超よく飛ぶペットボトルロケット!今なら税抜き千円!
なんとも奇妙な光景だ。
「――すげえめっちゃ飛んだ!!」
「だっははは!! オトナの科学力ってのはこーいうコトだ!」
その日赤峰・寿々華が目にしたのは、自分より背丈が半分以下の子どもたちに紛れて遊ぶ天使もどきの姿であった。
「フェリクスくん? 何してるのそれ」
愛車ならぬ愛箒、ポンダ・CX250に跨がり見つけた、あまりに目立つ集団に興味を持ち河川敷に降りてみれば。
「ペットボトルロケット! 懐かしくね?!」
少年が遠くに落ちたロケットを走って持って帰って来る。……ばっちばちのオトナ工作――!
そばに置かれた段ボール箱の中には切られたペットボトルやカッターナイフ、テープなども一緒に入っており、子どもたちと一緒に制作していた様子だ。
「横でどこまで飛ぶか試してた!」
「次は真上! ってコトでこれ発射台!」
胸を張る子供に合わせて同じ様に胸を張るフェリクス。なにしてんだ。
ともあれ上空、と思って見上げる。確かにここなら電線の類もないし、風もない。安全だろう。
「ねーちゃん空とんでた!」
あっ厄介な言葉。
「そーだ、オレちゃんが飛ぼうと思ってたが……アンタならいけるな!?」
「え!? 何の話!?」
ほんとに何の話だ! と聞けば。
「どこまで飛んだか、測ってもらうの!」
集まっていた少年の一人が渡してくるは重しがつけられた長いヒモ。なるほど、これで何メートル飛んだか、フェリクスが空中でキャッチして計測、という自由研究めいた遊びである。
――面白いじゃないか!
「よーし……了解! 上で待ってりゃいいんだね!」
「オッケーあんがと! 全力で飛ばしたらァ!!」
「いえーい!!」
はしゃぐ子どもたちにフェリクス、そして寿々華。大人げないが子供じみた戦いが今、始まる!
「かうんとだうんー!」
「いいよー!」
下で数えはじめる子どもたち、上空には箒に跨る寿々華。
5、4、3、2……1!
「――うっわ想定超えた!!」
「わあー!?」
おバカな奴らの超出力。どう作ったんだよこれと高く飛ぶペットボトルロケットにすぐ追いついて、見事宙で手に取ったそれ。
念の為と離れてもらいヒモを垂らせば。
「……100メートル超えてるぅ!」
とんでもねえ高さを記録!!
「新記録!?」
いや何度か飛ばしとるんかい。笑い声をあげる寿々華たち。
何度か打ち上げ、更に新記録を樹立して。
遊び疲れる頃にはきっと、夕暮れがすぐそこに迫っていることだろう――。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功