マシンガンの肖像
完全被甲弾の雨が降っていた。山の中腹に位置する街、ガドックは元々炭坑町として栄えたところだった。平地の少ないこのあたりで唯一平らと言える場所がここだったからだ。密集して立つ古いコンクリートのビルは要塞のようだった。昔は見張り台、砦と揶揄されたこの場所は今では本物の要塞だった。切り立った崖の上にあり、見通しがきき、資材を保管しておく場所が十分にある。それに雪を頂いた山頂からの豊富な水。食料さえあれば理想的な防衛拠点だった。廃村となったこの場所に人が戻ってきたのにはそう言う理由があった。この地方最大の街を守るための人類の前線、北の最強学徒兵養成所、それがガドックだった。今日も戦闘機械群の一部隊が崖下から迫ってきていた。実戦経験を積むには最適の場所だ。しかし、その分消耗も激しい。それにもう一つ問題を抱えていた。狭い場所に密集するように人が住んでいる街である故に娯楽施設が少ない。ある程度広さのある場所はすでに訓練施設になっている。食べる、スポーツをする、ゲームをする以外の娯楽が必要だった。
「みなさんにお願いがあります」
木原・元宏(歩みを止めぬ者・h01188)はゆっくりと話し始めた。
「ガドックという街があります。山の中腹にある要塞都市です。戦闘機械群との戦いに特化したこの街には娯楽がありません。そこでみなさんにはガドックに慰問に行って欲しいのです。まずはガドックを取り囲む敵を倒して街に入ってください。その後に街の人々を元気づけてあげてください。それと、ガドックに強力な敵部隊が近づいていることが予知できています。士気が上がった街の兵士達と一緒にその敵部隊を倒すことが今回の目的になります」
元宏は一息つくとスクリーンにライブや演劇、ライブペイントなどの映像を流す。
「ガドックには10代から20代前半くらいまでの学生と兵士がほとんどを占めています。そのほかに医療関係者や食堂などの職員ですがほとんどが20代までです。その人達が好きそうな内容だと喜ばれると思います。ホールや講堂はあるようなのでステージでのパフォーマンスも可能でしょうし、調理場があるのでおいしい料理を出すこともできるでしょう。女性にはアクセサリーなどのワークショップもいいかもしれないですね。他にもアイデア次第でいろいろ出来ると思うので自由に思い切ってやってみてください。よろしくお願いします」
元宏は頭を下げた。
「寒いよな。こう寒いと暖かいものが欲しくなるね。ココアとかさ」
「いいね。それにしても暇だよな。ゲームももう飽きたし、なんか楽しいことはないか?」
少年兵2人が話をしていた。
「クラブで踊ってカクテルとか飲みながらナンパとかしたいよな」
「まだ未成年だろ? まあな、ライブで拳を上げて叫んだりとか、ガツンと暴れたいよな」
「あのねえ、警備中でしょう?」
通りがかった高校生くらいの女性が言う。もちろん軍服を着て警備の最中だ。
「堅いこと言うなよ。サボってるわけじゃないだろ? 夢を語って何が悪い」
「夢ねえ。確かに大きなパフェを食べたり映画館に行ったり買い物したりしたいけど。もうちょっと大きな夢はないの?」
「お前だって似たようなレベルじゃないか。俺は戦功を立てて英雄になりたいね」
ため息をつく女性。
「そんなんじゃなくてもっと幸せなヤツよ、って言っても私も結婚して子供が欲しいとかまったく思わないけど」
「そうだよなあ。プロ野球選手とか言えないもんな。せいぜい戦場を実況してバズるぐらいだよなあ」
ピーっと甲高い音が響いた。
「いけね。警報だ。敵はバトラクス、数は今のところ20ってところか。お前ら持ち場につけ、何体か倒せば追い払えるだろ。気を抜くなよ」
「了解」
マスターより

九野誠司(くの・せいじ)と申します。よろしくお願いします。
√ウォーゾーンの都市にいる学徒兵と兵士達を慰問してあげてください。娯楽に飢えているのでとても喜んでくれると思います。お気軽にどうおぞ。
その前後に戦闘もありますのでこちらも抜かりなくお願いします。
プレイングの受付は「プレイング受付中」のタグでお知らせします。みなさまらしいプレイングを是非送っていただけますと幸いです。
それではよろしくお願いします。
24
第1章 集団戦 『バトラクス』

POW
バトラクスキャノン
【爆破】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【砲弾】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【戦闘情報の共有】による戦闘力強化を与える。
【爆破】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【砲弾】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【戦闘情報の共有】による戦闘力強化を与える。
SPD
人間狂化爆弾
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【特殊化学兵器】を、同時にレベル個まで具現化できる。
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【特殊化学兵器】を、同時にレベル個まで具現化できる。
WIZ
スウィープマシーン
【機銃掃射】による牽制、【粘着弾】による捕縛、【突撃体当たり】による強撃の連続攻撃を与える。
【機銃掃射】による牽制、【粘着弾】による捕縛、【突撃体当たり】による強撃の連続攻撃を与える。
√ウォーゾーン 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴

九野誠司マスターにおまかせします。かっこいい継萩・サルトゥーラをお願いします!
アドリブ歓迎。
「やったろうじゃないの!」
「まぁ焦んなや、楽しいのはこれからだ」
√能力は指定した物をどれでも使用ます。
戦うことが好きで好きで楽しく、戦闘知識や勘を活かしてハデに行動します。
楽しいからこそ冷静でいられる面もあります。
多少の怪我は気にせず積極的に行動しますがヤバいときは流石に自重します。
仲間との連携も行えます。
軽口を叩いたりやんわりと皮肉を言ったりしますが、他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!

ここ出身の奴、一緒になったことがある……はずだ
いい奴だったんだ、……はっきりしねぇんだけどよ
……じゃ、やるか
崖上から強襲
鉄棍を利用し『羊飼いの跳躍』の要領で落下
姿勢を低く保ちながら、関節駆動部、足周りを薙ぎ払い中心に攻める
デッドマンの性質に任せて前に出る
銃口に鉄棍を突っ込む、相手の一部をぶん回すなど敢えて荒く立ち回る
(無意識に、同行する者や、味方学徒兵の方に注意が向かない様に動いている)
(自分の傷には頓着せず)
敵の砲弾なり攻撃が引きつけられたら
いいぜ、来やがれーー『おれたちを、見ろ!』
1825-Adamii発動
壊し屋だが従軍経験はある
ある程度戦術指揮には従うぜ
アドリブ、アレンジ、連携など歓迎
「ここ出身の奴、一緒になったことがある……はずだ。いい奴だったんだ、……はっきりしねぇんだけどよ。……じゃ、やるか」
都留・臻(枳殻・h04405)はデッドマンだ。複数人の体が縫い合わされている。もちろん脳もそうなのだが、脳に使われていない人間の記憶もたまに見つかる。手足にも神経があると言うことなのか、それとも人体の神秘かはわからない。ただ、恐怖や痛みに鈍いのは確かだった。
継萩・サルトゥーラ(百屍夜行・h01201)もまた、デッドマンだった。傷つく度に使えそうな体をあてがわれ、今ではどこが誰だかなどとうの昔にわからなくなっている。もちろん人格に関してもそうだ。モザイク状になった記憶が時折サルトゥーラの表層意識に現れる。そんな2人のデッドマンはガドックの防壁の上に立っていた。崖下から吹き上げる風が二人の服を揺らす。
「いくぜ、一足早いショーの時間だ!」
サルトゥーラがそう言って崖下に飛び込む。鋭い風が頬を撫でた。登って来ようとするバトラクスにショットガンを叩き込むとそのまま蹴り落とす。あたりに警告音が鳴り響きガドック一般兵があたりのバトラクスに照準を合わせた。臻は鉄棍を縦に持ち一気に飛び降りる。鉄棍でバトラクスを貫きながら鉄棍を滑らせると羊飼いの跳躍の要領で着地する。バトラクスが爆発しそうになると次のバトラクスに飛び移り1体ずつ丁寧に刺し貫いていく。掲げた銃口に鉄棍を突き刺して銃を爆発させたり、突き刺した鉄棍を支点にして回転してバトラクスを吹き飛ばしたりと派手なアクションで跳び回ったおかげか周囲からバトラクスが集まってきた。
「ん?」
気がつくと袖のあたりが焦げている。額からも血が流れているようだが臻は気にしない。崖下の地面に着地するとあたりを見回す。
「やるねえ。俺も負けてられねえな。ハハハ」
サルトゥーラは登ってくるバトラクスを蹴り落としながら空中を舞うように戦っていた。切り落とされたショットガンが火を吹くとロケットが離陸するようにサルトゥーラの体が浮く。それをきっかけにバトラクスに飛び乗ると近距離からショットガンを撃ってバトラクスを沈黙させていく。臻はバトラクスの関節や足下を払いながら敵を集めていく。
「いいぜ、来やがれー。『おれたち』を、見ろ!」
そう言うと自分を軸に鉄棍を一回転させる。胴を叩き潰されたバトラクス達が一瞬遅れて爆発した。
「まぁ焦んなや、楽しいのはこれからだ」
サルトゥーラは楽しそうに叫ぶ。やって来た敵は確実に数を減らしていた。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

「あらぁ~…タイミング悪い時に来てしまいましたね~… アストライア… ステルスモードへ移行して…」
慰問に使う物資(食材)をWZがいっぱい背負っているため、直接戦闘ができず、焦る。
「背中の食材を焦がすわけにもいきませんし… ミンタカ、ルニラム、アルニタク…みんな、他の人達の援護はお願いしますね~」
自分は√能力を発動し、隠遁系の能力を使って戦場のすり抜けを試みる。味方や防衛隊の援護は、自らが「星の子」と呼び、星々の名前をつけたレギオン達を向かわせる。
ガドック周辺には銃弾や砲撃による爆発音、焼け焦げたような硝煙の匂いが立ちこめていた。戦闘は佳境と言ったところで、派手に立ち回るものの声も聞こえる。
「あらぁ~…タイミング悪い時に来てしまいましたね~… アストライア… ステルスモードへ移行して…」
WZに荷物を満載してきたマキはこのままだと戦闘できないと焦った。搭乗しているWZ、アストライアがステルスモードを起動すると4足の獣は周囲の岩肌に溶け込んでいく。4本の足がでこぼこした足下を確実に捉えると、音もなく滑るように要塞に近づいていく。しばらく見つからず順調に移動していたが、アストライアのセンサーが銃座近くまで近づかれている学徒兵を捉える。モニタに拡大表示されるそれは早く助けないと危険な状態だった。マキは悩むことなく「星の子」達に指示を出す。
「背中の食材を焦がすわけにもいきませんし… ミンタカ、ルニラム、アルニタク…みんな、他の人達の援護はお願いしますね~」
背負ってきた荷物は食料だった。このあとおいしく食べてもらう予定のものを真っ黒にするわけにはいかなかった。モニターにマキのレギオンがバトラクスの気を引いているところを機銃で撃ち落とす学徒兵が映った。ハンドサインでお礼を言っている。どういたしまして~、とコックピットから返事をするとマキはガドックへ向かって進んでいった。
🔵🔵🔴 成功

みんなを元気づけるお仕事はぜったい必要だよね!でもまずはあいつらを押し返さないと。
・情報収集、ジャミング、暗号作成を活用し、化学兵器の成分を分析したり、敵の通信網を撹乱
もう好きにはさせません、まとめて燃えちゃえ!
・空中移動して射角を確保、制圧射撃で動きを止めてマ弾の射手で敵をガスごと燃やす
・基地の無線からチャイムとともに大音量で流れ出す臨時ニュース
「本日、ガドックに強襲をしかけた卑劣なる敵部隊に対し我らが防衛部隊は緊密な連携のもと無慈悲な対応措置を行い、勝利は目前となりました。」
・正気に戻ったみんなを援護射撃、孤立してる味方は鉄壁で守る
・負傷者を救助活動、運搬
アドリブ連携はお任せします

アドリブ、共闘○
さて、じゃさっさと済ますでありますかね。
まぁ、雑魚相手ならこいつらで充分でありましょう。
空雨群を飛ばして、目に入るバトラクス達から仕留めていくであります。
一体一体の攻撃は弱くても、そこは数でカバー。我輩自身も、ライフルによる【貫通攻撃】【スナイパー】【レーザー射撃】【クイックドロウ】で空雨達や仲間の動きをサポートするでありますよ。
敵の攻撃に対しては【地形利用】でもの陰に隠れて防ぐか、【受け流し】で防ぐであります。
まぁ、多少の攻撃なら受けても平気かな、これでも我輩、頑丈でありますからね。
「みんなを元気づけるお仕事はぜったい必要だよね! でもまずはあいつらを押し返さないと」
川西・エミリー晴空に響き渡る歌劇・h04862)は空中から情報収集を行う。バトラクスの対空能力が高くないこともあり目的の情報を集めることが出来た。敵の暗号コードを分析して偽情報を送るとジャミングをして敵部隊の通信を絶つと、バトラクス達の統制は一気に崩れた。
「さて、じゃさっさと済ますでありますかね。まぁ、雑魚相手ならこいつらで充分でありましょう」
江田島・大和(探偵という名の何でも屋・h01303)は空雨と名付けたドローンを飛ばすと混乱しているバトラクスの一群に突っ込ませる。空雨達は集合と散開を繰り返すことでバトラクスの注意を引きさらに状況を混乱したものにしていく。大和自身は崖の中腹の岩陰に潜みライフルでバトラクスの装甲の薄いところを射抜き1体、また1体と倒していく。そこに大音響の臨時ニュースが流れた。
「本日、ガドックに強襲をしかけた卑劣なる敵部隊に対し我らが防衛部隊は緊密な連携のもと無慈悲な対応措置を行い、勝利は目前となりました」
エミリーが【マ弾の射手】で流したニュースだった。あまりの大音量にバトラクスのガスにやれて正気を失っていた学徒兵も我に返る。
「おい、しっかりしろ。敵は目前だぞ!」
そう言って機銃を乱射して弾幕を作って仲間を庇う学徒兵。エミリーは炸薬を仕込んだ弾丸を撃ち出し、炎と爆発でバトラクスを足止めして援護する。
「もう好きにはさせません、まとめて燃えちゃえ!」
エミリーの援護を受けた学徒兵は倒れている仲間のところに向かった。
「まずいな、出血が酷い、早く医務室に運ばないと」
そう言って倒れた仲間の止血をする学徒兵だが目の前にバトラクスが迫っていた。学徒兵が覚悟を決めたその瞬間、大和が身を挺して学徒兵を庇う。機銃の掃射音が響く中空雨がその場に急行しバトラクスの脚を撃ち抜くとバトラクスは崖下に転がり落ちていった。学徒兵はビックリしつつも大和に感謝の言葉を伝える。
「これくらいの攻撃なら受けても大丈夫であります。これでも我輩、頑丈でありますからね。お仲間は我が輩が避難させるであります」
そう言うと大和は怪我をした学徒兵をそっと抱えるとエミリーに合図をする。エミリーは大和のとなりに降り立つと学徒兵を抱えて医務室へと飛び立っていった。
「これでひとまずは安心でありますな。敵も残りわずか、我が輩も最後まで手伝うでありますよ」
「繰り返します。臨時ニュースを申し上げます……」
エミリーが戻って来たようだ。戦いももう終盤、あとは残る敵を追い払うだけだった。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

「慰問と言う事でしたが、差し当たってこの襲撃を何とかしなくてはなりませんね」
着くなりの戦闘に面喰らいながらも応戦に参加します。
「皆さんお疲れなのですから、速やかにお引き取り下さい」
「九尾妖力術」を使い視界に入るバトラクスを纏めて薙ぎ払って行く。
全滅させずとも、ある程度損害が出れば撤退するだろうし他の能力者も来ている。と確実に倒すことを考えず、数多くにダメージを与えることに注力して、撃ち漏らしなどは気に留めず集団を蹴散らしていく。
「撃ち漏らしはお任せしますね、私は集団の陣形を崩します。」
前線を駆け抜け、注意を集めながら攻撃の隙を作ると言う役目も努めつつ立ち回る。
アドリブ、連携はお任せ致します。
戦場の空気は独特だ。あまり経験したことが無いものにとっては特に。
「慰問と言う事でしたが、差し当たってこの襲撃を何とかしなくてはなりませんね」
伏見・那奈璃(九尾狐の巫女さん霊剣士。・h01501)は飛び交う銃弾に面食らいながらもバトラクスに向かう。
「皆さんお疲れなのですから、速やかにお引き取り下さい」
そう言うと九尾の尾でバトラクスをなぎ払っていく。密集に割って入り、回転しながら尾を振り回すと体勢を崩したバトラクスが数体崖下に落ちたあとで爆発する。
「撃ち漏らしはお任せしますね、私は集団の陣形を崩します。」
そう言うとさらに前線に出て行く那奈璃。前線を駆け、九尾の尾を派手に振り回すと最後に残ったバトラクス達が集まってきた。スッと飛び上がり射線を開けると学徒兵達の射撃がバトラクスを蜂の巣にしていった。やって来たバトラクスがいなくなるのを確認して、那奈璃は居住まいを正す。
「やっと落ち着きましたね。さて、それでは街に入って少しの時間ですが皆さんの疲れを癒やすとしましょう」
那奈璃がそう言うと敵を撃退した高揚感からか学徒兵達は一斉に歓声を上げる。それを嬉しそうに見ると那奈璃はガドックの街に入っていった。
🔵🔵🔴 成功
第2章 日常 『文化教導要請』

POW
体が資本!運動や美食など、肉体に関わる文化を教える
SPD
技術は文化!ダンスやクラフトなど、技術に関わる文化を教える
WIZ
智を愛せよ!歌や文学など、頭脳に関わる文化を教える
√ウォーゾーン 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
戦闘が終わり、日も傾いた。そろそろ夕飯の時間だった。何かをするにはいい頃合いだ。宴会でも出し物でもいいだろう。ガドックの狭い路地にはカレーやハンバーグ、コロッケなどのいい匂いが立ちこめている。それにホールの方も賑やかなようだ。戦勝の陽気の中、ひとときの楽しい時間が始まろうとしていた。

「やっぱり寒い時には、中華まんですよね~~♪」
もってきた材料で、ホカホカの中華まんを作り皆にふるまう。
すこしずつ千切るなり、シェアできるように食べ応えあるように、すべては大きめに作る。
①戦士の力の源! 極厚ジューシー肉まん
通常の2倍の分厚い肉餡入り、寒さに負けないよう、体を温めるショウガ&八角をブレンド
②ほくほく甘さ! 焼き芋餡まん
長時間焼いたサツマイモを使用し、ほんのりバター風味に、焼き芋の皮の香ばしさを加えた、香り高い饅頭
③ほっと一息… ホットチョコまん
生地にもココアを練り込み、香りと甘さをUP! マシュマロ入り
「これを食べて暖まって下さませね~♪ 飲み物もありますよ~」、

共闘、アドリブ○
まぁ、楽しませるもんって言っても、我輩自身は何か出来る訳でもないからなぁ
ので、まぁ、物資を運ぶとするでありますかね。
自分の事務所に接続して、そっから材料を取り出してカレーでも作ろうか。
え?またかって?野菜も肉も取れるし、大量生産できるんだからいいんでありますよ。
まぁ、あとは……おやつにチョコレートをどうぞ
2月でありますしね、こんくらいは許されるでしょ

(黙々と料理)
(学生がよろこびそうな大皿メニューだけでなく、つまみになるような少し洒落たアペタイザー、ノンアルコールカクテルの類も器用に作っている)
……ああ、多分、兄貴が得意だった料理だな。
調理場担当長かった……のか。そうだな
(デットマンズチョイスが発動していると、思い出すように遠い目をしながら話す)
……あー、これは『俺』のオリジナルだ。
(乾燥ハーブの類と、柑橘ジュースを炭酸で割った飲み物のレシピを紙に書き付け)
日持ちする材料で何か……と、思って、作った。
(戦場にいるよりも饒舌ではなく気怠げな物言い)
(根本的に面倒見が良いので作り方など尋ねられれば存外丁寧に教える)
(照れ屋)
絡みアドリブ歓迎

アドリブ連携お任せします。
心情
彼らが求める非日常を、舞台の上に創り上げましょう。
この夜の記憶が、みんなにとって、明日を生き抜く力になりますように。
みなさん、お待たせしました。これより、特別ステージを開演します!
行動
・ステージで分隊とともに歌劇を披露
・照明を落としたらスポットライトで照らして演技
・PCを先頭に分隊が舞台に足を踏み出してダンスパフォーマンスで魅了
・フィナーレは歌、レーザーの光とスモークで盛り上げる
・舞台を降りる前に一礼
演目は守るべき理想郷として文化の華開いた√EDENの世界観をダンスに乗せて煌びやかに描く感じ

「出来る事と言えば、踊りぐらいですかね・・・こういう場ですし皆で楽しめるダンスなどが良いでしょうか」
普段踊るのは舞だが、今日はよりアクティブなダンスを披露しよう。
折角なので皆が一緒に踊れるような構成が良いと激しい部分とノリの良い部分と織り交ぜた編成を考えてステージに立ちましょう。
「さぁ、大変な毎日ですが、今日は楽しく踊りましょう」
普段の小袖に緋袴姿で来てるためダンスと合わない感じはあるが、そこは勢いで何とかする。
後は皆に楽しくなってもらう事を願って全力で踊り、盛り上げていきます。
久々の完勝だったこともあるのだが、今日のガドックは活気に溢れていた。食堂の煙突からは絶えずいい匂いがしていたし、窓からは湯気が吹き出ている。通りを歩く学徒兵達は楽しそうな声を上げ、どこからか歌が聞こえていた。灰色のコンクリートに囲まれているこの街でも生きている楽しさを感じることは出来る。そう実感できるような夜だった。
「羽目を外しすぎるなよ。ビルの上から飛び降りて脚を折ったら厳罰だからな」
教導役の兵士が言うと別の兵士が茶化すように叫ぶ。
「それはお前だろう! 自分のことを棚に上げるのもいい加減にしろ!」
思わず笑いが起こる。言われた兵士は顔を赤くして言い返す。
「絶対に後悔するからやめろと言ってるんだ!」
「なら厳罰はないだろう?」
「それは、そうだな。おまえら、死なない程度にさわげ!」
「イエッサー!」
「出来る事と言えば、踊りぐらいですかね・・・こういう場ですし皆で楽しめるダンスなどが良いでしょうか」
伏見・那奈璃(九尾狐の巫女さん霊剣士。・h01501)は体育館を借りるとステージでダンスを披露する。場所が体育館なのは折角なので皆が一緒に踊れるようにと言う配慮からだ。
「さぁ、大変な毎日ですが、今日は楽しく踊りましょう」
那奈璃はそう言って踊り始める。小袖に緋袴姿の那奈璃が踊り始めるとその所作の美しさに歓声が上がった。いつも踊っているのは舞なのだ、それはきれいな動きになるというものだろう。ちょっとダンスに合わないかなと思った服装も学徒兵達には斬新で美しいものに映ったようだった。踊りは乗りの良いものから始まり徐々に激しくなっていく。一曲終わってポーズを決めると割れるような歓声が那奈璃を包んだ。
「楽しくなってきましたか? それではもう一曲いかが?」
わーっと言う歓声が上がる。まだまだ盛り上がりそうな気配だった。
大食堂の一角に大きな蒸籠がいくつも置かれていた。何段にも積まれたそれらからは白い湯気が立ち上がり、何よりおいしそうな匂いが漂っている。学徒兵達は饅頭が蒸し上がるのを今か今かと待っていた。饅頭を作っているのはマキ・タカミネ(量産型WZ「アストライア」の搭乗者・h02335)だ。生地を捏ね、あんを混ぜ、一工夫効かせた中華まんを作っていた。その横のスペースで黙々と調理をしているのは都留・臻(枳殻・h04405)だ。溺れ蛸、カプレーゼ、マリネ、少し洒落たアペタイザーはカップルに人気だった。戦場とは言え、恋が芽生えることもある。
「……ああ、多分、兄貴が得意だった料理だな。調理場担当長かった……のか。そうだな」
昔を思い出すような遠い目をする臻。もちろん、ローストポークにパスタにピザ、学生が喜びそうなメニューもたくさん用意している。
「まぁ、楽しませるもんって言っても、我輩自身は何か出来る訳でもないからなぁ。ので、まぁ、物資を運ぶとするでありますかね」
江田島・大和(探偵という名の何でも屋・h01303)は√能力で自分の事務所に接続して、そこから材料を取り出してカレーを作り始める。
「え?またかって?野菜も肉も取れるし、大量生産できるんだからいいんでありますよ」
事務所と繋がっているのだ、このあたりでは手に入らないちょっといいものも使うことができる。ごろっとした牛肉にたくさんの玉ねぎ、人参の甘みにホクホクしたジャガイモ。それに質のいいスパイスが加わればいつものカレーとはひと味違うさわやかな香りが漂う。おなかが減っているときにカレーの匂いは犯罪的だった。たちまち男子学生が列をなして大行列が出来た。
「これ、カツもあれば最強だったんじゃないか!」
と誰かが言った。あるよ、と答えたのは臻だった。大きなお皿に乗ったカツを指差すと何人かの学生がカレーの上に乗せておいしそうに頬張った。
「できましたよ。やっぱり寒い時には、中華まんですよね~~」
マキが作っていた中華まんが蒸し上がった。全部普通のものより大きめに作ってあった。2倍の肉餡が入った肉まんにかぶりついた学生が熱い、舌をやけどしたと言っている。
「肉汁がすごいんだよ。それに肉がいっぱい入ってる10個くらい食べたいね」
またやけどするぞ、と突っ込まれながらも彼は肉まんを頬張っていた。じっくり焼いた焼き芋を使った焼き芋餡まんは女の子に人気だった。皮の香ばしさとバターの風味がやさしくも懐かしい。女の子達は何人かで分けて食べながらのんびりとおしゃべりを楽しんでいるようだった。そしてもう一つ、ホットチョコまん。生地にもココアを練り込んでいるチョコレート色の一品だ。マシュマロも入っていて温まる上に濃厚な甘さが楽しめる。食後のデザートにももってこいだった。
「これを食べて暖まって下さませね~ 飲み物もありますよ~」
と、マキの声も明るい。大和もチョコレートを用意していた。
「あとは……おやつにチョコレートをどうぞ」
カレーを盛るのにも一段落着いた頃、そう言ってチョコレートを配りはじめた。
「これ? どうやって作ったんだい? 酒じゃないんだろ?」
「……あー、これは『俺』のオリジナルだ。日持ちする材料で何か……と、思って、作った」
臻は尋ねてきた学徒兵に言う。
「すごいなあ。この料理みんなおしゃれだし、滅茶苦茶美味い! 俺も作れるようになったらモテるかな。なあ、良かったら教えてくれないか」
そう言われて、臻は照れた顔でレシピを渡す。
「乾燥ハーブと柑橘ジュースを炭酸で割るんだ。ゆっくり混ぜるといい。その方がなじんでおいしくなる」
ホールには静けさが満ちていた。人がいないのではない、みんな固唾をのんでその場面を見つめていたのだ。
「今から非日常を、舞台の上に創り上げましょう。この夜の記憶が、みんなにとって、明日を生き抜く力になりますように。みなさん、お待たせしました。これより、特別ステージを開演します!」
川西・エミリー(晴空に響き渡る歌劇・h04862)がそう言って歌劇をはじめたのは一時間以上前、物語は佳境を迎えていた。分隊達が踊る中、跪いて空を見上げるエミリー。その顔はスポットライトに照らされ、悲しみと希望が合わさった儚げな表情を見せる。そう、守るべきはすばらしい文化の花開いた理想郷、√EDEN。立ち上がったエミリーは分隊達を従えて飛ぶように踊る。手を伸ばし、笑顔を見せて幸せな世界を思い、表現する。エミリーが一度舞台を降りると、舞台袖からスモークが行く手を阻むように立ちこめる。エミリーは客席を見回し、ステージへと戻っていく。レーザーの光が空へと続く道のように伸び、エミリーを迎えるとスモークが割れて幸せな街の風景が現れた。
「さあ、未来はここにあります」
エミリーは胸に手を添え、理想を歌う。その歌が終わったとき、静寂があたりを包んだ。そして割れんばかりの拍手と歓声が鳴り響いた。エミリーは一礼すると舞台を降りていった。
「私、明日もがんばろうって気になった。楽しいって嬉しいんだね」
「何言ってんだよ、それ」
「言葉に出来なくてすみませんね。でもね、その……」
「わかったわかった。言いたいことはわかる。俺もそんな感じだ」
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『ダイビング・シャーキラー』

POW
シャーキラー式確殺コンボ
【キャノンから爆雷散布】による牽制、【シャークトゥース・クロー】による捕縛、【口から巨大魚雷発射】による強撃の連続攻撃を与える。
【キャノンから爆雷散布】による牽制、【シャークトゥース・クロー】による捕縛、【口から巨大魚雷発射】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD
狩りの時間だ!
【地面に潜航後、鋭い背ビレによる攻撃】が命中した部位を切断するか、レベル分間使用不能にする。また、切断された部位を食べた者は負傷が回復する。
【地面に潜航後、鋭い背ビレによる攻撃】が命中した部位を切断するか、レベル分間使用不能にする。また、切断された部位を食べた者は負傷が回復する。
WIZ
ハザード・スプラッシュ・キャノン
自身の【右手のキャノン】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【工業汚染毒】を付与する【超高水圧ウォーターバズーカ】に変形する。
自身の【右手のキャノン】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【工業汚染毒】を付与する【超高水圧ウォーターバズーカ】に変形する。
√ウォーゾーン 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
次の日の午後、予知されていた敵影が確認された。敵は『ダイビング・シャーキラー』率いる部隊だ。敵部隊は地中から一気にガドックの防壁内に侵入することを狙っているようだ。まずはシャーキラーをガドック内に入れないようにする必要があるだろう。要塞の外側で待ち構えてもいいし、罠を張っておいてもいいだろう。このまま大きな被害が出ないようにシャーキラーを倒して欲しい。

ハコです。
タイミング良く敵のボスがお見えですね。
自由に行動します。お任せというものですね。
なんだか大変そうな場面に出くわしてしまいましたね。
ハコは皆さんのサポートをさせていただきます。
戦闘ではいろんな機構に変形可能なモノリスを使用し援護したいと思います。
レクタングル・モノリス。
あらゆる武器にも機械にも変形します。
要所で使い分けのできる便利なモノリスです。宇宙ですね。
拠点の防衛や様々な状態、環境にも耐性がありますので防御役や盾としてもお役に立てるとハコは思います。
ハコ自身は人間なので基本的にモノリスのちからです。神秘ですね。
あとは状況におまかせして動きます。
ハコです。よろしくお願いします。
「ようし野郎ども、あいつらをなぶり殺しにするぜ。お高くとまって岩の中に引きこもってるヤツらだ。あの中に一気に飛び込んで貝の身の一番うまいところからいただいてやる。ちょっと早いがディナーといこうか」
ダイビング・シャーキラーは赤い目をらんらんと輝かせて言った。ガドックを望む位置から潜行を開始し、崖下にさしかかろうとしたところだった。
「ハコです。これから地中に潜ったモグラさんをやっつけます」
ハコ・オーステナイト(▫️◽◻️🔲箱モノリス匣🔲◻️◽▫️・h00336)はそう言うと多数のモノリスを地中に召喚するとカミソリ状の刃に変えた。ガリガリという音が響いたであろう地中ではシャーキラーの配下達が突然現れた刃に斬られ爆発していく。ドカドカという振動が地面に伝わった。
「レクタングル・モノリス。あらゆる武器にも機械にも変形します。要所で使い分けのできる便利なモノリスです。宇宙ですね」
ハコはそう言うと地面に手を触れる。ハコの手から呼び出されたモノリスがトゲとなって伸び、地中にいるシャーキラーを貫いた。
「痛てーじゃねーか、この野郎!」
シャーキラーが地表に飛び出したときにはハコの姿はどこにもなかった。
🔵🔵🔴 成功

共闘、アドリブ○
さて、スナイパーとしての仕事をしようか。
物陰に隠れて、機会を伺うであります。地面に潜航しても、必ず出てくる。その瞬間を狙う。
我輩の【左目】は特別性でね、『情報収集』『弾道計算 』を行い、『スナイパー』で確実に撃ち込むであります。
そろそろここの戦闘も幕引きと行こうか。
もちろん、こっちの勝利って形でね。

「アストライア、偵察型WZの見せ場ですね~。いっしょに頑張りましょう~」
ステルスモードを使えば、地中の敵からは全く探知されないことと、機体の情報収集能力フルを活かして、敵の位置把握とミサイルなどの爆発振動を使っての誘導、地上に出た際に出鼻をくじくなどの攻撃をメインに行う。
「さあ… モグラさんじゃなかった… サメさんはどこに~?」
味方が罠を設置しているならそこへの誘導、なければ守備隊の重機の力を借りて大穴を掘り、陽動で部隊を動かすか、ミサイル攻撃の音で穴に敵を誘導、穴に出たところで一斉攻撃を行う。
「サメさん、潜ってばかりでは、逆に不利になりますよ~?」
他のメンバーが地上戦で戦えるよう尽力する

「昨日は楽しかったのですから水を差す事は止めて頂きましょう。」
という事で、罠などは思いつかないので要塞の外で待ち構えるとしましょう。
此方を気にせず地面に潜られると困るので、シャーキラーの姿を確認したら即座に「神霊麒麟・雷光閃」を使って攻撃して注意を引きます。その後も雷光閃で底上げされたスピードを生かして撹乱しつつ、他の√能力者達の攻撃の隙を作る様に立ち回ります。
「残念ですが此処は落せませんよ、疾く逝ってください。」
自分自身の攻撃も疎かにはせずに注意を引き続ける。
もしも地中に潜られそうになったり、潜られたりした場合は霊剣による攻撃から「霊能波」による遠距離攻撃に切り替えて進行を阻止します。
「私の目からは逃げられませんよ、諦めなさい。」
「昨日は楽しかったのですから水を差す事は止めて頂きましょう」
要塞の外でシャーキラーを待ち構えているのは伏見・那奈璃(九尾狐の巫女さん霊剣士。・h01501)だった。地面に飛び出したシャーキラーの姿を認めると【神霊麒麟・雷光閃】を発動する。麒麟を纏った那奈璃は空を駆けるようにシャーキラーに近づくと一気に霊剣を突き立てる。シャーキラーの脇側の装甲が剥がれ内部が露出する。
「やるじゃねえか、お前も、ミサイルの餌にしてやるぜ!」
そう言いながらシャーキラーは右腕のキャノンから高圧水を撃ち出す。那奈璃は身を捻ってそれを躱すとシャーキラーに追い打ちをかけようとするがシャーキラーはすでに地面の下だった。
索敵支援四足獣型WZ【アストライア】に搭乗したマキ・タカミネ(量産型WZ「アストライア」の搭乗者・h02335)はステルスモードを起動してシャーキラーの情報を集めていた。手に入れた位置と移動速度、温度感知による攻撃タイミングの情報などを仲間に送る。
「アストライア、偵察型WZの見せ場ですね~。いっしょに頑張りましょう~」
江田島・大和(探偵という名の何でも屋・h01303)は崖下の隠れられる場所を複数把握し、その一つに陣取ってライフルを構えていた。必ず地上に出てくる瞬間はある。その瞬間を狙うつもりだった。
「さて、スナイパーとしての仕事をするでありますか」
左目に送られてきたマキからの情報と自分の「目」の情報を統合しその時を待つ。ゴゴゴゴ、と地面が波打つ。シャーキラーが仕掛けた何かが地下を動く音だろう。熱源を把握しているマキがミサイルを撃ち込むと地中で何かが爆発した振動が伝わってきた。
「さあ… モグラさんじゃなかった… サメさんはどこに~?」
マキはそう言うとシャーキラーの移動先を先読みしてミサイルを撃ち込んでいく。
「ドカドカうるせえんだよ。この小魚! じゃなかったトカゲやろうが!」
イライラして飛び上がったシャーキラーが大声で喚く。そのままダイブしながらミサイルを撃った相手を斬り裂こうと左手を伸ばすがそこにいるはずのアストライアの姿はどこにも見えなかった。
「ちまちま隠れやがって、やる気を出せよやる気を! まったく苛つくヤツだ」
からぶって体勢を崩すと悪態をつくシャーキラーだったが、それを見逃す那奈璃ではなかった。一気に足を伸ばすとシャーキラーの懐に潜り込み霊剣を払い斬るとシャーキラーの肩の装甲が弾け飛んだ。
「残念ですが此処は落せませんよ、疾く逝ってください」
「ああ!? 舐めてるのか? 俺様に指図するとは生意気なキツネだ。寸刻みにしてやらあ!!」
シャーキラーは再び左手の爪を振り回す。スピードを生かして避け回る那奈璃だが少しずつ傷が増えていく。
「いいねえ! もっと刻んでやる! ハッハー!」
シャーキラーは気分良く那奈璃を追いかけるがその先に大和がライフルを構えて待っていることに気づいていない。
「とどめだぜ! え?」
振り下ろしたはずの左腕が遠くでがらんと落ちる音が聞こえた。
「我輩の【左目】は特別性でね」
大和が撃った弾丸がむき出しになっていた左腕の駆動装置を撃ち抜いていたのだった。自ら自分の左腕を引きちぎってしまったシャーキラーは駆動オイルを垂らしながら地団駄を踏む。右腕を振り回し高圧水の弾幕を作って時間を稼ぐと再び地中に潜った。
「貴様らあ! 背びれに来たぜ!! 刺身にしてやるよ!」
鋭い刃となっている背びれだけを地上に残して疾走しながらシャーキラーは吠えた。そのまま崖を登ってガドックに飛び込もうとする。要塞に届こうかと言うその時、シャーキラーの体が弾けた。
「私の目からは逃げられませんよ、諦めなさい」
那奈璃の放った霊能波がシャーキラーを内側から破壊したのだ。しかしシャーキラーは諦めていない。右腕も吹き飛び、装甲もひび割れているが目は輝きを失っていなかった。崖を転がりながらも地中に潜って逆転の機を窺う。地中の振動を感じ、大型の何かが動く音を感知する。恐らくWZだろう。しばらくして音が止む。止まったようだ。シャーキラーは地中を一気に泳ぎその勢いでWZにかみついたはず、だった。
「あ!?」
気がつけば穴の底に落ちている。マキが借りた重機で掘った穴に誘い込んでいたのだった。もちろん、移動先を知られていることを織り込み済みで。
「サメさん、潜ってばかりでは、逆に不利になりますよ~?」
「なめるんじゃねえって言ってるだろこのトカゲが!!」
姿が見えているアストライアに向かって口から巨大な魚雷を撃ち出そうとするが、それを止めたのは大和だった。
「学ばないサメでありますね。同じ間違いが許されることはないでありますよ」
魚雷に弾丸を命中させるとシャーキラーは魚雷の爆発に巻き込まれてバラバラに飛び散った。ガドックからたくさんの学徒兵達が顔を出して√能力者達にお礼を言っている。
「みなさん、お元気で~」
マキが手を振ると学徒兵達はありがとうと大声を返した。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功