化け狸の悪しき|百鬼夜行《デモクラシィ》
●血塗れの|百鬼夜行《デモクラシィ》
「今日も寒いなぁ……」
「ああ、こういう日は温かいもんが食いたくなるな」
日が落ちるのも早く、ちらちらと雪が降るような寒い夜。仕事終わりの会社員は白い息を吐きながら湯気の上がる料理を思い浮かべる。
「じゃあ鍋で一杯やろうか?」
「いいなぁ。行こう行こう!」
寒さに強張った顔に笑みが浮かび、賑やかな繁華街に向かって歩き始める。だがその時、足元を何かが横切った――。
「ん?」
「どうした?」
「いや、今何か動物みたいなのが……」
「ネズミじゃないのか。繁華街には出るからなぁ」
そう言いながら二人は足元に視線を向ける。するとそこには蛙に犬に着物を着た猫。さらには生き物ですらない器物まで、√EDENには居るはずのない、さまざまな妖怪が行列を作って行進していた。
「……は?」
「なんだこれ……疲れすぎて幻覚を見てるのか?」
会社員らは自分の目を疑う。行列には物語で見たような角のある鬼まで混じり、最早現実から乖離した光景となっている。
「人間の住む町だ!」
「さあさあ、親分のために道を作るぞ!」
「|百鬼夜行《デモクラシィ》の始まりだぁ!!」
路地裏から現れた無数の妖怪達は人間を襲い、周囲の建物も粉砕して道を作る。
「うわぁああああああああ!!!」
「ぎゃあああ!!!! 痛いっ幻じゃない現実だっ!!!」
最初の犠牲者となった会社員が血塗れとなって倒れ、ゴミのように人が倒れ血に染まった道は人の多い繁華街へ続いていく。
「おうおう、景気よくやってるようだなぁ!」
そこへ酒瓶を片手にぐいっとやりながら人間サイズの狸の妖怪が揚々と姿を見せた。
「いい匂いだ。ちょいと小腹を満たすとするか!」
血に濡れて虫の息となっている人間に近づくと、狸が大きな熊のように姿を変えて一口で丸ごと喰ってしまった!
「んむんむ、こっちの√の人間はいいもん食ってるようだなぁ! 美味い美味い!!」
バリボリと噛み砕いて飲み込むと、狸の姿に戻って膨らんだ腹をポンポンと叩く。
「よしよし、まだまだ人間はいるようだな。こっちの√なら人間が喰い放題だ!!」
ご機嫌にもっと人間を喰らおうと、封印から抜け出した古妖『隠神刑部』が酒を飲みながら|百鬼夜行《デモクラシィ》の最後尾を歩き出した……。
●星詠み
「封印の解けた古妖が√妖怪百鬼夜行から√EDENへとやってきてしまうようです」
星詠みの神谷・月那(人間(√EDEN)の霊能力者・h01859)が、これから起きる悲劇を予知して√能力者達に伝える。
「化け狸の古妖『隠神刑部』が、妖怪たちを洗脳して√EDENで悪しき|百鬼夜行《デモクラシィ》を起こし、多くの人間を食べようとしています。皆さんはそれを待ち構えて阻止してください」
√EDENには居るはずのない妖怪達が現れ、好き放題に暴れ回る。その被害を防ぐことになる。
「場所は東京の浅草。そこの路地裏が√妖怪百鬼夜行に繋がり『悪い百鬼夜行』が姿を見せます。どうやら彼らは隠神刑部に洗脳されているようなので、強烈な一撃を叩き込んで正気に戻してあげてください」
妖怪達は古妖の圧倒的な力によって洗脳されて手先となっている。倒してやることで洗脳が解けるだろう。
「速やかに正気に戻して百鬼夜行が街中に溢れる前に阻止できれば、最後に現れる隠神刑部を迎え撃って√妖怪百鬼夜行へと追い返すことになります。その場合、隠神刑部は巨大な熊の姿『暴妖「赤鬼熊」』に化けて暴れるようです。なので攻撃して弱らせ√妖怪百鬼夜行に押し込んでください」
熊に化けて強引に突破しようとする隠神刑部を力づくで追い返すことになる。
「もし百鬼夜行を止めるのが遅れて街中に溢れてしまった場合、隠神刑部が紛れて街に入り込んでしまうので、それを追い駆けて誘導し、√妖怪百鬼夜行へと渡らせることになります」
百鬼夜行に紛れて隠神刑部が街に入った場合、追い駆けて誘導するために街中を走り回ることになるだろう。
「√妖怪百鬼夜行に追い込めば、元の姿に戻った隠神刑部との戦いになります。「化術」を解いて体力が戻っているので油断せずに弱らせ、封印されていた『封印の祠』に再封印してしまいましょう」
古妖を倒すことはできないので、祠に封印することになる。
「古妖の肉片の一つの封印が解けただけでも多くの犠牲者が出てしまいます。被害が出る前に悪しき|百鬼夜行《デモクラシィ》を止めて再び封印してください」
月那の説明を受けた√能力者達は、百鬼夜行を止めようと急ぎ現場へ向かった。
マスターより

こんにちは天木一です。
√妖怪百鬼夜行と繋がった√EDENの浅草に古妖『隠神刑部』が現れます。隠神刑部を√妖怪百鬼夜行に追い返して再封印することになります。
第1章は『悪い百鬼夜行』との戦闘です。浅草の路地裏から次々と現れる妖怪達を倒して正気に戻します。周囲には一般人もいるので、巻き込まないようにしましょう。
第2章は『悪い百鬼夜行』を止めるのが遅れた場合、Aルート⛺『パルクール!』で街に入り込んだ隠神刑部を追い駆け、相手が逃げるのを上手く誘導して√妖怪百鬼夜行に追い返します。
『悪い百鬼夜行』を素早く止められた場合、Bルート👿『暴妖「赤鬼熊」』で凶暴な熊に化けた隠神刑部との戦闘になり、ダメージを与えて√妖怪百鬼夜行に押し戻すことになります。
第3章では元の姿に戻った『隠神刑部』との戦闘になります。弱らせることで再封印ができます。
複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
プレイングの締め切り日などは決まり次第タグにて。
それでは、化け狸の百鬼夜行を止めて、√EDENの人々を守りましょう!
35
第1章 集団戦 『悪い百鬼夜行』

POW
妖怪大行進
命中する限り「【百鬼夜行の一斉突撃】による攻撃→技能攻撃→[百鬼夜行の一斉突撃]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
命中する限り「【百鬼夜行の一斉突撃】による攻撃→技能攻撃→[百鬼夜行の一斉突撃]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
SPD
百鬼大悪戯
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【大つづら(爆発する)】を、同時にレベル個まで具現化できる。
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【大つづら(爆発する)】を、同時にレベル個まで具現化できる。
WIZ
万夜大宴会
半径レベルmの指定した全対象に【妖気】から創造した【妖怪料理】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
半径レベルmの指定した全対象に【妖気】から創造した【妖怪料理】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。

礼儀がなっとらんなぁ
食い意地の張った悪鬼ども、灸を据えてやろう
路地裏の闇に紛れて接近し、√能力を使用
敵群に向けて『赤雷』を放ち
電撃による目くらましとマヒ攻撃で牽制・足止め
怪力を誇る『鉄腕』で握り拳を固め、横合いからぶん殴る
目を覚ませ
事を起こす前の今なら、まだ情けをかけてやる
とっとと帰って反省することだぁ
被害の拡大を防ぐ為
敵群を『電線』で縛り進軍を止めさせることに注力
掻い潜ろうとするものは『短剣』を投擲して止める
すべての攻撃を凌ぐことは出来ないかも知れんが
マヒ攻撃や不意打ち、気絶攻撃(拳)、拘束等で
勢いを殺すことは出来るだろう
ほら、お前たち
「ごめんなさい」は?
●悪の百鬼夜行
「ここが√EDENか!」
「この世界は美味い食べ物がいっぱいあるってよ!」
「そりゃ楽しみだ!!」
洗脳されたさまざまな妖怪達がぞろぞろと『悪い百鬼夜行』となり、√EDENの東京浅草に姿を見せる。
「礼儀がなっとらんなぁ。食い意地の張った悪鬼ども、灸を据えてやろう」
それを待ち構える改造人間のセイラ・ノートルダム(雷火は吼えているか・h01755)が路地裏の闇に紛れて接近し、√能力『|放電《ディスチャージ》』を発動する。
バチッという音と共に人工躯体の原動力【赤雷】を放電し、眩い閃光と電撃が叩き込まれて妖怪達の眼を晦ませ麻痺させた。
「グゲッ! 眩しいッ!?」
「か、身体が……痺れて………」
ご機嫌に先頭を歩いていた蛙と犬の妖怪が驚き顔で足を止めていた。
「目を覚ませ」
そこへセイラが【鉄腕】で握り拳を固め、横合いからぶん殴ってぶっ飛ばした!
「ペギャァ!!!」
「な、なにをす――げぇっああああ!!!!」
問答無用でセイラは妖怪どもを殴り倒す。
「事を起こす前の今なら、まだ情けをかけてやる。とっとと帰って反省することだぁ」
行進を止めるように、近づいてくる妖怪を殴って止めた。
「なんだっ!? √能力者か?」
「俺たちの行進を邪魔させねぇぞ! 突っ込め!!」
妖怪達は強引に突破しようと突撃を開始した!
「強引に突っ込んで突破できると思ったかぁ?」
対してセイラは【電線】を敵群に巻きつけて電気を流し、痺れさせて足止めした。
「俺の身体ならすり抜けられる!」
「見えてるぞぉ」
小さなネズミの妖怪が掻い潜って駆けるが、その目の前に【短剣】を投げて突き刺し正面衝突させた。
「うぎゃッ!」
そうして現れる妖怪達をぶん殴ってセイラは洗脳を解いていった……。
「あれ……? 俺たちなにしてたんだっけ」
「ええっと、そうだ。美味いもんが食えるって話に乗って……」
「どうやら正気に戻ったようだなぁ」
正気に戻った妖怪達は操られてとんでもない悪さをしでかそうとしていた事を理解する。
「ほら、お前たち。「ごめんなさい」は?」
「「ご、ごめんなさい!!」」
セイラがそう言うと、妖怪達は土下座して謝った。だが操られる妖怪達はまだまだ√を渡ってくる。
「まだまだ殴られたい妖怪がいるようだなぁ」
すぐにセイラは次の妖怪をぶん殴りに向かった。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ絡み共闘大歓迎
何処の世界にも破ったらいけない暗黙のルールがあるでしょうに
なんでこういう手合は唯我独尊なんだろうね
一般人の被害が出ないこと最優先
基本は【レイン】で対処
大通りや住宅エリアには行かせない為に
レインで攻撃しつつ、誘導をする
弾道計算や誘導シミュレーションはアシスタントAIのIris(以下アリスさん)に依頼
(アリスさんの口調お任せ。驚きの辛辣さ希望)
「アリスさん、効率優先で行こう
牽制は煙霞、近接は【香煙】で対応
囲まれる、孤立が怖いからね
声掛けあってフォロー出来るようにするよ
他所でハメ外すなんて恥ずかしい
ほら、さっさと散った散った!
「何処の世界にも破ったらいけない暗黙のルールがあるでしょうに。なんでこういう手合は唯我独尊なんだろうね」
|斯波・紫遠《しば・しおん》(くゆる・h03007)はルールを破り好き放題しようとしている古妖『隠神刑部』を止めようと、ぞろぞろと現れる百鬼夜行の進路上で待つ。
「なんだぁ? 邪魔するヤツがいるのか?」
「さっさと進めよ! 俺は暴れたいんだ!!」
洗脳によって理性が抑えられ本能剥き出しとなった鬼が金棒を振り回して押し通る。
「大通りや住宅エリアに行かれたら被害が出る。アリスさん、誘導シミュレーションをお願い」
紫遠がタブレット端末【analysis】に呼び掛けると、アシスタントAIの【Iris】がすぐに返事を返す。
『洗脳された間抜けな妖怪どもを誘導して始末する方法ですね? すぐに算出します』
「始末ではなく撃退なんだけど……」
女性の落ち着いた声で丁寧でいながら辛辣な言葉が聞こえ、すぐにシミュレーションが行われ最適なプランが幾つか提示される。
「お勧めのプランはじわじわと痛めつけ、√を渡って来た事を後悔させて仕留めるものになります」
「アリスさん、効率優先で行こう」
「そうですか、それではこちらを――このように袋小路に集めれば、間抜けな妖怪連中を一網打尽で殲滅できるでしょう」
その言葉を予想していたように詳細なプランが表示された。
「ありがとう。殲滅はしないけど、それで行こう」
紫遠は頷いてすぐに√能力『決戦気象兵器「レイン」』を発動し、演算された弾道計算データと連動してレーザー光線を少しばかり降らせた――。
「うぉっ!?」
「グァアッ!!」
光線が妖怪達を掠め、その視線が紫遠に向けられた。
「テメェの仕業か!」
「まずはお前を血祭に上げてやるぜぇ!」
自らの血で興奮した妖怪達が駆け出してくる。
「こっちだよ」
紫遠は投げナイフ【煙霞】を投げて先頭の妖怪の体勢を崩し、敵の足を乱れさせると打刀【香煙】を抜いて振り抜かれる金棒を受け流す。そして追いかけてきた敵の攻撃を凌ぎながら、袋小路へと誘導する。
「もう逃げられねぇぞ!」
「ぎったんぎったんにしてやらぁ!!」
妖怪達が追い詰めたとじりじりと近づいてくる。
「逃げはしない。そして逃がしもしないよ」
レインのレーザー光線を一斉に降らせ、雨のように光が降り注いで集まっていた妖怪達を薙ぎ払った!
「ぎゃああああ!!!」
「うわああああああっ!!」
悲鳴を上げて妖怪達が吹き飛び、叩きつけられて正気に戻っていく。
「他所でハメ外すなんて恥ずかしい。ほら、さっさと散った散った!」
「お、オレ達、操られてたのか?」
「やべぇ!! 帰ろう!」
紫遠が解散だと手を振ると、妖怪達は慌てて帰っていった。しかし入れ替わるようにまた新たな妖怪達が姿を見せた――。
🔵🔵🔵 大成功

SPD判定
狸の百鬼夜行って聞くだけなら可愛げもありますけど、実体はろくでもないですね。
戦闘に向けてマインドセット。
人に害為す妖怪共は、全て鎮圧してやろう。
「ドローン操縦」で浮遊砲台群及び『ハニカム』から発進させた『ホーネット』でお相手する。
数には数、が今できる最良手だな。かつての私は、よく無理を通したものだ。
砲台が「範囲攻撃」で「弾幕」を撒き、ドローンを突っ込ませてブレードで切り裂く。「戦闘知識」を元に、敵群の崩れやすいところから削っていこう。
投げつけられる大つづらは、ビームの雨でこちらに届く前に撃ち落とす。
敵群の数が多い。万一のため「オーラ防御」を張った上で、こまめに立ち位置を変えていこう。
「狸の百鬼夜行って聞くだけなら可愛げもありますけど、実体はろくでもないですね」
|ジュヌヴィエーヴ・アンジュー《G e n e v i è v e A n j o u》(かつての『神童』・h01063)は人を害する百鬼夜行を前に、戦闘用にマインドセットして集中する。
「人に害為す妖怪共は、全て鎮圧してやろう」
【|浮遊砲台群《ファミリアセントリー》『アルテミシア』】を浮かべて展開し、【|無人機母艦《レギオンフォートレス》『ハニカム』】から戦闘用ドローン『ホーネット』を次々と発進させる。
「なんだぁ? 戻っていく奴がいるぞ?」
「へっ、違う√に行くのにビビったのか? 情けねぇ!」
妖怪達は逃げ帰る連中を笑いながら路地裏に足を踏み入れる。
「攻撃開始――」
そこへジュヌヴィエーヴが命令を発し、浮遊砲台群が一斉に砲撃を開始して弾幕を張った。
「うぁっ!?」
「いきなりなんだぁ!!!」
出端を挫かれ怯んだところにドローンが次々と襲い掛かり、ブレードで切り裂かれる!
「数には数、が今できる最良手だな。かつての私は、よく無理を通したものだ」
「ぎゃっ!!!」
「うげぇっ待ち伏せだとぉ!?」
空襲を受けた妖怪達が不意を突かれてバタバタと倒れていく。
「野郎! 調子に乗りやがって!!」
「吹っ飛ばしてやるぜ!!!」
仲間がやられて怒る妖怪達が大つづらを次々と放り投げる。
「あれに巻き込まれては厄介だ。届く前に落とすとしよう」
ジュヌヴィエーヴは届く前にビームの雨で大つづらを撃ち落とした。
「届かねぇ!」
「もっと近くからぶつけちまえ!!」
脚の早い犬の妖怪が背中に背負って駆け出す。
「足が速かろうと、空からの追撃には敵わない」
ドローンが空から急降下して襲い掛かり、つららごと犬を切り裂いて爆発させた!
「うげぇえあああ!!!」
吹き飛んだ犬妖怪が壁に叩きつけられる。
「正気に戻って自分の√に帰るんだな」
次々と弾幕に妖怪が撃ち倒され、痛みに洗脳が解けてキョロキョロと周囲を見渡した。
「イタタ……ここどこだ?」
「そういや、違う√に攻め込む百鬼夜行に参加しちまってた!!」
「こっちの世界に迷惑は掛けられねぇ! 帰るぞ!!」
我に返った妖怪達はこれは拙いと慌てて逃げ帰っていった。
🔵🔵🔵 大成功

「お、ここか、奴らがいるってんのは。」
…やれやれ、またか。最近は、古妖どもが活発だなぁ。と思いつつ、百鬼夜行の前に立ち塞がる。
攻撃は元の姿の鉤爪で。「イイ切れ味だろう?」
回避は翼を使って。「おいおい、遅いぜ妖どもぉ!」
動揺している人に声をかけて避難を促したり、
共闘者がいたら、変身を使って盾になったりします。
「さてと、隠神刑部はどこにいる?」
「お、ここか、奴らがいるってんのは」
|蒲牢・鳥風《ほろう・ちょうか》(人妖「龍生九子の三・蒲牢」のレゾナンスディーヴァ・h05913)が路地裏に足を踏み入れると、新手の妖怪達がぞろぞろと姿を見せる。
「……やれやれ、またか。最近は、古妖どもが活発だなぁ」
迷惑なことだと思いつつ百鬼夜行の前に立ち塞がり、人の姿から蒲牢――角を持たぬ龍の如き元の姿となる。
「ああん? 妖怪か?」
「仲間に入れて欲しいなら後ろに並ぶんだな!!」
「これから人間とたっぷり遊ぶぞ!!」
妖怪達が仲間だと思い無防備に近づく……。
「いいや、俺はお前らと遊ぶつもりだぁ!」
鳥風は鉤爪で目の前の狐や猫の妖怪を切り裂く!
「ぐぇぇええっ!?」
「ィギャッ!!!」
悲鳴を上げて妖怪達が吹き飛んだ。
「イイ切れ味だろう?」
驚いて足を止める妖怪達に挑発するようにニヤリと笑ってみせる。
「何をしやがる!!」
「邪魔するならテメェからボコボコにしてやるぜ!!!」
頭部だけの妖怪が噛み付いてきて、傘の妖怪が飛び蹴りを放つ。
「おいおい、遅いぜ妖どもぉ!」
「ぎゃあああああああっ!!!」
それを鳥風が翼を羽ばたかせて飛んで回避しながら嘲笑い、反撃に尾を叩きつけて薙ぎ払った!
「なんで妖怪のくせに邪魔しやがる!!」
「俺らの行進を止められると思うなよ!!!」
「いいぞ、幾らでも掛かって来い!」
妖怪達が一斉に突撃してくるが、鳥風は飛び回りながら反撃し、大立ち回りで叩き伏せていった。
「な、なに!?」
すると騒動は広まり近くの人間の女性がその光景を目にして硬直する。
「おっと、ここで喧嘩が起きているから危ない。向こうに逃げた方がいい」
「は、はい……!」
鳥風が人の姿になってこの場から離れるように促すと、我に返った女性が慌てて逃げていった。
「待ちやがれ!」
草鞋の妖怪が追い駆けようとするが、鳥風は再び元の姿になって尻尾でカウンターを叩き込み吹き飛ばした。
「いでぇええ!!」
「いちちっ……あれ? なんでこんなとこにいるんだ……?」
痛い目に遭った妖怪達は洗脳が解けて、記憶が混乱しながらも今どういう状況なのかを思い出していく。
「さてと、隠神刑部はどこにいる?」
「隠神刑部……そうだ! あいつに会ってからなんかふわふわした気持ちになったんだ!」
「あの狸は百鬼夜行の最後尾だよ。オレらは露払いだ」
鳥風の問いかけに正気に戻った妖怪達が素直に答えた。
「最後尾か……ならもうしばらく暴れないといけないようだなぁ」
次々と√を渡って来る妖怪の前に立ち塞がり続けた――。
🔵🔵🔵 大成功

ふん、狸は質の悪いのが相場であるが、此度は大概じゃな
余は広い場所より、狭い裏路地の方が得手じゃぞ?
狸の使い走りになった者、正気に戻ればよいが…死ぬほど痛いのは覚悟してもらおう
狭い所での乱戦とあれば【常山蛇勢】で獅子奮迅と暴れまわってやろうではないか
一般人がいたら前に出て庇いつつ、反撃攻勢で確実に守ろうぞ
「頭を打たれれば尾が、尾が打たれれば頭が、胴が打たれれば双頭が襲い掛かる常山の蛇勢…この情勢で加減はいらぬな?」
ニヤリと狂暴な笑みを浮かべる
悪しき狸の愚行は、余が狐として正してやらねばなるまいな?
狸が相手となると普段より抑えが効かず少し獰猛になるお狐様
一般人には笑顔は向けるが何か怖い感じが出てる
「そらそら妖怪さまのお通りだぁ!」
「お狸さまが通るぞ! 道を開けろぃ!!」
操られる妖怪達の百鬼夜行が√を渡って続々と現れ、隠神刑部の露払いをしようと人多い場所を目指す。
「ふん、狸は質の悪いのが相場であるが、此度は大概じゃな」
|天照院・狐々音《てんしょういん・ここね》(万里一空の剣狐・h04963)は人を喰らいにやって来る狸の百鬼夜行に顔をしかめる。
「余は広い場所より、狭い裏路地の方が得手じゃぞ?」
路地裏から出る前に叩こうと、狐々音は堂々とその前に立った。
「なんだぁ?」
「人に化けてる狐の妖怪か?」
妖怪達は狐々音の狐耳と尻尾を見てそう推測する。
「仲間に入れてほしいのか? だったら後ろに並びな!」
「そうそう、これから街に繰り出すんだからよぉ! 楽しい楽しい百鬼夜行だぜ!」
人々を害する大行列を楽しもうと誘ってくる。
「完全に洗脳されておるな……ここは通さん。通りたくば余を倒していくがよい」
妖怪達の誘いをすっぱりと断り、この先には行かせないと立ち塞がる。
「ああん? 俺らの百鬼夜行を邪魔するってのか!」
「面白れぇ! ぶっ倒して進んでやるぜ!!」
妖怪達が迫り路地を埋め尽くすようと突撃し、その腕で殴りつけ、脚で蹴り、金棒を振り下ろす!
「狸の使い走りになった者、正気に戻ればよいが……死ぬほど痛いのは覚悟してもらおう」
対して狸相手に自然と荒ぶる狐々音は√能力『|常山蛇勢《ジョウザンノダセイ》』を発動し、攻撃を受けた瞬間に殴り返し、蹴り返し、鞘に入れたままの刀でぶん殴り、獅子奮迅の暴れっぷりで妖怪達を薙ぎ払い、受けた傷を片っ端から回復してしまう。
「頭を打たれれば尾が、尾が打たれれば頭が、胴が打たれれば双頭が襲い掛かる常山の蛇勢……この情勢で加減はいらぬな?」
ニヤリと狂暴な笑みを浮かべると、狐々音は叩き伏せていった。
「ひぇっ! 止められねぇ離れろ!!」
「無理だ! こんな狭い場所じゃ――!」
路地で多く集まれば距離を取る場所もない。妖怪達は蹂躙されて地に伏せた。
「な、なにこれ……」
転がった妖怪を偶々た通りがかった一般人が見て驚く。
「なに、ただの酔っ払いじゃ。気にせんで構わん」
「ひゃっ! わかりました!」
そんな一般人に向かって狐々音が笑みを向けるが、獰猛な空気が伝わり慌てて去っていった。
「そら、もう正気に戻ったじゃろ。起きて帰るのじゃ」
「へ、へい!!」
「失礼しやした!!!」
倒れている妖怪をこつんと蹴り、狐々音は正気に戻った妖怪達を元の√へ追い返した。
🔵🔵🔵 大成功

【風花】
【アレンジアドリブ歓迎】
一般人を巻き込まないようにするのが一番大切でしょうか。
しかし、もたもたしていると隠神刑部が逃走してしまうと…ふむ。
強烈な一撃を叩き込めば正気に戻るのでしたら、√能力【竜漿魔眼】で弱点を見つけては風に報告して、
妖怪に「面」を喰らわせてやりましょう。
風の兜割は強烈ですからね。
私も稽古で一撃貰って1日医療室で過ごしました。覚悟した方がいいです。

【風花】
【アレンジアドリブ歓迎】
東京の浅草だ。また全部終わったら観光しよう。
蓮は稽古みたいに打ち込んでほしいって言ってた。
今回のぼくがする役目はそれだけで良い。って。
そういうことなら任せてほしい。
一撃で妖怪の頭をかち割る…え?正気に戻せばそれでいい?ちえっ
「東京の浅草だ。また全部終わったら観光しよう」
朝霞・風(忘失の竜姫・h02825)が物珍しそうに辺りを見回すが、今は戦いに集中しなくてはと前を向いて人気のない路地裏に足を踏み入れる。
「一般人を巻き込まないようにするのが一番大切でしょうか。しかし、もたもたしていると隠神刑部が逃走してしまうと……ふむ」
朝霞・蓮(遺失の御子・h02828)はぞろぞろと妖怪のお代わりが現れる状況を見てどう対処するか思案する……。
「強烈な一撃を叩き込めば正気に戻るのでしたら、√能力【竜漿魔眼】で弱点を見つけては風に報告して、妖怪に「面」を喰らわせてやりましょう」
シンプルに強烈な一撃を叩き込むことで、素早く倒すことができるはずだと作戦を伝える。
「おらおら! 邪魔だ!」
「なにしてんだこいつら?」
新たに現れた妖怪達は地面に転がった同胞を見て蹴り飛ばす。
「全然進んでないじゃねぇか!」
「もうすぐ狸の旦那が来る! 急いで花道を作るぞ!」
大急ぎで人の多い繁華街までの道を作ろうと妖怪達が行進する。
「蓮は稽古みたいに打ち込んでほしいって言ってた。今回のぼくがする役目はそれだけで良い。って」
だがその前に風が立ち塞がって【大太刀『業物』】を抜き放って構える。
「そういうことなら任せてほしい。一撃で妖怪の頭をかち割る……」
「いえ、正気に戻すだけでいいんです」
「え? 正気に戻せばそれでいい? ちえっ」
蓮が訂正すると、風は残念そうに大太刀を鞘に入れた。
「どけっ!」
赤い肌の大鬼が金棒を振り上げると、蓮が√能力『竜漿魔眼』を発動し右目燃え上がらせて敵の「隙」を見通す。
「右に回り込んでください!」
「わかった――」
蓮の指示に従い風は素早く右に回り込んで金棒を躱し、側面から大太刀を真っ直ぐ振り下ろして頭に叩きつけた!
「ぎゃっ!!」
鞘に納まった刃では切れはしない。しかし鈍器としては十分な威力を持つ。大鬼は一発で昏倒して大地に伏した。
「おい! 赤鬼が一発でやられちまったぞ!!」
「こいつ、ちびこいくせに強ぇえ!」
力自慢の赤鬼が簡単にやられてしまい、思わず妖怪達の動きが止まる。
「風の兜割は強烈ですからね。私も稽古で一撃貰って1日医療室で過ごしました。覚悟した方がいいです」
蓮が警告すると同時に、風は足を止めた妖怪に容赦なく大太刀を叩き込んだ!
「あぎゃっ!!!」
「畜生! やられる前にやっちまえ!!」
負けじと妖怪達も一斉に突撃してくる。
「風、囲まれないように気を付けてください」
「任せて……スピードならこっちの方が速い」
風は動き回って敵に包囲されないように距離を取り、近づく敵を叩き伏せていく。
「数が多いですね。こちらも少し手伝いましょう」
蓮は敵の進行を遅らせるように銃弾を撃って牽制する。
「くそっ! 鬱陶しい!!」
「鉄砲を持ってるあいつを叩くぞ!」
銃を撃つ蓮にヘイトが向いた瞬間、風が死角から襲い掛かって大太刀で殴り倒していった。
「隙だらけ」
「ぐぎゃあああっ!!」
「星が飛んでる~………」
強烈な一撃を頭に受けた妖怪達がふらふらと倒れる。
「この野郎!!」
提灯の妖怪が飛び掛かるが、風は後退しながら自らの間合いを保ち大太刀を振り下ろして叩き伏せる。
「腕っぷしが強くても、あっしの音色の前には無力なり」
ならばと琵琶の妖怪が音を鳴らして風に精神攻撃を仕掛けようとする。
「音による攻撃ですか。風、すぐに弦を切ってください」
「弦……これかな」
風が大太刀を振り抜いて琵琶に張られた弦をプツンと断つ。
「ああっ! これじゃああっしの音色が聴かせられねぇ!! なんてことをす――ぶぎゃっ!!!」
問答無用で風は琵琶の妖怪をフルスイングでぶっ飛ばした。
そうして蓮が冷静に敵の能力と隙を探り、風が暴れ回ることで連携して妖怪達をぶっ倒していった……。
「すいやせんでした!」
「ご迷惑をおかけして申し訳ありやせん!!」
正気に戻った妖怪達が頭を地面につけて謝り、大きなたんこぶを押さえながらそそくさと元の√へ帰っていく。
「どうやらこれで操られていた妖怪達の行進は終わりのようです」
「もう終わり?」
蓮が途切れることなく続いていた妖怪の行列が途切れたのを見てそう告げると、ようやく身体が温まってきたところだった風が残念そうに大太刀を肩に担ぐ。
「いいえ、ここからが本番です。この百鬼夜行を起こした真打が登場するはずです」
「そう、なら今度は頭をかち割っていいよね」
「ええ、次は手加減せず叩き割ってください」
蓮の説明に風がワクワクした様子で敵を待つ。すると百鬼夜行の最後尾に、大柄の狸の妖怪が姿を見せた――。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第2章 ボス戦 『暴妖「赤鬼熊」』

POW
狂瀾怒濤の|魔顎《アギト》
【突進】による牽制、【のしかかり】による捕縛、【かみつき】による強撃の連続攻撃を与える。
【突進】による牽制、【のしかかり】による捕縛、【かみつき】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD
疾風怒濤の|魔爪《クロー》
【鬼熊の殺気】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【破心魔爪】」が使用可能になる。
【鬼熊の殺気】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【破心魔爪】」が使用可能になる。
WIZ
蹂躙怒涛の|鳴動《ロアー》
【極大の咆哮】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
【極大の咆哮】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
●狸が化けるは赤鬼熊
「んん? どうなっていやがる? 何で誰もいやがらねぇんだ?」
人間サイズの狸の古妖『隠神刑部』が酒を飲みながら揚々と√を渡って、そこで既に百鬼夜行によって道を作っているはずの妖怪達が誰も居ないことに首を傾げる。
「まさか……百鬼夜行が予知されてたってのか!」
待ち伏せされていたことに思い至って飲んでいた酒瓶から慌てて口を離す。
「こっちの√能力者どもか!! ちっ、妖怪どもが残っていりゃ紛れて街に入り込めたが、こうなったら力尽くで押し通るしかねぇ!!」
隠神刑部が葉っぱを頭に乗せると、ポンッと煙を放って全身を隠し、煙の中から巨大な赤毛の熊となって姿を現した。
「√能力者を喰えば滋養になる。その後に人間どもをたらふく喰らってやるぞぉおおおおおお!!!」
『暴妖「赤鬼熊」』に化けた隠神刑部が咆え、腕の一振りで周囲のコンクリ塀を簡単に粉砕しながら繁華街を目指す。
それを阻止して押し戻し、√妖怪百鬼夜行に追い返そうと√能力者達は攻撃を仕掛ける――。

ふん、ようやっと姿を見せたか
小細工を弄して上手く行かねば暴れるだけとは、我儘な餓鬼そのものじゃな?
「見た目を巨躯にしようと、肝心の中身が小さいままでは羊頭狗肉というものよな」
普段とは違う体躯で思い通り動くのは難しいものぞ?
一般人相手ならともかく、戦い慣れた√能力者にそのような粗雑な戦いを仕掛けるとは慢心極まりなしじゃ
大振りの隙を突き、ヒットアンドウェイでダメージを重ねていく
「巨躯の攻撃は範囲も広いが、的としても大きいという事を忘れておらぬかな?」
ある程度追い詰めたら【八門日輪天照射砲】を使用
「此度は四門で良かろう…さあ、日輪の輝きと熱さに屈するがよい!」
余の剣の錆にするのは、押し戻してからじゃ
「ふん、ようやっと姿を見せたか」
|天照院・狐々音《てんしょういん・ここね》(万里一空の剣狐・h04963)は無様な狸を笑い飛ばす。
「小細工を弄して上手く行かねば暴れるだけとは、我儘な餓鬼そのものじゃな?」
「なんだとぉお!?」
挑発する言葉に赤鬼熊と変じている隠神刑部が怒りを露わにする。
「テメェから厭な狐のくせぇ臭いがしやがるぜ!! 狐なんぞ腹の足しにもなりゃせんが喰らってやるわ!!」
挑発には挑発を返し、赤鬼熊が牙を剥いて迫ってくる!
「見た目を巨躯にしようと、肝心の中身が小さいままでは羊頭狗肉というものよな」
狐々音は焦りもせず短絡思考に呆れた視線を向ける。
「普段とは違う体躯で思い通り動くのは難しいものぞ?」
真っ直ぐ突っ込んでくる熊の巨体を横に跳んで躱す。すると勢い余って赤鬼熊は電柱にぶつかり、頑丈なはずの電柱を容易くへし折って押し倒した。
「一般人相手ならともかく、戦い慣れた√能力者にそのような粗雑な戦いを仕掛けるとは慢心極まりなしじゃ」
威力が高くとも当たらなければ意味がないと、その隙に狐々音は【霊剣天狐月閃】を抜き放って背中を斬りつけた!
「ギャッ!! おのれこの女狐めがっ! ガアアアアアアアアア!!!!」
背中から血を流した赤鬼熊が振り向きながら丸太のような腕を振るう。
「巨躯の攻撃は範囲も広いが、的としても大きいという事を忘れておらぬかな?」
狐々音はそれを屈んで避け、霊剣を斬り上げて腕に斬りつけた。
「グガッ!! 調子に乗るな女狐ぇええええええええ!!!!」
咆える赤鬼熊が折れた電柱を持ち上げて振り回す。
「此度は四門で良かろう……さあ、日輪の輝きと熱さに屈するがよい!」
狐々音が√能力『|八門日輪天照射砲《ハチモンテンショウシャホウ》』を発動し、四基の砲門鳥居を召喚し太陽の如き光線を一斉に放って電柱を砕き、赤鬼熊を貫いた!
「ぐあああああああああっ!!! あぢぃいいいいっ!!!!」
赤鬼熊の全身が燃え上がり、悲鳴を上げて情けなく地面を転がって炎を消す。
「余の剣の錆にするのは、押し戻してからじゃ」
狐々音は決着は剣でつけてやろうと思いながら、まだ元の狸の姿に戻らぬ敵を見下ろした。
🔵🔵🔵 大成功

「よお、隠神刑部。元気してるか?」
——隠神刑部。自分の主人もかつて戦ったという古妖。
ならば全力で相手をしなければならない。
「さあ隠神刑部、熊と龍のどちらが強いか思い知らせてやるよ。」
基本をヒット&アウェイに、挑発しつつ、乗ってくれるならこちらのもの。
√能力 |龍生九子不成龍《ロンシェンリョウズ》で鐘に変身して驚かせその後、
キジに変身して気を惹きつけ、繁華街から遠ざかるよう誘導し、その先で倒すことに注力します。
そして繁華街から引き離したなら、インビジブル化で一気に仕留めようとします。
「さあ、さっさと戻って寝ることだ。」
※アドリブ・アレンジ歓迎
「クソッこの√能力者が待ち構えてる場所は駄目だ。移動して人間の多い場所に移動せねば……なんだと、龍……か?」
ダメージを負った赤鬼熊が路地裏から出ようと道を進む。しかしその前に龍らしきものが立ち塞がった――。
「よお、隠神刑部。元気してるか?」
龍に似た蒲牢の姿をした|蒲牢・鳥風《ほろう・ちょうか》(人妖「龍生九子の三・蒲牢」のレゾナンスディーヴァ・h05913)が気さくに呼び掛ける。
「俺様を知っているのか? ちっ、この欠片の俺様じゃあ記憶が足りやしねぇ」
赤鬼熊は舌打ちして首を横に振った。
(——隠神刑部。自分の主人もかつて戦ったという古妖。ならば全力で相手をしなければならない)
だが内心は一切の油断なく、古妖の動きを見逃さぬように鋭い目を向けていた。
「さあ隠神刑部、熊と龍のどちらが強いか思い知らせてやるよ」
「龍もどきか、ならば何も恐れることなどない。蛇と同じように良い滋養となる! 俺様が喰らってやる!!!」
蒲牢の姿を見ても獲物と捉えた赤鬼熊が大きな口を開けて近づく。
「喰えるものなら喰ってみろ」
そう挑発しながら鳥風が√能力『|龍生九子不成龍《ロンシェンリョウズ》』を発動して念じていた。
「虺五百年化為蛟、蛟千年化為竜、再五百年為角竜、千年為応竜」
すると鳥風の姿が鐘の姿に変身した!
「なんだっ!? 鐘だとぉ?」
驚いた赤鬼熊があんぐりと口を開ける。その間に鳥風はキジに変身して熊の周りを飛び回り、人気の無い路地裏の奥へと誘導する。
「俺様と同じように|変化《へんげ》する能力を持ってやがるのか!」
赤鬼熊となっている所為か、本能的に逃げる者は追い駆けたくなり、キジを追って奥へ奥へと入り込んでいく。
(よし、こちらに来ているな。なら一気に仕留めるとしよう)
ちらっと敵が付いてきてるのを確認した鳥風はインビジブル化して角を生やし本物の龍らしき姿となり、刃のような爪で赤鬼熊の頑丈な体を引き裂いた!
「うぐあぁああああああああああ!!!!」
赤鬼熊の身体に何本もの赤い爪痕が刻まれ、血が流れ落ちて赤毛が深紅に染まる。
「さあ、さっさと戻って寝ることだ」
元の√に尻尾を巻いて帰らせるように、鳥風は尾を叩きつけ赤鬼熊を吹き飛ばしてボールのように地面に転がした。
🔵🔵🔵 大成功

POW判定
出てきたか、化け狸。身体構造を組成から変える効果は興味深くはあるが、敵性体である以上、攻撃を躊躇う理由にはならない。
手頃な建物の上から、火器管制レーダーと無人機をリンクさせて戦場を俯瞰する。
「ドローン操縦」で浮遊砲台群と無人機による「レーザー射撃」で、火力を集中。これだけでは突進は止まらぬだろうな。第二波用意。
次がある以上、あまり手の内は晒したくないのだが。「牽制射撃」で出鼻をくじき、『ホーネット』群に刃による刺突を命じる。深々と突き刺さったら、そのままそこで自爆しろ。
これでも、もう一手足りないか?
これで最後だ。残存戦力は敵性体の後肢に攻撃を集中。足を破壊すれば、移動もままなるまい?
「出てきたか、化け狸。身体構造を組成から変える効果は興味深くはあるが、敵性体である以上、攻撃を躊躇う理由にはならない」
|ジュヌヴィエーヴ・アンジュー《G e n e v i è v e A n j o u》(かつての『神童』・h01063)は近くの民家の屋根に上り、【火器管制レーダー『ミネルヴォワ』】と無人機をリンクさせて戦場を俯瞰していた。
「クソッたれめぇ。この俺様がこんな傷を負うなんて!! 仕方ねぇ、√能力者をぶち殺す前に人間を喰らって傷を癒してやるぜ!」
火傷を負い、爪で裂かれ血を流す赤鬼熊は路地裏から出ようとする。
「行かせると思ったか?」
そこへジュヌヴィエーヴが【|浮遊砲台群《ファミリアセントリー》『アルテミシア』】と【無人機群『ホーネット』】を操作して空からレーザーによる射撃を叩き込んだ!
「ぐぁあああ!!! なんだぁ!? あの虫みたいなカラクリが撃ってやがるのか!!」
身体のあちこちに小さな穴を穿たれた赤鬼熊が忌々しそうに見上げる。
「だがこんなもんじゃ俺様は止まらねぇ!!」
撃たれながらもその丈夫な体で耐え、前に進んでいく。
「これだけでは突進は止まらぬだろうな。第二波用意」
予想通りだと既にジュヌヴィエーヴは次の攻撃の準備を整えていた。
「次がある以上、あまり手の内は晒したくないのだが。「牽制射撃」で出鼻をくじき、『ホーネット』群に刃による刺突を命じる。深々と突き刺さったら、そのままそこで自爆しろ」
命じられたホーネットの群れが一斉に突撃を敢行する。
「邪魔だ!!」
それを赤鬼熊が腕を振るって吹き飛ばす。しかし全てを払うことはできない。身体のあちこちに刃を突き刺し、そのまま自爆して零距離で爆発した!
「うぐあああああああああああ!!!!!!!!」
衝撃に赤鬼熊がよろけて壁にぶつかった。
「クソ共がぁあアアアアアアアア!!!!!」
怒り心頭で赤鬼熊は強引に壁破ってショートカットしようとする。
「これでも、もう一手足りないか?」
まだ動ける丈夫な敵を見下ろし、ジュヌヴィエーヴはさらなる命令を発する。
「これで最後だ。残存戦力は敵性体の後肢に攻撃を集中。足を破壊すれば、移動もままなるまい?」
残ったホーネットが後肢に突撃して爆発し、防具のように強靭な皮膚を破ると浮遊砲台がレーザーを撃ち込んで肉を深く抉った。
「いっぎゃああああああああああ!!!!!」
激痛に苦しそうな声を上げ、赤鬼熊が倒れ込みのたうち回った。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ絡み共闘大歓迎
やっと途切れたと思ったら次はこれか
息つく暇もないんだねぇ
人の命がかかってるし、最後まで気を抜かずにいこう
好きに暴れまわられると被害しか出ないからね
嫌がらせのように動こうか
【煙雨】で相手の動きを制限するようにしてみる
一番効果的なのは目潰しかな、アリスさんや
プランと制御はアリスさんにお任せ
(アリスさんの口調はお任せ、驚きの辛辣希望)
それでこっちに注意が向いてくれれば僥倖
獣は火を怖がるのだろう?ならば、コレはどうかな
お行儀が良ければこんなことにはならなかったんだろうけどね
ま、ボスがボスだからしかたねぇな
「やっと途切れたと思ったら次はこれか。息つく暇もないんだねぇ」
|斯波・紫遠《しば・しおん》(くゆる・h03007)は一服したい気持ちを我慢して目の前の赤毛の熊に集中する。
「人の命がかかってるし、最後まで気を抜かずにいこう」
まだここは市街地。近くに人々がいる場所で油断はできないと隙を見せずに敵の様子を覗う。
「ガァアアアアアアアアアア!!!!!」
満身創痍の赤鬼熊が大きな口を開けて咆える。その巨大熊の姿は人など容易く喰い殺してしまいそうだった。そしてぼろぼろになった血塗れの脚を引きずり市街地を目標に進もうとしている。
「好きに暴れまわられると被害しか出ないからね。嫌がらせのように動こうか。一番効果的なのは目潰しかな、アリスさんや」
『了解しました。マスターの性格の悪さを表すような攻撃をご所望ですね。では【煙雨】による集中砲火がよろしいでしょう』
呼びかけに応じてアシスタントAIの【Iris】が計算し、【煙雨】の照準を合わせてくれる。
「性格が悪いのは……いや、ありがとう。それじゃあ始めようか」
『いつでもどうぞ』
紫遠が【煙雨】を使い、アリスに照準を撒かせて細い煙のようなレーザーを次々と発射して目を狙う。
「グァッ!!」
目という急所を狙われ、赤鬼熊は咄嗟に腕で庇う。そして攻撃してきた紫遠に殺気を向けた。
「邪魔するなああああああああああ!!!!!」
(こっちに注意が向いてくれれば僥倖)
狙いを紫遠に変えた赤鬼熊がドシンドシンと重量級の身体で迫る。
「獣は火を怖がるのだろう? ならば、コレはどうかな」
対して余裕を失わずに紫遠が√能力『|【狗神】憑型《ウラミノイチゲキ》』を発動し、狗神の|宿怨《怨讐の炎》を纏った。
「グァ!!!! グガァアアアアアア――」
炎に思わず本能で怯んだ赤鬼熊が僅かに動きを止める。だがすぐに我に返って大きく口を開け咆哮によって攻撃しようとする。しかしその隙は大き過ぎるものだった。
紫遠は隙を見逃さず、打刀【香煙】を居合で放つ――刃は赤鬼熊の胸の分厚い皮膚と肉を裂き、白炎に焼かれながら血が噴き出す!
「ぐあああああああああ!!!!」
致命傷を負った赤鬼熊が叫んでよろめき、壁にぶつかってコンクリ塀が崩れた。
「お行儀が良ければこんなことにはならなかったんだろうけどね。ま、ボスがボスだからしかたねぇな」
人を喰らう熊など決してこの√で存在を許しては置けないと、紫遠は白炎に包まれる熊の姿がぼやけ始めるのを見ていた。
「いかん、此のままでは拙い! 一度戻って仕切り直しだ!!」
慌てて赤鬼熊が路地裏の暗い陰、世界の繋がった場所に飛び込んで逃げ込んだ。
「元の√に逃げたな、追おう」
紫遠が呼び掛け、√能力者達は逃がさぬように後を追って飛び込んだ――。
🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『隠神刑部』

POW
刑部百十二変化
10÷レベル秒念じると好きな姿に変身でき、今より小さくなると回避・隠密・機動力、大きくなると命中・威力・驚かせ力が上昇する。ちなみに【十二神将】【巨大化九十九神】【えっちなおねえさん】への変身が得意。
10÷レベル秒念じると好きな姿に変身でき、今より小さくなると回避・隠密・機動力、大きくなると命中・威力・驚かせ力が上昇する。ちなみに【十二神将】【巨大化九十九神】【えっちなおねえさん】への変身が得意。
SPD
変幻百鬼夜行
「全員がシナリオで獲得した🔵」と同数の【化術の得意な配下の化け狸達】を召喚する。[化術の得意な配下の化け狸達]は自身の半分のレベルを持つ。
「全員がシナリオで獲得した🔵」と同数の【化術の得意な配下の化け狸達】を召喚する。[化術の得意な配下の化け狸達]は自身の半分のレベルを持つ。
WIZ
忌まわしき神通力
【強力な神通力】により、視界内の敵1体を「周辺にある最も殺傷力の高い物体」で攻撃し、ダメージと状態異常【周囲のものが別のものに見える化かされ状態】(18日間回避率低下/効果累積)を与える。
【強力な神通力】により、視界内の敵1体を「周辺にある最も殺傷力の高い物体」で攻撃し、ダメージと状態異常【周囲のものが別のものに見える化かされ状態】(18日間回避率低下/効果累積)を与える。
●悪しき古妖を封じる祠
「クソッたれめ! まさかこの俺様がやられるなんてよぉ!!」
移動する隠神刑部が血に染まった熊の姿から元の大狸の姿に戻る。すると傷が消えダメージも消滅した。
そこは√妖怪百鬼夜行の町から少し離れた場所。邪悪な古妖を封じた祠がある寂れた場所だった。
「仕方ねぇ、こうなったらどこか違う繋がった場所を探して喰いに行くしかねぇな。ああ、妖怪どももまた洗脳して集めなくちゃならねぇ。クソッ、踏んだり蹴ったりだぜ」
苛立った隠神刑部が枯れ木を蹴り飛ばす。
「あん? ああ!?」
それが飛んだ先に、先ほど戦った√能力者の姿があった!
隠神刑部が流した血の跡を辿り、こっそりと尾行していたのだ。
「まさか追ってきやがったのか! クソがぁ!! なら返り討ちにしてやるっ。俺様の本気を見せてやらぁ!!」
酒瓶をぐいっとやって気合を入れ、追い詰められた隠神刑部はここからが本気だと妖力を高めた。
古妖を滅ぼすことはできない。再び封印しようと√能力者は弱らせる為に攻撃を仕掛ける――。

SPD判定
正体見せたな、化け狸。二度と悪さが出来ぬようにしてやろう。
無人機母艦より無人機『ホーネット』の群を射出。無人機制御装置で命令を下す。「レーザー射撃」で配下を掃討せよ。
今の段階では、配下もろくに呼べまいが。
浮遊砲台群は隠神刑部を「誘導弾」で集中攻撃だ。「弾幕」を張って抵抗力を奪え。
仕事が終わった『ホーネット』から、古妖に攻撃をシフト。自慢の配下は壊滅したようだぞ、隠神刑部。
「戦闘知識」から考えたら、死に物狂いの奴が選ぶ手段は、私自身への特攻か?
いいだろう。無人機たちで牽制を入れつつ、「インビジブル制御」で使役するインビジブルを「カウンター」でぶつけてやる。
黴が生えた古妖がそれを誇るな。
「まだ俺様の百鬼夜行は終わってねぇ! こいつを見て驚きやがれ!!」
隠神刑部が葉っぱをばら撒くと、ポンポンと煙を上げながら配下の小狸達が少しばかり現れ、数を補強するために小型の狼の群れへと化けていく。
「正体見せたな、化け狸。二度と悪さが出来ぬようにしてやろう」
正体見たりと|ジュヌヴィエーヴ・アンジュー《G e n e v i è v e A n j o u》(かつての『神童』・h01063)が【|無人機母艦《レギオンフォートレス》『ハニカム』】から【|無人機《ドローン》『ホーネット』】の群れを射出する。
「レーザー射撃で配下を掃討せよ」
命令を受けたホーネットが一斉にレーザーを発射し、次々と化けた狼の群れを撃ち抜いていった!
「今の段階では、配下もろくに呼べまいが。油断はしない」
「ギャゥッ!!!」
「親分、こいつは無理でっせ!」
撃ち倒された配下の小狸達が煙のように消滅していく。
「自慢の配下は壊滅したようだぞ、隠神刑部」
「ええい! 役立たずどもが!!」
ならばと隠神刑部が火を吹きホーネットを爆散させていく。
「浮遊砲台群は隠神刑部を誘導弾で集中攻撃だ。弾幕を張って抵抗力を奪え」
冷静にジュヌヴィエーヴは対抗手段を取り、【|浮遊砲台群《ファミリアセントリー》『アルテミシア』】から誘導弾を発射し隠神刑部の攻撃を阻害する。
「この! 邪魔だっ!!」
苛立ちながら隠神刑部が炎を吐いて誘導弾を空中で爆発させる。
「こうなったら仕方ねぇ!」
「戦闘知識から考えたら、死に物狂いの奴が選ぶ手段は、私自身への特攻か?」
敵の考えを読み、ジュヌヴィエーヴはインビジブルを操る。
「いいだろう。カウンターをぶつけてやる」
「死ねぇ!!」
誘導弾を掻い潜った隠神刑部がジュヌヴィエーヴを狙う。そこへ使役するインビジブルをぶつけた。
「こんなもんじゃ俺は止まらねぇ!」
存在の薄いインビジブルを炎で薙ぎ払い、さらにジュヌヴィエーヴに向ける。しかしその僅かな遅滞によって至近距離から残ったホーネットがレーザーを撃ち込んだ!
「古妖である俺様の攻撃が届かねぇだと!?」
「黴が生えた古妖がそれを誇るな」
冷徹に言い放ち、ジュヌヴィエーヴは次々とレーザーを浴びせ隠神刑部を押し戻した。
🔵🔵🔵 大成功

「まだ元気は有り余ってるらしいな。そんなに眠れないなら寝かしつけてやるよぉ!」
と、売り言葉に買い言葉で返し、アイテムの「蜃気楼」を使用して挑発しつつしばらく撹乱。
「おいおい、どうした?歳のとりすぎで俺すら見えなくなったか?」
のってくれれば赤鬼熊の時と同じように|龍生九子不成龍《ロンシェンリョウズ》
で掻き乱す。
ただ、学習して挑発に乗らなかったり、途中で冷静になられたら、
無駄だと判断した時点で暗殺や不意打ちしようと企みます。
それすら無駄だったり、うまいこと決まっているが、まだ反抗の意思あり。となったなら
もはや小細工もなく、インビジブル化で歪な角を生やした龍の姿になり
目の前の「それ」を切り裂きます。
「まあまあやるようだが、この程度じゃあ俺様には勝てねぇ! 諦めるんだなぁ!」
身体のあちこちに傷を負いながらも、隠神刑部は負けるはずがないと自信を漲らせて怒鳴る。
「まだ元気は有り余ってるらしいな。そんなに眠れないなら寝かしつけてやるよぉ!」
|蒲牢・鳥風《ほろう・ちょうか》(紛い物の偽龍・h05913)は売り言葉に買い言葉で返し、霧状のエネルギー【蜃気楼】を吐いて敵の視界を塞ぐ。
「霧だと?」
「おいおい、どうした? 歳のとりすぎで俺すら見えなくなったか?」
警戒する隠神刑部に鳥風が挑発する。
「舐めるな! こんなもんでビビるかよ!!」
挑発に乗って隠神刑部が炎を吐きながら声のする方へと歩み出す。
「乗って来たな」
√能力『|龍生九子不成龍《ロンシェンリョウズ》』を発動し、大きな鐘に変身する。
「同じ手に引っ掛かるか!!」
隠神刑部は怯まずに炎を噴き出して浴びせる。
「流石に二度は引っ掛からないか」
それならばと鳥風は小さなキジに変じ、素早く飛んで周囲の草木に姿を隠す。
「ああん? どこに隠れやがった!」
隠神刑部が周囲に火を吹いて焼き払う。その背後から鳥風が飛翔して接近し、元の蒲牢の姿となって尻尾を叩きつけた!
「ぐぉあっ!!!」
吹き飛ばされた隠神刑部が顔から地面に突っ込む。
「ちょっとは頭を使うようになったが、熊に比べれば力不足だなぁ!」
「この龍もどきがぁ!!!」
隠神刑部がゴロンと転がり起きて睨みつける。
「まだ反攻してくるか、それならこいつで決めてやるよぉ!」
鳥風が再びインビジブル化して歪な角を生やした龍の姿になる。
「角が生えようとももどきはもどき! 真似事に過ぎんわ!!」
「真似かどうか、その身で確かめてみろぉ!!」
小細工もなく正面から突っ込み、目の前の「それ」を吐き出す炎ごと歪な角で切り裂いた!
「ぐげぁああああああ!!!!」
血を噴き出しながら隠神刑部が吹き飛び、ゴロゴロと転がって木にぶつかった。
🔵🔵🔵 大成功

ふむ、追い詰められてようやっと本気を出すか
渋って力の出し所を誤るのは愚策じゃのぅ
「滅せぬならば、弱らせるしか無いからのぅ?」
つまりどれだけ叩き込んでもよいと言う事じゃな、と獰猛な笑みを浮かべ
本気というだけあって、攻撃は厄介ではあるな
こちらも【四神の王】で全力で行こうぞ
黄龍を纏い、速さと力を増す
「天狐冥響流の真髄、とくと御覧じろ…斬り裂け、神王龍!」
回避の高速移動からの渾身斬撃
「なるほど、本気というだけあって大したものよ」
だが、と挟み
「ならば後は、底力の勝負であろうなぁ!」
ちと熱くなってしまったが、全力で死合うというのは悪くないのぅ
「またしばし眠っておれ、隠神刑部。いずれまた死合おうぞ?」
「ちっ、俺様を傷つて調子に乗ってるようだなぁ! だがまだまだ俺様の本気はこんなもんじゃねぇぜ!」
傷ついて血を流しながらも隠神刑部が啖呵を切る。
「ふむ、追い詰められてようやっと本気を出すか。渋って力の出し所を誤るのは愚策じゃのぅ」
|天照院・狐々音《てんしょういん・ここね》(万里一空の剣狐・h04963)が後手に回る相手を嘲笑う。
「ふん、それだけ俺様には余裕があるってことよ! お前らにゃ俺様を滅ぼせはしないんだからなぁ!」
古妖は倒すことができない。それ故に慢心していた。
「滅せぬならば、弱らせるしか無いからのぅ? つまりどれだけ叩き込んでもよいと言う事じゃな」
獰猛な笑みを浮かべて狐々音は【霊剣天狐月閃】を構えた。
「っ! 近づくんじゃねぇ!!」
背筋に冷たいものが走り、警戒した隠神刑部が神通力で人よりも巨大な岩を浮かべ、それを狐々音に叩きつける!
素早く狐々音は飛び退いて躱すが、岩は浮かんで自在に方向を変えて追いかけてくる。
「本気というだけあって、攻撃は厄介ではあるな」
当たればダメージだけでなく状態異常の効果もある能力に、狐々音は逃げ回ることになる。
「ならばこちらも【四神の王】で全力で行こうぞ」
狐々音は√能力『|四神の王《シジンノオウ》』を発動し、その身に太古の神霊「黄龍」を纏い、速さと力を増して岩を容易く回避する。
「ちっ、ならこれでどうだ!」
大岩がさらにスピードを上げて正面から真っ直ぐに飛んで来る!
「天狐冥響流の真髄、とくと御覧じろ……斬り裂け、神王龍!」
恐れず正面から突っ込み、その下の隙間を這うような低い姿勢で潜り抜けて踏み込むと、天狐冥響流・神王龍による渾身が隠神刑部の身体を斬り裂いた!
「ぐぉぁああああっ!? 馬鹿なっ正面から抜けてくるだと! どんな肝っ玉をしてやがる!!」
怒鳴りながら至近距離から隠神刑部が口から火を吹く!
「なるほど、本気というだけあって大したものよ」
その炎を狐々音が斬り払う。
「ならば後は、底力の勝負であろうなぁ!」
負けじと斬撃を浴びせ、炎の熱に火傷を負いながらも大狸の身体に刀傷を刻んでいく。
「テメェ! 調子に乗るのもここまでだ!!!」
攻撃を受けながらも隠神刑部が密かに浮かべた岩を落下させる。咄嗟に狐々音は刀で受けながら後方へと吹き飛ばされるように後退した。
「ちと熱くなってしまったが、全力で死合うというのは悪くないのぅ」
熱くなりすぎて痛手を負うところだったと反省しながらも、狐々音は楽しそうに笑った。
🔵🔵🔵 大成功

共闘アドリブ絡み大歓迎
一般人の心配が無くなって良かった、もう思いっきりやってしまっていいね
強敵だからね、先ずは削ぐことから始めよう
【レイン】で狸の四肢いずれか狙う
タイミング合えば目潰しも狙うよ
熊の時に痛い思いしたもんね、どうしても過敏になるんじゃないかい?
|配下《的》を増やしてくるなら、それを優先的に排除
Iris(アリスさん)には援護射撃を依頼
狸がオイタをしないようにお願いできるかな?
(アリスさんの口調お任せ。辛辣希望。)
狸が優位にならないように妨害優先で、可能なら煙雨の制御は完璧に任せたい
アリスさんは僕よりも容赦無いからね、覚悟しなよ
近接は【香煙】で対応
力比べは負けちゃうからね、受け流してカウンターを狙う
さっきよりも火力があるぞ、耐えられるかな
「一般人の心配が無くなって良かった、もう思いっきりやってしまっていいね」
後は封印するだけだと、|斯波・紫遠《しば・しおん》(くゆる・h03007)が仲間と戦う敵を観察する。
「強敵だからね、先ずは削ぐことから始めよう」
どれだけ攻撃しても倒すことはできない。封印の為に弱らせようと√能力『決戦気象兵器「レイン」』を発動し、無数のレーザー光線を降らせて隠神刑部の両脚を撃ち抜いた!
「ぐぁっ!!! この光線は! またお前か!!」
隠神刑部の視線が紫遠を捉え、慌てて飛んで来るレーザーから目を守る。
「熊の時に痛い思いしたもんね、どうしても過敏になるんじゃないかい?」
こちらを警戒している敵に容赦なくレーザーを撃ち込み、脚を穴だらけにして血に染めた。
「いちち……クソッ足が動かねぇ……!」
ずりずりと足を引き摺って隠神刑部は距離を詰めようとするがその動きは鈍い。
「傷を塞ぐまで手下に護らせるか」
隠神刑部が葉っぱを放り投げるとポンポンッと配下の小狸妖怪らが現れる。
「あれだけの百鬼夜行が失敗しても懲りてないようだね。アリスさん、|配下《的》の相手をしている間、狸がオイタをしないようにお願いできるかな?」
『お任せください。もう二度と歯向かう気がなくなるまで痛めつけます』
「誰と喋ってやが――うぉっ!!」
紫遠が頼むと、アシスタントAI【Iris】が【煙雨】を制御して細かなレーザーを放って隠神刑部を攻撃し、隠神刑部は慌てて身を守った。
「アリスさんは僕よりも容赦無いからね、覚悟しなよ」
その間に紫遠は小狸妖怪と向かい合う。
「さっさと配下には消えてもらうよ」
残ったレーザーを降らせ、小狸妖怪達に浴びせた!
「うわぁああっ!!」
「逃げ場がないっ!!」
雨から逃れることなどできない。レーザーに穴らだけにされて煙のように妖怪達が消えていく。
「テメェら! やられる前にやっちま――ぎゃっ! いでぇっ!!」
『まだ喋る元気があるようです』
隠神刑部が配下に意識を向けた隙に、アリスがレーザーで尻に穴を開けた。
「親分!」
「悪いけど、行かせないよ」
残った小狸妖怪が隠神刑部を助けに向かおうとするが、そこに紫遠はレーザーを叩き込んで消し去った――。
「さて、後は狸を片付けるだけだけど……」
「ちっ、まだ終わってねぇ!!」
隠神刑部が神通力で足元の地面を持ち上げ、土塊の上に乗ったまま浮かび上がる。
「こいつでぐちゃぐちゃに圧し潰してやらぁ!」
そして頭上から落下して紫遠を埋めて潰そうとする。
「まだ足掻く力が残ってるようだね。ならそれも奪うとしようかな」
「ぬかせ!!!」
紫遠が打刀【無銘【香煙】】を抜いて構えると嘲笑うように隠神刑部は質量で襲い掛かる。
『黙らせましょう』
「ぬぉっ!!」
アリスがレーザーで顔を狙う。すると隠神刑部が酒瓶で顔を守るが、僅かに落下の軌道が逸れた。
「フォローありがとう」
礼を言いながら紫遠は前に跳ぶ。その直後に背後で土塊が落下した。
「避けられただとぅっ!? ならもう一回――」
「さっきよりも火力があるぞ、耐えられるかな」
隠神刑部が再び浮かび上がる前に、踵を返した紫遠が√能力『|【狗神】此レ成ルハ陽炎ノ一撃《ブッタギリ》』を発動し、刃に怨讐炎を纏わせて横一閃に斬り裂いた! さらに炎が燃え移る。
「ぐぇえあああああああああああ!!!!」
胸から血を流し燃やされながら隠神刑部がよろめく。しかし踏み留まって睨みつけた。
「この野郎……絶対にぶっ殺して喰らってやるぞ!!」
「まだ終わりじゃないよ」
反撃に出ようとする隠神刑部に、紫遠は返す刀でもう一度斬撃を浴びせ、深々と刃を身体に食い込ませ内から炎が肉を焼いて致命的なダメージを与えた!
「ぐげぁあああああああああああ!!!!!」
悲鳴を上げて隠神刑部が倒れ動かなくなり、その身体が小さな狸となった。
「これでもまだ死んでないんだから恐ろしいね」
『害虫よりもしぶとい狸です。早急に封印することを推奨します』
「わかったよ」
紫遠が小さくなった隠神刑部を持ち上げ古い祠に置く。すると隠神刑部の姿が消え去り封印された。
「これで終わりだね。お疲れさま」
紫遠は共に戦った仲間達に呼び掛け、古妖の封印成功を喜び合う。
邪悪な狸の百鬼夜行を阻止し、人々を守った√能力者達は笑顔で古びた祠を後にした。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功