「ぼくはヒーローになりたかったんです」
●今日からヒーロー
その少年はヒーローに憧れていた。
画面の中で暴れまわる怪人を、いとも簡単にやっつけてしまう、かっこいい大人。
あるいは、どんなにボロボロにされても最後には必ず勝つ、正義の味方。
まあ、少年にとっては簡単にやっつけてくれるほうがスカッとするのだけど。
そんな少年はヒーローのカードを集めるのが趣味だった。
そして、いつも通りカードショップでカードパックを購入し、家で開封すると、そのカードが入っていたのだ。
「なんだこれ……? こんなカードあったっけ?」
『いて座』と書かれた星座のカードと、もう一枚は上半身がヒトで、下半身が馬の奇妙な生物が描かれたカード。
――『十二星座』と『英雄』のカードがご丁寧に二枚セットで入っており、少年はその日を境に『|ヒーロー《怪人》』として活動を始めることになる。
●星詠み
「シデレウスカード。変身の力を宿した不思議なカードが何者かの手によりばら撒かれている」
星詠み――|氷室《ひむろ》・|冬星《とうせい》(自称・小説家・h00692)は、あなたにそう告げた。
「シデレウスカードは『十二星座』と『英雄』のカードが描かれたカードだ。単体で持っていても影響はないのだが、『十二星座』と『英雄』揃ってしまうと所有者に影響を及ぼす。もし√能力者であれば、膨大な力を制御して『カード・アクセプター』になれるかもしれないが……何の能力もない一般人は星座と英雄の特徴を持った怪人『シデレウス』に変貌してしまう、恐ろしいアイテムだよ」
怪人と化した人間が世界に良い影響を及ぼすことは想像できない。
混乱が巻き起こる前に、なんとかシデレウスになった人間に接触し、止めなければならない。
「しかも厄介なことに、今回シデレウスカードを入手した人間、小学生くらいの少年らしくてね……。カードパックの中にシデレウスカードを紛れ込ませるのはもはや罠だろう……」
冬星は「まいったね」というふうに肩を竦める。
シデレウスカードをばら撒いているのが何者かは知らないが、あなたはその卑劣なやり口に怒りをあらわにするか、呆れるかのどちらかかもしれない。
「そういうわけで、今回の冒険譚は怪人と化してしまった被害者の少年を救うこと……かな。少年はヒーローに憧れていて、特撮の撮影現場に紛れ込んでいるそうだ。子どものままでは考えられなかった知恵がついているね。で、その撮影現場にキミたちも潜入して、大人に変身している少年を見つけ出してほしい。そのあとは戦闘に移行して、少年を無力化。シデレウスカードを没収すれば怪人化は止められるだろう。その後、カードをばら撒いている犯人を倒すこと。それで事件は解決だ」
冬星は「気をつけて行っておいで」とあなたを送り出す。
これは、ヒーローになりたかった少年を怪人の手から救い出す物語だ。
マスターより

こんにちは。マスターの永久保セツナです。
今回の冒険譚は「シデレウスカード」を巡る戦いの物語です。
『十二星座』と『英雄』の力を併せ持つ怪人に変貌してしまう不思議なカード。
その被害を受けた民間人の少年を助け出しましょう。
第一章では特撮の撮影現場に紛れ込んだ少年を探します。
第二章では怪人になってしまった少年と戦闘を行い、これを無力化します。
第三章では少年とあなたの戦いを見ていた、カードをばら撒いている犯人が現れ、これを倒せば依頼は完了です。
ちなみに少年が手に入れた「シデレウスカード」は『いて座』と『ケイローン』。
つまり、シデレウス化すると「サジテリアスケイローン・シデレウス」となります。
ケイローンはギリシャ神話のケンタウロスの賢者であり、いて座のモデルになっているとか。
おそらく怪人化すると弓矢を持った半人半馬の怪物になるのでしょう。
以上です。ご参加お待ちしております。
6
第1章 冒険 『撮影事故を阻止せよ』

POW
主演として紛れ込む
SPD
撮影スタッフとして紛れ込む
WIZ
エキストラとして紛れ込む
√マスクド・ヒーロー 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
とある特撮作品の撮影現場に、シデレウスとなってしまった少年が、大人の姿になって紛れ込んでいるという情報を掴んだあなた。
少年はヒーローに憧れているというが、その本性は怪人である。
ヒーローをやっつけて、自分がヒーローになった作品を撮影させようという魂胆かもしれない。
もちろんそうなれば、子どもがギャン泣き必至の悪夢のような作品になってしまうだろう。
あなたもこの撮影現場に潜入して、撮影事故を阻止しなければならない。

子供に内面的な強さは解りがたいよね
本物のヒーローが教えてあげよう
映像作品に残したいなら、撮影開始まで派手に動かない…はず
まず√能力でインビジブルから情報収集するかね
ここらで妙な男を見てない?
カードを見てるとか、周りをやたら気にしてるとか…
外見特徴と目撃場所を聞いたら、おじさんも関係者を装って潜入
目立たず、正体を隠し、自前のコミュ力で少年に接触しようか
特撮トレカだよね、集めてるの?
いいよね、信念をもって戦う姿勢とか
一方的に暴力を振るう乱暴者だったら嫌だよね~
もし足止めできれば御の字、逃げられてもインビジブルに少年の位置と状況を適時確認
身体が強くても心が弱いままじゃダメよ、両方とも鍛えないとね?

「依頼の場所に到着したよ、マスター」
例の少年を探すために、撮影現場に潜入かぁ、マスターが用意してくれたスタッフ用のIDのをつかって潜入する予定だけどうまくできるかな?
潜入に成功したら、どうやって少年を探そうかな?見た目は大人になってるらしいし難しいかも? ヒーローにあこがれてる大人を探したらいいのかな?とりあえず周囲に気を配っておかないとね。
それにしても、シデレウスカードかぁ無差別に怪人を生み出すだなんてひどい話だね、さっさと黒幕を倒して被害が広がる前に対処していかないとね。

【SPD】
撮影スタッフとして紛れ込み(使用技能:コミュ力、変装)、その仕事をしながら少年が何らかのアクションを起こす時を待ちます。
その間、周囲の高い位置や狙撃行動時に障害物等によって邪魔にならない場所を目測で探します(使用技能:弾道計算)。
また、自身の行動意図がばれないようかつすぐに攻撃態勢に移行できるようにあらかじめ自分の得物である「パワードシャープシューター」を「使い捨てステルス迷彩」で隠してぱっと見装備している事がばれないよう準備します。
「掃除にセット移動に飲み物の準備、落ち着かないな全く。」
(狙撃するなら……あのあたりで構えるか?)

カードゲームのカードの中に怪人になるカードを混ぜるとか、やることが悪趣味ですね。
まだ犯罪には至っていないようですから、一刻も早く少年を救い出したいです。
まずは少年の居場所を突き止めねばなりません。
特撮の現場に紛れているという情報ですから、その現場で待つのが一番です。
エキストラで参加します。
事前に撮影現場の上空にドローン『アルバトロス』を滞空させて、周辺を警戒します。
ヒーローに憧れている、ということはこそこそと登場はしないと思うので、高いところが好きそうです。
高いところで網を張っておきます。
「依頼の場所に到着したよ、マスター」
第四世代型・ルーシー(独立傭兵・h01868)は、己のマスターが用意してくれたスタッフ用のIDを使い、潜入を果たした。
「シデレウスカードかぁ……。無差別に怪人を生み出すだなんてひどい話だね、さっさと黒幕を倒して被害が広がる前に対処していかないと」
さて、どうやって少年を探そうか、とルーシーは思案に暮れる。
見た目は大人に変身しているとのこと、何の対策もなく探すのは難しいかもしれない。
「ヒーローに憧れてる大人を探したらいいのかな?」
とはいえ、ここは特撮の撮影現場、ヒーローが好きな大人が大勢集まる場所……。
うーん、と悩むルーシーに、「映像作品に自分を残したいのなら、撮影開始までは派手に動かない……はず」と、同じく潜入していた|亜双義《あそうぎ》・|幸雄《ゆきお》(ペストマスクの男・h01143)が助け舟を出した。
「まずは√能力でインビジブルから情報収集するかね」
幸雄の√能力、【|存在定理の実証《ポジティブ・プルーフ・エグジスト》】。
「そこのお前さん達、ちょいと手を貸してくれないかね~?」という彼の呼び掛けに応えたインビジブルが対話できる状態になり、最近3日以内の目撃内容について協力的かつ正確に説明してくれる、聞き込みに特化した能力である。
「ここらで妙な男を見てない? カードを見てるとか、周りをやたら気にしてるとか……」
そこでインビジブルから得た情報。
お守りのように定期入れにカードを入れ、それをじっと見つめたり、祈りを込めるようにぎゅっと握りしめたりを繰り返している男がいるという。
そのカードはいて座と、ケンタウロスの絵が描かれた二枚のカード。
「ビンゴ」
外見特徴と目撃場所を聞き出し、自分も関係者を装って撮影現場に潜入、少年――が変身している男に話しかけた。
「特撮トレカだよね、集めてるの? いいよね、信念をもって戦う姿勢とか」
少年は突然話しかけられ、驚いた様子だったが、特撮の関係者がヒーローに興味を持っていると思い、嬉しそうに会話に乗る。
しかし、「一方的に暴力を振るう乱暴者だったら嫌だよね~」と言葉をかけられると、「そ、そうですよね……」と気まずそうな顔をしていた。何しろ、彼が今からヒーローに暴力を振るおうとしているのである。
幸雄が少年の足止めをしている間に、別の場所で動いている者もいる。
「カードゲームのカードの中に怪人になるカードを混ぜるとか、やることが悪趣味ですね。まだ犯罪には至っていないようですから、一刻も早く少年を救い出したいです」
|黒木《くろき》・|摩那《まな》(異世界猟兵『ミステル・ノワール』・h02365)は、エキストラとして撮影現場に潜入していた。
事前に撮影場所の上空にドローン『アルバトロス』を滞空させて、周辺を警戒。
少年がヒーローに憧れているのであれば、おそらくこそこそと登場はしないだろう。
そして、ヒーローがかっこよく登場するとすれば、高いところから、がセオリーである。
撮影現場にはちょうど崖を切り崩したような丘があり、撮影でもそこからヒーローが颯爽と現れて怪人たちの群れに跳び蹴りで突っ込む、というあらすじを監督から聞かされていた。
摩那はその丘の上空にドローンを忍ばせながら、幸雄と少年の会話を観察している。
|東雲《しののめ》・グレイ(酷薄なる灰の狙撃手・h01625)は、撮影スタッフとして現場に紛れ込んだ。
自前のコミュ力と変装を活かし、傍目から見ればまったく違和感を与えない姿で溶け込む。
さらに、あらかじめ自分の得物『パワードシャープシューター』を使い捨てステルス迷彩で隠し、パッと見では装備していることを察知されないようにしながら、スタッフとしての仕事をこなした。
「掃除にセット移動に飲み物の準備、落ち着かないな全く。」
忙しく立ち働きながらも、その目は鋭く周囲を観察し、周囲の高い位置や狙撃行動時に障害物等によって邪魔にならない場所を目測で弾道計算する。
(狙撃するなら……あのあたりで構えるか?)
たとえ相手が幼い少年であろうとも、グレイは容赦するつもりはない。
もしも、彼が周囲に害を与えるならば……もちろん、そうならないことを祈るしかないが。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第2章 冒険 『シデレウスカードの所有者を追え』

POW
戦いを挑み、シデレウス化した人物を無力化させる
SPD
他の民間人が事件に巻き込まれないよう立ち回る
WIZ
シデレウス化した人物の説得を試みる
√マスクド・ヒーロー 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
少年がヒーローに危害を加える前に足止めをし、撮影は無事に終わった。
結局、少年は良心に痛みを覚え、撮影をめちゃくちゃにして、自分がヒーローに成り代わろうとするのを思いとどまったのだ。
しかし、それを良しとしないものがいた。少年の買ったカードパックにシデレウスカードを紛れ込ませた怪人である。
「フン、しくじったか。ならば、強制的に――」
怪人が指を鳴らすと、少年は「うう……ッ!」と頭を押さえてうずくまった。
その姿は半人半馬にして弓矢を持った怪人、サジテリアスケイローン・シデレウス。
怪人は√能力者たちを視界に入れると、手に持った矢をつがえて、あなたたちを狙う。
【サジテリアスケイローン・シデレウス】
POW:パワーシューター
弓矢の強大な一撃。矢を一本しか射てない代わりに装甲を貫通する。
SPD:ケンタウロス・アタック
馬となった下半身で突進する攻撃。速度と威力が4倍、受けるダメージが2倍になる。
WIZ:ケイローンの知恵
10秒瞑想して、自身の記憶から憧れのヒーローを1体召喚する。憧れのヒーローは使用者と同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。

【POW】
あらかじめ決めた狙撃ポイントに移動(高い位置に移動 使用技能:ダッシュ、隠密)し、√能力「変身解除による絶望」による狙撃(使用技能:スナイパー、弾道計算、クイックドロウ)でサジテリアスケイローン・シデレウスの変身解除を狙います。
変身解除に成功したら、周囲を見てこれ以上の抵抗がないかを隠れながら確認(使用技能:隠密)。
変身解除に失敗したならば、足の狙撃やノックバックによる無力化(使用技能:スナイパー、吹き飛ばし、弾道計算)を狙います。
「悪夢の時間は終わりだ。」
解除成功時「よし、あとは周囲を見て……。」
解除失敗時「外したか、ならば動きを封じる。」
東雲グレイは撮影現場に潜入していたときにあらかじめ決めていた狙撃ポイント――高台にダッシュと隠密で、サジテリアスケイローン・シデレウスに気づかれないように登る。
装備していたパワードシャープシューターを構え、【対敵抹殺態「破城の鋼砲」】に変形。スナイパーとしての経験、弾道計算、そしてクイックドロウによる狙撃で敵を狙った。
「【|変身解除による絶望《ヒーロースレイヤー・タイプディスペア》】――悪夢の時間は終わりだ」
銃口から放たれた弾丸は怪人を貫き、少年から怪人の化けの皮――『いて座』と『ケイローン』の2枚のカードを引き剥がす。
「うわぁっ!」
怪人への変身を強制的に解除された少年は地面に転がった。
「よし、あとは周囲を見て……」
グレイは隠密により姿を隠しながら、これ以上の抵抗がないか確認する。
周囲には少年を怪人に変えた首謀者の姿は見えない。まだどこかにコソコソと隠れて様子を見ているのか。
少年は引き剥がされて地面に落ちた2枚のカードを見つめていた。
「ぼくは、ヒーローにやっつけられる怪人にすらなれないの……?」
🔵🔵🔵 大成功

【WIZ】
キミにも良心があるんだ。いいじゃん、良心のないヒーローは単なる嫌な悪役だからね。
でもキミは誰かにまた怪人として操られてる。ならくしゃが自力で解けるように戦ってやるよ。(ギザ歯をむき出しにしてニィって笑い)
撃たれるより早く、『くしゃくしゃ』でぶん殴る。くしゃの腕はひしゃげちゃうね。くしゃしゃ!でもまたぶん殴る。ーーッテェ…くしゃの両腕ダメになっちゃった。
止めないなら今度は蹴る。キミが変身を解かないとくしゃはどんどんボロボロになっていく。
わかる?くしゃはてめぇの良心に尋ねてんの。他人が痛かったり苦しむのを見るのは嫌?なら変身を解きなよ。ゲスな奴の術に乗ってんじゃねぇ(技能:恐怖を与える)

強行しなかったのね、良い意味で予想外
折角だ、今回はちょいと格好つけていくか
戦闘に備えた能力者もいるし、まず避難誘導ね
撤収してない人達を早急に離脱するよう促すよ
人払いしたらマスク装着
おじさんは攻撃しないし反撃もしない、説得に専念させてもらうね~
あの子も被害者、なにより「一方的に殴るのはカッコ悪い」って言っちゃったし
ヒーローに二言はないって示さないとさ
√能力で説得向きな技能を強化するよ
怖いでしょ、力に支配されるって
身に余る力は人を狂わせる、だからこそヒーローは苦悩するの
「本当の強さとは?」ってね
お前さんも考えただろ
「これが憧れた強さ?」って
思い出せ、憧れたヒーローの姿を…力に飲まれない心の強さを!

「怪人が出てきたよ、マスター」
あれがシデレウスカードをつかって怪人を生み出してる悪者ね、さらなる被害を出さないためにもここで消えてもらいます。少年が思い悩んでいるみたい、何も戦うことだけがヒーローではないのだけど良い言葉が思いつかないね。どうしたものかなぁ?。
方針
事前に隠しておいたWZに搭載されている(レーザードローン)をスマホで遠隔操作して怪人に制圧射撃を行うよ、怪人がひるんでいる間に周囲にいる人の避難を誘導して余計な被害が出ないようにするよ
少年は這いつくばり、再び2枚のカードに手を伸ばす。
「ぼくはヒーローになりたかったんです。でもやっと変身できると思ったら、こんな怪人みたいな姿にしかなれなかった……」
それはまだ世界を知らない、小さな少年にとって人生を左右するほどの苦悩であろう。
変身の力を与えられ、黒幕の思うままに操られているだけとは知らずに。
再びサジテリアスケイローン・シデレウスに変身した少年に、|銘楼院《めいろういん》・くしゃら(くしゃくしゃのくしゃら・h01671)は「キミにも良心があるんだ。いいじゃん、良心のないヒーローは単なる嫌な悪役だからね」と言葉を投げかけた。
「でもキミは誰かにまた怪人として操られてる。ならくしゃが自力で解けるように戦ってやるよ」
くしゃらはギザ歯を剥き出してニィっと笑うと、矢が飛んでくる前にシデレウスの前に躍り出る。
撃たれるより早くインビジブルを酷使した超加速、【くしゃくしゃ】によりシデレウスを殴りつけた。しかし、くしゃらの耐久力を超えた腕は文字通りのくしゃくしゃになる。
「――ッテェ…くしゃの両腕ダメになっちゃった」
少年は「ヒッ……!」と戦慄した。
彼はテレビの中の世界しか知らない。こんなに腕がひしゃげる光景なんて見たことない。
くしゃらは「止めないなら今度は蹴る。キミが変身を解かないとくしゃはどんどんボロボロになっていく」と猛攻を止めない。
「わかる? くしゃはてめぇの良心に尋ねてんの。他人が痛かったり苦しむのを見るのは嫌? なら変身を解きなよ。ゲスな奴の術に乗ってんじゃねぇ」
少年は目に涙を浮かべたまま萎縮し、恐慌状態に陥っていた。
「怪人が出てきたよ、マスター」
くしゃらが少年を説得している間に、第四世代型・ルーシーは事前に隠しておいたWZに搭載されているレーザードローンをスマホで遠隔操作、怪人に制圧射撃を仕掛けた。
怪人が怯んでいる隙を突いて避難誘導を行い、被害を最小限に食い止める。
シデレウスと化した少年がかなり思い悩んでいる様子を見て、ルーシーはどう声をかけたものか迷った。
「何も戦うことだけがヒーローではないのだけど良い言葉が思いつかないね。どうしたものかなぁ?」
とにかく、シデレウスカードをばら撒いて怪人を生み出す悪者を、これ以上の被害が出る前に止めなくては。
ルーシーは他の能力者に説得を任せることにして、怪人との戦いに集中する。
亜双義・幸雄は撮影現場から撤収していなかった人々が離脱し、人払いを完了した後に、ペストマスクを装着した。
攻撃も反撃もせず、説得に専念。
少年も被害者の一人であり、なにより幸雄自身が「一方的に殴るのはカッコ悪い」と少年に告げた以上、ヒーローに二言はない。
√能力【|存在理由の解明《ビーイング・ア・ソリューション》】により、ヒーローとしての魅力を強化して説得に臨む。
「怖いでしょ、力に支配されるって」
幸雄が話しかけると、少年はぴくりと反応し、幸雄に視線を向けた。
「身に余る力は人を狂わせる、だからこそヒーローは苦悩するの。『本当の強さとは?』ってね」
少年は幸雄が撮影現場で出会ったあの男性だと確信する。
そして、その男性がヒーローだったということに気付き、ハッと目を見開いた。
「お前さんも考えただろ、『これが憧れた強さ?』って」
幸雄はよく通る声で少年の良心を揺さぶる。
「思い出せ、憧れたヒーローの姿を……力に飲まれない心の強さを!」
「――!」
少年は自ら変身を解き、シデレウスカードを遠くに放り投げた。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『シュルーマン』

POW
前衛芸術論
【前衛芸術ビーム】を放ち、視界内の対象1体の装備ひとつに「レベル年分の技術革新」を与える。
【前衛芸術ビーム】を放ち、視界内の対象1体の装備ひとつに「レベル年分の技術革新」を与える。
SPD
前衛芸術の波動
【腕】から【前衛芸術の波動】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【爆発】して死亡する。
【腕】から【前衛芸術の波動】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【爆発】して死亡する。
WIZ
前衛芸術全開
自身の【絵画】を【極彩色】に輝く【前衛芸術全開モード】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
自身の【絵画】を【極彩色】に輝く【前衛芸術全開モード】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
「もったいないな、せっかく私が創造した作品を投げ捨てるなんて」
怪人――シュルーマンが、少年の投げ捨てた2枚のカードを拾いながら姿を現す。
この男こそが、今回の事件の首謀者である。
「いて座のカードに、その星座のモデルとなったケイローンの組み合わせ、弓兵としての能力に特化した、これ以上ないシンプルな機能美だと思ったんだが、いやはや凡人にはこの芸術が理解できないらしい」
シュルーマンは、少年には目もくれない。とっくに用済みなのだ。
「まあ、テストとしては良かった。次はもっとうまくやろう。『十二星座』と『英雄』を組み合わせる……可能性は無限大、私の創作意欲も大いに刺激されるからね」
そう言ってから「おっと……」と黒幕はあなたたちを見る。
「その前に、君たちから逃げおおせないとまずいかね。まずいか。やれやれ、私は戦闘には不向きなのだがね……」
舐めきった態度の怪人だが、その能力は未知数である。

後衛より戦闘支援。弾道計算による着弾観測で距離を調整し、敵の攻撃が届かぬ場所からカノン砲による援護射撃を行う。
【範囲攻撃】で敵数を減らしたり、キャニスター弾で散弾をばら撒くことで敵の進軍や足並みを崩す遅滞戦闘【牽制射撃】【時間稼ぎ】も行う。
守るべきヒトや建物が無ければ、【無差別攻撃】で敵対目標諸共一面を焦土とする…
カノン砲の射程距離外まで近づかれれば無力だが、全重量を乗せた【重量攻撃】による【特攻】も辞さない。
なお√能力は使用しない。
「では、出撃しよう」
「俺からの愛、受け取ってくれたか?」
「大丈夫だ。愛する人間ども。俺が守ってやる」

人間(√EDEN)の|錬金騎士《アルケミストフェンサー》×レゾナンスディーヴァ、18歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、負傷したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
主に、篠笛を演奏することによる何らかの効果を期待した行動を取って事態の解決に貢献しようとします。
近接戦闘も譜面台を振り回す物理攻撃や改造楽器ケースによる魔力攻撃で対応しようとしますが、防御はちょっと苦手です。
他の√能力者さんとなるべく協力し、公序良俗に反することは行いません。
後はお任せいたします!
「良かったわ、あなたが戦闘向きの怪人じゃなくて。子どもを利用して怪人を生み出すなんて最低の黒幕をボコボコにできるものね」
|萩高《はぎだか》・|瑠衣《るい》(なくしたノートが見つからない・h00256)は、篠笛を口に当て【|転の閃き《ソッキョウバヤシ》】により腕力を向上させる。そして先手必勝とばかりに譜面台で力いっぱいシュルーマンをぶん殴った。
「突然の暴力ッ!? 君も音楽を志すものであればもう少しおしとやかに戦闘したらどうかね!?」
頬を押さえて抗議するシュルーマンだが、瑠衣は問答無用と殴り続けた。
「くうう、ならば私も本気で戦わせてもらおう!」
シュルーマンは両手を瑠衣に向け、「ハァァッ! 食らえ、前衛芸術ビーム!!」と謎の光線を発射する。
ビームは譜面台に命中し――ゴテゴテと飾りのついた派手な姿に変わった。
「ハァ!? 何よこれ!?」
「おお……ビューティフォー。これぞ芸術……」
瑠衣は己の譜面台の変貌に目を剥くが、シュルーマンは悦に入っている。
そう、彼の√能力はおよそデタラメであった。
「もとに戻しなさいよー!!」
「ぐええっ!」
瑠衣は激怒しながら技術革新された譜面台で殴る。
ゴテゴテした飾りがついた分、攻撃力が上がっていた。
「敵対者の武器を技術革新して自分が不利に陥るとは……これも一種の愛、なのか?」
戦闘機械群・|社会式《しゃかいしき》(Block Head・h01967)は、シュルーマンの予測できない行動に首を傾げている。
「まあいい。では、俺も出撃しよう」
社会式は後衛からの戦闘支援に集中し、瑠衣の攻撃を後押しするようにカノン砲を撃ち続けた。
「怪人よ、俺の愛も受け取るといい」
制圧射撃や牽制射撃によりシュルーマンの退路を断ち、攻撃を封じ、身動きを取れなくして瑠衣が攻撃しやすいように戦況を整える。
「助かるわ、これで思う存分ぶん殴れる!」
瑠衣は水を得た魚のように攻勢を強めていった。
その間に、場に残っている一般人がいれば退避させる。
「大丈夫だ。愛する人間ども。俺が守ってやる」
社会式のその威風堂々とした佇まいは、避難民にとっては心強く、頼りになるヒーローに見えるだろう。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

アレンジ・連携等歓迎
「黒幕を見つけたよ、マスター」
メインシステム戦闘モード起動
あれが無差別にシデレウスカードをばら撒いている黒幕ね。逃がすとまずいから絶対にここで倒さないといけないね。
方針
WZに搭乗し(”WZ"パルスブレード)を使用しての近接戦を仕掛けます。
戦闘前に(”WZ”戦闘強化剤)を体内に注入してWZの機動に耐えれる体に作り上げます。
敵からの攻撃によって窮地に陥る場合は("WZ"パルスアーマー)を使用して身を守ります

怪人よりキュレーターのが天職でない?
子供ウケせず拗ねるとは自信作だったか
無力化できたし、少年は遮へい物の陰に運ぶか
流れ弾が危ないから覗いちゃダメよ~
その間に交戦し始めただろうし、友軍にあわせて追撃を狙おう
仕込みアイスピックを懐から抜いて√能力で一発
片腕を潰してもう一発しかけるよ
ここまで上手く立ち回れたし、多少の怪我は承知の上さ
ボロボロになっても立ち上がるのがヒーローってモンでしょ
残念だけど、衣装デザインが好みじゃなかったとさ
趣味に走り過ぎたのも要因だが
…お前さんの最大のミスは、子供の憧れを蔑ろしたことだよ
帰還前に少年も避難民に混ざって帰るよう促す
悪いね、駆けつけたのが悪役ヅラの地味なヒーローで

【SPD】
あらかじめ決めた狙撃ポイントから、相手の隙を伺って『捕食怪異魔弾』を撃ちこみ内部破壊を狙います(使用技能:スナイパー、弾道計算、捕食)。
相手が√能力「前衛芸術の波動」を発動したら、当たっても面倒なのでこちらの√能力『反射狙撃作用』で回避して返す刀でもう一発撃ちこみます(使用技能:スナイパー、弾道計算、クイックドロウ、吹き飛ばし)。
「とてもふざけたやつだが、やることは何一つ変わらない。」
「危ない、ってな。」
「死ね、ただ内臓食われて死ね。」
「黒幕を見つけたよ、マスター」
第四世代型・ルーシーはシュルーマンを睨みつけながらメインシステム戦闘モードを起動させた。
「あれが無差別にシデレウスカードをばら撒いている黒幕ね。逃がすとまずいから絶対にここで倒さないといけないね」
”WZ”戦闘強化剤――痛みを遮断し一時的に反応速度を増強する強力な鎮痛剤を体内に注入することでWZに乗り込んでも耐えられるように身体を調整し、WZに搭乗する。
シュルーマンの背丈よりなお高い人型機械兵器WZ。
それを見上げ、怪人は「わ、わあ……私を倒すには少しばかりオーバーキルではないかね……?」と震え声であった。
「いくよ、”WZ”パルスブレード!」
パルスブレードによる一閃、それは同じWZですらも一刀両断に切断する一撃。
シュルーマンもたまらず「ぎゃああ――!!」と叫ぶ。
「とてもふざけたやつだが、やることは何一つ変わらない」
およそ戦闘に不向き過ぎる黒幕だが、東雲・グレイは顔色ひとつ変えず、虎視眈々とその生命を狙う。
あらかじめ決めた狙撃ポイント。スナイパーライフルを構え、ルーシーと交戦しているシュルーマンの隙を狙い、捕食怪異魔弾――怪異の肉を加工して作った魔弾をその身体に撃ち込んだ。
「ぐああああ――ッ!!」
シュルーマンはその痛みにたまらず悲鳴を上げる。
捕食怪異魔弾は鎧も周囲の無機物も食らって、標的の内部から食い荒らし、破壊していく。
「うう……ッ、私を舐めるな――ッ! 芸術は爆発して死ね!!」
息も絶え絶えの怪人は腕から前衛芸術の波動を放ち、グレイを目掛けて攻撃した。
もしも、グレイの耐久力が足りなければ、即座に爆発して死亡する危険な技だ。
しかし。
「危ない、ってな」
グレイは【|反射狙撃作用《カウンタースナイプ・フェノメノン》】により、シュルーマンの攻撃を回避して跳躍、先制攻撃を食らわせてもう一発、捕食怪異魔弾をプレゼントした。
「死ね、ただ内臓食われて死ね」
「ぎょええええええ!!!」
黒幕は激痛に悶え苦しむのみ。
その様子を見て「怪人よりキュレーターのが天職でない?」と半ば呆れ声を出すのは亜双義・幸雄である。
「シデレウスカードが子供ウケせず拗ねるとは自信作だったか」
無力化し、カードの力を失った少年を遮蔽物の陰に運び、「流れ弾が危ないから覗いちゃダメよ~」と場を和ませるおちゃらけた言葉をかけて少年の頭を撫でた。
「さて、俺もあわせて追撃だな」
懐から外見は万年筆にしか見えない仕込みアイスピックを抜き、【|存在証明の紛失《マイ・ロスト・ビーイング》】で存在感を消失させて接近、シュルーマンの片腕を貫く。
「ぐうううううッ!」
「はい、片腕潰したらおまけでもう一本。これで危ない爆発技は使えないね~」
アイスの当たりのような感覚で両腕を潰した。
「残念だけど、衣装デザインが好みじゃなかったとさ。趣味に走り過ぎたのも要因だが……お前さんの最大のミスは、子供の憧れを蔑ろにしたことだよ」
「――ッ!!」
幸雄の鬼気迫る声色に、シュルーマンは戦慄を覚える。
やがて、グレイの捕食怪異魔弾に身体の内部を食い荒らされ、手の打ちようのなくなった怪人は息絶えた。
『仕事』を終えて帰還する前に、幸雄は少年を避難民に混ざって帰るように促す。
「悪いね、駆けつけたのが悪役ヅラの地味なヒーローで」
「ううん。おじさんはぼくのヒーローです! サインもらってもいいですか? あ、あと写真も撮りたい、です!」
少年のキラキラした瞳に、幸雄は苦笑を浮かべるだろうか。
こうして、シデレウスカードを巡るひとつの事件が解決したのであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功