シナリオ

※このノベルの9割近くは夢と嘘で出来ています

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 ここは知る人ぞ知るファンシーショップ『大鍋堂』。店主代理は|諸事情で居《発注に含まれて》ないが、勿論女の子だ。だって|そういう世界観《エイプリルフール》だから。

 ん?
 そいつ『も』?
 ということは……つまり!

「カナトさん、お昼何食べます? カレー? 了解です」
「シグちゃん全然話聞いてないね。ていうか今日金曜日だっけ?」
 緇・カナト(少女)は適当をこいた。野分・時雨(少女)も適当をこいているのでお似合いだろう。そういう世界なのだからしょうがない。
 そう、|ここの《・・・》二人はいずれも少女。胡散臭くて馴れ馴れしい台風みたいに通り過ぎていく奴も少女。みんな少女。もともと女性の方々はわからない。
 当然二人とも可愛い。出てこない奴らも大体可愛い。少女という時点で可愛いのだから!
「まだ火曜日だよ。でもほら、イエローと言えばカレーですから」
「ちょっとよくわかんないな~。でもカレー美味しいから好き。特にうどん」
 二人は今日も脳を1%も使っていなさそうな会話を繰り広げていた。

『ワンワン! 二人とも大変だワン!』
 モップが喋った。より正しくはモップみたいな犬の使い魔が喋ったのだ。本物がどう喋るか、そもそも喋るかどうかは関係ない。だってこれ夢オチなんだから!
「どうしたの楽々(※マスコットとしての名)? カレー食べたいの? 犬って玉ねぎ大丈夫だっけ」
「ダメですね。というか香辛料がまず」
『そうじゃないワン! 怪人が現れたワン!』
「なんだって? 楽々にそんな力があったなんて!」
「どんな設定が飛び出してもおかしくないので備えておきましょう」
『設定ってなんの話だワン! とにかく出撃だワン!』
「ところでじゃがいも入れるタイプ?」
「ものによりますよね」
『出撃だワン!』
 そういうことになった!


 その頃、町の広場では!
「ひゃっはっはぁ! 俺こそが色吸いキュートなスポイド怪人ちゃんよ!」
 多分本物は絶対に出さないタイプの笑い声を上げる八卜・邏傳(少女)! 怪人だろうが勿論可愛い。可愛いので大きいお友達には「今年の改心枠はこの子なんだな。声優も実力派だし」と登場時点で見抜かれる。
「うわー! 助けてー!」
「ボクの大事なお洋服が漂白剤わっさー使ったシャツみたいに!」
 人々から色を奪い取るスポイト怪人! 阿鼻叫喚!
「お前らの色を根こそぎ奪い取ってやるわぁ!」
「「そこまでだよ(です)!」」
「んん!?」
 その時、高らかな声が悪事を遮った!

「夜明け前がもっとも暗い、月蝕か日蝕の暗黒ブラック参上~」
 かなりやる気のなさそうな全身真っ黒ゴスロリスタイル+日傘(もちろん黒)つきのカナトが🤘って感じのポーズを決めた。絵文字便利~。なお、スカートが汚れるとマジでクリーニング代で泣きを見るので、楽々にお嬢様めいて横座りしている。こいつ……細かいところで女の子アピールを……!(?)
「燃え尽きる寸前の火の如く、煌めき輝くサンシャインパワーでなんとか頑張ります。イエローです」
 目つきも癖っ毛も最悪、かつ低身長という日曜朝には絶対に出てこないであろうタイプの魔法少女が🫰って感じのポーズを決めた。絵文字便利~。

 なお、もう片手に握りしめているのは絹索である。
「ちょっと待てぃ!?」
 怪人が異議を唱えた。
「なんなんよそのファンシーな雰囲気に合わねぇ武器は!」
「お箸です」
 時雨は平然と答えた。
「誰がどう見ても仏様が持ってるタイプの」
「怪人なのにかわい~! ボコそ! オラァ!」
「グワーッ!?」
 時雨は羂索でガッツンガッツン殴りまくった!
「ムーンナイトに代わってオシオキしよ」
 さらにブラックの影の使い魔が怪人を取り囲み髪とかめっちゃ噛んで引っ張る!
「痛い痛いこれ警察の防犯訓練とかでニュースでやってる奴! マジ痛いギブギブギブ! 改心する改心するからぁー!」
 怪人は弱かった。

「やったねブラックねーさん。これで平和が守られましたよ」
「正義の魔法少女だから数の利で攻めかけても大体許されるんだよね」
 勝利を喜び合う二人。だがその時だ!
「改心ですって……? 一体何を言っているんですか、スポイド怪人!」
 空が一転俄にかき曇り、稲妻のような怒りの大音声が轟いた。見上げれば、そこには巨大なシルエット!
「あ、あれは俺達怪人の首領、ヤツダバオト様!」
「え? それヤルダバオトのもじり的な?」
「つまり偉くて悪いということは解りますね」
 世界を不幸と悲しみに染め上げることを目論む諸悪の根源なのだ! 早い話がこの夢の中における捌幡・乙なのだが、その姿は魔法少女というより悪の大ボスみたいなゴテゴテしい格好だった。一時期の歌合戦で定番になってたアレみたいな感じ。
「あなたは私の下僕。魔法少女になることなど不可能です。諦めてその二人をやっつけ」
「へんし~ん☆」
 カッ! 邏傳の身体が光に包まれ、なんかいい感じのバンクが流れる! 今回は彼女の初参戦回(?)なのでメイン抜擢だ!
「「ユーグレナ神の御名のもと、改心フレッシュ☆グリーンちゃん。ただいま寝返り惨状よぉ♡」
 😉って感じのポーズを決め……いやこれ普通に舌出しウィンクって書けばいいな。絵文字にも限界がある。
「というわけでゴメンナサイヤツダバオト様! 俺、普通の魔法少女になります!」
「普通の概念が迷子になっていますよ! 大体あなた、この手の味方化ってもう少し敵味方としての交流とか今までの悪事からくる罪悪感とかの布石があってこそ」
「二人とも、行くよ! 青汁スプラッシュ~!」
「グワーッ!?」
 壺から噴き出す強烈液体を喰らい、ヤツダバオトは悶絶した!
「目! 目に入りました今の! 感覚器官への攻撃はダメじゃないですか!?」
「だ~め♡ピーマンも残さず食べんちゃいッ! というわけでわさびトルネード~!」
「せめて野菜類を投げたりグワーッ!?」
 刺激物のエントリーだ! ヤツダバオトは更に悶絶!
「目、ほんとに目だけはちょっと……」
「喰らえ直射日光!!」
「グワーーーーーッ!?」
 イエローの容赦ない追撃! なぜか目潰しでシナジー成立!
「せっかくなのでカレーも持ってきました。目潰しおかわりです!」
「だからもう少し魔法少女らしい攻撃グワーッ!?」
「あとブラックペッパーも投げときます(バサッ)」
「だから香辛料グワーッ!!」
 ヤツダバオトは両目を手でカバーした。これならもう目潰しは喰らわない!
「地獄の焔に巻かれて燃え尽きちゃえ~」
 ブラックが青白い光を放つ火球を投擲!
「えっここで普通に炎!? そこは目潰しで重ねるところじゃないんですかグワーッ!」
 ヤツダバオトは火だるまに!
「あ、普通に目潰しも出来るよ~というわけでもういっかい(ボワッ)」
「ウギャアア!! 熱い熱い熱いぃ!!」
 ファンシーな世界観とは思えない迫真の断末魔を上げ、悪は去った。

「ありがとう大鍋堂の魔法少女達!」
 人々の感謝の声!
「これからよろしくね二人とも☆早速だけどカレーにゴーヤ入れていい?」
「は? まさかの決裂ですか?」
 何かしらの思想に反応しイエローとグリーンに深刻な対立だ!
「いけな~い、とりあえず爆発オチにしておこう。ラグナロック!」
「「え」」
 KA-BOOM!! ブラックの破滅の炎が全てを焼き尽くし、三人は最悪な気分で目を覚ましたという。だが幸運(?)なことに、誰も夢の内容は覚えていなかった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

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