シナリオ

陽光は月を照らし、月光は夜を照らす

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シリウス・ローゼンハイム
初めてのノベルリクエストですが、お手柔らかにお願いします
アドリブ歓迎です。

Ankerとの繋がりや家族愛が好きな方に描いていただけると幸いです

同行希望:プロキオン h03159

過去軸のノベルをお願いします。
シリウスが√能力者として覚醒して暫く後、戦いのなかでの弟という居場所で安らぎを得るような感じでお願いします

吸血鬼の由緒正しい家でした。
両親と弟のプロキオン(以降あだ名のロキ)と幸せに過ごしていましたがある日、√能力者に家が襲われ、シリウスとロキの両親は他界してしまう。

シリウスは両親を守れなかったショックで、両親の記憶を喪失し、√能力者として覚醒する。

その後、これ以上家族を失いたくないあまり、弟を守るためカミガリになり戦いに身を置く。
もともと仲良しの兄弟だったが、その想いが強くなのだった。
√EDENへの侵略が止まらない日々。
弟の為ならどれだけ怪我しても、何度インビジブル化しても構わない…

怪我したときに弟がどんな想いをしてるかを知らずに…
今日も戦いから大怪我をして帰った後、弟に手当をしてもらいながら、穏やかで安心した夜を過ごすのだった。
プロキオン・ローゼンハイム
初めてのノベルリクエストです。

同行希望:シリウス h03123
アドリブ歓迎です。

Ankerとの繋がりや家族愛が好きな方に描いていただけると幸いです

プロキオン(以下あだ名の「ロキ」)視点での√能力者の兄への想いと、医療従事者になる決意をした内容をお願いします。

吸血鬼の由緒正しい家でした。
両親と兄のシリウスと幸せに過ごしていましたがある日、√能力者に家が襲われ、兄弟の両親は他界してしまう。

シリウスは両親を守れなかったショックで、両親の記憶を喪失し、√能力者として覚醒する。

もともととても仲良かったが、事件をキッカケに兄は自分に対して過保護になってしまった。
連絡の頻度が高くて困惑するときがある。
他の√で謎のお土産をにこにこで買ってきて反応に困ることもある。
そんな兄だが、ロキは困りつつも受け入れている。

一方で、度々兄はカミガリの任務の帰りに怪我をして帰ってくる。
√能力者は不死身である。
しかし、その姿はロキにとっは痛々しく、兄がそのような姿になるのはあまり見たく無いものだった。

(カミガリになったのも、こうして怪我をしてかえって来るのは……)
今日も大怪我をして帰ってきた兄の手当をしながら、兄の手当てのため、兄のような誰かのために戦う√能力者のため、プロキオンは医療従事者になる決意をする

 楽園は我らの恩人である、故に我らは楽園に報いなければならない。
 ローゼンハイムは由緒正しき守護者の家系である。帰郷の手段を失い|√EDEN《この世界》に取り残された初代ローゼンハイムはそこで出会った人々に助けられ、その恩に報いるため外からやってくる簒奪者からこの世界を守り続ける事を決めたという。
 その強い思いは彼の血に刻まれたのか、ローゼンハイムに連なる者からは特別な力を持った子供が生まれるようになった。彼らの歴史の裏でこの世界を守り続け、その傍ら必要な地盤を整えていた結果表社会でも名家と呼ばれるような存在となった。
 だがローゼンハイムの名前が人々に受けいれられるのに比例して、その血に宿っていた力は徐々に衰退していき遂には殆ど無くなってしまった。しかしそれを理由に世界を守ることを止めれば、それこそ恩を仇で返す行為となるだろう。
 力を振るい、敵を倒す事だけが守護ではない。私達は私達にできる方法で、世界を守っていかなければならない。
「……なんて父さんは言ってたけどさ、さっぱりわからねーや」
 そう言って幼いシリウスは疲れたようにベッドに飛び込むと、枕の側に置いた玩具の槍を手持無沙汰に振り回す。
「やっぱ守護者なんて言ったらさ、すっごい力でドーン!と言ってドカーンだろ!ロキもそう思うだろ!」
「ぼくは、父さんが治めてくれてる今のローゼンハイムが好きかな」
「……そこに文句はねえけどさ!」
 信頼する弟からの裏切りに、シリウスは不満そうな声を上げてベッドから起き上がる。
「特別な力だぜ、漫画の主人公やテレビのヒーローみたいなさ!父さんが使えないなら俺が使えるようになって、皆を守るしかないだろ!」
「でも、危険だよやっぱり。ヒーローだって怖いくらい傷だらけになる時もあるし……」
「俺はならねえ!怪我したら母さんから散々に怒られるし……いつだって無傷で勝ってやる!」
 母に怒られる件だけは妙に声が小さくなる兄を見て、ロキが思わず吹き出すとなんだよー!とシリウスは駄々をこねるようにベッドの上で手足を振り回す。
 ──シル、夜に大声を出さないの!
 ──でも母さん、ロキのやつが!
 ──全部聞こえてたわよ!フェンシングの大会で泣きべそかいてたのに大層な事言わないの!
 ──俺はこっちの方が得意なんだよー!
 微笑ましい言い争いをしている兄と母の声がやけに遠くに聞こえる。この後母が槍を取り上げようとして、それに抵抗した兄が動物園のオラウータンのように槍にぶら下がる光景がとても面白いのだが、それを見る前に眠ってしまいそうだ。
 ……この後?
 ふと自分の思考に疑問を感じた瞬間、ロキの視界が暗転した。


「あれ……?」
 痛烈な喉の渇きと共に目を覚ます、最初に視界に入ったのは母の顔だった。自分を抱きしめるようにして覆いかぶさっているのか、重くて仕方がない。
「母さん、どうしたの……?苦しいよ……」
 声を掛けるが反応は無い、仕方なくロキは身をよじって母の抱擁から抜け出そうとして……パキリと、母の身体から乾いた音が響いた。
「え?」
 それと同時に腕が緩み、どうにかして母の下から抜け出したロキは改めて彼女の姿を見て、氷柱に貫かれたような感覚を味わった。
「母、さん……?死んで……?」
 足から力が抜けてその場に座り込む。頭が痺れているような感覚がする、吐き気が止まらない、寒くもないのに身体が震える、耐え難い現実にロキが叫びを上げそうになった時だった。
「ロキ、見るな!」
 兄の声と暖かな体温と共に、再びロキの視界が黒く染まる。よかった!兄は無事だった!安堵の気持ちから涙が溢れそうになり……。
「死体だ……『誰かはわからない』けど、向こうに男の人のもあった。俺達を守ってくれたのかも……」
 兄の口から出た言葉に、再びロキの心は凍り付いた。
「行こう、ここは危ない……すぐに離れないと」
「兄さん……」
 もしかすると、兄も動揺して勘違いをしているのかもしれない。その可能性に縋るようにロキは質問を投げた。
「力を振るい、敵を倒す事だけが守護ではない……誰の言葉か覚えてる?」
「昔のローゼンハイムの人の言葉だろ……大丈夫、お前を置いて家を壊した奴を追ったりしねえよ」
 当然のようにそう答える兄に、ロキは悟った。
 彼は失ってしまったのだ、大切な両親の記憶を。


「帰ったぞー!」
「おかえりなさい兄さん」
「ああただいま、見てくれよロキ!今日行った√でドラゴンの角で作った漢方なんてのが売っててな……」
「おかえりなさい、兄さん」
「……あれ、もしかして『ここから出ていけ』って意味のおかえりなさい?」
 大切な弟であるプロキオン・ローゼンハイム(シリウス・ローゼンハイムのAnkerの弟・h03159)からの拒絶の言葉に、シリウス・ローゼンハイム(吸血鬼の|錬金騎士《アルケミストフェンサー》・h03123)は冷たい汗を流す。
「何故だ弟よ!?俺は何かお前を怒らせるような事をしたか!?」
「兄さんからのメールが多すぎて学校からの連絡に気が付けなかった事かな」
「仕方ないだろう!?俺が居ない間お前の身に何か起きていないか心配なんだよ!?」
「それと……」
 そこで言葉を区切ると、プロキオンは何かを指摘するように自分の腕を指さす。それを見てシリウスも自分の腕を見ると、ああと軽く相槌を打った。
「折れているが、明日には治っているさ。長引くようなら一度死んでリセットすればいい」
「何も良くないよ、医務室に向かおう」
 そう言って背中を押すようにシリウスを私室から追い出したプロキオンは、そのまま二人で医務室へと向かう。
「√能力者は不死身だけど、例外はある……安易にインビジブル化するようになるのは危険だ」
「大丈夫だよロキ、俺だって死ぬのが怖くないわけじゃないんだぞ?お前を置いていくことになるからな」
(……そんな所には行かない、とは言ってくれないんだね)
 快活に笑う兄の姿を見れず、プロキオンは思わず顔を伏せてしまう。大丈夫だ、安心しろ、そう言い続ける兄だが無茶はしないと約束をしてくれた事は一度もない。
「……ロキ?そっち女子更衣室だぞ?」
「っ……!」
「お前もそう言うのが気になる歳か……でも警察としてそれは見逃せないなあ?」
「考え事をしていただけだよ!」
 からかうように笑うシリウスを押ながらプロキオンは医務室に入ると、折れた腕の治療を始める。
「警察、カミガリの方はどう?」
「どうって曖昧な……良いところだとは思うぞ、お前の隣以上にはならないだろうがな」
 そう言ってシリウスはプロキオンと肩を組む。治療中は正直動かないで欲しい所だが、言っても聞いてはくれないだろう。
「そういうお前は?もうすぐ受験だろう、大学は決まってるのか?」
「……決めたよ、医大にする」
「良いじゃないか!ロキは頭も良いし手先も器用だからピッタリだ!」
 狭く高い場所にある門へ挑むというのに、もう既に受かったかのように振舞う兄にプロキオンは変わらないなと少し笑顔を浮かべる。
「力を振るい、敵を倒す事だけが守護ではない……僕は、兄さんみたいな人を守るために医者になるよ」
「昔からその言葉が好きだよなお前……まあ、俺も嫌いじゃないが」
 兄は両親との記憶を欠落してしまった、しかし繋がりの全てが消えてしまったわけではない。だから自分が離さないようにしなければならない、この細く小さな救いの糸を。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

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