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|竜々哀歌:弥生《デス・オブ・バレンタイン》
●光有らば闇も有り
「此度は、御協力ありがとうございます」
拠点の会議室にてディラン・ヴァルフリート(|虚義の勇者《エンプティ》・h00631)は一礼する。
√ドラゴンファンタジーに於ける喰竜教団の暗躍を予知したのだと彼は告げた。
喰竜教団……|竜人《ドラゴンプロトコル》の遺骸を√能力者の肉体に接合することを「弱き姿に堕とされた竜に不死を与え、誇り高き竜の力を取り戻させる行為である」と固く信じる者たち。
√能力者の中にはこの狂信者と交戦した者も少なくないだろう。
例によって此度も教祖『ドラゴンストーカー』が竜人を殺めようとしているらしい。
「襲撃の現場となるのは、『竜の墓場』と呼ばれる……保養地になります」
ディランの語るところによれば、それは知る者ぞ知る|辺境《田舎》の隠れ里。
日々に疲れた竜人が疲弊した心身を此処で癒していくのだという。
このシーズンはバレンタインデーに恋敗れた者が多く集まるのだとか。
タイミング次第ではホワイトデーに散った者が合流する事もあるかもしれない。
「……既に、敵もこの地を監視して襲撃の手筈を整えている状態です。
これを逆手に取って……皆さんには、現地の竜人と交流して頂ければ」
その名の通り現地に居るのは大半が|竜人《ドラゴンプロトコル》。
喰竜教団からすれば狩り放題の楽園だが、そこに竜人ならざる|√能力者《あなたたち》が交友を深める事で総じて差別意識の強い教団の狙いを引き付ける事が出来る。
なお同じ|竜人《ドラゴンプロトコル》の√能力者でも同様の方針で問題ない。
敵はそれはそれで勝手に盛り上がって襲い掛かってくるようだ。
「実際の襲撃は……まず手勢を放った後、教祖自身が前線に出るという計画です」
本来はダンジョンに生息するモンスター『バーゲスト』の撃退が第一段階。
その後に自ら現れる『ドラゴンストーカー』との決戦、という流れになる。
特にドラゴンストーカーは高い戦闘能力を備えた|王権執行者《レガリアグレイド》だが……竜への執着を利用したり、知り合った竜人と協力したりする事で戦闘を有利に運べる可能性もある。
「……どうか、御武運を」
最後は言葉少なに見送られ、あなたたちは戦場へと赴く。
これまでのお話
マスターより

当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
今回は√ドラゴンファンタジーのシナリオをお送りします。
第一章は日常フラグメント。
辺境にある保養地『竜の墓場』で|竜人《ドラゴンプロトコル》と交流します。
名物はドラゴン饅頭、通称ドラまん。
交流する現地竜人についてはプレイングに希望あれば反映されます。
ジョブは以下リンクから選択可能。
ただし√能力は使えないのでお気をつけください。
( https://tw8.t-walker.jp/html/library/root04_dragonfantasy.htm )
名前や外見・性格等もリクエスト可能。
特に指定無かった要素についてはMS側で描写する場合があります。
例えば√能力者と同年代~年下の異性になりがち、等。
なお、この現地住民(NPC)についてデータ面(装備や√能力への反映・ノベル出演やイラストなど)は全て任意に利用可能とします。
第二章は『バーゲスト』との集団戦。
第三章は『喰竜教団教祖『ドラゴンストーカー』』とのボス戦。
第一章から通して現地NPCと協力可能です。
その他のギミックは特にありません。
また、希望する展開の指標として個人的に難易度オプションも実施しています。
興味のある方はMSページをご覧ください。
それでは皆様の健闘をお祈りしています。
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第1章 日常 『お話を聞いてみよう!』

POW
「俺、馬鹿だからわかんねぇけど!話が聞きたい!」等、熱意と気合いを伝えます。
SPD
はったりや言葉遊びを利用した巧みな会話技術で話を聞き出します。
WIZ
相手の会話からキーワードを推測し、そこから情報を精査しつつ会話を進めます。
√ドラゴンファンタジー 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵
●哀しみの眠る街
誇り高き竜の血脈であれ、時には傷つき心折れる時もある。
陥落……もとい歓楽街『竜の墓場』は今年も多くの竜人で賑わっていた。
バレンタイン敗北ドラゴンや彼等を顧客層とする商売竜人、単に雰囲気を味わいに来ただけの一般観光客も居る。
もちろん特にバレンタインとは関係無く傷心の者も居るだろう。
余談だが街の東側には騒がないとやっていられないタイプの者が。
西側には静かに悲しみに浸る……或いは騒ぐ元気も無い者が集まる傾向にあるらしい。
まずは既に監視しているというドラゴンストーカーを誘き寄せる為にも、竜人と交友を深めてみせる事だ。
来歴も様々な彼等との縁は、もしかすると今後の財産になるかもしれない。
※竜人たちに事情を話して避難勧告したり襲撃に備えたりする事も可能ですが、
今回は特にプレイング内で描写なくとも幕間で処理されるため問題ありません。

・現地竜人
気弱な年下の女の子
勇気を出せず、意中の相手にチョコを渡せなくて落ち込み中
※詳細お任せ
・行動
(ドラゴンストーカーにとっては絶好の場所だな……)
なんてことを考えていたのも束の間、泣いている女の子を見て内心狼狽しながらハンカチを差し出して声を掛ける
「……大丈夫?」
仕事があっても無くても、泣いている子を放っておくことはできない
二人でドラまんを食べながら話を聞く
明確に失恋した訳じゃないのなら、まだチャンスはありそうな気がする
「勇気が出た時に、また挑戦してみたらいいと思う」
「焦る必要は無いんじゃないかな」
恋愛相談なんて未知数すぎて何を言っていいのかわからないけど、真っ直ぐ真摯に話を聞いて励ますよ
●“斬鉄剣”イネス・エクレール
竜の墓場――そう呼ばれる街の西側は、その名に違わぬ暗さだった。
物理的な意味ではないのだが。
行き交う|竜人《ドラゴンプロトコル》たちはいずれも物憂げに、空気もどんよりと淀むようで。
(ドラゴンストーカーにとっては絶好の場所だな……)
喰竜教団の標的である竜人が大勢集まっている、というだけではない。
あまりの覇気の無さ、弱々しさ……彼等の中に戦う力を持つ者が居るとして、これでは果たして戦闘に突入した時に実力をどれだけ発揮できるのか。
迫る襲撃に備えた動きを考えながら歩いていたクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)の足が止まる。
視線の先には涙ぐみながら独り歩く幼い少女。
「ねぇ、君……」
迷子だろうか。
道行く人々が声を掛けない事には理由があるのかもしれないし、無いのかもしれない。
あれこれ考えるより先にクラウスはハンカチを差し出していた。
「わ、私の事……?」
「……大丈夫?」
クラウスは兵士だ。戦闘能力は√能力者の中でも一流の域に達しているが、それ以外の事でどれだけの事が出来るかは分からない。
内心では狼狽しながらも……仕事の有無に関わらず、泣いている少女を放っておくことはできなかった。
「ぐすっ……ごめんなさい……」
「ううん、気にしないで」
それから少し歩いて場所を移し、二人は噴水前のベンチに並んで座っていた。
道すがら買った出来立てのドラまんは名物だけあって中々に美味しい。
イネスと名乗った少女は√能力者でこそ無いものの、モンスター専門の|狩人《ハンター》として活動している一家の末妹なのだという。
バレンタインという催しを知り一念発起してチョコレートを作ったはいいが、結局それを渡す勇気を出せず……思い悩む内に際限なく膨らんだ不安から逃れるように家を飛び出したそうだ。
「家族は心配してないの?」
「あ、はい。狩りで家に戻らない事はよくあるので……」
なら良かった、とその点は一安心。
聞けば相手は家に仕える使用人一族の子供で、長い付き合いがあるのだとか。
時折ドラまんを口にしながら、ぽつぽつとイネスが語る言葉に耳を傾ける。
「……ごめんなさい。こんな話を聞かされても、クラウスさんも迷惑でしたよね」
「大丈夫。そんな事は無いよ」
聞けばイネスの後悔は、一歩を踏み出せなかった事が原因のように思える。
何も――相手を傷つけた訳でも、拒絶された訳でもないのだ。
相手はイネスがこうして涙している事さえ気付いていない可能性もある。
それはそれで酷な事かもしれないが。
だとしても、何も失われてはいないのだ。まだ。
「勇気が出た時に、また挑戦してみたらいいと思う。焦る必要は無いんじゃないかな」
恋愛の事など分からないなりに考えた言葉を口にする。
こんなにも幼い少女が、自らに決断を強いて泣く事は無い。
この世界も波乱に満ちているとはいえ……明日をも知れぬ√ウォーゾーンとは違うのだから。そうであるべきだと、クラウスは思う。
「……ありがとうございます、クラウスさん。おかげで落ち着きました」
「どういたしまして。元気が出たならよかった」
イネスの浮かべた微笑に安堵しながらも、少しずつ……確かに迫る戦いの気配をクラウスは感じ取っていた。
喰竜教団はたとえ相手が幼子であろうと構う事は無いのだろう。
少女の未来を奪わせる訳にはいかないと、胸中でまた決意を固めて。
🔵🔵🔵 大成功

WIZ
アドリブ・連携お任せ
現地竜人の希望は自発的な戦闘が可能な者
それ以外はお任せだ
「なるほど。確かに早々立ち入ることは出来ない場所だ。
しかし、竜の墓場か。地獄谷と似たようなネーミングということか?」
ドラまんを囓りながら竜の墓場を一周する
避難経路の確認に安全な場所の確認
襲撃前にやらなきゃいけないことは目白押しだ
既に[学習力]と[集団戦術]によるシミュレートは十分だ
次に交流だ
東側にいくとしよう
「はじめまして。酒を奢るから話さないか?」
騒がなきゃやっていられないなら酒だ
アルコールが入れば積もる話も話しやすくもなるだろう
話す中で炯眼によって必要な情報を取捨選択しつつ、
本音話をしようじゃないか
●“鏡花水月”アイラ・エフェメール
「なるほど。確かに早々立ち入ることは出来ない場所だ」
黒統・陽彩(ライズ・ブラック・h00685)は既に疲労する羽目になっていた。
無論、日頃の鍛錬で培った体力もあり調査や戦闘に支障を来す程ではないが……
特に秘匿されている訳でもない『竜の墓場』が竜人の集う隠れ里たりえる理由。
歓楽街という表層と裏腹に起伏に富んだ険しい地形は、歩き回るだけでも一苦労だ。
道中で小腹を満たす為に買ったドラまんの濃厚な甘みが疲れた身体に染み渡る。
「しかし、竜の墓場か。地獄谷と似たようなネーミングということか?」
かもしれない……と相槌を打つ同行者は今回居ないが、天然の温泉もあるようだ。
一件落着の際にはドラまんの別の味を試しがてら疲労を癒すのも良いだろう。
……という情報はあくまで調査の副産物だ。
この地に迫る戦いを意識し、住民の様子や街並みに目を光らせる。
竜人たちの身体能力は総じて高いらしく、避難経路に困る事はあるまい。
(安全な場所……となるとやや難しいな。あの辺りに敵を引き付けるのもいいか)
見当をつけたのは比較的籠城に向きそうな建物、戦い易そうな開けた広場が幾つか。
情報は充分に集まった。後は作戦立案の段階だ。
修めた技術と経験を元にシミュレートを重ね、陽彩は歩みを進めていく。
街の東側はまるで祭りのように賑わっていた。
まだ日も沈む前から酒を呷る老人も居れば、肩を組み騒ぐ若者たちも居る。
よく見ればその多くが涙目であったり、耳を澄ませば悲嘆を聞き取れたりする辺りも竜の墓場たる所以だろうか。
「……ふむ」
陽彩の目に留まったのは、そんな喧噪を少し離れて眺める空色の竜人。
細かな所作から手練れである事が見てとれた。
露骨に視線を向けた訳でもないのに、相手も陽彩に気付いた様子で小首を傾げる。
「はじめまして。酒を奢るから話さないか?」
「へぇ、ナンパかい? 度胸は買うがアタシは高いよ?」
彼女がそれなりに長く占拠していたらしいオープンテラスの一席には空になったワインボトルが数本。追加オーダーには頃合いだろう。
街の至る所で買えるドラまんは具材次第で肴にもなるらしい。
はじめは他愛のない雑談から入り、積もる話はアルコールが回るに合わせて。
その竜人――アイラは運び屋業を営んでいたのだとか。
かつて各地を股に掛けて飛び回った彼女は、数年前に相棒を亡くしたのだという。
「流行り病でね。医者も手を尽くしてくれたんだが……
まだまだ半人前のガキの癖に、最期はバカみたいに安らかな顔で逝きやがった」
もし憎むべき仇が居たのなら復讐を果たして区切りを付ける事も出来たのだろう。
誰も悪くないなら、この喪失感の矛先は何処に向ければいいのか。
虚無感を振り切る術もなく、気付けば墓場に流れ着いていたのだとアイラは自嘲する。
「……そうか」
「ロートルのつまらん愚痴さ。それで?
アタシの事を知ってたって訳じゃないようだが、腕利きを探してるんだろう?」
「話が早いな」
「カマ掛けだよ。ま、見てれば多少は察せるさね」
からりと笑うアイラのグラスに追加のワインを注ぐ。
荒事に通じ街にも詳しいと来れば協力者として申し分ない。
此処からは作戦会議だ。
戦いに身を置く者として、二人は喰竜教団の襲撃に備え相談を重ねるのだった。
🔵🔵🔵 大成功

『はぁ、なんか面倒なのに絡まれた』
サポート参加、設定間違えなければ√ドラゴンファンタジーに固定してるはずです。可能なら喰竜教団関係のシナリオだと嬉しいです。
種族ドラゴンプロトコルなので巻き込まれる可能性は高いと思います。
他のシナリオでもこのプレイングが使えそうなら歓迎です。
基本行動は一般人の避難誘導。
√能力を失ってる事に自覚的ながらも、すっと自然に囮や肉壁をする事も。
装備が整っておらず技能がないのですが、MS様の裁量でAnkerジョブ『√能力喪失者』ならこれぐらいできるだろうと思われる技量で無茶しながら他人を救いにいきます。

露出度の多い踊り子衣装に身を包んだ少女で、舞う様に戦います。
武器は妖剣《ルシター》。自動飛翔能力を持つ短剣で、普段は通常の短剣として使い、隠し技として飛翔させます。
「私は私がムカつく敵を殺してるだけ。一般人を助けるのはムカつくやつの邪魔をしてやりたいから」という感じの言動をしますが、実際は優先して一般人を助けます。ツンデレ。
日常系シナリオでも「そんなに興味ないけどね」的な事を言いながら、実は興味をもって関わります。
√能力は集団的にもボス的にも同じものを使用し、暗殺者として一体ずつ倒すorボスの隙をついて大ダメージを狙う、という挙動をします。
細部お任せ、アレンジ歓迎

●√EDENの人気アイドル
【歌唱/ダンス/パフォーマンス】が得意で、人々を【魅了/存在感/慰め/鼓舞】ます。また、状況に応じて色んな人柄を【演技】します。
【正体を隠す】必要があれば【お忍び眼鏡(マスコミやファンの目から逃れる必要がある時、変装目的で着用する度なしの眼鏡です)】と【早着替え】で【変装】します。
●クールで思慮深い
【コミュ力】があり、【流行知識/世界知識/礼儀作法】に通じています。
●果ての地にも華は咲き
「はぁ、なんか面倒なのに巻き込まれた」
「嫌なら帰っていいのよ」
「そうよ」
「まぁ何も無けりゃドラまん制覇して帰るが」
竜の墓場……(主に心の)傷ついた|竜人《ドラゴンプロトコル》たちが流れ着く辺境の隠れ里。
喰竜教団に狙われているというこの地に縁あって訪れたドロス・ダーカー(竜王ドロス・h00809)は嘆息一つ。
元より彼は安全を好む。
出番など無く……襲撃さえ無く、ただの観光で終わるならそれに越したことは無い。
とはいえ、街中を歩きながら有事に備えて避難経路等を確認してしまうのも性分というものだろうか。
なお成り行きで同行者の荷物持ちを務める事になったのも半ば自発的なものだ。
|辺境奥深く《田舎》の知られざる保養地は単純に地形が険しく歩き難い。
慣れるまではただ歩き回るだけでも一苦労だろう。
「私は傍迷惑な狂信者がのこのこ出てくるって聞いたから待ち構えてるだけ。
そうじゃなかったら……もぐもぐ……こんな田舎に用なんて無いんだから」
そんな『竜の墓場』に、常人では先ず身体能力が原因で辿り着けないだろう。
住民の殆どが竜人……それも大抵は訳有りの曲者揃いである理由。
星峰・アトラ(葬送歌・h04702)でなくとも態々観光に訪れる物好きはそう居ない。
だからこその物珍しさ、というのも無くは無いのだが。
いま彼女が口にしているドラまんは街の至る所で売られている名産だが、味も様々で軽食・デザートから夕飯まで全てを賄える奥の深さがある……と、パンフレットに書いてあった。
他にも独自の文化が感じられる民芸品など、土産にはちょうど良いかもしれない。
「雰囲気はあるんだけど。そこはかとなく残念よね、全体的に」
「割と酷い言われようだな……まぁその通りなんだけど」
彼女が活動する√EDENとは別√という事もあり、紅河・あいり(クールアイドル・h00765)にとって特に素性を隠す必要の無い環境自体はそれなりに過ごし易いと言えたか。
力も記憶も喪ったとはいえ嘗てこの|世界《√》の頂点に君臨した真竜……であった竜人の隠れ里には、遥か古代に存在した神秘が僅かに感じられるような気もする、のだが。
街の西側は陰鬱に沈み辛気臭く、東側も上辺の空騒ぎが却って痛々しい。
事実、この地は確かに『墓場』なのだろう。
広義には同じヒトとして、竜人たちの有様は見るに堪えないものではある。
だからと虐殺を働こうとする喰竜教団の凶行は論外ではあるが。
自衛するにせよ逃げるにせよ、これではどうにも頼りない。
あいりのアイドルとしての合理性が、この場でとるべき行動を選択させた。
即ち、突発ライブパフォーマンスである。
惰性で死んだように生きる竜人たちの緩さが手続きという点では都合が良かった。
街にある広場の一つ、特に交渉も無くステージとして利用の段取りが整ったのだ。
アイドルとして妥協の無いセッティング、物珍しさもあってか集まりは上々。
「――歌うわ。感じて」
響かせるは【ハートフル・バラード】。
流れでアトラの舞と共演する事になったパフォーマンスは一瞬にして観衆の心を奪う。
負傷した心、破壊された情緒、病み衰えた精神という状態異常……
オーディエンスの心を蘇らせたのは√能力の作用か、それ以外の要因に依るものか。
「まぁ、少しはマシな顔になったんじゃないの」
「見ててムカつく態度を吹っ飛ばしてやれたのは、まぁ悪くないわね」
「お疲れさん。すっかり人気者だな」
諸々の手伝いの報酬代わり、一流の踊り子とアイドルの共演を最前席で堪能できたのは役得と言えば役得か。
一段落したところでドラまんを差し入れつつ二人を労うドロス。
このまま何事も無ければそれが一番だが……そうはならない予知があったからこそこの地を訪れた訳で。
三人は今も虎視眈々とこの地を狙っている喰竜教団の脅威を警告すべく、出待ちしている新たなファンたちの元へ向かうのだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功
第2章 集団戦 『バーゲスト』

POW
角突撃
【全身に生えた角】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【前足】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
【全身に生えた角】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【前足】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
SPD
バーゲストファング
命中する限り「【穢らわしい牙】による攻撃→技能攻撃→[穢らわしい牙]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
命中する限り「【穢らわしい牙】による攻撃→技能攻撃→[穢らわしい牙]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
WIZ
バーゲスト・スタンピード
自身の【赤く輝く目】がA、【全身から生えた角】がB、【鋭い爪を備えた脚】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
自身の【赤く輝く目】がA、【全身から生えた角】がB、【鋭い爪を備えた脚】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
●押し寄せる災いの先触れ
未だ春は遠く、しかし真冬に比べれば随分と日の長くなった弥生の夕暮れ。
街に明かりが灯りだす頃……突如として獣の遠吠えが響き渡った。
宵闇に先駆けて街を染め上げるように押し寄せたのはバーゲストの大群。
本来はダンジョンに足を踏み入れた者を執拗に狙う、凶悪な黒犬の妖精である。
数に任せて街をズタズタに蹂躙し、傷つき斃れた竜人たちを狩り尽くすのが喰竜教団の狙いなのだろう。
この後に控える教祖ドラゴンストーカーの撃破に専念する為にも、此処でモンスターの群れは殲滅する必要がある。
微睡みにも似た平穏は破られ、戦いの火蓋は切られた。
※NPC協力者の戦闘力は特に指定無ければ、
『√能力を抜きにするなら』
『集団敵と多対一でも後れを取らない・ボス敵にも一撃は有効打を狙える』
程度の働きが目安になります。
もちろん特に協力せず避難させる等でもOK。
※この章からの参戦プレイングでも
それまで幕間で共闘していた等の形でNPCとの協力を希望可能です。
詳しくはシナリオ冒頭のMSメッセージをご確認ください。

→
「来たか……。イネス、戦えそうかな?」
一人で戦うよりは一緒に戦って貰える方がありがたい
戦いには慣れているみたいだし、モンスター狩りに臨めば気も紛れるかもしれないしね
初手はバーゲスト達とイネスを巻き込める位置に紫電の弾丸を撃ち込み、範囲攻撃をしながらイネスを強化
以降は前に出てイネスと共に近接戦闘
光刃剣での居合を主体に攻撃されたらカウンターを挟んで追い詰め、連続攻撃はよく見て見切りで回避
イネスは気に掛けすぎる必要は無い程度には強いんだろうけど、まだ精神的に不安定に見えるから
様子を見てしっかりフォローして、必要があれば庇うよ
教祖との戦いまでに完全に立ち直ってくれたらいいけど
※アドリブ、連携歓迎です
●例えば明日誰かにさらわれたって
「来たか……。イネス、戦えそうかな?」
「……数が多いわね。えっと、お手伝いはできると思います」
「ありがとう。無理しないようにだけ気を付けて」
少女の答えにクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)は首肯一つ。
表情には未だ憂いの色こそ残っているが、バーゲストの大群を見据える冷静な目は場数を踏んだ狩人のものだ。
彼我の戦力、そして自分に果たせる役割を把握している事は共に戦う上で心強い。
それに……
(……モンスター狩りに臨めば気も紛れるかもしれないしね)
イネスがこの竜の墓場でどれだけの時間を過ごしていたのかは定かでないが、思い切り身体を動かす事は気晴らしにも有効だろう。
それが危険なモンスターの掃討戦なのは|√《お国》柄というものかもしれないが。
「行きます……!」
「うん。どうぞ存分に」
小柄な身の丈と同程度の刃渡りを備えた大剣を振るい、放った斬撃の後を追うように少女は切り込んでいく。
敵群全体の動きを意識した細かな立ち回りには援護する側も却って手を出し難い面もあるが、クラウスの技量を以てすればその程度が苦になる事はない。
銃を構え、狙いを定め――撃つ。
「√能力を使う敵でも、これならやり易くなると思う」
「はい……! ありがとうございますっ」
着弾点を中心に迸った雷電はバーゲストを焼き払い、しかし同じく範囲内に居たイネスとクラウス自身を傷つける事は無い。
敵対者の殲滅と味方の強化を兼ねる【紫電の弾丸】は敵味方入り混じる混戦で真価を発揮する。
「此処からは俺も前に出よう」
「「「■■■■■――――――!!」」」
痛打を受けたバーゲストの群れが激昂の叫びを響かせる。
負け犬の遠吠えと侮るには些か早い。敵の動きが根本から変質する。
【バーゲストファング】――穢らわしい牙の攻撃を主軸に、各々が備える技術全てを注ぎ込む怒涛の連続攻撃。
単体辺りの戦闘能力は――√能力者の基準からすれば――高くはないが、膨大な数は時にその差を埋めるに充分な要素だ。
帯電の恩恵を加味しても短期決戦に特化した√能力の猛襲には相性が悪い。
教祖との戦闘を前に、敵の目論見通り消耗は免れ得なかっただろう……単独なら。
「ごめんなさい、クラウスさん。少し腕が錆びついていたみたいです」
「気にしないで、助かってるよ」
遠回りに迂回してまで取り囲み圧殺しようとする敵の動きを阻む事は難しい。
個々の能力を数で補い、全方位から襲い掛かる連続攻撃――クラウスが少し動いて位置を整えれば、紫電宿る大剣の一閃が彼の死角を狙っていた黒犬を纏めて消し飛ばす。
代わりにイネスに迫っていた分の爪牙は光刃剣の居合が斬り裂き迎え撃った。
夕闇に紛れる獣の動きを見切り、攻撃が届く事も許さず屠っていく。
(イネスは気に掛けすぎる必要は無い程度には強いんだろうけど……)
当人はブランクを気にしているようだが、√能力の有無さえ補えば戦力は充分。
雷の属性とは特に相性が良かったようで連携も円滑だ。
気になるとすればイネスの動きに時折混ざるぎこちなさか。
少女の思考と剣士の感覚が噛み合っていない……ような。
「大丈夫だよ、イネス」
「クラウスさん?」
「フォローは俺に任せて、思い切りやるといい」
「ご、ごめんなさ……いえ。その……ありがとうございます」
敵の数は未だ多いが、二人で分ければ負担は半減。的確に連携すればそれ以下だ。
もはや街に放たれたバーゲストの駆逐は時間の問題だろう。
教祖との戦いまでに完全に立ち直ってくれれば、とクラウスは思う。
ドラゴンストーカー……個にして群を凌駕する強大な簒奪者。
この戦いの比ではない死闘が間近に迫っているのだから。
🔵🔵🔵 大成功

SPD
アドリブ・連携歓迎
「メタモライザー!セットアップ!」
≪ライズ!ライズ・アップ!≫
「宣誓!全てを受け入れる黒の如く!」
≪OK!!ライズアップ!ユア・ビリーフ!≫
≪リアライジィィィングゥ!!≫
「深き信念の戦士!ライズ・ブラック!!」
ポーズを決めてザンバを装備
「さあ、行くぞ!アイラ!
この場所を我々が守るのだ!
ヘイトは私が請け負う!キミは隙をみて攻撃をしてくれ!」
[集団戦術]で組上げた作戦通りに動く
「穢れた牙など、私には届かないぞ!」
√能力を発動して牙の攻撃を自動回避
攻撃の意思を持つ全敵の背後に私の影が現われ、ザンバで全て討ち取る
「さあ、こちらだバーゲスト!
穢れた怪物、その悉くを討ち取ろうぞ!」
●落ちる 空の雫だって
「メタモライザー! セットアップ!」
≪ライズ! ライズ・アップ!≫
「宣誓! 全てを受け入れる黒の如く!」
≪OK!! ライズアップ! ユア・ビリーフ!≫
血に餓えた獣の唸りを押し返すように、雄々しい掛け声と起動音が空気を震わせる。
変身――それは戦いに臨む黒統・陽彩(ライズ・ブラック・h00685)の姿。
≪リアライジィィィングゥ!!≫
「深き信念の戦士! ライズ・ブラック!!」
黄昏の薄暗さにあって猶もその雄姿は勇ましく大剣を構えた。
気迫に足を止めていたバーゲストの大群も、陽彩を排除すべき脅威として認識する。
「さあ、行くぞ! アイラ! この場所を我々が守るのだ!」
「ははっ、格好良いじゃないか! 応とも、久々の大立ち回りと洒落込むとしよう!」
「ヘイトは私が請け負う! キミは隙をみて攻撃をしてくれ!」
敵群へと正面から斬り込み、怪力に任せて大剣を薙ぎ払う。
当たるを幸いと言葉の通り、群れ過ぎたが故に逃げ損ねた数体が纏めて骸と化す。
数秒――その僅かな攻防の間にも、立ち塞がる者を狩らんと黒犬たちは回り込む。
側面から、背後から、我先にと迫る【バーゲストファング】――陽彩の姿が不意に掻き消えた。
「私が腕力だけの戦士だと思ったか?」
「「「■■■■■――――ッ!?」」」
「穢れた牙など、私には届かないぞ!」
標的を見失い隙を晒した一瞬、後の先を取る大剣の斬撃が獲物を叩き斬った。
黒影を纏った陽彩は煽り口上を残して黒犬の知覚を欺く。
攻防一体の【|暗黒潜伏《ブラック・アウト》】、そう容易く破れる技ではない。
ならば、とバーゲストはこの戦場に居たもう一人を狙おうと姿を探す――居ない。
困惑する間も無く、無防備なその身は真っ二つに断たれた。
「見えないなら嗅覚で捕捉すればいいと思ったろう? 犬だものねぇ」
虚空から揶揄うように姿を晒したのは空色の竜人。
言われるまでもなくバーゲストの全ての知覚がそこに敵の存在を確信している。
√能力者である陽彩に比べれば遥かに与しやすい零落した竜人一人――引き裂かんと殺到する爪牙の餌食となったのは、同じ群れである筈のバーゲストだった。
「「「残念、不正解だ。映すのは光だけじゃない――アタシの鏡は特別性なのさ」」」
バーゲストの群れに紛れる鏡像、無数に投影された陽彩とアイラ。
姿、声、匂い、虚実織り交ぜたそれは半ば手品のような小細工だ。
そんな小細工も……見破る前に仕留めれば致命の罠と変わりない。
「と、景気よくやってみたはいいが肝心の火力は相手任せでね。
もう一暴れハデなところを見せてもらえるかい、ヒーロー?」
「任せろッ! さあこちらだバーゲスト!
穢れた怪物、その悉くを討ち取ろうぞ!」
暮れなずむ闇の中に黒影が舞う。
有言実行――その意思は、時間にして数分と経たずに実現されるのだった。
🔵🔵🔵 大成功

ふむ。喰竜教団ですか。
狂信的な団体が相手では交渉の余地はありますまい。
縁のある方もおられますし、加勢に参じましょう。
間に合いましたかな?
竜の墓場にバギーに乗って駆け付けて、バーゲストと竜人たち(NPC。指定なし)の間に割って入りましょう。
ご安心ください、我輩はあなた方の味方です。
バギーから降りて佇み、敵の注意を引きつけますぞ。
さて。この√のモンスターも興味深いところです。
妖精ということですが……ふむ。……まあ、犬ですな。殲滅を優先しましょう。
指定√能力を発動。
夜鬼の群れを呼び出し、上空から落石や急降下攻撃をさせます。
日が暮れた頃合いであれば、陽光を嫌う夜鬼も働いてくれるでしょう。
ほっほっほ!
●夜に棲むものども
「ふむ。喰竜教団ですか」
角隈・礼文(『教授』・h00226)も星詠みとして教団の暗躍を予知した事がある。
現在『竜の墓場』を荒らさんと放たれたのは獣同然の黒犬妖精バーゲストだが、仮にそれが信者であったとしても交渉の余地など無い事を彼はよく理解していた。
無論、此度の襲撃を計画した教祖ドラゴンストーカーに至っては言うまでもない。
「縁のある方もおられますし、加勢に参じましょう」
少し離れた場所で大立ち回りを繰り広げる黒影のヒーローを認め、更に回り込まんとするバーゲストの一群へと視線を移す。
早い段階から備えていただけあって最善の位置取りだが、いかんせん敵の数が多い。
「合流するよりは一度、迎撃地点を分けた方が合理的でしょうな」
√能力者たちの奮戦と円滑な避難のおかげで抑えるべきポイントも分かり易い。
乗り入れたバギーのエンジンに火が入れば、全地形対応の謡い文句に違わぬ性能を発揮したゴースト・バギーは険しい地形を物ともせず竜人たちとバーゲストの群れの間に割って入る。
「間に合いましたかな?」
「おい、あんた! こいつらは喰竜教団が放った刺客らしい、危ないぞ!」
「ご安心ください、我輩はあなた方の味方です」
竜人側からの警告には救援に来た√能力者である事を明かし、敢えてバギーから降りる事で乱入者を警戒するバーゲストの注意を引き付ける。
ちょうど竜人たちが避難しようとしていた広場への一本道を塞ぐ形だ。
囲まれるリスク、避難した先を直接襲われるリスクが低い事は幸いか。
「此処は吾輩が引き受けますゆえ、あなた方はどうぞ広場まで」
「すみません、武運をお祈りします……!」
纏まって避難していた竜人たちが主に非戦闘員である事は見れば分かった。
戦力にならない事も無いだろうが、犠牲を出さない事を第一とするなら戦いに巻き込まないに越した事は無いだろう。
「さて。この√のモンスターも興味深いところです。妖精ということですが……」
バーゲスト……ドラゴンストーカーが刺客として選んだ群れ。
一体一体が√能力の使い手であるという並のモンスターとは一線を画す戦闘力、群れを形成し今も慎重に此方を値踏みする様子から感じられるのは狡猾な知性。
「……ふむ。……まあ、犬ですな。殲滅を優先しましょう」
「「「■■■■■■■――――!!」」」
「――旧き印に従い、我が命を果たせ」
一斉に響いた雄叫びはもしかするとブーイングだったのかもしれないが、まぁ、能力も知性も|獣《犬》の延長線上にあると考えて相違ない。
その身を一斉に異形と化す黒犬を前に、礼文も前座を狩るべく“群れ”を招く。
【|従属せよ痩せこけた夜の魍魎《サモン・ナイトゴーント》】――夜闇から滲み出るように現れるは22の異形。
「時間も程よい頃合い、陽光を嫌う夜鬼もよく働いてくれるでしょう。ほっほっほ!」
変貌に伴い攻撃力を大きく上昇させる【バーゲスト・スタンピード】だが、その能力に対空の性質は無い。
そして黒犬たちは本来の縄張りから離れた僻地へ駆り出された事も仇となった。
蝙蝠の翼を羽搏かせ落石や急降下攻撃で攻め立てる夜鬼に翻弄され、土地勘の無いバーゲストは一匹また一匹と追い落とされるように崖底へ消えていく。
「モンスターだけあって頑丈ではあるのでしょうが……これは助かりませんな」
数える程にまで減ったバーゲストが夜鬼に狩られていく様を見ながら考える。
ドラゴンストーカー自身が動き出す前に敵の手勢を処理できた事は僥倖。
問題があるとすれば広場の竜人たちが狙われた際に守り抜く難易度。
(他へ狙いが向いている時に味方と共闘して決着を付けるか……
或いは竜人たち以前に広場へ近づけぬよう迎え撃つか、といったところですかな)
襲撃を画策した教祖を残すのみであるが故に、もはや隠そうともしない気配は鮮明に感じ取れた。
ドラゴンストーカーが――動く。
🔵🔵🔵 大成功

人間(√EDEN)のルートブレイカー×|古代語魔術師《ブラックウィザード》、16歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、演技時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●月下の剣舞
「喰竜教団……随分と派手にやるんだね」
|竜人《ドラゴンプロトコル》が集う辺境の隠れ里『竜の墓場』を狙う襲撃。
その先触れとして放たれたバーゲストの膨大さに白籍・ヌル(まだ無名・h05334)は眉を顰める。
既に他の√能力者たちが備えた結果、ひとまず守る事は考えずとも戦えるのは僥倖。
しかし彼女の請け負うエリアを突破されれば、戦う力を持たない者に犠牲が出る事は想像に難くなかった。
「そんな事はさせないけど!」
抜き払った無銘の刀が月光に煌めく。
【バーゲスト・スタンピード】――立ち塞がる邪魔者の存在を認め、黒犬の姿が一斉に変貌するのは殆ど同時だった。
異形の怪物と化した姿は、狂乱のまま全てを破壊し踏み躙る事に特化している。
「其は旧き神秘の化身。我が身に宿りて在りし日の如く、彼のものたちを薙ぎ払え!」
その身に太古の神霊「古龍」を纏わせる【古龍降臨】の御業はバーゲストの暴走にも後れを取るものではない。
押し寄せる多脚の突撃を舞うように躱し、硬く鋭利な角諸共に斬り捨てる。
霊剣術・古龍閃の前では堅牢な護りも用を為す事は無い。
ただ突き進むだけで互いに衝突し合うようなバーゲストの群れへ切り込めば鮮血が散り、駆け抜けた距離の分だけ斬り裂かれたバーゲストが倒れ伏す。
当たるを幸い、と評するのもこの場合に限っては不適切かもしれない。
凄絶の斬撃は的確にバーゲストの急所を狙い、多勢をものともせず屍の山を積み上げていく。
「前座にしてはしつこかったけど……まぁ、上出来でしょ」
実のところ、それは“本命”が現れる前にその手勢を何処まで削れるかという時間との勝負でもあった。
ちょうど最後のバーゲストを屠り一息つく頃……襲撃の黒幕が、動く。
🔵🔵🔴 成功

アドリブ大歓迎。
人間災厄「四月馬鹿」のカミガリ×バカの霊剣士の男の娘です。ほぼ少女扱いでの描写で問題ありません。
口調は「ボクこそがボクなのだわ!(ボク、~君、なのだわ、なのよ、なのだわね、なのかしら?)」です。
冒険パートでは、積極的に周りとコミュニケーションを取って行動するようにします。
戦闘時は主に大型の義腕を振り回して殴る蹴るの格闘主体で戦います。たまにビームも出る。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●|馬鹿騒ぎ《スタンピード》
「ふはははははーー!」
『竜の墓場』を蹂躙せんとするバーゲストの大群。
全てを飲み込む黒き奔流の如き暴走の前に、四角・転(バカも歩けば√に当たる・h00087)は勢いよく割って入った。
「そう! ボクこそがボクなのだわ!」
構わず轢き潰さんと迫る大群を――大型の義腕で殴り飛ばす。
この人間災厄に接近した時点で精神汚染に晒されたモンスターは碌な防御も儘ならずに吹き飛ばされ、しかし後ろから追われるように突き進む後続の勢いが衰える事も無い。
転の攻撃に反応してか、【バーゲスト・スタンピード】――狂乱の叫びと共に、黒犬の群れは原型さえ失って異形の怪物へと形を変えていく。
「うーん強行突破! でも!」
カッ、と開眼のカットイン。
人間災厄の|力《ぱぅわー》を纏い、転もまた加速する。
「そこ退けそこ退け! 天下一の大馬鹿者が通るのだわ!」
蹂躙にはそれ以上の蹂躙を。
√能力【|馬鹿は大きく振りかぶってぶん殴る!《フールズフィスト》】には詠唱や汎神理論、高尚な理屈など存在せず……その全てを理不尽に捻じ伏せる。
黒犬の妖精バーゲストは凶悪にして狡猾なモンスターだ。
この群れは喰竜教団に使役される尖兵と言えど、敵対者にはあらゆる悪辣な手段を以て報いを与えるだろう――本来なら。
人間災厄「四月馬鹿」がもたらすのは災厄級の知能低下。
人類の管理下に収まっている今は全盛期に程遠くとも、その片鱗でさえ群れ成す魔物を愚鈍に堕とす程度は造作もない。
後は単純な力と力の激突による分かり切った結果が残るのみ。
「大勝利なのだわー!!」
瞬く間に積み上げられた骸の山、その頂点で快哉が響いて。
🔵🔵🔴 成功

人間(√ドラゴンファンタジー)の古代語魔術師ブラックウィザード × レインメーカー
年齢 16歳 女
外見 青い瞳、赤髪、普通の肌
特徴 クール、無表情、絶望的な辛党、由緒正しい血筋、実は熱血
口調 クール 私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?
真剣な時は 情熱的 わたし、あなた、~さん、言い捨て
祖父母の代から冒険者。それ以前も魔術に関わっていた、魔法使い家系生まれの双子の姉
普段は無口、無表情。クールで冷静だが、情熱を秘める
炎属性の魔法が得意、精密な操作で追い詰める
√能力はどれでも使用、積極的に行動し、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
公序良俗に反する行動はしません
アドリブ連携歓迎
●獣殺しの炎
「「「■■■■■■■――――!!」」」
まるで隠れ里を更地に還さんとするかの如く、手あたり次第に破壊を撒き散らしながら暴走するバーゲストの大群。
戦う力を持たない竜人の避難が既に完了していた事は不幸中の幸いだろう。
だが、このまま侵攻が続けばその爪牙が避難所に到達するのも時間の問題だ。
「……させない」
黒犬妖精として鋭敏な感覚を備えたバーゲストだが、冷静と無縁の狂乱状態にあっては宝の持ち腐れというもの。
微かに空気を揺らした複雑な詠唱に意識を向ける事もなく……その代償は焼却魔法による手痛い先制だった。
己を目立たなくさせる隠密により発見を遅らせる事で更に一手。
事前に把握していた地形を利用した久遠・群炎(群青の炎術師・h01452)の不意打ちは、バーゲストの大群を最大効率で焼き払う。
「燃えて」
群炎の【竜漿魔眼】は隙を見抜く。
バーゲストの強みは√能力による出鱈目な自己強化と圧倒的な物量。
己が身をも顧みない【角突撃】が際限なく襲い掛かるとあれば、正面からやり合うのは自殺行為だが……そもそも純後衛の群炎とは土俵が異なる。
突撃に狙われぬよう立ち回り、隙を見せた者から確実に焼き払う事で数の利を潰す。
一定量までその数を減らせば、後は詰将棋も同然だった。
田舎特有の険しい地形は地の利を持たない黒犬の動きも阻害する。
「疲れた……」
群炎もまた、そんな街中を駆け回る羽目になった訳だが。
結果として、遂に傷らしい傷を負う事もなくバーゲストは駆逐される。
「でも……此処から、ね」
一つ、残ったのは肌に突き刺さるような狂気を放つ群を抜いて強大な存在感。
ドラゴンストーカー――襲撃の黒幕、その気配が近づく方向を見据えて。
🔵🔵🔴 成功

人間(√EDEN)のマスクド・ヒーロー× 重甲着装者、32歳の男です。
一人称は私で、普段の口調は丁寧なタメ口です。
|堅気《一般人》の安全は優先しますが、|半グレやチンピラなど《アウトローな者たち》は死んでなければ多少の怪我は仕方ないと考えています。
基本的に荒ごとは得意であるため、戦闘となれば近距離での|喧嘩殺法《なんでもあり》で立ち回ります。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず肉を切らせて骨を断つように行動します。
他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●|行き止まり《デッドエンド》
|竜人《ドラゴンプロトコル》が集う辺境の隠れ里、『竜の墓場』。
実態は兎も角、その広大さと地形の険しさは天然の要害と言っても過言ではない。
戦う力のない者は前以て避難を済ませたとはいえ……避難先へ迫る経路もまた無数。
そんな薄暗い裏路地の一つ。
街を破壊し尽くさんとするかのように押し寄せるバーゲストの群れは押し合いへし合いの様相を呈しながら雪崩れ込み……
「……此処だね。これより殲滅を開始する。オーバー」
爆発、そして倒壊。
幾つかの建物が纏めて破壊され、立ち込める塵煙が視界を遮る。
「飛んで火にいる何とやら――君たちは此処で行き止まりだ」
鈍い打撃音。
何体かのバーゲストが纏めて吹き飛び、そして攻防以前の屠殺が繰り返される。
外部から放たれ土地勘に乏しいとはいえ、バーゲストは狡猾なモンスターだ。
それが碌に体勢を立て直す事も出来ず、一方的に潰されていく。
「悪いけどモンスター相手に容赦はしないよ」
|卒塔婆《倶利伽羅剣》をフルスイングで振り抜くのは|仕事に疲れたサラリーマン《社畜》……擬態だ。
九・白(壊し屋・h01980)の【|毎日が月曜日。それがサラリーマン社畜の定め《キュウジツシュッキン》】は肉眼以外での感知を不可能とする。
猶その効果を最大限に活かすため倒壊させた廃屋については事前に許可を取ってある。
捨て身の【角突撃】も厭わないバーゲストだが、唯一の頼みである視覚も不十分な状態で自滅を厭わないほど狂ってはいない。
その結果がこれだった。
この擬態は戦闘力の低下も伴うが、壊し屋の異常なフィジカルを以てすればその上で隙だらけのモンスターを纏めて叩き潰す事も不可能ではない。
「ま、とりあえずこんなところかな」
やがて砂塵が薄れ、視界が再び晴れる頃に立っていたのは白ただ一人。
宣言通り――この路を抜けられた者は居ない。
🔵🔵🔴 成功

外見年齢17歳の美少女エルフ騎士
一人称:私
二人称:名前+さん
敵は呼び捨て
明るく楽しいお姉さん(なの、よ、なのね、なのよね?)
デコルテ、二の腕、絶対領域を魅せる大胆なミニスカ鎧で抜群のスタイルを惜しげもなく披露しながら|聖火竜の闘士《ケンプファー・フォン・デア・ハイリガーフォイアドラッヘ》として剣を手に簒奪者に立ち向かいます
グラナートは|榴弾《グラナート》と|紅榴石《グラナート》がかかってます
√能力はどれでも使用可
味方と協力して敵を撃破します
星詠みのステラ、見参! 助けに来たよ!
数だけは多いわね。でも数だけね
この剣のサビにしてあげる!
アドリブ連携歓迎
公序良俗に反する行動NG
●|聖火竜の威光《ディ・クラフト》
『竜の墓場』を狙った喰竜教団の襲撃。
その尖兵として放たれたバーゲストの大群は黒い奔流となって街を飲み込まんとし……その経路の一つ、押し寄せる群れの前に立ちはだかる者が居た。
「星詠みのステラ、見参! 聖火竜の霊剣士としても喰竜教団は見過ごせないよね!」
溌溂と名乗りを上げたのはステラ・グラナート・ウェデマイヤー(|聖火竜の闘士《ケンプファー・フォン・デア・ハイリガーフォイアドラッヘ》・h00134)。
邪魔者に気付き、しかし後続に押される勢いのまま蹂躙せんと――寧ろバーゲストの【角突撃】は更に加速する。
物量が自らの強みである事を知るバーゲストは、捨て身さえ厭う事は無い。
「いいよ、見せてあげる。――これが|聖火竜の闘士《ケンプファー・フォン・デア・ハイリガーフォイアドラッヘ》の力です!」
狂乱するバーゲストの突撃は生半可な事では止まらない。そして……
その勢いを強制的に削いだドラゴンブレスを彷彿とさせる炎魔法は牽制に過ぎない。
「数だけは多いわね。でも数だけね。纏めてこの剣のサビにしてあげる!」
「「「■■■■■――――!?」」」
過剰な物量ゆえに足並みが乱れるだけでもバーゲストの大群は自らを傷つける。
それだけではまだ足りない。
初手の火炎は残留し、炎の壁となって群れの動きを封じ込める。
猶も突き破らんと藻掻くモンスターの決定的な隙を逃す筈もない。
「その身を以て味わいなさい――【|聖火竜流星撃《ハイリガーフォイアドラッヘ・メテオア・アングリフ》】ッ!」
迫る赤きドラゴンのヴィジョンと共に、薙ぎ払うは竜の牙に準えた霊剣の強撃。
必殺の連撃は狂乱する黒犬の進撃を力尽くに捻じ伏せ、一網打尽に葬り去って。
🔵🔵🔴 成功

主にレゾナンスディーヴァ、あるいは霊能力者らしい戦い方(ジョブ説明のイメージ)をします。
●レゾナンスディーヴァ
【歌唱/ダンス/パフォーマンス】による【存在感/鼓舞】で一般人を励ましたり、敵を引き付けたり、戦意を【慰め/魅了】で削いだりします。
武器は【シルバーバトン(霊力で自在に操る武器で、手元で光速回転し、放てばブーメランの軌道で戻ってきます】を使います
●霊能力者
ジョブ説明にあるように、別√から依頼に介入します。
またはアイテム【ミニあいり(あいりの霊能力による別√からの介入をご都合主義的に示す、分身的なぬいぐるみです)】が現地に現れて行動します。

露出度の多い踊り子衣装に身を包んだ少女で、舞う様に戦います。
武器は妖剣《ルシター》。自動飛翔能力を持つ短剣で、普段は通常の短剣として使い、隠し技として飛翔させます。
「私は私がムカつく敵を殺してるだけ。一般人を助けるのはムカつくやつの邪魔をしてやりたいから」という感じの言動をしますが、実際は優先して一般人を助けます。ツンデレ。
日常系シナリオでも「そんなに興味ないけどね」的な事を言いながら、実は興味をもって関わります。
√能力は集団的にもボス的にも同じものを使用し、暗殺者として一体ずつ倒すorボスの隙をついて大ダメージを狙う、という挙動をします。
細部お任せ、アレンジ歓迎
●2nd Co-starring
「来たわね」
「そうね」
紅河・あいり(クールアイドル・h00765)と星峰・アトラ(葬送歌・h04702)は背中合わせに、喰竜教団の放ったバーゲストの大群が迫る様を見やる。
あれから竜人たちの避難は無事に完了し、迎撃に適したポジションの確保もできた。
だが暴走するバーゲストの勢いは凄まじく、それだけではやがて避難先の広場まで侵入されるのも時間の問題だろう。
「――聴きなさい。上げていくわよ」
高台に設置した特設のステージ、おもむろに流れ出した音楽に合わせ歌声が響く。
レゾナンスディーヴァの力によって広く伝播するそれはこの場に居ない|ファン《竜人たち》の元へ届き、そして狂乱するバーゲストの意識をも引き付けた。
誘導されたモンスターは押し合いへし合い、鋭い角と爪牙で互いに傷つけあいながら狭い上り坂を駆け上がってくる。
其処へ……ステージから軽く跳躍したアトラが、道を塞ぐように舞い降りた。
|妖剣《ルシター》が月光に煌めき、斬り裂かれたバーゲストが血飛沫と共に倒れ伏す。
極度の密集状態に加え、あいりの歌声による散漫な注意力。
同士討ちも厭わない【バーゲストファング】の勢いこそ衰えはしないが、その精度はどれも粗末なものだ。
「ごめんなさい。あなたの最期なのに私の踊りはちゃんと見せられなくて」
故に、手数も持ち腐れとなっては【|暗殺舞踏《ステルス・ブレイド》】の回避も容易い。
敵の攻撃をトリガーに発動する先制反撃は即ち、最も前に居る者から餌食となる。
夜に紛れるような闇を纏って姿を隠し、時には地形を盾として。
狙い澄ました剣舞は一体ずつ、群れ全体の動きを抑え込むように仕留めていく。
「……そろそろかしら」
バーゲストの進行を最大効率で遅延させながら、その上でじわじわと誘い込むところまでが計画の内。
消耗を強いられ疲弊しながらも、遂に黒犬の大群は高台にまで到達する。
身を翻し後退したアトラとバトンタッチ、あいりは未だ猛り狂う群れの前に進み出て。
「――これでフィニッシュ」
ポーズを決めると同時、閃光が弾けた。
あいり自身と周囲の昂りを電撃として放つ【ボルテージ・バースト】、長時間のチャージを要する代わりに威力を跳ね上げる√能力が発揮したのはバーゲストの群れを一掃するに充分な超火力。
戦場に在りながらも鋭く、そして鮮烈に――二人の華やかな戦いは、遠く見守る竜人たちの歓声を地鳴りの如くに沸き立たせて。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

わたくしの行動原理は8割食欲!「人助けのお礼とか、悪人の私財ちょろまかしとかで、後で豪遊ですわ~!」「敵様をモグモグですわよ~!」とかが主体ですわ~!わたくし蜘蛛の妖獣なので、文字通りの肉食系ですわよ~!シチュ的に可能なら、歩き食い・つまみ食い描写してもらえると嬉しいですわね~!
「|当たって砕けろ精神《行き当たりばったり》で生きてる」「不要な面倒事を避ける程度の知性や常識は持ってるけれども、実は善悪わりと興味なし!必要なら脅迫(マジで食べちゃいますわよ~)とか暴力も可」「本性が人外なので、同情とか倫理をぶっ飛ばして無茶苦茶もできる」という感じなので、ギャグ・シリアスどちらも可ですわよ~!
●弱肉強食
辺境の隠れ里を獣の咆哮が満たす。
|竜人《ドラゴンプロトコル》を狙い放たれた尖兵、街を埋め尽くさんとする膨大なバーゲストの大群。
「食べ放題ですわ~~~!!!」
そして、獣の雄叫びにも勝るとも劣らず高らかにフーディア・エレクトラムリーグ(暴食汚職暴力お嬢・h01783)の快哉が響いた。
各々が√能力を扱うバーゲストの軍勢、質と量を兼ね備えた群れ成す悪意はそれのみでも竜人たちの集う地を壊滅させるに足る災厄そのもの。
遠目にはドス黒い洪水にさえ見える黒犬の群れが押し寄せて――
「さぁ、|わたくしたち《・・・・・・》! |食糧《えもの》探しの時間ですわよ~!」
狙いは適当。それこそ目を瞑っても当たりそうな次元で数が多い。
勿論――フーディアにとっては建前に過ぎないとしても――避難先に集まっている竜人を守る為には、上手く群れの先頭を叩いて適度に勢いを削ぐ必要こそあるが。
手を打ち鳴らす音と共に生じるは【|永遠の飢餓は霊的分身さえ生み出す《アストラル・ミニチュア・フーディアズ》】、総勢23の仔蜘蛛たち。
無数のバーゲストによる【バーゲストファング】が仔蜘蛛を斬り裂き……怒涛の連続攻撃たる本領を発揮するまでもない。
仔蜘蛛は初撃で爆ぜ、射程内に密集した群れ全体に精神異常をもたらす。
元より本来の狡猾さえ投げ捨て暴走状態にあるバーゲストへの影響は誤差程度。
此度肝心なのは爆発で僅かなりとも足を止め、そして本体が各々の位置関係を感覚的に把握した事――即ち、狩りの下拵えだ。
「ザックザクですわ~!」
射出した蜘蛛糸による険しい地形をものともしない立体機動。
流麗なる白銀の蜘蛛を本性とする獣妖のフィジカルは黒犬を纏めて薙ぎ払い、串刺しに貫いた獲物を口元まで運べば息絶えた肉塊は底無しの胃袋へと消えていく。
一度速度を緩め、後続と衝突し弱ったところで群れ全体の勢いは止まらない。
そう容易く止められるものではない、が……より強大な暴力を前に、その隙は致命的だった。
後は手当たり次第に暴れ、屠り、そして喰らうのみ。
酒の代わりに血潮を呑み、化け物の宴は騒々しく。
やがて地獄の如く染め上げられた光景の中、残るは暴食の蜘蛛たる獣妖の姿一つ。
――永遠の飢餓は猶も満たされる事は無く。
🔵🔵🔴 成功

√ウォーゾーンの出身よ
人類の勝利と国土奪還の為に頑張りましょう!
他の√への支援も、協力関係を築けるかもしれないし重要よ
戦闘では、まずアイテムのクインテットウォールを展開
技能の拠点防御と継戦能力を活用するわ
そして武器のウェザーブレイカーや突撃銃で射撃戦
レーザー射撃、貫通攻撃、制圧射撃…何が有効か探りましょう
敵の接近を許したら、シャベル格闘術の出番
距離を詰めただけで勝ったと思わないでよね!
陣地変換して仕切り直しよ
バックアップ素体のいる少女人形だけど、普段は自分を使い捨てにしないわ
Ankerの子が悲しむからね…
でも√能力者以外が死んじゃいそうな時とかは捨て身で庇いにいく
そういう死に方は許してくれるの
●蹂躙の応報
「他の√への支援も、協力関係を築けるかもしれないし重要よね。それに……」
竜の墓場――心身に傷を負った|竜人《ドラゴンプロトコル》が流れ着く辺境の隠れ里。
今や戦場と化した街に降り立ち、迅速に簡易拠点を築いたクーベルメ・レーヴェ(余燼の魔女・h05998)は高台からバーゲストの大群を見下ろす。
故郷での仇敵である戦闘機械群と喰竜教団は違う。√も行動方針も別物だ。
だが……質と量を兼ね備えた軍勢による弱者の蹂躙。
阻むべき凶行の形は変わらない。
「虐殺なんて見過ごす訳にいかないもの! |陸の王者《ライオン》の力を、誇りを見せてやるわ!」
既に得た地形の情報を元に迎撃プランは立ててある。
展開したウェザーブレイカーのレーザーは敵の反応を探り、誘導する為のもの。
「「「■■■■■■■――――!!」」」
気付かれるのは時間の問題だった。獣の鋭敏な知覚を欺くのは容易ではない。
数を頼みに己自身をも使い捨てる【角突撃】の前では防壁もどれだけ耐えられるか……起伏に富んだ険しい地形、踏破も一苦労だという事も知っている。
「計算通りよ――|Штурмовик《シュトゥルモヴィーク》!!」
指を弾く合図が一つ。
注ぐ月光を遮ったのは【|航空支援要請《クローズ・エア・サポート》】に応じた航空部隊。
「補給物資の投下は……今は必要なさそうね」
幸い、先んじて備えていた√能力者の働きによって避難は完了している。
襲撃で荒らされた街の復興は必要だろうが、それも戦いの終わった後の話だ。
いま降り注ぐのは、容赦のない航空攻撃。
狙いはピンポイントに、まんまと誘い込まれたバーゲストの群れを蹂躙する。
やがて敵群が沈黙する頃――不意に場の空気が一変する。
√ウォーゾーンに君臨するスーパーロボットとも遜色ない超越者の気配。
「お出ましという訳ね。望むところよ!」
一息つく間も無く、決戦の幕は上がろうとしていた。
🔵🔵🔴 成功

敵の数に応じて√能力で、白い狼の群れを。
まだ対応出来なさそうなら、影業で黒い狼の群れを呼び出す。
「相手が多勢なら、こちらも手数を増やして対応させてもらうとするかのぉ。ほれ、行って数を減らしてくるのじゃ。」
基本はメイン参加の手助け。相手の四肢や、攻撃に使用する部位を狙って攻撃を阻害する方向で。数を減らした方が楽そうなら無力化へ移行。
出来る限り、影働きに徹して花はメインに持たせます。
他はおまかせ。
描写はカッコイイ方面希望。外見は少女ですが、中身はイケメンなので。
公序良俗に反しない形。健全な形でお願いします。
●黒を喰らう影
「ほう、よくも集めたものじゃのう」
簒奪者が手勢を利用するのは儘ある事だ。
だが……辺境にてそれなり以上の規模がある隠れ里を埋め尽くさんとする程の大動員となると必ずしもその範疇に収まるとは限らないか。
黒犬の妖精バーゲスト……本来棲息するダンジョンの外で遭遇する事は少ないにせよ、能力自体は西院・由良(趣味人・h02099)の知るレベルを逸脱するものではない。
ただ、純粋に膨大な数の前で隠れ里の険しい地形は有利にも不利にも働き得る。
侵攻経路の分散は迎撃の助けとなるが、守る側にも相応の人出を求められるのだ。
由良が対応する事になったのはその中でも手薄な裏道の一つ。
分かれた群れの一つに過ぎないというのに、黒犬たちはこの世の終わりのような迫力で地を揺るがし迫り来る。
「まぁ相手が多勢なら、こちらも手数を増やして対応させてもらうとするかのぉ」
【バーゲスト・スタンピード】は肉体をもはや黒犬とも形容し難い怪物に変える。
竜人と言えど√能力を持たぬ者なら為す術も無い暴威を前に――指を鳴らす音一つ。
由良の影がひとりでに蠢き、広がる。
「世を満たす闇よ、汲めども尽きぬ欲望よ。遍く全てを飲み込め―――」
【|溢れて尽きぬ汚濁《トゥルヴィミネン・ヘルヘイム》】と共に形を成すは不浄の猟犬たち。
その数、その勢い、その獰猛は変貌したバーゲストに勝るとも劣らぬ程に。
二つの軍勢は正面からぶつかり合い、幕を開けたのは蹂躙劇。
仮に人間災厄の片鱗が垣間見えたところで、狂乱するバーゲストが臆する事は無い。
……という表現も正確ではない。
自覚症状が無い事と、精神汚染の影響を受けない事は別だ。
知らず知らずのうちに動きの鈍ったバーゲストを、攻撃範囲拡大の恩恵を受けた猟犬が纏めて薙ぎ払っていく。
黒犬の波濤を影なる猟犬が喰らい尽くすまで、そう時間を要する事は無かった。
「ふむ。……そろそろ頃合いかのう」
隠れ里の至る所で√能力者とバーゲストの戦端は開かれ、そして決着を迎えていく。
前哨戦は終わりを告げ……首謀者たる簒奪者が、動く。
🔵🔵🔴 成功

ドラゴンプロトコル(妖怪の類としての龍)
応龍の霊剣士兼屠竜騎士。
100歳の男ですが、外見年齢は30歳程度。
口調:江戸弁混じりの凪の龍(俺、呼び捨て、だなァ、だぜェ、だなァ、かィ?)
戦闘中は龍の本性・降天の魔(我、貴様、だ、だな、だろう、なのか?)
人を食ったような物言い
着物に黒い打掛を羽織り、霊刀や大太刀、煙管を持って戦う伊達男
御之破一刀流と大刀流合気柔術を使い、時代劇ヒーローのような立ち回りをします
√能力は合気で敵の行動をキャンセルしたり
味方をかばい、自身は龍鱗自在で防ぎます
「おう、大丈夫かィ?さあお次はこっちの番だ」
過度のエログロ描写とギャグ系描写はNG
基本、カッコいい立ち回りでお願いします
●曰く、間は魔に通ずもの
「ほぉう……」
宵闇に溶けるような黒い打掛が風を受けて靡く。
竜の墓場なる隠れ里を狙う喰竜教団が手勢、その侵攻を悠然と待ち構える男が一人。
山のような、等という表現は陳腐だが……度を越して膨大な黒犬の群れ、もし積み上げれば或いはまさしく山と見紛う程の量はあるか。
「偶にはこういうのも一興か」
朱塗り鞘の大太刀を無造作に構え、天國・巽(同族殺し・h02437)は愉しげに笑う。
全盛期には程遠くともその姿に感じるものがあったか……或いは単に凶暴性の矛先が向いただけの事か。
血に飢えた黒犬の群れは競い合うかのように、巽ただ一人へと一斉に襲い掛かる。
雄叫びと共に穢らわしい牙が迫り、そして首ごと宙を舞う。
「身は軽く 心静かに迷はずば 敵の勝機の うちに勝あり――」
襲い掛かる群れの内、一体でも攻撃を当てれば猛攻は繋がる。
受けた相手が体勢を崩せば、群がる全員の連撃が瞬く間に獲物を圧殺する。
質と量を最大限に活用する【バーゲストファング】は、それ以上の速度に破られた。
「兵は詭道也。獣相手にゃ言うまでもねぇか」
一体でも当てればいい。それは巽の【縮地】の前でも同じ事だ。
極限まで合理化された運足と研ぎ澄まされた見切りが後の先を可能とし、朱引の銘持つ龍牙刀は触れる事すら許さずバーゲストを叩き斬る。
その身を破壊すれば即座に次撃。その命中をトリガーとして更に次。
静かに緩やかに滑らかに。
怪物は、怪物によって平らげられる。
「ま……態々そうしなきゃ、勝手に山と積み上がりやしねぇか」
足の踏み場もないと転がる骸の中で嘯き、新たな気配の出現に片眉を上げて。
質より量はもう充分。
喰竜教団の教祖、ドラゴンストーカーがその姿を現す。
🔵🔵🔴 成功

余はドラゴンプロトコルの高い身体能力を活かした白兵戦闘と、炎を操ることを得意としている。
闘争を好む気質ゆえに敵との戦闘が発生するシナリオには好んで参加するぞ。
余は己の実力に絶大なる自信があるために策を弄したり、虚言で欺いたりということは好まぬ。
いかなる敵が相手でも正正堂堂、正面から打ち破るのみだ。
√能力の演出は御任せしよう。
得意な技能は、攻撃には〈怪力〉〈焼却〉〈爆破〉を活用する。
敵の攻撃に対しては回避するというよりは〈鉄壁〉や各種耐性技能による圧倒的な防御力やタフネスで耐え抜くという感じだな。
それ以外については基本的には御任せしよう。
よろしく頼むぞ。
●覇道謳う竜帝
「多勢に無勢とは言ったものだが、なぁ」
黄金の長髪を闇夜の中でも燦然と煌めかせ、パトリシア・ドラゴン・ルーラー(竜帝・h00230)は迫り来るバーゲストの大群を見やる。
本来ならダンジョンに縄張りを作る筈の凶悪な黒犬の妖精。
戦場と化した隠れ里の峻厳な地形に分散を余儀なくされた内の一つだというのに、敢えて数えるのも億劫な程の多勢が波濤と化して押し寄せてくるのだ。
その一体一体が理外の異能たる√能力を扱うとなれば、竜の墓場……訳有り|竜人《ドラゴンプロトコル》の集う隠れ里と言えどひとたまりも無いか。
「まぁよい、望むところだ」
質を伴う数の暴力、誰の目にも明らかな絶望。
だからこそ――竜帝の武勇を示すには手頃な獲物だと、パトリシアは不敵に笑う。
射程圏。
昂る闘志の溢れ出すように、揺らめく魔炎が周囲を照らし出す。
「光栄に思え雑兵共!
余の炎は天地万象を灰燼に帰す――その身でとくと味わうがいい!」
高らかな宣言に応じたのは不揃いな狂乱の咆哮。
竜帝の魔炎は灼熱の嵐となり、しかしバーゲストは臆する事なく突っ込んでくる。
自らの肉体が砕ける事も厭わない捨て身の【角突撃】――焼き払われた同族の身を盾とし、踏み越え、魔炎の嵐を強引に食い破って。
「中々の覚悟だ。褒美をくれてやる」
「■■■■■――――!?」
如何に頑健であれ生身で受けるなど有り得ない√能力の突撃。
パトリシアを打ち砕かんとしたそれは、ただ右手の一触れで無力と化した。
「余の炎は√能力さえ焼き尽くす――さぁ、我が炎剣の錆となる事を許そう」
手に宿る【|破幻炎滅掌《ドラゴン・ブレイズ・ヴォイド》】が√能力を掻き消し、生じた隙は致命的なもの。
それ以上足掻く間もなく、左手で振るう大剣の刃がバーゲストを両断する。
さて、と視線を移した先には絶えず現れる新手の姿。
力尽きた同族の骸が散る惨状にあって猶、獰猛な敵意は衰えを知らない。
「そう来なくてはな。我が武勲の礎となりたい者から掛かってくるがいい!」
迎え撃つパトリシアの闘志にもまた、僅かな翳りさえ在りはせず。
夜空を衝いて煌々と、魔炎の灼熱は昂り続ける。
🔵🔵🔴 成功

※アドリブ・連携歓迎 チョイ役・苦戦描写OK
南蛮渡来のハイカラ妖怪を自称する女の子です。
子供っぽい明るく元気な口調で(自称:ワタシ、他称:~さん、二人称:アナタ、口調:ね、わ、~よ、~の?)を使用します。
行動指針は、直積的ながら善性と倫理観を重視したもので、子供らしくひねった行動や頭の良い行動はあまりしません。
戦闘では素手やバス停で戦い、
『怪力』を活かして、殴ったり・掴んだり・投げたり・踏みつけたり・なぎ払ったりします。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
●抜山蓋世の如く
「話は聞かせてもらったわ!!」
ばばん、と勢いよく現れた|アリス・グラブズ《繧ウ繝溘Η繝九こ繝シ繧キ繝ァ繝ウ繝?ヰ繧、繧ケ $B%"%j%9(B》(平凡な自称妖怪(悪の怪人見習い)・h03259)は|竜人《ドラゴンプロトコル》たちの避難した広場に続く大通りへと一人立ち塞がった。
迫り来るは文字通り道を埋め尽くす程のバーゲストの大群。
動物好きのアリスだが、相手が罪無き竜人を狙う喰竜教団の走狗とあらば駆逐に躊躇は無用という事も知っている。
「という訳で前略! ぶっ飛ばすわよ!!」
「「「■■■■■――――――!!」」」
獣の獰猛と妖精の狡猾を兼ね備えたのがバーゲストというモンスターだ。
血に飢えた狂乱状態でありながら、捨て身の【角突撃】には圧倒的な物量という自分たちの強みを最大限に活かす意図がある。
それは生半可な牽制程度の攻撃に怯むほど柔なものではない。
――本来なら。
「えいっ!」
轟、と地が震えた。
少女の姿に見合わぬ常軌を逸した怪力は適当に拾った物さえ質量弾に変えた。
隠れた伏兵の砲撃支援と錯覚する程の威力で、投擲は無造作に繰り返される。
極度の物量に任せた蹂躙の強みは物理的なエネルギーだ。
たとえ前衛が迎撃されようと、構わず突き進む後続がやがて敵対者を磨り潰す。
尋常の手段で止まるものではなく、もはや黒犬自身にも止められるものでない。
だからこそ……この群れは既に大打撃を受けながらも前進を続けてしまった。
「アナタが! 泣いて! 謝るまで! ぶつわよ!」
先頭を拉げさせながらも狂乱の止まらない群れへと跳躍。
拾った|物《弾》はいずれ無くなるが、それなら次を拾えばいい。
手頃な黒犬を掴み振り回して薙ぎ払い、或いは鉄拳制裁を叩き込む。
まるでショートアニメーションめいた気軽さと理不尽さで、【|ギャラクティック怪異殺し《スーパーアリスチャンナッコー》】は恐るべきモンスターの群れを壊滅させて。
「一件落着ね!!」
動けば腹が減る、生命の摂理。
|先刻《さっき》までモンスターだったものが一面に散らばる中、腹の虫が控えめな自己主張をする頃……竜人を狙う襲撃の首謀者が、その姿を現す。
🔵🔵🔴 成功

戦闘時は身長200㎝の恐ろし気な鉄十字怪人の姿を取ります。
MS様の格好いい演出をお願いします。
セリフ例
「ここは私に任せろ。ポチッとな」(《怪人大作戦》のスイッチを押す)
「自律浮遊砲台ゴルディオン、攻撃開始!」(アイテムです)
愛用の武器はブラスターライフル。
√能力は指定したものを何でも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。よろしく!
●夜の墓標
「……多いな」
明星・|暁子《るしふぇる》(鉄十字怪人・h00367)は既に怪人形態を取り、黒き波濤と化して迫るバーゲストの大群を見据えた。
敵は竜人の集う隠れ里を狙う喰竜教団が放った尖兵。
一体一体が理外の異能たる√能力を振るう、質と量を兼ね備えた破壊の具現である。
「既に竜人の避難が完了している事は幸いだが……」
辺境の険しい地形は防衛に向くが、それ故に遠くへ離れる事も困難だ。
敵はそれなり以上に広大な隠れ里の全てを蹂躙せんと用意された軍勢。
分散された群れの一つとはいえ、此処を突破されたとき出る被害は計り知れない。
「兎も角、私が請け負った以上此処は通さん。自律浮遊砲台ゴルディオン、攻撃開始!」
「「「■■■■■――――――!!」」」
展開した砲台の一斉発射が黒犬の群れを迎え撃つ。
敵は獣に特有の高い生命力を誇るが、暁子はそれを過大にも過小にも見誤りはしない。
射撃のみで仕留められる個体は少数。
足並みを乱され、後続の物量に潰れ脱落する個体が一定数。
バーゲストは受けた被害に狂乱を深め、捨て身の【角突撃】で強行突破を図る。
――直後。
「此処だな。ヘビー・ブラスター・キャノン展開、放て!」
夜天より月光を掻き消して【ブラスターキャノン・フルバースト】が降り注いだ。
ありったけの数と威力に対応して命中率低下のペナルティこそ生じるが構うものか。
元々が対象を単独に限定される性質を持つ√能力、この状況で命中に拘る意味は無い。
狙いは一つ。
理性無く猛り狂うモンスターの群れだろうと問答無用に怯ませる、絶対的な超火力。
「さて、薙ぎ払うとするか。覚悟してもらおう」
隙を晒した敵群へと浮遊砲台の掃射が叩き付けられる。
再び√能力を使うような隙を与えはしない。
弾幕に追い立てられるように迫る黒犬が勢いに乗る前に、暁子自身も前に出て。
「夜は長いし人生は短い――此処で眠るがいい」
身長は200cm、質量も相応。
改造人間の肉体の大半を構築する、超金属製の骨格と新素材製の強化筋肉が生み出す膂力は傷ついた黒犬如き捻じ伏せて余りある。
戦いの一つは此処に幕を下ろし――だが、夜明けは未だ遠く。
🔵🔵🔴 成功

人妖「九尾狐」の古龍の霊剣士×霊能力者、21歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、友達には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
基本戦闘職の為サポートの戦闘役として露払いや前衛を担います。
戦いの無いときは仲間の補佐や護衛役に回り行動を依頼達成のための邪魔にならないように行動します。
●禍祓う剣舞
「喰竜教団……放ってはおけないわね」
罪無き|竜人《ドラゴンプロトコル》を襲い、その亡骸を冒涜する狂信者たち。
まして此度の襲撃は彼等の集まる隠れ里を狙うものであり、敵はその為に相応の……否、過剰とさえ思える程の戦力を投入してきた。
教祖ドラゴンストーカーによって里に放たれたバーゲストの数は膨大。
このままでは、大勢が犠牲になる事は間違いない。
「させないけれど」
月光の下、伏見・那奈璃(九尾狐の巫女さん霊剣士。・h01501)の抜き払った霊剣が霊気を帯びて淡い輝きを放つ。
立ちはだかる√能力者の存在を認めたバーゲストたちは狂乱の遠吠えを響かせ、荒々しい敵意が一斉に那奈璃ひとりへと叩き付けられた。
【バーゲスト・スタンピード】――黒犬の原型を留めない怪物への変貌。
理外の御業たる√能力を、この大群を形成する一体一体がただ破壊の為に行使する。
「神霊来りて、顕現せよ……麒麟」
地獄を想起させる光景を前にしても那奈璃が怯む事はない。
静から動へ――神霊・麒麟を纏い、その身に纏った剣士の動きは迅雷の如く。
「……一体残らず、斬り捨てるまでよ」
念動力、或いは神通力。
那奈璃の赤い瞳に見つめられたバーゲストは金縛りを受けたように硬直し、【神霊麒麟・雷光閃】は硬質な角の防御ごとモンスターを葬ってみせる。
霊力を帯びた剣舞は清冽にして凄絶。
纏う霊気は返り血がその身を穢す事さえ許さず、次々に襲い掛かるバーゲストを葬っていく。
「前座はこんなところかしら」
霊気を帯びて淡く輝く銀髪が夜風に靡いた。
納刀と同時、最後に立っていたバーゲストが黒犬の姿に戻り崩れ落ちる。
まだ気を緩める事はしない。
鋭い視線を向ける先、ともすればバーゲストの群れを合わせたより更に強大な気配。
ドラゴンストーカー……喰竜教団の教祖が、遂に動く。
🔵🔵🔴 成功
第3章 ボス戦 『喰竜教団教祖『ドラゴンストーカー』』

POW
竜骸合身の儀
自身の【身体部位一つ】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【竜化暴走】を付与する【竜化部位】に変形する。
自身の【身体部位一つ】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【竜化暴走】を付与する【竜化部位】に変形する。
SPD
竜骸蒐集
【大剣】が命中した部位を切断するか、レベル分間使用不能にする。また、切断された部位を食べた者は負傷が回復する。
【大剣】が命中した部位を切断するか、レベル分間使用不能にする。また、切断された部位を食べた者は負傷が回復する。
WIZ
真竜降臨の儀
インビジブルの群れ(どこにでもいる)に自身を喰わせ死亡すると、無敵獣【真竜(トゥルードラゴン)】が出現する。攻撃・回復問わず外部からのあらゆる干渉を完全無効化し、自身が生前に指定した敵を【灼熱のブレス】で遠距離攻撃するが、動きは鈍い。
インビジブルの群れ(どこにでもいる)に自身を喰わせ死亡すると、無敵獣【真竜(トゥルードラゴン)】が出現する。攻撃・回復問わず外部からのあらゆる干渉を完全無効化し、自身が生前に指定した敵を【灼熱のブレス】で遠距離攻撃するが、動きは鈍い。
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵
●狂愛の|王権執行者《レガリアグレイド》
陽も落ちて月光のみが注ぐ闇夜、襲撃の主犯は遂にその姿を現した。
犠牲となった竜人の遺骸を取り込み続け、本来の肉体を捨て去った喰竜教団が教祖。
ドラゴンストーカーは恍惚とした様子で大きく息を吸い、そして吐き出す。
「はぁ……偉大なるドラゴンプロトコルの皆様の匂い……」
見透かすように視線を向ける先は非戦闘員の竜人が避難した幾つかの広場。
それから――もし目の前に居れば、だが――相対する竜人を熱っぽい眼差しで見つめ、犠牲者の誰かから奪った顔をくしゃりと歪める。
「|真竜《トゥルードラゴン》でありながら今や……嗚呼、なんとおいたわしい……っ!」
滂沱と溢れ出す涙。
もし他者の感情を読める者が居れば、彼女が心の底から信仰対象を想い胸を痛めている事が分かるだろう。
ドラゴンストーカーが竜に向ける想いには微塵の悪意も無い。
……その結果が竜人たちの殺戮であり、その亡骸を冒涜する継ぎ接ぎの肉体だ。
「偉大なる皆様は雨にも負けず、風にも負けず、失恋にも離別の哀しみにも負けず……
完璧で究極の一番星でなくてはならないのです。かつて真実そう在ったように!」
竜人以外を見る目は認識さえしたくないとばかりの嫌悪と侮蔑に満ちて、悪意なき殺意はただ彼女の信仰対象にのみ向けられる。
ドラゴンストーカーにとってはこの信仰こそが絶対。
如何な障害が阻もうとも、彼女は本懐を果たす為に全身全霊を捧げるのだろう。
故に――討ち果たせ。完膚なきまでに。
※この章からの参戦プレイングでも
それまで幕間で共闘していた等の形でNPCとの協力を希望可能です。
詳しくはシナリオ冒頭のMSメッセージをご確認ください。

※アドリブ・連携歓迎
でたわね宗教家!
こいつら「いあ、いあ」言いながら自分の理想を押し付けてくるから嫌い!
ストーカーとはよく言ったものね!
不愉快だから殴るわ!
まずは一時的狂気に陥る謎のブレスを撃ち込んでSAN値直葬!(適当に狂気表から選んでねミ☆)
敵の行動を阻害した隙に、さっき周囲に散らばったバーゲストを|触腕でつまんで《技能:捕食》カロリー補充しならが、|岩や大木等を引き抜いて《アイテム:その辺で拾った物》|投げつけるわ《技能:投擲》!
さらに|触腕をビッタンビッタン叩きつけて《技能:怪力》|押しつぶすわよ!《技能:踏みつけ》
適当に暴れたらカロリーが切れる前にゴゴゴゴゴゴゴと地面に潜って退場!
●狂気と狂信
「でたわね宗教家!
こいつら「いあ、いあ」言いながら自分の理想を押し付けてくるから嫌い!」
「……|宗派《ひと》違いでは?」
教祖として一応心当たりが無いか振り返ってみたドラゴンストーカーの図。
細部が大雑把なのは邪教に儘ある事だが……相手に竜要素が無い辺りやはり勘違いでは、と首を傾げて。
直後、大剣と鉄拳がぶつかり合った。
「ストーカーとはよく言ったものね! 不愉快だから殴るわ!」
「まぁいいでしょう。竜の皆様が集う空間を穢す不純物は抹殺あるのみです」
そんな事は些事に過ぎない。
殺意を振るう理由は充分、戦端は無造作に開かれる。
「ドラゴンプロトコル様の偉大さ、その身で思い知りなさい!」
「繝ッ繝ャ繝ッ繝ャ繝上え繝√Η繧ヲ繧ク繝ウ繝――」
初手の激突で|アリス・グラブズ《繧ウ繝溘Η繝九こ繝シ繧キ繝ァ繝ウ繝?ヰ繧、繧ケ $B%"%j%9(B》(平凡な自称妖怪(悪の怪人見習い)・h03259)の怪力を感じ取ったドラゴンストーカーは早々に【竜骸合身の儀】を発動。
奪い取った身体部位の一つ、大剣振るう片腕を|真竜《トゥルースドラゴン》と化すドラゴンストーカーの前で……少女は“外来種”の本性を曝け出す。
変異した竜化部位は狙い定めた標的を屠る事に特化した天敵。
その一撃はアリスに突き立ち、しかし傷一つ付ける事無く弾かれた。
【||豺ア螳 ョ 繝翫 繝「繝 《シンウチュウノナマモノ》】――無敵の性質を発現したそれはダメージの上昇も、竜化暴走の汚染も寄せ付ける事は無い。
「真竜様を差し置いて無敵化ですか、不敬な……!」
「繝悶Ξ繧ケ繧偵¥繧峨≧縺ョ縺?繧擾シ」
「えぇい、里の皆様を見守ってチャージしたわたくしの信仰を甘く見ない事です!!」
名状し難い謎のブレスは一時的な発狂をもたらす。
元々狂気に染まっているドラゴンストーカーへの影響は分かり難いが、物理的なダメージと合わせ動きを止められれば充分だ。
無敵化が限定的なものである事はドラゴンストーカーにも見当が付く。
未だ幼く未熟なアリスの場合、それはカロリーの大量消費を伴うものだった。
それが何の弱点になるというのか。
|肉《・》なら、幾らでも転がっている。
「縺偵s縺阪?繧?¥縺ー縺?シ」
「チッ……!」
ブレスの余波が薄く立ち込める中に響く咀嚼音。
バーゲストの死骸を触腕が捉え、次々に捕食していく。
補給の傍ら引き抜いた岩や大木、適当に拾う弾さえ巨体相応の大質量を誇るのだ。
無論――規格外の怪力で投げつけるその威力が、先の比でない事は言うまでもない。
「縺セ縺?縺?縺ュ」
地形が変わる程の破壊と舞い上がる砂塵。
災厄級の投擲の嵐を防御し、未だ教祖が残している余力をアリスは見逃さない。
「この報いは、必ず……ッ」
「繝懊さ繝懊さ縺ォ縺吶k繧擾シ」
削りには充分な猛攻だった事もまた事実。
抜け目なく、容赦なく、最後は叩き付ける触腕の乱打が獲物を徹底的に打ちのめす。
反撃ごと押し切り叩き潰す絶大な暴力が猛威を振るい……幕引きもまた唐突に。
狂信者を統べる教祖と言えど流石に斃れただろう。
仮に息があったとしても、後は現地の竜人なり他の味方なりがとどめを刺せる筈だ。
「縺九∴繧九o?」
補給したカロリーも底をつく潮時を見極め、一帯を揺るがす地鳴りを残してアリスは地中に消える。
後にはただ、悪夢のような破壊の痕跡が残されるばかり。
🔵🔵🔵 大成功

「……イネス、俺から離れないで」
敵に武器を向けながら彼女を背に庇う
逃げてもらった方が良いか……いや、彼女が独りになったところで追い付かれたら終わりだ
一緒に戦う方がまだ良いかもしれない
そう判断して、共に戦うことを選ぶよ
ダッシュで距離を詰め、電撃鞭でのマヒ攻撃とガントレットのワイヤーでの捕縛でイネスへの攻撃を妨げながら居合で戦う
攻撃時はイネスからの攻撃でできた隙を突くなど協力した戦い方を意識
彼女が危ない時は躊躇無く庇う
竜骸合身の儀を使われたら竜化部位に右掌で触れ、ルートブレイカーで変形を無効化する
彼女の未来は奪わせない
想い人に好意を伝えることすらできていないのに、こんなところで死なせたりはしない
●精一杯に背伸びをしてみても
「|退《ど》きなさい不純物。|塵《ゴミ》同然の身の程を弁える事です」
「……イネス、俺から離れないで」
「は?」
ドラゴンストーカーの狂信に取り合ったところで意味は無い。
怒りに嫉妬に他諸々、向けられる悪意が一段と苛烈さを増すのも構わずクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)は|竜人《ドラゴンプロトコル》の少女を背に庇う。
これで自分に狙いが向くのなら寧ろ都合は良い。
(逃げてもらった方が良いか……
いや、彼女が独りになったところで追い付かれたら終わりだ)
逃げるイネスをドラゴンストーカーが脇目も振らず追うとして、撃破の隙を作る事には繋がるだろうがその為に彼女を危険に晒しては本末転倒だ。
それなら共に戦う方がまだ守り易い、とクラウスは判断する。
「イネス、やれるかな」
「は、はいっ。……それしか無いって、分かってます」
大剣を構え直す少女は覚悟を決めているように見えた。
気圧された身体に僅かな強張りはあるが、身を守る上ではプラスに働く範疇だろう。
矢面に立つのは自分の役割だ。
躊躇なく地を蹴り、殺意を迸らせるドラゴンストーカーへと切り込んでいく。
「痴れ者が! なんて羨ま……図々しい!」
「その勝手な狂信で、どれだけの竜人を……!」
正面から放つ居合の一閃は禍々しい大剣に防がれた。
タイミングを合わせイネスが繰り出す斬撃は翼にいなされる。
竜人の膂力を以てしても傷は浅いが……それを受けた教祖は熱っぽい吐息を零す。
「嗚呼、ドラゴンプロトコル様……!」
「っ……!」
恍惚としたドラゴンストーカーと怯んだイネス、同じく隙が生じたなら次の一手を先んじるのは地力に勝る前者の側。
無論、させはしない。
クラウスの電撃鞭が腕を封じ、致命的な一撃を事前に阻む。
「不純物の分際で……! 何処までも、良いところで邪魔をしてくれるものです!」
激昂する教祖の腕にある縫合痕から血が滲んだ。
【竜骸合身の儀】――喰竜教団の奉じる|真竜《トゥルースドラゴン》への、部分的な回帰。
肥大化した左腕の単純な破壊力も然る事ながら、歪な顕現がもたらす竜化暴走の影響も未知数。
――だからこそ、クラウスは迷わず踏み込む。
乾坤一擲の【ルートブレイカー】、その右掌は異形の竜爪が力を振るう前に変異を解除してみせた。
「竜の恩寵を、よくも……!」
「イネス!」
ドラゴンストーカーの√能力は潰えた。
あらん限りの殺意と共に襲い掛かる大剣に残る片手で対処するのは難しいか。
だとしても、抑え込んでみせる。その覚悟と共に少女の名を呼ぶ。
意識を引き付け好機を作る代償に、致命の凶刃が迫り――
「弁えるのはあなたよ。恥を知りなさい」
「はいぃ……!」
――そのまま明後日の方向へ流れた。
気弱な少女の姿からは思いも寄らない、冷たく鋭利な言葉の刃。
竜を絶対視する喰竜教団はドラゴンプロトコルにも信仰を向けるが、そこには竜人として零落した現状への忌避感が内包されている。
おもむろにイネスが見せた尊大な竜の威風は――たとえ勇気を振り絞った賭けだったとしても――ドラゴンストーカーの意識を上書きするに充分な衝撃だったのだろう。
大剣を手放さなかったのは最後の理性か。
千載一遇の瞬間を逃す事なく、イネスとクラウスの斬撃が教祖を捉える。
「人間如きが……何故、そこまでわたくしの邪魔を……!」
「……彼女の未来は奪わせない」
数多の竜人から奪い継ぎ接いだドラゴンストーカーの強靭は常軌を逸したものだ。
肉体そのものが刃を拒もうとするのを感じ、ありったけの意思と力を注ぎ込む。
「想い人に好意を伝えることすらできていないのに、
こんなところで死なせたりはしない」
「そんな……理由、で……ッ!」
不服の声が最後まで続く事は無かった。
限界を超えた身体は形を保てず、無数の屍肉に戻り崩壊する。
「……終わっ、た……?」
「そうみたいだね。イネス、大丈夫?」
「おかげさまで、たぶん……大丈夫、です……」
ぺたりと座り込む少女に大きな外傷は見当たらない。
良かった、と微笑んでクラウスも緊張を解く。
虐殺を齎さんとする喰竜教団の襲撃は、犠牲一つ出す事なく退けられたのだ。
🔵🔵🔵 大成功