失われた屋台グルメ
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寒暖差の激しい日々の続く初夏のある日、√能力者は√ウォーゾーンのとある研究所へやって来た。
「来てくれたか。集まってくれたことに感謝する」
雑然とした研究室を訪れた√能力者に向かって、精悍な雰囲気をした老人――地大・鳳明(教授・h00894)が落ち着いた声で一礼する。
十二星座から「ゾディアック・サイン」を得て、将来起こり得る事件や悲劇を予知できる√能力者、星詠みの一人だ。
つまり、どこかしらの世界で危険な事件が起きたということに相違ない。
「お前さんらに今回向かってもらいたいのは、√マスクド・ヒーローだ」
√マスクド・ヒーローは悪の組織『プラグマ』との戦いが繰り広げられている世界だ。
世界征服を狙う悪の組織と、仮面で素性を隠したヒーローが日々戦いを続けている。
過酷な戦いが行われてはいるが、一方で兎にも角にも活気のある世界と言えるだろう。
「√マスクド・ヒーローの浅草では、現在祭りが行われている。そこに潜んで、悪事を企む悪の組織の作戦を止めて欲しい」
悪の組織『プラグマ』は極めて多彩な作戦を行っている。どうやら、それらは「全ての√の完全征服」という野望に繋がっているらしい。
今回もその一つ。
祭りに並ぶ屋台料理を、全て『プラグマ』が作ったものに変えてしまおうとしているということだ。
「『プラグマたこ焼き』『プラグマ焼きそば』『ズウォーム飴』『プラグマ焼き』『ズウォーム焼き』、とまあそんな具合じゃ。何の役に立つのかはさっぱり分からんが、止めておくに越したことは無かろう」
一応、文化侵略と言うことは出来るのかもしれない。まあ、『プラグマ』の悪事にそうしたものが多いのは元からだ。
放っておけば、『プラグマ』の名を関した屋台で、祭りは埋め尽くされてしまう。
ちなみに、『ズウォーム焼き』はお好み焼きで、『プラグマ焼き』は小麦の生地で餡子を包んだアレだ。
「幸い、連中の作戦開始まで、時間的な余裕はある。それまでは、屋台で英気を養っておくのが良いじゃろ。変に警戒しすぎて、敵に感づかれても良くないしな」
最近、√EDENの浅草を訪れた√能力者ならば、雰囲気は分かるだろうか。
祭りが本格的に始まる前からも、ちょいちょいと屋台は出ている。パッと思いつくような、たこ焼き・焼きそば。チョコレートバナナ・かき氷・フランクフルト・ベビーカステラ等々は揃っている。
ちょっとマニアックなものも、探せばあるかもしれない。
「奴らの作戦開始となれば、それぞれの屋台とひっそり入れ替わろうとするはず。それを止めて、作戦指揮官を倒せば終わりということじゃ」
逆を言えば、敵の作戦が始まるまではゆっくりしておくのが吉と言うことだ。
気の置けない友人と羽を伸ばすのもありだろう。
「さて、決して簡単な戦いではないが、お前さんたち以外に頼める者はいない」
戦いの人生を歩んできた老人、鳳明は真剣な目つきを√能力者たちに向ける。
「準備は良いか? お前さんらが無事に帰ってくるのを待っているぞ」
マスターより

皆様、こんばんは。KSK(けー・えす・けー)です。
『東京コロッケ』なる屋台グルメがあると聞き、世の中広いと思いました。
今回は悪の組織の怪人と戦っていただきます。
■場所
浅草の屋台でお過ごしください。フラグメントは雰囲気位に思ってもらえればと。
屋台は本文中にも例を挙げましたが、大抵のものならあると思っていただいて構いません。
1章のみ参加で、屋台で遊びたいという方も歓迎いたします。
■2章以降について
2章では屋台の人と入れ替わろうとしている戦闘員との集団戦です。
3章では本作戦を指揮する怪人とのボス戦です。
全体的に緩めのノリで、執筆していきたいと思っています。
5
第1章 日常 『ダイナーで栄養補給』

POW
沢山飲み食いして力を付ける
SPD
日替わりのおすすめメニューを頼む
WIZ
店主や他の客との会話を楽しむ
√マスクド・ヒーロー 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

【POW】「とりあえずお腹空いたから、何か食べよう」「えーと、どこかで『ステーキ』の屋台があったという話だけど、あるかなあ?」「ステーキがダメなら、フレンチドッグがいいや」服装は√コレのアレで。とりあえず屋台を周ります。「おかしな屋台は気をつけておこう」よろしくお願いします。
アドリブ、共闘歓迎です。
お祭りの屋台が立ち並ぶ中を、青空・レミーファ(ややこしい子・h00871)は、警戒気味に歩いていた。
「まだ敵の作戦は始まっていない」と言われたが、そう簡単に学徒動員兵としての癖が抜けるわけではない。何かあれば、保護者である男にもどんな心配をさせてしまうか、分かったものではないのだ。
「おかしな屋台は……なさそうかな?」
いつでも戦えるように、準備はしている。
格好も、先日の√コレクションで新調した迷彩服を利用したビキニアーマーだ。
レミーファの年齢と美少女ぶりから、「忘れようとする力」がなければちょっとした騒ぎになっていたかもしれない。今は大方、実際よりは露出の大人しいものとして認識されているのだろう。
「とりあえずお腹空いたから、何か食べよう」
次第に緊張も途切れてきたので、レミーファは次第に屋台の方に目移りしてきた。
この場所は、なにぶん誘惑が多すぎる。
「えーと、どこかでステーキの屋台があったという話だけど、あるかなあ? ステーキがダメなら、フレンチドッグがいいや」
と、きょろきょろしていると、レミーファの目に『ステーキ』の文字が映る。
屋台の料理としては少々お高いが、文句はない。
ビーフステーキはレミーファの好物だ。
「これください」
「あいよ!」
そうして、熱々の肉の塊を手にして、レミーファは敵の捜索を再開する。
がぶりと噛みつくと、口の中に肉汁があふれ出した。
🔵🔵🔴 成功

ここが浅草かぁ…√はちょいと違うっつっても浅草は浅草だもんな。
こうして来れたと思うと感慨深いや。
屋台は…やっぱり肉巻きとか串焼きにもつい惹かれちまうけど、粉物も良いよなぁ。
いいや、来たからには食うもの絞るなんて野暮ってもの。どんどん食べちまお。
ベビーカステラとかは後でお土産に買ってけば良いよな。とりあえず場所だけ覚えておこう。
お店で買う時も関わる相手には丁寧に接して屋台を巡ります。
入れ替わりを企んでいそうという話は聞いているので気にしなくともその時に分かりそうとは思いつつ、ざっと屋台の雰囲気や人も見ておきます。
面白い屋台もあればアドリブも含めて大歓迎。屋台を満喫します。
「ここが浅草かぁ……√はちょいと違うっつっても浅草は浅草だもんな。こうして来れたと思うと感慨深いや」
そう言って、浅草の街中を興味深そうに眺めているのは、五葉・馳駆丸(半人半妖のフリークスバスター・h06114)だ。
馳駆丸は√百鬼夜行の山で生まれた半人半妖――鬼と人の混血だ。
今までにも人里に出る機会はあったが、こういう場所に来て、年相応の少年らしくテンションが上がってしまう。
「屋台は……やっぱり肉巻きとか串焼きにもつい惹かれちまうけど、粉物も良いよなぁ」
並ぶ屋台には人目を引くように、牛串焼きや焼き鳥の文字が躍っている。
しかし、それに負けじと、たこ焼きや焼きそばといった粉ものも、香ばしいソースの香りで誘惑を仕掛けてくる。
何かを得るには何かを捨てなくてはいけない、と人は言う。
そこで、馳駆丸の選んだ答えは一つ。
「いいや、来たからには食うもの絞るなんて野暮ってもの。どんどん食べちまお」
そう、何かを選ばなくてはいけないのなら、全部取りを選んだって良いだろう。
幸い、「悪の組織の手先が紛れ込んでいないか探る」という大義名分もある。
正義は我にありだ。
「ベビーカステラとかは、後でお土産に買ってけば良いよな。とりあえず場所だけ覚えておこう」
肉の刺さった立派な串を手に歩いていた馳駆丸は、出店の場所を確認しながら散策を続ける。
そして、手に持つものは入れ替わっていき、熱々のたこ焼きも食べ終わろうという頃、新しいものが目に入る。
「きゅうりの一本漬けなんてあるんだ」
味の濃いものばかりで重たくなった口にはちょうど良い。
これでリフレッシュして、戦いに臨むとしよう。
🔵🔵🔴 成功

なるほど。事情は理解しました。
つまり、すべてのプラグマ料理を食べ尽くして、入れ替え作戦を邪魔すれば良いんですね!
え、そういう作戦じゃない?
出端を挫かれた感がありますが、既にお腹は食べるモードに入ってます。
たこ焼き、イカ焼き、フランクフルト。がっつり系を食べて行きましょう。
あとは……えっ、ロシアンたい焼き?
あんこ、カスタード、ホイップ、チョコ、ジャム……中味がランダムなんですね
へぇ! 面白くて美味しいです。幾らでも食べれちゃいますね!!
さぁ、次は何を食べましょうか。……あ、でも、この後戦うんだから腹八分目が良いでしょうか……。
仕方ありません。目一杯食べられなかった恨みはプラグマにぶつけましょう!
|ZXX《ベルセルクマシン》の能力を具現化した|少女人形《レプリノイド》、リズ・ダブルエックス(ReFake・h00646)は√マスクド・ヒーローへと降り立つ。
秘密組織『プラグマ』の陰謀を止めるためだ。
「事情は理解しました。つまり、すべてのプラグマ料理を食べ尽くして、入れ替え作戦を邪魔すれば良いんですね!」
それは簡単な話ではなかろう。
だが、悪の暗躍を止めるため、リズは全力を尽くす覚悟だ。
そして、力強く、もらった資料を確認したところで……その表情はくにゃっと崩れた。
「え、そういう作戦じゃない?」
依頼の案内にあるのは、「敵の作戦開始まではのんびりしてて下さい」という文言だった。
リズの欲望が強すぎたせいか、作戦内容を勘違いしていたらしい。
しかし、敵の食材を食い尽くす気でやって来たリズの腹は、すっかりベルセルクモードだ。今更止まることは出来ない。
「出端を挫かれた感がありますが、食べていきましょう」
早速屋台に向かうと、目に入った端から、たこ焼き、イカ焼き、フランクフルトと食べていくリズ。
その細い体のどこにそれだけ入るのか、少女人形驚異のメカニズムとしか言いようがない。
「あとは……えっ、ロシアンたい焼き? へぇ! 面白くて美味しいです」
見つけたのは多様な中身の入ったたい焼きの屋台だ。
中身がランダムに入っており、味変と意外性から、いくらでも食べることが出来てしまう。
さすがに本来は限度もあるだろうが。実際に、屋台の人も不安そうな顔をしている。
「さぁ、次は何を食べましょうか。……あ、でも、この後戦うんだから腹八分目が良いでしょうか……」
少女人形はさらっととんでもないことを言ってのけた。
「仕方ありません。目一杯食べられなかった恨みは、プラグマにぶつけましょう!」
そう言って、リズはたい焼きの袋を手にし、戦場へと向かうのだった。
🔵🔵🔴 成功

今日は、契約している赤雷の精霊であるエレクトラ(h03015)と祖父のラルフ爺(h03428)を祭りの屋台で英気を養ってもらおうと思い、誘った。エレクトラにはいつも力を貸して貰ってるから、ここらで機嫌を取っておいてもいいと思ったのだ。ラルフ爺さんには、孝行としておかないとな。そろそろいい歳になるから。
まあ、今のところは、様子を見る限りは、大丈夫か。取り敢えず俺も屋台で楽しむとするぜ。
(焼きそば食べつつ)、射的もあるのか。面白そうだな。コルクの弾が当たれば景品が貰えるのか。何がいいかな。ひっそりと√能力『薔薇十字大秘儀』発動し、景品(特にゲーム機優先)を狙い撃つ。
アドリブ・連携(or絡み)歓迎

今日は、契約者、私としては契約してあげてるヴォルフガング(h02692)とその祖父、ラルフ爺さん(h03428)と祭りに来たわ。
フフン♪楽しんで貰おうとか良いところあるじゃない。一見平和そうだけど、悪事企んでるのが潜んでるとかわからないものね。
ヴォルフガングが開発した魔導素体『電霊殻』を依り代にする事で、普通に活動出来るし、飲食も出来るから、技術力凄いわね。エルフっぽい耳は目立つかもしれないけど。お祭りだし大丈夫でしょう。多分。
屋台か。りんご飴、ふわふわのわた菓子っていうの?チョコバナナ、色々あるわね。食べてみようかしら。(店主に向かって)これくださいな。
アドリブ・連携(or絡み)歓迎

孫のヴォルフガング(h02692)に誘われて祭りの屋台まで来たんじゃ。孫が契約している精霊のエレクトラちゃん(h03015)も一緒じゃな。
異国の街の祭りと言うのは珍しいものじゃな。全くアイツは無愛想な顔してるのに優しいところがあるものじゃ。(√自体が違うということはイマイチわかってない)
魔導玩具店『狼印』もこういう所に出店してもいいもしれのぉ。移動販売店みたいな感じにすれば行けるかの。どの国でも子どもは玩具は好きじゃろうからな。
ふむ。そこの屋台の店主、今はどういうものが流行っているのかのぉ?おすすめものとかあるかね?少し小腹もすいたし、何か頂こうか。
アドリブ・連携(or絡み)歓迎
「フフン♪ 楽しんで貰おうとか、良いところあるじゃない」
鼻歌を歌うようにしながら、エレクトラ・テスタロッサ(赤雷の精霊・h03015)は、上機嫌に一行の先頭を歩いていた。
見たところ、溌溂とした雰囲気を持つ赤毛の美少女といったところだが、その本性は赤雷の精霊だ。
今は錬金術と魔導工学で作られた義体のお陰で、こうして憚ることなく街中の雰囲気を楽しんでいる。
「普通に活動出来るし、飲食も出来るから、技術力凄いわね」
「いつも力を貸して貰っているからな」
表情を崩さずに答えるヴォルフガング・ローゼンクロイツ(赤雷・魔狼・h02692)。
感情表現が欠落しており、ちょっと見ただけでは無関心に答えたように見えてしまう。そのせいで、誤解されることも多い。
が、今日は祖父であるラルフ・ローゼンクロイツ(魔導玩具店『狼印』店主・h03428)も一緒で、気の置けないものばかり。いつも悩みの種になっている『欠落』のことは気にせずに済むだろう。
「異国の街の祭りと言うのは珍しいものじゃな」
この度、ラルフは異国のお祭りと聞いてやって来ている。最初聞いた時はちょっと驚いたが、ヴォルフガングが孝行をしたいのだということは、なんとなく感じていた。
ヴォルフガングのことを、しっかりと理解しているのだ。
「一見平和そうだけど、悪事企んでるのがいるとか、分からないものね」
そんな3人は連れ立って、屋台の雰囲気を楽しみながら散策を続ける。
こういうのは、歩いて珍しいものを見るだけでも楽しいものだ。ラルフなどは、ちがう√に来ているということにすら、自覚は薄かったりするが。
それぞれに、獣の相があったり、いわゆるエルフのような尖り耳といった特徴があったりするものの、周囲からは仲の良さそうな家族連れといった風に見えていた。
「りんご飴、ふわふわのわた菓子っていうの? チョコバナナ、色々あるわね。食べてみようかしら。これ、下さいな」
エレクトラはカラフルに彩られたお菓子に興味をそそられたのだろう。
ストロベリーチョコでトッピングされたチョコバナナを手に取る。この場でも意味があるかは分からないが、赤っぽい色合いだったのも理由の一つだ。
そしてエレクトラが他の2人に追いつくと、彼らは射的に興味を示しているようだった。
「射的もあるのか。面白そうだな」
「うちの店もこういう所に出店してもいいもしれのぉ」
焼きそばを食べながら、射的にチャレンジする子供たちを眺めるヴォルフガング。
ラルフはと言うと、景品を狙う子供の姿に、自身の魔導玩具店でも屋台を出せないか考えていた。
「そこの屋台の店主、今はどういうものが流行っているのかのぉ? おすすめものとかあるかね?」
「夜の屋台だと光る玩具も中々ですけど、やっぱ安定はキャラクターグッズですかね」
子供好きのラルフが興味を持って尋ねると、気の良い店主は人気のテレビのキャラをモチーフにしたグッズを取り出す。
それを横目に、焼きそばを食べ終えたヴォルフガングは、エレクトラが見守る中、射的に挑戦する。
(血脈に宿る大いなる秘儀よ、今こそ目覚めよ!)
血脈に宿る秘儀がヴォルフガングに力を与え、お祭り用のコルク銃は一発必中の狙撃銃へと変わる。
遊びだからこそ、本気を出すのが礼儀と言うものだ。
「悪くないな」
そして、放たれた弾丸は狙いに違わず、ゲームの箱を叩き落した。
親しいものであれば、ヴォルフガングが会心の笑みを浮かべていた、と感じていたことだろう。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功
第2章 集団戦 『アサシン』

POW
アサシン・スキル
知られざる【暗殺者の技能 】が覚醒し、腕力・耐久・速度・器用・隠密・魅力・趣味技能の中から「現在最も必要な能力ひとつ」が2倍になる。
知られざる【暗殺者の技能 】が覚醒し、腕力・耐久・速度・器用・隠密・魅力・趣味技能の中から「現在最も必要な能力ひとつ」が2倍になる。
SPD
カウンター・アサシネイト
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【暗器 】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【光学迷彩】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【暗器 】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【光学迷彩】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
WIZ
サイレント・キリング
【|無音暗殺法《サイレント・キリング》 】の体勢を取る。移動力と戦闘力を3分の1にする事で、肉眼以外のあらゆる探知を無効にする。嗅覚・聴覚・カメラ・魔術等、あらゆる探知が通用しない。
【|無音暗殺法《サイレント・キリング》 】の体勢を取る。移動力と戦闘力を3分の1にする事で、肉眼以外のあらゆる探知を無効にする。嗅覚・聴覚・カメラ・魔術等、あらゆる探知が通用しない。
√能力者たちは、入り込んだ道の空気が変わったのを感じ取った。
星詠みに聞いていた、敵の作戦開始の時間だ。
『プラグマたこ焼き』『プラグマ焼きそば』といった胡乱な屋台が並ぶようになっていることからも、間違いないだろう。
「プラグマたこ焼き、買って行ってもらおうか。そして、SNSに写真を乗っけて、宣伝してもらおう」
そんな時、近くにいた女店主が押し売りを仕掛けてくる。どうやら、入れ替わった戦闘員らしい。
無理矢理買わせるだけではなく、宣伝までやらせるつもりのようだ。
生憎と、従ってやる義理もない。
今こそ、失われる屋台グルメを守るため、戦いの時だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1章クリア、おめでとうございます。これより集団戦闘となります。
1人頭、4~5体位の戦闘員を相手にするとお考え下さい。
場所は広めの路地です。ロボットや乗り物などを持ち込むのは難しいですが、戦闘を行うのにそこまで不便はありません。
隠れる障害物は多いでしょう。
なお、本物の店主は縛られて捕まっていますが、命に別状はありません。2章をクリアすれば、自動的に助けたことになります。
ご武運をお祈りいたします。

「どうやら此処から先は雲行きが怪しいみたいだ。爺さん!危ないから逃げてくれ!」
「全く爺さん孝行の邪魔をするとか無粋な連中だぜ。まあ分かってた事だけどな。群狼招来!身を隠すのが得意なのは、そちらだけでは、無いのだぜ?」
√能力|『群狼招来』《ウルフスルーデル・ベシュヴェールング》を発動。魔導機巧獣|『群狼』《ウルフスルーデル》を指揮し共に戦う。『群狼』は、【光学迷彩】で身を隠し、逆に『アサシン』達を【超感覚センサー】で索敵して見つけ出し、【魔導機関銃】と【電磁クロー】で追い詰める。
俺自身も、精霊拳銃『赤雷』で【マヒ攻撃】効果の【牽制射撃】を行い、魔導機巧錬成剣『終極淵源』による【切断】で応戦する。
祭の中で団らんを楽しんでいたヴォルフガングだったが、唐突に歩を早め、2人に警鐘を促した。
「どうやら此処から先は雲行きが怪しいみたいだ。爺さん、危ないから逃げてくれ」
いきなりな物言いだったが、祖父の方もこうしたヴォルフガングの言い方には慣れっこだ。
そして、1人きりになったヴォルフガングを『プラグマ』の戦闘員が取り囲む。
「全く爺さん孝行の邪魔をするとか無粋な連中だぜ。まあ分かってた事だけどな」
「そうか、何処のマスクド・ヒーローかは知らぬが、ここに来たことを後悔させてやる」
ヴォルフガングを取り囲む戦闘員たちは、ヴォルフガングを敵と認識したようだ。
暗殺法の体勢を取ると、戦闘員たちは周囲の屋台に姿を隠す。姿を消し、命を奪う、必殺の型だ。
しかし、ヴォルフガングは落ち着き払ったものであった。
「群狼招来! 身を隠すのが得意なのは、そちらだけでは無いのだぜ?」
ヴォルフガングの詠唱に答え、魔導機巧獣『|群狼《ウルフスルーデル》』が現れた。
錬金術と魔導工学の生み出した獣たちだ。
超感覚センサーにより、野生の狼以上の手際で狩りをやってのける、ヴォルフガングの秘儀である。
「さぁ、共に狩りに行くぞ!」
姿を消した戦闘員を『群狼』が見つけ出し、ヴォルフガングはそこを赤雷の精霊を宿した銃で狙い撃つ。
勢子で獲物を追い出し、射手が狙う、まさしくそれは狩りだ。
そして、ヴォルフガングが魔導機巧錬成剣『終極淵源』を納めた時、その場にいた戦闘員たちは、全て倒れ伏していた。
🔵🔵🔵 大成功

「やっぱり出てきた…」
とりあえずたこ焼きは食べます。そこでおかしなこと(タコが入ってないとか、値段が法外とか)があったら、
「何考えてるんだ!」
とか言って戦闘へ…の予定です(戦いは最初からするつもりですが)
|疾風拳《スーパーナックル》でぶっ飛ばします。
「夜店を冒涜するんじゃない!」
アドリブ、共闘歓迎です。
よろしくお願いします。
「やっぱり出てきた……」
レミーファは戦闘員に囲まれた状態で、プラグマたこ焼きを食べるという奇妙な状況に陥っていた。
どうやら、まだ敵とはバレていないようだったので、ひとまず様子見といった所だ。
「じゃ、いただきます」
たこ焼きを口に放り込むと、存外に味はまともだった。むしろ、割とおいしい。
熱々のたこ焼きは、口の中をソースの味で満たし、温度で五感までも楽しませてくれる。
そして、食べ終えてレミーファが、意外そうな顔をしていると、そこへ戦闘員が値札とともにやって来る。
「それでは、10000円になります」
「何考えてるんだ!」
最初からこれが狙いだったらしい。
ひどいぼったくりように、レミーファの怒りが爆発する。
追いかけてくる戦闘員から距離を取り、自転車に乗り込むレミーファ。だが、逃げるわけではない。
「怒りの拳を受けてみろ!!」
勢いのついた自転車から大きく跳躍すると、レミーファは空中で華麗にスピンを決める。
こと、ここに至って相手が敵対する√能力者だと気づく戦闘員だが、もう遅い。
回避行動を取るよりも先に、風を纏った拳が炸裂した。
「夜店を冒涜するんじゃない!」
祭をバカにする奴は許さない。
レミーファの怒りは、風を巻き起こし、戦闘員たちをなぎ倒していくのだった。
🔵🔵🔵 大成功

おおぅ、思ったより分かりやすい登場だったな。
しかし女の人かぁ、ちょーっとやりづらいんだけどそんなこと言うと怒られちまうんだろうしなぁ。
それにどっちにしても俺ぁ加減下手だから同じなんだよな。ごめんなお姉さん。
正直ちょっと、食べてみたい気もすんだけどさ。
障害物などを背にして後ろからの攻撃は避けやすくしながら「怪異殺し」を仕掛けます。
動き回りながら一人ずつ確実に、牽制や位置取りのために鎖や棺桶をぶん回したりはしながら狙っていきます。
使えるならアイテムの煙幕も活用します。
自分を取り囲む『プラグマ』戦闘員を前に、馳駆丸は少し戸惑っていた。
実戦に恐れを為した、と言うわけではない。
(おおぅ、思ったより分かりやすい登場だったな。しかし女の人かぁ、ちょーっとやりづらいんだけどそんなこと言うと怒られちまうんだろうしなぁ)
取り囲む戦闘員たちはみな、妙齢の女性。
精神修養の足りない少年は、どうしても気後れしてしまう所がある。もちろん、相手方も暗殺を得意とする戦闘員であり、それを利用するつもりではあるのだろうが。
しかし、馳駆丸は、ここで戦いを放棄しないだけの気概も、きっちり持ち合わせていた。
「どっちにしても俺ぁ、加減下手だから同じなんだよな。ごめんなお姉さん」
「な!?」
軽い謝罪の言葉と共に、馳駆丸は煙幕を張る。
戦闘員が不意を打たれて混乱している機に乗じて、素早く足払いを決めて、戦闘員の1人を転ばせる。
大立ち回りの始まりだ。
「貴様、何処のマスクド・ヒーローだ!」
「人違いだよ」
馳駆丸が敵と気付いて、アサシン・スキルを解放し、速度を上げる戦闘員たち。
しかし、攻勢が始まるより先に、馳駆丸は戦闘員を鎖で捕縛して動きを封じる。
寡勢である以上、あまり囲まれたくはない。
「さっきのたこ焼き、正直ちょっと、食べてみたい気もすんだけどさ!」
そして気合を一閃。
殴り棺桶で戦闘員を強かに叩きつける。
これでまずは1人。
馳駆丸は、自分を探す戦闘員に向けて、再び殴り棺桶を振り上げた。
🔵🔵🔵 大成功

作戦を実行させるわけには行きません!
よってプラグマ料理は買わないしSNSで宣伝もしません!
……だけどっ
食べ物に罪はありません!
だから、あなた達を倒してプラグマ料理は頂いていきます!
武装は大型ブレードを備えたエネルギー砲のLXMと各種レイン砲台
レイン砲台・シールド型(アイテム)は周囲の設備を流れ弾から守るために使用
射撃は確実に当てれる(or外れても問題ない)場面のみ使用
【サイレント・キリング】対策
【少女分隊】招集!
肉眼でしか捉えられないのであれば、肉眼の数を12倍にすれば良いのです
相手の能力は3分の1ですから、少女分隊のデメリットも相対的に軽減されています
お互いの視覚を補うように連携して戦います
リズを取り囲む戦闘員たちは、各々屋台料理を手ににじり寄って来る。
無理やりにでもプラグマ料理を食べさせようということらしい。
しかし、そこに向けてリズは毅然と言い返した。
「作戦を実行させるわけには行きません! よってプラグマ料理は買わないしSNSで宣伝もしません!」
リズが敵だと理解した戦闘員たちは、料理を置いて姿を消す。物陰から隙を突いて必殺の一撃を入れるのが、彼女らのやり方だ。
それに対して、リズは残されたたこ焼きを横目に、LXMを手に取り、レイン砲台を展開させる。
√ウォーゾーンにおける決戦気象兵器「レイン」の使い手であるリズは、異なる機能の「レイン」を多数使いこなすことが可能だ。
この場で展開したのは、シールド型。
自身を守るためではなく、外部へ被害を拡大させないためのものだ。
さらに。
「少女分隊招集!」
リズの要請に応じて、バックアップ素体たちが集まってくる。
そして、死角を補うようにフォーメーションを組み、戦闘員の攻撃を待ち受ける。
ほんのわずかに静まり返る裏路地。
しかし、その静寂は程なくして破られる。
「覚悟しろ!」
先にしびれを切らした戦闘員が飛び出したのだ。
暗殺に長けた戦闘員と集団戦術を練磨した少女兵器、勝利したのは後者――リズだった。攻撃の瞬間に姿が見えるなら、それを見逃さないだけの目を用意すればよいのだ。
「食べ物に罪はありません! だから、あなた達を倒してプラグマ料理は頂いていきます!」
斬撃と砲撃を使い分け、リズは瞬く間に、戦場を制圧していく。
戦いが終わった時、たこ焼きはまだ温かいままだった。
🔵🔵🔵 大成功

プラグマたこ焼き? それ食えるのかほ?
|医神《ヒュギエイア》の消化加護で人間の食事は大丈夫なんだけど、怪しいのはオカルト以外はちょっと。
え、何、敵なのかほ?
視覚から消えたり、視覚でしか捉えられなかったり、感覚がバグりそうだほ。
多分、こいつらの戦法は我輩の天敵だほ。
相手を探知するんじゃなくて、相手の周囲の変調を探知するのが良さそうほ。
念動力で風を起こし、風の流れや砂利の音がおかしい場所に大雑把にアタリを付けて、勘やらラッキーヒットやらで霊能波ぶち当てるほ。
え、まさかの失せ物探しが命中に乗っちゃう?
本当の屋台の人どこほー?
オーリン・オリーブ(占いフクロウ・h05931)は差し出されたプラグマたこ焼きを、首を傾げてのぞき込む。
アテナの使い魔としての格を持つコキンメフクロウだけあって、知識欲が強いのだ。
「プラグマたこ焼き? それ食えるのかほ?」
普通のフクロウが食べたら、命に関わる気もするが、オーリンも√能力者。
|医神《ヒュギエイア》の加護によって、人間が普段食べるようなものであれば問題はない。ものがものだけに、少々の不安は残るが。
しかし、結局は好奇心に負けて、ふーふー冷ましながら食べようとする。
そんな時だった。
「待て、しゃべるフクロウだと? 貴様、敵だな!」
「え、何、敵なのかほ?」
戦闘員たちは慌てて無音暗殺法の体勢を取り、オーリンも戦いの構えを取る。
そして、暗殺を得意とする戦闘員のスタイルは、オーリンにとっては天敵と言えるものだった。
(視覚から消えたり、視覚でしか捉えられなかったり、感覚がバグりそうだほ)
しかし、そこで簡単に狩られてやるほど、オーリンも大人しい性格をしていない。
翼を軽くはためかせると、それは念動力で力を増し、風を引き起こす。
そして、自身が起こした風の流れがおかしな所があれば、そこに『見えない敵』がいるのは必定。そう、戦闘員自体を追うのではなく、彼女らの起こす変化を追うのだ。
「意外と失せ物探しの術も、狙いの役に立つものだほ」
あるいは、野生の勘の鋭さが効いたのかもしれない。
ともあれ、オーリンの放つ霊波は戦闘員たちを1人1人と打ち倒していく。
「ところで、本当の屋台の人どこほー?」
戦闘員を倒しながら悲鳴を上げるオーリン。
気絶した店主が見つかるには、もうしばらくの時間が必要なようだ。
🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『外星体『ズウォーム』』

POW
ズウォームキャノン一斉発射
X基の【破壊光線砲】を召喚し一斉発射する。命中率と機動力がX分の1になるが、対象1体にXの3倍ダメージを与える。
X基の【破壊光線砲】を召喚し一斉発射する。命中率と機動力がX分の1になるが、対象1体にXの3倍ダメージを与える。
SPD
ネガ・マインド・ウェポン
触れた物品に眠る「過去の所有者の記憶」と交渉できる。交渉に成功すると、記憶から情報提供を受けた後、記憶の因縁の相手に3倍ダメージを与える【ネガ・マインド・ウェポン】が出現する。
触れた物品に眠る「過去の所有者の記憶」と交渉できる。交渉に成功すると、記憶から情報提供を受けた後、記憶の因縁の相手に3倍ダメージを与える【ネガ・マインド・ウェポン】が出現する。
WIZ
ズウォーム・レンズアイ
自身の【蟲の如き眼球】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【無重力】を付与する【無重力ガン】に変形する。
自身の【蟲の如き眼球】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【無重力】を付与する【無重力ガン】に変形する。
「そうか、私の作戦を邪魔するネズミが紛れ込んでいたとは、残念なことだ」
そう言って、昆虫を思わせる頭部を持った、スーツ姿の男が現れる。
外星体『ズウォーム』――地球への愛ゆえにプラグマの掲げる『全√支配』に理解を示した外星人である。
一昔前なら、『ズウォーム星人』とか呼ばれていた辺りだろうか。
「全ての屋台をプラグマ屋台料理の店に変え、不当な価格で料理を提供する。そうすれば、屋台文化は死滅し、人々の心から喜びは消えることになる。その遠大な計画、邪魔はさせない」
丁寧に自分の作戦の内容と意図を説明する外星体。まあ、こういう辺りはお約束のムーヴである。
遠大過ぎて本当に上手く行くのか、正直よく分からない作戦だ。
しかし、真面目に実行されると、お祭りに来て嫌な思い出だけを持ち帰る人が続出することになる。それだって、立派な被害だ。
このような悪党を放っておくわけには行かない。
ここからがクライマックスだ。
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2章クリア、お疲れさまでした。これよりボス戦となります。
外星からの侵略者と戦っていただきます。
割とおなじみな、良い感じに広い街中の広場での戦闘になり、特に障害物はありません。外星体を守るように戦闘員も数人いますが、特に強くないので、気にしなくて大丈夫です。
それでは、プレイングをお待ちしております。

(こんなアホはブッ飛ばすしかないな)
|疾風拳《スーパーナックル》で殴ります。
「いきなり必殺技てのはちとお約束破りだけど」
「夜店の人のことも、それに夜店を楽しみにしている人のことも考えろ!」
アドリブ、共闘歓迎です。
よろしくお願いします。
外星体が滔々と自身の陰謀を解説していたが、その最中にレミーファは動き出す。
これ以上、こいつの話など、聞く価値もない。
(こんなアホはブッ飛ばすしかないな)
そう結論付けると、レミーファは愛用のヴィークル――BMXで外星体に向かう。
BMXは元々怪人との戦闘を想定している。護衛の戦闘員をなぎ倒して、進む位、造作もない話だ。
「いきなり必殺技てのは、ちとお約束破りだけど」
レミーファの接近にやや虚を突かれながらも、外星体は記憶の刃を作り出して、少女に向けてくる。
しかし、レミーファは恐れない。
いや、恐れよりも、彼女の心の中を占めているのは怒りだ。
こんなバカバカしいことのために、傷ついた人がいた。
多くの人に嫌な思い出が刻まれるところだった。
「ヒーロー」になりたいと願う少女は、それがどうにも看過できない。
「夜店の人のことも、それに夜店を楽しみにしている人のことも考えろ!」
怒りの風を拳に纏い、レミーファは跳躍する。
そして、一点に集中された怒りの風は、『簒奪者』を貫き、派手に爆発をするのだった。
🔵🔵🔵 大成功

「俺は、|赤雷魔狼《レッドスプライト・ウルフヘジン》。通りすがりの冒険者だが、二つを、名乗っておくぜ。行くぞ!錬成着装!」
錬成ドライバー『薔薇十字』で錬成着装(【変身】)し、錬成外骨格『魔狼』を纏う。
「食事はその国の文化であり、歴史だ。それを汚すというのか。食べ物を握られるという事は命を握られるという事だ。」精霊拳銃『赤雷』の【マヒ攻撃】の【牽制射撃】と魔導機巧錬成剣『終極淵源』で形成した赤雷属性の刃による【切断】で応戦。
「魔狼に秘められし賢者の石よ!限界を超えて染まれ!ローゼ・ミョルニル!」
外星体『ズウォーム』の動きが鈍った所で、√能力『赫霆薔薇蹴』を喰らわす。
アドリブ・連携(or絡み)歓迎
「俺は、|赤雷魔狼<レッドスプライト・ウルフヘジン>。通りすがりの冒険者だが、二つを、名乗っておくぜ」
「赤雷魔狼、わずかな間ですが、覚えておきましょう」
「行くぞ! 錬成着装!」
錬成ドライバーを手にするヴォルフガング。
感情表現の欠落した若者から、その内面を推し量ることは難しい。しかし、その胸の内側に渦巻くのは、屋台を営むものたちの誇りを汚そうとする外星体への闘志だ。
そして、賢者の石は闘志を形にし、ヴォルフガングは真紅の外骨格、『魔狼』を身に纏った。
「食事はその国の文化であり、歴史だ。それを汚すというのか。食べ物を握られるという事は命を握られるという事だ」
「それがどうしたというのです? 私なら、この地球を、この星に住む者の糧食も、もっと良いものにできる」
嘲るような口調で、外星体は記憶の刃を抜くと、ヴォルフガングへと切りかかって来る。
ヴォルフガングも、錬成剣『終極淵源』を引き抜き、外星体と切り結ぶ。
十数合程ぶつかったところで、隙を突いて『赤雷』の引き金を引いた。竜漿兵器に宿る精霊も、先ほどまで祭りを楽しんでいただけに、怒りを持って外星体の動きを封じる。
「魔狼に秘められし賢者の石よ! 限界を超えて染まれ!」
外星体の動きが止まった時、戦いながら蓄積していた賢者の石の力を、ヴォルフガングは解放する。
すると、『魔狼』の身体を薔薇色の赤雷が包んでいった。
「|赫霆薔薇蹴<ローゼ・ミョルニル>!」
赤雷を帯びた蹴りが外星体の身を焼く。
それこそ、錬金騎士の誇りの一撃だ。
🔵🔵🔵 大成功

お。親玉さんか。ちょっと面白かっこいい姿してんな。
まぁこれまた一目で分かりやすくて助かる…計画は俺にはちょっと難しいが。
んで、ネズミな。ネズミっていうんじゃやっぱネズミ側としちゃ数が欲しいとこだよな。
「百鬼夜行」を使用して数を増やして挑みます。
戦闘員の相手も数で優ってかかれるなら心配もないはず。
『ズウォーム』にも牽制・かく乱を仕掛けつつ、武器をぶん回します。
自分で有効打を狙っていくというよりは他の人の援護を重視して立ち回ります。
うまく片付いたら店の人介抱してお土産買って帰らねぇとな。

おやおやそんなスケスケスーツで我輩を誘ってくるとは。
我々小型フクロウ種の主食が何か知ってるほ?
人に言えないギョーザの中身は人には言えないんほけど、ギョーザにしていいってやつほ?
縁日の屋台ってサイコーだほぅ。捕食スキル使っちゃうほ。
……ふう。
あんまり猟奇的な印象持たれても我輩のブランディングに傷が付いちゃうのでジョーダン(?)はこのくらいとして。
美乳アサシン共は苦手だったけど、一転お前とは我輩との戦闘相性良さそうだほ。
|今を掌握する感覚《ストラテジア》で攻撃を読めやすくなるよう味方にバフ入れて、無重力くらっても羽ばたき推進力で乗り切るほ。
でもやっぱり美食は人間の食事事情のほうが圧倒的だほ〜。

(もぐもぐ)全ての屋台文化を破壊するとは(はむはむ)許せません!
その遠大な計画は(むしゃむしゃ)絶対に阻止します!!
(ごくん)それはそれとして、プラグマたこ焼き美味しいですね?
【ズウォーム・レンズアイ】対策
戦闘では引き続き【少女分隊】で戦います。
分隊員達もプラグマ料理を無料で食べ終えて戦闘準備万全です!
武装もエネルギー砲のLXMと各種レイン砲台を続行使用。
敵の攻撃は視界内の対象1体のみですから、手数でカバーできるという点は前回と同じです。
また、私達に対して【無重力】は、全くデメリットになりません!
一撃に耐えさえすれば、空中移動(技能)による立体包囲をよりアクティブに行って敵を攻撃します!
「(もぐもぐ)全ての屋台文化を破壊するとは(はむはむ)許せません!」
外星体が自説を並べるのを、リズは見守っていた。
固唾を呑んで……とかではなく、プラグマたこ焼き食べながら。
「その遠大な計画は(むしゃむしゃ)絶対に阻止します!! (ごくん)それはそれとして、プラグマたこ焼き美味しいですね?」
値段設定や売り方がアレなだけで、ただ食べるだけなら普通に美味いたこ焼きなのだ。
褒められた外星体は満足そうな声を漏らす。
「私の技術にかかれば、地球の技術を模倣したうえで、より高品質なものを作るなど造作もない」
「お。親玉さんか。ちょっと面白かっこいい姿してんな」
外星体の姿は昆虫を思わせる、不気味なものだ。
しかし、半人半妖として、御山で育てられた馳駆丸としては、そこまで恐怖も嫌悪も感じない。少し親しみやすさすら感じる程だ。
「まぁこれまた一目で分かりやすくて助かる……計画は俺にはちょっと難しいが」
もっとも、だからと言って、手を抜いてやる義理はない。殴り棺桶を構え、戦いに備えて腰を落とす。
オーリンも目を野性的に輝かせて、外星体に狙いを定めていた。
「そんなスケスケスーツで我輩を誘ってくるとは。我々小型フクロウ種の主食が何か知ってるほ?」
「猛禽類ということならば、小動物を捕食といった所でしょうか」
「人に言えないギョーザの中身は人には言えないんほけど、ギョーザにしていいってやつほ?」
獰猛な獣の目を覗かせて、コキリと首を鳴らすオーリン。
しかし、わずかに緊張が入ったところで、また普段のお調子者の顔に戻る。
「……ふう。あんまり猟奇的な印象持たれても、我輩のブランディングに傷が付いちゃうので、ジョーダンはこのくらいとして」
「ええ、始めましょう。行きなさい」
外星体の号令を合図に、戦闘が始まる。
その手に現れたネガ・マインド・ウェポンは、侮れない武器だ。
「美乳アサシン共は苦手だったけど、一転お前とは我輩との戦闘相性良さそうだほ。未来は今が作り上げるんだほ」
オーリンが大きく鳴き声を上げると、戦場を魔術の網が覆っていく。
仲間同士での感覚を共有する魔術だ。その中には、未来すら見通すオーリンの第六感も含まれる。
「助かります。こちらも、戦闘準備万全です!」
感覚共有を受けたリズと共に、少女分隊がエネルギー砲を構える。
プラグマたこ焼き、プラグマ焼きそば、ズウォーム飴、プラグマ焼き、ズウォーム焼きといったプラグマ料理を食べ尽くし、全員戦意旺盛だ。
なお、内一人はごみを片付けに行っていた。
「攻撃開始します」
リズの号令の下、少女分隊のエネルギー砲が火を噴く。
レイン砲台はエネルギー砲と異なる射線から放たれ、外星体に躱す隙を与えない。
「ネズミとか言ってたな。ネズミっていうんじゃ、やっぱネズミ側としちゃ数が欲しいとこだよな」
馳駆丸が声を上げると、どこからともなく妖怪たちが集まって来る。
半人半妖は妖怪と人間の混血というだけではない。互いの性質を色濃く受け継いだ『半人半妖』という種である。
それ故に、馳駆丸もまた妖怪大将として、妖怪たちの力を借りることが出来るのだ。
「これでどうだ!」
そして、戦闘員を配下妖怪たちに任せ、馳駆丸は外星体と直接切り結ぶ。
馳駆丸の恵まれた体躯はそれだけで強力な武器だ。配下妖怪との連携と合わせれば、それだけで他の戦場に目を向ける余裕などなくなる。
しかし、√能力者たちは違う。
オーリンの魔術により、互いの感覚は共有され、この場にいる2桁を超えるものたちが、一つの目となって『簒奪者』を狩り立てている。
一人一人でも超常の戦闘を行う√能力者だが、数人が力を合わせると、このような魔法としか思えない神秘も可能となるのだ。
「ならば、これでどうです!」
追い詰められた外星体は自身の眼球から、弾丸を発する。相手から重力を奪う、強力な武器だ。
だが、少女分隊を打ち倒すほど、絶対的な力を持っている訳ではなかった。
それに。
「私達に対して無重力は、全くデメリットになりません!」
重力を奪われたリズは、それすら利用し、空中から攻撃を開始する。
複数の方向から向かってくる多彩な攻撃は苛烈さを増していく。『簒奪者』の力がいかに強大であろうが、それを振るうにはあまりにも手数が足りな過ぎた。
前後左右上空から放たれる総攻撃は、確実に『簒奪者』の命を刈り取っていく。もはや防御もままならない。
そして、空を翔けるリズが放った光弾が、『簒奪者』の胸を貫き、プラグマの計画を終わらせるのだった。
●
「それじゃ、ベビーカステラ20個入りの奴、お土産用によろしくな」
戦いが終わった後、馳駆丸は縛り上げられていた屋台の店主たちを解放した。
お陰で、予定通りにベビーカステラを持ち帰ることが出来そうだ。出来立てのベビーカステラは香ばしい匂いを出している。一つくらい、出来立てをつまんでも罪にはなるまい。
「やっぱり美食は人間の食事事情の方が圧倒的だほ〜」
オーリンもようやく真っ当な屋台の料理にありつけて、ご満悦だ。
こうして、無事に祭りは行われることとなった。こうした平和な時間こそ、√能力者たちにとって、一番の報酬と言えるのかもしれない。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功