白き翼の助けを呼ぶ声
薄暗い森の中、天使の羽を持つ彼らは、息を切らしながら、何者かから、逃げていた。
「はあ……はあ……」
「早く、逃げないと……」
このまま見つかれば、きっとタダでは済まない。
そうなれば、自分達はどうなるか……いや、それよりも、背後に迫る脅威を、何とか引き付けて、人のいないところへと向かっていく。
「た、確か……この先に、変な廃屋……あったよね……?」
天使の一人が告げる。
「そこまで逃げ切ることができれば……きっと……あっ!!」
と、そこで、メンバーの一人が足がもつれて、転んでしまった。
時間がない。敵に見つかる。もう駄目だ。だから……。
彼らはありったけの力を声にして、呼ぶ。
「誰か……助けてっ!!!」
悲痛な、その助けを呼ぶ声を。
「みんな、来てくれてありがとう。今回向かってもらうのは、√汎神解剖機関のヨーロッパにある、森の一つ。そこに向かってもらいたいんだ」
そういって、アクシア・メロディールーン(はつらつ元気印なルーンソリッド・アクセプター・h01618)は、地図を広げる。
「詳しい話をする前に……『天使化』のことは知ってますか? 天使化とは『善なる無私の心の持ち主のみ』が感染するとされるヨーロッパの風土病で、人心の荒廃した現代では既に根絶したものと思われてたんだけど……それが向こうではしっかり起きてるみたいなんですよね。それで……みんなが彼らに合流できる頃には、敵に追われてしまってる」
だからこそ、助けて欲しいとアクシアは言う。
「問題は、その後の行動。皆の行動によって、状況が変わることになります。近くに元、喫茶店っぽいところだった廃屋があるんです。そこまで安全にたどり着くことが出来れば、一息つけると思う。けど、そうでない場合は、そこで敵との戦闘になっちゃうから、その辺は気を付けて欲しいんです。戦いになれば、必然的に天使さん達を守らなくてはなりません。そのことを念頭にどう切り抜けるかを考えながら、行動してみてください。戦闘が得意なのでしたら、そうするのも手だと思いますし」
アクシアは続ける。
「それに、それを指揮する羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』が出てくる可能性もあります」
他にも、彼女が召還したより上位の存在も出てくる可能性もあるらしい。
「どちらにせよ、戦いになれば、天使さん達を守る必要があります。どう進めていくか、進んでいくかは、状況を見て判断してください。場合によっては相談することも手かと思います」
そういって、アクシアは心配そうに続けた。
「とにかく、皆さん。狙われている天使さんを助けてあげてください。もちろん、皆さんも無事に帰ってきて、ですからね!」
帰るまでが依頼なのだと言わんばかりに、そう告げて、アクシアは現地に向かう√能力者達を見送ったのだった。
マスターより

というわけで、今回は噂の天使化事変なシナリオとなります。
今回の目的は、追われている天使さん達を守って救う事です。
また、それぞれの章で、どのような行動をしたかによって、状況が複雑に変化していきます。断章も参考にしながら、進めていってください。
1章では、逃げている天使さんをまずは救いましょう。選択肢はあまり気にせず、いろいろ試してみてください。プレイングによっては、軽い戦闘が起きるかもしれませんが、大規模なものにはならない予定です。
2章では、1章でうまく誘導できれば、廃屋で休憩することができます。その場合は、天使さん達を休ませることが可能です。その場合は天使さん達の協力が得られやすくなりますので、もしよろしければ、狙ってみてください。
そうでなければ、戦闘が始まります。天使さん達も手伝ってくれるかもしれませんが、疲れているので、あまり手助けは期待できないと思います。しっかり敵を退けてくださいね。
3章では、強行突破するか、それとも、羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』と遭遇するか……こちらは、2章の状況によって、変化します。状況は逐一、断章にて、お知らせしますので、合わせてご確認ください。
また複数で参加する際は、お相手の名前やID、グループ名をお忘れなく。
皆さんの熱いプレイング、お待ちしています!!
16
第1章 冒険 『助けを求める声』

POW
気合を入れて救助に向かう
SPD
必要な助けを素早く提供する
WIZ
魔法的な力を使って問題を取り除く
√汎神解剖機関 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

アレンジ連携歓迎
「依頼の場所についたよ、マスター」
天使たちの救出が今回の任務だね。 それにしても天使化だなんてこの世界では、おかしなことが起こっているのね。まずは安全の確保のため、何処かにいる天使たちの居場所を見つけないといけないね、そのために("WZ"レーザードローン)をとばしたり(”WZ”火器管制レーダー)を使用して周囲の情報収集を行おうかな、捜索途中で見つかって荒事になるのは天使さんたちに危険が及びそうだし("WZ"ステルス装置)をつかった迷彩で身を隠して行動しようかな。
「依頼の場所についたよ、マスター」
木々に隠れるように、量産型ウォーゾーン(ブッタ)に搭乗した第四世代型・ルーシー(独立傭兵・h01868)は、指示役のマスターへと連絡を繋げる。
マスターからの軽い打ち合わせを得て。
「ん、天使たちの救出が今回の任務だね。……それにしても天使化だなんてこの世界では、おかしなことが起こっているのね。まずは安全の確保のため、何処かにいる天使たちの居場所を見つけないと……」
通信機から聞こえるマスターの激励を受けて、ルーシーは動き出す。
「まずは情報収集を行おう」
救出する天使の位置を探すためにも、探索用ドローンを飛ばし、”WZ”火器管制レーダーで、周囲の状況を確認する。もちろん、敵に見つからないよう、"WZ"ステルス装置も起動させている。木々に隠れるよう静かに移動しながら、周囲を観測していると、飛ばしたドローン、2機が天使達が敵から逃げているのを捉えた。
「まだ、敵は天使の位置を正確には分かっていないみたいだね……なら!」
一機はそのまま天使の近くで観測させ、傍にいるもう1機で、敢えて敵の前を横切る。もちろん、天使達の目線の位置で、だ。
「よかった、引っかかった」
ドローンにつられて、敵は天使達が逃げる方向とは違う方へと向かっていく。
これで少しは時間が稼げるはずだ。
ルーシーは天使達を守るべく、ステルス装置をそのままに彼らの護衛を続けるのであった。
🔵🔵🔴 成功

「はねだ! とりだ!」
「ちがうのか? はねがあるのに?」
天使について誤解があるようでかろんは首を傾げていますが、「どーぶつをいじめるのはよくないな!」と変な納得をしてやる気です。やれます。やらせてください。
ゴーストトークを使い、インビジブルから情報収集をします。
「なんかな、てんしがたいへんでな?」
天使の現在位置や廃屋の場所などを聞き出して、天使たちと合流します。
「たすけにきたぞ! もうだいじょうぶ!」
子供らしい邪気のない笑顔で天使たちに接します。
見た目はお子様ですが、自信満々なのできっと天使たちも不安を和らげてくれるでしょう。
廃屋までの道中は、大神やその眷属たちに警戒してもらいます。
時間は少し遡る。アクシアが説明している、そのときまで。
「で、今回助けてもらうのは、この天使さん達で……」
「はねだ! とりだ!」
大きな紫の瞳を輝かせて、|獅猩鴉馬《しじょうからすま》・かろん(大神憑き・h02154)は叫ぶ。
「いやその、翼はあるけど、鳥さんではなくってね……」
慌てて、その誤解を解こうとするアクシアに。
「ちがうのか? はねがあるのに?」
「うん、ちょっと違うの」
こてんと首を傾げつつも、かろんは考えた。考えて出した結論は。
「どーぶつをいじめるのはよくないな!」
「えっと……どーぶつでもなくってね……まあ、いっか。ちゃんと出来……」
「やれます。やらせてください!!」
びしっと敬礼して、かろんは無事(?)この任務を得たのだった。
そして、今に至る。さっそく現地にたどり着いたかろんが行ったのは、これだ。
「なんかな、てんしがたいへんでな?」
ゴーストトークを使って、周りにいるインビジブルから、天使の位置や廃屋の場所などを聞き出していたのだ。しっかり情報を得ている辺り、流石ではある。
また、ルーシーの活躍により、敵から離れることが出来たので……。
「たすけにきたぞ! もうだいじょうぶ!」
「君が助けに来てくれたの?」
無邪気なかろんの笑顔に、天使達は癒されながら、無事、彼らと合流を果たすことが出来た。
「敵から離れることが出来たのは良いけど、何処に行けばいいか……」
「それなら、いい場所しってる! こっちだ!」
既に休憩にもってこいな場所を知っているかろんは、天使達の手を取って、元気よく教えてもらった廃墟へと案内していくのであった。
🔵🔵🔴 成功

後援してもらっている菫さん(h05022)と参加
私とお姉ちゃんは故郷の狭い世界しか知らないので、風土病の恐ろしい広がりようは恐怖したなあ。「天使病」は急に心身変化するんでしょう?生まれつき妖の力に馴染んでた私とは違って。
菫さん、放って置けないよね。絶対助ける!!訳がわからないまま犠牲になんてさせない!!
外国語は菫さんがわかるから大丈夫!!地図は菫さんが解析してくれたから位置把握はばっちり、レギンスウォーム発動!!菫さんはこういう地形詳しいから全面的に頼っちゃう!!逃げてる人保護優先!!追っ手はできるだけ避けたい!!
狙われるのは力の無い人たちだからね。大丈夫、絶対助ける!!

後援している彩綾(h01453)と参加
文化を研究している身だから風土病は頭が痛い話だ。はじめて発生した地点から調べないとね。でも心身ともに変化は簒奪者がらみだね。まずは助けられる人をたすけよう。
あれ、彩綾、呼び出したの朱雀だね。詠唱間違えるなんて余程焦っていたね。まあ朱雀が森はやかないだろうけど一応【エネルギーバリア】【オーラ防御】で周り覆っておくよ?姉妹そろってまだまだだねえ。(代わりにレギンスウォーム発動)【ドローン操縦】でドローンとばして【情報収集】【暗視】【視力】【抜け道探し】で探索受けおうから彩綾は朱雀がやんちゃしないように見張ってなさい。
まずは救助優先。追っ手は避けたいね。
現地に無事、たどり着いたのは、二人の√能力者達。
「文化を研究している身だから風土病は頭が痛い話だ」
今回の任務に必要なデータを確認しながら、|藤原《ふじわら》・|菫《すみれ》(気高き紫の花・h05002)は思わず呟く。
「風土病か……私とお姉ちゃんは故郷の狭い世界しか知らないけど、風土病の恐ろしい広がりようは恐怖したなあ」
そう告げる|桐生《きりゅう》・|彩綾《さあや》(青碧の薫風・h01453)の言葉に、菫は眼鏡越しにぴくりと眉を動かす。
「『天使病』は急に心身変化するんでしょう? 生まれつき妖の力に馴染んでた私とは違って」
そう、彩綾はそれで、住んでいた場所から追われることになった。そんな桐生姉妹を保護したのが、菫だった。菫もまた、桐生姉妹と同じ年頃の娘達を亡くしたところだったので、ある意味必然ともいうべき流れだと思うのだが……とにもかくにも、凄惨な過去の事を思い出したわけではないことに、菫は内心ほっとしながらも。
「でも心身ともに変化は簒奪者がらみだね。まずは助けられる人を助けよう。まずは、はじめて発生した地点から調べていくか」
「うん! 菫さん、放って置けないよね。絶対助ける!! 訳がわからないまま犠牲になんてさせない!!」
やる気があるのは良いことだ。空回りしないといいのだがと、菫は見守りながら。
「それじゃあ、早速……レギンスウォーム発動!!」
と、彩綾が発動させたのは、レギンスウォームではなく。
「クルルルルゥーーー」
「あ、あれっ?」
ぶわりと召還したのは、炎を纏う鳥、|護霊「朱雀」《ゴレイスザク》だった。
「彩綾、呼び出したの朱雀だね。姉妹そろってまだまだだねえ」
冷静に菫は、彩綾の呼び出した朱雀に念のため、延焼しないようエネルギーバリア等で覆っておく。
「あー、ごめんなさい」
「謝らなくていい。これはこれで、使えるから」
代わりに本当のレギオンスウォームを菫が代わりに発動させて、天使達を探す索敵を始める。
「探索はこっちで受けおうから、彩綾は朱雀がやんちゃしないように見張ってなさい」
「はーい」
朱雀を肩に乗せて、周囲を探す。
「ちょっと失敗しちゃったけど、逃げてる人保護優先!! 追っ手はできるだけ避けたい!!」
「はいはい、もう少し落ち着い……しっ!」
と、菫がジェスチャーで彩綾に静かにするよう指示を出した。それを見て、彩綾も即座に大人しくなる。
「向こうから敵が来る」
「あそこにいるのは、天使ちゃん達……だね」
互いに気づいていないのが幸いか。ならばと菫と彩綾は顔見合わせ、頷き行動に移す。
そのことに、後をつけていたルーシーも、ドローンを使って、天使を追いかける敵を誘導していく。
「なるほど……なら、手伝うのが得策ね。準備は良い?」
「もちろんっ!!」
ルーシーの誘導を補佐するように、菫の小型無人兵器「レギオン」がドローンと共に行動。場合によってはレーザーで威嚇をしていく。彩綾の朱雀も同じく誘導させつつ、必要であれば、すかさず、敵を道連れにしていく。
「これでしばらくは大丈夫そうね」
「はいっ!!」
こうして、敵を退けた菫と彩綾、そしてルーシーもまた、天使達のところに無事、合流を果たしたのであった。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功
第2章 冒険 『潜入せよ!怪異執事喫茶!』

POW
執事服を着て恭しくご奉仕する
SPD
執事服を着てティータイムを提供する
WIZ
執事服を着て我儘を聞いてあげる
√汎神解剖機関 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
天使達と共に、お屋敷のような廃屋の中に入っていく。
廃屋になったのは、つい最近のようだ。床に少し埃があるが、それまではしっかり清掃していたらしく、休憩するには十分な場所になっている。
「なーなー、このおちゃ、飲める?」
「どれどれ」
確認してみると、残されたお茶はまだ飲めそうだ。流石にキッチンのガスは止まっていたが、水は生きている様子。
「こっちにガスコンロがあった」
「お砂糖もあったよ!」
これなら、お茶を飲むことはできるだろう。もし、何か持ってきた物があれば、それも使って有意義に過ごせそうだ。
「休みながら聞いて欲しいんだが……これからどう切り抜けるかを決めたいと思う」
√能力者の一人がそう告げる。
追手は遠くの方に誘導することが出来た。しかし、まだ逃げ切ったわけではない。後もう少し、やるべきことがあるだろう。
天使達と交流を深めながら、今後の事を考えていこう。
●マスターより
選択肢は無視してしまってかまいません。
天使さん達と交流を深めながら、今後の事を考えてください。敵と戦う場合は、どの敵を優先するかによって、戦う敵の対象が変わります。
また、この危険な状況を一点突破して、更に逃走することも可能です。
いずれにしても、天使さん達の協力も必要です。
交流を深めつつ、今後の作戦を立ててください。一行掲示板もありますので、そちらで相談も良いかもしれません。
皆さんの熱いプレイング、お待ちしています!!

「おちゃにはおかしだな!」
といって、プラスチックの容器に入った赤ちゃんサイズの小さなチョコを配りまわります。お子様のポケットに入っていたぐらいの大きさなので量はありませんが、気分転換ぐらいにはなるはずです。
「てんしはどーしたい?」
「かろんはなー、わるいやつはやっつければいいとおもう!」
子供の無邪気さで無遠慮に天使たちの意見を聞きながら、かろん自身も意見を述べます。
方針が決まるにしろ決まらないにしろ、情報は必要です。
「おしえてー!」
ふたたびゴーストトークを使って、安全に逃げられそうな方角や敵を奇襲するのに良さそうな場所を聞き出していきます。協力してくれたインビジブルにもチョコをあげましょう。
「おちゃにはおかしだな!」
お茶を配る前に、元気よくかろんは、自分のポケットに入っていたプラスティック容器を取り出した。
「てー出して」
「こ、こう?」
ざらざら。三人の天使達の手に、小さなチョコレートを落としていく。
「ちっちゃーい!」
「美味しいっ!!」
チョコレートの赤ちゃんといっても過言でないそのチョコレートは、天使達の疲れを癒すのにとても効果的なようで。
すっかりチョコを気に入った天使達にかろんは尋ねる。
「てんしはどーしたい?」
天使達は顔を見合わせ、うーんと考える。
「追って来る人達から離れたい」
「ここにいたら、迷惑がかかるから……」
「攻撃されないなら、その方が……いいな」
戦うのは、ちょっと苦手な様子だが、必要であれば戦うと天使達は言う。とにかく、この追われる状況をなんとかしたいようだ。
「かろんはなー、わるいやつはやっつければいいとおもう!」
そうすれば、もう天使達を追いかける者はなく、安全に暮らせるだろう。しかし、それは天使を守りながら戦うというデメリットもある。
今は時間も稼げたので、その間に有効な作戦を立てることが出来れば、更に有利に戦えるだろう。だからこそ、かろんはそう告げて、自分の能力を発動させた。
かろんのまわりにインビジブルが姿を現す。
「おしえてー!」
代わりに残っているチョコをあげるからといえば、インビジブル達は教えてくれた。
ひとつ、魔女のような敵が迫ってきていること。
ふたつ、それを護衛するかのように、大量の敵も伴っている。
ほかにも、魔女が召還したらしい敵もいるらしい。こっちは魔女よりも強そうに感じる上に、何か使命を帯びているらしく、戦闘には積極的ではないように感じる……そんなことを教えてくれた。
「おしえてくれて、ありがとー!!」
インビジブルにチョコを渡しながら、かろんは、得られた情報を踏まえ、これからのことをもう一度、考えるのであった。
🔵🔵🔵 大成功

アレンジ連携歓迎
無事に天使さんたちを廃屋まで誘導することができたね。 疲れている天使さん達の為にコーヒーでもいれてあげようかな、マスターにいつもいれてあげてるから上手にできるはず、たぶん。 それにしてもこれからどうしようか、天使さんたちを護衛しながら逃げるのは大変だよね? なら相手の頭をつぶして相手が混乱しているうちに天使さんたちを安全な場所まで連れ出すのが確実かな? あんまり考えるのは得意でないから他の人に考えてもらおう。
「無事に天使さんたちを廃屋まで誘導することができたね、よかった」
ルーシーはホッとした様子で、思わず呟く。ルーシーも今は、量産型WZから降りて、天使達と共に行動をしている。そして、慣れた手つきで美味しいコーヒーを入れていた。
(「マスターにいつもいれてあげてるから上手にできるはず、たぶん」)
「どうぞ」
人数分、天使達を優先にして、皆にコーヒーを渡していく。
「ううう、にがにが……」
「ああ、ごめん。これも使って」
コーヒーと共に温めたミルクも渡して、天使達はようやく、落ち着いてコーヒーを飲めているようだ。
男の子の天使は、何も入れなくても飲めるらしく、あったかくて美味しいとルーシーに礼を言っていた。ちょっと頬が火照るのは、気のせいだろうか。
「それにしても……これからどうしようか、天使さんたちを護衛しながら逃げるのは大変だよね?」
そうルーシーが切り出すと。
「僕たちも、ちょっとは戦えるよ」
天使達の言葉によると、光の弓矢を出して、敵を撃ち貫くことができるらしい。
「でも……私は怪我を治す方が得意なの」
「私も!」
二人の女の子は、癒しの力が得意らしい。残念ながら怪我を治すのが主なようだが、弱い毒ならばかき消すことはできるそうだ。
「そっか。なら相手の頭をつぶして相手が混乱しているうちに、天使さんたちを安全な場所まで連れ出すのが確実かな?」
となると、今回の戦いの指揮をしているだろう、羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』を狙うことになるだろう。指揮する者を攻撃することで、敵の混乱を導くことができそうだ。それに、アマランス・フューリーを倒せば、手下も一度、撤退することだろう。
ただ、その場合は天使達の協力も必要になる。チョコにコーヒーをもらった天使達は、かなりルーシー達の事を信用してくれているから、こちらの指示には従ってくれるだろう。もし、追加をするならば、何か頼み事や更なる交流が必要かもしれない。
まだ、方針は定まっていないが……これからの意見も聞いてから、最終的な作戦を決めるとしよう。
🔵🔵🔴 成功

後援してもらってる菫さん(h05022)と参加
菫さんも同じ意見なようだけど、できるだけ天使さんには危ない目にあって欲しくないんだ。ただでさえ精神的ショックが大きいし、急な身体変化で体の状態も心配。
できるだけ安心したところに保護した方がいい、のが私と菫さんの意見だけど、天使さんの意思も確認したいな。
コーヒーはできるだけ冷ました方がいいかな。菫さんはこういう状況のひとたちを保護することもできる会社やってるから、こういうことは詳しいと思う。なにより、癒しの力は逃走時の怪我ならなおせると思うし、弓矢の攻撃は追っ手を迎撃するなら使えるかな。
黒幕相手なら天使さんを守りきれない可能性が高い。どうするかな。

後援している彩綾(h01453)と参加
こういう状況の人たちを支援するのも会社の目的だから、これ以上天使の子達を危険な目にあわせたくないのが私の意見。彩綾も同じようだ。綾音と彩綾も保護された身だから他人事ではないんだろうね。
私の車にのせることもできるし、天使さん達の能力も防衛向きだ。距離をとれば矢は有効だし、逃走した時の怪我に癒しの力はいかせる。黒幕の強大な攻撃は自分の身の安全も考慮しなければいけないしね。
ただでさえ追い詰められているんだ。私としては真っ先に安全なところに保護したい。【コミュ力】【社会的信用】で天使さん達の意見を聞いてみる。どっちにしろ、当人達の意思優先だ。
「そうね……こういう状況の人たちを支援するのも会社の目的だから、これ以上天使の子達を危険な目にあわせたくないのが私の意見」
先に口を開いたのは、菫だった。
「私も……かな。できるだけ天使さんには危ない目にあって欲しくないんだ。ただでさえ精神的ショックが大きいし、急な身体変化で体の状態も心配」
どちらかというと、天使達の体の事を心配するのは、彩綾。
「羽が出てきたときはびっくりしたけど……」
「他は平気だよ」
「今はちょっと背中が疲れてる気がする」
今の所、激しい痛みとかはなく、普段使っていない筋肉を使っているようで、疲れが出ている……というのが天使達の話だ。先ほども言ったように、必要な戦いであれば、自分達も戦うと言っているようだ。
「私の車にのせることもできるし、天使さん達の能力も防衛向きだ。距離をとれば矢は有効だし、逃走した時の怪我に癒しの力はいかせる。黒幕の強大な攻撃は自分の身の安全も考慮しなければいけないしね」
ちなみに菫は、戦場でも平気な安全性快適性に優れた自動車、翠嵐の運び手を所持している。これを利用すれば、天使達を比較的安全に運ぶことができそうだ。
「ただでさえ追い詰められているんだ。私としては真っ先に安全なところに保護したい」
そう告げて、菫は天使達の方を見る。
「私も同じ意見だよ。できるだけ安心したところに保護した方がいいと思うの」
だが、それですぐに決めることは出来ない。どちらにせよ、天使達の同意が必要だ。困ったように顔を見合わせる天使達に彩綾は言葉を紡ぐ。
「菫さんはこういう状況のひとたちを保護することもできる会社やってるから、こういうことは詳しいと思うよ。なにより、君達の癒しの力は逃走時の怪我なら治せると思うし、弓矢の攻撃は追っ手を迎撃するなら使えるかな」
だから、逃走を選ぶにしても、戦闘を選ぶにしても、問題ないと助け舟を出していく。
「ただ……黒幕相手なら天使さんを守りきれない可能性が高いんだよね。どうするかな?」
彩綾の言葉に菫も頷く。
「私も同意見だね。もちろん、この人数がいれば、遅れは取らないとは思うけど……守るべき対象がいるのなら、話は別。まあ、どちらの意見になっても私達は君達を守ることに異論はないよ」
むしろ全力で尽くす。そう言わんばかりに菫は笑みを見せた。
そこまで話して、彩綾は少し冷ましたコーヒーのおかわりを持ってきて。
話し合い始めた天使達の動向を見守るのであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 冒険 『強行突破せよ』

POW
物理でゴリ押し、強行突破だ!
SPD
こんな時こそ工夫のしどころ技巧を凝らして強行突破を為す!
WIZ
知恵をしぼってなんとかここを突破する。
√汎神解剖機関 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
「あの……やっぱり、あまり戦いたくはないです」
「できれば、戦わずに済むのなら、その方が……助かります」
方針は決まった。天使達の提案を受けて、√能力者達は強行突破して、逃げることを決めた。一応、車を所持する仲間がいるため、それに乗せれば、少しは天使達を守りやすくなるだろう。しかし、そのためには突破口を開き、天使達を守りながら逃げることが必要だ。ここで最終的な打ち合わせをすると、天使達と√能力者達は、突破するための作戦を手短に準備していくのであった。
●マスターより
色々な意見をまとめて、このようになりました。
攻撃ではなく、逃走に重きを入れた選択肢となります。ただ、何も能力を持たずに参加した場合は、確実に失敗しますので、ご注意を。何かしら、攻撃あるいは守りの能力を持っていただけると幸いです。
流れとしては裏口のガレージから、車(車を所持する仲間がいなくても使用可能ですが、その場合は車の耐久性が低下します)で飛び出し、周囲を囲っている雑魚敵を蹴散らすことが必要です。時間をかければかけるほど、ボス敵(こちらは正面玄関に位置しています)が集まってきますので、ご注意ください。
泣いても笑っても、最後の章です。
皆さんの熱いプレイング、お待ちしています!!

柚葵チハヤマスターにおまかせします。かっこいい明星・暁子をお願いします!
戦闘時以外は、身長170㎝の少女の姿で事に当たる。
《疾風怒濤》の√能力を使い、3倍の能力値と3倍の技能で、『出来る女』として振る舞う。
●少女モードのセリフ例
「逃げると決めたなら、今はとことん逃げましょう」
「でも、逃げているだけではいつかは追い詰められてしまう。その時は戦って道を切り開くしかない」
「そのことを、覚えておいてくださいね」
途中までは車に同乗し、追手に対して半自律浮遊砲台・ゴルディオンで牽制する。
追手の流れ弾が『天使』に当たりそうになったら、瞬間で身長200㎝の怪人モードに変身。
「着装!」
重甲を着装して、「かばう」(技能)で『天使』たちへの攻撃を防ぐ。
●怪人モードのセリフ例(口調が戦闘時にのものに変ります)
「しつこい追手だ。ここで私は車を降りて、奴らを足止めする」
「達者でな。生きていたらまたいつか会おう」(『天使』たちに)
1級河川(広い河)にかかる橋を車が通過したら、
「とうっ!」と飛び降りる。
橋に対して、√能力《ブラスターキャノン・フルバースト》を使用して(橋は動かない(避けない)目標なので威力重視で無数に召喚)、橋を落とす。
更に、この時のために√能力《怪人大作戦》で予め制圧していた、上流の巨大ダムから緊急放水。
河を反乱させて追手が追撃できないようにする。
あとには『天使』を祝福するように大きな虹がかかる

後援してもらってる菫さん(h5022)と参加
ここが山場だね。菫さん、天使さん達は任せた!!邪魔者排除は任せて!!今度こそ!!レギンスフォーム!!うん、今度こそ上手くいった!!邪魔しないでくれるかな!!【第六感】【残像】【幻影使い】【エネルギーバリア】で凌ぎつつ、容赦なくレイン兵器の【レーザー射撃】とレギンスの攻撃で蹴散らす!!ついでに【貫通攻撃】【マヒ攻撃】もつけてやろう。
接近されても問題なし!!二丁の精霊銃で【零距離射撃】!!ばっちりBSもつけるね!!
何故そこまで天使さんに執着するか理解しかねるけど、もう貴方達と生きる世界が違うんだよなあ。なので退場!!

後援している彩綾{h01453)と参加
うん、任された。翠風の運び手を呼び出し、天使さん達を乗せる。安全運転心掛けるけど、周りに敵いる状態なのでちょっと荒っぽくなるのは許してくれ。念の為に護霊護国戦で護霊を呼び出し、護衛につかせる。
【運転】【運搬】フル活用!!【世界知識】も使おうか!!余裕があれば【ドローン操縦】でドローン飛ばしときたい!!まあ、無事に車運転し切って天使さん達を送り届けないとね!!
ふう、我ながらこんな荒い運転ははじめてだ。無事にすんだら車のメンテナンス必須か。

「やるぞー!」
休憩したのでやる気は十分です。やれます。
ただお子様なので、車の運転はおまかせすることになります。
「かろんはおうえんがんばる!」
「いけー!」
大神とその眷属たちを先に外に飛び出させ、その隙に車を出してもらいます。
壱獣壱式霊撃を発動。
大神の咆哮で牽制し、眷属たちが捕縛、大神の攻撃で敵を蹴散らし、車を進めてもらいます。
車を追ってこようとする敵がいても眷属たちに足止めしてもらい、大神を車の護衛に並走させれば、警戒も牽制もできるでしょう。
かろんはインビジブルから得た情報をもとに、安全そうな道を提示します。
「あっち! あっちはだいじょーぶ!」
「むこうはあぶないっていってた!」

アレンジ連携等歓迎
「強行突破で話が決まったみたいだよ、マスター」
天使たちと共に強行突破することで話は決まったみたいね、なら私は周囲の敵を倒して天使さん達が逃げる隙をつくってあげようかな、そのためには(”WZ"4連装ミサイルランチャー)、(”WZ”サブマシンガン)、などで制圧射撃を行って周囲の敵を一掃するよ、周囲の敵を一掃して逃げる隙を作った後には、殿を担当して天使さん達を追跡しようとする敵と天使さんの間に立って(”WZ”パルスブレード)で一人一人倒していこうかな。そうやって私が殿をすることで少しでも天使さん達の逃げる時間が稼げればいいね。
「強行突破で話が決まったみたいだよ、マスター」
そう、通信機の先から聞こえる、安心感のある声を耳にして、ルーシーは思わず顔を綻ばせる。けれど、本番はここからだ。ガレージに隠しておいた量産型ウォーゾーン(ブッタ)に乗り込むと、すぐさま武装の確認をしている様子。ちなみにルーシーは、天使達を乗せる車の護衛に付くつもりである。
「やるぞー!」
先ほどまで休憩して、しっかりやる気十分なかろんは、腕を大きく振り上げ、えいえいおーっと叫んでいる。ただ、まだ子供なので車の運転は出来る人におまかせだ。
「だから、かろんは、おうえんがんばる!」
「ありがと、かろんさん」
車を運転する菫に熱い応援を投げかけながら、かろんは車の護衛を買って出る。
「ここが山場だね。菫さん、天使さん達は任せた!!」
そこに声を掛けるのは、いつも菫と行動している彩綾だ。今回は一緒に乗り込まずに、その傍で並走して、護衛を務めるようだ。
「うん、任された」
その彩綾の言葉に、力強く頷くのは菫。菫は、翠風の運び手をガレージ内に呼び出し、天使達を乗り込ませていく。軽く拳を合わせて、それぞれの役割を果たすため、互いに健闘を祈る。
「逃げると決めたなら、今はとことん逃げましょう」
そう告げるのは、後から合流を果たした、|明星《あけぼし》・|暁子《るしふぇる》(鉄十字怪人・h00367)である。今まで共にいた者達だけでなく、更なる援軍を迎えて、√能力者達はより、心強く感じる。これだけのメンバーがしっかり揃っているのならば、強行突破は難しいことではないだろう。
たとえ、二人のボスが待ち構えようとも、たくさんの尖兵が居ようとも、これだけの人数がいれば何とかなるだろう。
「でも、逃げているだけでは、いつかは追い詰められてしまう。その時は戦って道を切り開くしかない。そのことを、覚えておいてくださいね」
戦いに赴く仲間達へと暁子は告げるが、ここにいる者達は既に覚悟は決まっている。それを見て、暁子もまた、天使達の乗る車へと乗り込んだ。
「それじゃあ、行こう。彼らを安全な場所へ送るために」
準備を終えたルーシーが立ち上がり、皆に声をかける。そして、敵が待ち構えている外へと飛び出したのだった。
ルーシーの搭乗する、深紅に染まった量産型ウォーゾーン(ブッタ)が、いち早く飛び出し、”WZ"4連装ミサイルランチャーを敵へと放ちながら、その手は”WZ”サブマシンガンで、車を塞ぐ敵を制圧していく。
「いけー!」
その間に、かろんも大神とその眷属たちを先に外に飛び出させ、更に。
「やっちゃえー!」
|壱獣壱式霊撃《ワンワンゴーストラッシュ》を発動させ、大神の咆哮による牽制から始まる、眷属たちの噛み付きによる捕縛に、大神の爪牙による強撃の連続攻撃を見事に見せていた。
「邪魔者排除は任せて!! 今度こそ!! レギンスフォーム!!」
そう叫ぶのは、彩綾だ。前回は失敗したが、今回は本当のレギンスフォームを発動できたようだ。
「うん、今度こそ上手くいった!! 邪魔しないでくれるかな!!」
彩綾の放った小型無人兵器「レギオン」が、レギオンミサイルによる攻撃を放つ。もちろん、それだけでは火力不足だろうと、彩綾も装備している青碧色の粒子のレーザー発生装置、青碧の閃光でもって、追撃を重ねていく。
「何故そこまで天使さんに執着するか理解しかねるけど、もう貴方達と生きる世界が違うんだよなあ。なので退場してね!!」
三人が切り開いた道を、菫の運転する車が駆け抜ける。
「それを通すな! 追えっ!!」
後方にいるアマランス・フューリーが叫ぶが、その荒々しく勢いよく飛ばしていく車には、なかなかついていけない。何故なら、彼らを守るようにルーシー、かろん、そして、彩綾がいるのだから。
「ちっ……!!」
「ならば私が行きましょう」
天使捕獲を命じられた敵の一人が、車を追っていく。
「行かせないっ!!」
咄嗟にルーシーが追撃を行うが、その敵の体力はすぐに倒れる尖兵よりも高く、尖兵らを抑える三人では抑えきれなかった。
「わわ、みんな、ここはいいから、いこう!!」
「このままじゃ、天使さん達が危ない!!」
かろんと彩綾も飛び切りの一撃を尖兵達に放ってから、その敵を追いかけていく。
「あっち! あっちはだいじょーぶ! でも、むこうはあぶないっていってた!」
事前にインビジブルから教えてもらった情報を元に、かろんも声を掛けながら、敵が追いかける仲間の車を追うのだった。
一方、菫の運転する車では。
「す、凄いスピードっ!!」
「こ、怖いよ……」
しっかり車に捕まりながら、天使達がちょっと怖がっている。無理もない。あの包囲網を突破するには、少々運転も荒くなってしまう。
飛び出す際に護衛として、菫は既に護霊護国戦を発動させ、護霊「プリズマティック・ブルー」を召還し、車の護衛につかせている。何とか多くの尖兵達を押しのけて飛び出すことができたが……。
「ごめんね。けど、もう少しすれば……」
菫がそう天使達に声を掛けるも。
「どうやら、向こうも必死なようですね」
後方を警戒していた暁子が窓を開けて、車の天井へと移動していく(天使達に窓を閉めるように告げながら)。
「着装!」
半自律浮遊砲台・ゴルディオンで牽制しながら、巨体へと変身した暁子は、あるタイミングを計っていた。
「おねーちゃん!!」
車の中から微かに応援する天使達の声が聞こえる。その言葉に暁子は瞳を細めながら。
「しつこい追手だ。ここで私は車を降りて、奴らを足止めする」
広い川にかかる橋を、菫の車が通過したところで、「とうっ!」と暁子が飛び降りる。
「おねーちゃん!?」
「暁子さんっ!!」
けれど、ここで後戻りすることはできない。それは天使達を危険に晒す行為だから。
そして、暁子が取った行動は。
「ブラスターキャノン・フルバースト!!!」
「なにっ!?」
車を追いかけていた敵の足が思わず止まる。何故なら、暁子が攻撃したのは、敵……ではなく、車が通り抜けた、その大きな橋だったからだ。
「貴様、何を考え……」
「これで終わりだと思うなよ。お前達はもうこの先へ向かうことは出来ない。なぜなら……」
ごおっと、川の上流から勢いよく水が流れてきた。この時の為に、発動していた怪人大作戦……それにより、川の上流にある巨大ダム占拠作戦が実を結び、この川に水を放出、そして、氾濫へと導いたのだ。
「くっ……これでは……」
悔しそうな表情を浮かべ、追いかけていた敵は後退していく。その間に仲間達も駆けつけてきたようだ。
「なるほど、氾濫を利用するとは」
ルーシーが思わず呟く。
「すごいすごい! これなら大丈夫そうだね!」
追いついたかろんも、思わず笑みが零れる。
「菫さん、大丈夫だといいんだけど……」
少し心配そうに彩綾が見上げる先には、ダムの緊急放水で飛び散ったのだろう、虹の橋が架かっていた。
「達者でな。生きていたらまたいつか会おう」
そう、暁子はこの場にいない天使達へと声をかけるのであった。
そして、菫はと言うと、天使達を安全な場所へと無事に送り届けることが出来た。
これも、しっかり護衛してくれた√能力者達の活躍のお陰だ。
「ふう、我ながらこんな荒い運転ははじめてだ。後で車のメンテナンス必須かな」
車に寄りかかりながらも、菫もまた空に架かる虹を見上げるのであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功