議事録007256[『巨大質量』管理に関する中間報告]
以下は2025年2月23日、機関審理部内での議事録(議題:██-4493の管理状況)です。
メンバー
友垣審理官(進行)
永田捜査官(レポート記録者・主任)
金本財務局部長(財務)
綾彦上席情報科学局員(監視・分析)
稗田総務部長(人事・総務)
山川医師(執刀医)
…他計13名
~録音開始~
友垣:えー皆様、お疲れ様でした。『兎玉天堂』への入居以来、██-4493の状態は極めて安定しているとか。このまま報告すれば諸々決定しますが、提案など……。
(ほぼ全員から手が挙がる)
友垣:はい。
金本:出せん。
友垣:はい?
金本:これ以上出せんのだよ。なんだねこの予算は! 重要文化財でも作る気かね!
永田:管理には必須ですよ。
金本:とにかくウチは管轄せん。監視が主なら今後は科学局にお任せする!
綾彦:はは、やだなーもう。██-4493はコミュニケーションできるようになったんだから人事が主導でしょ?
(稗田、激しく机を叩く)
稗田:なんだと!? 寛大なウチの局長をして「ちょっとあのノリにはついていけない」と言わしめたあの騒音公害を、我々裏方に押し付けるだと!?
綾彦:管理実績もあるし、ご機嫌取り頼みましたよー。
稗田:ヤツが話せなかった時の話だろうそれは! 店舗管理なら取引法。財務の範疇だ!
金本:地球軌道も監視している科学局の管轄だろうが!
綾彦:万一そうなったら他国との折衝ができる総務ですって。『収容局』や『魔術塔』なら兎も角、他√ならやりようあるでしょ?
(金本・綾彦・稗田、言い争う)
友垣:その、各部連携ということで……。
綾彦:分析で手一杯ですー。
稗田:人は募るが期待は出来んぞ……部署全員が手を焼いたからな。
永田:あと██-4493は人間好きなので、監視所に押しかけてくるかも。
金本:迷彩と防音にもカネが消えるのか……。
(沈黙)
山川:防音に関してですが。
友垣:はい。
山川:定期解剖の時に話しかけてくるんです。頻繁に。
友垣:はぁ。
山川:協力的な手前、無視もできませんし。
綾彦:手元めっちゃブレそう。
山川:機嫌を損ねたら手術台が壊れますから。いやぁ戦々恐々ですよ。
稗田:ならば我々の苦労も知って頂こう!
(稗田、テープを再生開始)
監視員A:……結局手厚くもてなすことになるじゃん。
監視員B:考えるな。ノルマに関して俺は考えることを放棄した。捕獲・解剖・貢献。
監視員C:騒がしすぎて口調移りそう。
監視員A:結局建設に予算行ったっぽいねー。会話役が私達だけってマジ憂鬱。
監視員C:あと頼むものがぶっ飛びすぎてる。あの目玉、扱って大丈夫なの?
監視員A:餅もタコも青かったし……つかあの子SNSチェックし始めたらしいじゃん! 絶対ロクなモン調べてないし!
監視員B:客入りはあるようだが、なぜ椅子を大量に運ばされたんだろうな。
監視員C:……あー、もう休憩終わり。行ってきます!
監視員A:いってらー。
監視員B:おお。
(再生終了。稗田、ドヤ顔で周りを見渡す)
金本:なんで誇らしげなんじゃ。
綾彦:なにこれ。
山川:現場の悲哀ですね。わかりますよ。
永田:そもそも私だって岩に何か月も一人でぶつぶつ喋り続けたせいで鬱気味になったり独り言が癖になったりかといって放っておいたらどんどん重くなってえらいことになって左遷されかけたり人骨や苦労して読み込んだ古文書については大事な所で認識が合わずにはぐらかされてその後も振り回されっ放しで病院でノイロ
綾彦:プスプス言ってる。
友垣:で、では決を取ります! 皆様、今日はお疲れ様でした!
(全員離席のち投票。山川は永田を連れ医務室へ向かう)
~録音終了~
《投票:管理方針について》
異議なし 11
異議あり 0
棄権 2
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功