カタツムリさん!

お世話になっております。
第六でお世話になったカタツムリさんのレポートをお願いいたします。
幸せな転生をして、自由を謳歌して生きています。
本人も「カタツムリさん」が何なのかよくわかってはいませんが、知る必要もないのかもしれません。
同一PLのPCのマスティマ行きつけの喫茶店の厨房あたりによく生息して居るようです。彼やその友人とは割と無難に過ごしています。
色々書きつつ全てお任せでアドリブ改変歓迎。
ご検討の程何卒宜しくお願いいたします。
神出鬼没――そうやって言の葉にするのは容易だが、簡単なのだが、それで片付けられるほど『人間災厄』と謂うものは温くはない。その程度の事くらいは、幾ら『Dクラス』の私であっても理解出来ている。だが、あの『人間災厄』はいったい如何して、あんなにも頭の中までカタツムリなのだろうか。私はアレを『カタツムリ』とは認めていないし、他の『Dクラス』の人達も『そう』だ。カタツムリを収容する為には『殻』が必要なのだと上の連中は口を酸っぱくしている。しかし、そんな莫迦な話があるものか。あれは『カタツムリ』ではないのだし、如何して態々『殻』に拘る必要があるのか。あの『カタツムリ』に必要なのはおそらく自由で、害のない内は這いずり回らせてやるのが正しい対処法なのではないか。あのカタツムリは如何やら平日休日とに関わらず、勝手気儘に、√能力者の行き着けに紛れ込んでいるとも聞く。それに、先日なんて、他の√にて『簒奪者』を退治したとも聞いた。やはり『カタツムリ』は『カタツムリ』ではなく、人間災厄ではなく『ひと』として接してやるのが薬なのではないか。私の疑問はそれこそ、殻を失くしたカタツムリめいて、湧き水よりも涌いて出た。そうして、痺れを切らした私は上の連中の一人に声を掛けた。
そして――私は――如何やら、ひどい致命をやって終ったらしい。上の連中が、汎神解剖機関の職員が、波のように私を捕縛してきた。今、私は如何やら精神安定の為の部屋にいるらしい。精神の安定と聞いたならば、実に、良心的とも考えられるが。その実はまったく『逆』である。私は狂人のレッテルとやらに加えて手遅れの三文字を喰らったらしい。莫迦げている。あれは、誰が如何見たって『カタツムリ』ではない。あれは、誰が如何見たって『人間』だ。あの『目』を見たならば、見つめられたならば、理解出来る。あの『ひと』は私と一緒に珈琲が飲みたいのだ。あの『ひと』は私と一緒におまわりさんがしたいのだ。それを連中、私が目を回しているだって、本当に、信じているのか。カタツムリではない。カタツムリではない。カタツムリではないのだから、あれこそ、人間のカタチなんだ。
個体名:ルトガルド・サスペリオルム
ごきげんよう、わたしのことはルルドって呼んで!
人間災厄『カタツムリさん』
カタツムリさんって何かしら?
人間災厄『カタツムリさん』を収容する事は不可能です。もしも外で見かけたら、楽しそうにしているので、手を振って挨拶をしてください。こんにちは! わたし、カタツムリさん! 可愛らしいので害はありません。いっそ、カタツムリさんと一緒に遊園地にでも行ってみたら如何でしょうか。カタツムリさんはぐるぐると旋回するような|殻《からだ》を持っています。ですが、基本的には人間の姿を歪ませないようです。わたしのチャームポイント? わたしの目を見て! だいだい色で、みどり色で、きれいよね! そうやって迫って来たならば見つめ合うチャンスです。しっかり凝視する事で、なんだか楽しくなってきます。楽しくなってきたら、そのまま、酔い痴れるのも悪くないでしょう。あら、あなた、お眠なのね! わたしも眠くなってきたわ! 一緒に寝ましょう! え? 今は眠くないって? じゃあ、わたしのことを『カタツムリさん』って呼んで。カタツムリさんは『カタツムリ』です。間違えないようにしましょう。間違えている人間がいた場合、すぐさま『精神安定室』に隔離してください。カタツムリさんがやってきます。
今日もかならず良い日になるわ。私の目の前に現れたのは『カタツムリさん』であった。カタツムリさんは相も変わらず『カタツムリ』ではないが、何故か、いつも以上に軟体に思えた。あなた、わたしと遊んでくれるのね。遊んでくれるよね? 何して遊ぼうかしら。そうだわ。おままごと! おままごとしたいわ! カタツムリさんの『手』が伸びて、カタツムリさんの『脚』が伸びて、私の頭を抱え込む……。まあ! あなた! なんだか赤ちゃんみたいね! わたし、お父さんを『やる』わ! お父さんをやる。何を謂っているのだろうか。カタツムリさんは『女の子』なのだから、せめてお母さんなのではないか。お父さんだよ! お父さん! あなた、どうして眠ってくれないの。もしかして、子守唄が必要なのかしら? 要らない。私は赤子ではないし、私はまだ、正気なのだから……。赤ちゃん! 赤ちゃんなのに、どうして喋っているのかしら! へんな赤ちゃんね! でも、わたしは『カタツムリさん』だから、ゆっくり、ゆっくり、遊んでくれると嬉しいの! カタツムリさんはカタツムリではない。カタツムリではない筈なのに。如何して、私は……。
……あの、先輩。何かありました?
ほら、|カタツムリ《●●●●●》さんが来たわよ。カタツムリさんはカタツムリなんだから、遊んであげなくちゃ。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴 成功