シナリオ

3
霧の森の天使を救え

#√汎神解剖機関 #天使化事変 #羅紗の魔術塔 #常時プレイング受付 #途中参加歓迎

タグの編集

作者のみ追加・削除できます(🔒️公式タグは不可)。

 #√汎神解剖機関
 #天使化事変
 #羅紗の魔術塔
 #常時プレイング受付
 #途中参加歓迎

※あなたはタグを編集できません。

●√汎神解剖機関・ヨーロッパのとある森
 その女性、ミス・トフォグは霧の中に囚われていた。
 物理的、心理的な意味の両方においてである。
 事の始まりは、ボランティアで森の清掃活動に参加したこと。黙々とゴミ拾いに没頭していたら、何の前触れもなく彼女の肉体に異変が起こったのだ。
 まるで、神様か誰かが悪戯で拵えた出来の悪い「人間の偽物」……とでも言うしかない、翼の生えた異形の姿へと変わってしまったミス・トフォグは、しかし戸惑っている暇もなくバケモノの群れに襲われる。
 変異した彼女自身と似て非なる容姿をしたバケモノに追われて、森の奥へと逃げ込んで、気づいたら濃密な霧に包まれて1フィート先すら視界の利かない状況に陥っていた。
「……他の人たちは無事なのかしら」
 霧の向こうから、バケモノのうなり声が聞こえてくる。多少は迷っているのかもしれないが、諦めることもなくミス・トフォグを追いかけてきているようだ。
 こんな恐ろしい状況において、彼女は我が身よりもボランティアに参加した仲間たちを案じていた。
「アイツらはあたくしだけを執拗に狙っているみたい。だったら、人のいない方へ逃げれば被害を減らせるかもしれないわね」
 他者のため、一身に危険を集中させるべく、足を動かし続ける。たとえ逃げた先に救いがなくとも、時間稼ぎくらいはできるものと信じて。
 ……しかし、ミス・トフォグは知らなかった。己にせまるバケモノたちの正体こそ、無事を願うボランティアメンバーの成れの果てだということを。

●ブリーフィングルーム
「『天使化』という病はご存知でしょうか」
 田抜・くのえ(狸ではない洗い屋・h00255)は、真剣な様子で話し始めた。
 最近になって突然流行し始めたそれを、あなた方はすでに見聞きしているかもしれない。天使化とは「善なる無私の心の持ち主のみ」が感染するとされるヨーロッパの風土病だ。
「この度、某所でボランティア活動を行っていた一団が発症したのを確認しました。ほとんどは『オルガノン・セラフィム』という怪物に身を堕として手遅れですが……たった一人だけ、理性と善の心を失わず『天使』として覚醒した女性がいるようです。皆さまには、彼女の救出をお願いいたします」
 そう言って、くのえは要救助者の情報をあなた方に伝える。
「今は濃い霧がたちこめる森の奥でさまよっていらっしゃるので、まずは合流することからですが……このお方は責任感が強いらしく、皆さまを危険に巻き込むまいとするでしょう。ただ見つけるだけでなく、何らかの説得も考えておくべきと存じます」
 霧の中で天使を探し出す。
 一人で抱え込もうとする彼女を説得する。
 最初の任務はその二点が重要になるだろう。
「残された時間はあまりありません。オルガノン・セラフィムは天使を捕食しようとしていますし、秘密結社『羅紗の魔術塔』の一員である『アマランス・フューリー』が奴隷として回収しようと動いています。どうか皆さま、天使さまをよろしくお願いいたします」
 くのえは深々と頭を下げて、あなた方を見送った。
これまでのお話

第3章 集団戦 『暴走護霊『樹海を目指す群生植物』』


POW 我はいずれ生を育もう。だが今は、死こそを求めん。
【|種《己》の使徒たる無貌の鹿 】を召喚し、攻撃技「【潰されよ、そして我が|肥《糧》となれ】」か回復技「【穢れたる命よ、我と同化し清浄な森に還れ】」、あるいは「敵との融合」を指示できる。融合された敵はダメージの代わりに行動力が低下し、0になると[|種《己》の使徒たる無貌の鹿 ]と共に消滅死亡する。
SPD |森《我》は繁茂するもの、先ず目指すは原野なり。
【|種《己》の使徒たる無貌の鹿 】による近接攻撃で1.5倍のダメージを与える。この攻撃が外れた場合、外れた地点から半径レベルm内は【白光植物の群生域】となり、自身以外の全員の行動成功率が半減する(これは累積しない)。
WIZ |森《我》は侮らぬ、汝らは|森《我》の天敵なり。
「全員がシナリオで獲得した🔵」と同数の【|種《己》の使徒たる無貌の鹿 】を召喚する。[|種《己》の使徒たる無貌の鹿 ]は自身の半分のレベルを持つ。
√汎神解剖機関 普通11


 この場面では、逃げるのがベスト。
 オルガノン・セラフィムの群れを排除したあなた方はそう判断して、いくらか体力の回復したミス・トフォグとともに逃走を開始することになる。
 それを羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』は、生い茂った草木の向こうから察知していた。
『……チッ。こっちに来ればいいものを、狩りの邪魔だけしてすぐ逃げるとはな。やすやすと帰してやるのは業腹だが、しかしわざわざ追いかける価値があるかと言えば……む?』
 つまらなそうな表情だったアマランスは、ふと何かに気づいて、両の眼を見開いた。
『まさか、そんな……あれは本物の「天使」か! そうなれば話は違う。是が非でも、我が手に収めなくては』
 俄然やる気が満ち満ちて、アマランスは身にまとう羅紗を輝かせると、白魚のごとき手の平で地面に触れる。
『目覚めよ、我が奴隷怪異。ーー暴走護霊「樹海を目指す群生植物」!』
 ゾワワッ!!
 魔術師を中心として森がざわめき、土を持ち上げて出現したのは白く光る不思議な植物だった。
 邪気を帯びた白光植物はどこからともなく『無貌の鹿』を召喚すると、主人たるアマランスの命令に従ってあなた方を追撃させる。

 さあ、追いかけっこの始まりだ!
 怪異植物の勢力がおよぶ範囲外まで逃げきれたら、あなた方の勝利。その前にミス・トフォグが敵方に奪われてしまったら敗北。
 どちらにしても、結末にたどり着くまであと少しである。