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√能力者管理書ー『広瀬・御影』「危険性」

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 √能力者は強大な力を持っているが故、彼らの情報は、全て詳細を記し、厳密に管理しなければならない。
 今回の対象は「広瀬・御影」を名乗る人物である。細かな生い立ちは既に別の記録に残しているため、省くとする。
 ここに残すのは、彼女の危険性についてだ。

 『広瀬・御影』は演者である。

 本当の姿を隠し、常にその顔に仮面を張り付けている。
 といっても、彼女の不器用な行動やそそっかしさは該当しない。それは彼女が彼女として生きるための個性に近いものだ。
 演じられているのは、感情面。
 心の起伏や共感性といった、本来人間に必要不可欠な要素が『広瀬・御影』には欠けている。これは所感ではあるがその感情を表すなら、ひどくボンヤリとしている、だ。
 心の有無、激しい情動といった事象の存在は知識として把握はしているようだが、自分にも起こりうる事象としては理解出来ていないようだった。
 現に、彼女自身には起こらない。
 泣いたり後悔したりといった過去はこれまでになく、これからもありえない。
 しかし彼女は理想の自分像を抱いており、それがそう行動すると自身が認識していれば、容易く記憶を改ざんしてしまう。
 涙も流したこともないのに、泣けたと口にし、実際自分もそう思い込むのだ。
 『広瀬・御影』が現在、抱いている片思いもそれに当てはまるのだろう。
 彼女は「瑞垣・零一」に恋慕を寄せていると自称しているが、その感情の真実は恋愛とはかけ離れており、「正しい人物は報われなければならない」という考えと羨望が混ざったものと推測出来る。
 間違っても、『広瀬・御影』が愛を抱くことはない。どれだけ胸を高鳴らせようとも、それは知識とすり合わせた結果、自身が取るべきと判断した反応である。
 思い込んでいるならば自覚はないとも思えたが、どうやら『広瀬・御影』はその基本に当てはまらない。
 もとよりその素性が、「広瀬・御影」を演じているためにある。自身が違う存在であるという事を自覚しているがゆえに、思考に合わせて動く感情にも無意識ながら感知している様子であった。

 『広瀬・御影』の本当の姿を見たければ、矛盾を突けばいい。言葉と考えの食い違いを彼女の目の前に晒せばいい。
 そうすればきっと、『広瀬・御影』は何の感情もない真顔を浮かべるであろう。その瞳はただ見返すだけ。口も結ばれたまま、息遣いすら感じられないかもしれない。
 本当の姿を暴い時にようやく、彼女の真意を探ることが出来る。演技のない彼女自身が考えた言葉となるはずだ。
 しかし、感情をぶつけてはいけない。
 恐らくではあるものの、『広瀬・御影』がそれを有さないのは必要としないから。むしろ不要と感じているからだ。
 だからこそ、排除にも躊躇いがない。
 目の前で膨らめば、反射的に取り除こうとする危険性があり得た。
 普段ただ接するだけならば、問題はないだろうが、『広瀬・御影』が内に潜ませる脅威は、√能力者らしく油断ならないものだ。
 彼女と関わる際は、細心の注意を払うべきとここに忠告しておく。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​ 成功

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