きらめく秋空スイーツラボ!
秋だ、芸術だ、食欲だ――『きらめく秋空スイーツラボ』研究員、大募集!
そんな楽しげな秋の体験イベントにやって来たのは、ココ・ロロ(よだまり・h09066)と夕星・ツィリ(星想・h08667)。
ずらりと並ぶのは、色とりどりのシロップをはじめとするスイーツ作りの材料や、実験器具のような道具たち。
そしてふと、わくわくと視線を巡らせていたココは、おもむろにくるりと空中で向きを変えて。
「ツィリさん……しっていましたか」
もふもふ尻尾を大きく揺らしながら、こう切り出す。
「ヒトのこどもは、じゆうけんきゅうというのをするとききました」
「自由研究……少し聞いたこどある! 自分たちで色々試したり調べたりするっていうのだよね」
そんなツィリの言葉に、ココはこくりと頷いてから。
「ということで~……」
きらきらと青い瞳を輝かせて、満を持して続ける。
「ツィリさん、きょうはおいしいじっけんしてあそびましょー」
「美味しい実験ときいたらやらないわけにはいかない……!!」
そう――本日のテーマは『見て楽しい、作って不思議、食べて美味しいサイエンススイーツ』!
つまり、ふたりにぴったりの、おいしい実験。
おいしい、のひとことにツィリも迷う余地などあるわけなく。
ふたりは顔を見合わせ、こくりとひとつ頷いてから。
「わくわく実験にごーごー!」
はりきっていざ、自由研究に取り掛かります!
まずは、好きなドリンクを使って空の色を作る実験から。
グラスやピッチャー、色とりどりの飲み物が並べられれば、ココは懐かしそうにそれらを見渡して。
「ふふふ、じっけんするのなつかしですね」
「あの学校以来だね!」
思い出すのは、以前訪れた廃校カフェの理科の授業。
あの時もふたり並んで、層になったドリンクを作ったのだ。
その時のことを話しながら、ココはお耳をぴこん。
「ココね、ツィリさんがまえにつくったゲーミングの、ピカピカできれいだったからつくってみたい……!」
思い返すのは、派手でカラフルなツィリの作った一杯。
「実は私もゲーミングまた作る機会あったらと思っていたからまたチャレンジできて嬉しいな」
ツィリも改めて、ココに笑みを向けて。
「中々きっかけがないと作ったりできないから。お誘いありがとう、ココくん!」
今日は材料も道具もたっぷり揃っている、再チャレンジの絶好の機会。
でも、折角だから、前回と同じではなくて。
「あとねあとね、いろんなそらのいろつくるのはどうでしょー?」
「それ以外の空の色も作ってみたいです」
考えていたことまでお揃いで、ふたりは顔を見合わせて笑っちゃう。
というわけで、ふたりの研究テーマは――ゲーミングと、いろんな空!
「えへへ、ツィリさんはどんなそらがすきですか?」
材料を選びながら訊けば、ツィリは少し考えて。
「薄明と星空が特に好き!」
それから、もうひとつ。
「一番特別なのは黄昏時かな」
――|夕星《私たち》が空に見える時間帯だから、って。
昼と夜の間、夕暮れの光が残る空に星が顔を出し始める頃。
自分の名にも重なるその時間が、ツィリにとって特別ないろだから。
ココも、自分の好きな空を指折り数えて。
「ココはね~、あさとゆーがたとほしぞら~」
朝の始まりの色も、夕焼け空も、星いっぱいの夜も好き。
けれどふと、ツィリから聞いた言葉を、もう一度口にしてみる。
「はくめい……たそがれ……」
むむ……ココのわからないことば、なんて。
尻尾をゆらり、こてりと首を傾けるけれど。
でも、だったら。
「だけどつくったのみたらわかるやも!」
色にしてみれば、知れるかもしれない。
そんなココの言葉に、ツィリもぱっと瞳を輝かせて。
「勿論! 私の好きな色ココくんにもみてほしいから!」
「ツィリさんのいうそら、みてみたいです!」
グラスの中に、お互いの好きな空を彩る。
ココが作るのは、朝焼けの空。
まだ夜の名残を残した淡い青紫に、桃色や橙、そしておひさまの黄色。
順番を確かめて、そっと注いでいくけれど。
小さな身体に、ピッチャーはやっぱりちょっぴり大きいから。
「ツィリさん、こっちいっしょにもって~!」
「うん、任せて! ゆっくり傾けようか」
ツィリに容器を支えてもらえば、ココも両前足を添えて。
そうっと慎重に、混ざりきらないよう静かに重ねれば。
「わあ~! あさになってきました!」
グラスの底から少しずつ、夜明け前の空が明るく染まっていく。
そして、ツィリも。
「前作った時は普通……? でいいのかなあれ……?」
ふと前回を振り返って、首を傾げつつ。
「うん、普通のレインボーゲーミングだったもんね」
深い青から紫、桃、橙へと移ろう空の色を慎重に重ねながら。
ココに、こんな提案を。
「あの時のココくんの夕焼けも今回ゲーミング仕様、どうですか……!」
「ゲーミングゆうやけ……! それもつくりたいです!」
今回は、ふたりでおそろいのゲーミング仕様!
そうしている間にも、ツィリのグラスに作られていくのは、夕暮れと夜の境目。
橙の名残が桃色から紫、そして深い青へ。
そんな一番星が瞬き始めそうな色を、ココはじっと見つめて。
「これが、たそがれ……?」
「そうそう! こんな感じ!」
言葉では少し難しかったものが、色になればすとんと胸に落ちる。
それからココは嬉しそうに尻尾を揺らして、自分の朝焼けとツィリのマジックアワーを並べてみる。
片方では朝が始まり、もう片方では夜が始まる――そんなふたつのグラスが彩るのは、一日分の空。
ドリンクで空を作った次は、食べられる空にも挑戦!
「ゼリーでもおそらつくれるのですね~!」
「しかも今度はスプーンで食べられる空だね!」
用意された透明なカップに、今度は色とりどりのゼリーを重ねていく。
青いゼリーに白いミルクゼリーを加えれば、お空にぽっかり浮かぶ雲みたいで。
濃い青や紫には、小さな星形のゼリーやきらきらのトッピングを散らして星空に。
桃色と橙を混ぜれば夕焼けに、淡い黄色は朝焼けのいろ。
ココはカップの周りをふわふわ飛びながら、上から仕上がりを確認して。
「ここに、おほしさまおきましょー」
「うん、そこにもひとつ置こう!」
ツィリが差し出した星を受け取って、そろりと。
小さな前足でココが慎重に置けば、夜空に新しい星がひとつ煌めいて。
「こっちのむらさきとまぜたら、もっときれいになるやも~」
「うん、夕方から夜になる途中みたい!」
選ぶ色や重ね方で少しずつ違う、たくさんの空色。
いつしかテーブルの上には、青空、朝焼け、夕焼け、黄昏、星空――いくつもの小さな空が並んで。
「えへへ、おそらいっぱいです!」
ココは嬉しそうに尻尾をふりふり、くるっとその上をひと回り。
「こうして並べると、空の展示会みたいだね!」
ツィリもあちらこちらのカップを見比べながら、満足そうに笑う。
けれど――本日の自由研究は、まだまだこれから。
体験メニューを見れば、舐めれば色が変わるというアイスキャンディーや不思議な丸いアイスの実験も。
それを見つけたふたりの瞳が、また同時に輝いて。
「ツィリさん、つぎのじっけんもおもしろそ~!」
「うん! まだまだいっぱい試してみよう!」
おいしくて、きれいで、ちょっぴり不思議。
ふたりの空色自由研究は、ますます賑やかになっていく。
ということで、次なる実験は、色が変わるひんやりスイーツ。
まずふたりが作ってみるのは、透明な型にいくつもの色を重ねて作る、空色アイスキャンディー。
「食べながら空が変わっていくみたい!」
「なめると、つぎのいろがでてくるのですね~!」
青空が紫に移ろって、さらに空を彩るのは桃色や橙。
一本のアイスキャンディーの中にいくつもの色を閉じ込めて。
舐め進めていけば、夜から朝へ。
また別の一本は、夕暮れから星空へと、変化していく空のようで。
どんな順番にしようか相談しながら重ねていって、そっと冷やして固めれば。
移ろう空の時間を詰め込んだような、アイスキャンディーのできあがり。
そしてさらにもうひとつ、ふたりが見つけたひんやりスイーツは。
「つぎのじっけんでつくるのは、まんまる……?」
「ドリンクに入れると色が変わるんだって、面白そう!」
ころんと並ぶ、色とりどりのアイスボール。
果汁やシロップを丸く凍らせたそれを飲み物へ落とせば、溶けるにつれて別の色へと変わっていくらしい。
というわけで早速、実験開始です!
ココが選んだのは、夕焼け色のドリンクと濃い青のアイスボール。
小さな前足からそっと投じられた丸い青が、橙色が満ちるグラスの中にころん。
瞬間、しゅわしゅわ弾ける炭酸の泡と一緒に青がほどけて。
「わあ~! ゆうやけがよるになりました!」
「夜空になっていくみたいだね!」
桃色が紫に、そして夜の色へと深まっていく。
そして今度はツィリが、深い夜色のドリンクに淡い桃色と橙のアイスボールをころりと落とせば。
グラスに満ちる青紫に、ゆっくりと広がる朝の色。
「こっちは夜が明けていくよ!」
「これが、はくめいから、あさやけ……!」
さっき覚えたばかりの言葉を嬉しそうに口にしながら、ココはお耳をぴこり。
色だけでなく、星形の小さな氷もそっと浮かべてみれば。
「ツィリさんみて、おほしさまもぱちぱちしてます!」
「ほんとだ、炭酸が弾ける星空だね!」
こっちはどうだろう、この組み合わせはどうか、次はこれ、なんて。
作っては、次の組み合わせをわくわくと試してみたくなって。
テーブルの上では、朝になったり夜になったり、夕焼けになったりと。
ふたりの手によって、空模様が目まぐるしく移り変わっては、煌めいて弾けていく。
そして、いろんな空を作ったなら。
やはり次は、今日の研究で外せない、この実験。
「つぎは、ゲーミングです!」
「ゲーミングにチャレンジだね!」
前回の廃校カフェで見た、あのピカピカきらきらの再現。
しかも今回は、普通のレインボーだけではありません。
青と紫を重ねた夜空色のドリンクに、銀色にきらめくパウダーをさらさら。
星形ゼリーを浮かべ、淡い水色や桃色も細く流し込んでいけば、光の帯が夜空を横切るようで。
「わぁ、あまのがわ~!」
「ゲーミング天の川だね! すごい、角度を変えると色も変わって見える!」
グラスの周りを飛びながら覗き込むココの瞳にも、七色の光が映り込む。
それを見ながら、顔を見合わせれば。
先ほど話していたもうひとつの研究も、満を持して。
「ゲーミングゆうやけも、つくりましょー!」
「うん、やってみよう!」
ということで、今度は橙や桃色を重ねた夕焼けに、金色のきらめきをひとさじ。
いくつもの色を重ねて夜の気配も足し、星を散らせば。
夕暮れなのにきらきら、ぴかぴか。
「ゆうやけなのに、おほしさまがいっぱい!」
「普通の夕焼けじゃないもんね。ゲーミングだから!」
七色に輝く、ゲーミング夕焼け。
そして綺麗で楽しいなら、それで研究は大成功!
朝焼けに黄昏、星空や天の川。
ゼリーもアイスもドリンクも、作ってみたかった空が次々と形になっていって。
「わーい、かんせ~い!」
「ふふたくさんできた!」
いつしかテーブルいっぱいに並んだのは、ふたりだけのきらきらした空模様。
というわけで、次はもちろん――研究成果を美味しく確かめなくては。
グラスの中にも透明なカップにも、ひんやり冷たいアイスにも、ふたりで作った色とりどりの空がいっぱい。
「テーブルの上がきらきらで輝いてる」
「えへへ、さっそくのんでみましょ~」
というわけで、眺めるだけでは今回の実験は終わらないから。
満を持して、お待ちかねの研究に、瞳もきらきら。
ふたり顔を見合わせて頷けば、一緒に手を合わせて。
「いただきます!」
「いただきまーす!」
まずは朝焼け色のゼリーをひと匙。
ぷるんとした果実味のあとからミルクゼリーのまろやかさが重なって。
見た目だけでなく、味まで少しずつ変わっていく。
ツィリはぱくり、もうひと匙口に運んで。
「さっぱりだけど濃厚さもあっておいし……ん?」
ふと、向かいのココを見つめて目を瞬かせる。
当のココは、ばっちり固まったひんやりアイスキャンディーをぺろり。
「アイスキャンディーもおいし……? どしました?」
「舌すこしべ、ってっしてみて……?」
そして言われるまま、ぺ、と小さな舌を見せてみれば。
「ココくんの舌の上がゲーミングに染まってる……!」
青に紫、桃色まで。
舐めるたびに色の変わるキャンディーは、どうやら空だけでなくココの舌まで鮮やかに彩っていたみたいで。
「わあ、ふふふ」
そしてそうよく見れば、ココもあることに気づいて、お耳をぴこん。
「ツィリさんのしたもいろついてる……! おそろ~い!」
「私もついてる? ゲーミングお揃い!」
改めて、ふたりで舌を、べ、って出して見せ合えば、堪えきれずにふたりで笑っちゃう。
ゲーミングな空をたくさん作って、ゲーミングドリンクを飲んで、ゲーミングアイスを食べて……舌までお揃いのゲーミング。
ひんやりスイーツやドリンクだけでなく、ふたりまでゲーミングな実験結果になるなんて。
始める前には思ってもみなかったけれど――それもまた、自由研究の楽しい発見です!
というわけで、作ったものを全部ばっちりと美味しくいただいて、じっくりうきうき検証を。
アイスボール入りのドリンクも、しゅわりとひと口。
飲んでいる間にも氷が溶けて、夕焼けが夜へ、夜空が朝へと少しずつ変わっていく。
プルンと空色が揺れるゼリーは、すくう場所によって色も味も違って、お星さまを見つければちょっぴり嬉しくて。
作ってわくわく楽しく、眺めてきらきら綺麗で、食べればもちろんほこほこ美味しい。
ふたりはあれもこれもと味見しながら、研究成果を余すことなく満喫していく。
――けれど。
たくさん作ったゲーミングな空を、改めてくるりと眺めてみたツィリの胸に。
「……これはほんのちょっとした好奇心なんだけど」
むくりと顔を出したのは、ひとつの好奇心……?
その声音に、ココのお耳がぴこん。
「ツィリさん……?」
……なんでしょう? と尻尾をゆらゆら、興味津々で見つめ返せば。
ツィリが告げたのは、こんな追加研究。
「此処にあるゲーミングを全部重ねたらどうなると思う……?」
そう見つめる先にはたくさんの彩りがあって。
天の川に夕焼け、星空、それに色を変えるアイスボールまで。
ならば、それを全部合わせたら……?
「エレクトリカルゲーミングになったりしたり、して」
「エレクトリカルゲーミング……そんな……おもしろそ~!」
その発想に、ココの瞳もいっそうきらきらと輝いて。
「けんきゅうしないと、ですね!」
そうと決まれば、追加実験開始です!
残ったゲーミングドリンクを大きめの透明なグラスへ少しずつ移して、混ぜきってしまわないようそっと重ねれば。
青紫の中に桃や橙が細くじわりとたなびいて、銀と金のきらめきが光の帯になって流れていく。
そこにぷかりとお星さまのゼリーを浮かべて、仕上げに残ったアイスボールをふたりで一個ずつ。
ころん、ころりと落とした瞬間。
「わあ……!」
炭酸の泡がぱちぱち弾けて、色がゆっくりと広がり始めて。
「これ、空っていうより……」
ツィリが思わず言葉を止める、その視線の先で。
夜空よりも深い青紫に、朝焼けや夕焼けの色が星雲のようにくるり。
散らした星々の向こうを、七色の光がきらきらと巡って。
それを見たふたりは、実験結果に、同時に声をあげる。
「うちゅうみたいです!」
「ほんとだ! 宇宙になっちゃった!」
いろんな空を全部重ねた、その先に現れたのは。
どの時間の空でもない――ふたりだけの、エレクトリカルゲーミング宇宙!?
そんな予想以上の研究成果に顔を見合わせれば、また楽しく笑い合って。
最後はもちろん、その宇宙もふたりで美味しくいただきます!
秋空から始まった、おいしい自由研究。
朝も夕暮れも夜も、それにゲーミングまで、沢山の空が出来上がって。
最後には空を飛び越えて、エレクトリカルゲーミング宇宙まで。
思いがけない成果がいっぱいの――『きらめく秋空スイーツラボ』。
ふたりの秋の共同研究はもちろん、楽しくて美味しい、大成功です!
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴 成功