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犠牲を識る
●ぜんいのやいば
肉を切る。ぎこぎこ肉を切る。口へ運ぶ塊はぱさぱさで硬くて、焼き過ぎていて。
「本当は、さあ、正義のみかたで、いたかったんだ」
どうして涙が出るんだろ。食べることは幸せな事だったのに。
恵まれないひとたち。
親をなくした子供たちに愛を。食事すらままならぬひとたちに食事を。病を患うひとたちに支援を。
ねえ、それってどのくらいが、ちがうひとのお財布に入ってるか、知ってる?
あたしは知ってる。それを教えただけだったんだよ。
なのにさ。あんな言い方、ないと思うんだ。
どうしてこんなことに、なっちゃったのかなあ。涙がぽたぽた、溢れて止まらないんだ。もうそろそろ、海にでもなっちゃうかも。
涙を拭こうと眼鏡を持ち上げようとして、そんなものはもう、つけていないのだと思い出した。
……努力って、水の泡みたいに消えちゃうんだね。一生懸命に泡だったスポンジも、シンクの中で洗われる。
今となっては、食器洗浄機に居場所をほとんど奪われちゃった。
どちらにしても、きれいさっぱり……それでいいのかもね。
――言葉はばらばら、散らばる独白。白。白い彼女、その周囲の極彩色が、彼女の罪を証明している。
ビタミンカラーの店内に、血で汚れたテーブル。吐物が散る床。窓に張り付いた手形。助けてと呻く生存者。
それをよそに、彼女は食事を続ける。涙を流して、肉を切り分け、小さな頃から嫌いだったブロッコリーだって。
愛らしい『お魚』も、捌いて焼いて食べちゃえば、ただの肉――。
ねえ、わたし、悪いことしましたか?
真実を突きつけることは、悪なのですか。
彼女は立ち上がる。マスクド・ヒーローによく似た仮面。可憐な白い衣装、先が血に染まったマントを翻す。ぱしゃりと赤が洗い流され――結ばれた先は、まるで人魚のよう。
「全部叩き壊し、て。もっと、救わないと」
恵まれぬひとびとよ。満足を得られぬひとびとよ。
あたしがそれを満たしてあげる。知らないことを教えてあげる。その苦しみを、取り除いてあげる。
どこへでも行くよ。呼んで、あたしのこと。
ぎゅ、と、手の中のカードを握る。あたしに力をくれた二枚のカード。あたしに、勇気をくれた星と、ひと。
耳元で誰かが囁く。
「そう、救えるのですアナタなら!」
だよね、だよね、そうだよね。真面目なふりしたやつらの顔に、あたしの拳をぶつけてやるの。
あたしが救ってみせる。あたしたち、救われていいんだよ。
だから……。
「待っ、てて」
天使なんて居ないなら。あたしが、天使になる。
●おはよう。
「『おはよう』、みんな。……ダイナーって、行ったことある?」
そう切り出すイリス・フラックス(ペルセポネのくちづけ・h01095)。どこかぽやぽやした様子で首を傾げる彼女の腕には、何故だかかわいらしいぬいぐるみ。
「食事をとるすてきな場所。|この√《√マスクド・ヒーロー》にはよくあるお店なのかしら。ダイナーで働いている女の子が、シデレウスカードを手に入れたの。一枚は魚座。もう一枚の絵柄は、よくわからないけど……彼女に、深く関わるものみたい」
ん、と腕を前へ。見せてくるのはぬいぐるみ。猫が遊ぶような、触るとカサカサ音がするタイプのもの。いわゆるけりぐるみである。……既に、|だれ《なに》かしらに使われた気配がある。
「誰かが渡したっていうのは、なんとなくわかるけど。その正体は、わたしにはあんまりわかんない」
見せたぬいぐるみを抱えなおす星詠み。手で触り、楽しげな様子でかさかさ音を鳴らしている。おさかな。|予知《ゆめ》でもみました、ふんす。……なんて。
「今なら、じゅうぶん間に合うわ。お食事してる最中に、厄介事になっちゃうかもしれないけれど……。彼女が罪を犯さないうちに、止めてきて」
おねがいね。首を傾げる少女の偶像、そのおなかが、くぅ、と鳴った。
これまでのお話
マスターより

おはようございます、親愛なる皆様!
R-Eと申します。
デュエルしようぜ!!
……って言っていい雰囲気でもない感じですが。
しかし思い切りデュエルな世代で育ったのでだいぶウキウキします。
カードいっぱい引ける水属性ってね、つよいんですよ。
●1章
ダイナーで働く『シデレウスカード』の所有者に接触しましょう。眼鏡をかけた若い女性のようです。何やら、対人関係でお悩みのご様子。
なおダイナーですので普通に食事もできます。
●2章以降
分岐ナシです。
2章は『シデレウスカード』の所有者たる女性との戦闘、あるいは説得になります。
星座は【魚座】。英雄・能力は不明ですが、OPで情報が出ています。
3章は彼女にカードを渡し、ダイナーでの事件を引き起こそうとしていた者との戦闘です。思い切りやっちまってください。
それでは、献身を。
48
第1章 日常 『ダイナーで栄養補給』

POW
沢山飲み食いして力を付ける
SPD
日替わりのおすすめメニューを頼む
WIZ
店主や他の客との会話を楽しむ
√マスクド・ヒーロー 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵
食事とは、生命維持以外にも多くの意味を持つ行為である。
おなかが満たされていなければ、人はまともに活動できませんからね。
さて舞台はアメリカンなダイナー。小気味よい音楽が店内に響いている。ビタミンカラーにチェックの床、鮮やかな色彩はレトロでやや目に痛い。カウンター席が多く、着席すればすぐ店員が注文を取りにくることだろう。
メニューにはバーガー類とステーキなどといった定番メニューの写真、そしてこの店の名物なのか、白身魚のソテーの写真が大きく載っている。
奥を見れば。給仕の女性が、料理人の男性と何か小さく会話をしているようである。いつものことなのか、他の給仕はそれを気にすることなく自分の仕事を続けており……。

・目的
沢山飲み食いして力を付ける
・動機
アメリカンな料理が食べたかったから…。
・行動
アメリカ料理が食べたかったから普通に入店して、
それとなく店内を見回して、奥の席に座ろうと思います。
メニューを見て考えている様な仕草をしながら対象人物を観察し、
ビール(無ければコーラ)とハンバーガーとスペアリブを注文します。
「すみません、ハンバーガーとスペアリブにビールを…お願いします」
まあ、観察も料理が来たら終了ですけどね。
以後、食べる事に集中します!
いらっしゃいませー。入店から少し遅れ、ほんのりとやる気のない店員の声。
入店した岩上・三年(人間(√妖怪百鬼夜行)の重甲着装者・|載霊禍祓士《さいれいまがばらいし》・h02224)は店内をそれとなく見回す。ごく普通のダイナーだ。ジュークボックス、ポスター、ネオン看板……おおよそ80年代あたりだろうか、ポップでレトロな店内。昼のピークを過ぎているからか客は少ない方だ。
三年は奥の席へと座りながら、メニューを見るふりをしつつ従業員の男女の様子を窺う。アメリカンな料理が食べたい! という食欲優先ではあったが、きちんと仕事もこなすつもりである。
……話題は景気を憂うような内容だ。ここ最近は賃金がどうだとか、何やら妙な事件が多いだとか。よくある風景、というものがそのままそこにある……といった様子と会話。そんな会話内容に反して景気の良い洋楽が店内に流れていた。
値段もリーズナブルで良い店だ。となればやはり……『あちら』に問題があるのだろう。
料理人と会話をしていた眼鏡の給仕が、三年の視線に気が付いた。微笑んで、注文を取りに彼女の側へと。
「ご注文は?」
「すみません、ハンバーガーとスペアリブにビールを……お願いします」
「はあい。かしこまり、ました」
給仕は注文を伝票へと書き込む。三年は、その動作に妙なところはないかなとさらに観察を続けるが……特に変なところは見当たらない。「では少々お待ち下さい」と給仕は厨房の方へと向かい、それからしばらくして料理が運ばれてきた。
イメージ通りの豪快さ。ピックの刺さったハンバーガーの側にはたっぷりと盛られたポテト、もはや彩り程度のレタスが添えられたスペアリブ。いただきますと手を合わせてから三年は料理に手を付け始める。
まずはハンバーガーを一口。肉汁たっぷりな分厚いパティでなかなかに美味しい。スペアリブも骨ごとかぶりつくと、旨味と共にスパイスの良い香りが口に広がる。そしてビールを飲めば、肉の脂が落ちてスッキリと。「これですこれ!」とばかりに想像通りなのがむしろ嬉しい。……何かが起こるならまだ先だ。山盛りのポテトをつまみ、三年は食事を続ける。
🔵🔵🔵 大成功

(罪を犯す前なら、まだ間に合うか……)
事件が起こってからだと、例え解決しても罪が残ってしまう
力を手にしてしまった一般人が罪を犯してしまう前に、どうにか止めたいな
カウンター席に座ってハンバーガーを注文
軽食を摂りながらまずは所有者を観察
料理人との会話にもできるだけ耳を傾け、内容を聞き取ってみる
……盗み聞きみたいで気が引けるけど、事件解決のためだから仕方ない
直接接触できそうなら話しかけてみる
「急にすまない。……その、何か悩みでもあるのかな」
彼女の様子や聞き取った会話の内容も踏まえて、できるだけ寄り添った感じで話を聞いてみる
カードを強引に奪うより説得したいから、何か材料になるような手がかりが欲しいな
罪を犯す前なら、まだ間に合う。
カウンター席へ座り、ハンバーガーを注文して店内と、シデレウスカードの所有者であろう女性を見るクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)。眼鏡をかけた、やや地味な印象を受ける女性……自分の指を気にしているようで、時折触っているのが分かる。
……事件が起こってからでは、解決しようとも罪が残るのだ。それに、完全に力に飲まれてしまえば、そのまま人としての道を外れてしまう――。
さてどうしたものかと、クラウスは様子を眺めつつハンバーガーにかじりつく。軽食と言うには多少、大きかったかもしれない。広義としては軽食なのだが。
……暇になったらしい料理人の男が奥から出てきた。壮年の男性だ。小さめの声で、彼女と世間話を始める。
「――だから、今度店を開けて、ちょっと旅行にでも行こうかってね。安いらしいじゃないか、あの国は」
旅行の話。にしては多少、品性のない理由で旅行先を選んだらしい。盗み聞きのようで気が引けるが、情報収集のためだ。仕方がない。
「えっと――あの。その国で、どんなふうに過ごすつもり、です?」
やや途切れ途切れの声、不安そうに聴く彼女――嫌な予感がする。男性の次の言葉が、彼女が『引き金』に指をかけてしまう、そのような気配。
「――少しいいかな。追加でコーラを」
話を切り上げさせるために、そう声をかけた。はっとした顔でこちらを向く給仕に料理人、こほんとひとつ咳をして、「失礼、世間話が長くなってしまった」とにこやかに戻っていく。
給仕の女性はすぐにコーラを持って、クラウスの元へと運んできた。
「急にすまない。……その、何か悩みでもあるのかな」
「……えと。あの……。何も……」
「何もないようには、見えなくて」
優しい語り口に、彼女は困った様子で目を泳がせる。――そうして、爪を弄り。じ、とクラウスの目を見つめた。ほんの少しの、敵意。『勘付かれたか』とでも、言いたげな。
「何を、疑って、おられますか」
俯く彼女。眼鏡を通さぬ視線となったそれがクラウスを射抜く。
「――休憩、入ります。『タバコ』、吸ってきますね」
不釣り合いに明るい声で、奥へと声をかける彼女。逃げるつもりか。「会計を」と声を掛けるクラウスへとわずかに笑みを浮かべて、そうして。
「お釣り、募金箱に入れてもらえますか?」
――そう言った。
🔵🔵🔵 大成功
第2章 冒険 『シデレウスカードの所有者を追え』

POW
戦いを挑み、シデレウス化した人物を無力化させる
SPD
他の民間人が事件に巻き込まれないよう立ち回る
WIZ
シデレウス化した人物の説得を試みる
√マスクド・ヒーロー 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ばれちゃった。ばれちゃったや。どうしよう、あの目。あいつも、そいつも、見てたもん。ぜったいばれちゃった。
咥えタバコをしながら走る。制服のまま。気にしてはいられない、絶対追ってくるんだもん、仕方がないじゃない。
『こ~れだからカンの良い奴はァ。ひとりでもいると大惨事ですねえ~!!』
「う、るさい。だまって、おねがい!」
脳に、耳に直接響く声。頭痛を訴える頭を抱えながら。自分にカードを渡した存在、自分をせいぎのみかたに「してくれた」存在も、今となっては只々煩いだけだった。
『まあまあ、これ以上失敗なさるな! なんならあそこで耐えてもよかったのですよ? だのにビビり散らかしてココでございますぅ~!! ま、ブチのめして正義を示せばよいのです、えいえいっ☆と『清めて』しまえばよいのです! ハハハ、簡単簡単!』
「適当なこと、言わないでッ!」
そう吐き捨て、彼女は走り。
「――!? おいっ、君、何を……!?」
止める通行人の声も聞かず。橋の上から川へと飛び込んだ。
その流れの行き着く先には――排水を垂れ流す工場地帯。水の勢いを借り、己の得た『能力』の力を借り、彼女は逃げる。
逃走劇の先に行き着いたのは、コンテナが積まれた人目につかぬ場所。まるで魚が跳ねるかのように着地したその姿。
ピスケスナイチンゲール・シデレウス。シロイルカのような姿をした、『白衣の天使』である。

お釣りを募金箱に入れて彼女を追うよ
料理人の言った『安い国』、それから『募金箱』
その辺りが行動原理かな
レギオンスウォームでレギオンを飛ばして逃さないように追跡
泳ぎでは振り切られそうだから、経路から上陸地点を割り出して先回りする
「……驚かせてしまったのなら、すまない」
追いついたらまず謝ってから説得
「君は、力を得て何をするつもり?」
どんなものであれ(非道なものじゃなければ)基本的に考えは否定しない
「そのカードの力は良いものじゃない。怪人として悪の組織の手先にされてしまうよ」
だけど、カードの力でそれを叶えるならきっと正しくないという方向性で説得
説得が困難なら戦闘
傷付けないように無力化することを重視する
駆け出した給仕。募金箱に釣り銭を放り込み、彼女を追うはクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)。安い国。募金箱。導き出されるは不穏な響きだ。あのまま給仕と料理人が話し続けていれば、何が起きたか。――予知通りの結末だったかもしれない。
駆け抜けながらレギオンスウォームでレギオンを飛ばし、彼女を追う。シデレウスカードで得た能力か、身体能力が強化されているようだ。かなりの速度で駆け抜け、そして、橋の上から水へと飛び込んでいくのが見えた。
あの速度だ、流れに乗ってしまえば相当な勢いで移動できるだろう。川の流れに合わせてレギオンを飛ばし向かわせ、上陸地点を予測する。先に見えるは工場地帯である――。
「っ。はあ、はぁっ……」
息を切らした女性。シロイルカのような、可憐な白い衣装。先の結ばれたマントは人魚の尾鰭のように見える。マスクド・ヒーローのような仮面を付けた彼女を見つけるのは容易いことだった。
――追いついてきた。視界に入ったクラウスを見て身構える彼女。敵対意識ではなく、純粋な驚きからくるものか、それとも。
「……驚かせてしまったのなら、すまない」
返答はない。無いが、その謝罪に応える気がないことは態度からも明らかだ。自らの腰へ――ベルトに連なる、医療器具。その数々に手をかけながら、仮面の下からクラウスを睨んでいる。
「君は、力を得て何をするつもり?」
「……どうして、聞くの」
「その力が、正しいものに使われるかどうかを……確かめたい」
視線。真っ直ぐに見るクラウス。おどおどと泳がせる女性。
だが、応えなければ逃げる機会も生まれないと感じたのか。彼女はゆっくり、口を開く。
「善意の押し付けだって、わかってるの」
小さく呟いた言葉は、震えている。
「わたし。わたしは。小さい頃から、そうだった。真面目だって、冗談通じないって。……でも。冗談でも、言っていいことと、わるいことがあるの」
たとえば、そう。
「ねえ。恵まれないひとたちがいる。わたしの力なら……救えるんだ。この力は、カードはね、ひとの傷を治せるの。わたしのお金があったら、お腹だって満たしてあげられる……」
その声色は徐々に、虚ろな声へと変化していく。……否定できない。正しいが、確かに押し付けだ。善意ではある、それを真っ向から違うなどとは、クラウスは口にできなかった。
「……そのカードの力は良いものじゃない。怪人として悪の組織の手先にされてしまうよ」
カードの力を借りても、待っているのは破滅だ。
それを伝えられてなお、彼女は。
「わかってるんだ」
困ったように笑って、『鉗子』を手にとった。
だって知ってるんだ。悪の手先、ってやつの正体。わたし、そいつから渡されたんだもん。このカード。手に取ったときから知ってたんだ。
せいぎのみかたに「してくれた」んだ。
「だから、黙って。……その舌、引き抜いてあげる」
ああ、言葉はもう、通じそうにない。
🔵🔵🔴 成功
●『白衣の天使』
戦闘。
ピスケスナイチンゲール・シデレウス。女性。シロイルカのような姿をしている。
どの攻撃に対しても、『護霊護国戦』を基本とした能力、『白衣の天使』を駆使し攻撃してきます。
攻撃/回復ともに√能力者たちに多少は劣りますが、油断してはなりません。
この戦闘への勝利、または説得成功で展開が分岐しますが、敵は変化しません。

【兎玉天⭐︎質量操作】で大きくなったり小さくなったりできるヨ⭐︎力仕事や狭い場所に入ったり色々役に立てるんじゃないかナ⭐︎
【不思議骨董品】でうさてんちゃんのおうち【うさてん堂】に並んでるものを出して役に立てることもあるかもネ⭐︎
いわゆる人のフリした人間大好き明るい人外ちゃん
ヘンテコ雑貨屋を営んでるので何かと理由をつけて持ち帰ります。
後日お店に並べるので何か1つでも持って帰らせて貰えると嬉しいです!
たまにちょっと常識とズレた行動をとります。でも他の√能力者の嫌がるコトは自ら進んではしません。好奇心の塊で楽しそうな事大好きです。ニンゲンちゃんを守ることに協力的です。
アドリブ連携大歓迎です。
「アチャ~~! 大変なことになっちゃってるネ☆」
お元気!
陰鬱になった空気をぱあっと一瞬晴らすは兎玉・天(うさてん堂・h04493)の言葉である。大変だ大変だ! ニンゲンちゃんが変なカードに狂わされてる! あっぶなーい! あのカード欲しい。欲しくないですか? 欲しいよね……。
手放してくれなさそうなのが誠に残念である。
「……わたし。わたし……」
まだ困惑しているのか、現れた|うさてんちゃん《天》への反応はない。とはいえ臨戦態勢なのは変わらない、ならば真面目に対応しようじゃないか。相手はやる気まんまんであるがゆえ。その隙にと迫るは|人間災厄《非常識》の成せる技。
その気配に気付いたか、はっと顔を上げたシデレウス怪人、『ナイチンゲール』。途端――彼女の背後に現れる白衣の天使。うさてんちゃんを両断せんと幻影のメスを振るう!
「ごめんネ、わかりやすいヨ!」
ぴょんっ。ジャンプで避ける。お月さまより高く飛ぼうぜ! 白衣に迫りしなやかな足払い。避けられるもそれはフェイント。本体たる『ナイチンゲール』に絡みつく鎖。
捕縛されたそれに迫るは――うさてんちゃん! おつきさまが落っこちたら、にんげんはどうなりますか!
「クラクラさせるヨ~☆」
正義の味方ちゃんごめんなさい! 殴り棺桶、棺桶かなこれは!? 怪異を収容するという点では同じか、培養槽にも似たそれが勢いよく叩きつけられた。地を転がり、体制を立て直す『ナイチンゲール』――それの体から落ちていく装備品。そう、医療器具によく似たナニカ。
「ゲーット!!」
ワァイ! よくわっかんない液体の入ったシリンジ、入手! 回復効果とかありそう~!!
ぴょんこと跳ねたうさてんちゃん、シリンジを懐にしまいながら――彼女を無言のまま見る『ナイチンゲール』と視線を合わせた。
人間災厄『巨大質量』。ニンゲンちゃんが大好き。
目的と手段、違えてはならぬ。ゆるしちゃだめなことはたくさんある。けれど、でも。
「ニンゲンちゃんを守りたいなら、チョット。やり方、考えなきゃだヨ」
彼女の、『ナイチンゲール』のやり方では……人々を「正しく」守ることは、叶わない。
🔵🔵🔴 成功

「ごめんね」
彼女の言うことは確かに正しいんだろう
それでも俺は、破滅すると判っていて放置することはできない
「止めさせてもらうよ。……無理矢理にでも」
『正しい』と納得した上で、俺は力で君を止めるよ
……もっと上手く説得する言葉が、俺にあれば良かったんだけど
アクセルオーバーを起動
ダッシュで懐まで踏み込んで、電撃鞭のマヒ攻撃で無力化を図る
白衣の天使はレイン砲台のレーザーで撃ち抜いて、融合されそうになったらスタンロッドで払い除けて、攻撃されたら武器受けや霊的防護で凌ぐよ
正義とか悪とか、俺にはよくわからない
ただ、破滅するとわかっている相手を放ってはおけない
結局はそれだけの、エゴの押し付けだよ
「ごめんね」
小さな謝罪。クラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)の小さな言葉。けれどそれは『彼女』にとって、まるで突き放されるかのような感覚に思える一言だった。その言葉を引き出したのが、己だとしても。ぎゅ、と唇を噛む『ナイチンゲール』――。
犠牲を識って、正しさをもって、制裁しようとした。それこそが彼女、ピスケスナイチンゲール・シデレウスの罪である。
「(正義とか悪とか、俺にはよくわからない)」
クラウスは考える。彼女の主張の正しさを。彼女の行動が解決に結びつかないことは分かる。カードの力を振るい続ければ、破滅を迎えるだけだ。だがそれでも守りたい人たちが居た。それだけは……間違いが、ない。
「止めさせてもらうよ。……無理矢理にでも」
そうだ。『正しい』と納得した上で。全力で、立ち向かわなければならない。それが彼女に対する返答となるから。
「やって、みてよ。正義の味方なら、ねえ、ねえ!!」
ヒステリックな叫びと共に召喚された『白衣の天使』。少し古めかしいナース服を着た女性の巨大な白い影だ。
クラウスを抱擁しようとするその腕を、彼はアクセルオーバーで加速しすり抜け。『ナイチンゲール』の至近距離まで迫り、電撃鞭を振るう。
「ッ……どうして邪魔するの! どうして! わかって、くれないの!」
鞭を受け止めるも腕を絡み取られ、身動きの取れなくなった『ナイチンゲール』。それを援護するかのように迫る白衣の天使へと、クラウスのレイン砲台がレーザーを射出した。
シデレウスカードで強化されていようと、彼女はただの人間。酷使する肉体が悲鳴を上げる、それでも立っていようと。だが護霊に似た白衣の天使は、彼女の体力までも奪っていく。
もっと上手く説得する言葉があれば良かった。今となってはもう遅い。だが、そう考えることそのものは、無意味ではない。
彼女が考えたように。誰もが幸福になる道を探そうとして、間違った道を進んだ。それだけなのだ。正義の形は様々。犠牲の形も、様々――。
結局はそれだけ。エゴの押し付けあい。
「嫌だッ……まだっ……まだ、立てる……!!」
――それを征したのが、クラウスであった。……今は、それだけ。
上擦った、今にも泣きだしそうな声を発しながら。ばちりと爆ぜた電撃の中で、彼女の体が崩れ落ち。瞬間、解ける変身。そして二枚のカード――魚座と、フローレンス・ナイチンゲールのカードがひらりと落ちた。
🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『ジョン・ドゥ』

POW
|悪の怪人化《悪堕ち》への誘い
【妖しく光る怪人化結晶 】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【怪人化や悪堕ち】に対する抵抗力を10分の1にする。
【妖しく光る怪人化結晶 】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【怪人化や悪堕ち】に対する抵抗力を10分の1にする。
SPD
マジック☆ショー
【目くらましのトランプをばら撒く事 】により、視界内の敵1体を「周辺にある最も殺傷力の高い物体」で攻撃し、ダメージと状態異常【戦う理由や信念の喪失】(18日間回避率低下/効果累積)を与える。
【目くらましのトランプをばら撒く事 】により、視界内の敵1体を「周辺にある最も殺傷力の高い物体」で攻撃し、ダメージと状態異常【戦う理由や信念の喪失】(18日間回避率低下/効果累積)を与える。
WIZ
マジック★ショー
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【手品道具 】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【透明化マント】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【手品道具 】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【透明化マント】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
√マスクド・ヒーロー 普通11
あっちゃあ~~なんでかな~~どうしてかな~~?
拐かすことには成功しました、しましたとも! えら~い!!
だってのになんで? ドシテ? 可笑しいなこの――自主規制――が。
なぁにヘマこいてんですかぶっ倒れてる場合か畜生――ああ! まったく!!
ぱあん弾けるクラッカー! トランプ撒き散らしご登場!
どなたか? 誰か? ワタクシです!!
「ワタクシ戦いたくなァい! 助けてェ! なぁんて言ってもダメですかぁ?」
――ふざけたお言葉どうも、ジョン・ドゥ。
おまえの命運ここまでだが、どう思う?
「やれるだけやって殺して帰りますゥ~~!!」
結局、怪人とは、善意などでは動いていない。犠牲など識らぬ、正義など知らぬ、『そのようなもの』――!