シナリオ

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犠牲を識る

#√マスクド・ヒーロー #シデレウスカード #プレイング受付中

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●ぜんいのやいば
 肉を切る。ぎこぎこ肉を切る。口へ運ぶ塊はぱさぱさで硬くて、焼き過ぎていて。
「本当は、さあ、正義のみかたで、いたかったんだ」
 どうして涙が出るんだろ。食べることは幸せな事だったのに。

 恵まれないひとたち。
 親をなくした子供たちに愛を。食事すらままならぬひとたちに食事を。病を患うひとたちに支援を。
 ねえ、それってどのくらいが、ちがうひとのお財布に入ってるか、知ってる?
 あたしは知ってる。それを教えただけだったんだよ。
 なのにさ。あんな言い方、ないと思うんだ。

 どうしてこんなことに、なっちゃったのかなあ。涙がぽたぽた、溢れて止まらないんだ。もうそろそろ、海にでもなっちゃうかも。
 涙を拭こうと眼鏡を持ち上げようとして、そんなものはもう、つけていないのだと思い出した。

 ……努力って、水の泡みたいに消えちゃうんだね。一生懸命に泡だったスポンジも、シンクの中で洗われる。
 今となっては、食器洗浄機に居場所をほとんど奪われちゃった。
 どちらにしても、きれいさっぱり……それでいいのかもね。

 ――言葉はばらばら、散らばる独白。白。白い彼女、その周囲の極彩色が、彼女の罪を証明している。
 ビタミンカラーの店内に、血で汚れたテーブル。吐物が散る床。窓に張り付いた手形。助けてと呻く生存者。
 それをよそに、彼女は食事を続ける。涙を流して、肉を切り分け、小さな頃から嫌いだったブロッコリーだって。
 愛らしい『お魚』も、捌いて焼いて食べちゃえば、ただの肉――。

 ねえ、わたし、悪いことしましたか?
 真実を突きつけることは、悪なのですか。

 彼女は立ち上がる。マスクド・ヒーローによく似た仮面。可憐な白い衣装、先が血に染まったマントを翻す。ぱしゃりと赤が洗い流され――結ばれた先は、まるで人魚のよう。

「全部叩き壊し、て。もっと、救わないと」
 恵まれぬひとびとよ。満足を得られぬひとびとよ。
 あたしがそれを満たしてあげる。知らないことを教えてあげる。その苦しみを、取り除いてあげる。
 どこへでも行くよ。呼んで、あたしのこと。

 ぎゅ、と、手の中のカードを握る。あたしに力をくれた二枚のカード。あたしに、勇気をくれた星と、ひと。
 耳元で誰かが囁く。
「そう、救えるのですアナタなら!」
 だよね、だよね、そうだよね。真面目なふりしたやつらの顔に、あたしの拳をぶつけてやるの。

 あたしが救ってみせる。あたしたち、救われていいんだよ。
 だから……。
「待っ、てて」

 天使なんて居ないなら。あたしが、天使になる。

●おはよう。
「『おはよう』、みんな。……ダイナーって、行ったことある?」
 そう切り出すイリス・フラックス(ペルセポネのくちづけ・h01095)。どこかぽやぽやした様子で首を傾げる彼女の腕には、何故だかかわいらしいぬいぐるみ。

「食事をとるすてきな場所。|この√《√マスクド・ヒーロー》にはよくあるお店なのかしら。ダイナーで働いている女の子が、シデレウスカードを手に入れたの。一枚は魚座。もう一枚の絵柄は、よくわからないけど……彼女に、深く関わるものみたい」
 ん、と腕を前へ。見せてくるのはぬいぐるみ。猫が遊ぶような、触るとカサカサ音がするタイプのもの。いわゆるけりぐるみである。……既に、|だれ《なに》かしらに使われた気配がある。

「誰かが渡したっていうのは、なんとなくわかるけど。その正体は、わたしにはあんまりわかんない」
 見せたぬいぐるみを抱えなおす星詠み。手で触り、楽しげな様子でかさかさ音を鳴らしている。おさかな。|予知《ゆめ》でもみました、ふんす。……なんて。

「今なら、じゅうぶん間に合うわ。お食事してる最中に、厄介事になっちゃうかもしれないけれど……。彼女が罪を犯さないうちに、止めてきて」
 おねがいね。首を傾げる少女の偶像、そのおなかが、くぅ、と鳴った。
これまでのお話

第3章 ボス戦 『ジョン・ドゥ』


POW |悪の怪人化《悪堕ち》への誘い
【妖しく光る怪人化結晶 】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【怪人化や悪堕ち】に対する抵抗力を10分の1にする。
SPD マジック☆ショー
【目くらましのトランプをばら撒く事 】により、視界内の敵1体を「周辺にある最も殺傷力の高い物体」で攻撃し、ダメージと状態異常【戦う理由や信念の喪失】(18日間回避率低下/効果累積)を与える。
WIZ マジック★ショー
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【手品道具 】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【透明化マント】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
√マスクド・ヒーロー 普通11

 あっちゃあ~~なんでかな~~どうしてかな~~?
 拐かすことには成功しました、しましたとも! えら~い!!
 だってのになんで? ドシテ? 可笑しいなこの――自主規制――が。
 なぁにヘマこいてんですかぶっ倒れてる場合か畜生――ああ! まったく!!

 ぱあん弾けるクラッカー! トランプ撒き散らしご登場!
 どなたか? 誰か? ワタクシです!!

「ワタクシ戦いたくなァい! 助けてェ! なぁんて言ってもダメですかぁ?」
 ――ふざけたお言葉どうも、ジョン・ドゥ。
 おまえの命運ここまでだが、どう思う?

「やれるだけやって殺して帰りますゥ~~!!」
 結局、怪人とは、善意などでは動いていない。犠牲など識らぬ、正義など知らぬ、『そのようなもの』――!