破壊されたようで、ダンジョンは透明になって消えるように崩壊していく。

「お寿司食べて帰ろうかしら。ああ、でもラーメンも美味しそう……」
 シンシアがポツリと呟きつつ。
 ――こうして、千葉県民ひいては都道府県人気ランキングに関わりかねない事件を解決した、√能力者達であった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

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