シナリオ

戦闘機械都市ネオサイタマ燃ゆ

#√ウォーゾーン

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 #√ウォーゾーン

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●炎上する戦闘機械都市ネオサイタマ
 突如として戦闘機械都市のインフラを司るメインシステムがダウンし各地で騒ぎが起き始めたのは夕暮れの事だった。
 市民が知らぬ間にメインシステムに侵入されすでにプログラム上のメインフレームにまで侵食されている以上、このままの状態で防ぎきるのは不可能に近いだろう。
 市内の各所に設置されたガスや電気の経路を制御するシステムも当然のように敵に把握されすでに暴走状態に設定されてしまったようだ。

 ドオンと響く爆発音と共にいくつかのエリアで火柱が上がり火災が発生してしまっていた。
 反対側のエリアでは変電施設に異常が発生し、手動でのシステムダウンすらできないほどに事態は深刻。
 そしてそれによって人類にとって不利益な命令が戦闘機械都市の外壁へと伝達され重い機械音が響き渡っていく。
 それは外敵の侵入を防ぐはずの防護壁が勝手に開き始めてしまったということだ。

 数少ない人類の生存圏がまた一つ失われようとしている。
 これに乗じて攻め込んでくる戦闘機械群の脅威が迫りつつありもはや時間はない。
 そして無数の戦闘機械を先陣にしつつ重厚な足音を響かせ、ありえないサイズの巨体はもうすぐそこまでやってきているのだった。


 「いや~、ハッキングとかクラッキングというやつは目に見えぬもので防ぎにくいものでありますなぁ」
 やれやれと肩を竦めながら星詠みのベル・アハトは集まった√能力者達にニィっと笑って見せた。
 どうやら今見せられた光景に今から介入すれば悲劇は回避されるという余裕からなのだろう。
 「さて、ハッキングですでにシステムを掌握されている以上、まずは現地で爆発炎上している街で救助作業にあたってもらいたいですぞ。 システムそのものの復旧は戦闘機械群の侵攻を撃退してからしか出来そうにありませぬぞ!」
 後始末は気にせず目の前の危機を救うのに全力を尽くすべきなのだと言いたいのだろう。
 突然の事で逃げ遅れた市民を助け安全地帯に逃がすことが第一なのだ。

 どちらにしろこの爆発炎上の混乱を突いて敵が現れるので、事前に混乱を少なくしておく方が戦いやすくなるという意味もある。
 「というわけで皆々様には逃げ遅れた人の救助や避難の手伝いをお願いしたいですぞ~」
 ベルはそう言うと戦闘機械都市ネオサイタマの地図をばぁんと叩き一同によろしくお願いしますとお辞儀をした。
 今日の別世界への入り口はこの掃除用ロッカーの中から直行便、微妙に緊張感の無い場所が戦場に繋がっているのだからわからないものだ。
 こうしてまた新たなる戦いの火蓋が開こうとしている……。

マスターより

轟天
 √ウォーゾーンが舞台の3章完結のシナリオとなります。

 第1章は爆発炎上に苦しむ市民の救助や避難活動が主となります。

 第2章、第3章の情報は、章が進むタイミングで断章として提示される予定です。
 章ごとのプレイングボーナスはその都度提示されますのでご確認ください。

 第一章のプレイングボーナスは『救助活動に参加する』となります。
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第1章 冒険 『爆発炎上都市』


POW 現地に駆け付け、消火活動を行う
SPD 要救助者を発見し、救出する
WIZ 事件の黒幕の意図や居所を推測する
√ウォーゾーン 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

餅竪・れあぬ
■方針
・アド/絡◎

■行動
確かに、まずは救助ですわね。
急いだ方が良いでしょうし、やってみますわ。

まずは【リアルタイムどろんチェンジ】で聴覚と資格に優れる『猫娘』に変化、救助対象を探しますわね。
見つけたら『閻羅閻羅』の『非実体化』で障害物を無視し急行しますわ。
瓦礫の撤去や怪我人の運搬等であれば『筋力』に優れる『鬼娘』、火にまかれて逃げ道が無い等であれば『蛟』に変化し水流による消火等、【リアルタイムどろんチェンジ】の変化術を活かして、遭遇した状況に順次対応しますわね。
周囲の危険は『姫魚』の行動予測で把握しつつ、保護した方は『釣瓶火』の『炎雷障壁』でガードし誘導、途中遭遇した方も順次助けて参りますわ。


 「誰か、お母さんを誰か助けてぇ」
 ハッキング攻撃を受け市内のインフラが暴走した状態になっているネオサイタマの市街地は何処もかしこも大混乱の真っただ中だった。
 爆発によって崩れた瓦礫の周辺から聞こえてくるうめき声、重機などで助けようにもここまでやってくる道路が渋滞で使い物にならないとなり被害はこのまま何処までも広がりそうになっていて絶望感が広がるその時、何も無かった空間に突然実体化した謎の鬼娘が巨大な瓦礫に手をかけそして軽々とそれを持ち上げ投げ飛ばした。
 「お待たせしましたわ!」
 どろんチェンジで鬼娘と化した餅竪・れあぬ(とある豊饒の女神の使徒:餅・h00357)はそうやって泣いていた子供に笑顔を向けると次の瓦礫を持ち上げ一気に掘り進めていく。
 (まだ間に合いますわ!)
 ギリギリ隙間に埋まっていた母親を救い出し泣いていた子供と共に釣瓶火の防御が届く範囲に集め、そこに残っておくようにと言い残しれあぬの身体が蛟に変化し次なる火災現場へと隙間と言う隙間を通り抜け建物の内側へと入っていった。
 そこは瓦礫の下で放水があったとしても届きにくいような場所、だがしかしそこにも火災は広がっており通常であれば燃え尽きるまでどうしようもないのだが。
 「それは私がいなかった時の場合ですの!」
 蛟と化した身体から噴き出す大量の水流が建物内の火へと広がっていき白い蒸気が舞いながら収まっていく火災。
 だがまだまだ混乱は続いている。れあぬは火の手が迫るエネルギープラントに向け急ぎ向かうことにした。
 あれが破壊されてしまうと敵を撃退しても復旧までに時間が大きくかかってしまい市民生活に悪影響が出ると判断したためだ。
 (間に合うといいのですが)
 この手の災害は初期消火次第であるとわかっているからこそれあぬは急ぐ。
 事件はまだ始まったばかりなのだ!
🔵​🔵​🔵​ 大成功

アーシャ・ヴァリアント
アドリブ・絡みはご自由で。

真正面から殴ってくる相手なら平気だけど搦手使ってくる相手は苦手なのよね……。
まぁ、この後は正面から殴ってくるみたいだから問題ないかしら。

消火設備も駄目になってそうだしそっちも期待は出来なさそうね。
こうなったら解体消火するしかないわね、崩壊して避難の邪魔になってる建物や現在進行形で燃えてる建物を√能力でぶっ壊して避難しやすくするわ。
文句あるなら大本の元凶に文句言ってね、さっさと逃げなさい戦闘に巻き込まれて死んでもアタシは知らないわよ。


 ネオサイタマの市街地はすでに燃え広がり始めた爆発や火災の延焼で混乱状態寸前い陥っていた。
 機械によって管理されているライフラインへの外部からのハッキングという目に見えない攻撃はただそれだけでここまで被害を出してしまうもの。
 調節殴り合うわけでもないやりにくさにアーシャ・ヴァリアント(ドラゴンプロトコルの竜人格闘者・h02334)は少しばかり不満顔だ。
 「はぁ……っ。真正面から殴り合う相手ならやりやすいんだけどね」
 少しばかり面倒だと思いつつも目の前の惨事は許せない。
 |彼女《アーシャ》にとってそれは絶対に許せない悪行の結果であるし、何より目の前で苦しむ人々がいるのを見過ごすなど性に合わないからだ。
 「ちょっと、そこどいてなさいよ!」
 消火設備もまともに機能していないだろう現状で出来る事はとてもシンプルだと思う。
 すでに火災が発生し被害が大きくなる方向に延焼などされてはかなわない。
 ならばアーシャのとれる手段はこれに限ると本能が告げている。
 「塵芥になるまでやってやるわっ!」
 すぅ~と大きく息を吸い目の前の建物へと視線を向ける。
 すでに先ほどまで観察し固有振動数は把握できている……ならば後は思いきり吐き出すだけのこと。

 「|竜王絶唱撃《ドラゴニック・クラッシャー》!」
 声にならない絶叫、それは超音波を越えた破壊の音色。決して決して音痴なわけではない。
 ビリビリビリと震えた建物が次々と崩壊を始めその場に一気に崩れ落ちていく。
 土埃が舞い周囲の通路などにたちこめるも火災が延焼するよりは遥かにマシなはずだ。
 「お、おい何するんだ! 儂のビルぅ」
 「文句があるなら大本の元凶に言ってよね!」
 どうやらビルの持ち主らしい人物が苦情を言ってくるが今はそんな者に構っている暇はない。
 さっさと逃げないと知らないわよと捨てセリフを叩きつけ次の現場へと飛び去ることにした。
 こんな面倒なことを押し付けてくる敵への怒りがふつふつと湧いてきた。
 絶対にぶん殴ってやる……そう心に誓いアーシャは次の炎上物件を見つけ急降下していった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

紅河・あいり
焼肉焼いても街焼くな。このフレーズ昔のCMにそっくりね。クレーム来たりしないのかしら。それはさておき――
まずは市民の避難が最優先ね、どこに誘導しようかしら。
敵が防護壁を開いたってことは、その周辺はダメね。
避難先で侵攻に巻き込まれたら意味ないもの。

<行動>
√EDENから現地を観察、敵の侵攻ルートと迎撃地点を推測する
火災及び戦場から離れた避難場所と、安全な避難ルートを探す

瓦礫を【霊能波】で吹き飛ばし、現場の【ミニあいり】が要救助者を見つけることで、自分は√能力者だと周囲に示す
仲間や警察官などに避難ルートを説明、誘導の協力を仰ぐ

<補足>
焼き肉のタレのCM撮りをしながら、霊能力者のジョブイメージで参加


 ネオサイタマのライフラインは今や機能を停止し、広がり続ける火災による炎上を止めれる手段はアナログな消化方法しか残されていなかった。
 全てを機械制御の下で行うとこのような時に被害が拡大するという昔の教訓の通りかもしれない。
 「昔っていえば……焼肉焼いても街焼くな。ってフレーズにそっくりね」
 「あれ、そこのお人形さん物知りですな! あれはそう……|旧世紀《20世紀》のCMで……ぐぼっ!?」
 現場に到着した紅河・あいり(クールアイドル・h00765)が操る|ミニあいり《人形》の拳が唸り余計なことを言おうとした住民に静かになっていただいた。
 あいりちゃんは|ピチピチの16歳《公称》なのだからそんな昔の話に詳しいはずがない。
 まったくもう、この小悪魔を捕まえて何てことを……などと反応しているこれ自体が演技なのだと知る者は少ない。
 少なくとも見知らぬ者からすれば本気でそう見えただろう。
 だがこの緊迫した災害現場でほんの少しの笑いを付近にいた者に与えたあたり有名人たる者の人心掌握術の賜物だろう。
 「てぇい!」
 ミニあいりが霊能波で吹き飛ばした瓦礫、それによってまた何人もの人々が中から這い出てきて縋るような目で見つめてくる。
 彼らを救えるのはミニあいりしかいない。
 (防護壁が破られたということは外周部に逃げるのはダメ。なら……出来るだけ市街中心部に向けて避難するしか)
 そう判断するとピコピコと可愛らしく手を振りながらミニあいりは住民たちを安全な方向へと避難させ始めた。
 おそらくはもう大丈夫だろう……なんてったってあいりが全力で守るのだから。



 「焼肉焼いても~家焼くな❤️ あいりもお勧めの焼肉のタレ~買ってくれなきゃ暴れちゃうぞ❤️」
 焼肉の香ばしい香り漂う店内でにっこり笑顔のあいりの特上の営業スマイル炸裂。
 √EDENの撮影現場では戦場とは別物の空気が支配しているようだ。

 「はーい、あいりちゃんOKです!」
 「ふふ、お疲れ様ね」
 ディレクターの声と共に明るいキャラ作りから一転してのクールな姿に、撮影スタッフはいつ見てもすごい演技力だなと誰もが関心するほどだ。
 まさかこんな仕事をしている裏で別世界を救っているなどと知るはずもなく雑談に花が咲き流れていく平和な時。

 あいりはそんな達成感を感じながら今もミニあいりを通じて世界を守り続けるのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

川西・エミリー
アドリブ連携お任せします。
SPD対応

見つけました!もう大丈夫ですよ、今すぐ出しますからね。
・瓦礫の奥の動きを情報収集し、念動力で巨大な瓦礫を一つずつ丁寧に浮かせる。

わたしたちを信じてください、もうすぐ助かります!
・パニックになった人を演技で魅了し落ち着かせる。

しっかりつかまっててください!
・市民を抱えて運搬し、空中移動で安全なエリアへ。

・√能力は瓦礫が崩れてきて吹き飛ばさないと間に合わない場合があれば使用、要救助者は抱えるように鉄壁のディフェンスで爆風から守る。(√能力の詠唱について)無線からは救助状況が滞りなく完璧に進んでいる感じのニュース。


 「きゃあああ、助けてぇぇ」
 「怖いよぉ」
 人々が泣き叫んでも目の前に崩れてくる瓦礫はもうどうしようもない。
 突然の爆発炎上で街中が火の海となり逃げ惑う人々の行く手を遮るように燃え盛るビル群。
 そしてその一部が爆発で崩れ始め逃げ遅れ人々を下敷きにしてしまおうと大きな音をたて迫りくるまであと数秒。
 「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースをも王仕上げます。 我が軍の迅速な救助活動により被害は急速に沈下の方向にあります。勇敢なる市民諸君の理性ある行動に期待すること大であります!」
 突如として響く臨時放送の音色。
「見つけました! もう大丈夫ですよ!」
 突然市民たちの持つ携帯端末から流れ始めた威勢のいい音楽と共に聞こえてくる凛とした声。
 それが川西・エミリー (晴空に響き渡る歌劇フォーミダブル・レヴュー・h04862)のものであると気付いた者はいない。
 だが何処からか撃ち込まれた焼夷弾が崩れ落ちてきた瓦礫を撃ち抜き爆発しながら明後日の方向へと吹き飛ばしたのだ。
エミリーの放った|マ弾の射手《デア・フライシュッツ》によって起こった一瞬の出来事を人々は驚きの目で見つめそして歓喜した。
 「さぁ、わたしたちを信じてください、もうすぐ助かりますからっ!」
 他の救助にあたっている者達と共にエミリーは瓦礫を念動力で片づけ始めアッという間にできあがった脱出路。
 建物に阻まれ逃げ出せていなかった者達は外周部を割け都市の中央目指して皆避難をしていく。
それを見送りながら耳を澄ますと外部から敵が殺到してくる音がだんだんと近づいてくるのがわかった。
 (時間がありませんが、慌てさせてパニックを起こさせるのは得策じゃないですね)
 まずは落ち着かせるべきだ、そして理路整然と避難させなければ余計なけが人が出てしまう。
「それではまずこちらの列の方からあちらへと歩き始めてください。大丈夫です! 先ほどのように我々が皆さんをお守りいたしますので」
優しい微笑みと共に語った言葉が群衆に響き渡りパニックを起こすことなくゆっくりと歩き始めた市民たち。
 どうにか敵の来襲までには間に合いそうだと胸を撫でおろしつつエミリーは気付かないように時計を確認し冷や汗が頬を伝った。
臨時ニュースが繰り返される中、大規模な救助は大詰めを迎えていた。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 集団戦 『レギオン』


POW レギオンスウォーム
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
SPD レギオンスウォーム
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
WIZ レギオンスウォーム
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​


 ミシミシミシと不調をきたした機械類が内側から裂け中から飛び出てくる無数の超小型ドローン群。
 通称『レギオン』と呼ばれるこれらのドローンによりどうやらこの戦闘機械都市の機能はマヒ状態に追いやられてしまったらしい。
 ウィィンとカメラがピントを合わし逃げ遅れた人間がいないかどうかを探し街中に散り始めてしまった。
 このままでは市民が一方的に虐殺されてしまうこととなる。

 だがしかしここに希望が一つだけ存在していた。
 √能力者と言う彼らにとってのイレギュラーがすでに到着しているのだから。
月ヶ瀬・綾乃(サポート)
人間(√EDEN)の|警視庁異能捜査官《カミガリ》×ルートブレイカー、22歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
心を許したらテンション高め「(私、~くん、~ちゃん、よ、だもん、だよう、~かな?)」です。

√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


 異常をきたし炎上する戦闘機械都市のライフライン。
 そこから大量に出現したレギオン達こそがこの事件を巻き起こした犯人だ。
 索敵により人類を察知し殲滅すべく動き出したこの虐殺マシーン達が逃げ遅れた人々に狙いを定めたその時、銃声が響き渡り先頭にいた一機が突然爆発した。
 「|ホールドアップ《動くな》です!」
 拳銃を両手で構え月ヶ瀬・綾乃 (人間(√EDEN)の警視庁異能捜査官カミガリ・h03277)はそう言いながらも敵が止まるわけはないことは理解できてはいる。
 だがしかし警察組織に正式採用された嬉しさからかどうにもこのクセが抜けたりはしない。
 そんな仲間が破壊された事など気にすることなくレギオン達は狙いを綾乃へと向け無数の白煙が舞い上がり始めた。
 「ちょっ!? ミサイルこんな場所で撃ちすぎですっ!」
 パッと見だけでも数十発のミサイルが一斉にここを爆心地にしようとしているのは明白。
 そんなものを喰らうわけにいかないと考える間もなく綾乃は床を思いきり踏みつけズンと建物そのものが大きく揺れた。
 ズズンと伝わる強烈な振動、それは飛来するミサイルすら震わせそして次々と着弾前に連鎖爆発し目の前が真っ赤に染め上がっていく。
 こんな時のための隠し玉、|霊震《サイコクエイク》による強烈な霊能振動波によって勝手に起爆したミサイルの爆風はレイゴン達のセンサー類を無力化し完全に綾乃を見失う結果をなってしまっていた。
 「そんな脆弱なセンサーじゃ私の公務を妨げる事はできませんっ!」
 多少の熱さを我慢しその爆風の中を突破した綾乃は空中で静止状態のレギオン達に狙いを定め次々に叩き込まれる鉛玉。
 まず先制をとったことで好きに動ける自由と、それに対応しなければならない押し付けでかなり優位にたてるはず。
 結果がついてくるのならば余計にやる気も湧いてくるというもの。
 綾乃は振動で動きの止まった一機を踏み潰し次の敵へと拳銃を容赦なく撃ち続けていった……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

アーシャ・ヴァリアント
うへぇ、わらわら出てきたわねぇ。
遠隔で侵入とか思ってたら物理的に入り込んでたってわけ。
まぁ、出てきたなら叩きのめすだけで良いから楽ちんね、丸ごと燃やし尽くしてあげるわっ。
(√能力で威力を抑えた変わりに広範囲|灼熱の吐息《サラマンドラ・バーン》で焼き尽くす)


 爆発炎上したプラントの中から大量に湧き出てきた無数のレギオン達。
 今回の事故の原因がこれだったのかと誰でも理解可能な状況に駆け付けた√能力者達はさっそく対処を始めた。
 「うへぇ、またわらわらと出てきたわねぇ」
 半ば呆れ顔でそれらを見上げたアーシャ・ヴァリアント(ドラゴンプロトコルの竜人格闘者・h02334)は腰に手を当てやれやれといった表情だ。
 遠隔操作でハッキングしているのかと思いきやまさかの物理的侵入による故障だとはわかるはずもない。
 隠れている者を探し出すのは性に合わないが、ただ倒すだけならば得意分野……なにより小難しい理屈など何もいらないのがありがたい。
 「さて、それじゃあさっそく消えなさいなアンタ達!」
 悠然と翼を広げ飛び上がったアーシャに群がりミサイルを一斉発射し始めたレギオン達。
 無数のミサイルが迫る光景すら笑い飛ばしアーシャは大きく大きく息を吸った。

 「消えなさいっ! |灼熱の津波《サラマンドラ・ウェイブ》!」
 吐き出された灼熱の|吐息《ブレス》、あまりの高熱に引火し次々と連鎖的に広がっていく爆発。
 しかも爆発しなかったものさえ次々にダメージを与えてくる吐息を前にしてはそれ以上進むことなどできなかった。
 「まだまだぁ!」
 その大きな爆風ただ中を突き抜け飛び出してきたアーシャがレギオンの一つをがっちりと掴み別の個体へと投げつけガンと響く金属音。
 突然間合い内に入り込まれ混乱したレギオンの隊列に狙いを定め、再び息を吸い込みそして放たれる極上の灼熱の吐息。
 「アタシが来たことがアンタ達にとっての一番の誤算よ!」
 ドヤ顔と共にふんぞり返る目の前でさらなる爆発が起き地表へと落下していく無数の残骸。
 こうして人類側の反撃はまたまたド派手にその火の手をあげ人々はその強さに沸き立つのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

餅竪・れあぬ
■方針
・アド/絡◎

■行動
これは、急いで止めた方が良さそうですわ。

『精霊銃』から【エレメンタルバレット】を発射、レギオン達の集まっている位置を狙いますわね。
【スウォーム】で召喚された個体も範囲攻撃で出現直後を叩けば巻込めるでしょうし、機械系の個体に『雷属性』は有効なことが多く、私自身を巻込んで『帯電』の強化を得れば他の攻撃も通り易くなりますわ。
一般の方々を探されない様、私に気を引いた上で『後神』による空間移動で『何れかのレギオンの後ろ』に回れば発見までのタイムラグが得られますので、更に銃撃を重ねられますわね。
同様の攻め手を繰返しつつ、他者を探そうとする個体がいれば優先的に狙い、着実に参りますわ。


 戦闘機械都市のインフラのトラブルで巻き起こった大規模な爆発炎上は今も各地で続いてはいた。
 だがしかし√能力者達の活躍もあり避難誘導も終わりつつある今、無人か見えた設備から湧き出た大量の黒い機械生命体。
 レギオンと呼ばれる球状の機械生命体達が忍び込みこれだけの大惨事を引き起こしていたというわけだ。
 真っ赤な目に見えるセンサーユニットが輝き周囲の索敵を行い始めた……その時、頭上から放たれた一条の輝きがレギオン達の密集する場所を貫きそして大爆発を起こした。
 「ここから先は行かせませんわ!」
 手にした精霊銃が放ったばかりの強力な熱量で赤熱化しながら湯気をたてていた。
 餅竪・れあぬ(とある豊饒の女神の使徒:餅・h00357)は着弾地点が未だに電光でスパークが走っているのを見届け銃口を少しずらし迷いなくトリガーを引く。
 (雷霆万鈞でだいぶ吹き飛ばしましたが、まだまだ残っていそうですわね)
 再び爆発が起こりかなりの数を巻き込むもさすがにレギオン達も編隊を組みなおし分散していこうとしたため、れあぬは特殊な歩法によりそのうち一つの集団へと一気に跳躍した。
 常人には瞬間移動にしか見えない瞬時の加速によって反応する間もないレギオンの群れ。
 「銃身がいつまで保ちますか……賭けですわね」
 力をこめ引き絞ったトリガー、再び強烈な電光が煌めき炸裂した破壊力によって路地に逃げ込もうとした一団もまたスクラップへと早変わりした。
 これで2方面は止れたが、まだまだ散らばっていった敵の数は多い。
 「優先すべきは……市民を傷つけようとしている奴ですわ!」
 聞こえてくる悲鳴などから方向を割り出しれあぬは再び地を蹴って先を急ぐことにした。
 この混乱が長引けば本命が来る時までに崩壊していてもおかしくないこの状況。
 熱気に包まれた市街をれあぬはさらに駆け続けていく。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

紅河・あいり
何とかギリギリ間に合ったみたいね。
みんな、もう集まっているかしら?

ミニあいり分隊:
『緊張感のない格好ね。料理でもするの?』
『敵をおびき寄せるための愚策じゃないかしら』
『そう? 私はナウいと思うけど。チョベリグ♪』

着替える時間がなかっただけよ。茶化すのはやめて。
逃げ遅れた人がいるみたいだし、遊んでいる場合じゃないわ。

指示:
一つ、ツーマンセルで行動することで反応速度半減を補う
二つ、生存者を【かばう】と共に相方が【シルバーバトン】で攻撃
三つ、死語を言った分身は即自爆

あと誰か一人が良いことを言ったわね。
敵がエプロン姿の私を狙ってくるようなら私が囮になるわ。

<補足>
CM撮影後、矢継ぎ早に√ウォーゾーンへ


 「何とかギリギリ……間に合った、かしら?」
 先ほどまでいた撮影現場の焼肉とはほど遠い本物の火災のど真ん中で紅河・あいり(クールアイドル・h00765)はテンションを切り替え周囲を見渡した。
 そこは爆発炎上した事件現場、そして無数のレギオン達がその姿を現し暴れ回り始めたばかりのタイミング。
 まさにギリギリだ。
 『緊張感のない格好ね。料理でもするの?』
『敵をおびき寄せるための愚策じゃないかしら』
『そう? 私はナウいと思うけど。チョベリグ♪』
 先行させていたミニあいり人形達からの評価は辛口気味、それもそうとても戦場に着てくる服装ではない。
 「茶化すのはやめて、着替える時間が無かっただけよ」
 パチンと指を鳴らすと最後に死語を言い放った人形がいきなり自爆した。
 あまりにも迅速な爆破までの流れに人形達があたふたと慌てだしそしてビシッと敬礼して見せた。
 その様子に微笑みを返しあいりは暫し考えるとポンと手を打ちシルバーバトンをくるりと回した。
 「敵を誘き寄せる……いい案じゃない」
 あっという間に頭の中で作戦を練るとあいりは人形達に指示を出しさっそく行動を開始することにした。

 レギオンが逃げ遅れた女を取り囲むようにレギオンミサイルをぶっ放す。
 それらが狙うのはもちろん逃げ遅れたように見えたミニあいり人形達だ。
 先ほどからチョロチョロと動き回り反応がある以上は追いかけてばかりのレギオン達。
 これが知性あるものであれば変であると気付くだろうが、何分これらは動く生命体だけを殺すよう設定されていたがために見分けがついてはいなかった。
 裏路地に逃げ込んだ人形を追いかけ角を曲がった瞬間。
 ガコン
 思いきりシルバーバトンで打ち据えられ砕かれる機械のボディ。
 「反応が鈍くなった分は数はカバーってことよ……OK?」
 笑顔でバトンをくるりと回してもおう一撃、それでレギオン一機の機能は完全停止した。
 とはいえまだまだレギオンはうろついている。
 「さあ、終幕に向けて頑張るわよ♪」
 『さっすがナウでヤングなあいりちゃ……ぐはっ』
 「……死語禁止!」
 パチンと指が鳴り余計なことを言いかけた人形が瞬時に自爆して爆ぜた。
 口は災いの下とはよく言ったもの、あいりちゃんの前でそれはまさに地雷なのだ。
 こうしてレギオンを解決する頃には人形達はその数を半数以上減らしていた……それだけ地雷が多いの公称16歳さん。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

川西・エミリー
アドリブ連携お任せします。
WIZ対抗

街の人たちが見つからないようにしないといけませんね。
・霧深き泡沫の恋でスモークを発生させてジャミングと物を隠す技能で電子的な幻惑の霧にして敵センサーの無効化を試みる

一つでも通したらまた悪さをされそうです。攻撃は強くないみたいだけど…
・視力で確認したレギオンが飛び出てくる瞬間に二〇粍機銃で機械ごと貫通攻撃、レギオンミサイルは七粍七機銃の弾幕で迎撃

数が多いならまとめて倒すだけです!
・浮遊する端末からのレーザー射撃で牽制、七粍七機銃で制圧射撃して敵の移動を制限、纏まった所に√能力を撃ち込む


 街中に現れた無数の機械兵器レギオン、その赤いセンサーが超感覚モードに切り替わり周囲の索敵を始めたことに危機を覚える者達がいた。
 避難している市民の居場所がしれればそこに殺到し殺戮の限りを尽くすに違いないとすでに何人もの√能力者が駆けつけ対応を始めている。
 突然街中に噴きあがった|スモーク《煙幕》によって遮らせる視界。
 それが川西・エミリー(晴空に響き渡る歌劇フォーミダブル・レヴュー・h04862)が|霧深き泡沫の恋《エルベのほとり》によって散布した煙幕だとはレギオン達に半月はつかなかった。
 「電子的な霧も出せるものなんですね」
 少しほっとした様子でエミリーはレギオン達が明らかに目標を見失ったような動きを始めた今こそチャンスだと小柄な身体に不釣り合いな大型銃器を静かに構える。
 かついて大型機に致命的な一撃をもたらした力を具現化した九九式二〇粍三号機銃はレギオン程度であればかするだけで機能停止させるに違いない威力を持っている。
 |レティクル《照準線》を覗き込み慎重に狙いを定めるとエミリーは迷うことなくトリガーを引いた。
 チュインとかするような軽い音がしただけで砕け散る光景はもはや射的に等しい。
 (ここで数を減らしておかないと……えい!)
 BOW BOW BOWと重厚な音と共に吐き出された弾丸が次々とレギオンを撃ち抜き|鉄屑《スクラップ》に変え続けるエミリー。
 たまらず当てずっぽうでミサイルを一斉発射したレギオン達、このままでは周囲に大きな被害が出ると予想がついていたエミリーは七粍七機銃を構え撃って撃って撃ちまくる。
 爆音が鳴り響き弾幕がそれらを撃ち落とし爆発が連鎖し目の前が紅蓮の炎で包まれていった。
 その爆炎に巻き込まれ傷ついたレギオン達もまた共に燃え上がり吹き飛んでいく。

 「さあ、ここからが勝負です!」
 銃身が真っ赤に灼けた機銃を投げ捨てエミリーは力強く前へと踏み出し敵を求めて炎上の街を往く」のだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

田植・夏実
アドリブ歓迎
スマイルジーン中毒者で常に笑顔でいる

駆け付けるのが遅れちゃったけど、手遅れじゃないよね?
あ、よかった。最悪の事態はまだ避けられてる
それならボクもがんばらないと!

逃げ遅れた人がいないか捜索活動をしてたらドローンのセンサーで見つかるけど、先手を取ってヘビーマシンガンで撃ち落とすよ!
撃ち落としたら熱光学迷彩を纏って、また捜索活動に戻るけど……レギオンドローンの超感覚センサーを熱光学迷彩だけで誤魔化せるかな?
いや、捜索活動で声出したりしてるから無理かな?
ごまかせなかったら発見されると同時に先手取っての繰り返しになっちゃうね!敵を減らせるからそれでもいいけどね!


 「もう逃げ遅れている人はいませんかー?」
 爆発炎上都市に響く明るい声が響くものの返事はない。
 このエリアにはもう逃げ遅れたり隠れている人はもういないか、すでに死んでしまっているかのどうちらに違いない。
 少しばかり救援活動の本番には間に合わなかったがまだ大丈夫、失点は取り返せるとそう考えるだけでニコォと自然に緩んでしまう頬。
 田植・夏実(促成機械化調整兵・h00609)は最悪の事態にはなっていないとただそれだけのことですでに幸せを感じてしまっていた。
 それは普通に考えれば少しばかりおかしな反応で普通の反応ではない。
それもそのはず夏実は|スマイルジーン《遺伝子改造薬品》の常習使用者なのだ。

 「むっ、そこですっ!!」
 大声で叫んでいた夏実が突然手にしたヘビーマシンガンを振り上げトリガーを引いた。
 重厚な発射音と共に頭上で何機かのレギオンが打ち砕かれ破片が足元へと降り注いできた。
 どうやらセンサーで補足されたのを察し瞬時に先制射撃で対象を仕留めてしまったと傍目にはわからないだろう。
 それほどにヘビーマシンガンを無の状態から一気に構え狙いそして撃ち抜くまでが一瞬のことだったのだ。
 (ん-、避難民がまだいるかもしれないけど、これはちょっと手間取るかも?)
 捜索のために声を出さねばならないが、レギオンの各種センサーに探知されやすくなるリスクももちろん高くなる。
 ならばここで|あえて敵を釣り出す《・・・・・・・・・》方が避難民に危害がいかないのではないか?
 「あーっ、しょうがないしょうがないね!」
 ニッと笑みを浮かべヘビーマシンガンのマガジンを替え|手動再装填《リロード》するとわざと何射か空に向けて斉射した。
 銃声が響き渡り無数のレギオン達がこちら方面に近づいてくる機械音がする。
 ここからが面倒だ、出会い頭に何体仕留めれるか?
 (ボクと根競べに付き合ってもらうからね)
 ゾクゾクと生死の境目へと飛び込んでいく自分の行為に身体が熱く燃え上がるような高揚感が駆け抜けていく。
 こうなった夏実を止めれる者はどこにもいない、次のポイントである曲がり角目掛けて突き進むその顔に浮かんでいたのは……愉悦に満ちた満面の笑顔だった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『鐵浮屠』


POW 対√能力反応装甲
自身が受けた武器や√能力を複製した【攻撃の威力を相殺する増加装甲】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
SPD 重騎兵衝鋒
【エネルギーバリア】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【動能重撃(運動エネルギーを籠めた一撃)】」が使用可能になる。
WIZ 堵牆而進陣
事前に招集しておいた12体の【量産型鐵浮屠】(レベルは自身の半分)を指揮する。ただし帰投させるまで、自身と[量産型鐵浮屠]全員の反応速度が半減する。
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 爆発炎上し混乱で防御壁が手薄になったところにレギオン達による内部の混乱。
 そのほとんどが√能力者達によって鎮圧されたとはいえ、戦闘機械都市としての防御力は皆無といった状態に陥ったのは間違いない。
 それが証拠に悠々と歩き防護壁を今まさに破壊した巨体はすでに都市の中へと入り込んでしまった。
 全高20mほどもある重厚な巨体への砲火のほとんどが傷一つ与えられていない。
 重装甲、超重量でありながら飛翔しあっさりと市街地へ到達するあたり並の兵器ではない。
 『鐵浮屠』自身の重量も加えた踏み潰しだけで大半の物は破壊されてしまうのだから。

 だがしかし巨体ゆえの動作の鈍さ、小回りの利かなさなど欠点がないわけではない。
 はたしてこの巨人相手に√能力者達はどう向かい合い戦い抜くのか……未来はどう変化するのか、まだこの時点で不確定でしかないのだ。
第四世代型・ルーシー
「依頼の対象を発見したよ、マスター」
システム戦闘モード起動という機械音声と共に体に(WZ”戦闘強化剤)が注入される。
「これより任務を開始する、マスター」
以後、必要最低限の会話

今回の依頼は、『鐵浮屠』っていう敵みたいだね、うーん見た感じだいぶ重装甲で生半可な攻撃は通らなそう、やっぱり愛用の(”WZ"パルスブレード)でいつも通り攻撃しようかな、ブレードいつもありがとう!
 
方針
(”WZ"パルスブレード)を用いての近接戦を仕掛ける、接近するまでの間(”WZ"4連装ミサイルランチャー)で制圧射撃を行いつつ軽量機の高い機動性で近づくよ、もし危険になったら("WZ"パルスアーマー)を使用して身を守るよ。


 ズシンズシンと周囲に地響きが聞こえ始めビルか何かの建造物が崩れ落ちる音がそれに加わった。
 チラリと物陰から覗いた先に視認できた20m強の巨体から発せられる|緑色の発色《エーテル光》はそれが通常動力で動いてはいけないことを示しているかのよう。
 「依頼の対象を発見したよ、マスター」
 『システムメッセージ:戦闘モード、起動シマス』
 可憐な外見の第四世代型・ルーシー(独立傭兵・h01868)がそう呟くと共に本人だけに聞こえてくる機械音声が重なる。
 モニターごしに|マスター《老人》が親指をたてたのが見えたが、すでにルーシーの視界は愛機である量産型WZブッダから流れ込んでくる大量のデータ処理のため視線で返すことはできなかった。
 「これより任務を開始する、マスター」
 逆関節独特の溜めから一気に跳躍し|鋼の機体《ウォーゾーン》は燃え盛る市街地へと跳び出していった。

 悠々と街を破壊していた鐵浮屠が飛来する4発のミサイルを感知し腕でそれを庇う。
 威力そのものは大した事はない、だが複数の発射点から弧を描くよう時間差で撃ち込まれるそれを無視するにはあまりにも的確な部位を狙ってきているようだ。
 先ほどまでの人類側の散発的な抵抗とは違うものを感じ全身が緑色の輝きに包まれていった。
 (やはり削られるのを嫌って|手札を切った《バリアを張った》!)
 ルーシーはここぞとばかりビルの合間合間を駆け抜け、ブーストを吹かしながら間合いを詰めていく。
 この手の輩は装甲が厚く生半可な攻撃は通じない。
 そしてWZブッタの武装でそれを破るための武装ともなれば|愛用の得物《パルスブレード》による斬撃が最も有効だ。
 だがしかし鐵浮屠もまた無策というわけではない。
 バリアを身に纏ってから鈍重だったはずの動きが数倍に跳ね上がりルーシーの動きを見切るかのように次の射撃ポイントのビル影へと向けられる巨大な拳。
 唸りを上げ放たれた能動重撃が今まさに射撃ポイントに着こうとしたWZブッタを襲う。
 (こっちにも奥の手は、ある!)
 崩れ落ちてくる瓦礫に圧し潰されそうなWZブッタを中心に放たれた強力な|エネルギー防壁《パルスアーマー》、雪崩落ちてきた瓦礫や伸びた拳の衝撃を受け止め一気に|レッドゾーン《限界寸前》になっていく。
 だがこの一瞬があればよい、近接機にとって間合いに飛び込む隙をいかに作りだすのかの答えはそこにあった。
 「行けっブッタ!」
 スラスター全開、逆脚により伸びきった鐵浮屠の腕を駆けあがり左腕で逆手に持ち溜めに溜めたパルスブレードの刀身が眩く輝いた。
 ガキンと耳障りな音が響く、高周波振動によって易々と鐵浮屠の装甲を切り裂くパルスブレードの刃が鐵浮屠の手の甲から肩口までを一気に突き破った音だ。
 一撃離脱、その言葉を現すかのように鐵浮屠の首元を蹴りそのまま裏手のビル街に姿を消していくWZブッタの機影。
 怒りに身を任せたかのように振り返った鐵浮屠の顔面に、置き土産の時間差ミサイルが飛び込み爆発が巻き起こったのはその直後のことだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

アーシャ・ヴァリアント
アドリブ・絡みはご自由に。

またごっついのが出てきたわね、これが奥の手って事かしら。
いっぱい連れてきて街を更地にでもするつもり?
まぁ、アタシがいる以上そんな事はさせないけどね。

数で責めてくるのは悪くないけどそのせいで本体の能力低下するのは悪手でしょ。
(巨人に立ち向かう姉を心配して実妹の霊が力を貸してくれる)
っと、今回も力を貸してくれるのね、ありがと、そんじゃあ二人でボッコボコにするわよっ。
(強化された移動速度で一気に接近し遅いとののしりながらヒットアンドウェイで
本体の同じ個所を何度も攻撃し止めに【二回攻撃】【部位破壊】で竜王閃光脚を放ち反動で舞い上がりそのままもう一回放って粉砕する)


 爆発炎上し混乱広がる市街地を蹂躙し始めた20強の巨体。
 それが鐵浮屠と呼ばれる巨神兵であると知る者はいない。
 だが古代中国を思わせる装飾と、感情を感じさせない無機質感からくる恐怖だけは確かなものですでに被害はさらに増え続けてしまっていた。
 『オオオオ』
 地響きのような声、それと共に12体の同じような姿をした巨神兵が出現し同じように街を破壊し始めたのだ。
 「またごっついのが出てきたけど、あれって奥の手のつもりなのかしら?」
 アーシャ・ヴァリアント(ドラゴンプロトコルの竜人格闘者・h02334)はビルよりも巨大な巨人達を遠目に見てやれやれと思う。
 早く止めねばならないとグラリと屋上から身を乗り出しそして飛翔し戦場へと駆け付けていく。

 (ほーら、アーシャお義姉ちゃんもっともっと頑張って!)
 何か声が聞こえたような気がした。
 だがアーシャにはその声が聞こえることは無い。それはいつも手を貸してくれる何処かの誰かの霊。
 ただでさえ量産型を呼び出した事で遅くなった巨体を嘲笑うように軽やかにジグザグ移動し蹴りをくれてやる。
 「ふふん? 遅い遅い、そんなの子供でも避けれるわよっ!」
 大振りのパンチを避けて急降下、そして向う脛に勢いのままに叩き込む竜王閃光脚の一撃。
 だがそれは一撃で止まらずさらに身体を捻り斧のような打撃がさらに叩き込まれた。
 (あぁ❤️ アーシャ義姉ちゃんかっこいいっ❤️)
 アーシャの華麗な戦いぶりを、憑依し身を重ねることで目撃し続ける|守護霊《サーシャ》の顔に愉悦が浮かんだ。
 このように戦いに身をおいてこそ義姉は輝くと思う。
 そしてそれは勝利している時というわけでもなく。
 「あぁもう、同時に来るとか聞いてないっ!」
 量産型達がまさかのお互いを貫くことすら厭わず殴りかかってきたがため、さしものアーシャもそれに巻き込まれ超重量物に圧し潰されそうになり苦悶の表情。
 崩れ落ちてきた瓦礫を弾き飛ばしぜぇぜぇと肩を揺らし息を整える姿は土埃に塗れ疲労の色が見えてしまっていた。
 (あぁぁぁぁぁぁ❤️ アーシャ義姉ちゃんったら、こんなにボロボロになっちゃって……最っ高❤️)
 歓喜する|守護霊《サーシャ》からの大量の力を感じアーシャは構えを取り直した。
 「誰か知らないけど、いつもありがとねっ!」
 まさか自分がボロボロになっているのを悦んでるとか気付くはずもなく、力を振り絞ってくれているのだなと勘違いしたままに……アーシャは地を駆け必殺の蹴りを巨体に叩き込んだ!
🔵​🔵​🔵​ 大成功

餅竪・れあぬ
■方針
・アド/絡◎

■行動
とんでもない難敵ですが、やってみるしか無さそうですわね。

【妖異変化「雷獣」】、『雷獣』との|融合姿《獣耳&尻尾付》に変化しますわ。
【重騎】で移動速度を増しても『雷獣』の『雷速』であれば速度で上回れますし、『姫魚』の『高精度行動予測』で時機を計り『雷速回避』を行えば、近接前提の【重撃】の回避も可能でしょう。
そして『雷撃』と『釣瓶火』の『炎弾』を集中させるか、敵方の動きの隙を見て『バリア』に僅かでも隙間が作れれば、『閻羅閻羅』の能力で非実体化してその隙間を抜けられますわ。
そのままバリアの無い内側から、装甲の薄い関節部や巨体を支える動力炉等を狙って『雷撃』を撃ち込みますわね。


 荒々しい音と共に建物が崩壊し飛び出してきた20m強の巨体。
 そして全身を強力なエネルギーバリアで包み込んだ鐵浮屠はその剛腕を振りかざし目の前を電光のように飛び跳ねる|ナニカ《人影》を殴りつける。
 「OOOOOOO!!」
 「とんでもない馬鹿力ですわね!」
 電光を身に纏いケモ耳尻尾を生やした餅竪・れあぬ(とある豊饒の女神の使徒:餅・h00357)は飛び散った瓦礫をジグザグに踏みしめ飛び回っていた。
 妖異変化「雷獣」で雷獣との融合を果たしたがゆえの速度と反応、そして高精度に行動予測することでそのスピードを極限まで使い切っての全力回避の連続。
 すれ違いさまに雷撃を放つもそれらは分厚いバリアに阻まれ本体には届いていない。
 ならば隙を作るまでとより執拗に飛び回るのだがさしもの鐵浮屠もその鬱陶しさにいら立ったのかビルごと次々と破壊し足場を無くすことにしたらしい。
 更地になってしまえばたしかに足場が減り動きは地表に縛られてしまうだろう。
 (バリアを一瞬でも中和できれば……っ)
 時間はあるようでない、動きやすい今のうちに決着はつけておくべきとより一層執拗に狙うのは巨大な脚部への炎弾と雷撃の集中。
 それらを嫌った強烈な蹴りがビルが砕かれ大きな土埃が舞い失われる視界。
 だがそれはれあぬにとって待ってましたとばかりのチャンスなのだ。
 「ビルの配電管を蹴破ったのがあなたの敗因ですわっ!」
 れあぬが祈りを捧げ手にした力、ビルに供給されていた膨大な電力が足元から湧き出てバリアへと流れ込んだのだ。
 「!??????」
 「そこですわっ!」
 バチッと一際大きな電撃が弾け鐵浮屠の足元で巻き起こった激しい発光、それによってバリアが一部分とはいえ歪み弾けた箇所が現れた。
 (閻羅閻羅……起動っ!)
 れあぬの身体が半実体化し瞬時に通り抜け直接触れた巨大な鐵浮屠の膝関節部。
 このチャンスをここまで粘り強く待っていたのだ、やるならば全力全開フルマックスでやるだけやってやるつもりと気をこめ触れた掌。
 「はぁぁぁぁぁっ!!!」
 れあぬの気合と共に炸裂した電光の輝きがバリアの内側から間接部を焼きそして焦がし燃え上がり強烈なスパークと共に爆発し飛び散る膝関節。
 巨体が膝をつき崩れるそれを見届けれあぬは巻き込まれボロボロになりながらも満面の笑みを敵へ投げかけるのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

継萩・サルトゥーラ
轟天マスターにおまかせします。かっこいい継萩・サルトゥーラをお願いします!

アドリブ歓迎。
「やったろうじゃないの!」
「まぁ焦んなや、楽しいのはこれからだ」

√能力は指定した物をどれでも使用ます。
戦うことが好きで好きで楽しく、戦闘知識や勘を活かしてハデに行動します。
楽しいからこそ冷静でいられる面もあります。
多少の怪我は気にせず積極的に行動しますがヤバいときは流石に自重します。
仲間との連携も行えます。
軽口を叩いたりやんわりと皮肉を言ったりしますが、他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


 ズズン、ズズンと大きな地響きと共に街を蹂躙する20m強の巨体達。
 鐵浮屠だけでも厄介だというのに“量産型” 鐵浮屠まで12体も現れたとあっては住民たちの抵抗ではもはやどうしようもないかに見えた。
 だがしかし時折足元より巻き起こる爆音が数々の抵抗を続ける者達がいることを暗に示していた。
 そんな|抵抗者《レジスタンス》的な動きで戦場を駆け巡る継萩・サルトゥーラ(百屍夜行・h01201)の戦いはまだまだ先が長い。
 巨大な相手というものはその質量そのものが武器となり凶器と化すからだ。
 「やったろうじゃないの!  アドバン展開っ!!」
 そんな相手に怯むことなく闘志を燃やすサルトゥーラの命令を受け|半自立浮遊ガトリング砲《ファミリアラージガトリングセントリー》の回転するバレルから発せられた火砲が量産型の頭部目掛けて弾幕を張った。
 視界が奪われた隙をついて屋上を全力疾走し一気に宙を舞う身体。
 (落ちたらヤバイヤバイヤバイ!)
 眼下の景色を見ないようにし狙うは一か所、巨人の目に限る。
 ガンッと勢いよく着地し手にした|ソードオフショットガン《切り詰めた散弾銃》の銃口を巨大な目に押し当て、そして躊躇うことなくトリガーを引いた。
 ズドンズドンとありったけ撃ち込み反動を利用して一気に背後へと跳んだ直後、別の量産型の拳が弾丸を撃ち込まれた顔面へとクリーンヒットし砕け散る頭部。
 同士討ちなどおかまいなしに始末しにかかるだろうとのサルトゥーラの予測は見事に当たった。
 (奴ら、敵の殲滅に対して味方への配慮なんて無いに等しいみたいだな!)
 斜め下に落下していきビルのガラスを突き破った身体が床面に叩きつけられ信じられないような痛みが全身に走った。
 「ぐお……思ってたより痛ぇ」
 肩て息をしながらショットガンを杖代わりに立ち上がりタクティカルベストから取り出した無針注射を迷うことなく腕に突き刺し注入される薬剤。
 緊急時ですら接種を禁じられるような劇薬によってグルンと目がひっくり返りそうなほど眼圧が高まっていく。
 全身の血管が熱く燃え上がるようで痛みなどどこかへと吹っ飛んでしまったかのように思える。
 「へへっ、焦んなや……お愉しみはこれからだぜっ!」
 流血で真っ赤に染まった視界に浮かぶのは拳を振り上げた巨人の姿。
 そのままこのフロアを吹き飛ばすつもりなのだろうが今のサルトゥーラにとって後退などとんでもない事だ。
 「うぉぉぉぉっ!」
 「OOOOOOOO!!」
 叩きつけられた拳をジャンプで躱しそのまま巨大な腕を駆けあがっていく目に浮かぶのは興奮剤などによる多幸感。
 そのまま肩口から飛び上がったサルトゥーラは、装甲に覆われていない鐵浮屠の目へと銃底を思いきり叩きつけた!
🔵​🔵​🔵​ 大成功

田植・夏実
アドリブ歓迎

おおよそ全高20m程の大型機が出てきたね
流石に今回はこれが最終兵器だよね?
うん、なら全力でいこっか!

量産型まで連れてきたかぁ。でも、指揮機能に演算能力を割いたのか動きが更に鈍ったかな
これならいけそうだねっ!
高機動用追加パーツを背中と肩に追加して、サイボーグ義手のバトルウォーアームの両腕に高周波破砕パイルバンカーを装着するよ!
右目のカメラアイ義眼をきゅいんきゅいんさせて高速戦闘対応モードにして、高機動用追加パーツのブースターを全開にしてスマイルジーンも過剰摂取して半ばカミカゼ突撃の恐怖心も多幸感に変えて吶喊だよ!
あは、アハハハッ!どんな装甲だって無駄だよ!ただ撃ち貫くのみ、ってねぇ!
川西・エミリー
アドリブ連携お任せします。
POW
まずは突破口を探して…足を止めです。
・移動中の敵に隠れながら追随して装甲の弱いところがないか情報収集
・ジャミングで敵の通信システムとセンサーに干渉して、索敵能力を阻害
・浮遊させた砲台からレーザー射撃、機銃で牽制射撃
その動きでわたしをとらえられますか?
・√能力を発動し、敵の攻撃を至近距離で残像を出して避けながら高速で空中移動、スモークをまき散らして敵の視覚を遮る
・動きが鈍った瞬間、敵を攪乱するように放たれていたレーザーの弾幕が一点を狙うように動き集中
…これでフィナーレです!
・負荷の掛かった敵の装甲に至近距離から二〇粍で貫通攻撃


 ネオサイタマ市街に多大な被害を与えつつ暴れ回る鐵浮屠と量産型“鐵浮屠”達。
 √能力者達によって量産型の大半を撃破できたとはいえ、まだ何機かの巨体が街を破壊し続けていることに変わりは無かった。
 20m強の巨体が大暴れし瓦礫や土煙が舞い上がる中を駆け抜ける複数の人影があった。
 「あの巨体ではやはり細かい点にまで注意は向かないようです」
 じっくりと観察し敵の傾向を見定め続けていた川西・エミリー(晴空に響き渡る歌劇・h04862)は油断することなくジャミングを続け見つからないようより一層集中し続けている。
 何人かの仲間たちが戦う光景から見て、関節部や目などの部分は装甲もバリアも薄いであろうことは予測することができた。
 あとはどのタイミングで仕掛けるかそうかなのだが……。

 「あははは♪ 大きぃい、さすがにこれが|最終兵器《オオトリ》だよね?」
 ビルからビルへと飛び移りその射線上に敵の頭部を見定めた田植・夏実(促成機械化調整兵・h00609)は歓喜しながら背中と肩に追加した高機動用パーツのスラスターを吹かした。
 ゴウンと空気を切り裂くような爆音と共にビルの屋上から屋上に飛び移り迫っていく命知らず。
 戦いの中であっても笑顔が張り付いて剥がれない|スマイルジーン《違法薬品》による多幸感は恐怖と言うリミッターを夏実から取り払ってしまっていた。
 笑いながら突撃する夏実のサイボーグ義手に装着された凶悪なまでの|高周波破砕杭《パイルバンカー》を構えながらの行動だ、何をしたいのかなど誰の目にもあきらか。
 ほぼ一直線に突き進んでいるのだから予測など必要ないぐらいに単純明快。

 「あら? ちょうど良い所に先兵さんが」
 そんな夏実の特攻を眼下から見上げたエミリーはちょうどよいと各種武装の展開を始め浮遊砲台からレーザーと機銃を撒き散らせ鐵浮屠の注意を足元に引いた。
 それだけではきっとあの|猪武者《夏実》の動きはバレバレであろうと潜伏を辞め空中へと飛び出していく。
 一気に急上昇しながら|スモーク《煙幕》を散布し頂点へと至った時点で背面飛行からの急降下、|二式飛行艇《H8K》の性能を具現化したエミリーの機関出力から導き出される最適解の反転は敵に補足などされない速度で行われていく。
 仮にモタモタと反転などしていれば今頃はあの巨人の剛腕で叩き落とされていたかもしれない。
 「OOOOOOO!!」
 対√能力反応装甲を展開した鐵浮屠に撃ち込まれた弾丸が全て相殺され消し飛ぶがこれこそエミリーの狙っていた露払いというものだ。
 本命は愚直に突進していく夏実とっそして。

 「うおおおおお!高機動用追加パーツのバーニアを舐めるなぁぁぁっ!」
 拳を繰り出してきた鐵浮屠に対してまさかの真正面からのパイルバンカーの一撃。
 両者がぶつかり合い衝撃波が周囲を破壊するがぶつかり合いは止まることは無い。
 メキメキメキと鈍い音を立てながら巨人の腕を貫き引き裂きながらもまだ止まらない夏実の超特攻。
 完全にノーガードになった鐵浮屠の頭部へと降下しながらエミリーはチャンス到来とばかり手を翳し天を仰ぐ。
 「また白い花が咲いたなら、一番美しい歌をあなたにささげましょう、何度でも……」
 それは約束された勝利への道筋、互いの戦力を十二分に引き出し合った好機に差し込まれた幾条もの光。
 エミリーの全装備が眩く輝きそして身に纏う衣が晴れやかな舞台衣装へと変化した。
 「!?」
 こうなってしまうと鐵浮屠にはもはや何もできることはない。
 とっておきの切り札はただの牽制攻撃を無効化するのに使ってしまった、そして巨大な拳は今まさに夏実に貫かれ打ち砕かれていく。
 「おおおおおおおお貫けぇっ!」
 「さあ舞台は閉幕ですっ!」
 両者の声がシンクロし同時に頭部と上半身が打ち砕かれ、鐵浮屠の下半身が力なくその場に崩れ倒れていく。
 ズズンと大きな地響きが巻き起こった直後、量産型達もその動きを止め動かなくなってしまいただの巨大な彫像と化してしまう。
 激しい戦いはどうやら終わりの時を迎えたらしい。

 こうしてネオサイタマを襲った敵勢力は一掃され街に一時の平和が戻ってきた。
 復興までに時間はかかるかもしれないが、この程度でへばるほどこの街の住人たちは弱くはない。
 そんな活気と歓声に満ちた戦闘機械都市を背に√能力者達はそれぞれの世界への帰路につくのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

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