善なる殺意
「……?」
寝起きするだけの自宅にて、少女は自身の体に異変を感じた。
肉体が、金属化している。見たこともない光沢が全身を伝っていて、触れると内側の肉が引きつった。
一体これは何だろうか。そう思う彼女だが、動きに支障がないと分かると、すぐに考える事をやめて自宅を出る。
そして、いつもの仕事場へ。
「おー待っていたぞイミル、ってどうしたその体!?」
少女を出迎えたのは、悪趣味な装飾品を付けた恰幅の良い男だった。その周囲には装備を整えた護衛が数人いて、見るからに悪の親玉と言った風体だ。
そんな男に気さくに話しかけられたイミルは、たった一日で変貌した自分の体を特に気にすることもなく応える。
「起きてたらこうなってた。でも大丈夫」
「そ、そうなのか? まあ、それならいいか……」
少女の変わらない淡々とした口調に、男も次第に納得して仕事の話へと入った。
とあるビルのガレージ。庶民では手の届かない車がずらりと並ぶ中、まだ10代の少女——イミルは、今日も依頼を受ける。
「それじゃあこいつが、今回のターゲットだ。失敗するなよ」
それは、殺しの依頼だった。
渡されたのは、とある人物のプロフィールが詳細に書かれた書類。それを受け取り、記載されている情報を頭の中に叩き込む。
「今日はこの人を殺せばいいんだね。世界平和のために」
もう全部覚えたと書類を突き返すと、男は迫る金属の体に少し顔を引きつらせ、代わりに部下に書類を受け取らせた。
「ああそうだ。世界平和のためさ」
相変わらず無垢な少女の承諾に、恰幅のいい男は内心でくつくつと笑いをかみ殺す。
イミルはもうずっと、暗殺者として生計を立てている。物心ついた時からその技術を仕込まれ、それが正しい行いだと植え付けられていた。
人間の根本は悪。だから適度に間引くことで世の中はよりよく回る。
その教えに基づき闇に生きる。
彼女の|仕事《殺し》は、全て無私なる善行だった。
「忘れてないとは思うが、邪魔者の奴らも見逃さず殺せよ」
早速仕事へと向かう暗殺者に、依頼主は念を押すように告げる。それに少女はこくりと頷き、踵を返した。
と話に区切りがついた所で、部下の一人が男に耳打ちをする。
「……ボス。もしかしてですけどあの姿って例の、上が探してるっていう」
「ん? ……おお! 【天使】か! ちょ、ちょっと待てイミル!」
とあることを思い出し、男は見送った少女を呼び戻す。
「?」
「今日の仕事はなしだ! お前はここに残——」
依頼内容を変更しようとして、だがその言葉は途中で途切れた。
吹き飛ぶ車が、男とその部下たちを轢き殺す。
それは、突然の破壊だった。
周囲を一切閉じていた壁の一つが、突如として外側から爆破されたかのように破られ、その勢いのまま陳列されていた高級車を薙ぎ払う。
巻き込まれなかったのはイミルだけ。
土埃が舞う中、即座に爆心地から距離を取って少女はそれを見た。
「「「—————」」」
天使を狙う怪物——オルガノン・セラフィム。
それらは好物に引き寄せられ、爪を伸ばす。その不気味な姿にも、少女は臆さない。
「……世界平和の、邪魔をしないで」
イミルは、障害を排除するため、すかさず得物を抜いた。
●
「本当に次々と【天使化】が起きているみたいですねぇ。皆さんはもう、経験済ですか? まあどちらにせよ、心配はしていませんよ」
星詠みは、招集した√能力者たちへと語り掛ける。
「今回の保護対象は、暗殺者を生業にしているイミルという女の子です。歳は14、5歳でしょうか。既にオルガノン・セラフィムに囲まれ、交戦状態にあるらしいです。ええ、暗殺者なのでそれなりに自己防衛しているみたいですが、まあさすがに多勢に無勢です。ジリ貧なのは間違いありません。そこで皆さんに手助けに行って欲しいのです」
予言の内容から依頼を提示し、現場へと向かう扉を開くが、その前にと人差し指を立てて警告した。
「ただ一つ注意しておいて欲しいのが、保護対象の彼女は少し価値観が歪んでいるみたいでして、それによって何か問題が起きるかもしれません。まあ、臨機応変に対応してください」
結局は具体的な事は伝えず、√能力者たちを送り出す。
「それでは、よろしくお願いしますね」
第1章 集団戦 『オルガノン・セラフィム』

POW
捕食本能
【伸び縮みする爪】による牽制、【蠢くはらわた】による捕縛、【異様な開き方をする口】による強撃の連続攻撃を与える。
【伸び縮みする爪】による牽制、【蠢くはらわた】による捕縛、【異様な開き方をする口】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD
生存本能
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【黄金の生体機械】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【虹色の燐光】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【黄金の生体機械】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【虹色の燐光】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
WIZ
聖者本能
半径レベルm内の敵以外全て(無機物含む)の【頭上に降り注がせた祝福】を増幅する。これを受けた対象は、死なない限り、外部から受けたあらゆる負傷・破壊・状態異常が、10分以内に全快する。
半径レベルm内の敵以外全て(無機物含む)の【頭上に降り注がせた祝福】を増幅する。これを受けた対象は、死なない限り、外部から受けたあらゆる負傷・破壊・状態異常が、10分以内に全快する。

仕事ならとは言いましたけど、やはり面倒ごとには巻き込まれたくない……
それに荒事もあまり得意じゃないんですよ
かといって、困っている人を放っておくわけにもいかないですから
少しだけ……本当に少しだけお手伝い
『ウィザード・フレイム』を使用、少しでも敵の数を減らすよう援護
数を減らせば彼女ならある程度は何とかする……はず?
危険そうなら割り込みましょう。
こんな事に巻き込まれるなら大人しくどこかぶらぶらしてればよかった
今更ですか、ですよね……やるだけやりましょう
ハイネ・ハイネは億劫そうに星詠みの予言を聞いていた。
「仕事ならとは言いましたけど、やはり面倒ごとには巻き込まれたくない……それに荒事もあまり得意じゃないんですよ」
そうは言いながらも、足は事件現場へと向かう。
「かといって、困っている人を放っておくわけにもいかないですから。少しだけ……本当に少しだけお手伝い」
破壊されたガレージ。そこでは既に戦闘が始まっており、保護対象である少女が複数のオルガノン・セラフィムを相手取っていた。
暗殺者と言うだけあってかなりの手練れだ。しかし、怪物の数は増える一方。
ハイネ・ハイネは、√能力【ウィザード・フレイム】を行使し、ウィザードフレイムを召喚した。それらはたちまち怪物に憑りつき、攻撃をしては消えていく。
暗殺少女のおかげで詠唱するだけでいい楽な仕事だと高をくくっていたハイネ・ハイネだったが、彼女の功績には怪物たちも見過ごせなくなる。
——!
まずはこの魔術師をどうにかしないとと考えた数体が迫ってくる。それをすんでのところでかわし、ハイネ・ハイネはため息をついた。
「こんな事に巻き込まれるなら大人しくどこかぶらぶらしてればよかった。今更ですか、ですよね……やるだけやりましょう」
ぶつくさ言いながらも彼女は、剣を抜く。
🔵🔵🔵 大成功

天使病か。どんなものでもどんな世界でもそうだが未知なるものには心躍るなにかはある。
別途解析したりはしたがやはりサンプルとデータは多い方がよいと思うので…オルガノン・セラフィム狩りに勤しみに来た次第である。なのでそもそも今回の事件に関しては星詠の話を聞いてやってきたというわけではなく、本当に偶然だったりする。
で、保護すべき対象がどうとかはそもそも偶然来ただけなので話聞いてないから一旦置いとくとして、目の前の敵に関しては【早業】【貫通攻撃】【爆破】に加えて【重量攻撃】と【切断】辺りでじっくりと観察するように戦っていくことにする。
逆に言えば興味対象じゃなくなったら即潰すという裏返しでもあるけども。
石動・悠希は、天使がひしめく戦場にほくそ笑む。
「天使病か。どんなものでもどんな世界でもそうだが未知なるものには心躍るなにかはある」
彼女は星詠みの話を聞いたわけではなく、偶然居合わせたらしい。サンプルデータにオルガノン・セラフィムを狩ろうと、戦いに割って入る。
当然、いらない用を知らない彼女は、既に怪物たちと戦っている暗殺者の少女を、同業者かと首を傾げる程度で気にしなかった。それよりもと理性のない天使のなりそこないに興味を注ぐ。
「じっくり、観察させてもらおうかな」
√能力【クラフト・アンド・デストロイ】にて、必要な道具をその場でこしらえる。まずはその金属化した体と言うのはどれだけの耐久性があるのか。
針を通し、爆風で焼き、重しで潰して、刃で切る。
両手に収まらない道具をその度に制作解体をして、絶え間ない実験を繰り返した。あまりの早業で、その興味はいつも持続しない。
「んー、ま、大体わかったかな」
石動・悠希はそう言い捨てると、最も効率のいい手段で、怪物たちを片付けていく。
🔵🔵🔵 大成功

(アドリブ・協力ご自由にお願いします!)
無害ちゃんは乱戦の中心に踊り込むと、イミルの背後に滑り込みながら、すぐに状況を把握した。凶悪な爪が宙を裂き、不気味な姿の怪物が絡みつこうと迫る。獲物を逃がすまいと狙いを定めているのだ。
「さぁさぁ! 出たとこ勝負だよ!」
無害ちゃんはニヤリと笑うと手の中に現れた賽子を高く弾く。軽快な音を立ててそれらが地に落ちた瞬間——大・博・打(ギャンブル・ボム)による霊能震動波が炸裂した。敵の足元が激しく揺れ動き、爪の精度が鈍る。無害ちゃんはイミルに向かって軽く手を振り、悪戯っぽく囁く。
「ここはカジノじゃないけど、運試しにはちょうどいいかもね?」
無害・チャンは乱戦の中心に踊り込むと、イミルの背後に滑り込みながら、すぐに状況を把握した。
「なるほどー、あの子たちを倒せばいいんだね?」
「あなただれ?」
「無害ちゃんだよ! 無害ちゃんって呼んでねっ?」
暗殺少女イミルから訝しむ目を向けられ、それに対して底抜けに明るい笑顔を返す。それから味方であると示すように、怪物と対峙した。
凶悪な爪が宙を裂き、不気味な姿の怪物が絡みつこうと迫る。獲物を逃がすまいと狙いを定めているのだ。それにもまた彼女は笑いかける。
「さぁさぁ! 出たとこ勝負だよ!」
手の中には賽子。それを高く弾けば、怪物の目も奪って。
軽快な音を立てて地に落ちる——その瞬間
——!!!
√能力【|大・博・打《ギャンブル・ボム》】による霊能震動波が炸裂する。怪物の足元を激しく揺らし、身動きを鈍らせた。
今がチャンスだよとばかりにイミルに向かって軽く手を振り、無害ちゃんは悪戯っぽく囁く。
「ここはカジノじゃないけど、運試しにはちょうどいいかもね?」
🔵🔵🔵 大成功

基本は専守防衛寄りな後方支援が主で、主役はメインでプレしてる人です。
その方々達の手助けになれば幸いです。
WZ使用者へなら【クラフト・アンド・デストロイ】での手早い補修も行けるので継戦力に一役買えそうです。
【白銀の雫の願い】なら汎用的にお手伝いもできそうですね。
攻勢ならば【ヴェノム・バレット】で切り込み役援護射撃や
【蜃気楼の分隊】での戦線押上げ【相乗りWZ】は死闘の後の回収班など、
[ドローン操縦]を用いての戦場把握しながらオペ的な援護も行けそうです。
年端いかないのは確かですが一人の兵士として
大変な世界ですが生き抜いていくのですー
あ、一応。興味はなくない…ですけど、えっちなのはいけないらしいです。
森屋・巳琥もまた戦場に現れる。
「私に出来る事はあるかな?」
【天使化】した少女を狙って、集うなりそこないの怪物——オルガノン・セラフィム。駆け付けた√能力者によってかなり数を減らしていた。
戦いはもう参加しなくても、どうにかなりそうだと分かると、幼い兵士は量産型ウォーゾーンに乗って、戦場の片づけを始めた。
「あなたも、一緒に乗らない?」
「……面白そう」
√能力者たちにお株を奪われた、今回の依頼対象である暗殺少女イミルを乗せて、怪物たちの体を一つにまとめる。何かと経験の少ないイミルは、量産型ウォーゾーンに乗っているだけで楽しそうにしていた。
そんな風に気を抜いていた時、片付けていた怪物の体が突如として動く。
「危ない!?」
力尽きたと思っていたそれは、【天使化】した少女の接近に反応して金属の爪をたちまち伸ばしてきた。しかし直前で、量産型ウォーゾーンの厚い装甲が弾く。
「危なかったわね」
森屋・巳琥はそう笑いかけて、危なげなく処理を進めるのだった。
🔵🔵🔴 成功
第2章 ボス戦 『暴食の破壊者』

POW
邪魔な奴等、クソみてぇな世界!全部壊してやらァ!
自身の【異形の肉体】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【相手の武器を脆くする効果】を付与する【崩滅形態】に変形する。
自身の【異形の肉体】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【相手の武器を脆くする効果】を付与する【崩滅形態】に変形する。
SPD
負の感情を寄越せ、もっと俺に喰わせろ!
【負の感情を喰らう怨霊の群れ】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【捕食】に対する抵抗力を10分の1にする。
【負の感情を喰らう怨霊の群れ】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【捕食】に対する抵抗力を10分の1にする。
WIZ
誇りや信念なんざ使えねえ、反吐が出るんだよォ!
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【膨張させた異形の肉塊】を、同時にレベル個まで具現化できる。
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【膨張させた異形の肉塊】を、同時にレベル個まで具現化できる。
「ありがとう。助けてくれて」
【天使化】した少女は、怪物の対処を手伝ってくれた者に感謝を告げた。
暗殺という生業をしているせいか、その表情は起伏がなく、けれどその時向けられた視線には何か鋭いものが宿っていた。
「ところであなたたち、妙な力を使っていたけど、もしかして√能力者?」
応えなかったところで、彼女は見抜いていただろう。そしてそうと分かると再び|仕事道具《ナイフ》を握り込む。
「……そっか。それなら仕方ないね」
その瞬間、刃が振るわれた。
手助けをしてくれた恩人たちに向けて、一切の容赦のない|仕事《殺し》が行われる。
「あなたたちは、世界平和の”邪魔者”だもんね」
それは、彼女を育てた者たちに常日頃から刷り込まれていたこと。怪物たちに潰された今となっては、遺言とすら言えただろう。
何も知らない少女は、それが真実と思い込んでいた。
そんな状況の中、再び現れる敵意。
『天使はどこだ』
何者かに操られた高位怪異が、【天使化】した存在を求めて力を振るう。
「……ああ」
自分を捕らえようとするそれを一瞥しながらも、イミルは敵と認識せずに√能力者の排除を優先した。
それは、善なる殺意。
金属のように、冷たく硬い。

思った以上の面倒ごとになったじゃないですか……
恩を仇で返すなんて、ずいぶんな世界平和ですね
それでも保護対象である貴女を守らないとダメなんですよ?
……あまり邪魔すると仕事を忘れて攻撃しそうですから
死にたければ構いませんけど、今だけでもいいので大人しくしてくれますか?
私でもちょっと怒りますよ?
武器を取り出し、時間が掛かる√能力は諦めて手軽な『戦闘錬金術』を使用
さっきはきつく言いましたが、しっかりとイミルを敵から守るように
敵と彼女、二人相手ですから少々のダメージは覚悟しましょう
ハイネ・ハイネはため息を吐く。
「思った以上の面倒ごとになったじゃないですか……」
刃を向けてくる助けた少女。恩を仇で返すとは、ずいぶんな世界平和を目指しているものだと悪態すらつきたくなった。
それでも、保護対象である彼女は守らなければならない。
「……あまり邪魔すると仕事を忘れて攻撃しそうですから。死にたければ構いませんけど、今だけでもいいので大人しくしてくれますか? 私でもちょっと怒りますよ?」
そう投げかけながら、武器を取り出す。時間はかけていられないと、手軽な√能力【|戦闘錬金術《プロエリウム・アルケミア》】を行使した。
手にする武器がたちまち変形し、対象に致命的なダメージを与える錬金毒を宿す。それを向けるのは当然、割って入ってきた怪異——暴食の破壊者だ。
きつい言葉を放ちはしたものの、しっかりとイミルを敵から守るように動く。しかし、すぐに挟まれて、完全な無傷とはいかない。
「……まあ、仕事ですから」
ハイネ・ハイネは仕方が無いとばかりにそう言った。
🔵🔵🔵 大成功

…やれやれ。(助けた覚えもないが)
殺すなら殺せばいい。『殺せるなら』な。だが…そんなこと言ってられる場合でもないだろうが。とりあえず…アレをどうにかしてからじゃないとお前さん自分を殺すという事すらできんし何ならアレは自分らと協力しない限りお前さんを食う気満々で永遠に追いかけ続けるだろうね。
割と目的以外には今回は興味なしで行こうと思ったがこんな状況でも自分のことをかなぐり捨ててもこちらの排除を優先するなんて面白い。
だから…こっからは只のおせっかいだ。
勝手に助け舟出して怪異の相手はしてやるか…それでも襲ってくるだろうしその行動も敵にぶつけるように誘導しながらね…それで力量差がわからんならそこまでよ
石動・悠希は呆れて少女を見つめる。
「…やれやれ。殺すなら殺せばいい。『殺せるなら』な。だが…そんなこと言ってられる場合でもないだろうが」
助けた覚えはないにしろ、状況を判断出来ずに刃を向けられるとは。考えなしの少女に向けて、今取るべき行動を突き付ける。
「とりあえず…アレをどうにかしてからじゃないとお前さん自分を殺すという事すらできんし何ならアレは自分らと協力しない限りお前さんを食う気満々で永遠に追いかけ続けるだろうね」
「……あれなら大丈夫。それより、√能力者は殺さなくちゃ」
「大丈夫? 何か知ってるのかな?」
「……」
問いに、少女は応えなかった。今まさに怪異につかまろうとしながらも、√能力者の排除を優先する。
今回は目的以外に興味なしで行こうと思っていた石動・悠希だったが、その少女の行動に少し面白いと感じていた。
「だから…こっからは只のおせっかいだ」
半身で取り組むのはやめて、√能力【LINK-AGE】を行使する。迫る怪異の相手をしながら、少女の行動をぶつけるように誘導した。
「…これで力量差がわからんならそこまでよ」
そうして品定めするように立ち回る。
🔵🔵🔵 大成功

半人半妖(火車)の妖怪探偵×職業暗殺者、21歳の女やね。
口調は関西弁。
猫の俊敏さと隠密性、探偵としての調査力を活かし、敵への不意打ちや奇襲を得意としています。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!

梅の霊木の人妖で、Ankerは√妖怪百鬼夜行にいる「あるじ様」(人も妖も分け隔てなく教える学び舎の先生で、聖なる乙女)よ。
欠落は「憎む心」で、憎しみを抱くことはないわ。
そのせいで心が傷ついたりすることがあるのを癒してくれるのがあるじ様の存在。
とはいえ戦うべき相手を倒すことは厭わないから、ある意味では歪んでるって言われるかもね。
√能力はどれでも使用するけど、<一夜もあれば、私はあなたのもとへ飛んでいく>は先陣を切れるとき。
戦闘スタイルは空中ダッシュできる特殊な足運びで素早く立ち回る格闘者って感じね。
口調はここで書いてるこんな感じ。
NGはセンシティブおよび公序良俗に反すること、指定のない恋愛表現。

人妖「九尾狐」の古龍の霊剣士×霊能力者、21歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、友達には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
基本戦闘職の為サポートの戦闘役として露払いや前衛を担います。
戦いの無いときは仲間の補佐や護衛役に回り行動を依頼達成のための邪魔にならないように行動します。
白姫・ニャンフェルト・ニャオンリンデ・梓乃は敵の背後から現れる。
「あんま状況分かんないけど手助けするでっ」
妖刀『狂華酔月』を振り回し、【天使化】した少女を狙う怪異——暴食の破壊者へと攻撃を加えた。
邪悪なものが入り混じったような醜悪な腕が、反撃にと迫る。それを猫の俊敏さで容易くかわし、常に背後を位置取った。
『負の感情を寄越せ、もっと俺に喰わせろ!』
怪異が突如として大気を震わせると、その体の内から続々と負の感情を喰らう怨霊の群れが現れる。それらは目標も定めずに、周囲全てを捕食しようと放たれた。
「数には、数やな!」
対抗して√能力【|百鬼夜行《デモクラシィ》】が行使される。配下妖怪が召喚されて行き、怨霊とそれぞれ対峙した。
相手の優位を着実に潰しながら、白姫・ニャンフェルト・ニャオンリンデ・梓乃は確実に敵の体力を削っていった。
●
東風・飛梅は躊躇なく敵の前に立ちはだかる。
「とにかく、あなたが邪魔みたいだから。帰ってもらうわね」
天使を欲する怪異が返事するわけはないと分かりながらもそう語り掛け、√能力【|知る人ぞ知る色も香も《シルヒトゾシルイロモカモ》】を発動した。
「意識がお留守よ。花に見とれてしまったかしら?」
梅の花を舞い散らせて牽制、相手が戸惑うその隙に組み付き、異形の体が急所を見つけて蹴り上げる。
攻撃が止まる事はない。繰り返される攻撃に、怪異は少し動きを止め、しかし突然震えだす。
『邪魔な奴等、クソみてぇな世界! 全部壊してやらァ!』
異形の肉体が鳴動し、崩滅形態へと変形する。その肌に触れた梅の花がたちまち崩れていって、迫る拳も同じ末路をたどらせようとした。
「厄介な技を使うのね」
東風・飛梅は敵に捕縛される寸前で、空中を蹴って回避する。油断せず慎重に、敵の隙を探した。
●
伏見・那奈璃は怪異は他の√能力者に任せて、味方を狙う【天使化】した少女の対応に走った。
「事情は知らないけれど、大人しくしてくれない?」
√能力【霊能波】を発動し、俊敏に動き回る少女に霊波ダメージを与える。
「っ」
とはいえ彼女も鍛えているのだろう。一度では止まらない。ならば重ねるまでと繰り返した。
とその時、視界の端で怪異が叫ぶ。
『誇りや信念なんざ使えねえ、反吐が出るんだよォ!』
戦場で爆破が起き、それを中心して精神汚染が広がり、居合わせた者たちはたちまち自分の心に正直になった。
それは、【天使化】した少女、イミルも同じ。
「なんで、√能力者は世界平和の邪魔をするの?」
「あなたが騙されてるのよ。あなたを育てた人は、あなたを道具と鹿思っていないかったみたいね」
「……嘘」
「あなたが無能でないなら、今私たちが嘘を付けないのは分かるんじゃない?」
辺りに広がる怪異による精神汚染。それを逆手にとって、少女の心を揺らがした。
イミルは混乱する。足を止めた途端、怪異の放った肉塊が迫った。
しかし伏見・那奈璃の霊剣が、切り払う。僅かに傷を負いながらも自分をかばってくれた敵に、少女はナイフを手放していた。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功
第3章 ボス戦 『羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』』

POW
純白の騒霊の招来
【奴隷怪異「レムレース・アルブス」】を召喚し、攻撃技「【嘆きの光ラメントゥム】」か回復技「【聖者の涙ラクリマ・サンクティ】」、あるいは「敵との融合」を指示できる。融合された敵はダメージの代わりに行動力が低下し、0になると[奴隷怪異「レムレース・アルブス」]と共に消滅死亡する。
【奴隷怪異「レムレース・アルブス」】を召喚し、攻撃技「【嘆きの光ラメントゥム】」か回復技「【聖者の涙ラクリマ・サンクティ】」、あるいは「敵との融合」を指示できる。融合された敵はダメージの代わりに行動力が低下し、0になると[奴隷怪異「レムレース・アルブス」]と共に消滅死亡する。
SPD
輝ける深淵への誘い
【羅紗】から【輝く文字列】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【頭部が破裂】して死亡する。
【羅紗】から【輝く文字列】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【頭部が破裂】して死亡する。
WIZ
記憶の海の撹拌
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【羅紗の記憶海】」から【知られざる古代の怪異】を1体召喚する。[知られざる古代の怪異]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【羅紗の記憶海】」から【知られざる古代の怪異】を1体召喚する。[知られざる古代の怪異]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
√能力者たちによって怪異が滅され、【天使化】した少女も無力化したその場所にて。
新たな足音が一つ。
「暗殺者イミル。何度か仕事があったみたいね。それじゃあ今回の仕事は簡単よ」
羅紗の魔術塔所属の魔術師——アマランス・フューリー。
彼女は、事態を愕然とする天使に向けて、いつものように依頼を投げた。
「あなたの身柄をこちらに寄越しなさい」
イミルは、その声に聞き覚えがあった。
もとより、現れた怪異も知っていた。
暗殺と言う彼女の仕事の、得意先。間違った価値観を植え付けた要因の一つ。
「……」
イミルは、自分の行いが正しかったのかと振り返る。
その答えは出ない。だから考えるのもやめて、いつものように依頼されるがまま歩き出した。

行ってはダメよ、イミルさん。
考えるのを止めてはいけないわ。
あなたが天使になろうとしていることは、あなたの善性を示しているはず。
そんなあなたであれば『答え』に辿り着けるはずだから。
世界平和のためと『言われたから』じゃない。
人々のために、なにをなせばいいと思ったか、が大事なのよ。
そうイミルさんに呼び掛けながら、√能力<一夜もあれば、私はあなたのもとへ飛んでいく>で先陣を切って、アマランスさんに格闘術で挑みかかるわ。
輝く文字列のダメージも、体力が追い込まれさえしなければ微弱であるはず。
<空中ダッシュ><見切り>で回避しながら<カウンター>を決めるわよ。
東風・飛梅は先陣を切って駆け出した。
「行ってはダメよ、イミルさん。考えるのを止めてはいけないわ」
自ら敵の手に渡ろうとする少女を追い越して、√能力【一夜もあれば、私はあなたのもとへ飛んでいく】を行使して格闘術で挑みかかる。
「あなたが天使になろうとしていることは、あなたの善性を示しているはず。そんなあなたであれば『答え』に辿り着けるはずだから」
アマランス・フューリーは羅紗から輝く文字列を放ってダメージを蓄積させてくる。それを見切って空中を走りながら避け、カウンターを返した。
そうして攻撃をいなしながらも、未だ答えを見いだせない少女に正しい道を教える。
「世界平和のためと『言われたから』じゃない。人々のために、なにをなせばいいと思ったか、が大事なのよ」
「……分からない。私は、考えるの、苦手だから」
イミルは生まれてからずっと、自分で考える事を放棄してきた。だから、今更になって選ぶことはとても難しい。
そんな少女を、東風・飛梅は少し過去の自分を見ているような気になった。
「それなら、あなたにも先生が必要ね」
役不足かもしれないと思いながらも、その背中を見せる。自分もそうしてもらったように、恩返しのつもりで少女へと繋いだ。
🔵🔵🔵 大成功

あー…あの怪異に対して大丈夫と言った理由はそういう。
つまるところどっちにしても彼女で√能力者が殺しても殺し損ねても、怪異に殺されようが殺されまいが最終的には自分の利に転がるようになってた、と。
…実に合理的なことだが。一個だけ計算違いがあったかな
この場に来た(自分以外。星詠から話聞いてないから)が全員この手の相手に慣れ過ぎだって事。
だから割と早期に戦いは決着がつくだろうという予測の元ある程度静観しておきます。
彼女がどう動くかも気になる所ではあるし相手の奥の手に備えておくのも必要だろう。
尤もな話元々オルガノン・セラフィム狩りでたまたまその場に来ただけだしねぇ?ことが終わったら後始末はしとくけど。
石動・悠希は敵の言葉を聞いて、納得する。
「あー…あの怪異に対して大丈夫と言った理由はそういう。つまるところどっちにしても彼女で√能力者が殺しても殺し損ねても、怪異に殺されようが殺されまいが最終的には自分の利に転がるようになってた、と」
これまでの戦いで救うべき少女がなぜ攻撃してきたのか、全てを理解して、確かに策としては間違っていないと告げた。
「…実に合理的なことだが。一個だけ計算違いがあったかな」
この場に来ている√能力者たちは、この手の相手に慣れ過ぎている。だから決着も割と早期に着くだろうと予測して、静観を決め込む事にした。
果たして彼女がどう動くのか。それに相手の奥の手に備えておくのも必要だろう。
「尤もな話元々オルガノン・セラフィム狩りでたまたまその場に来ただけだしねぇ?ことが終わったら後始末はしとくけど」
他の√能力者の言葉で、少女は既に足を止めていた。石動・悠希は、説得上手だなーとのほほんと眺めながら片手間に、敵が召喚した怪異を蹴散らしていくのだった。
🔵🔵🔵 大成功

たまたま贔屓してた暗殺者が天使化したから連れて行こうという感じですか?
どこまでも話が面倒でややこしくなりますね……
でもこれが終われば仕事も終わりゆっくりできます
今少しばかり頑張りましょう
戦闘では再度『戦闘錬金術』使用
今回はイミルが邪魔する様子がないから回避に専念できそうね
わざわざ済んだことを正しいかなんて説く気なんてありませんよ
私も面倒でふらふらしている節がありますから
ただ、答えが出ない時は立ち止まるのも悪くありませんよ
ハイネ・ハイネは少し頭を抱えていた。
「たまたま贔屓してた暗殺者が天使化したから連れて行こうという感じですか?どこまでも話が面倒でややこしくなりますね……」
普段だらしない彼女は、状況整理が苦手らしい。ややこしい展開に少し辟易としている様子だった。
とはいえここを乗り切れば、仕事も終わり。あとはゆっくりできると気合を入れる。
「今少しばかり頑張りましょう」
そうして、彼女は天使をさらおうと現れたアマランス・フューリーへと肉薄した。√能力【|戦闘錬金術《プロエリウム・アルケミア》】を使用して立ち回る。
敵が放つのは輝く文字列。一つ一つ大したダメージはないが、蓄積すれば致命的だ。しかしこんかいは今回はイミルが邪魔する様子もないから回避に専念できた。
戦いながらも一応と、迷う少女に言葉を投げかける。
「わざわざ済んだことを正しいかなんて説く気なんてありませんよ。私も面倒でふらふらしている節がありますから。ただ、答えが出ない時は立ち止まるのも悪くありませんよ」
🔵🔵🔵 大成功

人妖「九尾狐」の古龍の霊剣士×霊能力者、21歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、友達には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
基本戦闘職の為サポートの戦闘役として露払いや前衛を担います。
戦いの無いときは仲間の補佐や護衛役に回り行動を依頼達成のための邪魔にならないように行動します。
伏見・那奈璃もまた、アマランス・フューリーに立ち向かった。
「神霊来りて、顕現せよ・・・麒麟」
√能力【|神霊麒麟・雷光閃《シンレイキリン・ライコウセン》】を行使して心霊を纏い、高速で敵の懐へと潜り込む。
しかし敵も、知られざる古代の怪異を召喚して、その肉薄を妨害した。振るわれる霊剣を、太い腕で怪異が受け止め、互角の戦いを演じていく。
「【麒麟・雷光閃】!」
だがその一閃が、戦況を変える。
知られざる古代の怪異は、体を両断されその場に崩れ落ちた。そしてそのまま、術者であるアマランス・フューリーへと迫り、刃が振り下ろされる。
戦いの最中、【天使化】した少女――イミルは、傍観するばかりだった。
暗殺者として生きてきた彼女は、それが世の中のためになると思っていた。
しかしそれは間違いで、悪であると思っていた√能力者は身を挺して自分を守ってくれている。
どうするべきだったのか。
苦手ながらも必死に考えた。自分に出来る事はないか、やっぱり彼女は、人のために世のために尽くしたいと思っていた。
そう言う少女だったからこそ、天使に選ばれた。
アマランス・フューリーが下された時、イミルは自らの足で歩み出した。
自分が人のためにあれるよう、√能力者たちの手を取った。
🔵🔵🔴 成功