シナリオバレンタインの……悲劇？
可愛らしく赤いボンネットを被り、赤いケープに赤いワンピースなゴスロリ姿の｜明星《あけぼし》・｜暁子《るしふぇる》（鉄十字怪人・h00367）は、目の前の、ちょっとしたハプニングに、思わずため息を零していた。
「……弱りましたわね」
今日は楽しいバレンタインデーだというのに、この日の為に、しっかりと美味しいチョコを用意したというのに。
「本命チョコと予備、義理チョコが、どれがどれだか分からなくなってしまいましたわ」
そうそれ……え、マジで！？
暁子、大変なことに大事なチョコを義理チョコと混ざってしまったのだ。それに最悪なことに、ラッピングも一緒。ただ、幸いなことに中身は違う。
本命チョコだけ、赤くて小さな角が生えている……らしい。
「まあ良いでしょう。きっと気持ちは伝わるはずです」
って、えええ！？ 開き直ってるぅーー！？
と、そのときだった。
「こんにちはー、ご招待ありがとう、暁子さん」
さっそく、招待した人達がやってきたようだ、しかも一人だけではない。
「お招きありがとうございます。そう言えば今日はバレンタインでしたね」
「あらまぁ、どこの深窓お嬢様かと思ったよ……」
お客様が続々とやってくるようだ。
「義理チョコですよ……義理ですってば。でも」
可愛らしい暁子は続ける。
「このチョコの中に間違って、本命チョコが紛れてしまっています。見つけた方は申し出てください」
そんな言葉を聞いて、客人からも。
「本命と義理チョコが分からなくなってしまったのは大変です！」
そんな声が聞こえてきた。流石に勝手に本命チョコを食べてしまう……ということはなさそうである。次々と、義理チョコがなくなっていく中。
「……えっと、これ本チョコっすよね？ 見つけたっすよ、どうぞっす」
ようやく、本命チョコが見つかった。幸いにも受け取った紳士が礼儀正しく、暁子に返してくれたので、ラッピングし直すことはあっても、渡せないという最悪の状況を脱することができたようだ。
「勇太郎さん、見つけて下さってありがとうございます。これはお礼の『デリシャス友チョコ』ですわ。どうぞ安心して食べて下さいませ」
暁子から特別なチョコをもらって、紳士も喜んでいる様子。
こうして、暁子は無事、ハプニングを回避することに成功（？）したのだった。
ハッピーバレンタイン♪
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功