ゆりかごからゆりかごから、ゆりかごから――
●ゆりかごからでられない
わたしの子供をさがしています。
わたしの子供をさがしています。
わたしの子供をさがしています。
路地に貼られた無数の張り紙。それはいつからあるのか、あったのか。
古びたものから新しいものまで。黄色の紙に黒いインクで印刷されたと思われる奇妙な「人探し」のチラシの数々。
昨日はこんな張り紙、なかったはずなのに。まだこの先、長い道が続いている。剥がした張り紙を詰めた袋があちらこちらの電柱の下へと積まれている。
近道なんて選ばなければよかった。視界に入れた、それだけで気分の悪くなる光景だった。
わたしの子供をさがしています。
わたしの子供をさがしています。
わたしの、子供……。
……先に見えるのは、何だろう。ぢかぢか点滅する電灯の下、蹲るようなそれはなんだろう。籠に、入っている? なまぐさい匂いがする。これは何だ? 甘いような、酸っぱいような――。
目を凝らし、それをよく見ようと目を細めて。そのかたちを、たしかめた。瞬間。
「見つけた?」
耳元で囁く声に、彼は返答できなかった。
……草木で編まれたゆりかご。
それに詰め込まれた『肉塊』を抱き、『いのち』の娘は微笑む。
「ごめんなさいね。誰も近付けるわけにはいかないの……」
蔓延る翠。黄色の花々。ゆりかご、ふたつ。
「こんな形で、利用するなんて。ひどいひとだって、思っていいわ。でも……私はね、皆に『仲良くしてほしい』のよ」
――ひとつは肉塊、ひとつは『仔』。彼女は優しくそれらを抱え、路地の奥へと消えていった。
●おかえり。
「『おかえり』、諸君。いやあもうわかっているだろう? クヴァリフの仔だよクヴァリフの」
雑である。脚を組み肘をつき、テーブルをコツコツと長い爪で叩く『怪人』は堕落の化身さながら。杖に巻き付くインビジブルの蛇が男の体に這い上がり、ちろちろと舌を出す。
ディー・コンセンテス・メルクリウス・アルケー・ディオスクロイ(辰砂の血液・h05644)、『メルクリウス』は目元を隠す翼をばさりと羽ばたかせた。変わらず、目は見えないが。
「わたくしが興味を持っているからか。ゾディアック・サインが降りた。いや、本当にそのような因果があるかは分からないがね」
そして怪人は指を立て、呟く。曰く――「探している」、と。
「何を探しているか。あるいは『いた』のか。見つけたかと問いかけてくるからには……想像はつくだろう? 恐らく『仔』の事だ」
立てた指をくるくると、爪の先が空中に何かを描く。ぐるぐる、うねうねと――。
「ともあれ諸君が目指すべきはこの路地だ。奥にクヴァリフの仔が潜んでいる。――ゆえに。諸君らにはその仔の発見、それを利用しようとしている『何らか』の特定、撃破、仔の回収を頼みたい」
上げていた手に絡みついてきた蛇の頭を撫でながら、メルクリウスはふうと息を吐く。舌で周囲の様子を窺っていた蛇がその手に思い切り噛みついたが彼は全く気にしない、垂れる銀の血液がぽたり床へ落ちた。
「さて目標は生け捕り。だが死んでいようと構わない、機関の手間が増えるだけだ、奴らに仕事を与えてやってもいい。……ああそうだ。怪異どもが去った後も、これら張り紙が残っていると不都合――解るだろう?」
――下手をすれば、既に犠牲になった者、負の感情、怪異の気配が残るのだ。『溜まり場』になりかねない……。が。
「どうせ一本道だ、暇だろう。貼り紙剥がしでもしながら先に進め。奥に何があるか? わたくしは知らんがろくでもないものが待っているのだろうなあ、がんばれがんばれ。さあいざ行け諸君! わたくしは働かないぞ!」
高らかな宣言と共に扉を指差す怪人。その手には未だ、インビジブルの蛇が噛み付いたままであった。
マスターより

おはようございます、親愛なる皆様!
R-Eと申します。
『クヴァリフの仔』を確保することが重要な事件・作戦です。
今回も|連邦怪異収容局《FBPC》くんや怪異どもを出し抜いていきましょう!
●1章
貼り紙だらけの路地を進みましょう。星詠みは「清掃しながらでも進め」などと言っていますが、ようは「一本道なので絶対暇だぞ」と、「何かしらのヒントが見つかるかもしれない」という意味です。
●2章以降
分岐します。1章で何を気にかけていたかで、内容が変化します。
しかし、あまりお気になさらず。目的はひとつ、『クヴァリフの仔』の奪取ですので!
それでは、最奥で蠢く仔を探しに向かいましょう。
48
第1章 冒険 『忌まわしきゴミ』

POW
廃棄物を力任せに一掃する。
SPD
廃棄物を手早く仕分けする。
WIZ
廃棄物をついでに研究する。
√汎神解剖機関 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

(何だかゾッとするな……)
ただの路地、ただの紙、ただの文字
ただそれだけだと思えないような気配が、ここに漂っている気がする
星詠みの言うことに素直に従い、貼り紙を剥がしながら路地を進んでいく
貼り紙の中身は流し読み程度にざっと読む
全て同じ内容なのか、違うものが紛れているのか
法則性に何かヒントが隠れているかもしれない
黄色と黒、警告色のような色合いに目がちかちかする
気が滅入ってきたら気晴らしも兼ねて√能力穏やかな対話を使用
近くのインビジブルと話して、貼り紙を貼っていった者の姿を見ていないか聞いてみるよ
どこに何が潜んでいるかわからない
正気を保てる範囲で周囲への警戒は怠らない
※アドリブ、絡み歓迎です

クヴァリフの仔とそれを探す何者か、か。
それにこの張り紙だらけの路地は明らかに異常な光景だね。
路地の奥に何が待ち構えているか、実に興味深いよ。
一本道といえど、警戒しつつ進もう。
注意深く異変がないか観察するよ。
張り紙も剥がしておこうか。
ついでにこの張り紙が何なのか調べてみることにしよう。何か分かるかもしれない。
路地の壁という壁、電柱という電柱、抜け目なく張りめぐらされた警戒色。
わたしの子供をさがしています。同じ文字列が印刷されたチラシ。A5サイズほどのそれが、先の先までみっちりと埋め尽くしている。
「(何だかゾッとするな……)」
異様な光景に、自らの腕を撫で。クラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)は周囲の淀んだ空気を吸い、そして吐き出した。本来の姿はただの路地。張り紙だって少しはあるだろうが、このような数でも、色でもなく、ましてやこんな内容のものが貼られていることなど無いだろう。
「クヴァリフの仔とそれを探す何者か、か」
車・樒(|多世界解釈《アザーサイト》・h03213)が自らの顎に手を添えつつ、一本道のその奥を見つめる。間違いのない『気配』。先に進めば何かが、ある。それは確定事項であり、彼女の興味をそそる事実である。
「路地の奥に何が待ち構えているか、実に興味深いよ」
そう言うとぐるりと周囲を見回す樒。
路地の端の紙はまばらに貼り付けられており、貼られてからそう時間が経っていないようである。最新のものを剥がして、ふたりは内容をあらためる。
星詠みの云う通り、文言は『わたしの子供をさがしています』。その下、右側にはやや違和感のある写真。左側には名前と、行方不明になった場所、日付や外見的特徴などが記されている。下部には連絡先らしき住所と電話番号。
どの張り紙も同じ形式で書かれており――探されている人物は、片手では収まらない人数だ。ざっと剥がした十数枚、うち同一人物の張り紙はと考えれば。
この先。行方不明者は、どれだけ存在するのだろう。ぢかぢかする視界は色合いのせいか、それとも灯った明かりのせいか。
すらっとした一本道。やや曲がって見えるのは並ぶ塀が各々、角度を変えて行っているから。広くはあるが古い通り。街灯や電柱も同様だ。樒は注意深く周囲を見回し、その他の違和感を探っていく。
ああ、そうだ。何か、おかしいと思ったら。
「――枯れてるね」
樒が呟く。ありとあらゆる木々が枯れている。塀の向こうにある家屋、植え込み、電柱の下にも枯れ草。生命の気配がない理由――。
眉をひそめ、奥を見つめるクラウス。奥の暗がりには、未だ、何も見えはしない。
ふと。手を差し伸べるように、彼が宙へと語りかける。
「少し、話を聞いていいかな」
呼びかけに応えて。周囲を漂っていたインビジブルがふわりと人の形を取る。高校生ほどだろうか。セーラー服の少女が実体を得る。
『張り紙の話でしょ』
既に察しているようで、張り紙だらけの壁や塀を見て冷え切った息を吐く少女。頷くクラウスを見て、彼女は話を続ける。
『昨日増えた。その前には無かった。すごい数のひと……ひと、かな。べたべた、べたべた貼って、どっかに行ったよ』
寒そうに自分の腕を抱く少女。よく見れば夏服だ。服装からするに、この場所に留まって長いようである。
『子供なんて、探してないよ』
「……? これだけの数を貼っておきながら、かい?」
まるで隠し事を教えるように囁く少女へと、樒が問う。それに対し少女は、肩をすくめて鼻で笑ってみせた。
『あたし、まだ子供だけどさ。あいつら、『あたしたち』に見向きもしなかったもん』
わらって。じゃあねと手を振り、すう、とインビジブルへと戻っていく少女。
クラウスが再度、奥を見る。
――わたしの子供をさがしています。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

お掃除なら任せろー(ゆらゆら)でごぜーます
『見えないオトモダチ』と一緒に路地を歩くでごぜーますよ
貼り紙は見つけ次第剥がしていくでごぜーます
見逃しがないようにオトモダチにもチェックしてもらうでごぜーます
チラシ無しヨシ!(指差呼称)
チラシ以外もあるならボクもオトモダチも反応するでごぜーますなー
連携、アドリブ等歓迎でごぜーますよー
貼り紙は見つけ次第剥がすでごぜーます

裏路地のゴミ漁りなんてわたくし、初めてです
これもまた一興、ですね
手袋をしていてよかったです
特に探されている人物の年代感を中心に
気にしながら張り紙を剥がしていこうかと
それと探し物の張り紙といえば電話番号
同じ番号だったりするのでしょうか?
√能力【くだんの件ですが】で
可能であれば情報収集も狙いましょう
探されている人のことが視えればいいのですが
わたしの子供をさがしています、でしたか
まさか子産みの女神クヴァリフ本人が
子供をさがしている……なんてこと、ないですよね?
それに死んでいても構わないとは初めて言われました
それなら「仔」を一口くらい味見したって……怒られませんよね?
ウフフ 楽しくなってきました
「お掃除なら任せろー。でごぜーます」
ゆらゆら。物理(?)的に。十・十(学校の怪談のなりそこない・h03158)は見えないオトモダチと共に張り紙まみれの道を行く。四足の小動物らしき足音――ちゃっちゃっと個性的な爪の音がするからには、子犬だろうか。オトモダチたる死霊と共に、壁を埋め尽くす黄色と黒に対峙する。
圧巻である。雑に見えて、ぴったり敷き詰めるように貼られたそれらを見て、少し後ろを歩いてきていた九段坂・いずも(洒々落々・h04626)がふうん、と興味深そうに声を洩らした。
「裏路地のゴミ漁りなんてわたくし、初めてです」
これもまた一興。勉強になるかといえば、ならない寄りかもしれないが。
「はじめてでごぜーますか。簡単簡単、このよーにペリペリ端っこから剥がせばよいのでごぜーます」
十の袖越しの手指が端を擦ってつまみ、そしてぺりりと張り紙を剥がす。存外簡単に剥がれるそれは、粘着力が弱めな接着剤を用いて貼られているようだ。
貼られてから年月が経っているように見える紙も存在する。だがこれは先日まで何もなかった通路だ。そうなれば、怪異の存在を嫌でも感じ取ることが出来る。
――手袋をしていてよかった。怪我も、このような汚れや、万が一の『穢れ』にも直接触れなくていい。いずもは十のアドバイス通りに張り紙を剥がし、改めて見る。……プリントされている人間や情報は、少しずつ異なっているようだ。
下は三歳から、上は十八歳まで。幅広いものの、『子ども』と呼べる範疇におさまっているが、写真に違和感を覚えた。
これは、モンタージュ写真だ。
「やたら不気味と思ったら、御本人の写真じゃないようでごぜーますなー」
「ええ。数種類のパターンを継ぎ接ぎしているのかしら……」
警察の捜査で用いられることがあるそれ。もっとも現代では、精密に合成された、違和感の少ない写真になるはずだ。だがこれらはまさしく『切り貼りしたもの』。気味が悪く見えた理由も、これが原因だろう。
「……電話番号は、すべて同じですね」
「そのようでごぜーます。掘っても掘っても、剥がしても剥がしても……」
ぺりぺり。むしりむしり。ようやく薄汚れたコンクリートの壁が見えたが、それまでに剥がした紙すべてに、同じ番号。
繋がるかどうかは分からないが念の為、といずもが書かれた番号へと電話を掛けようと試みるが、どうやら圏外のようである。怪異の影響か、それとも……。
「(まさか子産みの女神クヴァリフ本人が、子供をさがしている……なんてこと、ないですよね?)」
考えうる、最悪のパターンを想像する。本人――邪神そのものであれば、なんとも気味の悪い誘い方である。己が仔を利用する能力を持つクヴァリフのことだ。だが、この気配はそれとは少々、異なっているようにも思える。この先に待ち受けているのが彼女の『仔』である以上、似た気配になるのは必然か――。
ああ、しかし。
死んでいても構わないとは、初めて言われた。
いずもの唇が弧を描く。
――あの|星詠み《怪人》の言葉は、『一匹減ったところで変わらん』という、とんでもなく雑な態度から来るものであり。その実『可能な限り』という言葉を、含み無しで真っ直ぐと解釈した末のものなのだが。それはそれ。言ったからには、だ。
ならば、『仔』を一口くらい味見したって……怒られないのでは、ないか?
チラシを剥がす指が楽しげだ。これから先に待ち受けるものが楽しみだ。陰鬱な空気も、不穏な気配も、食前、厨房から香ってくるスパイスのようなもの――。
「――チラシ無しヨシ!」
指差喚呼。余った袖で指先は見えないが、壁を指差し十が宣言。足元でぴょんこと何かが跳ねた気配。ちゃきっと着地の音がした。剥がした際に残った切れっ端や糊残りは、勘弁してもらうことにしよう。
「どーでごぜーます? ヘンな気配とかニオイとか残ってないでごぜーますか」
オトモダチにチラシを嗅がせているのか、屈んで剥がしたチラシをひらひらさせている十。ふんっ。と、『これでいいんじゃないかな!』的な返答があった気がした。
――わたしの子供をさがしていますか?
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

一本道か。本音を言えばさっさと元凶を倒し疾く片付けたいところだが、星詠みがわざわざ言及するのなら意味のあることなのだろう。そうでなくとも所有者の許可なく建築物等に張り紙を張るのは違法行為だ。警官の端くれとしては見逃せない。
張り紙を剥がしながら内容を確認していこう。全て同じものなのか、それとも全て違うのか。この件に纏わるものなのか、そうでないのか。
いずれにしても本当に子と分かたれた親がいるのならこれは警官の職務だ。
「子供の捜索は当人が引き受けよう」
……結果がどうであろうとも。
真っ直ぐ、伸びている。暗いその先には何があるのかと、目を凝らしている。建物……廃墟であろう、枯れ木に隠れるような影を見つめる澪崎・遼馬(濡羽の番人・h00878)。
本音を言えばさっさと『あちら』へと乗り込み、元凶たるものたちを|疾《と》く片付け、その後にこの貼り紙剥がしをしても良いのではないか、などと。
だが命じられた――というより、半ば『善意の提案』で言及されたのが、この貼り紙剥がしという、アルバイトじみた行動である。
確かに不気味な一画だ。荒れたままで放置すれば攻撃的なインビジブルの溜まり場となり、簒奪者までもが訪れかねない様相。意味のある行動だ。ならば、従わない理由はない。
否……どのような理由であろうと。
――所有者の許可なく、建築物等に張り紙を張るのは、違法行為である――!
まったくもってご尤も。彼の職業柄、こんな状況を見逃す事はできない。
無数の貼り紙、その浮いた角に指をかけ、遼馬は壁から紙を引き剥がしていく。貼り紙の上にまた貼り紙と幾重にも重ねられたそれを効率よく。
一番上に貼られていて読めるものは集めておき、その下以降……破れたり糊によりふやけ、文字が判読不能になっていたりするものはゴミ袋へと突っ込みながら、合間合間に内容を確認する。
氏名。年齢。大まかな住所。行方不明時の状況と服装。特徴。そして顔写真――古臭いモンタージュで作成されたそれに、遼馬は目を細めた。ああ、ひと目でわかる。素人の作ったものだ、と。
遼馬は一枚、また一枚と黄色い貼り紙を剥がしながら、律儀に人数をカウントしていく。同じ内容の貼り紙も山ほど。片手の指ではもう足りない。両手もだめだ。右足、左足、まだ足りない――指折り数えるには多い人数。だが、上限は察することができた。二桁の前半、多くて三十人か。
この内のどの程度の人間が、この件の犠牲者か。不気味なモンタージュや同じ電話番号であること、まるで導くかのように、先まで続く警戒色。間違いない。
この子供たちは、犠牲者だ。これは警官の職務だ。分たれた親子は、再会しなければならない。結果がどうあろうとも。
己が職務を全うしようではないか。
改めて感じる使命感が、背中を押す。
「子供の捜索は、当人が引き受けよう」
当人は、約束を違えない。誰にともなくそう宣言し。再度、道の先を見た。
――わたしの子供をさがしてくれてありがとう。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ・連携お任せ
う~ん、確かに道中は割と暇になりそうですね
言われた通りに剥がしていきましょうか
(√能力を使用。『フリヴァく』を呼び出して、一緒に路地を歩くことに)
ふにゃ~、いっぱい人探しの張り紙がありますね
……そういえばなんで黄色の紙なんでしょうね?
白色の紙の方いっぱいありそうですし読みやすそうですが
(そんな事を言いながら剥がしていく。『フリヴァく』とお菓子の食べさせ合いなんかもしながらのんびり進んでいって)
……そういえば、古いのから新しいのまであって、剥がした跡もあるってことは結構前から張られているってことなんでしょうか?
それとも、また別の要因があるんでしょうかね?(お菓子もきゅもきゅ)
一本道もそろそろ終盤、手分けをすればそれなり迅速。所々に貼り紙の跡が残る塀。マシュマロをもきゅっと口に放り込み、神咲・七十(本日も迷子?の狂食姫・h00549)はこてりと首を傾げた。
「ふにゃ~、いっぱい人探しの張り紙がありますね……」
人探しの貼り紙はどれもこれも黄色の紙だ。それは見事な真っ黄色、印刷された字や写真の黒、目に突き刺さる警戒色である。
見ながら歩くだけなら、確かに暇だろう。損はないというのなら、剥がして歩くことにしよう。七十は小さな鼻歌を口ずさみながら、『フリヴァく』を召喚する。呼ばれた? という顔で周囲を見るも、今回はステージの上ではないらしい。首を傾げる彼女へと、七十は張り紙を指差してみせた。
「一緒に剥がしていきましょ〜」
……召喚存在に、半ば雑用を頼んでいるようなものだが。まあ、いつもの七十ちゃんである。
やや困惑していたフリヴァくも、七十の口ずさむ曲に合わせて小さく歌いながら、路地を歩くことにした。
「なんで黄色の紙なんでしょうね? 白色の紙の方いっぱいありそうですし、読みやすそうですが」
ぺりり。二人で歌いつつ張り紙を剥がし。時折ウェットティッシュで手を拭いて、お菓子を口に放り込み。端がなかなか剥がれず頑張っているフリヴァくの口に、マシュマロを押し当てもごもごさせたりと。仕返しとばかりに大きなマシュマロを口に放り込まれたりしながら、二人は不穏な路地を平和な雰囲気で歩き、貼り紙を処分していく。
似たような貼り紙……だが、古びた質感のものも新しいものも。『新たな犠牲者』が増えた証なのだろうか。それとも、別の理由があるのか。
この路地自体は元から存在するものだ。そこに唐突に現れた無数の黄色、黄色、黄色。
「……あ」
次なる貼り紙を剥がすため、七十が端を指にかけた。その質感で、気がついた。
ただの紙ではない。コピー用紙ではない。丁寧に切り揃えられ、滑らかにされ。その上から印刷を施されているからか。気付かなかった。
黄色であるのは何故か?
……これは、和紙だ。『草木を用いて、花で染められた、和紙』である。
印刷されたモンタージュ写真の目はどれも真っ直ぐ、真っ直ぐ。
道行くものを、みていた。
――わたしの子供を見つけましたか?
🔵🔵🔵 大成功
第2章 冒険 『廃墟探索』

POW
瓦礫や家具を取り除き、埋もれたものを探す
SPD
隠された通路や物品を目敏く見つける
WIZ
周囲を漂うインビジブルを調べる
√汎神解剖機関 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
路地の『視線』はその殆どが剥がされゴミとなり、袋に詰め込まれて積まれている。
空気の重い道を抜け辿り着いた先もまた重苦しい。重圧。枯れた木々に守られるようにして聳え立つ廃墟。
壁に這っていたであろう蔓草すらも枯れ果てて。無言で。そこに。
――生命の気配がなく、枯れ果てていた路地と外観。だが、ここは違う。ざわりと中で何かが動く音がした。
扉は開け放たれている。覗き見ればそこは――鬱蒼と。まるで森のように、昏い緑の草木が生い茂っていた。
ぽつぽつ咲く黄色い花は、割れた窓から吹く風で可憐に揺れている。
違いない。ここに、『仔』がいる。『子供』がいる。
――わたしの『仔ども』をさがすのですか。
そう。踏み入るのですか。
どうか、荒らさないで、静かにして。
この仔らは、ここで、眠っているのです。
――眠りを妨げるのも、また仕事である。
仔を追わねばならない。|ゆりかご《廃墟》の中を、暴くとしよう。

[SPD]
そうですよ、あなたの子供を探すんです
わたくしは幼子の眠りを邪魔する、悪い大人ですからね
ここはわたくしの|避難所《ヘイヴン》にはできそうにありませんね
√能力【くだんの件ですが】を使用
隠された通路や物品を探すように方向付けて使いましょう
【幸運】や【第六感】で何か見つからないでしょうか?
勿論怪異断ちの妖刀「山丹正宗」をいつでも抜けるようにしておきます
『仔』をこんなに『子供』として愛でている例に遭遇したのは初めてですね
随分と寝心地の良さそうな揺籠、ですね?
おはようございます、でしょうか
なんとも寝起きが良くないかもしれませんが、こんばんは
申し訳ないんですが……ねんねの時間はもう終わり、ですよ
「――そうですよ、あなたの子供を探すんです」
九段坂・いずも(洒々落々・h04626)は、先を『診た』。みらいを、みた。
ゆりかごを抱える『翠の女』への返答。――小さな言の葉は、草木が生い茂る廃墟の中で、愛らしい黄の花だけが聴いていた。
あの幼子の眠りは、妨げねばならない。
だってわたくし、悪い大人ですから。――麗しく微笑む彼女、愛刀の鞘と鍔を指先で確かめながら、森林と化した廃墟の中を歩く。
わさわさ、がさり、ちくりと。足を撫でる草、髪に引っかかる蔓、分け入る感覚は少々不快で。ちりんと鳴る鈴の音も掻き消されてしまう。
「(わたくしの|避難所《ヘイヴン》にはできそうにありませんね)」
お世辞にも、理想的とは言い難い。小さないやなこと、重なれば相応の『|いや《否》』に繋がってしまうから。
先にみた未来の光景を思い出す。それなりに開けていて、奥は蔦や蔓まみれ、けれど窓枠の端が見えたから。この廃墟の奥。窓のある場所。それこそ沢山、さてどこでしょうか。緑で覆われた空間は、方向感覚を曖昧にさせる。
――草木で編まれた揺籠に眠る『仔』ら。あんなにも大切そうに抱えられ、『子供』として愛でられていた。簒奪者、狂信者、みな『仔』を利用しようと動くものばかり。そんな中であのような待遇、さぞ、寝心地のよい揺籠なのだろう。
でも、みいつけた。
壁だと認識していた「そこ」の隙間。ふと、先が見えた。くらやみがみえたのだ。
一刀両断。茂る蔓草を切り捨てる。――『カーテン』は開かれた。
「おはようございます、でしょうか」
あるいは、こんばんは。よく眠れましたか。
さあ日も落ちてきた。ならば我々があの『仔』らの目覚めを促す光となってやろうではないか。
――申し訳ない気持ちだって、ありますよ。でも、ねんねの時間はもう終わり。
まだまだ眠いって、駄々を捏ねてはいけません。
さて、先へと。道草を食っている場合では、ないのだから。
🔵🔵🔵 大成功

(まるで、周りの生命を奪い取ったみたいだな……)
生命に溢れた内部を見て思わずそんなことを感じる
あの和紙やこの廃墟の様子から考えると、植物の力を使う相手なのかな
レギオンスウォームで幾つかレギオンを飛ばし、センサーで廃墟の中を探る
簒奪者や怪異、『仔』など植物以外の生命体の反応を探して、発見したらその位置に向かう
何が出てくるかわからないから慎重に、銃を手に気配と足音を殺しながらゆっくり進むよ
……ここは、ゆりかごなのかな
『こども』をあやして、守って、眠らせるための
何となくそんな印象を抱く
だからと言って、俺のやることが変わるわけじゃないけれど
※アドリブ、連携歓迎です

【連携&アドリブ歓迎】
急に、この廃墟の周囲にだけ草木が生い茂っているね。
これはクヴァリフの仔の影響かな。
特にあの黄色い花は採取して標本にしたいよ。
ライトを出してゆっくりと廃墟の中を探索する。
何か儀式にでも使われそうな物品や痕跡でもないかな。
また、地下室や隠し部屋がないかも調べよう。
枯れ果てた外界とは相反し、草木生い茂る廃墟。まるで周りの生命を奪い取ったようだと。そう考えながら足を踏み入れれば視界に広がるは鮮やか、かつ穏やかな緑だ。
生命の気配――植物に満ちた廃墟の内部を見て、クラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)は周囲を見渡す。
咲く花々はどれも黄色。まるであの――和紙で造られた奇妙な黄の貼り紙のようだった。感じ取れる気配も通常の植物のそれとは多少異なっているようで。爽やかさとは程遠い、鬱屈とした雰囲気に包まれている。
先駆けた√能力者が切り開いた道を進み、レギオンに命じ廃墟の探索を任せつつ。銃を手に己の目でも周囲を探索するクラウス。
文車・樒(|多世界解釈《アザーサイト》・h03213)もまた、自身の顎を揉みながら様子を窺っていた。
「急に、この廃墟の周囲にだけ草木が生い茂っているね。これはクヴァリフの仔の影響かな」
直接的ではなくとも、影響を及ぼしているのではないのか、と。実際の所、半分ほどは事実だ。――『それ』はこの空間を、『仔』のために用意したのだから。
「特にこの黄色い花。採取して標本にしたいよ」
目に優しいなどとはもはや言えぬ色合いの中。花咲く黄色だけが異質に見える。樒が花びらを指先でつつけば、それはふわりと揺れてみせた。
採るのは簡単だが、異常な状況の中に咲いているものだ。下手に持ち帰るわけにもいかないかと、彼女は花から視線を外し、茂みの暗がりをライトで照らした。
床すらも所狭しと草に覆われているが、靴で多少擦ってやれば元の床が見えた。どうやら植物の根同士が絡まり合い、この『絨毯』を作っている様子だ。足から感じる感覚も逃さぬように注意しながら、痕跡を探す。
「……何も、居ない?」
不審。クラウスが呟いた言葉に反応し、樒が振り向いた。植物以外の生命体の反応がない。レギオンが入り込める場所に居ないだけか、それとも。帰投させたレギオンはどれもこれも、蔓草を引っ掛けたまま戻ってきた。進める範囲には進んだようだ。だが、彼らの視界に生体は居なかった――。
本来何が飛び出してきてもおかしくはないはずだ。なのに簒奪者や『仔』どころか、小動物や虫すら居ない。反応は自分たち√能力者だけ。
そうだ。――静かすぎる。これは、まるで。
「……ここは、ゆりかごなのかな」
クラウスが、小さく呟く。草葉のおくるみ。『こども』をあやし、守り、眠らせるための。
安全で、優しく、健やかに眠るための場所。だから、『自分たち以外は、いらない』から。羽虫の一匹すら、拒んでいるのではないか。
だからと言って、やることが変わるわけではない。少なくとも儀式とやらは成功し、『仔』が居ることは事実。この森を創り上げた者が我々の感知を逃れて、最奥でのんびりと過ごしているというのなら。
「隠されてるものは暴かないと、つまらない」
ふん、と鼻を鳴らす樒。みつければ。みつけてしまえば。『存在すれば、殺せる』のだ。
おまえの子供を、さがしてやっているのだから――|存在証明《レゾンデートル》を、こちらに寄越せ。
|睨《ね》めつける草葉の奥が、揺れた気がした。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

アレンジ・連携歓迎
ある程度の犠牲者は予想していた。人命は数の問題ではないが、それでもその数が多ければ事件の危険性も分かるというものだ。……だが、予想以上に多い。性急に片付けるなどとはもう言わん。叩くなら徹底的にやらねばなるまい。
お世辞にも探し物が捗る環境ではないが、こういうとき、先人は相応しい言葉を作っていたな「草の根を分けてでも」。
生い茂る草をかき分けて根気強く捜索しよう。果てなく地道な作業だが、それが何かに繋がることもあるかもしれない。
大抵は徒労だがな。
――多い。植物の話も含んでいるが。その犠牲者の数。未だ手放せず握りしめていた貼り紙一枚。それをポケットの中へとおさめて、澪崎・遼馬(濡羽の番人・h00878)は目前の|叢《くさむら》を静かに、視る。
己の予想以上だ。性急な解決を求めるだけでは足りぬ。喪われたもの、これから喪われる可能性があったもの、すべて救うには徹底的に叩かねばならない。
お世辞にも『探し物』が捗る環境ではない。深く暗く、照らせば緑の反射光。その暗さと不快なまでに茂る草木。植物どもが音を吸収しているからか、自分が身動きを取る音ばかりが耳につき、止まれば静けさに耳鳴りがしてくる始末だ。
ああだがこういうとき、先人は相応しい言葉を作っていた。
「――草の根を、分けてでも」
生い茂る草も手を伸ばせば分けられる、倒して踏めば道が出来る。果てなく地道な作業だ。だが壁を手で伝っていけば、草だけではない質感も混ざってくる。
冷たい感覚は埋もれたドアノブだ。手だけでなく足まで使い、めりめり剥がれる蔦の悲鳴を聞きながら、遼馬は力尽くでドアをこじ開けた。
生憎、内部での収穫は無かったわけだが。机や棚も今や緑の一部、手に取ろうとした紙切れは触れたところからぼろぼろと崩れてしまった。
徒労かと廊下に戻り、奥を見る。――|否《いや》。
この廊下、短くはないか。先程の部屋、その空間のぶんが、足りていないのではないか?
行き止まりだと思っていた壁、そこを覆う蔓草を掴み引き――抉じ開ける。腕へと抱えるようにして、緞帳を開けるように。
成る程。幾重にもこのような壁を作り、侵入者を拒んでいるわけか。目的は当然『仔』を守るため。
大抵は徒労。だが今回は掻き分ける意義が十分にあったといえよう。
この壁を作り上げた者――それが、『仔』に執念をおぼえているというのなら、当人とて。背負う『彼ら』への執念がある。
さて、道は繋がった。捜さねばならぬものはまだ残っている。進め。草の根を分け、踏みつけて。
🔵🔵🔵 大成功

こども探しでごぜーますなー
探されなかった結果こうなった(死んだ)ボクとしては探してもらえるのは良いことだと思うでごぜーます
なので頑張って探すでごぜーますよ
【憑依合体】で子犬と合体するでごぜーますよ
子犬と嗅覚と「野生の勘」を使いながら怪しいところを探すでごぜーますよ
高いところが怪しいなら「空中浮遊」でふよふよ浮いたり、暗くて見えないなら『ありきたりな鬼火』で照らすでごぜーます
もちろん、怪しい気配があればそれにも十分注意をするでごぜーます
連携アドリブ等歓迎でごぜーますよ

アドリブ・絡み大歓迎。
恐怖心が欠落しているので迷惑にならない無茶はする。
有効な技能も積極的に使っていく。
「この中のどこかで召喚してるんだろうねえ」
残った備品などを見てここが何の廃墟なのか検討を付けて、端から順番に探索していくか。
病院とか教室とかホテルとか。
何となくでも全体の構造が分かるだろうしねえ。
外から見た部屋数と内部の部屋数も数が合わせられるようならそこも調べるかな。
何か妙な音や声が聞こえてこないか。
聞こえてきたらそちらの方向に行ってみよう。
何も聞こえないなら、部屋や廊下の壁を叩いて音の違いから隠し通路を探してみる。
ホラーゲームみたいで楽しくなってきたね
「こども探しでごぜーますなー」
やや呑気な、間延びしたような声。ふよふよと浮きながら、床から生えている猫じゃらしをていてい、手で叩いて。十・十(学校の怪談のなりそこない・h03158)は空中でくるりと回転し、天井にまで這う緑を眺める。吊り下げられた蛍光灯、そこからまた下がっている蔓を引っ張り。ああみどり。
探されなかった結果|こうなった《死んだ》十にとっては、探してもらえるのは良いことだ。相手にとっても『善いこと』かはともかく。それも含め探しがいがある。憑依合体で子犬と融合し、無邪気に蔓に噛みつく十。どれだけ手分けをして探そうとも、闇雲では時間がかかる広さである事も、ともかく。
「この中のどこかで召喚してるんだろうねえ」
十の言葉に相槌を打つは北條・春幸(人間(√汎神解剖機関)の怪異解剖士・h01096)だ。いやはや一面同色、僅かに色差・色相の違いはあれど、異なる彩りは黄色だけ。よく言えば華やかさが際立つ、悪く言えば単調。
だからこそ目立つものもある、というものだ。
「古い型だね、それ」
「これでごぜーますか?」
十が顎で引っ張る蔓の先、蛍光灯を見て春幸がふむと頷く。
外観はぱっと見で廃墟としか言いようのない様子だったが、内部構造は『元の役割』を果たすための形を保っている。割れてはいたが入口の扉はガラス。カウンターらしき出っ張り、その前に並んでいた背もたれのついた長椅子。ここまで歩いてきて見たものが、廃墟の正体を教えている。
病院だ。ここは、病院『だった』のだ。外観の窓から察せる部屋数もぴったり。廊下を進み、先に見えた行き止まり……否。下がる蔓草をむしってやれば、大型のエレベーター跡がぽっかりと口を開けて、待っていた。
「底までびっしり緑だね」
「落ちても平気なまであるでごぜーます」
エレベーター本体、カゴ室そのものは撤去されているようで吹き抜けとなっている。地上二階、地下一階といったところだろうか。物音はせず、僅かに風が吹いてきているのみ。
「|そう《・・》してみようか」
「えっ?」
十の返答を待たず。春幸はさも当然のように、ひょいっと空洞へと身を投げ出した。
慌てて十が穴の下を鬼火と共に覗き見る。とんでもないことになってやしないかと。
だが「落ちても平気そう」という言葉通り、草葉のクッションか持ち前の幸運か、春幸は全く平気そうに着地しており、十へ手を挙げてみせた。
「上の方、頼めるかい?」
「り、了解でごぜーます!」
身投げじみた光景を目の当たりにしたが、それを気にしている場合ではない。十は上階を、春幸は地下を。――手分けをして、気配を探る。
二階。ダクトらしき穴に頭を突っ込んで、ふんふん鼻を鳴らす|子犬《十》。そうしているうちに嫌でも気がつく。……嗅覚。花の匂いを、感じない。詳細不明の草葉の匂いだ。ここまで徹底しているというのに、何故花は香りがしないのだろう? 首を傾げながら穴から這い出て、暗い室内を鬼火と共に探索する。天井を見るに、どうやら一階よりも茂る草木が少ないようだ。壁までで止まっている蔦を見て。――ああ、『あちら側』だと直感する。
地下。草木に侵食された夜の廃病院で、こどもを探す。ホラーゲームのようだ。楽しげな春幸の足取りは軽く、茂みに足を取られることもない。調子よくコンコン、廊下の壁を叩き先を行く。
こんこん。カン。おっと失礼、いい音だ。容赦なく蔦を掴む。嫌だとでも云うように確りと張り付くそれを素手で無遠慮に引き剥がす。べりりと剥がされる先には扉。ああやっぱり、まだ奥、あるよね。楽しくなってきた。今でも楽しいけれど。
さあてそろそろ、『お目覚め』になってはくれないかい?
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

アドリブ・連携お任せ
ふにゃ……何と言いますか、ホラーゲームに出てきそうな廃墟ですね
……完全にここだけ雰囲気が違いますし
一先ず入ってみましょうか、何かあるかもですし
(√能力を使用。引き続き『フリヴァく』を呼び出し、回復曲『チル・マイ』を前回の事から何となく子守歌っぽく一緒に歌いながら隷属者達に廃墟の捜索をさせて)
う~ん、探索系ホラー……ぽくなってきました
……呪われたりしない様にしっかり終わらせましょう……
(ちょっと不吉なことを言っちゃいながら、しっかりと隷属者達に探索をさせていく)
……そういえば、ここにはさっきの和紙に使われてそうな黄色い花がありますね
何か関係あったりするのでしょうかね?
廃墟というだけでも不気味だというのに、暗くなってしまえば、空間はさらに不穏な空気を帯びる。
外界とは完全に雰囲気が異なっており――緑に飲み込まれようとしているここは、確かにホラーゲームのそれによく似ていた。神咲・七十(本日も迷子?の狂食姫・h00549)は廃墟へと足を踏み入れる。
ある程度手分けをして、内部の構造は大まかではあるが把握できている。√能力により呼び出した『フリヴァく』と共に、轍を進んでいく。
「ホントに、探索系ホラー……っぽいですね。角から何かが出てきそうな……」
それはよくあるシチュエーションだ。ゾンビや狂犬などが飛び出してくるには最適な環境。とはいえ生命の気配がしないここでは、さほど気にするようなことではない。
だが七十の言葉に反応してか、寄り添っていたフリヴァくが彼女の腕へ自分の腕を絡めてくる。怯えだろうか、それとも自身の召喚者を守護するためか。
子守唄のようにアレンジしたフリヴァくの持ち歌を口ずさみながら。
自分自身の手はなるべく使わず――だって、呪われたりしたら嫌じゃないですか。隷属者を喚び出し先を行かせ、道を作りあげながら。口の中に、四角いチョコレートをぽいと放り込む。口内でゆっくりと溶かして、咲き誇る花を見て。
「(さっきの和紙は、この花で染められたものでしょうか)」
鮮やかなそれ、指ですり潰せばきっと指先は黄に染まる。そうしてふと気付く。花が、群生している場所がある。植物に関する能力を持つ|七十《災厄》だ、多少、察しはついた。
少し膨らんだそこを隷属者が掘り返す。絡み合う根をべりと剥がせば、そこに見えるは。
「……んー。美味しく頂かれてますね」
――死体。白骨化した人体だ。根をさらに引っ張れば、この死体を中心として植物が殖えていったことが分かる。残る衣服からして、これが。これらが、『仔』の召喚者なのだろう。
たべられるものが、すこしへってしまった。
そうは思えど足を止めるわけにはいかない。鼻歌だって止まらない。
当然『仔』を眠らせておくつもりはまったく無いが。私の『フリヴァく』のお声は、歌声は、とっても素敵なので。ふたり愛らしく口ずさみながら。眠る死体と草木の中を歩く。
🔵🔵🔵 大成功

子供!子供はいいですね。可愛らしい。肉も柔らかく食感もいいですから。
どれどれ。俺も仔、さがしますよ。連邦怪異収容局にはやらんですよ。俺が先ですから。
扉を開けた先のみどり!荒らします。多足類は緑を這って荒らすのが得意。
かくれんぼしている幼子を探すように、情報収集。嗚呼、あれ言ってみますか。
もういいかい?もういいかい?
言いながらさがします。大丈夫!危害は与えませんですよ!もし見つけられたら捕縛します。
抵抗されたら|霊震《サイコクエイク》でゆらゆら、ゆらゆら、揺らしちゃいまして、
ほおら!ゆりかごですよ!楽しいでしょう!クァハハハ!
…あ、一口味見を所望しますですが。宜しいか?
アドリブ・連携お任せ
「子供!」
扉を開けるや否やのお元気なひとことから、『それ』の蹂躙は始まった。
「子供はいいですね。可愛らしい。肉も柔らかく食感もいいですから」
それは本当に『仔』のことか。誰かが聞いていれば首を傾げたことだろう、だがここには傾げる首はひとつもない。うんうんと自分の言葉に肯定を示す四百目・百足(|回天曲幵《かいてんまがりそろえ》・h02593)の首しかない。一面のみどりにも嬉々として。鬱屈な空気と叢をにこやか笑顔が割いて歩く。
「どれどれ。俺も仔、さがしますよ。|連邦怪異収容局《FBPC》にはやらんですよ」
上機嫌な独り言、荒らす荒らす踏み荒らすは流石の多足類。まるで知ったような顔で廊下を進む。草に轍を刻みつけながら。得意なのだ、仕方がないのだ。石の裏だけに居るとでも? そこらを歩いていますとも、このように。
「俺が先ですから」
何せ|蜷局《とぐろ》を巻いた大百足、巻いたままでも顎が届く。届くのならば先手が取れる。先手を取ったなら囁ける。嗚呼、あれ言ってみますか。言ってみましょう、だって子供といったらこれでございましょうよ!
「かーくれんぼしーましょ。いーち。にい」
ああ……待って、待てない! こちとら多足類、指折り数えるにゃあ指が多くて多くて困る困る。基本多いに越したことはないというのに、こういう時に限っては。
「もういいかい?」
そわそわ聞きつつ歩いていこう。扉をべりべり四本の腕が抉じ開ける。まぁだ、だよ。
「もういいかい?」
ああどこもかしこも踏まれた跡ができてるなあ。壁なんか作っちゃってお邪魔だ、ひっぺがしてしまえ。まだ、まだだめ。
「もう、いいかい?」
はてさて残りはこの部屋でございましょうかね。
いやだ、こないで。
――ようやく見つけた気配に、唾液が溢れる感覚。
ああ素晴らしき本能! 探し回った甲斐がある美味しいとこ取りとはこの事よ! さてあの柔らかい肉に牙を突き立て、もっと柔らかくしてさしあげねば。
草木に隠れ、どこにいる? 揺らせ揺らせ、空間を揺らせ。草を揺らせ根を揺らせ。一本一本認識してしまえば、揺らせるとも! このみどり自体がゆりかごだ! ほうら、くらくら――声が、聞こえた!
そこにいますね知ってます! はい見つけましたよお返事は! あれェ小さい、もう一回!!
「――やめて……!」
聞こえた、聞こえた。見つけた、見つけた。
おくるみに包まれた異形を。それを抱える『災厄』を。うつくしきかな、それは母性か? それとも、何か。知らぬ味のものであるならば。
「一口味見を所望しますですが。宜しいか?」
返答せよ。応答せよ。――翠の女よ。
🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『翠の女王『レティシア』』

POW
レティシアの運命論
知られざる【怪異としての本能】が覚醒し、腕力・耐久・速度・器用・隠密・魅力・趣味技能の中から「現在最も必要な能力ひとつ」が2倍になる。
知られざる【怪異としての本能】が覚醒し、腕力・耐久・速度・器用・隠密・魅力・趣味技能の中から「現在最も必要な能力ひとつ」が2倍になる。
SPD
レティシアの汎心論
半径レベルmの指定した全対象に【自ら生み出した自然環境】から創造した【小さな黄色の花が咲き誇る植物】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
半径レベルmの指定した全対象に【自ら生み出した自然環境】から創造した【小さな黄色の花が咲き誇る植物】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
WIZ
レティシアの理想論
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【生命の樹】」から【光の球体】を1体召喚する。[光の球体]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【生命の樹】」から【光の球体】を1体召喚する。[光の球体]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
√汎神解剖機関 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
深き森にも終わりがある。気付けば地下を通り、再度一階へ。切り拓いてきた道は獣道にも似た轍へと。
保育器の残骸が残る、新生児室。その最奥で座る女は、迫る気配に気付いていながら、籠城を選んだ。何故か。『女王』であるから。
それは己の力をより強大なものとするため。民たる『仔』らに餌を与えるため。
「お話は、できないのかしら」
柔和な表情をしながらも、抱えていた『仔』を己の背後へ。降りるカーテンは蔓草。引きちぎろうと思えば、「そう」出来てしまう。今までの道と同様に。
「お帰り願えると嬉しいわ。争いたくはないのよ」
心の底から、そう思っているのか。装っているのか、我々には心中を察する事は出来ない、受け入れる事も出来ない提案だ。
わたしの子供を探していましたか。
仲良くなれないのなら、仕方がありません。
積まれた『|死体《餌》』の仲間入り、そうなりたくないのであれば、あの、こどもらを。
――ゆりかごから引きずり出して。墓場まで、ご案内してやらねばならない。

既に幽霊でごぜーますから仲間入りしてるでごぜーますよ?
そして餌と呼ぶならその餌に噛まれることもあるでごぜーますなー、窮鼠猫を嚙むでごぜーます
なんて、無駄口をたたきながらゆらぁりゆらぁりと動いて近づきくでごぜーますな
相手の攻撃に当たらないように「野生の勘」を働かせながら、「空中浮遊」で三次元の動きで「フェイント」もかけつつゆっくりゆっくり近づくでごぜーます
攻撃が当たる距離まで来たら拳を構えて【一点集中全力突】を発動
「鎧砕き」のように相手の防御ごと、この瞬間は回避も防御をしない「捨て身の一撃」
攻撃が当たったら宣言するでごぜーますよ
これがネズミの一撃でごぜーますなー
連携・アドリブ等歓迎でごぜーますな
「そちらの方々のようになりたくないのならば、お引き取り頂きたいわ」
まったく無粋な提案である。|カーテン《蔓草》の裏で眠る仔らを起こさないようにか、囁くように。目を細めるは翠の女王『レティシア』――この廃病院を翠で包み、己の王国として定義付けた女王である。
「既に幽霊でごぜーますから、仲間入りしてるでごぜーますよ?」
――脅されようとも、こちら幽霊。ゆらぁり宙を浮く十・十(学校の怪談のなりそこない・h03158)にとって、そんな言葉、別段恐ろしいものではない。
なにを今更言っておられる? 万が一|滅《殺》されようとも、我々、√を越え『よみがえる』だけである。当然命軽々というわけではないが。
積まれた餌の仲間入りをするにも実態のないこの身では、腹が満たされるかは分からない。
「|食事《インビジブル》を求めているのです。赤子なのです。当然のことでしょう?」
「ははあなるほど。母猫のようでごぜーます。狩り方を教えている最中でごぜーますか?」
ふむふむ顎に手を当てて、首を傾げながら距離を詰めようと動き始めた十。
――敵対の意思を見せた。レティシアはそう判断したか。周囲の叢がざわめき、十を狙い一斉にその蔓を伸ばした。
草木の中、植え込みの隙間、獣道。植物蔓延る場所を行くことなど、彼にとっては容易いこと。ふわり、ゆらりと宙で揺れているように見える体だが。蔓は彼の手足を捕らえられない。
「餌と呼ぶなら、その餌に噛まれることもあるでごぜーますなー。窮鼠猫を嚙むでごぜーます」
さらに茂る植物の合間を縫う、まさしく幽霊、ぬるりと隙間を抜けレティシアへと迫る十。自身の視界も遮られる中、唐突に目前へと現れた十。
気付くのが、遅れた。強く振るわれた拳を枝を伸ばし受け止めようとするも、全力を込めた強烈な一撃はその枝ごとレティシアの体を打つ――!
「これがネズミの一撃でごぜーますなー」
小柄な体で忍び込み、猫の鼻っ面を引っ掻いた。ぱきりと折れた枝の向こう側、憎らしいとばかりに唇を噛んだ女王の顔。
「……小鼠っ……!」
口惜しそうな言葉に十はべ、と舌を出す。幽霊とはいえ腕がある、あれば、それが折れもする。
「これがネズミの一撃でごぜーますなー」
命辛々どころか、きみの|前歯《一撃》。窮鼠よりも、強かではないか!
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ・連携お任せ
う~ん……流石に無理な相談ですね
問題を大きくしすぎましたので、もう終わらせないといけないですから。
(√能力を使用。『フリヴァく』をそのまま呼び出し続けて、回復曲『チル・マイ』を歌って貰い、呼び出した隷属者達と共にエルデを持って突撃)
申し訳ないですけれど、ここから出ていって貰いますね♫
(攻撃に対しては隷属者を再生する盾として使いながら攻撃手段としても使い、連携しながら攻撃するように立ち回って)
はい……出ていって貰うのを後押しする歌も送りましょう
しっかり聞いていって下さいね♪
(ある程度追い詰めると、歌を攻撃曲『アイズ』に変えて、追い詰めた相手を隷属化しようとして)
「う~ん……流石に無理な相談ですね」
だって、それ、ぜーんぜん筋が通ってない言い分なので。
神咲・七十(本日も迷子?の狂食姫・h00549)は箱の中、最後となったチョコレートの包み紙を開けながら首を傾げる。
「問題を大きくしすぎましたので……もう『終わらせないといけない』ですから」
そうだ。ここでおしまい。森林にも端があり、生きることにも端がある。ゆりかごから墓場まで。その『墓場』となるべく我々は、ここに立っている。
「申し訳ないですけれど、ここから出ていって貰いますね♫」
追い出して、そして、冥府の底へ突き落とさねば。隣に立つフリヴァく、どこか見覚えのある彼女が歌い始めたのを見て、大鎌エルデを構える七十。
……女王は、敵対者への容赦などしない。生み出されていく隷属者、ステップを踏むようにその組付きを避け、女王のつま先が踊る。運命を、踊る。
彼女が掌をすっと上へ掲げれば、足元の植物が活性化し急成長。真下からまるで杭で貫かれるように、隷属者が森の一部へと化していく。
「あなた。自分の『民』を使い捨てるの?」
軽蔑するかのような眼差しが七十を貫くが、彼女は不思議そうに首を傾げるばかり。だって彼らは、七十のために『そう』しているのだから。――速い。隷属者たちが、植物の成長速度に追いつけず貫かれていく中、レティシアは七十へと迫る。
「――そんな暴君は、裁かれるべきだわ!」
ヒステリックな悲鳴と共に。距離が詰まった事を良いことに、大鎌で切り裂こうとした七十の刃を枝が受け止める。それでもその|得物《武器》は元をたどれば『草を刈る』ために生まれた武器だ。体を切り裂かれながらも、レティシアの放った棘の刺突を、隷属者とフリヴァくが受け止めた。
「――出ていって貰うのを後押しする歌も、贈りましょうか?」
「不要よ。歌うなら、子守唄にしなさいな」
女王は狼狽えない。何故か? それは『女王』であるから。
「だから――驕らないことね!」
返しの刃、確りと隷属者を切り裂く。護るべきものがある、未だ、喰われてやるものか。
意思が強いこと、この上ない! むうと愛らしく頬を膨らませる七十を見て、棘で傷ついた|邪神の断片《フリヴァく》がそれを模倣し、同じように頬を膨らませた。
🔵🔵🔴 成功

「お前が人殺しをやめるなら考えてもいい」
『争いたくない』は俺も同じ気持ちだ
別に進んで殺し合いたい訳じゃない
でも、それができないから俺達はこうして対峙しているんだろう
ダッシュで至近距離まで踏み込んで、居合や2回攻撃で真っ向から攻撃
運命論で能力が上がったら身体に右手で触れ、ルートブレイカーを発動
上がった能力を打ち消してから畳み掛ける
敵からの攻撃は盾で受け流し、植物を使った攻撃は光刃剣やグローブの仕込み刃で斬り払う
クヴァリフの仔は……星詠みはあまり興味無さそうだったけど、できれば生け捕りにするよ
怪異による被害が止まるなら、俺としては生きていても死んでいてもどっちでもいいけど
※アドリブ、連携歓迎です
進んで殺し合いたい訳じゃない。勿論、それがこの場の総意というわけではなく。目前の女王、彼女とて同じだ。争いたくないと口では言いつつも、『仔』を背にして戦うことを選んだのだから。
戦いが進むにつれ、レティシアの能力により深まっていく森。クラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)は、彼女の背に降りた植物の緞帳を見る。
奥に居るであろう『仔』を巻き込まないよう――星詠みは実に他人事だったし、自身もさほど、仔の生死について、強い拘りはない。それでもだ……『可能な限り、生きて回収しろ』。それこそが与えられた職務である。
「――お前が人殺しをやめるなら考えてもいい」
「ええ、わたしも、あなたたちが此処から出ていってくだされば、それで良いのです」
だがそれができないからこそ、こうして彼らは対峙している。譲れないのだ、互いに。だが――『民』と定めた仔のため、屍の山を築いた彼女。それを許せるものは、ここには居ない。
両腕を広げたレティシア、騒ぎ始める植物。先手を打とうと走り出すクラウスを追うように植物が栄え、生えていく。詰まる距離。居合として引き抜かれる光刃剣が、レティシアの腕を裂いた。
――咲いた。傷口から小さな黄色の花、傷を埋めようと蕾が開いた。その花に一閃、二閃と刻み込まれるクラウスの刃。受け止める彼女の腕が黄へ染まる。手応えは硬く――己の耐久力を上げるため、硬質化した花で傷を埋めていくつもりのようだ。
だがその腕へと、クラウスの手が伸ばされた。
「――ッ!?」
はらり散っていく花々。先の感覚とは裏腹ミモザのように細かく散るそれを見て、レティシアが声を上げる。
「何をしたのっ!」
答える必要は、ありはしないが。彼女の『運命論』を、ルートブレイカーがぶち壊した。それだけのことだ。黄の花が散り散り落ちて、宙で消えていく。
放たれる茨の刺突を盾で受け流し、光刃剣の刃が茨を根本から断ち切る。捕らえようと腕へ伸びる蔓が、飛び出したグローブの仕込み刃で切り払われた。
右掌。それだけで打ち砕ける運命は、運命と呼べるのだろうか。ふとクラウスの思考に、そんな考えが過ぎった。
どれにしろ、この腕をくれてやるにはまだ早い。
🔵🔵🔵 大成功

争いたくないと言われても
それを叶えて差し上げるわけにはいきません
だって、「仔」を差し出すつもりはないのでしょう?
SPDを選択
【第六感】【受け流し】で先に進みましょう
懐に潜り込んで√能力九段坂下りを発動
【切断】【早業】でまずは腕から狙います
もし運が悪ければ「仔」も巻き込んでしまうかもしれませんが…
その時はその時。美味しくつまみ食いをしちゃいましょう
もしですよ。もし、運が悪ければ、です
本当にあなたの「子供」なんでしょうか?
クヴァリフの仔は女神クヴァリフの仔と聞きました
もしかして、自分のお子さんと他人のお子さんの
区別がついていないのでは?
曰く、翠の女王とのことですが――
自分の仔は持てなかったのですね
叶えて差し上げられない願いごと。そうですかと去るわけには。争いたくないと言われど既に争っている最中だ。
差し出すつもりのない仔を背にして、『みおぼえ』のある女が立っている。九段坂・いずも(洒々落々・h04626)は微笑み、首を傾げた。何を言っているのかとでも言いたげに。
「どうして、誰も立ち去ってくださらないの? あの仔たちが起きてしまうわ」
小さな黄の花が咲き誇り、レティシアの体を這い上がる。暗い眼差しは心の底から疑問に思っている様子でもあるが――苛立ちが含まれている事は違いなく。
「そちら。本当にあなたの「子供」なんでしょうか?」
そんなわけはないと理解している、だが改めて突きつけよう、クヴァリフの仔は女神の仔。この災厄は何故、それを庇護するのか。
「もしかして、自分のお子さんと他人のお子さんの区別がついていないのでは?」
いずもの微笑み。女王は目を細め、その言葉に対し、笑みで返す。
「私の『領土』へ降りた仔に、愛を注がぬ理由はありません。あのような下賤な輩に『つかわれる』、そのような結末は――」
許せなかった。
寛大だ。だが彼女は自分の縄張りに降り立ったもの、それを「区別」した。こちらは善きもの、あちらは下賤。その結果が、道中翠に飲み込まれていた死体と、視界に入り続ける屍の山。
「話し合うことは、できそうにありませんね?」
返答なく放たれる植物。花を散らしながら迫るその蔓をいずもは半ば本能で撫で切りながら、距離を詰めていく。
捕捉しようと伸びる蔓をぱしりと払い流し、狙うは腕。既に傷ついている片腕を植物ごと斬り落とさんばかりに、後退していく女王へ迫る。
――ああでもこれでは、『運が悪ければ』。
女王のすぐ背後には緞帳。もはや下がれば『仔』に影響が出る。女王もそう判断したか、先程よりも数を増した植物がいずもに襲いかかるも――。
「ッあ、ぐ!?」
その足元を、花々をつける植物ごと、刃が掬っていった。
「――いけない、わたくしったら……」
|件《くだん》の予言は当たるもの。|件《くだん》の予感は当たるもの。
片脚ひとつ、緞帳、そして『仔』の脚一本。手応えを確認してから斬りあげる。女王本体は片足を失いふらついた、その勢いを利用し両断を避けるも、緞帳と『仔』は逃れる事が出来なかった。
悲鳴は、ない。ああ、なんて運が悪くて、かわいそう……。
「嫌……やめなさいッ、その子たちに何をするのっ!」
奥は仔でいっぱいだ。葉っぱのおくるみ、草木のゆりかご、伸びる触手。奥には腐り果てた何かの肉塊が、枯れたゆりかごにおさまっていた。
さて切れてしまったなら『仕方ない』。拾い上げてお味見ひとつ。ああやっぱりなまぐさい。
甘いような酸っぱいような。『海』に浸かっていたかのような。形容するならそんなお味、舌鼓。
倒れ伏しているレティシアが驚愕と嫌悪、そして恐怖の滲んだ顔で、いずもを見ている。
曰く、翠の女王とのことですが――。
「自分の仔は持てなかったのですね」
女王は否定しない。ただその揺れる黄の花が。仔と戯れるそれらが、ふわり微かに花粉を蒔いた。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ・絡み大歓迎。
恐怖心が欠落しているので迷惑にならない無茶はする。
有効な技能も積極的に使っていく。
「はーいママ、パパですよ~!パパにもその仔を抱かせてくれないかなあ」
大事に大事に扱うよ。血の一滴、肉の一片たりとも無駄にはしないと誓うから、養育権を譲って欲しいなあ。
「なんなら【ママ】も一緒に引き取るけどどう?」
プロポーズしてるみたいになってきたな。
これでレティシアと仔を回収できればいいけど無理だろうねえ。
√能力で敵の体を使用不能にしていこう。
先制攻撃やフェイント、2回攻撃で相手の技を封じるようにやっていくね。
「――はーいママ、パパですよ~!」
うそつき。女の眼が訴えていた。切り裂かれた緞帳により、視界はやや開けている。受けた傷を植物で繋ぎながら立ち上がるレティシアへ、景気良くやや呑気な声色で、北條・春幸(人間(√汎神解剖機関)の怪異解剖士・h01096)が手を振っている。
「パパにも、その仔を抱かせてくれないかなあ」
微笑むその|面《おもて》、おそれるべきものをおそれていない。奥のゆりかごを覗くその目を見た女王の理解は疾く、そして正しいものである。
柔和な様相の彼はこの場において、あまりに異質だった。
「お断りするわ。あなた、この仔たちを害するつもりでしょう」
冷や汗を浮かべながら、春幸を睨む女王。だが彼はいやいやそんなと手を振って。平然と、そう、まったくもって平然と、このように返すわけである。
「――大事に大事に扱うよ」
ああ誓うとも。『機関』ともそういう約束だ。彼女も、この『仔』らを大切にしてほしいわけだから。契約として、十分に成り立つ提案!
「血の一滴、肉の一片たりとも無駄にはしない」
……仔の『命の保証』という、大きな前提が欠けていること以外は。
放置するにも養育するにも危険「らしい」。だが機関はこれに、利用価値を見出した。彼らに――すなわち春幸たちに渡れば、仔は正しく解剖され、正しく研究され、そして滅される。
養育権を譲って欲しいなあ。――呟くような春幸の声。ざくりと大きく一本踏み込み、メスが女王の髪の先を断った。
「……やっぱり! 話し合うだけ、無駄なようねッ!」
はらりと散る髪、ヒステリックな悲鳴と共に蔓延るは花咲く蔓だ。だが美しく輝く銀色、小さくとも鋭いそれが蔓をさくりと切れば、それらは呆気なく沈黙する。
「いやいや。まだ交渉している最中だよ、諦めるのは早いと思うなあ」
欠落した恐怖心からか、紙一重の一撃も気にせず春幸は『歩く』。続いて放たれる花々の付いた棘の一撃もさらりと見切り、レティシアへと足払いを繰り出した。
だが本命は、逃れようとするその足などではなく。
「――なんなら【ママ】も一緒に引き取るけど、どう?」
さながらプロポーズのように。やや照れくさそうに笑う春幸。足元に気を取られていたレティシアは、まさしく目前へと突きつけられたメスの切先に気が付かなかった。
「――わたしは女王よ」
そんな提案、受けるわけがないじゃない。
そう続くはずだった言葉は、彼女自身の悲鳴で掻き消えた。女王は切り裂かれた左目を押さえ、ぼたぼたと血の涙を流し叢を濡らす。
「うーん……何が悪かったかな? アプローチ?」
さりげなく。既に安全圏へと歩いて退避している春幸は、どこまでもマイペースにそれを見る。
これが、『狂気に飲まれ切った先』の行動ではないのだから……この男は、恐ろしい。
🔵🔵🔵 大成功

積まれた死体の中には張り紙で当人が目にした者もいるのだろうな。
争いたくはない?−−−−−−笑止。死にたくないと懇願した犠牲者達に貴様は何をした?
結局、無表情を装っても、喪服で哀悼を表しても、この総身を満たしているのは怒りだ。己が私欲の為に命を奪う理不尽への怒り。それだけが狂おしく燃えている。
翠の女王の足元に徹甲弾を撃つ。燃え広がる地炎で生い茂る草花ごと女王を焼き払う。もしも【小さな黄色の花が咲き誇る植物】が当人に向けて放たれても炎が焼き切るだろう。
ゆりかごから墓場まで−−−−−−歓迎しよう女王よ、そして仔よ。再び目覚めるときまで我が柩で存分に眠ると良い。
|屍《かばね》の山。
知らぬ顔ばかりのそれ。お世辞にも身なりが良いとは言えない者、スーツを着用した者、学生服らしきものを着た者と、さまざまな死体が積み上がっていた。
誰も彼も枯れ果てて。下の方となれば、既に植物に飲まれ『自然』へ還ろうとしているものもある。
そんな中。
モンタージュ写真で再現されたそれと良く似た顔を、見つけた。見つけてしまった。探されていた「子」を。
心臓がざわめく。奥の仔らが揺れるかのように、この偽りの草原が揺れるかのように。焔が揺らめくかのように。
「争いたくはない? ――笑止。死にたくないと懇願した犠牲者達に、貴様は何をした?」
表情の薄い顔。瞬きは少なく。澪崎・遼馬(濡羽の番人・h00878)の睨む先で、女王はきょとんと瞬きをした。しかし銃を構え突きつけてきている遼馬を確認すると、敵意のこもった視線を向ける。
「この仔たちに、ひどいことをしようとしたのよ。とても、ひどいこと。傷付けようとした――」
「……もういい」
黙れとばかりに、遼馬がレティシアの言葉を遮る。ああ、理解した。結局は私欲のため。物言わぬ仔らこそが彼女にとって、『都合が良かった』のだ。ここに王国を築くには、己に素直に従う『民』が必要だった。
容赦は、いらない。
女王の足元に放たれた徹甲弾。広がる地炎。――焔。はっと片目を見開いたレティシアが叫ぶ。
「何をっ、何をするのッ!?」
悲痛な声を上げながら、彼女はその権能をもって植物の根を、柔らかな叢の絨毯を動かす。根が浮き上がり引き剥がれ、『仔』らの眠るゆりかごへの延焼を防ごうと。それ自体は何とか間に合ったが、代わりとばかりに自身の周囲へ広がる焔。生い茂る草花と女王を、焔が灼く。その罪を、その高慢さを。
伸ばそうとした草木、蔓草も茨も枝葉も熱され焼けて、遼馬には届かない。
燃え上がる焔の中映える黒衣。煤で汚れようと、血で汚れようとも――この黒の哀悼は、これ以上|穢《よご》れることはない。
ゆりかごから墓場まで。歓迎しよう女王、そして仔よ。権利をやろう。再び目覚めるときまで、我が柩で存分に眠ると良い。目覚められるのならば、だが。
そして罪無き者達よ、エレシュキガルと踊れ。光なき冥府でも、こんな場所より、ずっと、ずっとマシだろう。
🔵🔵🔵 大成功

みどり、翠の女。みいつけました。
やや!骸がたくさん!
こらこら。俺の糧(しょくりょう)となりうる大事なヒト、勝手に食い荒らすなですよ。
食べ比べといきましょう。アナタと、子ら。ヒトの食べ物にありますね、親子丼!
親子丼!クァハ!ヒトよ、化物じみたネーミングセンスだ。
ささ、戯れ。穢れた注連縄と天龍尾で捕縛、【禍祓大しばき】ましょう。血濡れた卒塔婆をお見舞い!
恐怖を与えて、暴いておやりましょう、アナタの中身。肉味?植物味?それとも、母性の味?
問題ありませんですね、俺、雑食ですので!捕食!捕食!
仔、ちゃんと確保もいたしますです。一応。
…ちょっとだけ齧ってもバレませんかね。ダメか?
アドリブ・共闘歓迎
みいつけました。
声をあげたから見つかったわけではない。そこにいたから見つかった。隠れん坊とはそういうもの。
骸がたくさん! 山積みである。なんとも骸、美味そうに焼き上がっている。先ほど葬送の焔が干物にした。保存食になっちゃった。
「こらこら。俺の|糧《しょくりょう》となりうる大事なヒト、勝手に食い荒らすなですよ」
焼け焦げ、それでも立ち、黒ずむ体。女王の片目だけが四百目・百足(|回天曲幵《かいてんまがりそろえ》・h02593)をぎょろりと睨む。こちらもなかなか焼き上がっておられるが、まだ芯は生焼けか?『レア』だと思えば如何かなあ。
さてはて食べ比べ、『おしょくじ』の時間来たれり。
「アナタと、子ら。ヒトの食べ物にありますね、親子丼。親子丼! クァハ!」
思わず洩れる笑い声、だってああ、ひどぉい名前じゃありませんですかねとんでもない! ああヒトよ、化物じみたネーミングセンスだ。
そうは思いませんか翠の女? 百足がにこにこ視線を向ける。
「……許さない、許さない、許さない――」
ああもう翠ではなくなってしまわれたか。もはや完全に怪異のそれ、本能に従いうらみごとを呟くさまはなんともあわれ。
さ、戯れだ、食事の前の腹ごなし、美味しいご飯は運動から。よわったえものを狩るのはどうにも気が引け――ると言えたならば彼は実におりこうだった。美味しいところ、|持って《食べて》いってもよろしいか!
女王の足元から栄える生まれる新たな息吹。ゆらりと動く彼女の足。踏み込めば途端低木が生え、百足の動きを阻害しようと試みるも、その巨躯とは裏腹するりと薮を抜けてくる。ええ、こちとら多足類! 薮にも潜んでおりますとも。
放つは血まみれ、赤黒い染みの残る注連縄。身体を拘束されてなおそれに爪を立てる女王。立てればがりりと一部の藁が引き裂かれる。凶悪なまでの腕力、これだけではそのうち引き剥がされるか。
まあ「それだけ」でどうにかしようなどとはハナから! 花から。黄色はもう見えない。さてはて追加だ、捕らえ損ねた片腕を百足の天龍尾が締め上げる。ばきりと何か音が鳴った。
それでは参ろう、シバきましょう、すべて暴いておやりましょう。
――血濡れ卒塔婆、確と。無防備に晒されたその首を、叩き落とした。
肉味か植物か、母性なんていうかたちのない味だろうか、問題ありませんですね。俺、雑食ですので!
外側パリパリ中はやわこく。捕食! 捕食! ――捕食。
ムカデは甘党、さて|あなた《百足》、どのような舌をお持ちかな。それはどこか知ったような、『肉』の味であるわけだが――。
……そうして。いのちの娘は枯れ果てた。
同様、枯れる緞帳、その奥で。
残された仔は、さも「わたしはあいされてとうぜんです」と。もにもに触手を動かして、|えさ《寄生先》はまだかと主張。
でも残念無念、ゆりかごから持ち上げられるそれ。四本の|腕《かいな》、母と父の腕で計四本であれば良かったが。しかし我々、多少は似ているか。どちらも何かしら「多い」のだから。『仔』は変わらず蠢いて。
「ちょっとだけ齧ってもバレませんかね」
お口をあーん。触手は逃げない。ダメか? ダメだろうか。けれどだれにも、かれにも、背を向けている。我が腕が覆い隠している中である。
みえちゃいない、みちゃいない、『ああ、きっと見逃してくれるとも! アッハッハ!』
そも、この場に在る『仔』の数など。我々も、星詠みも、勿論『機関』も、把握などしていないのだから――。
空になった小さな|檻《かご》ひとつ。
ゆりかごから――ゆりかごから――どこへ行った?
知るは彼の舌と。おそらくは――。
🔵🔵🔵 大成功