シナリオ

9
Psycho

#√EDEN #√マスクド・ヒーロー #Anker抹殺計画 #プレイング受付中 #基本翌日付の何処かでお届けのはずです #1リプレイに纏めてのお届けとします、暫しお待ちくださいませ

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 いやに寒いなと感じたのです。

 本日の最高気温は30℃であるはずでした――実際そうだったのです、お日様は今日も元気な頑張り屋さん、たくさん照るお陰様で実に良好な空模様。あんまりに頑張り屋だというので気温があまりに上昇、真夏もかくやという気温気候。本当に5月だろうかと疑いたくなる程なのです、誰かお天道様にクレームをつけてあげて。

 しかし寒空だったのです。
 この男にとっては。
「……分かっているさ」
 心の|そこ《・・》、青一つ見えない曇り空。
 雪が降っているみたいに、ひもじいのです。
「それが出来なければ、俺のAnkerは死ぬんだろう?」
 震わせたくても身を震わせられず。
 震えるとしたら仮初の|殺意《かめん》くらい。
「そんなに鳴らさなくても、やってみせるとも」
 嗚呼もう一つ、震えていたのでしたか|Alerm《めいれい》が。先程から強制させるように訴えるものだから煩くて堪らない。
 だから|寒い《・・》のです。|冷たい《・・・》のです。こんな日は、あたたかなところに入らないとやってられないので。
 心を押し殺して、ふと目に入った喫茶店を見たのです。
 古ぼけて、優しげな、ひだまりのような場所。
「一つ『欠けて落ちた』者に言い訳はない」
 見る度に思うのです、あたたかいな。
 聞く度に思うのです、ほんとうにさむいな。
 相反しすぎて、聞き流しすぎて。
「赦されざる悪を、全うしよう」
 かっ開く第三の目。

 ――あたまがおかしくなりそうだ。

 東京都池袋区某所、賑やかな街からちょっと外れて、近くに小学校なり高等学校なりがあるような住宅街。
 そこにあったものです、当の喫茶店は。今日はどうしてか、お客様がとても多くて。何も知らない人からちょっと訳ありな人まで、
 明かされぬままに寛ぐ皆々様。
「とてもいい場所だろ」
 さて|√能力者たち《あなたがた》、声の方に注目するのです。
「コーヒーが美味しくて、チーズケーキも美味い。程々な音量の賑わいがあるから、思いっきり休んでも許される」
 ――なにより、ちょっとばかりうたた寝すると気持ち良いんだよなあ……。
 欠伸に背伸び、よろしくない素行の予感。眠たげに目を擦って、琥珀が見えたらそれが。
「でもそんな時間無いよって顔してるよな。わかるよ……自分のAnkerを狙われるっていうのは、」
 気持ちが良くないよな――星詠みの合図。
「俺は坂本・伴。あんたたちの手助けに来た――そう、サイコブレイドを退ける手伝い。その星を詠んでる」
 彼自身が動くことは叶わないのです。然し乍ら、
「サイコブレイドはこの喫茶店でAnkerをひたすらに壊そうとしてる。そう、あんたたちの。気が遠くなるほど迷ったみたいで、その全てにあっという間に辿り着く判別力もある」
 幾つか、光明があったものです。
「でも、悲しそうな眼をしてた。あんまりに、悲しい、自分の望みを押し殺した眼だ」
 だからもしかしたら、と紡ぐ程には、相応の訳を向こう側は持っていたものだから。
 あまりにも冷たいものだから――だから。
「だからここではまず退ける。それを繰り返して、いつかは彼を止める――そんな結末が叶うのが、いいだろ?」
 ともあれ、空白は埋めなくてはなりません。
「まずは時間を待とう。大丈夫、いつも通り、側にいてやれば良いんだ。俺も見守ってる」
 誰もが居場所を、失わないように。
 永く|失意《さむぞら》の下に迷わないように。
これまでのお話

第3章 ボス戦 『外星体『サイコブレイド』』


POW ハンターズ・ロウ
【暗殺】の体勢を取る。移動力と戦闘力を3分の1にする事で、肉眼以外のあらゆる探知を無効にする。嗅覚・聴覚・カメラ・魔術等、あらゆる探知が通用しない。
SPD サイコストライク
【装備中の「サイコブレイド」】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
WIZ ギャラクティックバースト
60秒間【サイコブレイドに宇宙エネルギー】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【外宇宙の閃光】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
イラスト sawada2
√マスクド・ヒーロー 普通11

 いやに苦いなと思ったのです。
 最後の一杯飲み干す頃、人々は全てを忘れている。そして店がちょっぴりだけ、先の行動にて紅で汚れてしまっていたことさえ……全て、忘れようとしているのです。忘れ去るのです。
 誰彼日常の中に居るけども。
「……会計を」
 外を出た先で、全てを進めようというのでしょう。
 揃って会計をしなくては。|√能力者たち《あなたがた》の、|Anker《たいせつ》のそれを済ませなくてはならぬのです。済むのならば、サイコブレイドを追うように、店を出なくてはならぬのです。
「えっと、その……」
 槙野は終ぞ、何を言っていいものか分かりませんでした。
 ゆるり視線を上げしサイコブレイド、気付かぬ筈が無くて。ただ、
「……また会うことになるだろう」
 外へ。
 ひだまりから逃れるように、外へ。
 皆して追いかけなければならぬのです。だって少し歩いてしまえば、いよいよ彼は。
「まだ、寒いな」
 そうせねばならない。振り向くのです彼。
 寒くて、寒くて敵わないと両の瞳が仰せで、
「ここは、俺が来るべき場所ではなかった」
 ひだまりは、彼には些か、眩し過ぎて。
「彼処の人々の殆どが、大切なものの脅かされる日陰を知らない」
 だから少し、
「そして、知らぬままに、」
 どうか――などと、言う資格があるものかは。
 カーテンが必要なのです。大切なものをこれ以上穢されぬように。
「……否、よそうか」
 すると響くのです、彼の頭の中で。
「外星体同盟が、先程から俺を呼んでいる」
 いやになるくらい、ひたすらに冷えた悪意。
「赦されざる悪となれ、そう決めている」
 男が狂気の刃を漸くその手に……ほら、暑いはずなのに寒いのです。
 1℃か2℃――|体感《きもち》の問題。
「お前たちを――破壊する」
 第三の瞳がかっ開かれて。

 Path B chosen.