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博士の平和な日常

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「は??」
「あぁン?」

─某所。平和な午後の昼下がり。
昼食に身も心も満たされて、さて食休みとこのまま微睡んでしまおうか。
そんな素敵な誘惑を一瞬で台無しにするのは、ネコの喧嘩めいて他者には判別のつかない威嚇音めいた何か。
とうとうこの辺にも野良ヤンキーが|出没《で》ましたか。そんな現実逃避をしながら声のする部屋を覗けば、そこにはいい歳を越えて、最早老境に差し掛かった二人の男。

「だから言うとろうが!機械化はすべてを解決するんじゃって!」
「大門…お前、我が最高傑作たるオメガを見てもそういうのか?あの素晴らしき生体と機械の融合が─」
「バッカ!人工とは言え臓器を残してそこを狙われたら元も子もないじゃろうて─」
「フフフ甘い!主要臓器…心臓、脳、我が手にかかれば増やし放題!いっそ手足すらブラフとして増やせばいいだろう!」
「は~これだからマッド野郎はよォ…ちょっと臓器が作れるからって…」
「フハハハハ、所詮機械弄りしか出来んお前には分からんだろうなぁ!この素晴らしさは!」

互いに白衣を身にまとう、いかにも博士でございと言った風貌の、片方は恰幅のいい白髪の禿頭。
もう片方は緑色の髪をした『博士』というよりは『ドクター』の名称が似合うような男。
そんな対称的な老人らがヒートアップして子供めいた言い争いの、内容をよくよく聞けば異常な不穏さ。これが世間体はともかく「実力だけはある博士らの言」というのだからたまらない。
もう本当、周囲はたまったもんじゃない。特に緑色の髪─人呼んでドクター・毒島の『最高傑作』たるオメガ・毒島は|発明品《当事者》だけあり、ほぼすべてのわざわいが降りかかる訳で。

「というか大門…お前にはオメガのような傑作がいないだろう!」

はい、論破。そんな風にニヤニヤと、しかし大人げなく勝ち誇った毒島に対し、グヌヌと下唇を噛む白髪の─大門・博士。
そんな絵に描いたような悔しい顔する人、リアルで初めて見た。先ほどからこっそりと、家政婦めいて部屋を伺っていた当のオメガ・毒島は思う。
「世界は広いですね」と。
しかし毎回とは言え呆れますよ。ええ。いつもまでも心が若いのは結構なのですがもう少し落ち着きを─。

「オメガ、いいところに!大門へお前の力を見せてやれ!」
「おっほナイスタイミング♡下剋上に興味ない?ほら…わしと手を組め…新たな力を手にしろ!!」

平和とは犠牲の上に成り立ちて─そんな、いつもの日常です。ええ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

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