雨恋い金魚と蛍の森
――雨々ふれふれ、もっと降れ。
雨を乞うように、水槽にゆうらり尾鰭をたなびかせているのは、沢山の金魚。
そして、リンと耳にやさしい音を鳴らす、金魚型の風鈴たち。
この地の伝承で金魚は、梅雨の時期だというのに干ばつに悩まされた際に、神様から遣わせられた、有難い雨を呼ぶ使者なのだという。
だから梅雨の時期、この地では、恵みの雨を祝う金魚祭り――『|雨恋《あまごい》祭』が開かれる。
場所は、十字に走った道に沢山の店が立ち並ぶ『|雨屋通り《あまやどおり》商店街』。
屋根付きアーケード商店街だから、雨が降ったって、ぶらり散策を存分に楽しめる。
むしろ雨のお祭りだから、各店、雨の日特典がいっぱい。
南北にはしる『味彩横丁』で楽しめるのは、主にグルメが中心。商店街の醍醐味である味彩メンチカツやコロッケなどの食べ歩きや、お祭り限定の沢山の金魚モチーフのスイーツやメニューが味わえる店々、雨宿りにぴったりなレトロ喫茶店などがある。
東西にはしる『相合小道』は、傘などの雑貨や装飾品や金魚風鈴などが買える店が並び、お祭りならではな催しや遊びも盛り沢山。
時期的に紫陽花も咲いており、色とりどりの傘もくるり、雨の日に彩りを添えていて。商店街グルメを目一杯楽しんだり、雨宿りしつつゆっくりレトロな喫茶店で過ごしたり、買い物や金魚すくいや紫陽花釣りなど、様々な楽しみ方ができるというわけだ。
金魚鉢紫陽花パフェや、紫陽花のように色が変わる二種類の手毬かき氷、おみくじが中に入った金魚焼きや、紫陽花ビー玉が入った金魚柄の瓶のフルーツラムネに琥珀糖サイダー、爽やかなミニ金魚鉢ゼリー、梅雨や金魚にちなんだドリンクやアルコールなどの食べ物や、商店街の雨空を彩り鳴る金魚風鈴など、この商店街ならではなものもいっぱい。
ちょっぴり憂鬱になりがちな雨の日のおでかけも、この雨屋通り商店街だったら、逆にうきうき嬉しいことがいっぱい。
楽しく雨宿りしながら、目一杯お祭りも楽しめるというわけだ。
さらにこの地の伝承は、雨乞い金魚だけではなく。
近くにある森は、『七色の森』と呼ばれているという。
その名の謂れは、森にある『龍の川』が、七色であるから。
そんな虹色の正体は、浅瀬の小川の底にきらきらと光る、鱗のような無数の石。
龍玉と呼ばれているそれは、護符やお守りや装飾などの加工品の素材になり、持ち主の願いが叶うと言われていて、商店街にも加工品を扱う店もあるが。自身で川で掬って、お気に入りの龍玉を見つけることもできる。
それに加えて今の時期、雨上がりの夜になれば、七色蛍が舞い遊ぶという。
まさに七色の森というに相応しい、今だけの絶景となるのだ。
けれど「龍の川」は森の奥にあり、知る人もあまりいない穴場だというから。
そう、そこはまさに――身を隠したい存在にとっては、うってつけの場所。
●雨恋祭と七色の森
「雨が降っている時の外出って、億劫になりがちだけど。雨だからこそ楽しめるお祭りってきくと、雨の日のおでかけもわくわくになりそう。金魚も、きれいだったりかわいかったり、色々な子がいるよね。わたしは、ちょっと愉快なお顔の出目金が好き」
楪葉・望々(ノット・アローン・h03556)はそう皆に小さく笑みながらも、訪れてくれた皆に礼を告げた後。星詠みの予知を語る。
「今回みんなに行ってもらうのは、√妖怪百鬼夜行だよ。凶暴で他者の血肉を喰らう危険な「古妖」の封印は、√妖怪百鬼夜行の各地に存在するけれど。「情念」を抱えた人がこの封印に引き寄せられて、その願いを叶えるという約束と引き換えに、古妖を封印から解き放ってしまったみたい」
解き放たれた古妖を自由にさせておく訳には、当然いかないし。
封印を解いてしまった強い情念を抱えた人も、古妖にそそのかされたとはいえ、封印を解いてしまい、自分の望みも叶わなかったという、落胆と後悔に苛まれているだろう。故に、封印を解いた彼についても、何らかのフォローをしてあげられるといいかもしれないし。古妖や人々に怪しまれぬよう、祭りを楽しむ客を装うことも必要だろう。
そして時が来れば、古妖の元へと赴いて倒す――これが今回の依頼である。
それから望々は、依頼の詳細を説明する。
「古妖を解き放ってしまった人はご年配の男性で、古妖に、亡くなった奥さんとまた思い出のこの地で会わせてあげるって、そうそそのかされたみたい。でももちろん、そんなことは叶わなくて……自責の念に駆られつつもショックのまま、奥さんとの思い出があるこのお祭りの中、あてもなく商店街を歩き回ってるみたいなの。そして解き放たれた古妖は、明るいうちは人に紛れて次の唆すターゲットを探して、夜になると近くの森の隠れ家に戻るみたい。昼は一般人もいるし人も多くて見つけられないだろうし、今は標的を見定めるだけで古妖もすぐには行動には移さないようだから、夜に森の隠れ家に赴いて、倒すことになるよ。それまでは怪しまれないように商店街を巡ってお祭りを楽しんでる客を装ったり、古妖を解き放ってしまった人に声をかけたりとか、色々できる時間は十分あるよ」
皆が商店街に到着するのは午前中、古妖が森の隠れ家に戻る夜の時間までは自由に過ごせる。敵に怪しまれぬよう客を装い商店街の祭りを楽しむも良し、封印を解いた人を探すもまた良いだろう。
そして夜に雨があがる頃に、古妖は森に戻るというので。雨が上がった後、七色蛍が舞う森の「龍の川」の浅瀬を行き、潜む古妖を討って欲しいというわけである。
望々はそこまで説明した後、くるりと皆を見回して。
「古妖を退治するのが、一番の目的だけれど。雨の日の商店街の金魚のお祭り、とてもたのしそう。それに、商店街グルメも、美味しそうだよね。あ、そうそう……商店街の案内図や、各店の雨の日特典が書かれたパンフレットも、渡しておくね。あ、七色蛍は妖怪だから、蛍が舞う龍の川に入っても問題ないよ」
だから色々楽しんできて、と小さく笑んだ後。
望々は、よろしくお願いしますとぺこりお辞儀をして、皆を送り出すのだった。
マスターより

マスターの志稲愛海と申します。
よろしくお願いいたします!
※ご連絡※
第1章の受付は【6/14(土)朝8:30~6/18(水)23:59迄】です。
以降の章の受付等は、シナリオタグやMSページで連絡します。
各章の詳細を記載した断章を、各章受付開始前に掲載予定です。
戦闘章以外はPOW/SPD/WIZは気にせずOKです。
どの章からでも、気になった章のみでも勿論歓迎です。
可能な限り内容が採用できないプレイング以外は全採用予定です。
何名様ででも、何文字ででもお好みで、お気軽にどうぞ!
今回の依頼内容は以下です。
第1章、「雨恋祭」開催中の「雨屋商店街」の散策を楽しめます。
時間は、午前中から夜を迎えた頃までです。
グルメに買い物に他色々、沢山の店が並ぶ商店街で祭りのひとときを過ごせます。
内容はOP通り、詳細は断章に記載いたします。
お気軽に好きなように、商店街のお祭りを楽しんでください。
敵等に不自然に思われぬ為にも、自由に過ごしていただければと!
第2章は、第1章の結果を受けて内容が分岐しますが。
七色に輝く「龍の川」の浅瀬を行きながら、七色蛍舞う森の夜が楽しめるかと。第1章と同じような、お遊びメインな内容となります。
第3章は、古妖との戦闘です。
詳細は第2章クリア後の断章に記載いたします。
公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、20歳以下の方の飲酒喫煙は厳禁です。
締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。
●お願い等
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称推奨)と、hからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。
グループ参加の人数制限はありません。
お一人様~何名様ででもどうぞ!
ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。
ご参加お待ちしております!
208
第1章 日常 『お祭りを楽しもう!』

POW
お神輿担ぎに参加する!
SPD
屋台巡りをする!
WIZ
盆踊りに混ざる!
√妖怪百鬼夜行 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リンリン、チリン、チリン――。
降り出した雨の音と、まるで仲良く寄り添うように。
ゆうらり梅雨空を泳ぎ、涼やかな音色響かせるは、様々な色や意匠の金魚風鈴たち。
そして降り出した雨は、丁度見頃を迎えた紫陽花に煌めきの雫を纏わせて。
くるりと華の様に開き咲く、色とりどりの傘たち。本物の金魚たちだって、そこかしこの水槽で優雅に尾鰭を揺らしてひらりゆらゆら泳いでいる。
梅雨の時期のおでかけは、何かと億劫になりがちだけれど。
でも、雨の日だからこそ、色々なことが楽しめるのがここ――|雨屋通り《あまやどおり》商店街。
何ていたって、アーケード商店街だから、雨が降っても傘いらず。
むしろ、雨々ふれふれ、ちゃぷちゃぷらんらん。
ちょうど今、この商店街では、雨の恵みに感謝するお祭り『|雨恋《あまごい》祭』が開かれているのだから。
この雨屋通り商店街は、十字に走った道に沢山の店が立ち並んでいて。
南北にはしる『味彩横丁』と東西にはしる『相合小道』から成っている。
『味彩横丁』は、主にグルメが楽しめる通り。
商店街グルメといえば、メンチカツやコロッケは通常の味は勿論のこと。今の時期限定で、紫キャベツが入った「味彩メンチカツ」と紅芋の「味彩コロッケ」も楽しめるというし。
他にも、焼鳥や唐揚げ串や焼き、紫陽花色の小籠包や金魚印の紫芋まん、カレーパンやメロンパンなどなど、食べ歩きの定番が勢揃い。
そして限定食べ歩きスイーツだって、目移りするほど沢山。
例えば、おみくじが中に入っているという金魚型焼き菓子の「おみくじ金魚焼き」、小倉やカスタードなど中身が選べる金魚型をした「金魚たい焼き」、爽やかなソーダとレモンのゼリーの中に金魚ゼリーが泳ぐ「ミニ金魚鉢ゼリー」に、ラムネソフトクリームの上に赤と黒の金魚チョコが乗せられた「金魚ソフト」、金魚の焼き印がされた「金魚みたらし串団子」や紫陽花色の餡が綺麗な「紫陽花餡の串団子」、何段重ねでもお好みのアイスを積んでくれるという「唐傘アイスクリーム」には今だけミニ蛇の目傘がさしてある。
それから飲み物で注目なのは、紫陽花ビー玉が入った金魚柄の「フルーツ瓶ラムネ」で、マンゴーやライチやブドウやイチゴ味などがある。昔ながらの「冷やしあめ」は、金魚柄のミニミニ金魚鉢に入った爽やかなレモン風味。
そんな食べ歩きも楽しいし、レトロな喫茶店で雨音を聞きながらひと休みするのもいいだろう。
「金魚鉢紫陽花パフェ」は、青や紫や白などのゼリーや錦玉羹やアイスが爽やかで、ぶどうやメロンやさくらんぼなどの旬のカットフルーツに、抹茶クッキーの葉っぱが添えられた、まんまるな器が紫陽花のようなパフェ。
紫陽花のようにまあるい「手毬かき氷」には、二種類の彩りと味が。どちらもレモンの雨を降らせれば、魔法のように色が変わるという。ひとつは、青から紫へと移ろうバタフライピーシロップを使った柑橘系の味わいの「青毬」。もうひとつは、紫からピンクへと変わるブル―ベリーシロップを使った「紅毬」。
「ふかふかパンケーキ」にはラムネとバニラとぶどうのまんまるミニ紫陽花アイスが添えられていて、寒天の金魚やトッピングをポイ型スプーンで掬って食べる「金魚掬いあんみつ」も美味しくて楽しげ。
そして、しゅわり透明なサイダーの中を赤い琥珀糖の金魚が煌めき泳ぐ「琥珀糖サイダー」は見栄えも綺麗で。「雨色クリームソーダ」はブルーソーダの上に好きな味のアイスを乗せることができ、アイスに差してあるのはくるり開いた小さな番傘。
また、お酒が飲める年齢であれば、青と紫とピンクのグラデーションが綺麗なカクテル「七変化」や、紫陽花をイメージした優しい味わいの日本酒「華手毬」などもいただけるという。
『相合小道』は、金魚風鈴や雑貨やアクセサリー店などが並んでいる。
商店街に音色を響かせている金魚型の風鈴は、様々な色や形の金魚のものがあって。好きな色や柄や音色、金魚の銘柄など選んでお土産にできるというので、眺めてみるのも楽しいだろう。
それに、雨の日に必要な様々な雨具が売っている、色柄豊富な傘屋さんだったり。
雑貨屋やアクセサリー屋では、金魚が揺れるもの、紫陽花が咲くもの、傘のデザインのものなどのグッズやアクセサリーが買える。
また、縁起物の龍玉という鱗のような形の石を使った、護符やお守りや装飾などの加工品屋もある。この加工屋は、自身で持ち込んだ龍玉を好きなものに加工もしてくれるというので、後日自分で掬ったものを加工してもらうこともできるようだ。
そしてこの通りでは、金魚釣りなどの遊びができる店も沢山。
本物の金魚を掬うこともできるし。本物は持ち帰れない場合は、色とりどりの花や金魚のカタチをしたキャンドル掬いや、色が各々違う紫陽花柄のアクリルキーホルダーを引っかけて釣る「紫陽花釣り」などもできるという。
それから、この『雨恋祭』期間中だけ貰える、特別な雨の日特典。
それは――『雨恋福引券』。
がらがらとハンドルを回して、出た金魚ビー玉の柄で商品がもらえるというので。
ゴールデン金魚が描かれた一等の玉を目指して、いざ運試しにでも引いてみるのもいいだろう。
古妖を解き放ってしまった年配男性も商店街にいるようなので探してみてもいいし。
解き放たれた古妖も潜んでいるだろうが、今はまだ気づかれないように。
この『雨恋祭』を、全力で楽しむのもまた良し。
折角だから、傘いらずな快適な雨の日のおでかけを、目一杯満喫しよう。
<マスターより補足>
「おみくじ金魚焼き」の結果は、指定でもお任せでも構いません。
お任せの場合は総合運になりますので、金運や恋愛運などご指定ある場合も記載を。
雨恋福引は、福引にありそうな景品をご指定できますし、お任せでも構いません。
旅行とかからティッシュまで、景品は色々あるようです。
引く回数も、不自然のない回数でお任せします。
龍玉の加工については、龍玉掬いは次の章でおこなうので、後日お願いしたというカタチになるかと。店に並んでいる加工品を購入するのは、この章でも勿論可能です。
他にもOPに記載なくても、たい焼きの中身やアイスの味、アクセサリーや雑貨の種類など。ありそうなものであれば、ご自由に設定いただいて構いません。

・行動
ここが何処なのか……小さな事を気にするのは野暮ですね。
こういう事は確か…「Don't make a mountain out of a molehill」でしょうか?
一先ず、傘を差して雨屋商店街を散策しましょう。
何があるのでしょうか…?何か、ささやかなプレゼントが出来る物が良いですね。
パンフレットを参考に探してみましょう。
梅雨のお出かけも、スパダリならぬスパハニである彼女にとっては、特に何ということもない日常の事。
いつもの紅茶葉が切れそうだから補充し、存分に主様を癒せるような夜の献立の買い物をして、それから――なんて。
ぽつぽつと、差した傘に落ちる雨音を聞きながら、手際良く用事を済ませるべく歩いていた、アンジュ・ルルー(身支度から諜報まで・h02555)だけれど。
いつもの路地を曲がったはずなのに、眼前に広がるのは、見慣れぬ景色。
とはいえ、一瞬だけ足を止め、傘を少し上げて周囲の様子を確認したものの。
アンジュはすぐに再び、さり気なく水溜まりを避けながらも、雨の中を歩き出す。
だって、彼女のような√能力者達は知っているから。
こういうことが起こるのだって、日常の一部であることを。
それに、星詠みからの予知の話も小耳にはさんでいるから。
だから特に慌てる様子などもなく。
(「ここが何処なのか……小さな事を気にするのは野暮ですね」)
先程いた場所とは違うことはわかる世界を、アンジュは構わず行く。
「こういう事は確か……「Don't make a mountain out of a molehill」でしょうか?」
主様が住む√のようなヒーローや怪人こそあまり見かけないけれど、代わりにちょっと風変わりな妖怪たちがいることも。
ちょっぴり遠回りしたり、普段と違う店で買い物をすることになっても。
そう、それらは大きな問題でありそうに見えて、でも実際はほんの些細なことばかり。
だって梅雨の雨模様も、この時期に咲く紫陽花も、特に先程からとそう変わりはないから。
だから一先ず、傘を差して歩いていれば――辿り着いたのは、『雨屋商店街』。
商店街の名が書かれたレトロなアーチゲートを潜れば、リンと耳に聞こえる涼やかな音と雨空を泳ぐ金魚たち。
そして屋根があるアーケードの下、雨露をそっと払いながら傘を閉じて。
星詠みから貰っていたパンフレットを開き、視線を落として確認するアンジュ。
「何があるのでしょうか……?」
商店街には沢山の店がずらりと並んでいるようだから、スパハニとして、抜かりなくチェック。
それから足を向けてみるのは、お土産が買えそうな『相合小道』。
商店街では聞いていたように祭りが催されており、限定の金魚モチーフのものも並んでいるようだから。
相手の好みや普段の行動を踏まえつつ、アンジュは探してみることにする。
……何か、ささやかなプレゼントが出来る物が良いですね、と。
🔵🔵🔵 大成功

んにゅ……屋台巡り、なのです……
ふぁ……楽しい雰囲気、とても好きです……
夢だけじゃなくて、やっぱり現も、楽しい方が……いいのです、きっと……
雨に感謝する……なるほど、確かに作物などは雨が降らないと……困るです……
……甘くて、美味しそうな匂い……
甘い物は大好きです……色んな種類の、甘い物を食べたい……のです……ぐぅ
僕の背丈が……とっても低い(100cm)ので……他の存在の迷惑にならない様に、気をつけて食べ歩きしたいのです……
邪魔になりそうなら、空中浮遊でふよふよ浮いて……空中移動するのです……
……目指せ、全甘味制覇……目標に食べ歩くです……すぴー……
アドリブ歓迎なのです
いまだ、雨はしとしとと降ってはいるけれど。
でも、鬼灯・睡蓮(人間災厄「白昼夢」の護霊「カダス」・h07498)がふらりと訪れたのは、傘いらずな屋根付きのアーケード商店街。
丁度今、お祭りが開かれているという商店街には、沢山の店や屋台がずらりと並んでいて。
まっすぐに伸びた十字路の道を進めばいいだけだし、屋根があるところを行けばいいから。
「んにゅ……屋台巡り、なのです……」
多分きっと、方向感覚がない彼でも、盛大には迷子にはならない……はず?
そして、きょろりと巡らせる瞳は、相変わらずとろんと薄目ではあるものの。
「ふぁ……楽しい雰囲気、とても好きです……」
睡蓮はいつものようにふらふらと、気侭に足が向くままに。
特にどこにいこうかなどは考えず進みつつも、思うのだった。
夢だけじゃなくて、やっぱり現も、楽しい方が……いいのです、きっと……、と。
それから、この雨の祭りの謂れなどをふんわり思い返せば、小さくこくりと頷く。
「雨に感謝する……なるほど、確かに作物などは雨が降らないと……困るです……」
寝ることは言わずもがな当然大好きで、いつの間にか寝ていることも珍しくないのだけれど。
「……甘くて、美味しそうな匂い……」
ふらりと誘われるのは、風に乗って漂ってくる美味しそうな匂いたち。
(「甘い物は大好きです……色んな種類の、甘い物を食べたい……のです……ぐぅ」)
何せ、睡蓮はそう、甘い物が大好きな甘党なのだから。
一瞬寝落ちしたりしながらも、ふらりゆらゆら。
まずは、カスタードが入った「金魚たい焼き」や「紫陽花餡の串団子」などの、甘い限定スイーツを買ってみて。
いただきます、と口にする……その前に。
(「僕の背丈が……とっても低いので……他の存在の迷惑にならない様に、気をつけて食べ歩きしたいのです……」)
邪魔にならないようにと、空中浮遊でふよふよ浮いて、空中移動しつつも……今度こそ、いただきます!
それから、美味しくはむはむいただけば、再び甘い物を求めてふらふら。
「……目指せ、全甘味制覇……目標に食べ歩くです……すぴー……」
まるで子守唄みたいな雨音を聞きながら、まるで金魚が泳ぐみたいにふわふわと。
うとうと感じる眠気にも、甘い物を食べたい心にも、どちらにも抗わず従いつつ。
あくまでマイペースに――目指すはそう、スイーツ全制覇、なのです。
🔵🔵🔵 大成功

榴(h01965)とデート
「榴とこうしてゆっくり過ごすのは初めての気がします」
デートですねと柔らかく微笑む
手を恋人繋ぎにして商店街を見て廻ります
水槽の中を泳ぐ金魚は普通のお魚より華やかな気がします
「榴はお魚と親和性があったと思うのですが、こうした金魚も対象なのでしょうか?」
お店では何かアクセサリーを探してみましょう
榴なら赤と白の金魚の髪留めはよく映えそう
彼女の黒髪に当てて見せて微笑む
私自身は黒の金魚のヘアクリップを当てて見せたり
小休止に煙草で一服、紫煙を漂わせながら、
「その後に進展はありましたか?」
情念を叶えるという話に、榴の恋はどうだろうと問いかける
彼女の願いが叶えばいいと私は微笑みを向けた

アドリブ・アレンジ歓迎。
小鳥姉様(h01076)とデート。
心情
…確かに、日頃は…怪異なり、簒奪者なり…相手にしておりますから。
…こう謂うイベントに…2人で来るのは、初めてかも…です。
…あ、改めてデートと、謂われてると、なんか恥ずかしい。
…金魚が…綺麗、です。
…御魚?
…僕のインビジブル…ですか?
それなら対象には、なります。
…小鳥姉様には、黒はとても…お似合いです。
…え、え…っ…ぅぅ”…
…それを今、聞くのですか!?
…僕の恋は…っ…
行動
小鳥姉様と恋人繋ぎをして、商店街を見回ります。
幾つかのお店を見て、アクセサリーを見ている。
僕の恋愛。
恋愛は…視線を逸らして、何処から話した物かと悩んで言葉が詰まる。
梅雨の時期のお出かけは、億劫だと思う人も多いだろうが。
しとしとと雨の音が響く中を歩くお出かけも、たまにはきっと乙なもの。
リンと鳴る金魚風鈴も、恵みの雨を呼ぶように、ゆうらりと梅雨空を泳いでいるのだから。
花喰・小鳥(夢渡りのフリージア・h01076)も今日はゆるりと、四之宮・榴(虚ろな繭〈|Frei Kokon《ファリィ ココーン》〉・h01965)と共に楽しむつもり。
「榴とこうしてゆっくり過ごすのは初めての気がします」
「……確かに、日頃は……怪異なり、簒奪者なり……相手にしておりますから」
……こう謂うイベントに……2人で来るのは、初めてかも……です、と。
そっとそう続ける彼女に、小鳥は柔く綺麗に微笑んでみせる――デートですね、なんて続けて。
その声を聞けば、榴はぱちりと琥珀の色を瞬かせて。
(「……あ、改めてデートと、謂われてると、なんか恥ずかしい」)
そう擽ったい気持ちになりながらも、指を絡め合い繋いでいる手から伝わる熱も意識してしまう。
そして、屋根もついていて傘いらずだから、ふたり仲良く恋人繋ぎをして。
お祭りで賑やかだけれど、でもどこか穏やかな雰囲気の商店街を見て廻ることに。
それから榴の瞳にふと映るのは、ゆうらりゆらりと尾鰭を揺らす優雅な姿。
「……金魚が……綺麗、です」
ぽつりと聞こえたそんな声に、小鳥も彼女の視線を追って。
水槽の中を泳ぐ金魚を見れば、普通のお魚より華やかな気がするし。
それに、じいと金魚たちを見つめる隣の横顔を見れば、小鳥はこう紡いでみる。
「榴はお魚と親和性があったと思うのですが、こうした金魚も対象なのでしょうか?」
その言葉に、榴は思いもよらなかったように小鳥へと視線を移してから。
「……御魚?」
小さく首を傾けながらも、考えてみれば。
「……僕のインビジブル……ですか? それなら対象には、なります」
こくりと、頷いて返す。
ゆうらり泳ぐ金魚たちの姿は確かに、傍らで見ている海月やラブカみたいに水槽の中を揺蕩っているから。
それから、金魚や雨の日モチーフで溢れた商店街の店を、いくつか見て回った後。
次に足を運んだ店に並んでいるのは、様々なアクセサリー。
榴と一緒にアクセサリーを見ながら、小鳥はくるりと瞳を巡らせ探してみて。
見つけたその子を、そっと榴の髪に添えてみて。
「榴なら赤と白の金魚の髪留めはよく映えそう」
彼女の髪が湛える黒に鮮やかに泳がせてみれば、微笑みを向けて。
それから自分用にと、シックで優美な黒の子のヘアクリップをを当てて見せれば。
榴はひとつひとつ頷いて、彼女の金の髪に留まった黒の金魚を見つめる。
「……小鳥姉様には、黒はとても……お似合いです」
そんな買い物をふたり楽しむ最中、小休憩にと足を止めて。
小鳥は煙草で一服、雨空を泳ぐように紫煙を漂わせながらも、聞いた星詠みの話をふと思い出して。
榴に、こう問いかけてみるのだった。
「その後に進展はありましたか?」
情念を叶えるという話に――榴の恋はどうだろう、と。
そしてそれを聞けば、再び瞳を瞬かせた後。
「……え、え……っ……ぅぅ”……それを今、聞くのですか!?」
榴はおろおろ、戸惑ってしまう。
それから思わず視線を逸らして。
「……僕の恋は……っ……」
――僕の恋愛、と。
言葉が詰まってしまうのは……何処から話した物かと悩んでしまっているから。
そして小鳥は、顔を赤くしてどう言えばいいかと考えている榴の様子に微笑みを向けながらも、思うのだった。
雨恋金魚たちによって、雨を乞う人々の思いが通じて恵みの雨が降ったという、この祭りの逸話みたいに――彼女の願いが叶えばいい、って。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【紫の絆】で参加
今回は旦那さんを菫さんが失ってるのもあって思うことがあるようだけど、せっかくの雨恋祭、楽しもう!!アーケードだから食べ歩きも安心!!
まず味彩メンチカツ、唐揚げ串!!紫芋まん!!うん、美味しい!!スイーツは小倉の金魚たい焼き、抹茶、いちご、バニラの3段重ね唐傘アイス!!食べ過ぎ?まあ彩綾もソフトクリーム美味しそうに食べてるし、菫さんは何気にミニ金魚鉢アイス選んでるし、昴さんが両手に持っているみたらし団子と紫の餡の串団子はな〜に?昴さん、甘味はいくらでも食べれるんだよね。外見に反してギャップがあるんだよなあ。
やっぱり冷やしあめだよね!!うん、満足!!美味しいもの食べれたね。

【紫の絆】で参加
奥さんの事を思って古妖を解放した旦那さんか。菫さんなんか考え事していたようだけど、せっかくの雨恋祭、楽しもう!!金魚が恵の雨の使い、なんかいいなあ。
アーケード商店街で味祭コロッケにカレーパン!!ほくほくで美味しい。
限定食べ歩きスイーツは食べるべきでしょう!!たい焼きはカスタード。私は金魚ソフト!!3段重ねの山盛りアイスで満足そうなお姉ちゃんと、金魚鉢ゼリーに珍しく楽しそうな笑顔の菫さん、何気にみたらし団子と紫陽花餡の串団子両方持ってる昴さん、皆存分に楽しんでるね?うん、私も楽しい!!
一杯食べた!!やっぱり4人で食べ歩きはたのしいなあ!!

【紫の絆】で参加
私も夫と娘二人を失った。また愛しい人と会えると聞いて古妖の封印を解いた方の気持ちもわかる。私も心揺らぐだろうから。
でも件の古妖が出るのは時間があるようだね。金魚が使者となって恵の雨を呼ぶ雨恋祭。楽しもう。
私は肉はちょっと・・・代わりに小籠包と紫芋まんをいただくよ。どの品もてがこんでいていいね。
スイーツはミニ金魚鉢ゼリーを見て微笑む。なんて色鮮やかで美しい。わくわくするよ。デザートも金魚が添えられていて、本当に金魚が大切にされてるんだね。
冷やし飴か。子供の頃によく飲んだね、昴。綾音も彩綾も美味しいもの食べれて満足そうだ。私も皆が楽しそうで、幸せだ。

【紫の絆】で参加
俺は家族の記憶は抜けてるが、姉さんの旦那さんの事は良く覚えてる。お似合いの夫婦だった。奥さんに出会いたくて古妖の封印を解いた件については姉さんは他人事とは思えないようだな。
でも時間があるようだからすっかり乗り気の女性陣と共に食べ歩きいくか。俺はメンチカツにコロッケ。男はやはり肉だよな。
限定スイーツか。最高だな。折角串団子二種類あるし両方いただくか。みたらしと紫陽花餡。綾音も彩綾も姉さんもお目当てのスイーツみつけて美味しそうに食べてるな。
ああ、4人でこうして息抜きに食べ歩きもいいものだ。戦いばかりでは疲れてしまうし。
見上げる空から、静かに降り続ける雨。
それに、星詠みから聞いた話を思い返せば、どうしても藤原・菫(気高き紫の花・h05002)は思い出してしまう。
(「私も夫と娘二人を失った」)
だから、菫にはわかるのだ。また愛しい人と会えると聞いて、古妖の封印を解いた男性の気持ちが。
……私も心揺らぐだろうから、と。
そして、海棠・昴(紫の明星・h06510)は、自分の家族の記憶は抜けているのだけれど。
(「姉さんの旦那さんの事は良く覚えてる。お似合いの夫婦だった」)
同じように、今回の案件の話を聞いた際に脳裏に浮かんだのは、菫の夫のこと。
それに、従姉の様子を見れば、わかるのだった。
(「奥さんに出会いたくて古妖の封印を解いた件については姉さんは他人事とは思えないようだな」)
いや、それは昴は勿論のこと、桐生・綾音(真紅の疾風・h01388)と桐生・彩綾(青碧の薫風・h01453)の姉妹も感じ取っていることで。
(「奥さんの事を思って古妖を解放した旦那さんか。菫さんなんか考え事していたようだけど」)
(「今回は旦那さんを菫さんが失ってるのもあって思うことがあるようだけど」)
そんな菫の様子を見守りつつ、だからこそ思うのだ――せっかくの雨恋祭、楽しもう!! って。
菫だって、男性と自身を重ねて思うことはあっても、湿っぽい気持ちだけではないから。
(「でも件の古妖が出るのは時間があるようだね」)
男性の気持ちがわかるからこそ、古妖は退治しなければならないし。
それまで、時間はまだ沢山あるようだから。
「金魚が使者となって恵の雨を呼ぶ雨恋祭。楽しもう」
「金魚が恵の雨の使い、なんかいいなあ」
「アーケードだから食べ歩きも安心!!」
皆で楽しく美味しく、雨と金魚のお祭りを楽しむつもり。
昴もまだ時間があることは聞いているから、そんな3人を見遣る瞳を細めて。
従姉やはしゃぐ姉妹に、いつものようについていくことに。
……すっかり乗り気の女性陣と共に食べ歩きいくか、って。
ということで、アーケード商店街に到着すれば、傘を畳んで。
勿論まず楽しむのはそう、商店街グルメ!
金魚風鈴が涼やかな音を鳴らす中、美味しそうな匂いがそこかしこから漂ってきて。
何を食べ歩こうか、目移りするほど色々なものがあるのだけれど。
「まず味彩メンチカツ、唐揚げ串!! 紫芋まん!!」
「アーケード商店街で味祭コロッケにカレーパン!!」
それぞれ、気になったものを買ってみる。
綾音は商店街グルメの醍醐味な味彩メンチカツに、唐揚げ串に紫芋まんも抱えて。
彩綾が選んだのは、さくさくのコロッケに、食欲をそそるカレーパン。
そして早速わくわく、はむりと口にしてみれば。
「うん、美味しい!!」
「ほくほくで美味しい」
揚げたて出来立ての商店街グルメの美味しさに、揃って笑み咲かせる。
それから、昴が買ったものは勿論。
「俺はメンチカツにコロッケ。男はやはり肉だよな」
「私は肉はちょっと……代わりに小籠包と紫芋まんをいただくよ」
好みに合わせて、それぞれが好きなものを選べるほど沢山の店が並んでいるのもまた、商店街の醍醐味で。
菫は皆が選んだものや自身が買ったものを見つめれば、改めて思う……どの品もてがこんでいていいね、と。
でも当然ながら、これで御馳走様なわけではなくて。
「スイーツは小倉の金魚たい焼き、抹茶、いちご、バニラの3段重ね唐傘アイス!!」
「限定食べ歩きスイーツは食べるべきでしょう!! たい焼きはカスタード。私は金魚ソフト!!」
そううきうきな綾音と彩綾に、昴も大きく頷けば。
「限定スイーツか。最高だな。折角串団子二種類あるし両方いただくか」
串団子は勿論、みたらしと紫陽花餡、どちらもいただきます!
そして菫は、食後のデザートは見目も味も爽やかなものを。
「なんて色鮮やかで美しい。わくわくするよ」
購入した手元のミニ金魚鉢ゼリーを見て微笑んで。
それから、ゼリーの中を泳いでいるような金魚を見つめ、改めて思う。
……デザートも金魚が添えられていて、本当に金魚が大切にされてるんだね、って。
いや、がっつり揚げ物を食べて、さらにデザートまで盛り沢山で――食べ過ぎ? なんて。
綾音は首を小さく傾けるも、すぐに3人を見て笑みを宿す。
「まあ彩綾もソフトクリーム美味しそうに食べてるし、菫さんは何気にミニ金魚鉢アイス選んでるし、昴さんが両手に持っているみたらし団子と紫の餡の串団子はな〜に?」
それに、自分と姉妹の彩綾がデザートも張り切って食べているのは、自然なように見えるけれど。
同じようにほくほくと甘い串団子を両方購入し、口に運ぶ昴の姿を見れば、改めて綾音は思ってしまうのだ。
「昴さん、甘味はいくらでも食べれるんだよね」
……外見に反してギャップがあるんだよなあ、と。
彩綾も、ソフトクリームを美味しくいただきつつ、ほっこり。
(「3段重ねの山盛りアイスで満足そうなお姉ちゃんと、金魚鉢ゼリーに珍しく楽しそうな笑顔の菫さん、何気にみたらし団子と紫陽花餡の串団子両方持ってる昴さん、皆存分に楽しんでるね?」)
それから当然、彩綾自身も雨色のソフトクリームを口にすれば、笑み零す――うん、私も楽しい!! って。
昴も、好きな甘味を存分に堪能しつつ、それぞれ美味しく楽しんでいる女性陣を目にして。
(「綾音も彩綾も姉さんもお目当てのスイーツみつけて美味しそうに食べてるな」)
そんな昴に、菫はふと声を向ける。
「冷やし飴か。子供の頃によく飲んだね、昴」
見つけたのは、昔懐かしい冷やし飴。
綾音も、ぱっと表情を輝かせて。
「やっぱり冷やしあめだよね!!」
最後は、爽やかで甘い味わいの冷やし飴で締めます!
というわけで、おなかも心も、しっかり満たされて。
「うん、満足!! 美味しいもの食べれたね」
「一杯食べた!! やっぱり4人で食べ歩きはたのしいなあ!!」
綾音の声に、笑顔で頷いて返す彩綾。
そして菫は、昴と共にそんな姉妹を見つめながらも。
「綾音も彩綾も美味しいもの食べれて満足そうだ」
「ああ、4人でこうして息抜きに食べ歩きもいいものだ。戦いばかりでは疲れてしまうし」
従弟のそんな言葉に頷いて続けるのだった……私も皆が楽しそうで、幸せだ、と。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

🌟ラライサ
お祭り、味彩横丁……グルメっむぃい!
だっと駆けて行こうとしたところをイサに捕まえられたわ
むう
ララはメンチカツとコロッケとおみくじ金魚焼きとアイスとラムネとパフェとパンケーキは絶対食べるのよ
情緒を味わうのも悪くないわね
りんりんと楽しげな音
金魚風鈴…それならイサのような桜と紫苑の金魚風鈴がいい
イサは金魚掬いが上手いもの
ララは今回は紫陽花を掬うわ
鞄につけるの
ひとしきりお店を見て
いざご飯
ララは食べたいもの全部食べる
ふふん
はんぶんこしてあげる
そしたら少食なお前も楽しめるわ
美味に舌鼓をうち
その後は福引よ
一発勝負で決めるわ
……!
金魚のぬいぐるみ
これも可愛いけど
ララは旅行が良かったわ
ふふ、約束よ?

🫧ラライサ
雨恋祭、か
雨乞い金魚風鈴の音も清らで心地いいな
雨の日も楽しくなりそうなお祭りだね
ほらララ!お祭りだからってちょこまかしない!
味彩横丁に突撃体勢の聖女サマを捕まえて手を繋ぐ
いつも食いだおれになっちゃうんだからさ!
ゆっくり雨のお祭りの情緒も味わっていこう
金魚風鈴はララの部屋に飾るのに丁度
金魚を掬うのもいいし紫陽花釣りもいいな
……やはり食い気
はいはい、聖女サマ
食べたいもの全部食べましょうね
満足そうな笑顔に何も言えなくなる
可愛いな、なんて心は
雨の音に紛らわせて
雨恋福引券で運試しに回してみよう
おお…ララ!やるじゃん
大きい金魚のぬいぐるみだ
え?旅行がよかった?
……それはまた
俺が連れてってやるよ
しとしとと降っている雨は、まだ当分止みそうにないようだけれど。
でもむしろ、そんな雨の日だからこそ、楽しめるお祭り。
「雨恋祭、か。雨乞い金魚風鈴の音も清らで心地いいな」
……雨の日も楽しくなりそうなお祭りだね、って。
詠櫻・イサ(深淵GrandGuignol・h00730)が見上げる雨空には、リンと音を鳴らして泳ぐ様に揺れる金魚たち。
雨音と風鈴の音が耳に心地よく、咲く紫陽花も雨露を纏ってはさらに煌めいていて。
雨といえば億劫になりがちな外出も、風情溢れた心躍るお出かけに――。
「お祭り、味彩横丁……グルメっむぃい!」
「ほらララ! お祭りだからってちょこまかしない!」
……人によっては、必ずしもなるわけでは、ないかもしれない。
イサが咄嗟に捕まえたのは言わずもがな、だっと美味しいものへまっしぐらに駆けて行こうとした、ララ・キルシュネーテ(白虹迦楼羅・h00189)。
美味しいもの満開な味彩横丁に突撃体勢の聖女サマを捕まえれば、その手を繋いで。
「むう。ララはメンチカツとコロッケとおみくじ金魚焼きとアイスとラムネとパフェとパンケーキは絶対食べるのよ」
「いつも食いだおれになっちゃうんだからさ!」
イサの手を握り返しながらも、でもララが向ける視線はちょっぴり不服気。
食いしん坊な聖女サマが楽しみにしているグルメも、勿論楽しむつもりではあるものの。でも折角だからと、イサはこう続ける。
「ゆっくり雨のお祭りの情緒も味わっていこう」
「情緒を味わうのも悪くないわね」
梅雨の風景を見遣ったララもこくりと納得したのは、言葉通り悪くないと思ったから。楽しみは後に取っておくものというし、たまには情緒を感じて楽しむのも。
そしてやはり、手を繋いで並んで歩く商店街を彩る風情は、風鈴金魚たち。
りんりんと楽しげな音に誘われるように歩む隣のララに、イサは目を向けて。
「金魚風鈴はララの部屋に飾るのに丁度いいな」
「金魚風鈴……それならイサのような桜と紫苑の金魚風鈴がいい」
ララは赤咲かせる花一華に、所望する彼の色を映して細める。
……イサは金魚掬いが上手いもの、って。
そしてララがふと向けた視線を追ってみれば、その先でイサは見つける。
「金魚を掬うのもいいし紫陽花釣りもいいな」
沢山の人が楽しんでいる、金魚掬いや紫陽花釣りの店を。
でも金魚は、イサみたいな風鈴の子を連れて帰れるから。
「ララは今回は紫陽花を掬うわ」
ララが挑戦してみるのは、ぷくりとしたアクリルの花の彩りが綺麗な紫陽花釣り。
何度か挑戦してみてもなかなか釣れないのは、釣りたい花に狙いを定めていたから。
そして、イサにも手伝って貰って釣り上げたのはやはり、桜から紫苑へと色移ろう、まんまる花手毬。
それからも、雨の日ならではな風情を味わい、楽しんで見て回って。
ひとしきり『相合小道』のお店巡りを堪能すれば、次はそう――いざご飯!
いや、確かに散策してごはんの時間ではあるし、こうなることはわかっていたものの。
「……やはり食い気」
思わずそうぽつりと苦笑しつつ呟きをこぼしてしまうけれど。
でも、イサは何も言えなくなる。
「ララは食べたいもの全部食べる」
「はいはい、聖女サマ。食べたいもの全部食べましょうね」
「ふふん、はんぶんこしてあげる。そしたら少食なお前も楽しめるわ」
満足そうな彼女の笑顔が、向けた瞳にも映って咲き誇れば。
そして、そっと密やかに雨音に紛らわせる……可愛いな、なんて思い咲かせる心は。
そんなイサと戦利品を分けっこしつつ、メンチカツとコロッケとおみくじ金魚焼きとアイスとラムネとパフェとパンケーキは勿論のこと。
他にも、沢山の美味に舌鼓をうって。
腹八分目もいってはないけれど、その美味しさにある程度お腹も舌も満足したから。
次にいざ、挑戦してみるのは。
「福引よ。一発勝負で決めるわ」
運試しに回してみる、雨恋福引!
ぐっと気合も十分、ララがいざ、ぐるりと福引機を回してみれば。
からん、と音を立てて飛び出した金魚玉。
その結果は――。
「……!」
刹那、カランカランと商店街の人が、当たりの鐘を鳴らして。
「おお……ララ! やるじゃん。大きい金魚のぬいぐるみだ」
小柄なララが両手でぎゅむっと抱きしめるくらいの、ビッグ金魚さんぐるみ!
そんな金魚さんにもふっと埋まりながらも、でも、当たりを引いた当の本人はこう続ける。
「金魚のぬいぐるみ、これも可愛いけど。ララは旅行が良かったわ」
「え? 旅行がよかった?」
イサは一瞬、ぱちりと瞳を瞬かせたけれど。
……それはまた、なんて、可憐な印象咲く双眸を細めつつ告げる。
「俺が連れてってやるよ」
「ふふ、約束よ?」
福引で当たっても外れても、そうふたりで交わすのは、楽しみな未来の約束。
でもまずは、食いしん坊な聖女サマと沢山の店を食べ歩いたのだから。
雨空を泳ぐ金魚たちに、ちりんちりんと応援されながらも。
まだまだある福引券で、イサも旅行に狙いを定めて――いざ、運試し!
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

かみさま(h04020)と
雨の日はどうしても
家に篭りがちになりますから
雨乞のお祭りだなんて新鮮ですね
かみさまは雨、お好きですか?
雨に映える雑貨に目移りしながら
お目当てを探して相合小道を散策
あ!ありました、金魚風鈴!
雨期は濡縁で雨音を聴く事が多いので
共に過ごす友達をお迎えしたくて
雨空を泳ぐこの子を軒下から見上げれば
次の雨が待ち遠しくなる気がしません?
どの金魚にしようかな…
あっ、これ!この子にします!
手には朱文金の金魚風鈴
見て下さいこの墨斑模様
水墨画の様でかみさまっぽくないですか?
傘に入れて頂けるんです?
彼の不器用な優しさに瞳を細め
気儘な気分屋で冷たい様で温かくて
ふふ、かみさまって雨みたいですね

小娘(h03536)と
雨催の空を仰ぎ
娘の問に短く答える
雨を眺むのは好きだが
雨に打たれるのは嫌いじゃ
言われてみれば
雨天の日は濡縁に座す
此奴の背中を屡々目にする
硝子細工の朱文金か
確かに美しい品ではあるが
金魚と譬えられるのは聊か複雑よの
儂は傘を一張買い求めよう
昨日の夜戸出は突然の雨に降られ
散々であったからのう
手に取り広げたのは
褪せた桃花紙に桐油を塗り
花鳥の紋様が描かれた油紙傘
ふむ、親骨の長さも申し分あるまい
この曇天に傘を置いて来た愚かな小娘と
二人分の雨露を凌ぐ分には丁度良かろ
……おい
その薄ら笑いを止めんか、小娘
勘違いをするでないわ
嫁入前の娘を雨曝しにしたと知れれば
儂が貴様の祖父に睨まれるのじゃからな
今日はどうやら一日、梅雨の季節らしい雨模様のようであるが。
足をむけたのは、雨が降っているからこそ、活気咲く商店街。
「雨乞のお祭りだなんて新鮮ですね」
……雨の日はどうしても、家に篭りがちになりますから、と。
彩生・紬(綾なす錦・h03536)は紡いだ後、訊ねてみる。
「かみさまは雨、お好きですか?」
その声に、硯・黒白(◑・h04020)は雨催の空を仰ぎ見た後、傍らに在る娘の問いに短く答える。
「雨を眺むのは好きだが、雨に打たれるのは嫌いじゃ」
でもそう告げる今の黒白は、雨を眺めながらもそれに打たれることはないのである。
アーケードという大きな傘がいつだって、十字に伸びる商店街の道にはさされているのだから。
そんな東西と南北にわかれた道のうち、ふたりが足を踏み入れるのは『相合小道』。
紬はくるりと雨に映える雑貨に目移りしながらも、散策していれば。
「あ! ありました、金魚風鈴!」
見つけたのは、探していたお目当ての子たち。
「雨期は濡縁で雨音を聴く事が多いので、共に過ごす友達をお迎えしたくて」
それから眼鏡の奥の空色の瞳を向け、紬はかみさまへとこう紡ぐ。
「雨空を泳ぐこの子を軒下から見上げれば、次の雨が待ち遠しくなる気がしません?」
そう相変わらず困ったように一見見える笑顔をちらりと見遣りながらも。
黒白は、言われてみれば、と思い返すは、しばしば目にするその姿――雨天の日は濡縁に座す、娘の背中を。
そんなかみさまが己の姿を脳裏に描いているなど、露知らずに。
「どの金魚にしようかな……」
紬はひととおり、並ぶ金魚たちを見回してみる。
美しいもの、愛嬌があるもの、色とりどりなもの……揺れる尾鰭の形も彩りも、ひとつずつ異なっていて。
でも、たくさん並ぶ子たちの中から、紬がその手に取ったのは。
「見て下さいこの墨斑模様。水墨画の様でかみさまっぽくないですか?」
朱文金の金魚風鈴。
そんな、大事そうに娘が手にしている金魚風鈴を見れば。
「硝子細工の朱文金か」
確かに美しい品ではあるがと、黒白も、古美術商であり骨董品オタクでもあるその目利きには物言うことはないが。
けれど、己に向けられた嬉し気な言の葉と視線には、いささかこうも思うのだ……金魚と譬えられるのは聊か複雑よの、なんて。
そして今度は、紬が選んだ朱文金の子も連れて。
黒白が立ち寄り一張買い求めるのは、傘。
「昨日の夜戸出は突然の雨に降られ、散々であったからのう」
そう紡ぎつつも、手に取り咲かせてみるのは、油紙傘。
褪せた桃花紙に桐油を塗り、花鳥の紋様が描かれたそれは、なかなか手にも馴染む一品であったから。
「ふむ、親骨の長さも申し分あるまい」
開いた儘に買い求め、試しにと傾けてみせる。
「この曇天に傘を置いて来た愚かな小娘と、二人分の雨露を凌ぐ分には丁度良かろ」
「傘に入れて頂けるんです?」
紬はそう己の頭上を彩る花鳥を見上げた後、思わずふわりと瞳を細める。
彼の不器用な、その優しさに。
そして嬉しそうに笑む傍らの娘から、そっと視線を逸らして。
「……おい。その薄ら笑いを止めんか、小娘。勘違いをするでないわ」
続く黒白の言葉に、紬はやはりにこにこしちゃう。
「嫁入前の娘を雨曝しにしたと知れれば、儂が貴様の祖父に睨まれるのじゃからな」
「ふふ、かみさまって雨みたいですね」
……気儘な気分屋で冷たい様で温かくて、って。
雨の日だからこそ出来る、相合傘して歩く雨の道もまた、そっと楽しみにしながら。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【光と翼】
珍しそうなルカさんの様子が
「はじめて」だらけだった昔の自分と重なる
一緒に色々なことを経験出来たらいいなと柔らかく微笑み
ええ、わたしは「手毬かき氷」と『相合小道』の雑貨店が気になるわ!
ルカさんは?
まあ!
このお祭りが気になったのも、行きたい場所も同じだなんて嬉しいわ
ルカさんの様子にきょとんと瞬き
仕事用もあるのね、と頷く
続いて素顔が見られてぱぁっと破顔
ルカさんのお顔が大好きだから
ルカさんはどちらのかき氷にする?
わたしは「紅毬」にしようかしら
色が変わる様子に目を輝かせて
口に含めば冷たくて美味しい
多分ルカさんとわたし、同じ顔をしていたの
雑貨店では金魚風鈴に目を奪われて
涼やかな音色にうっとりする

【光と翼】
アドリブ歓迎
(雨の音、食べ物の匂いがする。知らない食べ物ばっかりだな。…あれは何だろう)
初めての祭りの風景を見渡す
ライラ、行きたい、場所、ある?俺、かき氷?、と雑貨屋、見てみたい
同じ?…良かった
…っ、忘れてた。…マスク、仕事用
(今日は自分で外せないんだった。外れると良いけど…)
首輪の通信機のボタンを押して、いつも通り言霊の使用許可を求める。幸い使用許可が出たのでマスクの拘束が緩まる
…良かった、外れた
…外したら、周り、危ない、から
…っ?
自分の素顔を見て笑顔になっているライラに首を傾げ
俺、「青毬」、にする
初めてのかき氷を物珍しそうに眺める
…っ!…冷たい…?
…美味しい
この音、うるさくない
しとしとと降る雨の音や匂いは、知っているけれど。
コウガミ・ルカ(解剖機関の飼い犬・h03932)をふわりと誘うのは、あちこちから漂ってくる沢山の匂い。
そして、こてりと首を傾けつつも、擽られる好奇心のままに、きょろきょろ。
(「食べ物の匂いがする。知らない食べ物ばっかりだな」)
食べ物も知らないものばかりで、さらに色々なものを見つければ……あれは何だろう、なんて。
初めての祭りの風景を物珍しそうに見渡しているルカ。
そしてライラ・カメリア(白椿・h06574)も、長い睫毛に縁取られた空の色を優しく細めながらも見つめる。
だって、彼の珍しそうな様子が重なったのだから――「はじめて」だらけだった、昔の自分と。
当時は何も識らなくて良かったから、昔の自分は知らなかったのだ。
奇跡のような煌めきが沢山、世界にはあることを。
だから、それを知りたいと思う気持ちをしった今、昔の自分と同じような彼を見れば。
柔らかく微笑み、ライラは思うのだ……一緒に色々なことを経験出来たらいいな、と。
そうルカのことを見守っていたら、ふいに彼の瞳とぱちり目が合って。
「ライラ、行きたい、場所、ある?」
「ええ、わたしは「手毬かき氷」と『相合小道』の雑貨店が気になるわ! ルカさんは?」
「俺、かき氷?、と雑貨屋、見てみたい」
ルカの声を聞けば、思わず声を上げてしまうライラ。
「まあ! このお祭りが気になったのも、行きたい場所も同じだなんて嬉しいわ」
「同じ? ……良かった」
そして彼女に宿る微笑みに、ルカもほっとしたように瞳を細めてみせるけれど。
でも刹那、ハッと気が付いて、ちょっぴりわたわた。
「……っ、忘れてた。……マスク、仕事用」
……今日は自分で外せないんだった、と。
(「外れると良いけど……」)
そしてそう思うながらも、ルカはぽちり。
「仕事用もあるのね」
きょとんと瞬くライラに頷きながらも、首輪の通信機のボタンを押して。
いつも通り、言霊の使用許可を解剖機関に求めれば、緩まるマスクの拘束。
黒い拘束マスクの使用許可が、幸い、出たから。
「……良かった、外れた」
……外したら、周り、危ない、から、なんて続けながらも顔を上げれば、思わずこてり。
「……っ?」
自分を見つけて、ぱあっと笑顔になっている彼女に。
だって、彼の素顔が見られて、心も踊っちゃうのも当然。
ルカの顔が大好きって、ライラは思っているのだから。
ということで、まずはふたり、気になるかき氷を食べることにして。
「ルカさんはどちらのかき氷にする? わたしは「紅毬」にしようかしら」
「俺、「青毬」、にする」
わくわくそわりと待っていれば、まるで紫陽花のような、まんまるかき氷が運ばれてきて。
ルカは思わず、じいと眺める。初めてのかき氷を物珍しそうに。
でも、ライラが自分の紫色の手毬かき氷に、雨のようにそっとレモンを降らせれば。
紫からピンクへと色が変わる様に、目を輝かせて。
ルカもそっと真似っこしてみて、同じようにレモンの雨を降らせれば、青から紫へ。
ふたりで瞳をキラキラさせながら、お揃い色違いな紫陽花を、しゃくりとひと掬い。
はむりとひと匙、口に運んでみれば。
「……っ! ……冷たい……?」
ルカは思いもよらぬ冷たさに、ちょっぴりびっくりしちゃう。
でも、そうぱちくりと瞳を瞬かせているのは、何も彼だけではなくて。
「……美味しい」
そうふわりと続いた言葉だって、同じだったから。
ライラはそんな「はじめて」のかき氷を楽しむルカを見つめつつも、やはり思うのだった。
――多分ルカさんとわたし、同じ顔をしていたの、って。
それからふたりで仲良くしゃくしゃく、時折キーンとなりながらも、美味しくかき氷をいただけば。
次に足を向けてみるのは、『相合小道』の雑貨店。
特にやはり、ライラが目を奪われるのは、商店街の空にも泳いでいる金魚風鈴。
眺める空色の瞳にも、店に飾られた金魚たちを映し、ゆらり泳がせながらも。
風が吹き抜ければチリンと鳴る、様々な涼やかな音色にうっとりする。
そして、ルカもまたひとつ、「はじめて」を知るのだった。
「この音、うるさくない」
一斉に音が鳴ったのに、うるさいどころか心地良い――そんな雨音と優しく重なる、風鈴たちの澄んだ音色のことを。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【櫻月】
元々、雨は嫌いでは無いが
こういった催しがあると
雨の外出も悪くない、な
舞は、何か見たい物はあるか?
食べたい物でも良い
ああ…あの屋敷から出た事が無かったか
なら、あんみつでも食うか
説明するより食べてみる方が早い
…口に合うと良いが
ん…美味い、な
ふと、涼やかな音色を辿れば
海月型の外見に金魚が游ぐ風鈴を見つけ
なんとなく、惹かれる意匠で
我が家の居間の窓際に…ひとつ包んで貰おう
激痛耐性で抑えつつ実体化し購入
舞の笑顔に、来て良かった、と
…こんな穏やかな気持ちは久しい
彼女は自分の事さえ何もわからない
其れは…孤独に似たものだろうか
その不安が和らぐ様
僅かでも、あたたかい時間を過ごせれば
其の助力になればと願う

【櫻月】
雨……そうですね
雨は恵の雨と言います
植物もよく育ちます
はい、外に出るのは初めてなので嬉しいです
お祭り?とは?
賑やか雰囲気にきょろきょろと見渡してしまいます
ずっとお庭に居ましたので
すみません?何があるか…静琉様の行きたい所にいきたいです
あんみつ?あんみつとは何でしょ?
と首傾げる
はい、頂きますと一口
静琉様!とっても甘いです!幸せな味ですね
ちりんちりん
綺麗な音色
風鈴は庭の縁側の?
はわぁ、海月さんに金魚さんとても可愛らしいお姿です
きっとお屋敷に似合いますね
静琉様大丈夫ですか?
とっても楽しいですと微笑んで
何者かわからない私を優しくして下さる方
この方と一緒にいるととても温かい気持ちになります
ひやりと微か感じるのは、今日の天気が雨模様であるからか。
そしてリンと耳に聞こえたのは、商店街の空を泳ぐ金魚風鈴たちの音色か、それとも。
「元々、雨は嫌いでは無いが。こういった催しがあると、雨の外出も悪くない、な」
はたまた、そう雨空を仰ぎ紡ぐ氷薙月・静琉(想雪・h04167)が、その路を通ったからか。
櫻・舞(桃櫻・h07474)も、そんな彼の声にこくり頷きながら。
「はい、外に出るのは初めてなので嬉しいです」
ふわりと笑み咲かせつつ――雨……そうですね、って。
「雨は恵の雨と言います。植物もよく育ちます」
そう舞が続けるのは、彼女が春を彩る櫻の木であったから。
だから、彼女にとっての雨もきっと、恵みであって。
そして咲いていた屋敷から出ることも、これまでなかったから。
賑やかな雰囲気の中、物珍し気にきょろきょろ。
「お祭り? とは?」
そもそも、祭り自体がはじめてで。
雨を喜び、雨に感謝する祭り――『雨恋祭』の風景を見渡してしまっていれば。
ふと耳に届いたのは、静琉のこんな問い。
「舞は、何か見たい物はあるか? 食べたい物でも良い」
「ずっとお庭に居ましたので、すみません? 何があるか……」
だから舞は、そう首を傾けつつも返すのだった。
「静琉様の行きたい所にいきたいです」
「ああ……あの屋敷から出た事が無かったか」
そして静琉は、くるりと視線を巡らせて。
「なら、あんみつでも食うか」
見つけたあんみつを、まずはいただいてみることにして。
「あんみつ? あんみつとは何でしょ?」
「説明するより食べてみる方が早い」
首傾げるも……はい、頂きます、と舞は一口。
……口に合うと良いが、と静琉が見つめていれば。
瞬間、ぱっと咲きほころぶのは笑顔。
「静琉様! とっても甘いです! 幸せな味ですね」
そんな、キラキラした瞳をほわほわ向けられれば、静琉もあんみつをひと掬い。
「ん……美味い、な」
口の広がる優しい甘さに、ひとつ頷く。
それから、ふと聞こえた、涼やかな音色を辿ってみれば。
ふわりと空を泳いでいるような、海月のような形に金魚が游ぐ風鈴を見つけて。
なんとなく、それは心惹かれる意匠だったから。
「我が家の居間の窓際に……ひとつ包んで貰おう」
「風鈴は庭の縁側の? はわぁ、海月さんに金魚さんとても可愛らしいお姿です」
ちりんちりん、綺麗な音色を耳にしながら舞も紡いで返す――きっとお屋敷に似合いますね、って。
そして静琉は激痛耐性で抑えつつも実体化し、連れ帰る海月型の子を購入して。
「静琉様大丈夫ですか?」
舞はそう声を掛けながらも、はじめてのお祭りに満開の笑顔を咲かせる。
……とっても楽しいです、なんて。
そして静琉も、来て良かった、と改めて思うのだ。
己の傍らで咲く舞の笑顔に……こんな穏やかな気持ちは久しい、って。
舞はそれからも、お祭りをわくわく巡っては堪能して巡って。
ちらりと彼へと瞳を向ければ、ほわりと感じるのだった。
(「何者かわからない私を優しくして下さる方」)
……この方と一緒にいるととても温かい気持ちになります、と。
そう――舞はまだ己が何者なのか、自分の事さえ何もわからないのだから。
もう暫くは降り止みそうにない雨の音を聞きながら、静琉は考えてみる。
(「其れは……孤独に似たものだろうか」)
でもそれは、彼女にしかわからぬ心の内で。
だから、静琉は願うのだった。
(「その不安が和らぐ様、僅かでも、あたたかい時間を過ごせれば」)
楽し気にひらり泳ぐように、花笑むその姿を見守りながら。
雨のお祭りの賑わいの中――其の助力になれば、と。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【ナハト】
味彩横丁でお祭りだ〜
早速惹かれる香りから食べ歩きしようねぇ
オレは味彩メンチカツからがイイかなぁ
邏傳君の気になるチョイスな
紅芋のコロッケも美味しそう〜
食べたいのは全部食べたい派に同意…!
それじゃあ、金魚たい焼き全味食べ比べ〜とか
色々な串団子たちもアイスみたいに重ねてみるー?
…なんて冗談も程々に
飲み物フルーツ瓶ラムネもイイね
オレはブドウ味にしようかなー
つい気合いで瓶割りたくなるんだケド
ビー玉取るのはコツとかあったような?
お店のひとに聞いても良いかもー。
沢山食べ歩きもした事だし
幸せお腹いっぱい積んだ運試しも〜
福引券で何が当たるかも楽しみだねぇ(結果お任せ)

【ナハト】
おーまつりー♪
味彩横丁なんちおシャンな名前よね
んー美味しそな香り
カナトちゃん、味彩コロッケだってさ!
味彩メンチカツもあるん?
俺のお腹が食べたいと主張しちょんです
食べたいのは全部食べたい派☆
金魚たい焼き全味に、串な団子ちゃんに重ねっ 良いねー!
紫陽花色の餡て綺麗よな
カナトちゃんいるなら余裕しょ?
フルーツ瓶ラムネ?きれ〜!どれも捨て難いけど俺ライチ味な気分♪
ブドウ味も素敵チョイスね
中のビー玉、とりたい……!
わぉ、ワイルドぉ☆瓶を割りたなる派ちゃんは初めて見たん
うんうん、幸せいっぱい腹いっぱーい、
ついでに夢いっぱい、てぇね!
いっぱい食べて貰った福引券、折角だもんね引き行こ♡
(結果おまかせ)
今日のお天気は、生憎の雨……?
いえ、雨は確かにまだ止みそうにないけれど、むしろ逆で。
足を運んだ「雨屋通り商店街」は傘いらず。
それに特に今日は、この場所を訪れている人達にとっては待望の雨なのである。
だって今日は、金魚たちがゆうらりと乞うように泳ぐ、雨のお祭りで。
「味彩横丁でお祭りだ〜」
「おーまつりー♪ 味彩横丁なんちおシャンな名前よね」
十字に走るアーケード商店街の『味彩横丁』は、その名の通り、商店街グルメが満載で。
「んー美味しそな香り」
「早速惹かれる香りから食べ歩きしようねぇ」
緇・カナト(hellhound・h02325)と八卜・邏傳(ハトでなし・h00142)は漂ってくる魅惑的な匂いに抗うことなく、むしろ道案内されるようにふらり、味彩横丁を廻っていれば。
その足がぴたりと止まった店は、やはり商店街グルメといえば、これ。
「カナトちゃん、味彩コロッケだってさ!」
「オレは味彩メンチカツからがイイかなぁ」
「味彩メンチカツもあるん?」
「邏傳君の気になるチョイスな、紅芋のコロッケも美味しそう〜」
そう――思わず、くぅとお腹が食べたいと主張してしまうほど美味しそうな、揚げたてのコロッケやメンチカツ。
しかも、梅雨の期間限定のあじさい仕様のものがあると聞けば、それが気にならないわけはなくて。
早速買って食べてみれば、外はさくさく、中はほくほく、あつあつ揚げたての絶品。
そしてはふはふぺろりと食べてしまえば、ご馳走様……なわけは勿論なくて。
「食べたいのは全部食べたい派☆」
「食べたいのは全部食べたい派に同意……!」
耳に優しく響く雨音を聞きながら、食べたいもの探しにゴー!
「それじゃあ、金魚たい焼き全味食べ比べ〜とか、色々な串団子たちもアイスみたいに重ねてみるー?」
「金魚たい焼き全味に、串な団子ちゃんに重ねっ! 良いねー!」
次に狙うは、金魚たい焼き全味制覇に、限界に挑戦してみる串団子タワー!?
半分冗談の提案にも、邏傳は勿論やる気で乗っちゃう。
……カナトちゃんいるなら余裕しょ? って笑いながら。
それに、串団子をいっぱい重ねてみたいっていう気持ちにも頷いてしまう。
「紫陽花色の餡て綺麗よな」
紫やピンクや白の餡は美味しそうなだけでなく、目で見ても鮮やかで、わくわくするから。
そして、美味しい食べ物のお供といえば、飲み物。
「フルーツ瓶ラムネもイイね」
「フルーツ瓶ラムネ? きれ〜!」
カランと風鈴みたいな音色としゅわり弾ける炭酸の音も楽しめる、フルーツ瓶ラムネに。
「どれも捨て難いけど俺ライチ味な気分♪」
「オレはブドウ味にしようかなー」
「ブドウ味も素敵チョイスね」
どの味にしようかと目移りしてしまうけれど、でもそれもまた、楽しい悩みで。
美味しく飲み干してしまえば、どうしてもうずうずしてしまう。
「中のビー玉、とりたい……!」
カラカラと振れば鳴る、紫陽花ビー玉を取り出したくて。
そして一緒にカラカラしながら、カナトはそわり。
「つい気合いで瓶割りたくなるんだケド、ビー玉取るのはコツとかあったような?」
物理でえいっとやっちゃいたいところだけど、とりあえずそれは我慢してみて。
邏傳はそんな意外と脳筋な彼の声に、また笑っちゃう。
「わぉ、ワイルドぉ☆ 瓶を割りたなる派ちゃんは初めて見たん」
「お店のひとに聞いても良いかもー」
そして早速、ラムネ屋さんに訊いてみれば――ぱかり、ころんと。
ちょっと力はいるけれど、ネジ式の飲み口と中の蓋を取り外して、ビー玉を出す見本をみせてくれたから。
張り切ってふたりもやってみれば、ころり。
ライチ味は白、ぶどう味は紫の紫陽花が咲くビー玉を掌に転がして、お土産に。
そんな、美味しくて楽しい食べ歩きを目一杯満喫すれば。
「沢山食べ歩きもした事だし、幸せお腹いっぱい積んだ運試しも〜」
「うんうん、幸せいっぱい腹いっぱーい、ついでに夢いっぱい、てぇね!」
自然と沢山集まったのはそう、雨恋福引券。
「いっぱい食べて貰った福引券、折角だもんね引き行こ♡」
「福引券で何が当たるかも楽しみだねぇ」
というわけで勿論、福引に挑戦です!
わくわくしながら、ガラガラッと福引機を回せば、ころりと金魚玉が出てきて。
また訪れる機会をくれる商店街の割引券や、雨雫柄のティッシュなどがたくさん当たったけれど。
「うぉぅ! 金魚型シャボン玉マシーン、可愛ん~! ボタン押したら金魚の口からシャボン玉が出ちょる!!」
「オレのは、なんだか妙に味のあるユルカワ金魚柄のタンブラーだなぁ、良いのが当たったかもー」
カランカランと鐘が鳴らされれば――ちょっぴり豪華な賞品も、それぞれゲットです……!?
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

鴛海さん/h00299と
商店街で食べ歩き、です
雨や金魚さんにちなんだものが沢山…!
鴛海さんは何を食べたいですか?
私は紫陽花餡の串団子が気になって
…!良いのですか?是非…!
自撮り…馴染みがないですが
こうですか?(顔を寄せてカメラを見る)
綺麗で美味しい…贅沢なお団子です
おみくじ金魚焼きなるものが…?
それは確かに気になります、是非食べましょう…!
いざ…いただきます…!
…!こっちもおいしい…
あ、おみくじ出てきました
結果は…(お任せ)
たくさん食べて満足です
そういえば福引券も貰いましたね
せっかくなので回しに行きますか…?
ふふ、旅行が当たればまた約束が増えますね
何が出るか…とてもわくわくします
楽しみですね

セレネ(h03434)と
商店街ってわくわくしちゃう
金魚もゆらゆら雨の中を游いでるみたいなの
いっぱいグルメツアーしようね
セレネの食べたい紫陽花の串団子綺麗なの
勿論一緒に食べるのよー!
これは二人でお団子持って自撮りするべきかしら(スマホ向ける)
ん〜!お団子もちもち、餡も美味ね
私はおみくじの金魚焼きが気になるかも
フォーチュンクッキーみたいな感じ?
わーいいただきます!金魚さんを頭から…がぶり!
こっちも甘あま、美味しい…!
おみくじ結果はどうかしら
福引券!二人で一回ずつ回せるみたい
ふふ、何が当たるかな?
特賞でよく見るのは温泉旅行券…?
セレネと旅行も良いななんて夢馳せ
折角だから雨恋祭に因んだ物でも素敵ね
雨が降っていたって、アーチ型のゲートを潜ればもう、傘いらず。
むしろ雨だからこそのわくわくがいっぱい増える、今日はそんな、雨恋う商店街へお出かけ。
リン、と耳に聞こえる涼し気な音色に、自然と一緒に目を向ければ。
「雨や金魚さんにちなんだものが沢山……!」
「商店街ってわくわくしちゃう。金魚もゆらゆら雨の中を游いでるみたいなの」
セレネ・デルフィ(泡沫の空・h03434)と鴛海・ラズリ(✤lapis lazuli✤・h00299)が向けた瞳にもゆうらり泳ぐのは、色とりどりの金魚風鈴たち。
そしてそんな、雨の日ならではな景色や風情も、勿論なのだけれど。
ふたりがこれから、わくわく楽しむつもりなのは。
「商店街で食べ歩き、です」
「いっぱいグルメツアーしようね」
商店街グルメを目一杯堪能する、食べ歩き!
ということで、美味しそうな匂いがいっぱいの『味彩横丁』へと、逸るように足を向ければ。
「鴛海さんは何を食べたいですか? 私は紫陽花餡の串団子が気になって」
セレネが早速見つけたのは、話にも聞いていた団子屋さん。
そして、そうそっと見つめるセレネの提案に、ラズリが乗らないわけはなく。
「セレネの食べたい紫陽花の串団子綺麗なの。勿論一緒に食べるのよー!」
「……! 良いのですか? 是非……!」
早速向かった団子屋で一緒に購入するのは、セレネが気になっていた紫陽花餡の串団子。
淡い紫にピンクに白、まるで紫陽花の花のような餡が乗せられた串団子は、美味しそうなだけではなく、心擽る見目をしているから。
「これは二人でお団子持って自撮りするべきかしら」
ラズリがしゃきんと取り出して向けるのは、スマ―トフォン。
そして手招かれれば、セレネもそうっと顔を寄せてみて。
「自撮り……馴染みがないですが、こうですか?」
じいとカメラを見つめてみれば――ぱしゃりっ。
可愛くて美味しそうな、仲良し映え写真がばっちり撮れました!
そして写真を撮れば勿論、早速はむり。
「ん〜! お団子もちもち、餡も美味ね」
「ん、優しい甘さで、美味しいです」
顔を見合わせれば、美味しさにほわほわ、笑み合っちゃう。
そして美味しく串団子を味わえば、次はラズリが発見。
「私はおみくじの金魚焼きが気になるかも。フォーチュンクッキーみたいな感じ?」
「おみくじ金魚焼きなるものが……? それは確かに気になります、是非食べましょう……!」
美味しそうなのは勿論、中におみくじが入っているという、金魚焼きが売っているお店へ。
ラズリの言うように、金魚型のフォーチュンクッキーといったもので。
ひとつずつ、自分の金魚焼きを選べば。
「いざ……いただきます……!」
「わーいいただきます!」
金魚さんを頭から――がぶり!
瞬間、キラキラと瞳を輝かせながら。
「こっちも甘あま、美味しい…!」
「……! こっちもおいしい……」
素朴な味わいと甘さに、笑みもほころんじゃうし。
それにやはり、どきどき楽しみなのは。
「おみくじ結果はどうかしら」
「あ、おみくじ出てきました。結果は……」
聞いていた通りに、中から出てきたおみくじ。
ふたり出てきたおみくじを、ぱらりと開いてみれば。
「えっと、雨がやんだら虹がかかります……あ、大吉なの!」
「わ、大吉……? 恵みの雨が潤いをもらたします、だそうです……!」
結果はなんと、ふたりお揃いの大吉!
だから、たくさん美味しいものを食べて満足すれば。
「そういえば福引券も貰いましたね。せっかくなので回しに行きますか……?」
「福引券! 二人で一回ずつ回せるみたい。ふふ、何が当たるかな?」
雨の日のお祭り特典、雨恋福引で運試し!
だって、おみくじも大吉だったのだから。
「特賞でよく見るのは温泉旅行券……? セレネと旅行も良いな」
「ふふ、旅行が当たればまた約束が増えますね」
「折角だから雨恋祭に因んだ物でも素敵ね」
馳せる夢も大きく、狙うは特賞の旅行!
旅行以外でも、このお祭りならではな商品が並んでいるから。
「何が出るか……とてもわくわくします」
……楽しみですね、と。
気合十分、ラズリに続いてセレネも、ガラガラと福引機を回してみれば。
「あっ、当たり? 飲み物を入れたら色が変わる、ペアの紫陽花マグカップなの」
「商店街の喫茶店の、ビッグ金魚鉢紫陽花パフェ無料券……!」
ラズリの当てた紫陽花ペアマグカップは、ひとつずつお土産に。
そしてこれから雨宿りがてら向かうのは勿論、セレネが当てた無料券のパフェが食べられる喫茶店。
ビッグ金魚鉢紫陽花パフェだって、ふたりで分けっこすればきっと、美味しく楽しくぺろりと完食できるだろうから。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

「あめはなー、おとがいいね!」
傘を叩く雨粒の音だったり、水たまりをちゃぷちゃぷしたり。
そういった音がかろんのお眼鏡にかなったようです。
今日は傘いらずなので手ぶらですが、お気に入りの傘をさして散歩したり、合羽を着こんで雨の中を走り回ったりするのも好きな様子。
そんなわけで今回は雨具を探しに来ました。大神や眷属たちも一緒です。
「おっちゃん! いいかんじのある!?」
雨具屋さんで開口一番尋ねますが、お目当ての物はなかったもよう。
そんな感じで雨具屋さんを梯子していきます。
色々巡った末にやっと見つけたのは、大神や眷属たち用の雨具でした。
「これであめでもあそべるな!」
と、皆一緒にご満悦です。
雨の日のおでかけでも、うきうきわくわく。
だって、雨の日しか楽しめないことがあるのを、獅猩鴉馬・かろん(大神憑き・h02154)は知っていて。
「あめはなー、おとがいいね!」
特にお眼鏡にかなったのは、耳に聞こえてくる音。
雨が降っている音はもちろん、傘を叩く雨粒の音だったり、水たまりをちゃぷちゃぷしたりだとか。
今日遊びにきたのは屋根がついているアーケード商店街だから、傘いらずで手ぶらなのだけれど。
お気に入りの傘をパッとさしてお散歩したりだとか、すちゃっと合羽を着こんで雨の中を走り回ったりするのだって、とても楽しくてかろんは好きなようだ。
でも、大神や眷属たちは、もふもふな毛がしんなりなっちゃうから、雨に濡れるのは好きかどうなのか……?
とはいえ、お祭りで賑やかなこの「雨屋通り商店街」では、そんな濡れる心配もないから。
大神や眷属たちも一緒に、かろんが今回商店街で探してみるのは、特に梅雨の季節では必需品の雨具。
「おっちゃん! いいかんじのある!?」
雨具屋さんで開口一番、そう尋ねてみて。
子ども用のちいさめの傘や、色々な柄の合羽を見てみたのだけれど……1軒目の店では、お目当ての物はなかったもよう。
でも商店街の『相合小道』には、雨具屋さんはまだ他にも何軒かあるから、梯子して見て回って。
色々な店を巡って、あれこれ見てみた末に、かろんはやっと満足いくものを見つけるのだった。
「これであめでもあそべるな!」
そう――それは、大神や眷属たち用の雨具。
サイズ合わせに着せて貰えば、皆一緒にご満悦。
これでさらに、ぴちぴちちゃぷり、雨の日がますます楽しみになっちゃうこと間違いなしです!
🔵🔵🔵 大成功

うーん。雨、気持ちいい~~
砂漠じゃ雨は滅多に降らないからね~
店を構えている砂漠では
中々味わえない雨を浴びて満足したら
ひとまず腹ごしらえをしようか。
店員さ~ん、おみくじ金魚焼きと
フルーツ瓶ラムネくださいな~~?
味はどれも美味しそうで選べないから
オススメのをもらえると助かるよ~。
商品と福引券を貰えば代金と共に
金魚草とちゃっかり自分の店のチラシも置いて
お花の事ならどうぞ
『きつねのぼたん』をご贔屓に~
金魚焼きとラムネ、ありがとね~。
早速ラムネと金魚焼きを堪能する
さて、おみくじの結果は如何かな──?
せっかくだから貰った福引券で
運試しもして行こうか。
どうせ引くなら、残るものだといいけど…
何が出るかな~~?
からりと乾いた空気や砂を巻き起こす風ならば、よく知っているし。
極ごくまれに雨が降ったとしても、一気に降ってはすぐに止むスコールのような通り雨だから。
「うーん。雨、気持ちいい~~」
ボタン・フラワーデザート(砂漠の花・h07279)の尻尾も、ご機嫌にゆらり。
お目当ての商店街へと足を踏み入れれば感じるのは、しっとりとした気持ち良さと、水分を帯びたような風。
聞こえる金魚風鈴の優しい音色に、お耳もぴこんと揺れる。
だって、店を構えている場所では中々味わえないから。
「砂漠じゃ雨は滅多に降らないからね~」
天然のミストのような雨を、折角だから満足するまで浴びてみて。
珍しい雨を満喫すれば、今度は傘いらず。
(「ひとまず腹ごしらえをしようか」)
風が運んでくる美味しそうな匂いを辿るように、グルメが楽しめる店が並ぶ、商店街の『味彩横丁』へ。
それから早速、お祭りで賑わう中、ボタンは声をかけてみる。
「店員さ~ん、おみくじ金魚焼きとフルーツ瓶ラムネくださいな~~?」
「フルーツラムネには色々な味があるが、何味にするかい?」
「味はどれも美味しそうで選べないから、オススメのをもらえると助かるよ~」
そんなボタンの注文に、店員が選んだフルーツラムネは、一番人気だというライチ味。
しゅわり弾ける爽やかなライチ味のラムネは、きっと素朴な甘さの金魚焼きにもぴったり。
そして、フルーツラムネと金魚焼き、さらには雨の日特典のおまけで福引券を貰えば、代金の支払い……は勿論のこと。
「お花の事ならどうぞ。『きつねのぼたん』をご贔屓に~」
金魚草とちゃっかり自分の店のチラシも添えて。
……金魚焼きとラムネ、ありがとね~、と礼を告げつつも、店の宣伝活動にも抜かりありません。
それから早速、カランとビー玉を落としてみて、しゅわっと弾けるラムネを口にしつつも。
はむりと金魚焼きを味わっていれば、中から出てきたのはそう、おみくじ。
「さて、おみくじの結果は如何かな──?」
それをぱらりと開いてみれば――思わず、お耳がぴこり。
「あ、中吉――雨恋金魚が導くままにゆけば願い叶う、か。うん、いい結果では?」
だからその結果通りに、ボタンは足を向けてみることにする。
(「せっかくだから貰った福引券で、運試しもして行こうか」)
雨恋金魚が描かれた、雨恋福引券を手にして。
「どうせ引くなら、残るものだといいけど……何が出るかな~~?」
辿り着いた福引所でいざ、ガラガラっと福引機を回してみて。
ころんと金魚玉が飛び出せば、渡されたのは願った通り、店にも飾って置けるもの。
ボタンが見事当てたのはそう、紫陽花と金魚柄のキュートな如雨露。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ歓迎
金魚がヒラヒラと出迎えの舞いを踊っておるようじゃ。
沢山の金魚が暮らしておるのじゃな。
まんまるぷっくり。泳ぎ方も愛らしいのぉ。
鱗がキラキラ。泳ぐ宝石のようじゃ。
水槽の寝床を離れて、皆、元気に泳いで鳴いておる。
りん、ちりりん、と涼やかで心地よいのぅ。
あちこちで美しい群れを成して、まるで、清流の中におるようじゃ。
おや、二人がおらぬ。二人とも迷子とは仲がよいのぅ。
ちりりん。そうじゃな、迷子は妾じゃ、あっはっはっ。
ガザミと更紗なら、どの風鈴を選ぶかのぅ。
風鈴を二つ購入、さて、迷子センターはどこじゃ?
福引所で運試し。結果は……
見事に二人を引き当てたようじゃ、大当たり。
心配かけたのぅ、すまんて。
梅雨の季節らしい雨空の下、商店街に足を踏み入れれば。
目に入った水槽をひょこりと覗き込んでみて。
「金魚がヒラヒラと出迎えの舞いを踊っておるようじゃ。沢山の金魚が暮らしておるのじゃな。まんまるぷっくり。泳ぎ方も愛らしいのぉ」
……鱗がキラキラ。泳ぐ宝石のようじゃ、なんて。
楽翁・乙姫(楽翁山の外法様・h04620)は見つめる尾鰭につられるように、思わず一緒に翼を小さくぱたぱた。
それから耳に聞こえた涼やかな音に導かれるように、ご機嫌な様子で天を仰げば、瞳を細める。
「水槽の寝床を離れて、皆、元気に泳いで鳴いておる。りん、ちりりん、と涼やかで心地よいのぅ」
それは、あちこちで美しい群れを成していて、まるで清流の中にいるようだと……そう、つい夢中で眺めていれば。
はたと気づいて、こてりと首を傾ける。
「おや、二人がおらぬ。二人とも迷子とは仲がよいのぅ」
先程まで一緒にいたはずの連れたちの姿が見えなくなっていて。
そんな迷子のふたりの姿をきょろりと探してはみる乙姫だけれど。
ちりりん、と自分の声に応えるように金魚風鈴が鳴れば、笑っちゃう。
「そうじゃな、迷子は妾じゃ、あっはっはっ」
迷子は果たしてどっちか、自分の方かもしれないけれど。
でも乙姫はそんな迷子だって、楽しむように。
逸れたふたりならばどの風鈴を選ぶだろうかと、ひとつひとつ見てみて。
手にした金魚風鈴を二つ購入すれば、煌めく金魚たちを連れて、再びきょろり。
「さて、迷子センターはどこじゃ?」
けれどその前に、あともう少しだけ、迷子中の寄り道を。
風鈴を買った時に貰った福引券が使える福引所を見つけたから、いざ運試し。
そして、結果は……なんて。
逸るようにそわり、足を向けてみれば――なんと、大当たり!?
「心配かけたのぅ、すまんて」
乙姫はそう、ひらりと手を振ってみせながらも笑む……見事に二人を引き当てたようじゃ、なんて。
🔵🔵🔵 大成功

紫遠(h03007)と食べ歩き
指定以外のメニューお任せ
アドリブアレンジ大歓迎
家族の様に遠慮なく気心知れた仲
距離感バグってる
呼称は呼び捨てや君付け
久しぶりだね紫遠
金魚と紫陽花好きの君らしい
俺も好きだし凄く楽しみ
お誘いありがと
くるくる目移り
目に映るの全部食べたい
シェアするよ?
君は何がいいかなって悩んでた
まだまだ店は沢山だろう?
唐傘アイス
凄い、折角だし5段…
…そうだね、仕方ない3段にするよ
え?全部食べるでしょ?……あーん?
土産
華手毬の試飲ある?
ほら甘い香り、俺はお酒と…
後で龍玉、掬いたいな
紫遠も一緒にやろー?
金魚ソフト
ん?あっちね了解
勿論、チョコは赤がいいな
頂きまーす
おみくじ金魚焼
総合運、結果お任せ

ジン(h05630)と食べ歩き
基本シェア
アドリブアレンジ◎
久しぶり
オレが金魚好きなのよく覚えてたね
大丈夫、お土産確保覚えとく、はず
なに悩んでんの?
どうせシェアするから甘いのとしょっぱいのでよくね?
(フードお任せ甘い1、しょっぱい1)
アイスはせめて3段にして、絶対落とすから
誰がって?ジンちゃんがだよ
2段目の味、気になるから頂戴
スプーンそれしかないだろ
オレ金魚ソフト食べたいからあっち行きたい
ん、ジン。一口どーぞ。金魚チョコは一個な
土産
華手毬って種類あるんだ
んージンに任せた、お揃いいいね
おみくじ金魚焼きは一人一個ずつ
全体運希望結果はお任せ
◆補足
家族並みに気安い関係故に遠慮がない
距離近い
呼び方は気分
この間会ったのは、いつだっただろうか。
久々に誘いの声を掛けられ、そして出かける先のことを聞いた時。
「久しぶりだね紫遠。金魚と紫陽花好きの君らしい」
ジン・サカツキ(雪静か・h05630)の心に咲いたのは、懐かしい気持ち。
だって、斯波・紫遠(くゆる・h03007)に今回誘われたのは、『雨恋祭』という雨の祭りで。
雨を乞う金魚と雨纏い煌めく紫陽花、それらは彼が好きなものだということを覚えているから。
紫遠も、誘いに応じてくれたジンの声を聞けば、金の色を細めて返す。
「久しぶり。オレが金魚好きなのよく覚えてたね」
「俺も好きだし凄く楽しみ」
それから、お誘いありがと、と改めて告げる彼にあやかって。
「大丈夫、お土産確保覚えとく、はず」
お土産確保は覚えておこうと……出来るだけ、紫遠は頑張る所存。
ということでふたりは、差していた傘を閉じて。
雨音を聞きながらも並んで歩くのは、傘いらずのアーケード商店街。
十字にはしる道には、沢山の店が並んでいて。
『味彩横丁』へと足を踏み入れば、ジンはくるくる目移りしちゃう。
何せ、あちこちの店々から美味しそうな匂いが漂ってくるものだから。
ジンは悩まし気に呟きを落とす……目に映るの全部食べたい、と。
逆に、紫遠はさほど悩まず、早速お買い上げ。
「なに悩んでんの? どうせシェアするから甘いのとしょっぱいのでよくね?」
金魚印がポンと押された、しょっぱい系の「紫芋まん」と。
紫とピンクと白の紫陽花餡が綺麗な、甘い系「紫陽花餡の串団子」を。
そんな紫遠に、ジンも当然の如く頷いて返すけれど。
「シェアするよ? 君は何がいいかなって悩んでた」
ふたりで分けっこするからこそ、迷ってしまっているのだから。
それに、見かけた店で即戦利品をゲットしている彼と並んで歩きながら。
「まだまだ店は沢山だろう?」
そう紡ぎつつもジンがふと見つけたのは、アイス屋さん。
ジンの目ひいたのは、客の好きな数だけアイスを積んでくれるのだという「唐傘アイスクリーム」。
だからわくわくしながらも、ジンもいざ注文を――。
「凄い、折角だし5段……」
「アイスはせめて3段にして、絶対落とすから」
そんな声が聞こえて思わず隣を見れば、こくりとひとつ大きく頷く紫遠の姿。
……誰がって? ジンちゃんがだよ、って。
それから再びアイスへと視線を戻せば、ジンは改めて注文する。
「……そうだね、仕方ない3段にするよ」
というわけで、アイスは落とす危険性がまだ低い3段だけにしてもらって。
紫のブドウ、ピンクのいちごミルク、白のライチ――紫遠の団子の紫陽花餡とお揃いの色のアイスに、ちょこんと差されるミニ蛇の目傘。
そしてスプーンを手に、いただきます! と食べようとすれば。
「2段目の味、気になるから頂戴」
聞こえた紫遠の声に、ジンはこてりと首を傾ける。
けれど……スプーンそれしかないだろ、と促されれば、とりあえずまずは2段目のいちごミルクアイスをひと掬い。
「え? 全部食べるでしょ? ……あーん?」
口元に差し出せば、はむりと食べる彼と、いちごミルクだけでなく、ブドウもライチも勿論シェアするつもりだし。
紫遠の戦利品だって、一緒に分け合いこ。
そんな商店街グルメを楽しんでいれば、うっかりしそうになる紫遠だけれど。
「華手毬の試飲ある?」
「華手毬って種類あるんだ」
ジンの視線を追えば、地酒の試飲が。
それをふたり、試しに貰ってみて。
「ほら甘い香り、俺はお酒と……後で龍玉、掬いたいな」
……紫遠も一緒にやろー? なんて、今度はそう彼から誘われれば。
「んージンに任せた、お揃いいいね」
お土産も忘れずに、ゲットできそう。
それから、紫遠はきょろりと周囲を見回して。
「オレ金魚ソフト食べたいからあっち行きたい」
「ん? あっちね了解」
気になっていた金魚ソフトクリームが売っている店を見つけて、ふたり足を向ければ。
「ん、ジン。一口どーぞ。金魚チョコは一個な」
金魚ソフトだって当然、ふたりでシェア。
「勿論、チョコは赤がいいな」
ラムネソフトを泳ぐ赤と黒のチョコの金魚だって、仲良く一匹ずつ――頂きまーす!
でも次に、ふたりでひとつずつ買ってみるのは、おみくじ金魚焼。
はむりと口にして、中のおみくじを、せーので見せ合えば……その結果やいかに。
「えっと、中吉? 雨模様に注意、だが慎重に行動すれば吉、って」
「……やっぱりジンちゃんのアイス、3段にしといてよかったかも」
「紫遠のおみくじの結果は?」
「雨あがりの虹が幸せを呼ぶ……あ、大吉だ」
今日の運勢は、この地では神の遣いだという、雨恋金魚の言う通り……?
当たるかどうかは、まだまだ商店街を楽しむつもりの、ふたりのみぞ知ること。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【五十鈴・珠沙(h06436)と一緒に】
ん、雨は好きだけど湿気がね
画材によろしくないから
あ、綺麗な傘は良いね、和傘も好きだよ
そうして引っ張られて相合小道へ
お、良い音色、涼しい気分になるね
いいよ、金魚の根付けね、一緒に探そうか
大き目の金魚は好きだなぁ
昔の人達が大切に作り上げてきた生きた芸術品って感じで
自分で育てるのは難しそうだから
僕も金魚の根付を買おうかな?
紫陽花釣り?聞いたこと無いね
ん、やってみよう
おそろいのが取れると良いね

【ビート先輩(h06435)と】
あたし、雨を眺めてるのは好きだよ
綺麗な傘とか見るのも大好き
先輩は?
だから、今回は先輩を引っ張って相合小道へ
風鈴かわいいね!あっちの紫陽花の柄の風鈴素敵
あのね、あたし金魚の根付がほしいんだけど
先輩、見つけたら教えてくれる?
御主人様が金魚好きだったの
出目金とか、赤いひらひらのとか
だから、御主人様を思い出すために
ビート先輩は金魚好き?
あっちは紫陽花釣りだって!やーん、かわいい!
ビート先輩、一緒に紫陽花釣ろう?
おそろいとか絶対に仲良しさんだよ
しとしとと降っている雨は、まだ暫くは止みそうにないけれど。
でも、足を運んだアーケード商店街は、傘いらず。
だから、五十鈴・珠沙(Bell the cat・h06436)の二尾は今日もご機嫌にゆらりら。
猫は雨が好きじゃないというイメージはあるのだけれど、でも。
だって今日は、浮石・尾灯(ウキヨエ・妖怪・ヒーロー・h06435)と一緒にお出かけなのだから。
それに、珠沙は天を仰いで、こう続けて。
「あたし、雨を眺めてるのは好きだよ。綺麗な傘とか見るのも大好き」
……先輩は? と、並んで歩く彼へと視線を向けてみれば。
「ん、雨は好きだけど湿気がね。画材によろしくないから」
尾灯の方が、湿気を気にする猫っぽい……?
いや、五徳猫フォームに変身したり、自覚ありな気侭な性格の彼は、確かに猫っぽいのだけれど。
でも画材のことはちょっぴり気がかりには思ってしまうけれど、やはり美大生であるから。
「あ、綺麗な傘は良いね、和傘も好きだよ」
雨の日にたくさん花開く、傘の彩りや和傘の風情は好きだから。
それを聞けば、珠沙が今回は彼を引っ張って、いざ向かうのは『相合小道』。
尾灯も、うきうきと逸る彼女に引っ張られるまま、歩んでいれば。
「お、良い音色、涼しい気分になるね」
優しい音色を耳にすれば、雨空を仰いで。
「風鈴かわいいね! あっちの紫陽花の柄の風鈴素敵」
珠沙も、ちりんと鳴る風鈴たちの心地よい音に、お耳をぴこぴこ。
そしてそんな金魚風鈴を眺めながらも、ふと彼へと紡ぐのはこんなお願い。
「あのね、あたし金魚の根付がほしいんだけど。先輩、見つけたら教えてくれる?」
「いいよ、金魚の根付けね、一緒に探そうか」
それから、ふたりでお目当ての金魚を探すべく、商店街を巡ってみながらも。
珠沙は金魚の鰭のようにひらり、肩掛けした赤の着物を揺らしつつ。
商店街を行きながらも語るのは、胸の中に揺らめく想い。
「御主人様が金魚好きだったの。出目金とか、赤いひらひらのとか」
……だから、御主人様を思い出すために、って。
それから再び、彼にも訊いてみれば。
「ビート先輩は金魚好き?」
「大き目の金魚は好きだなぁ、昔の人達が大切に作り上げてきた生きた芸術品って感じで。自分で育てるのは難しそうだから」
返ってきた彼らしい言葉に、尻尾もゆらゆら。
そして、見つけた金魚尽くしな雑貨屋に足を運んでみれば――金魚根付を発見。
黒い出目金に赤いひらひら、珠沙はどの子にしようか、きょろりと視線を巡らせて。
そんな彼女が眺める金魚たちに尾灯も目を向ければ、思うのだった。
……僕も金魚の根付を買おうかな? って。
それからふたり、今度は根付の金魚も一緒に連れて。
「あっちは紫陽花釣りだって! やーん、かわいい!」
「紫陽花釣り? 聞いたこと無いね」
目に留まったのは、紫陽花を釣る人々の姿……?
近寄ってみれば、まるで花手水のように、ぷかりぷかりと。
水槽に色とりどり浮かぶ、まんまる小さな紫陽花のアクリルキーホルダーたち。
どうやら、キーホルダーになっている部分を上手く引っかけて釣る、というものらしいから。
「ビート先輩、一緒に紫陽花釣ろう?」
「ん、やってみよう」
ということで、ふたりも挑戦!
それに、折角だから。
「おそろいとか絶対に仲良しさんだよ」
「おそろいのが取れると良いね」
一緒に並んでいざ狙いを定める紫陽花は、ふたり仲良くお揃いのもの。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【☯】
雨恋祭、今の時期にぴったりの催しですね
龍の川を見に行くまで時間があるようです
夜になるまで一緒に商店街を見て回りましょう
雨の音と風鈴の音が心地良いですね
雑貨屋や飲食店が豊富で……大洋さんは気になる所はありますか?
手毬かき氷、涼やかで良さそうですね
では、それにしましょう
大洋さんものとは別に私は青い方を注文
ええ、私達の眸の色に似ていますね
この色がレモンをかけることで色が変わるそうですが……
あ、ありがとうございます
差し出されたスプーンからかき氷を一口
お花見のこと、覚えていてくださったのですね
それでは私の方も……はい、どうぞ
彼に倣うように掬って差し出す
こちらも美味しいですよ、如何でしょう?

【☯】
相棒のルカさんと捜査に来たよ!
内心で今回の容疑者男性に同情しつつ、ルカさんの誘いに元気よく頷こう。
そぼ降る雨に相合傘チャンス!
傘を調達すべく目を走らすも、ふと心に留まったのは手毬かき氷の看板。
わーヤバマジおいしそう!ルカさん、コレ食べましょ!
折角なのでとボクは「紅毬」を注文。
読み通り、ちょっとボクらの眸の色に似てる。
んー!めちゃウマ!ルカさんもどーぞ!!
無邪気を装って一掬い、スプーンを差し出してニッコリ。
こないだオムライスあーんして貰ったお礼です!
律儀に自分の分もくれるルカさんに、内心百億回惚れ直しつつ
あーんと甘えた調子で嚥下。
感想を聞かれたら真っ直ぐに青の双眸を見て。ボクは大好きです!
まだ降りやみそうにない雨をふと眺めつつ、聞いた話を思い返してみれば。
逝名井・大洋(TRIGGER CHAMPLOO・h01867)は内心、今回の容疑者男性に同情する。
だって、大切な人と分かたれ、そして思い出の地でそんな相手にまた会わせてやる、なんて言われれば――。
そう、隣を歩く道明・玻縷霞(黒狗・h01642)へと視線を向ける大洋だけれど。
今回は、古妖に関する案件の調査でやって来たとはいえ。
「雨恋祭、今の時期にぴったりの催しですね」
道明・玻縷霞(黒狗・h01642)と共に足を踏み入れるのはそう、祭りがちょうど行われているアーケード商店街で。
「龍の川を見に行くまで時間があるようです。夜になるまで一緒に商店街を見て回りましょう」
玻縷霞の言うように、事を起こす夜までは自由に過ごせるという話だから。
胸中に想い抱えつつも……ルカさん、行きましょ! って。
大洋は相棒の誘いにそう、元気よく頷いて返してみせる。
そんな大洋と並んで商店街を歩いていれば、ちりんと耳に聞こえる涼やかな音。
「雨の音と風鈴の音が心地良いですね」
ふと見上げてみれば、金魚風鈴たちが雨空に音色を鳴らし、ゆらゆら泳いでいて。
その光景に瞳を細めてから、玻縷霞は改めて大洋を見つめ訊ねてみる。
「雑貨屋や飲食店が豊富で……大洋さんは気になる所はありますか?」
この雨屋通り商店街はアーケード付きだから、今は傘いらずなのだけれど。
そう聞かれた大洋には、実はお目当てのものがあるのだ。
そう――そぼ降る雨に相合傘チャンス!
ということで、ふたりで仲良く入れるような、とっておきの傘を調達すべく、大洋は張り切って目を走らせるものの。
「わーヤバマジおいしそう! ルカさん、コレ食べましょ!」
ふと心に留まったのは、手毬かき氷の看板。
そんな大洋の視線を追いかけた玻縷霞も、こくりと頷いて返して。
「手毬かき氷、涼やかで良さそうですね。では、それにしましょう」
店に入れば、折角なのでと、大洋が注文するのは「紅毬」。
手毬かき氷は紅と青、二種類の色があって。
玻縷霞は彼が頼んだものとは別の青い方「青毬」を選んでみて。
ふたつ氷菓の花が並べば、読み通り、と大洋は瞳を細める。
「ちょっとボクらの眸の色に似てる」
レモンの雨をそっと降らせて――紫から色を変えた、眼前の紅毬に似た赤の色を。
そして玻縷霞も改めて、自分の目の前に置かれた青毬を見つめて。
「ええ、私達の眸の色に似ていますね」
それからちょっぴり興味深々、じいと眺めてみつつ続ける。
「この色がレモンをかけることで色が変わるそうですが……」
大洋がしたようにレモンの雨を降らせれば、今は青いかき氷のシロップの色が移ろうという話なのだけれど。
「んー! めちゃウマ!ルカさんもどーぞ!!」
キャッキャとはしゃぐように、赤のいろをひと掬い。
無邪気を装って、大洋はスプーンを差し出してニッコリ。
「こないだオムライスあーんして貰ったお礼です!」
「あ、ありがとうございます」
玻縷霞は律儀に礼を告げた後、ぱくりと。
差し出されたスプーンから、赤いかき氷を一口貰いながらも。
「お花見のこと、覚えていてくださったのですね。それでは私の方も」
……はい、どうぞ、と。
彼に倣うように、青を掬って口元へと差し出せば。
大洋は内心で昂りまくっては、百億回惚れ直す。
律儀に自分の分もくれる、玻縷霞のお返しに。
というわけで、あーんと甘えた調子でぱくり、じっくりと噛みしめて味わって。
「こちらも美味しいですよ、如何でしょう?」
そう聞かれれば勿論、大洋は即答する――ボクは大好きです! って。
自分の姿だけを映している青の双眸を、真っ直ぐに見つめ返しながら。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

弟の弥月(h05779)と一緒に祭を回るぜ!
大丈夫だって!
何かあったら俺には発信機ついてるし、飛んでくるだろ。
それに古妖も見逃せないだろ?
ほら、まずは祭りを楽しもうぜ?
これパンフレットだってさ。
なるほど、アーケード…この番傘は必要なかったかね?
雨恋で「あまごい」とは粋じゃねえか。
紫陽花も真っ盛りで綺麗だな。
おお、金魚モチーフの食べ物がいっぱい…
おみくじクッキーみたいなのもあるのか。
一つやってかねえ?
さあて、何が出るかねえ?
お、勿論いいぞ。
ふふ。俺もあの人に勝手にお土産でも用意しようかね?
結構たまったな、福引券。
これは回すしかないっしょ?
いざ、運だめし!
アドリブ歓迎

兄さん(h00126)、と一緒に。
ね、ねえ……あの人に何も言わずにこんなところまで来て大丈夫なの、かな……
そう、かなあ……
分かったよ、もう。
(雨って、事故も起きやすいから苦手だったけど……)
うん……雨音が静かに響くのも、悪くないかも。
おみくじ……ぼくも、ちょっと気になる。
うん、やりたい……かも。
兄さん……あれ、金魚のアクセかな。
ちょっと、寄っていっても……いい?
……これ、兄さんの番傘に似てる。
兄さん、楽しそう。
兄さんにいつもついてるインビジブルも金魚だから、いろいろ思い出しちゃうかなと思ったけど……よかった。
ずっと、こんな風に穏やかな日々が続けばいいな。
アドリブ歓迎
今一番気になっているのは、降っている雨がいつ止むか……などではなくて。
柳・弥月(人妖「交通事故の地縛霊」の心霊テロリスト・h05779)はそろりと、兄へと声を向ける。
「ね、ねえ……あの人に何も言わずにこんなところまで来て大丈夫なの、かな……」
そんなおどおどきょろりとしている弟に、柳・依月(ただのオカルト好きの大学生・h00126)は大きく頷いて返して。
「大丈夫だって! 何かあったら俺には発信機ついてるし、飛んでくるだろ。それに古妖も見逃せないだろ?」
「そう、かなあ……」
「ほら、まずは祭りを楽しもうぜ? これパンフレットだってさ」
差し出された祭りの案内を受け取れば、弥月は仕方ないといったように小さく溜息をついてから。
ぱらりと頁を開いてみる――分かったよ、もう、って。
そんなふたりがやって来たのは「雨屋通り商店街」、その目的は古妖の事件が起こるという星詠みの予知を聞いたから。
とはいえ、本格的に行動を起こすのは、雨が止んだ夜からだから。
それまでは、古妖の封印を解いてしまった人物や古妖自身も潜んでいる可能性がある商店街の祭りを見て回る……ということも、一応はあるものの。
夜までは基本自由行動、むしろ怪しまれないように一般人のフリをして。
折角だし、まずは依月が言うように、商店街で開かれている祭りを目一杯楽しむ――これが今やるべきことである、きっと。
ということで、商店街へと足を踏み入れれば。
「なるほど、アーケード……この番傘は必要なかったかね?」
畳まれた番傘の出番は、今は少しだけお休み。
何せこの商店街はアーケードが付いていて、傘いらず。
それに、沢山の人が訪れているこの商店街は今、『雨恋祭』の真っ只中。
「雨恋で「あまごい」とは粋じゃねえか。紫陽花も真っ盛りで綺麗だな」
そう、漆黒の長い髪をゆらりと、金魚の尾鰭のように楽し気に小さく揺らしながらも。
周囲を見回し紡がれる兄の言葉に、弥月はこくりと頷いてみせる。
「うん……雨音が静かに響くのも、悪くないかも」
祭りで賑やかでもあり、けれど何だか、雨音響く梅雨の光景は静かだと思うし。
(「雨って、事故も起きやすいから苦手だったけど……」)
でも、そっと兄を見れば楽しそうだし、ここは商店街の中だから……雨による事故の可能性もきっと低いだろうから。
「おお、金魚モチーフの食べ物がいっぱい……おみくじクッキーみたいなのもあるのか」
「おみくじ……ぼくも、ちょっと気になる」
「一つやってかねえ?」
「うん、やりたい……かも」
依月の提案にそう頷いて返した後、兄に続いてひとつ、おみくじ金魚焼きを選んでみて。
「さあて、何が出るかねえ?」
依月は早速、はむり。
中から出てきたおみくじを開いてみれば――。
「傘を鳴らす雨音は甘雨のもの、迷わず進め……お、中吉!」
それから、ちまちまと金魚焼きを口にしていた弥月も、おみくじを広げてみれば。
「ぼくのは……雨降って地固まる、小吉、だって」
「ほら、おみくじもこう言ってるんだから、心配いらないって!」
そう依月に言われれば、もうそう思ったほうがいいって、弥月もお祭りを今は楽しむことにして。
「兄さん……あれ、金魚のアクセかな。ちょっと、寄っていっても……いい?」
「お、勿論いいぞ。ふふ。俺もあの人に勝手にお土産でも用意しようかね?」
立ち寄った雑貨屋で何か目ぼしいものがないかと、依月が楽し気に視線を巡らせている横で。
弥月はふと見つけたそれを、そうっと手にとってみる。
最初に見つけた金魚のアクセサリーも気になるけれど。
(「……これ、兄さんの番傘に似てる」)
ふと目に飛び込んできた、依月の手にあるものとよく似た小さな番傘のものを。
というわけで、商店街をふたりでぐるりと存分に廻れば。
「結構たまったな、福引券」
依月の手には、雨恋福引券が。
というわけで、折角貰ったのならば、勿論。
「これは回すしかないっしょ?」
――いざ、運だめし! って。
気合充分、ガラガラっと福引機を回す兄の姿を見つめながら。
(「兄さん、楽しそう」)
弥月は内心ホッとする。
「またティッシュじゃねえか……あっ、次はティッシュのとは違う玉が出たぞ」
「あ、当たり……? 紫陽花の傘チャーム、だって……ころんとしてて、かわいい……」
(「兄さんにいつもついてるインビジブルも金魚だから、いろいろ思い出しちゃうかなと思ったけど……よかった」)
そしてそう思いつつも、楽しそうな兄のことを、ほっこり見守っていたのけれど。
「ほら、折角だから回してみようぜ?」
「ぼ、ぼくも……?」
福引券を半分渡されれば、おたおたしつつも、福引機をガラガラ。
ティッシュがまた当たったって、それも楽しくて……もう一回挑戦してみながらも、弥月は思うのだった。
――ずっと、こんな風に穏やかな日々が続けばいいな、って。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

雨を祀る…
確かに雨…即ち水も日の光共々、生きる者には欠かせぬもの…
ともあれ、影に潜む者を忘れぬようにしつつ、祭りを通して色々触れてゆこう
着いて程なく呼びかけてくるのは…傘屋か…
確かに今持たぬのは不自然。ではこの姿に似合うものを一つ…
傘を得たら、改めて祭りを巡ってゆこう
…気がついたら手に、口にしたものは金魚をモチーフにした甘味がだいぶ多いような…!?
…今の我は子供が好みそうなものに興が湧くのであろうか…
…とはいえ、そうして目で、口で楽しむ一時はなかなかに良き一時ではあったな…
そういえば甘味の一つに籤が入っておったし、それに幾らかの福引券も貰えたな…
ものは試し。見て、そして引いてゆこう
人間にとって雨は、鬱陶しいものであったりするものであるとも聞くけれど。
でも逆に、遥か昔から、こうも聞くのであった。恵みの雨、と。
レイパスト・サンカバー(新生せし「|界食《EclipseZero》」・h06654)は同じ雨でも、正反対の印象を抱くことも珍しくないそんな人間の心に首を傾けるもも、思考すればひとつ頷く。
「雨を祀る……確かに雨……即ち水も日の光共々、生きる者には欠かせぬもの……」
雨の日の外出は何かと晴れの日に比べて億劫なこともあるし、逆に雨が降らなければ生きる者にとっては死活問題であるのだから。
そして訪れた商店街で今日催されている祭りは、恵みの雨を乞う祭りだというので。
雨が降っていることが喜ばしいという賑やかな空気の中、きょろりと視線を巡らせれば。
(「ともあれ、影に潜む者を忘れぬようにしつつ、祭りを通して色々触れてゆこう」)
思わずレイパストがそわりとしてしまうのは、幼い少女なのは何気に姿だけではなく、思考もそれに影響されているから。
そんな不思議に再び首を小さく傾けるも、着いて程なく呼びかけてくる声にふと顔を上げれば。
「……傘屋か……」
それからくるりと周囲を見回せば、こうも思うから。
(「確かに今持たぬのは不自然」)
いくらこの商店街には、傘いらずのアーケードがついていたとしても。
早朝から雨が降り続いている今、傘を持っていないのは違和感を持たれるかもしれないから。
ではこの姿に似合うものを一つ……と、傘屋へと足を向けて。
調達したのは、夜のような黒地にキュートなフリルがついた、かわいい金魚が泳ぐ女の子用の傘。
そして傘を得れば、改めて祭りを巡ってみるのだけれど。
レイパストはふと、己の買い求めた戦利品たちを見れば、ハッとする。
「……気がついたら手に、口にしたものは金魚をモチーフにした甘味がだいぶ多いような……!?」
だが周囲から見ればむしろ、何の違和感もない。
そう――今のレイパストの姿は、9歳の少女なのだから。改めて実感するのだった。
(「……今の我は子供が好みそうなものに興が湧くのであろうか……」)
けれど周囲から、子供らしくないと不審がられることもないし。
改めて、金魚尽くしな買い物を満喫したひとときを思えば。
(「……とはいえ、そうして目で、口で楽しむ一時はなかなかに良き一時ではあったな……」)
それからふと、思い出す。
「そういえば甘味の一つに籤が入っておったし、それに幾らかの福引券も貰えたな……」
ということで、ものは試し、と。
まずはおみくじを見てみれば、ちょっぴりほわりと思ってしまう。
「おお、大吉。恵みの雨が降るだろう、とな」
そして、金魚焼きのおみくじの言う通り……?
貰っていた福引券で福引を引いてみれば――カランカランと鐘が鳴らされて。
渡された景品は、恵みの雨を呼ぶ、雨恋金魚のぬいぐるみ。
🔵🔵🔵 大成功

お祭りって賑やかでそこにいるだけで楽しいよね
散策もいいけれど食べ歩きができるらしいからやっぱりそこは行っておかなきゃ
なのでまずは味彩横丁へ
味彩メンチカツと味彩コロッケはこの時期だけなんだ
…期間限定とか季節限定ってそれだけで抗えない魅力があるよね
どっちかだけにしようかと思ったけど両方食べちゃお
惣菜系もいいけどスイーツもあるし次はそっちへ
おみくじ金魚焼きの結果は中吉。悪くない。依頼も上手くいくと尚いいね
南北を一通り歩いたらUターンして他に気になってたものを食べつつ、例のご老人がいないか確認してみようかな
雨の日のお出かけは、ちょっぴりいつもなら億劫に感じてしまって。
スタッフにせっつかれてしまった時に、渋々と出かけることはあったのだけれど。
でも、雨は雨でも、傘をささなくてもいいと聞いたし。
それに、1割の好奇心がむくりとわいたから。
(「お祭りって賑やかでそこにいるだけで楽しいよね」)
懐音・るい(明葬筺・h07383)はマイペースにゆるり、気の向くまま。
……散策もいいけれど食べ歩きができるらしいからやっぱりそこは行っておかなきゃ、と。
そう思えばまずは、グルメが楽しめる『味彩横丁』へ行ってみることに。
そして見つけたのは、商店街グルメの定番であるメンチカツやコロッケが並ぶ、総菜屋……なのだけれど。
でもどうやら、普通の味ではない、珍しいものもあるようで。
「味彩メンチカツと味彩コロッケはこの時期だけなんだ」
ついのぞいてみれば、思わずそわりとしてしまう。
(「……期間限定とか季節限定ってそれだけで抗えない魅力があるよね」)
名前の通り、紫陽花をイメージしたメンチカツやコロッケは、梅雨時限定。
ということで、味彩メンチカツと味彩コロッケ――どちらかだけにしようかと思っていたのだけど。
「……両方食べちゃお」
迷ったら、それが一番の解決法です、きっと!
というわけで、惣菜系も商店街グルメらしくて美味しくて、良いのだけれど。
次に目指すのはそう――スイーツが買える店!
そして運試しに、おみくじ金魚焼きを買って食べてみれば。
「雨が降るから虹もかかる……中吉。悪くない」
夜には止むという雨の風景を眺めつつ、るいは思う――依頼も上手くいくと尚いいね、って。
そして南北にはしる『味彩横丁』を一通り歩いたら、くるりとUターンして。
他に気になってたものを食べつつも、るいはふとさりげなく目を向ける。
「よくふたりで、この金魚たい焼きを半分ずつ分けて食べたな……」
きっと、話に聞いた例の老人だと……大きな溜息をつき、ぽつりと呟きを降らせる男性を見つけて。
🔵🔵🔵 大成功

雨の日の外出って億劫になるよね。部屋から出たくない僕からしたら、逆に開き直って堂々と部屋に引き籠る理由にもなるんだけど。
けどそうだな、この商店街みたいにお祭りがあるのなら、頑張って出かけてみようって気になるかもね。
お祭りというだけあって色んなものがあるなぁ。
中でも一番目を引くのはやっぱり、おみくじ金魚焼き!お菓子の中におみくじが入ってるなんて面白いね。さっそく買ってみようっと!
総合運も気になるけど、一番気になるのは恋愛運。さてさてどんな結果になるかなー?
ただでさえ、布団にずっとくるまって、もふもふすやりとしておきたいというのに。
「雨の日の外出って億劫になるよね」
雨が降っているとなれば、アドリアン・ラモート(ひきこもりの吸血鬼・h02500)はますます布団から出たくなくなるのだけれど。
とはいえ、ある意味引きこもりにとっても、雨が恵みであるとも言える時も、あるにはあるのだ。
(「部屋から出たくない僕からしたら、逆に開き直って堂々と部屋に引き籠る理由にもなるんだけど」)
そう――今日は雨が降っているから~とかいえば。
お出かけ日和の時よりも、出かけない理由ができて、都合がよかったりするから。
でも……けどそうだな、なんて。
(「この商店街みたいにお祭りがあるのなら、頑張って出かけてみようって気になるかもね」)
ちょっぴり興味をひかれたから、頑張って布団から出て。
やって来た商店街を、アドリアンはくるりと見回して。
「お祭りというだけあって色んなものがあるなぁ」
折角布団から出たのならば、仕事の時間までは、目一杯お祭りを楽しむつもり。
それに雨とはいっても、ここはアーケード商店街だから、濡れたりもしないし傘もいらないし。
もしかしたら、安眠もふもふ金魚枕とか、健やかに眠れる紫陽花アロマとか、睡眠グッズもあるかもしれないし。
それに何より、ふわりと美味しそうな匂いが漂っているから。
ふらりと誘われるように、まずはグルメ通りである『味彩横丁』へ足を向けてみれば。
色々な食べ物に目移りしてしまうけれど――でも、中でも一番目を引くのはやっぱり、おみくじ金魚焼き!
「お菓子の中におみくじが入ってるなんて面白いね」
……さっそく買ってみようっと! って。
ひとつ選んで、はむりと食べ進めれば、聞いていた通りにおみくじが出てきたから。
(「総合運も気になるけど、一番気になるのは恋愛運」)
――さてさてどんな結果になるかなー? なんて、ドキドキ開いてみれば。
「えっと、中吉? 天気雨が降るように、そのうち晴れて良き出会いに恵まれる……うん、なかなかいいね」
満足げに頷いてから、アドリアンはうきうきと。
次は、良き安眠グッズとの縁も探して、商店街をぐるり巡ってみることに。
🔵🔵🔵 大成功

※アドリブ、絡みお任せ
√百鬼の家であるお屋敷から妖怪友とお出かけして一人迷子
次第に風鈴の音に誘われてふらりふらり誘われて
『商店街』の文字を見ては、
誰かしらお家を知る妖怪が居ないかお店に尋ねてみようかな
ここはどこですか?
『やおよろずやしき』ってきいたことないですか?
雨も降ってきたから、手持ちで傘は帰るかな
金魚がま口をぱかり、たりるかな……足りない時は……
近くの妖怪さんに大きな葉を分けて貰って商店街をまわろうかな
紫陽花釣り
そんな知らない言葉を聞いては興味がそちらへ
『紫陽花釣り』ってなんですか?
目についた紫陽花ビー玉が入った金魚柄の瓶のフルーツラムネに
釘付け、それなら買えると金魚がま口からお金を差し出し3本
ちゃっかりお土産を買って
思い思いに商店街を歩く、帰れるかな
うーん、ここどこなんだろうね。
提灯片手に、ラムネを口にして当てもなく歩く
大丈夫、この提灯があればおうちにかえれるもん。
(アイテム「鬼子母神の案内提灯」)
今日のお天気は、どんより曇った雨模様。
でも、もうすぐ雨が降りそうな気配などは、どこ吹く風。
金魚がま口携えて、目・草(目・魄のAnkerの義子供・h00776)は妖怪友とお出かけ……していたはずのだけれど。
気づいてきょろり見回す頃には雨もぽつりと振り出して、何より、いつのまにやら一人迷子に。
それから……りんと、ふいに何処かからか音が鳴って。
雨が降る中で聴く鈴の音を追いかけるのは、何だか初めてではない気もするけれど。
でもそれは、今の草には「ない」ものだから。
ちりんちりんと聞こえる音色に、ふらりふらりと誘われれば。
見上げる雨空に見つけたのは、『商店街』の文字と音色鳴らす風鈴金魚たち。
そんな商店街のアーチゲートを潜ってみることにしたのは、こう思ったから。
商店街には妖怪たちが営む店があるようだから、尋ねてみようかなって。
「ここはどこですか? 『やおよろずやしき』ってきいたことないですか?」
「ん? ここは『雨屋通り商店街』だよ。『やおよろずやしき』……すまんが、知らなんなぁ」
総菜屋の油すましは、草の家は知らないようだけれど。
でも、お詫びにこれをあげよう、とひとくちミニコロッケをくれて。
ありがとうございます、ってぺこりとちゃんとお礼を言えば、ふと目を向ける。
先程よりも降り出した、雨の風景へと。
そしてふと、金魚がま口をぱかり。
「たりるかな……」
……手持ちで傘は買えるかな、なんて思ったのだけれど。
思わず首を傾けつつ……足りない時は……と呟きを落とし、再びきょろりと視線を巡らせてみる草。
この商店街は雨を凌げるアーケード商店街で、名前の通り、もう暫くは雨宿りもできるのだけれど。
(「近くの妖怪さんに大きな葉を分けて貰って商店街をまわろうかな」)
帰りももし降っていれば、葉っぱの傘をわけて貰おうと思う草。
そしてふらりと商店街の通りを歩いてみれば、ふいにその足をぴたりと止める。
紫陽花釣り――そんな知らない言葉を耳にして、そわりと興味が向いたから。
だから、とてとてと近寄ってみて。
「『紫陽花釣り』ってなんですか?」
水槽に浮かぶキーホルダーの紫陽花を釣る遊びと教えて貰えば、じいと暫し見つめてみる。
ぷかりと水に浮かぶ紫陽花たちは色とりどり、花手水のようで。
それに、雨の祭りに咲く紫陽花は何も、水槽の中だけではなくて。
ふと目についたのは、中に紫陽花が咲いたビー玉。
正確に言えば、紫陽花ビー玉が入った金魚柄のフルーツ瓶ラムネに、すっかり釘付けになって。
再びそっと確認してみれば、草はひとつこくりと頷く……それなら買える、と。
だから、金魚がま口からお金を差し出して――3本くださいって。
ちゃっかりお土産の分も買えば、からんと落としたビー玉鳴らして、しゅわり。
「うーん、ここどこなんだろうね」
提灯片手に、ラムネを口にしながらも、再び当てもなく商店街を歩いてみる。
そして一瞬だけ、雨空を見上げながら……帰れるかな、なんて思うも。
でもすぐに、大事にお土産の分のラムネを抱えつつ、ひとつこくりと頷いてみせる。
だって、ちゃんと草は知っているから。
(「大丈夫、この提灯があればおうちにかえれるもん」)
雨にほわりと滲むように燈る、温かい色の灯り。
どんなに迷子になっても、この鬼子母神の案内提灯の灯火が、必ず帰るべき場所へと導いてくれるって。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【匣幻】4名
風鈴の音…風流だねぇ
梅雨に金魚祭りとは…とても涼やかな心地になる
おっと失礼、マリーツァちゃん
ふふ、尻尾についてゆくとは名案だ
もし疲れたら教えておくれ
その時は抱っこしてあげよう
さ、若い子らよ
先ずは食の店は如何かな?
あは、皆よりは歳をとってる事には変わりないヨ
面白い焼き物があるネ?
御神籤ができるのだとか
此処はご馳走してあげるので好きなのを選ぶといい!と皆に笑いかける
遠慮せずたんとお食べ?アドルフ君
子供が遠慮するものじゃない
はは、雪羽ちゃんは面倒見がいいネ~♪
マリーツァちゃんは御神籤ちゃんと出せたかな?
(御神籤の結果はお任せ)
さて、どんな結果かな
商等は…と
良くも悪くも其れも一興
悪くとも伸びしろ有りという事でネ
さぁて、互いの幸先も解ったところで
次は風鈴の店を見ても良いだろうか?私室に飾る物を一つ頂いていこうかと
皆、良き物を見つけるのが上手だネ
出目金…!こんな風鈴もあるとは奥深い
それでは私は…夜色に泳ぐ淡紫の金魚に青紫の紫陽花が咲く風鈴を選ぼうかな
…うん、此れで良き夏を過ごせるといいネ

【匣幻】
風鈴の音って、チリンって聞こえるだけでも涼しく感じるよね
見た目も可愛かったりするし、日本の夏って感じがして好きだなぁ
みんなとこうしてお出かけするの、何だかワクワクするね!
楽しさから耳も尻尾もご機嫌に
あ、マリーツァさん大丈夫?僕の尻尾も目印にしてくれていいよ
「おみくじ金魚焼き」?へぇ、中におみくじが入ってるって面白そうだね!
えっ、李さんの奢り?!良いんですか?!
それじゃあ、お言葉に甘えて…僕はこれにしよっかな?
はむっ……ん、甘くて美味しいね♪ っとと、おみくじまで食べないようにしないと
(おみくじ結果はMS様にお任せ)
あ、雪羽さん。実は、どれも綺麗で悩んでるんだ
選んだのは、黎明や夜色の金魚と紫陽花が描かれた風鈴。家族の色みたいで、金魚も寄り添ってて仲良しな感じが気に入ったんだ

【匣幻】
子猫の姿で人の波を縫うように
風鈴の涼しそうな音と雨音のリズムが気持ちよくて(そわそわ
美味しそうな香り
キラキラのお祭りって
あっちもこっちも気になります〜(ふらふら
…劉さま待ってください〜
アドルフさまと雪羽さまの尻尾目印にして迷子防止です♪
はっ掴まりたいかも…お二人ともふかふかです(そわ
金魚さんのお菓子?
尻尾がひらひら狐色で可愛い!
劉さま、ありがとうございます(素直におごられ
食べちゃうのもったいない〜ですけど
美味しそうで我慢できない…
はむ
んむ?ほみふじでふ?(中を齧らないようにそっと
んっ雪羽さま綺麗に取り出せました!えへん(結果はおまかせ
風鈴見たいです!
りんりんりーん♪
確かにお部屋の窓辺に似合うの探したい…!
風鈴の金魚さんたち、空を泳いでて気持ちよさそう!
はわ、このデメキンさん!
おっきな瞳が可愛くないですか?
えへへ一目惚れしちゃったかも…!
雪羽さまの青の金魚さんとっても涼しげ!
劉さまの夜の色の硝子、幻想的でため息出ちゃう…!
ふふ、アドルフ様の仲良しな金魚さんたちにこにこしちゃいますね

【匣幻】
ああ、良い音色だ
今年も涼を感じる季節が来たのだね
空気も澄んでいくようだ、と咲み
ふふふ、確かに美味しそうな馨もするね
なんなら尻尾を掴んでいても構わないよ?
さて、今回はどんな縁があるのやら
何を言っているのだか、劉も充分若い部類だろう?
早速美味しそうな甘味だね…!
そわりそわり尾を揺らし金魚焼きをじぃ
御神籤も入っているのかい?はは、それは面白い
おや、随分と太っ腹じゃあないか
お言葉に甘えていただこうかな
劉、ありがとう、と謝辞を告げ
金魚焼きを選んだところでキョトリ
ふふ、マリーツァ
御神籤も一緒に食べてしまわないようにね?
私はどんな結果かな…(結果お任せ
ん、これは美味しいねぇ
勿論だとも
風鈴との素敵な縁を探しに行こう
アドルフはどの金魚が気に入ったんだい?
家族の彩か、それはいい
マリーツァの金魚も可愛らしいね
劉のはこの祭のいいとこ取りだ
私は…この子にしようかな
蒼い金魚に白紫陽花の模様が可愛らしい
音色も心地良い
みなの風鈴の音色も聴かせておくれ?
畳んだ傘の雫をふるりと軽く払いながら、皆でわくわくと潜るのはアーチ状のゲート。
そして傘いらずのアーケード商店街に足を踏み入れれば、ちりんと。
まるで出迎えてくれるように、音を鳴らすのは、梅雨空を気侭に泳ぐ金魚風鈴たち。
李・劉(ヴァニタスの匣ゆめ・h00998)はそんな金魚たちの歓迎を受けながら、雨に恋い乞うような様を見上げる瞳を柔く細めて。
「風鈴の音……風流だねぇ」
「風鈴の音って、チリンって聞こえるだけでも涼しく感じるよね」
アドルフ・ラルトラス(白夜の双子・h00618)も、響く音色に誘われるように向けた赤と星色のいろにも、金魚たちをゆらりら泳がせて。
「ああ、良い音色だ。今年も涼を感じる季節が来たのだね」
……空気も澄んでいくようだ、と。
こくりと頷きながら、藤春・雪羽(藤紡華雫・h01263)も巡り来た季節に咲めば。
劉も改めて周囲をくるりと見回し、紡ぐ。
「梅雨に金魚祭りとは……とても涼やかな心地になる」
そう、今日このアーケード商店街『雨屋通り商店街』では、まさにその名の通り、雨宿りをしながらも。
雨を恋い乞う金魚のお祭り――『雨恋祭』が、特別に楽しめる一日。
「見た目も可愛かったりするし、日本の夏って感じがして好きだなぁ」
アドルフも、様々なカタチや色をした金魚たちを見上げつつも――ぱたぱた、ぴこり。
「みんなとこうしてお出かけするの、何だかワクワクするね!」
楽しみな気持ちのまま、お耳も尻尾もご機嫌に。
そして、アドルフと同じように、ぴこぴこゆらり。
お耳や尻尾を揺らしながら、人の波を縫うようにとてとて商店街を歩くのは、ふわふわ毛並みの白い子猫……?
いえ、子猫は子猫でも……風鈴の涼しそうな音と雨音のリズムが気持ちよくて、と。
そわそわきょろりとしちゃうのは、子猫の姿の久遠・マリーツァ(Ipheion・h01241)。
そんな聞こえる風鈴の音色や金魚たちにも、うきうきしちゃうのだけれど。
「美味しそうな香り。キラキラのお祭りって、あっちもこっちも気になります〜」
「ふふふ、確かに美味しそうな馨もするね」
雪羽も笑んで返すような、美味しそうな気配や季節を彩る静かな煌めきたちに、きょろりと視線を向けていたマリーツァだけれど。
いつの間にかちょっぴり離れてしまった背中に気づいて、とててっ。
「……劉さま待ってください〜」
「おっと失礼、マリーツァちゃん」
立ち止まって振り返る劉と共に、アドルフも足を止めてから――もふもふ、ふりふり。
「あ、マリーツァさん大丈夫? 僕の尻尾も目印にしてくれていいよ」
「なんなら尻尾を掴んでいても構わないよ?」
雪羽も彼と一緒に、尾をゆらりら。
そんな並んで揺れるもふもふを見れば、マリーツァもそわり。
「はっ掴まりたいかも……お二人ともふかふかです」
揺れる尻尾をてしてしもふっとしたくなりつつも……アドルフさまと雪羽さまの尻尾目印にして迷子防止です♪ って。
これで、逸れて迷い猫になるのは防げそう。
「ふふ、尻尾についてゆくとは名案だ」
劉も、ふたりが揺らす尻尾やマリーツァを見守りながら、ひとつ頷いた後。
ふわふわ子猫ちゃんに、こう告げておく。
「もし疲れたら教えておくれ。その時は抱っこしてあげよう」
そして雪羽は引き続きゆらりと尾を揺らしながら、皆とゆっくり歩き出す。
……さて、今回はどんな縁があるのやら、なんて再び咲んで。
祭りで賑わう商店街は、十字に走る道沿いにずらりと様々な店が並んでいて。
どこからまわろうかと、目移りしちゃいそうなのだけれど。
連れの子たちを見回せば、劉は彼らが自然と向ける視線の先に笑んで。
「さ、若い子らよ。先ずは食の店は如何かな?」
「何を言っているのだか、劉も充分若い部類だろう?」
「あは、皆よりは歳をとってる事には変わりないヨ」
雪羽の言葉になおの事、柔らかで楽し気な笑みを深める。
というわけで、美味しいものが満載の『味彩横丁』にやってくれば。
美味しそうなものは勿論、そこかしこにあるのだけれど……劉はふと見つける。
「面白い焼き物があるネ?」
「早速美味しそうな甘味だね……!」
「金魚さんのお菓子? 尻尾がひらひら狐色で可愛い!」
雪羽とマリーツァはお揃いでそわりそわり尾を揺らしながらも、
じいと共に見つめるのは、そう――金魚焼き!
それにこの金魚焼きは、美味しそうで、可愛い金魚のカタチをしている……に加えて。
「御神籤ができるのだとか」
「「おみくじ金魚焼き」? へぇ、中におみくじが入ってるって面白そうだね!」
アドルフも劉の声を聞けば、雪羽とマリーツァに加わって、尻尾をぱたぱたそわそわ。
そして、そう聞けば。
「御神籤も入っているのかい? はは、それは面白い」
当然、美味しく運試しに挑戦する気は満々であったのだけれど。
劉は皆に笑いかけ、こう告げる。
「此処はご馳走してあげるので好きなのを選ぶといい!」
「えっ、李さんの奢り!? 良いんですか?!」
「遠慮せずたんとお食べ? アドルフ君。子供が遠慮するものじゃない」
そしてそうにこにこ微笑みを向けられれば、アドルフはお耳をぴこぴこさせながら。
「それじゃあ、お言葉に甘えて……僕はこれにしよっかな?」
運命の甘い金魚を一匹選んでみて。
マリーツァもぺこりと礼を告げつつ、素直に奢られれば。
「劉さま、ありがとうございます」
「おや、随分と太っ腹じゃあないか。お言葉に甘えていただこうかな」
……劉、ありがとう、と。
雪羽も謝辞を返し、金魚焼きを遠慮なくひとつ選んで。
マリーツァは手に取った金魚さんと暫し見つめ合いながらも。
「食べちゃうのもったいない〜ですけど、美味しそうで我慢できない……」
悩まし気に思いつつも――はむ。
雪羽も金魚焼きを選んだところでキョトリ。
「ふふ、マリーツァ。御神籤も一緒に食べてしまわないようにね?」
「んむ? ほみふじでふ?」
つい流行ってがぶりといってしまいそうなところを、中を齧らないようにそっともぐもぐすれば、えへん。
「んっ雪羽さま綺麗に取り出せました!」
マリーツァは、手にしたおみくじの結果にも、さらに得意気に。
「足元に気をつければ、降る雨も慈雨に――大吉です!」
劉も、良くも悪くも其れも一興、と。
「さて、どんな結果かな。商等は……と」
はむりと金魚焼きを口にすれば、おみくじを取り出してぱらり。
「悪くとも伸びしろ有りという事でネ」
というわけで、特に気になる、劉の仕事運だけれど。
「雨降って地固まる、焦らず待て。中吉とは、良い結果だね」
そしてアドルフと雪羽もふたりに続いて、まずは金魚焼きを味わってから。
「はむっ……ん、甘くて美味しいね♪ っとと、おみくじまで食べないようにしないと」
「ん、これは美味しいねぇ。私はどんな結果かな……」
それぞれおみくじまで食べてしまうことなく、開いてみれば。
「夜になっても降り続く雨、其れは恵みの雨なり……あ、李さんと同じ中吉だ」
「……雨に煌めく花のように、運気も華やかに。大吉か、嬉しいねぇ」
神の御使いである雨恋金魚のお告げは、なかなか皆上々であった模様。
何よりも、美味しく金魚焼きをお揃いで食べながら、わくわく過ごすこんなひとときが、もうすでに大吉であるし。
そんな楽しい時間は、まだまだ続くから。
「さぁて、互いの幸先も解ったところで。次は風鈴の店を見ても良いだろうか?」
「勿論だとも。風鈴との素敵な縁を探しに行こう」
「風鈴見たいです!」
劉の提案に、雪羽に続いて、りんりんりーん♪ とマリーツァも勿論大賛成!
「私室に飾る物を一つ頂いていこうかと」
「確かにお部屋の窓辺に似合うの探したい……!」
「お土産にも良さそうだし、探すのも楽しそうだね!」
というわけで、いざ向かうは『相合小道』にある、金魚風鈴屋さん。
辿り着いた店に足を踏み入れば、様々な色や形の金魚風鈴たちが並んでいて。
ちょっぴり悩まし気に揺れる尻尾を見れば、雪羽は声を掛ける。
「アドルフはどの金魚が気に入ったんだい?」
「あ、雪羽さん。実は、どれも綺麗で悩んでるんだ」
かわいらしいのもいいし、涼やかなのもまた夏らしく、でも豪華なこっちの金魚も気になる……なんて。
きょろりと目移りしていたアドルフだけれど。
手にしたのは、泳ぐ様に揺れる髪のような彩りの尾鰭揺らす、黎明や夜色の金魚たちが描かれたもの。
そして彩り添えるように、紫陽花が咲いていて。
「家族の色みたいで、金魚も寄り添ってて仲良しな感じが気に入ったんだ」
「家族の彩か、それはいい」
「ふふ、アドルフ様の仲良しな金魚さんたちにこにこしちゃいますね」
マリーツァはアドルフの選んだ風鈴に、うんうんと頷いて笑んだ後。
再び、ちりんと一斉に鳴った風鈴金魚たちを見上げる。
「風鈴の金魚さんたち、空を泳いでて気持ちよさそう!」
それから再び視線を戻せば……ぱちり。
「はわ、このデメキンさん! おっきな瞳が可愛くないですか?」
目が合ったのは、つぶらな瞳がキュートな出目金さん。
そんな愛嬌たっぷりなゆるかわ金魚を見れば、劉も瞳をぱちり。
「出目金……! こんな風鈴もあるとは奥深い」
「えへへ一目惚れしちゃったかも……!」
「マリーツァの金魚も可愛らしいね」
雪羽の声に頷きつつ、劉はふたりの選んだそれぞれの趣きの風鈴に瞳を細めれば。
「皆、良き物を見つけるのが上手だネ」
それでは私は……と手にしたのは、美しくも幻想的な一品。
夜色に泳ぐ淡紫の金魚に、青紫の紫陽花が咲く風鈴を選んで。
「劉さまの夜の色の硝子、幻想的でため息出ちゃう……!」
「劉のはこの祭のいいとこ取りだ」
雪羽も、自分が連れて帰る風鈴金魚を、そっとその手に取る。
「私は……この子にしようかな。蒼い金魚に白紫陽花の模様が可愛らしい」
「雪羽さまの青の金魚さんとっても涼しげ!」
それから、ふと優しく揺らしてみれば、ちりんと鳴る涼やかな音。
そしてそれは色や形と同じように、それぞれの風鈴で音色だって違うから。
「音色も心地良い」
雪羽はそう瞳細めてから、皆の手の中にある子たちへと視線巡らせて紡ぐ。
……みなの風鈴の音色も聴かせておくれ? って。
そして顔を見合わせれば、そっと皆で一緒に――ちりん、ちりりん。
金魚風鈴たちの音色や雨の音、零れる笑い声……そんな沢山重なり合う響きを耳にすれば。
劉はひとつ大きく頷いて、次の季節もまた待ち遠しくなる。
……うん、此れで良き夏を過ごせるといいネ、って。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

雨が続くと流石の私もちょっとだけ気持ちがブルーになってしまいます。けれどここならば、きっと色と温もりに満ちた素敵な時間を過ごすことが出来そうです
味彩横丁、美味しそうな匂いと色とりどりの食べ物……目移りしちゃいます
いちご味のフルーツ瓶ラムネ、紫陽花餡の串団子を買います。ラムネは紫陽花を閉じ込めた様なビー玉も、瓶も綺麗
お団子も食べるのが勿体ない可愛さですが、食べないともっと勿体ないですからね。食べ物は食べてなんぼですもの。ふふ、口の中が紫陽花畑みたい
そしてメインは矢張り金魚鉢紫陽花パフェです。パフェはいっとう好きなものですから
お店へルンルン気分で入店。パフェと珈琲を頼みます
まあ、なんて綺麗なパフェなのでしょう!まずは写真を撮って、それからパフェをじっくり眺めます。器から覗く断面、紫陽花を切り取った様なゼリーに瑞々しいフルーツ、クッキー……ああ、テンションが上がってしまいます!
それからパフェを堪能し、珈琲を飲みながらゆっくりすごします
雨の音をBGMにしながら
アドリブ歓迎です
今日も天気予報では、夜になるまで雨が続くと言っていて。
梅雨の季節だから……といってしまえばそうなのだけれど。
(「雨が続くと流石の私もちょっとだけ気持ちがブルーになってしまいます」)
でもやはり、連日の雨となると、さすがの躑躅森・花寿姫(照らし進む万花の姫・h00076)も、気持ちまでちょっぴり雨模様に。
折角おしゃれをしても濡れて台無しになったり、かわいい動物さんの毛並みだって心なしかしょんもりしているし、鍛錬だって基本室内でしかできないし。
雨の中で聳え立つ障害を拳で成敗するのは……ちょっぴり悪天候での激闘を乗り越える主人公感があって悪くはないかも、だけれど。
でも、憧れる『戦うお姫様』だって、戦いの合間に普通の女の子らしい日常パートだってあるし。
それに何より、話を聞いた時にわくわくしたから、足を運んでみたのだけれど。
雨は相変わらず降ってはいるものの、傘を閉じてくるりと見回せば、花寿姫はこくりとひとつ頷く。
(「けれどここならば、きっと色と温もりに満ちた素敵な時間を過ごすことが出来そうです」)
雨の日だからこそ賑わいを見せている、傘いらずのアーケード商店街は思った通り、ブルーな気持ちもうきうきになりそう。
まるで出迎えてくれるかのようにチリンと鳴る風鈴金魚たちは可愛くて綺麗で、『相合小道』にも可愛くておしゃれな雑貨やアクセサリーなんかもありそうなのだけれど。
でもやはり、花寿姫の心を惹きつけるのは、風鈴を揺らす風が運んでくる誘惑。
「味彩横丁、美味しそうな匂いと色とりどりの食べ物……目移りしちゃいます」
美味しい匂い纏う風に誘われるように向かうのは、色々なグルメが満喫できるという『味彩横丁』。
くるりと見回してみただけで、あれもこれもと悩んでしまうような、魅力的な商店街グルメでいっぱい。
でもやはり、美味しそうというのは勿論のこと、花寿姫の目を特に引いたのは。
(「紫陽花を閉じ込めた様なビー玉も、瓶も綺麗」)
金魚柄の瓶の中で紫陽花ビー玉がカランと揺れてはしゅわりと弾ける、いちご味のフルーツ瓶ラムネ。
そして逆手には、紫にピンクに白の彩りを咲かせた、紫陽花餡の串団子。
まさに、女の子心を擽るような見目なのだけれど……それはそれ。
花寿姫はしばらく串団子の紫陽花色を眺めて堪能すれば、再びこくりと頷いて。
「お団子も食べるのが勿体ない可愛さですが、食べないともっと勿体ないですからね」
……食べ物は食べてなんぼですもの、なんて。
「ふふ、口の中が紫陽花畑みたい」
はむりと躊躇なく、美味しくいただきます、ええ。
他にも商店街を歩いていれば、美味しそうだったり気になるものも、沢山あるのだけれど。
次に目指すのは、このアーケード商店街にあるというレトロな喫茶店。
そんな花寿姫のお目当ては、そう!
(「そしてメインは矢張り金魚鉢紫陽花パフェです」)
……パフェはいっとう好きなものですから、と。
ルンルン気分で入店すれば、迷うことなく、気になっていた金魚鉢紫陽花パフェと珈琲を頼んで。
運ばれてきて目の前に置かれた彩りを瞳にも宿せば、思わず感嘆の声を開き咲かせる。
「まあ、なんて綺麗なパフェなのでしょう!」
それからまずはアイスなどが溶ける前に、パシャパシャと色々な角度から写真を撮って。
そして改めてじっくりと眺めてみれば、再び溜め息を落とす。
(「器から覗く断面、紫陽花を切り取った様なゼリーに瑞々しいフルーツ、クッキー……」)
……ああ、テンションが上がってしまいます! って。
けれどやはり、存分に目で見て楽しめば、おもむろにスプーンをすちゃりと構えて。
やはり食べ物は食べてなんぼ、張り切っていただきます!
嬉々と掬ったひと匙を口に運べば、幸せいっぱいの笑みが咲き綻んで。
パフェをうきうき堪能しながらも、ふわり香り高い珈琲がまた絶妙の味わい。
窓を外をふと見れば、まだ雨は降っていて止みそうにないけれど。
だからこそこのひとときを、花寿姫はゆっくり楽しんで過ごす――耳に心地良く響く雨の音をBGMにしながら。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第2章 冒険 『七色龍の眠る川』

POW
泳いで底を浚う
SPD
じっくり歩いて探す
WIZ
気に入った場所で探す
√妖怪百鬼夜行 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
しとしとと降り続いていた雨も、夜になればようやく止んで。
賑やかな商店街をあとにすれば――向かうのは、静寂が広がる夜の森。
地元の人でも足を踏み入れることがあまりないという森は、こんもりと茂る木々で薄暗いけれど。
雨が止んだ空に浮かぶ月の光が柔く降っては、道を仄かに照らしてくれていて。
まるで小さな星たちが集まって輝いているように咲く、雨雫纏う紫陽花も、青や白にピンクや紫など様々な彩りを讃え、自然の中で美しく咲き誇っている。
いや、森や花を照らすのは何も、月の光だけではない。
森に入って、どれくらい歩いただろうか。
耳にふと聞こえる川のせせらぎに気づき、その音色に導かれるように進路を取れば。
視界がひらけた刹那、瞳に飛び込んでくるのは、七色の風景。
眼前に流れる川は――『七色龍の眠る川』。
この土地の伝承によれば、この長い川には七色龍が眠ると言われていて。
そんな謂れから龍の川と呼ばれているこの川の底は、七色に輝いているという。
その虹の色の正体は、無数に流れ着いた、きらきらと光る鱗のような石『龍玉』。
そしてさらに、雨が止んだ夜、川の周辺を舞うのは、虹色に輝く蛍たち。
蛍は水が綺麗な場所に生息するというから、川に入ることは普通は叶わないが。
この七色蛍は妖怪、だから、この『七色龍の眠る川』へと足を踏み入れて、龍の如き長い川を辿れば――いずれ目的の場所へと辿り着くだろう。
森の最奥にある、虹が架かる滝まで、迷わずに。
そう――この滝の裏こそ、封印から解き放たれた古妖の隠れ家。
今日もふらりと誑かす標的を品定めした後、夜になれば此処に古妖は戻っているというから。
隠れ家へと赴いて古妖を倒す、これが今回の目的である。
けれど、森の最奥の滝までは少々距離があるし、油断している古妖が隠れ家から出ることは今晩はもうないようだから。
ひやりと綺麗な水を讃える浅い川の中をちゃぷちゃぷ歩くのも良いし、川沿いを散歩気分で行くのも勿論構わない。
焦らずに、七色の川や蛍や紫陽花を眺めながら、商店街で買ったものや持参したものを食べたり飲んだりしてひと休みするのも良いだろう。
また、龍の川底に流れ着いている『龍玉』を掬うこともできる。
龍玉と呼ばれているそれは、護符やお守りや装飾などの加工品の素材になり、持ち主の願いが叶うと言われていて。
色も形も様々だから、お気に入りの龍玉を探してみるのもいいだろう。
古妖を倒した後になるが、商店街に持っていけば、好きなものに加工もしてくれるというし。
ただ飾っておくだけでも綺麗で、ご利益もありそうだ。
大きさは、大きくても片手に乗る程度ではあるが、小さいものを色とりどり探してみてもいいし、大きめのものを厳選してみてもいいし。
まるっこいものから、まさに鱗のように平べったいもの、星や花やハートを思わせる形や模様があるものな等々。
どんな龍玉と出会えるかは、まさに一期一会。
いくつ持って帰っても構わないようなので、龍の川を行きながら、自分だけの龍玉を探すのもいいだろう。
虹色の蛍たちが舞う中、雨露を纏い煌めく、森の奥を目指して――それぞれ、好きなように七色森の夜を楽しむ、それもまた乙だろう。
だって折角、降り続いていた雨も、ようやくあがったのだから。

「POW」
はわ……綺麗なのです……
美味しい甘味も食べ終えたところですし、泳ぐのはあまり得意ではないですが……
空中を漂うのとあんまり変わらないと思うので、頑張って泳いで底を浚うのです……
龍玉というのが、どんな物かわかってないですが……きっと綺麗なのでしょう……
せっかく訪れたので、溺れない程度に探してみたいのです……現での想い出は、大事ですので……むにゃ……
夢でしか逢えない、僕のAnkerにも、想い出話はあった方が、きっと楽しいはずですから……すぴー……
泳ぎながら、眠らないようにだけ注意なのです……
油断すると、寝ちゃうので……眠らないように、頑張って探すのです……ぐぅ……
アドリブ歓迎なのです
夜を迎えれば、日中ずっと降っていた雨もようやく止んで。
賑やかな商店街を後にして、鬼灯・睡蓮(人間災厄「白昼夢」の護霊「カダス」・h07498)が足を踏み入れたのは、近くにある森。
夜の森と聞けば、普通は周囲が見えないほどに鬱蒼として暗いのだけれど。
「はわ……綺麗なのです……」
薄目のままではあるものの、視線を巡らせながら、睡蓮は思わず感嘆の言葉を紡ぎ落とす。
キラキラと虹色に煌めく『龍の川』を目にして。
そして周囲にふわりと舞うのは、たくさんの七色蛍。
方向感覚はないけれど、でもこの川をたどれば目的地に到着するという話だから、きっと大丈夫。
でも、睡蓮にはまた別の心配事が。
(「美味しい甘味も食べ終えたところですし、泳ぐのはあまり得意ではないですが……」)
とはいえ、ふわふわと空中を漂うことと、あまり変わらないとも思うから。
頑張って泳いで底を浚うのです……と、虹色の川へと改めて眠そうな瞳を向けてみる。
この川が七色に輝いて見える理由、それは『龍玉』という煌めく石が川底にあるからだと、話には聞いてはいて。
龍玉というものが、どんな物かあまりわかってはない睡蓮なのだけれど……きっと綺麗なのでしょう……とそう思うし。
「せっかく訪れたので、溺れない程度に探してみたいのです……」
現での想い出は、大事ですので……むにゃ……、と。
うつらうつらしつつも脳裏に浮かぶのは、自分が見る夢にしか現れることは無い彼女のこと。
(「夢でしか逢えない、僕のAnkerにも、想い出話はあった方が、きっと楽しいはずですから……すぴー……」)
夢の中で彼女へと話せるような思い出を作りたいって、そうも思うから。
溺れないように……とそうっと足を川につけてみれば、思いのほか浅くて。
「このまま、眠らないようにだけ注意なのです……」
ちゃぷりと進む川は浅かったものの、もしも寝てしまえば、浅くても溺れてしまう可能性もあるから。
そっと気をつけつつ、底を掬い上げてみれば――掌の上でキラキラ輝く、いくつかの様々な色の石が。
そして、話に聞いていた龍玉を見つめながら、うとうと。
(「油断すると、寝ちゃうので……眠らないように、頑張って探すのです……ぐぅ……」)
足元の水の冷たさも心地よくて、何気に寝ちゃいそうになりつつも。
でも睡蓮は、龍の川の浅瀬をちゃぷりと進みながらも、寝ないよう頑張ってみることに――もっと龍玉を探してみたいって、そうも思うから。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ・アレンジ歓迎。
小鳥姉様(h01076)とデート。
心情
…川ですか…?
…構いませんが…つ、冷たくないのですか。
…意外と…心地良い…です。
…龍玉?
…はい、是非!
…なんですか、小鳥姉様?
きゃぁ?!
…そ、そう謂うのは…す、少し狡い、です…っ…!
…あの、小鳥姉様。
…僕の代わりには、なりませんけど…僕を護ってくれるインビシブルに似てるので…。
行動
小鳥姉様に川に入る事を誘われたので、靴やニーソックスを脱いで恐る恐る川に
差し出された手をしっかり摑み、おっかな吃驚に
龍玉探しで僕の子に似た子を発見
呼ばれて吃驚しながら、水の掛け合いへ
髪に合わされた石を見つめ、代わりに乳白色の白鯨のような石を微笑んで差し出す

榴(h01965)とデート
「ちょっと川を歩いてみませんか?」
靴を脱いで川の中へ
浅瀬くらいなら大丈夫、冷たくて気持ちいいです榴と再び恋人繋ぎ
足元に気をつけて歩く
「ここには龍玉という石があるそうです」
持ち帰って装飾品にして貰えるそうです
少し探してみましょう
石を動かして、思ったより大変ですが、なんだか楽しい
「榴」
呼びかけて水をかけてふざけたり
そして見つけた鬼灯の龍玉
「というかハートでしょうか。赤色が綺麗で可愛い」
そっと彼女の髪に当てて頷くと差し出た
榴の願いが叶いますように
彼女が差し出した鯨の龍玉を受け取る
両手で水を掬いざぱーんと大きく水飛沫をかける
「ありがとうございます、榴」
私は花咲くように笑った
夜を迎えれば、日中ずっと降っていた雨もようやく止んで。
賑やかな商店街を後にして、鬼灯・睡蓮(人間災厄「白昼夢」の護霊「カダス」・h07498)が足を踏み入れたのは、近くにある森。
夜の森と聞けば、普通は周囲が見えないほどに鬱蒼として暗いのだけれど。
「はわ……綺麗なのです……」
薄目のままではあるものの、視線を巡らせながら、睡蓮は思わず感嘆の言葉を紡ぎ落とす。
キラキラと虹色に煌めく『龍の川』を目にして。
そして周囲にふわりと舞うのは、たくさんの七色蛍。
方向感覚はないけれど、でもこの川をたどれば目的地に到着するという話だから、きっと大丈夫。
でも、睡蓮にはまた別の心配事が。
(「美味しい甘味も食べ終えたところですし、泳ぐのはあまり得意ではないですが……」)
とはいえ、ふわふわと空中を漂うことと、あまり変わらないとも思うから。
頑張って泳いで底を浚うのです……と、虹色の川へと改めて眠そうな瞳を向けてみる。
この川が七色に輝いて見える理由、それは『龍玉』という煌めく石が川底にあるからだと、話には聞いてはいて。
龍玉というものが、どんな物かあまりわかってはない睡蓮なのだけれど……きっと綺麗なのでしょう……とそう思うし。
「せっかく訪れたので、溺れない程度に探してみたいのです……」
現での想い出は、大事ですので……むにゃ……、と。
うつらうつらしつつも脳裏に浮かぶのは、自分が見る夢にしか現れることは無い彼女のこと。
(「夢でしか逢えない、僕のAnkerにも、想い出話はあった方が、きっと楽しいはずですから……すぴー……」)
夢の中で彼女へと話せるような思い出を作りたいって、そうも思うから。
溺れないように……とそうっと足を川につけてみれば、思いのほか浅くて。
「このまま、眠らないようにだけ注意なのです……」
ちゃぷりと進む川は浅かったものの、もしも寝てしまえば、浅くても溺れてしまう可能性もあるから。
そっと気をつけつつ、底を掬い上げてみれば――掌の上でキラキラ輝く、いくつかの様々な色の石が。
そして、話に聞いていた龍玉を見つめながら、うとうと。
(「油断すると、寝ちゃうので……眠らないように、頑張って探すのです……ぐぅ……」)
足元の水の冷たさも心地よくて、何気に寝ちゃいそうになりつつも。
でも睡蓮は、龍の川の浅瀬をちゃぷりと進みながらも、寝ないよう頑張ってみることに――もっと龍玉を探してみたいって、そうも思うから。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

紫遠(h03007)と
龍玉掬いと川遊び
アドリブアレンジ大歓迎
家族の様に遠慮なく気心知れた仲
距離感近めで呼称は呼び捨てや君付け
お祭りのモチーフも可愛くて綺麗だと思ったけど
ここはより、一段と綺麗だね
自然と笑みが溢れてくる
うん?
どうだろうね……と紫遠の問いに言葉を濁す
けれど分かっている
(俺は、誘いを受けないだろうな
……残酷なひとでなしだから)
隣で悩む優しい君は、何を思っているのだろう
とか考えてたら落とされた
むー、ズボンも靴もぐじゅぐじゅなんだけどー?
優しい君につけ込む様に、手招きをする
ほら、一蓮托生しようよ
君もぐじゅぐじゅになるといい
その後はふざけつつお喋りしながら龍玉掬い
大きめの丸いのないかなー

ジン(h05630)と
龍玉掬いをしながら川遊び
アドリブアレンジ大歓迎
こんな綺麗なところがあるとは
さっきまではしゃいでたからこの静けさがちょうどいい
ねぇ、ジンはさ
もし古妖が今回の男性にしたみたいに唆してきたら話を受ける?
オレは…どーだろ
たぶん、返事できないんじゃないかな
…自分で振っといてアレだけどちょっとこの空気ムリだ
取り敢えずジンを川に落とす
大丈夫、足だけ水に落とすから大丈夫だって
ごめん、オレが空気に耐えれんかった
ジンちゃんに呼ばれたら素直に川に入る
悪いことしたとは思ってるよ?
ついでだしそのまま龍玉探そう
丸くて青みがかったのが良いなぁ
◆補足
家族並みに気安い関係故に遠慮がない
距離近い
呼び方は気分
ひらりゆうらり、梅雨空を日中泳いていたのは金魚だったけれど。
今度は、ちゃぷりと己の足を水の中に浸してみながら、ジン・サカツキ(雪静か・h05630)は周囲をくるり見回して紡いでみれば。
「お祭りのモチーフも可愛くて綺麗だと思ったけど。ここはより、一段と綺麗だね」
七色に輝く夜の森の風景に、自然と溢れてくる笑み。
そんな彼のことを、ちらりと見て。
斯波・紫遠(くゆる・h03007)はふと、こう訊いてみる。
「ねぇ、ジンはさ。もし古妖が今回の男性にしたみたいに唆してきたら話を受ける?」
失った伴侶に、また合わせてあげると。
古妖に唆された男性が封印を解いてしまった……という話を思い返しながら。
それからジンに問いを投げつつ、紫遠自身も考えてみて。
「オレは……どーだろ」
至った結果は……たぶん、返事できないんじゃないかな、って。
ジンも、そう訊ねてきた彼へと目を向けてはみるのだけれど。
「うん? どうだろうね……」
向けられた問いに、そう言葉を濁して返す。
いや……そのこたえは、ジンには分かっているのだ。
(「俺は、誘いを受けないだろうな……残酷なひとでなしだから」)
それから、問いかけておきつつ自分も何かを考えているような、そんな紫遠の姿を見つめてみる。
……隣で悩む優しい君は、何を思っているのだろう、って。
それから、紫遠はふいに顔を上げて。
手を伸ばせば――ぱしゃんっ。
(「……自分で振っといてアレだけどちょっとこの空気ムリだ」)
取り敢えずジンを川に落とすことにして。
考えていればいきなり川に落とされたジンは、ひやりとした水の冷たさを感じながらも。
紫遠へと視線を投げ、首を傾けてみせる。
「むー、ズボンも靴もぐじゅぐじゅなんだけどー?」
「大丈夫、足だけ水に落とすから大丈夫だって」
紫遠はそう軽口で一度は返すものの。
肩を微か竦めれば、ジンへとぽつりと告げる。
……ごめん、オレが空気に耐えれんかった、と。
でもジンも勿論、ただ落とされただけでは終わらないから。
「ほら、一蓮托生しようよ」
七色蛍が舞う中、ひらり紫遠を手招いて。
「君もぐじゅぐじゅになるといい」
濡れ仲間へのお誘いを。
……優しい君につけ込む様に、なんて。
そしてジンに呼ばれれば、紫遠もちゃぷりと素直に川に入って。
「悪いことしたとは思ってるよ?」
ぱしゃり、一緒に水に濡れながらも。
ぱしゃぱしゃいつも通りの近い距離間で、遠慮なく水をかけあってはふざけてみたり。気心知れた者同士、ふたりでお喋りしたりしながらも。
「大きめの丸いのないかなー」
「丸くて青みがかったのが良いなぁ」
煌めく川底を掬ってみながら……これはどう? こっちもいいかも、なんて。
ついでだしと、そのまま龍玉を一緒に探してみることにする。
様々な思いは、そっと心の内だけにして。
家族の様に気安い相手と共に在る今を、じゃれ合いながら楽しむように。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

妖怪の存在は是とできないけれど普通はできないことができるのなら。
川へ入って楽しめるのならそこは感謝しなくちゃいけないね
商店街で買ってたスイーツを食べながら紫陽花を眺めつつ全部食べ終わったら私も『龍玉』探しに行こうかな
形も大きさも色々だけど龍玉の名前にあやかって鱗っぽいものを中心に探してみる
鱗のはそこそこ大きさがあるほうがそれらしくみえるかな?
色は寒色系がいいけど良いカンジのものあるかな~
探してる途中で他に良さそうなのを見つけたらそっちも確保しておこう
この√には、様々な妖怪たちがたくさんいて。
中には、今回の古妖のような、悪さを働いては人々に危害を及ぼす存在も少なくはない。
だから、妖怪の存在は是とできないけれど、と思いながら。
でも、今の懐音・るい(明葬筺・h07383)は、こうも思うから。
(「川へ入って楽しめるのならそこは感謝しなくちゃいけないね」)
普通の蛍ならば、ただ眺めることしかできないけれど、実は七色蛍たちは妖怪だから、川に入っても大丈夫。
そんなふわりと周囲を数多飛ぶ七色蛍の輝きを、見つめる瞳にも舞わせて。
雨も止んだことだし、商店街で買っていたスイーツをお供に、るいはいまだしっとりと雨に濡れて艶やかな森の紫陽花たちを眺めてみて。
全部美味しく食べ終われば、今度は虹色に輝く川へと目を向けてみる。
(「私も『龍玉』探しに行こうかな」)
龍の川と呼ばれるこの川が虹色に輝いて見えるのは、川底に沈む『龍玉』という石の煌めきによるものだという話で。
好きに掬ったり、好みのものがあればいくつでも持ち帰っても構わないというから。
折角だしと、るいも探してみることにする。
そんな龍玉は聞いていた通り、形も大きさも色も様々で。
ころりと丸いのは宝石のようで、中には花や星っぽく見えるものがあったり、複数の色が混ざった不思議なものがあったりだとか。
良さそうなお気に入りのものを見つけたら、それも確保しておきつつも。
探してみるのは、やっぱり。
「鱗のはそこそこ大きさがあるほうがそれらしくみえるかな?」
……龍玉の名前にあやかって鱗っぽいものを中心に、って。
「色は寒色系がいいけど良いカンジのものあるかな~」
龍の川にちなんだ、寒色系の鱗のようなものを。
そして再び川底を掬ってみれば、キラキラ煌めく虹色の中から、るいは見つける。
思い描いていた通りの彩りや形をした、自分だけのとっておきの龍玉を。
🔵🔵🔵 大成功
**
【誤投稿のありました、花喰・小鳥(夢渡りのフリージア・h01076)様と四之宮・榴(虚ろな繭〈|Frei Kokon《ファリィ ココーン》〉・h01965)様のリプレイを以下に掲載いたします】
**
雨上がりの夜の森を歩いていれば、まるで道案内をしてくれるようにふわりと舞う色とりどりの光。
そして、そんな七色蛍が飛び始めたと同時に耳に聞こえるのは、川のせせらぎ。
龍の川と呼ばれているその川は、確かに龍のように長く緩やかなカーブを描いていて。
川底に沈んでいるのは、幻想的な虹色の輝き。
この川を辿れば、目的地に容易く到着できるという話なのだけれど。
「ちょっと川を歩いてみませんか?」
そう聞こえた花喰・小鳥(夢渡りのフリージア・h01076)に、四之宮・榴(虚ろな繭〈|Frei Kokon《ファリィ ココーン》〉・h01965)は思わず瞳を瞬かせる。
「……川ですか……?」
それから、そっと流れる川を見つめてみれば、こう続ける。
「……構いませんが……つ、冷たくないのですか」
靴を脱いで川の中へと足を浸す、小鳥の様子を見つめて。
そんな榴に、小鳥は手を差し出して。
「浅瀬くらいなら大丈夫、冷たくて気持ちいいです榴」
靴やニーソックスを脱いで恐る恐る川に足をつける彼女が重ねた手を取れば、再び恋人繋ぎをして。
足元に気をつけながらも一緒に仲良く歩いて、七色森の夜のデートを楽しむ小鳥。
榴も差し出された手をしっかり摑んで、おっかな吃驚ではあったものの。
「……意外と……心地良い……です」
川は思っていたよりも随分浅く、水が流れていく感覚がひやり擽ったくて。
そう少しホッとしつつもそろりと歩む榴に、小鳥は切り出す。
「ここには龍玉という石があるそうです」
「……龍玉?」
話に聞いた、龍玉という石のことを。
この川が虹色に見えるのは、川底に様々な色をしたこの龍玉が沈んでいるからで。
大きさや色も、ひとつずつ違うのだという。
そして、いくつ掬って持って帰っても問題はないというから。
「持ち帰って装飾品にして貰えるそうです。少し探してみましょう」
「……はい、是非!」
ふたりでやってみるのは、川に沈んでいる龍玉探し。
川底にころんと転がっているだけに見えるから、簡単に掬える……と思いきや。
見えている距離感と実際の水の中は、光の屈折などで微妙にずれていたりして。
石を動かしたりと、思ったよりも大変であるが。
小鳥は龍玉を探しながらも思う……なんだか楽しい、って。
そして榴がふと発見したのは、自分の子に似た子。
だから、その龍玉をそっと掬って、掌に招いてみれば。
「榴」
「……なんですか、小鳥姉様?」
ふいに聞こえた小鳥の声に、きょとりと顔をあげた……瞬間。
「きゃぁ!?」
ぱしゃっ! と水飛沫があがったかと思えば、感じる冷たい感覚。
そんな水の冷やかさに、思わず榴は吃驚して声を上げちゃうけれど。
「……そ、そう謂うのは……す、少し狡い、です……っ……!」
ぱしゃりと、お返しに小鳥へとお返しすれな。
仲良くふたりでぱしゃぱしゃ、水の掛け合いへ。
それから、水をかけ合ってふざけたりしながらも、小鳥も掬ってみる。
「というかハートでしょうか。赤色が綺麗で可愛い」
見つけた、鬼灯の龍玉を。
そしてそれを、そっと小鳥は彼女の髪に当ててみて、こくりとひとつ頷けば。
こう、言の葉と共に差し出す――榴の願いが叶いますように、って。
榴は、そんな髪に添えられた赤のいろを見つめてから。
……あの、小鳥姉様、と。
「……僕の代わりには、なりませんけど…僕を護ってくれるインビシブルに似てるので……」
代わりに微笑んで差し出すのは先程掬った、乳白色の白鯨のような石。
小鳥は互いに見つけた、鬼灯と白鯨の石を、榴と交換こしてから。
「ありがとうございます、榴」
両手で水を掬えば、ざぱーん。
大きく彼女へと、再び水飛沫をかければ。
「きゃっ! また、小鳥姉様……っ……!」
榴はまた驚いてしまうけれど、やはりぱしゃぱしゃ、お返しの反撃を。
そんな水の掛け合いこに興じながら、小鳥は綺麗な顔に咲かせる。
夜の森のデートをふたりで楽しむ今に、ふわりと花咲くような微笑みを。

【🍱】
服の裾を捲って星浮かぶ翼をぱたり
川へ足を浸す
あはは、冷てぇ
絆も来いよ
近くで見たほうがぜってぇ綺麗!
なぁなぁ蛍くんたち
これって本当に石なの?
けど、あんたらもきれーだなと笑う
絆の中の俺のキャラどうなってんだよ
いやでも事実じゃん
絆だってきれいって思ったろ
七色龍、本当にいたらいいのにな
かっけぇじゃん
会ったら乗せて貰いたい!
その時は絆も一緒な
ん~?そう言われると…あ!
代わりになんかしてやったらいいんじゃない?
WinWinになるようにさ
何探してんの?
よし、俺も探してやるよ
とっておきのきれーなやつ
これなんてどう?
三日月みたいな黄色い石
そしてなんと、バナナにも見える
あはは、お得だろ?
ほら、絆にやるよ

【🍱】
へえ、ほんとに七色に光ってる
…別に入んなくてもよくない?
仕方ないな
溜息ひとつ吐いて
靴を脱ぎ川に足を浸す
っ、結構冷たいな
でも
…悪くない
あんた、見境なさすぎでしょ
蛍のことまで口説いてどーすんの
…まあ、綺麗だとは思うけど
七色龍ねえ
快く乗せてもらえるかな
だって
僕たち今
その背中を踏ん付けて歩いてるわけでしょ?
足でぱしゃりと水を跳ね上げ
…まあ、あんたになら龍だって絆されそうだけど
ふと目に留まった龍玉掬い
これは赤、こっちは青っぽい
…こういうの、集めたくなるんだよね
平べったいし、七色集めてモビールにして
商売繁盛のご利益でも願おうかな
ふ、何それ
もうバナナにしか見えないじゃん
折角だし真ん中に吊るしてあげる
鬱蒼とした闇の中に、最初に灯ったのはひとつ、ふたつ。
そんな次第に増えてゆく星の如き蛍たちの光に導かれた先、雛埜原・絆(賜物ゆえに|愁ふ雛《みじゅくもの》・h07098)が出逢ったのは。
「へえ、ほんとに七色に光ってる」
まるで虹を纏ったような龍の川。
そして向けた瞳にも七色を宿しながら、新たな夜空を見つける。
「あはは、冷てぇ」
服の裾を捲って、ぱたりと揺れては浮かぶ星たち。
ちゃぷりと川へと足を浸す、ニコニコ・ロゼット(sweet world・h02232)の翼に広がる星空を。
そんなニコニコの星のような瞳が、ふと絆の姿を移せば。
「絆も来いよ。近くで見たほうがぜってぇ綺麗!」
「……別に入んなくてもよくない?」
耳に届いたお誘いに漏れるのは、|建前《うそ》をつけぬ彼の紛うなき本音。
けれど……仕方ないな、と溜息ひとつ。
靴を脱いで、ちゃぷんと足を浸してみれば。
「っ、結構冷たいな」
思わずそう紡ぎ落しはしたものの、ひやりとしたのは一瞬で。
絆は微か瞳を細め続ける――でも……悪くない、って。
浸した当初に感じた冷たさにすぐに慣れれば、さらさらと足を擽るように流れていく水の感覚は、思ったよりも心地良くて。
虹色の川へと視線を落としていれば、ふいに顔を上げる。
「なぁなぁ蛍くんたち。これって本当に石なの?」
……けど、あんたらもきれーだな、なんて。
そう笑う、連れの声が聞こえて。
周囲の蛍星たちを掌に招くその様を見遣れば、首を傾ける絆。
「あんた、見境なさすぎでしょ。蛍のことまで口説いてどーすんの」
「絆の中の俺のキャラどうなってんだよ」
そんな声にまた、ニコニコは笑って。
「いやでも事実じゃん。絆だってきれいって思ったろ」
「……まあ、綺麗だとは思うけど」
返る言葉にいっそう笑めば、ちゃぷちゃぷ。
「七色龍、本当にいたらいいのにな。かっけぇじゃん。会ったら乗せて貰いたい!」
……その時は絆も一緒な、って。
でも、そんなニコニコに、大きく首を傾げてみせて。
「七色龍ねえ。快く乗せてもらえるかな」
足でぱしゃりと水を跳ね上げ、絆はこう続ける。
「僕たち今、その背中を踏ん付けて歩いてるわけでしょ?」
その言葉に一瞬頷いた後、ふと考えてみるニコニコだけれど。
「ん~? そう言われると……あ! 代わりになんかしてやったらいいんじゃない? WinWinになるようにさ」
「……まあ、あんたになら龍だって絆されそうだけど」
無邪気に提案するその姿を見れば、絆もちょっぴりだけ思ってしまう。
もしかしから七色龍も背中にくれるかも、って。
そしてそんな龍の背のような川の只中、ふと屈んで手を浸してみたのは、目に留まったから。
「……こういうの、集めたくなるんだよね」
……これは赤、こっちは青っぽい、って。
掌の上に掬い上げ招いた、心擽られる龍玉彩りに。
そんな絆の手の中を、何探してんの? ってひょこりと覗き込んで。
「よし、俺も探してやるよ。とっておきのきれーなやつ」
ニコニコも、龍玉掬いにいざ参戦。
「平べったいし、七色集めてモビールにして、商売繁盛のご利益でも願おうかな」
赤に青、あとは橙や緑や紫……なんて、龍の鱗のような七色を探してみる絆だけれど。
無数の星が輝く夜空のような川の中から、ニコニコが掬いあげて差し出したのは。
「これなんてどう? 三日月みたいな黄色い石」
三日月のようなカタチをした、黄色の龍玉。
いや、それは確かに、三日月のようでもあるし。
「そしてなんと、バナナにも見える」
「ふ、何それ。もうバナナにしか見えないじゃん」
そう言われたら、もうこれはバナナです。
そして楽し気に笑いながら、ニコニコがそれを差し出せば。
「あはは、お得だろ? ほら、絆にやるよ」
……折角だし真ん中に吊るしてあげる、って。
絆の掌の上にしゃらり、三日月のようなバナナのような、黄色の龍玉が仲間入り。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【ナハト】
夜な森わくわくしちゃう
さっき貰った金魚ちゃんでシャボン玉発射ー♪
月明かりシャボンも素敵よな
カナトちゃんのタンブラー日常活躍しそよね
わ、カナトちゃん、すんごいキレーね……っ!
こんなぴかぴかいろんな色光る蛍ちゃんたち初めて見たん、
綺麗で可愛えね♡
俺も蛍ちゃんなりたーい
短命かー……
川もキラキラしちょんの!ね、入ってもい?
龍玉ちゃんだっけ?キラキラちゃん探ししよ!
カナトちゃんこれ!今日食べたコロッケに形似てるー♡
ほんとだ、お星!
前にカナトちゃんくれたギモーヴちゃん思い出すんよ
流れ星ちゃんか浪漫だなぁ
俺もお星さがし……あ、これとかそれっぽい?
小ちゃくてぼこぼこで星いうよりコンペイトウ?かわい♡

【ナハト】
夜の森探索も楽しもう~おぉ早速、
邏傳君はお土産シャボン玉活躍させてるなァ
オレのタンブラーは持ち帰りまで出番お留守番~
月明かりシャボン玉も幻想的な
雰囲気っぽくて良いものかもー
…つられて七色蛍たちも遊びに来たかなぁ?
一緒に眺めてる分には良いけれど
ホタルって短命そうに思えるし
ドラデン君には長生きして貰いたいところ~
川遊び蛍ごっこくらいは良いんじゃないかな
オレも龍玉っての探してみようっと
食べ歩いたコロッケも美味しかったよねェ
碁石みたいに丸いのが多いみたいだけど…
ああ、此の青い星みたいなのは割と好きなカタチ
落ちてきた流れ星でも拾ったようだなぁ
オレも金平糖は好きだから
もう少し色々探して持ち帰ろ〜
足を踏み入れたのは、静寂と暗闇が広がる夜の森……のはずなのだけれど。
「夜な森わくわくしちゃう」
八卜・邏傳(ハトでなし・h00142)の声とともに、ぷわわっと舞い上がるたくさんの虹色は、そう。
「夜の森探索も楽しもう~おぉ早速、邏傳君はお土産シャボン玉活躍させてるなァ」
緇・カナト(hellhound・h02325)が言うように、まんまるふわふわシャボン玉。
……さっき貰った金魚ちゃんでシャボン玉発射ー♪ って。
福引でゲットした金魚の口から、再び邏傳がぷわぷわシャボン玉を飛ばせば。
「月明かりシャボン玉も幻想的な雰囲気っぽくて良いものかもー」
「月明かりシャボンも素敵よな」
ふたりで並んで、月明かりに煌めくシャボン玉たちを見送って。
「オレのタンブラーは持ち帰りまで出番お留守番~」
「カナトちゃんのタンブラー日常活躍しそよね」
そうお喋りしながら、夜の森を歩いていれば。
カナトはふと、眼前に瞬く光に気が付いて。
「……つられて七色蛍たちも遊びに来たかなぁ?」
「わ、カナトちゃん、すんごいキレーね……っ!」
あっという間にまた、ひとつ、ふたつ……いや、数えきれないほどに増えれば。
七色蛍が飛ぶ夜の森の風景は、まるで星空の只中のよう。
そんな沢山の光が舞う中、きょろり巡らせる瞳もキラキラ。
「こんなぴかぴかいろんな色光る蛍ちゃんたち初めて見たん、綺麗で可愛えね♡」
……俺も蛍ちゃんなりたーい、なんて邏傳は続けたものの。
「一緒に眺めてる分には良いけれど、ホタルって短命そうに思えるし。ドラデン君には長生きして貰いたいところ~」
「短命かー……」
カナトの声にそう呟きながら、じいと蛍たちを見つめてしまう。
けれど星のような光は、七色蛍だけではなくて。
「川もキラキラしちょんの! ね、入ってもい?」
「川遊び蛍ごっこくらいは良いんじゃないかな」
蛍に実際になっちゃったら短命そうかもしれないけれど、でも暫しの蛍ごっこなら大丈夫。
「龍玉ちゃんだっけ? キラキラちゃん探ししよ!」
「オレも龍玉っての探してみようっと」
ふたりでちゃぷりと川の中に入ってみれば、ひやり一瞬足に感じた冷たさに顔を見合わせてから。
探してみるのは、川底に沈んでいるキラキラの龍玉。
その大きさやかたちや色は様々だというから、お気に入りになりそうなキラキラを探すべく、掬ってみれば。
「カナトちゃんこれ! 今日食べたコロッケに形似てるー♡」
「食べ歩いたコロッケも美味しかったよねェ」
邏傳の掌にある楕円形な龍玉のカタチは、日中に食べたコロッケみたい。
そう思えば、ころんと小さめなのを並べてみたら串団子みたいで、まんまる色とりどりなのは重ねたアイスみたい、かも。
そんな楽しい商店街巡りを思い返しながらも、カナトは再び川底を掬ってみて。
掌の上に招いた様々な色や形のものの中から見つける。
「碁石みたいに丸いのが多いみたいだけど……ああ、此の青い星みたいなのは割と好きなカタチ」
「ほんとだ、お星! 前にカナトちゃんくれたギモーヴちゃん思い出すんよ」
「落ちてきた流れ星でも拾ったようだなぁ」
「流れ星ちゃんか浪漫だなぁ」
空から流れ落ちてきたような、青く輝く星の龍玉を。
そして邏傳も、きょろりと見回してみて。
「俺もお星さがし……あ、これとかそれっぽい?」
掌に乗せてころりと転がすのは、ぷっくりぽこぽこ。
「小ちゃくてぼこぼこで星いうよりコンペイトウ? かわい♡」
「オレも金平糖は好きだから、もう少し色々探して持ち帰ろ〜」
たくさんの七色蛍たちに見守られながらも、もう少しふたりで一緒に、金平糖のようなお星さま探しを。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【五十鈴・珠沙(h06436)と一緒に】
色んな匂いが雨で溶け出してるんだろうねぇ
絵の具を水に溶かした時とも違う独特の雨の匂い
おぉー、これは僕のルートだと見れない光景かも
御伽噺の中みたいだね
光で明るいとはいえ夜だから、足元には気を付けてね
うん、金魚の形にするのはグッドアイデア
うん、僕はスケッチしようかな
こっちも今日の記念ってことで
タイトルは龍の滝下りかなー、鯉じゃなくて金魚だけど
幻想的な風景を、遊ぶ少女を中心に添えながらスケッチして

【ビート先輩(h06435)と】
雨が止んだあとの森って独特の香りがするよね
葉っぱの香り、土の香り、木の香り
水の香りもすると思ったら…わあ、川だ!
ビート先輩、川の底が輝いている!蛍も飛んでるよ!
すごいねえ、暗い中にほわほわの光
幻想的でどきどきしちゃう
ビート先輩、あたし、川底の『龍玉』掬いたいな
小さいのでいいの、今日の記念に金魚の形に加工してほしくて
ビート先輩は? ふふー、美術の腕が鳴っちゃう?
スケッチするなら川遊びして待ってるよ?
ビート先輩がスケッチしている間川遊び
先輩がスケッチする姿は好き
…少し知らない人みたいな横顔
どきどきするんだ
たくさん廻った商店街も、色々な美味しい匂いがしたけれど。
「雨が止んだあとの森って独特の香りがするよね」
夜の森を歩む五十鈴・珠沙(Bell the cat・h06436)は、また全く違う香りに尻尾をゆらりら。
それは、葉っぱの香り、土の香り、木の香り――雨上がりの森だからこそ余計に感じるもの。
日中降り続いていた雨もようやく止んだけれど、雨雫でしっとりと濡れた森を浮石・尾灯(ウキヨエ・妖怪・ヒーロー・h06435)もくるりと見回して。
「色んな匂いが雨で溶け出してるんだろうねぇ」
……絵の具を水に溶かした時とも違う独特の雨の匂い、と。
尾灯もそう頷いて返せば、珠沙のお耳がぴこり。
「水の香りもすると思ったら……わあ、川だ!」
キラキラと向けた金の瞳に刹那重なるのは、虹色の煌めき。
静かな夜の森に響くせせらぎは優しく心地良く、眼前には数多の輝きが彩る景色が広がって。
珠沙は目の前を舞い飛ぶ光にじゃれるように、つい自然と手を伸ばしながらも。
「ビート先輩、川の底が輝いている! 蛍も飛んでるよ!」
「おぉー、これは僕のルートだと見れない光景かも。御伽噺の中みたいだね」
「すごいねえ、暗い中にほわほわの光」
……幻想的でどきどきしちゃう、と。
わくわくはしゃぐように、溢れる淡い輝きの只中へ。
そんな姿を微笑まし気に見つめる尾灯も、珠沙と一緒に歩み進めつつ、念のため声をかけておく。
「光で明るいとはいえ夜だから、足元には気を付けてね」
彼女と同じく心躍る自分も勿論、気をつけながら。
それから珠沙はちゃぷりと川へ足を浸して。
ひやりとした感覚に一瞬、二尾とお耳がぴこんとなるも、すぐに慣れればそれも心地良くて。
「ビート先輩、あたし、川底の『龍玉』掬いたいな」
きょろりと視線を巡らせるのは、七色に輝いている川の底。
龍の川が虹のような彩りをしているのは、ひとつずつ色が違う龍玉が沈んでいるから。
そんな龍玉は、色や形や大きさも様々で。
珠沙は早速そっと川底を掬って、探してみる。
「小さいのでいいの、今日の記念に金魚の形に加工してほしくて」
金魚にして一緒に連れて帰る、自分だけの龍玉を。
尾灯も、今日のお出かけにぴったりなその案に、こくりと頷いて返して。
「うん、金魚の形にするのはグッドアイデア」
「ビート先輩は?」
「うん、僕はスケッチしようかな。こっちも今日の記念ってことで」
尾灯も思い出を持ち帰るべく、スケッチブックをぱらりと捲れば。
「ふふー、美術の腕が鳴っちゃう? スケッチするなら川遊びして待ってるよ?」
そう光や飛沫と戯れはじめた珠沙を見守りつつ、さらりと筆を走らせてみて。
「タイトルは龍の滝下りかなー、鯉じゃなくて金魚だけど」
真白な世界にスケッチしては切り取っていく。
無邪気に遊ぶ少女を中心に添えた、目の前の幻想的な風景を。
そして珠沙も、川底の煌めきを掬って掌の上に招きながらも。
絵を描くことに集中している彼の姿を、ちらり。
(「先輩がスケッチする姿は好き」)
だって見ていたら、どきどきしちゃうから……今みたいな、少し知らない人みたいなその横顔に。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

🌟ラライサ
ぎゅっとイサの手を握って森を往く
大丈夫
お前が一緒だから
ララは紫陽花にのった雨雫がとっても美味しそうにみえるの
む…飲まないわ
ララはそんなに食いしん坊じゃないわ
ここが龍の川なのね
神秘的…
キョロキョロ見渡し龍玉を探すわ
……ララは龍には嫌われているから
見つかるか分からないけれど
…そうね
迦楼羅は龍を食べるわ
…家族以外の龍はララをよく思っていなかった
別に気にしてないけれど
少しだけ俯く
──え?
ララに?
イサがくれた桜の龍玉
ふふ
貰ってあげるわ
大切に抱く…お前がみつけたララだけの龍玉
え?蛍?どこ?
見えないわ、と見渡せば
カラカラ笑うお前の笑顔が目に入って
…そうね、蛍がいたわね
きらきら煌めく笑顔を浮かべて

🫧ラライサ
そうだな…ほら、ララ
転ばないようにしろよ
うろちょろ聖女サマの手を握って夜の森を先陣きるように歩く
夜の紫陽花も幻想的で綺麗だな
…飲むなよ
気持ちはわかるけど
いや〜
それはどうかな?
着いた、ここが『七色龍の眠る川』か
キラキラして、夜の虹みたいにみえる
綺麗だな
ララ、龍玉を探してみよう
…迦楼羅は龍を食べるんだっけ?相性悪いのかな
少しだけ陰った声が気になる
俺の知らないララの過去が
でも今は
ほら、と桜色の鱗の様な龍玉をララに渡そう
お守り
他の誰がなんと言っても
俺はララの味方だ
あ!流れ星──じゃなくて、蛍か
ララの頭にとまってる
その様子が実に可愛らしくて
笑っちゃうな
…ほんと
聖女サマは…俺を笑顔にしてくれる
雨が止んだ静かな夜の森は、時折木々の隙間から淡い月光が降り注ぐも。
鬱蒼としていて、気が付けばひとりになっちゃいそうだけれど。
詠櫻・イサ(深淵GrandGuignol・h00730)は、彼女がうろちょろ聖女サマだってことをよく知っているから。
「そうだな……ほら、ララ。転ばないようにしろよ」
隣にいるうちに、そっと捕まえておくことにする。
そんな差し出された手をぎゅっと握って、ララ・キルシュネーテ(白虹迦楼羅・h00189)はこくりと頷いて返してみせて。
「大丈夫。お前が一緒だから」
先陣をきるように歩くイサと一緒に、夜の森を往く。
こうやって手と手を繋いでいれば、迷子になることだってないし。
「夜の紫陽花も幻想的で綺麗だな」
視線を巡らせれば、イサが見つけたのは、艶やかに咲き誇る梅雨の花。
そんな森に咲く自然の中の紫陽花を、ララはじいと見つめて。
「ララは紫陽花にのった雨雫がとっても美味しそうにみえるの」
「……飲むなよ。気持ちはわかるけど」
向けられた声にちょっぴり、むぅ。
「む……飲まないわ。ララはそんなに食いしん坊じゃないわ」
けれどそんな言葉に、イサは思わず大きく首を傾けてしまう。
「いや〜、それはどうかな?」
日頃の腹ペコ聖女サマの食べっぷりを思えば。
そして夜の森をお喋りしながら歩いていれば、ふいに聞こえてくるのは水のせせらぐ音。
その音色に誘われ歩み進めれば、視界がひらけて。
「着いた、ここが『七色龍の眠る川』か」
「ここが龍の川なのね。神秘的……」
辿り着いたのは、七色に輝く龍の如き川。
「キラキラして、夜の虹みたいにみえる。綺麗だな」
そうイサは視線を巡らせながらも、こう続ける。
「ララ、龍玉を探してみよう」
この川が七色に輝いているように見えるのは、川底に龍玉という彩とりどりの石が沈んでいるからだという。
そして見つけた龍玉は、いくつでも掬っていいようだから。
ララもイサと一緒にキョロキョロ見渡しつつ、龍玉を探してみようと思うのだけれど。
此処は『七色龍の眠る川』、龍玉はそんな龍の鱗のようだと聞いているから。
ぽつりと、零れ落ちる言の葉。
「……ララは龍には嫌われているから、見つかるか分からないけれど」
そんな声が届けば、イサは聖女サマへと目を向けて。
「……迦楼羅は龍を食べるんだっけ?」
相性悪いのかな、と小さく首を傾けるのだけれど。
「……そうね、迦楼羅は龍を食べるわ」
……家族以外の龍はララをよく思っていなかった、と。
「別に気にしてないけれど」
その言葉とは裏腹に、少しだけ陰った声がイサは気になってしまう。
……俺の知らないララの過去が、と。
けれど、少なくともきっと、この川に眠る龍はララのことを嫌ってなんかいないって、イサは思う。
過去に色々あったのかもしれない。でも今は――。
ほら、とララへと刹那イサが手渡すのは、桜色の鱗の様な龍玉。
赤き花一華と桜色の彩りが重なれば、少しだけ俯いてしまっていた顔も上がって。
「──え? ララに?」
「お守り。他の誰がなんと言っても、俺はララの味方だ」
そっとララは受け取る。イサが掬い上げてくれたお守りと紡いでくれる言の葉を。
それから、大切にぎゅっと抱く。
「ふふ、貰ってあげるわ」
……お前がみつけたララだけの龍玉、って。
いや、イサが見つけたのは、桜の龍玉だけではなくて。
「あ! 流れ星──じゃなくて、蛍か」
「え? 蛍? どこ?」
イサの声にララもきょろりと見渡してみるけれど……見えないわ、と首を小さく傾ける。
でも、それもそのはず。
「ララの頭にとまってる」
夢宵桜あそぶ白虹の髪に、とまっているのだから。
そしてイサは思わず笑っちゃう。
……ほんと、聖女サマは……俺を笑顔にしてくれる、って。
その様子が実に可愛らしくて。
それからララも、イサには見えない輝きを見つける。
「……そうね、蛍がいたわね」
カラカラ笑う彼の笑顔が目に入って。
ふわり七色蛍が舞う中――ふたりで楽し気に顔を見合わせて、きらきら煌めく笑顔を浮かべながら。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

「あめあがっちゃったかー」
残念そうですが、森の中が綺麗だったので「ま、いっか!」と切り替えて歩き出します。大神や眷属たちも一緒です。
川沿いを時々川に入って遊んだりしながら進んでいくと、足元になんだかキラキラする綺麗な石を見付けました。龍玉というものらしいです。
「はー……きれーなー……ほうせきのよう……」
女の子らしく綺麗なものは好きなようで、うっとりと拾った石を眺めていましたが。
足元にたくさん転がっているのを見つけると、目がお金になりました。
「おおがねもちだー!」
「みんなひろって!」
ほうせきだからたかい、という理屈のようです。
大神は価値を知っていますが、かろんが楽しそうなので黙っていました。
ぱしゃぱしゃちゃぷり、雨降りの時間はもう終わり。
夜になれば、日中降り続いていた雨もようやく止んだのだけれど。
「あめあがっちゃったかー」
そう残念そうに空を見上げるのは、獅猩鴉馬・かろん(大神憑き・h02154)。
でも雨の時間は楽しかったし、それに足を踏み入れた森の中も雨にまだ濡れていて綺麗だったから。
「ま、いっか!」
すぐに切り替えれば、ぱしゃりと雨上がりの夜をかろんは歩き出す。
勿論、大神や眷属たちも一緒に。
そして川を見つければ、ぱしゃりと時折足を浸したりして水遊び。
そんなさらりと流れる浅い川の中をぱしゃぱしゃ進んでいれば、ふと足を止めるかろん。
それからひょこっと屈んで川底を掬ってみるのは、川底に見つけたから。
何だか足元でキラキラしている綺麗な石を。
それは、話に聞いていた、龍玉というものらしくて。
「はー……きれーなー……ほうせきのよう……」
手のひらの上でころりと転がしてみながら、うっとり。
女の子らしく綺麗なものは好きだから、拾ったキラキラの石を暫し眺めていたかろんなのだけれど。
よく見れば、七色に輝く川底には、様々な色や形の龍玉があることに気づいて。
足元にたくさん転がっている石を見つけて掬いあげれば、キャッキャはしゃいじゃう。
「おおがねもちだー!」
目がすっかりお金になっちゃいながら。
そして今度は両手で山盛り掬ってみようとしながらも。
「みんなひろって!」
大神や眷属たちも一緒に拾えば、もっともっと大金持ちに違いないと、そう張り切って皆にも声をかける。
わくわくしているそんなかろんの頭の中ではどうやら、ほうせきだからたかい、という理屈みたい。
いや、実際は、誰でもいくらでも持って帰ってもいい程度にはいっぱいあるもので。
その価値を知っている大神なのだけれど――でも、敢えて黙って見守っているのは。
瞳をキラキラと輝かせて龍玉を拾うかろんが、とても楽しそうだから。
🔵🔵🔵 大成功

【紫の絆】で参加
七色蛍は妖怪なんだね。こういう子達なら安心かも。清涼感ある川に舞って七色に輝かせる。風流だなあ。え?菫さんと昴さんの生まれ故郷はこういう霊的存在がいっぱいいたんだ?追いかける二人想像すると面白くなっちゃう。
紫陽花も綺麗でいいなあ。焼き鳥とメロンパンで腹ごしらえした後、彩綾誘って龍玉探しに行こう!!狙うのは星型4つ!!私と彩綾と菫さんと昴さんの分!!加工しないで家に飾ってお守りにするんだ!!
はしゃいで走り回ったら川で転びかけて支えてくれたのは昴さん。ご、ごめん。いつも助けられてるなあ。後ろで4つの星持ってにやにやしている彩綾と菫さんの視線が痛い・・・

【紫の絆】で参加
雨上がり、月が照らす森。沢山能力者来てるのに油断しきってるなあ。でもゆっくり森を歩けるのはありがたいかも。メロンパンと焼き鳥を夜ご飯にもぐもぐ。
七色蛍が舞い、七色に輝く川。風流だなあ。紫陽花も綺麗。あ、お姉ちゃん、引っ張らないで〜!!龍玉は欲しいけれど。あ、お姉ちゃん早すぎる。悪い予感がする。あ、昴さんが追いかけて行った。安心だ。菫さんとゆっくり星型龍玉ゲット。すぐフォローに回ってくれるんだよね。菫さんと昴さん。
あ、お姉ちゃん、昴さんの小脇に抱えられちゃってる。こういうことお姉ちゃんにできるのは昴さんだけだよね。いい雰囲気だよね。菫さんもそう思う?(にやにや)

【紫の絆】で参加
龍玉が七色の川底で輝き、妖怪である七色蛍が雨上がりに舞う。こういう神秘的スポットは私と昴の生まれ故郷に点在していた。私のこういう「視える」話を信じてくれるのは9歳下の昴だけだった。色々連れ回した結果が今なんだねえ。
メロンパンと焼き鳥を食べ終えて龍玉探しに行く綾音と彩綾を見送るが、昴が突然走り出した。彩綾が綾音に追いつけてない、よくわかるね。まったりと彩綾と星型龍玉ゲットしながら綾音を救出終えた昴を見て微笑む。まあ、軽々と小脇に抱えちゃって。
まあ、綾音の身体能力についてこれるのは昴だけの都合もあるが。二人の相性はとってもいいねえ。微笑ましくて笑ってしまうよ。

【紫の絆】で参加
完全に油断しきってるようだな。件の古妖は。こんなに多くの能力者が来てるのにな。でも月に照らされる雨上がりの森、紫陽花が咲き誇るのを見てるとその油断に感謝したいかもな。
龍玉で七色に輝き、妖怪の七色蛍が舞う。生まれ故郷の神秘スポットの「視える」のは姉さんと俺だけだったしな。一緒に巡ったのはいい思い出だ。
龍玉を掬いにいった綾音の速度とはしゃぎぶりに危機感を感じる。これはすべって川にドボンのパターンだ。追いかけて綾音の腕を掴んで確保。これ以上はしゃがれたら悲劇が起きるので綾音を小脇に抱えて安全な場所に連れてく。
あ、彩綾と姉さんは龍玉確保済みだ。流石。何笑ってんだ。全く。
沢山の人が訪れる祭りで賑やかな雨屋通り商店街を後にすれば。
その足は帰路にはいまだつかずに、向かうのは夜の森。
いや、今からがこの地を訪れた目的といってもいいだろうが。
桐生・彩綾(青碧の薫風・h01453)は、柔く光を降らせる月が照らす雨上がりの森をゆきながらも、思わずこう呟きを落とせば。
「沢山能力者来てるのに油断しきってるなあ」
「完全に油断しきってるようだな。件の古妖は。こんなに多くの能力者が来てるのにな」
海棠・昴(紫の明星・h06510)も彩綾の言葉に同意するように、少し呆れたように頷く。
そう、今回の任務は、この森の奥に潜む古妖を退治すること。
けれどまさか自分を滅するべく√能力者が迫っているなど、件の古妖は思ってもいないだろう。
とはいえ、幻想的な夜の森の景色を見れば、こうも昴は思うし。
「でも月に照らされる雨上がりの森、紫陽花が咲き誇るのを見てるとその油断に感謝したいかもな」
「でもゆっくり森を歩けるのはありがたいかも」
彩綾も、メロンパンと焼き鳥を夜ご飯にもぐもぐ、森歩きを暫し楽しめる時間を有難くも思う。
そして、ふわりと桐生・綾音(真紅の疾風・h01388)の目の前を横切ったのは、七色に輝く光。
それは蛍、ではあるのだけれど。
「七色蛍は妖怪なんだね。こういう子達なら安心かも」
蛍は蛍でも、七色蛍という妖怪とのこと。
それからひとつだった光が、ふたつみっつ、いや数えきれないほどにまで増えれば。
耳に聞こえるのは、静かな森に響く川のせせらぎ。
「清涼感ある川に舞って七色に輝かせる。風流だなあ」
綾音がそう思わず感嘆を漏らし眺めるのは、七色蛍が舞い飛ぶ、虹色の川。
この「龍の川」が虹色に見えるのは、川底に沈む龍玉という石の彩りが様々であるからだという。
藤原・菫(気高き紫の花・h05002)も、そんな龍玉が七色の川底で輝き、妖怪である七色蛍が雨上がりに舞う風景を眺めながら。
ふと、昔のことを思い返し紡ぐ。
「こういう神秘的スポットは私と昴の生まれ故郷に点在していた。私のこういう「視える」話を信じてくれるのは9歳下の昴だけだった」
……色々連れ回した結果が今なんだねえ、なんて。
そんな菫の声を聞けば、昴も龍玉で七色に輝く川や、妖怪の七色蛍の輝きを、向けた瞳に宿しながらも続ける。
「生まれ故郷の神秘スポットの「視える」のは姉さんと俺だけだったしな一緒に巡ったのはいい思い出だ」
「え? 菫さんと昴さんの生まれ故郷はこういう霊的存在がいっぱいいたんだ?」
綾音はふたりの思い出話を聞いて、そうぱちりと瞳を瞬かせるも。
すぐに瞳を細め、笑みを宿す……追いかける二人想像すると面白くなっちゃう、なんて。
それから、焼き鳥とメロンパンで腹ごしらえした後。
「七色蛍が舞い、七色に輝く川。風流だなあ。紫陽花も綺麗」
「紫陽花も綺麗でいいなあ」
彩綾の言葉に、うんうんと綾音も頷いてから。
逸るように妹を誘って、ぐいぐい。
「龍玉探しに行こう!!」
「あ、お姉ちゃん、引っ張らないで〜!! 龍玉は欲しいけれど」
「狙うのは星型4つ!! 私と彩綾と菫さんと昴さんの分!! 加工しないで家に飾ってお守りにするんだ!!」
そう言うが早いか、張り切って駆けていく姉の姿に、彩綾はこう思わずにはいられない。
「あ、お姉ちゃん早すぎる」
……悪い予感がする、なんて。
そしてそんな予感がしているのは、彩綾だけではなくて。
――これはすべって川にドボンのパターンだ。
龍玉を掬いにいった綾音の速度とはしゃぎぶりに、そう危機感を感じれば、昴もすかさず駆けだして。
突然走り出した昴に、メロンパンと焼き鳥を食べ終えた菫も気が付く。
(「彩綾が綾音に追いつけてない、よくわかるね」)
そして彩綾も、姉の後を追う彼の姿を見れば、安心して。
(「すぐフォローに回ってくれるんだよね。菫さんと昴さん」)
まったりと一緒に龍玉を探すべく自分と並んでくれる菫に瞳を細めれば。
姉のことは昴に任せて、ゆっくりとふたりで、星型の龍玉探しを。
そして、川の中をぱしゃりとはしゃいで走り回っていた綾音は案の定、足を滑らせて、すてんっと――転びそうになった、瞬間。
昴のがっしりとした逞しい腕が、綾音を間一髪で掴んで確保!
そんな咄嗟に支えてくれた昴を見上げ、綾音は申し訳なく思いつつも。
「ご、ごめん。いつも助けられてるなあ」
これ以上はしゃがれたら悲劇が起きると、ひょいと昴に小脇に抱えられれれば、安全な場所へ連れて行かれる。
そんな様子を、まったりと龍玉を拾いながらも眺めていたふたりは、思わず顔を見合わせて。
「あ、お姉ちゃん、昴さんの小脇に抱えられちゃってる」
「まあ、軽々と小脇に抱えちゃって」
「あ、彩綾と姉さんは龍玉確保済みだ。流石」
そうやって来た昴と、彼に抱えられている綾音へと、微笑まし気に続ける。
「こういうことお姉ちゃんにできるのは昴さんだけだよね」
「まあ、綾音の身体能力についてこれるのは昴だけの都合もあるが。二人の相性はとってもいいねえ」
「いい雰囲気だよね。菫さんもそう思う?」
「微笑ましくて笑ってしまうよ」
そしてふたりに、にやにやと微笑みを向けられれば、昴は思わずちょっぴり苦笑して返して。
「何笑ってんだ。全く」
綾音もしっかりと抱えられたまま、七色の森の只中で思うのだった。
後ろで4つの星持ってにやにやしている彩綾と菫さんの視線が痛い……なんて。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【分福】
夜なのに明るくて不思議な気分だ。
二人と出会わなければ、訪れる事もなく知らずにいた景色。
宙を舞う光に伸ばしかけた手を降ろし、乙姫とガザミに視線を向けてゴクリと息をのむ。
『願えば何でも叶う石』とは、本当か?
あんな願いも、こんな願いも、叶ってしまうのか!?
くうっ、落ち着け。甘言に自分を見失いかけた。
三人で、か。妾も一緒にいていいと言われたようで、鼻血が出そうなくらい嬉しい。
頭を撫でられると、どこか懐かしくて浮かんだ涙を水しぶきで隠す。
七色の雫石。ピンクのイルカ石。
ありがとう。大切にする。
手放したくないけど、いつか、手放さなければならないものたち。
離れても、胸にキラキラと残せるよう大切にする。

【分福】
虹色の蛍がおるのかえ。
珍しいのぅ。美しいのぅ。
妾のお山にも来てくれんかのぅ。
ガザミ、どうにかならぬか?
なるほどなるほど、龍石に願えば叶うのじゃな。
善は急げじゃ。ぱぱっと準備して川に入って龍石探しじゃ。
ガザミは探さぬのか。相変わらず欲が薄いのぅ。
更紗よ、『願えば何でも叶う』らしいぞ?
そうじゃ、『願えば何でも叶う』のじゃ。
ふふ、更紗はわかりやすいのぅ。
愛い愛い。ついつい、我が子のように更紗の頭を撫でてしまうのじゃ。
七色を閉じ込めた雫石。
更紗の掌に乗せて両手で包み込む。
更紗はこれから、沢山の願い事をするから一つでは足りぬであろう。
手足が冷えたのぅ。ガザミの用意した茶で温めるのじゃ。

【分福】
虹色の蛍。初めて見ました、きれいですね。
七色龍の眠る川の龍石には願いを叶える力があるそうですよ。
って、もう、川に入ってるし。乙姫の行動力は誰にも止められませんねぇ。
僕の欲は、来年も、ここに三人で蛍を見に来たいです。
お茶を用意するので。水遊びはお二人で。
見習いとはいえ戦闘執事。執事のお仕事しませんと。
きれいに咲く紫陽花の傍でお茶の準備。
獅子乙女さんに、温かいほうじ茶と手ぬぐいの用意をお願い。
お茶菓子は、金魚の姿をした梅羊羹です。
お茶と羊羹のおいしさにほっこり癒されますね。
更紗さんにイルカに見えるピンク色の龍石を渡します。
到着した時に拾いました。
幸運を掴まえてきてくれそうに見えません?
雨恋祭りで無事に大当たりを引き当てた楽翁・乙姫(楽翁山の外法様・h04620)は、今度はふたりと一緒に。
商店街の次に足を運んだのは、雨上がりの夜の森。
夜の森といえば鬱蒼として暗くて、周囲の様子もあまり見えないもの……の、はずなのだけれど。
乙姫は、ふわり舞い始めた光たちに、ほわほわと微笑んで。
「虹色の蛍がおるのかえ。珍しいのぅ。美しいのぅ」
「虹色の蛍。初めて見ました、きれいですね」
そう頷くガザミ・ロクモン(葬河の渡し・h02950)へと、こう訊ねてみる。
「妾のお山にも来てくれんかのぅ。ガザミ、どうにかならぬか?」
そんな乙姫の言葉に、ガザミが告げるのは、来る前に聞いた話。
「七色龍の眠る川の龍石には願いを叶える力があるそうですよ」
七色蛍が舞う中、さらさらと流れるのは「龍の川」。
そしてこの七色龍が眠るという謂れがある川の色は、淡い虹色。
川底に沈む龍玉といわれる石が、様々な色を帯びて輝いているからで。
ガザミの言うように、この龍玉を持つ者の願いが叶う、なんていう逸話もあるというから。
「なるほどなるほど、龍石に願えば叶うのじゃな」
乙姫はそう聞けば……善は急げじゃ、と。
ぱぱっと準備してちゃぷり、早速川に入れば、噂の龍石を探してみる。
そして、そんな姿にガザミは目を向けながらも。
「って、もう、川に入ってるし」
改めて思うのだった――乙姫の行動力は誰にも止められませんねぇ、なんて。
そんなふたりと共に夜の森をゆく神楽・更紗(深淵の獄・h04673)は、銀の九尾をゆうらり。
「夜なのに明るくて不思議な気分だ」
七色蛍や龍の川に照らされた夜の森を、そう紡ぎ眺める。
……二人と出会わなければ、訪れる事もなく知らずにいた景色、と。
そして目に飛び込んできた輝きに気づき、宙を舞う光に伸ばし……かけたのだけれど。
その手を降ろしたのは、乙姫のこんな言葉を改めて聞いたから。
「更紗よ、『願えば何でも叶う』らしいぞ?」
先程ガザミも言っていたこと――七色龍の眠る川の龍石には願いを叶える力がある、と。
だから更紗は、乙姫とガザミに交互に視線を向ければ、ゴクリと息をのむ。
「『願えば何でも叶う石』とは、本当か?」
「そうじゃ、『願えば何でも叶う』のじゃ」
「あんな願いも、こんな願いも、叶ってしまうのか!?」
こくりと頷く乙姫に思わず更紗は声を上げ、お耳もぴこんと反応してしまうけれど。
ハッとすれば、己に言い聞かせる。
(「くうっ、落ち着け」)
……甘言に自分を見失いかけた、と。
「ふふ、更紗はわかりやすいのぅ」
乙姫はそんな更紗の様子ににこにこ、微笑まし気に笑んだ後。
今度は、お茶の用意をし始めたガザミへと視線を移せば、こてり。
「ガザミは探さぬのか。相変わらず欲が薄いのぅ」
「僕の欲は、来年も、ここに三人で蛍を見に来たいです」
首を傾ける乙姫にそう返せば……水遊びはお二人で、と。
(「見習いとはいえ戦闘執事。執事のお仕事しませんと」)
遊んだ後のふたりをもてなす為の準備を。
そしてそんなガザミの声を聞けば、更紗は思わず声を落とす。
「……三人で、か」
そう改めて紡げば、心にも七色の彩りが灯ったような気持ちになって。
ほわりとあたたかさが込み上げてくる――妾も一緒にいていいと言われたようで、鼻血が出そうなくらい嬉しい、って。
それから乙姫は、やはりわかりやすい更紗へとついつい手を伸ばして。
愛い愛い、と我が子のようにの頭を撫で撫でしてしまうし。
頭を撫でられれば……どこか懐かしくて。
ぱしゃりと水しぶきで更紗は隠す。込み上げてきた熱に、じわりと浮かんだ涙を。
そしてふたりが川で龍玉を探している間に、ガザミは綺麗に咲く紫陽花の傍でお茶の準備を進めて。
獅子乙女さんには、温かいほうじ茶と手ぬぐいの用意のお願いを。
そんなお茶に添える菓子は、金魚の姿をした梅羊羹。
それからガザミは、暫くして戻って来た更紗へと手渡す。
「到着した時に拾いました。幸運を掴まえてきてくれそうに見えません?」
イルカに見えるピンク色の龍石を。
そしてガザミだけでなく乙姫も、更紗の掌に乗せて両手で包み込む。
「更紗はこれから、沢山の願い事をするから一つでは足りぬであろう」
イルカの龍玉ところり並べた、七色を閉じ込めた雫石を。
そんなふたりから貰った七色の雫石とピンクのイルカ石を、更紗は見つめながら、改めて礼を告げて。
「ありがとう。大切にする」
「手足が冷えたのぅ。ガザミの用意した茶で温めるのじゃ」
「お茶と羊羹のおいしさにほっこり癒されますね」
ガザミが用意してくれたお茶や菓子を皆でいただきつつ、一服することに。
そして更紗はもう一度、そっと掌の中へと視線を落として。
(「手放したくないけど、いつか、手放さなければならないものたち」)
いずれその時がくると、そうわかっていても――でも今だけは、ぎゅっとしっかり、特別な煌めきたちを抱きしめる。
……離れても、胸にキラキラと残せるよう大切にする、と。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【光と翼】
わぁ……!
幻想的に広がる景色に目を輝かせ
ルカさん、見てみてっ
とっても綺麗……!
ええ、このお花は紫陽花よ!
月光に照らされた光る雨粒も
川のせせらぎも美しいわね
……ねえ、よかったら川の中を歩かない?
この季節なら気持ちがいいと思うの
冷たくてちょっとびっくりするかもしれないけれど!
ええ、とっても涼しいわ!
友達と一緒に水の中ではしゃいで、
|家に匿われていた《籠の鳥》時代からすると夢のような幸せ
川底にある『龍玉』を見つけたら
思わずルカさんにあげたくなって
足元に光る花弁のような『龍玉』を掬い取り
幸せの祈りを込めて差し出すわ
まあ、わたしにもくださるの!?
差し出された『龍玉』に「宝物にするわ」と微笑んだ

【光と翼】
アドリブ歓迎
…雨、止んだ。…水の音、聞こえる
(こんなに長く機関の外に出たの、初めてかも知れないな。聞こえてくる音も、柔らかいものばっかりだった)
…ん、…綺麗
(ライラの「綺麗」という言葉に頷く)
これ、紫陽花?…図鑑でしか、見たこと、なかった
(想像してたよりも花の集まりの部分が大きいんだな…)
……っ?
(これが龍玉なのかな。1つずつ色が違うんだ…)
…龍玉、俺に、くれる?
…なら、俺も、ライラに、あげる
…ん、歩いて、みる
ライラの提案に頷き、一緒に川の中を歩いてみる
…涼しい。ライラも、涼しい?
…グルルル
(今、心臓の辺りが暖かくなった気がする…研究室で隔離されてた時とは大違いだな)
日が落ちて夜を迎えれば、祭りで賑やかな商店街を後にして歩きながら。
……こんなに長く機関の外に出たの、初めてかも知れないな、なんて。
そう思いながらも、コウガミ・ルカ(解剖機関の飼い犬・h03932)は耳に響く音を再び拾い上げる。
「……雨、止んだ。……水の音、聞こえる」
聞こえてきたのは、ぽつぽつしとしと、日中降っていた雨のものとはまた違った水の音。
それは、足を踏み入れた森を流れる川のせせらぎで。
でも先程まで降っていた雨の音も、今心地良く響く川のせせらぎも、柔らかいものばっかりだと、そうルカは思うし。
わぁ……! と長い睫毛を瞬かせ、キラキラと巡らせる空色を煌めかせるライラ・カメリア(白椿・h06574)の声に、こくりと頷いて返す。
「ルカさん、見てみてっ。とっても綺麗……!」
「……ん、……綺麗」
ライラの告げた「綺麗」という言葉が、眼前の風景にぴったりだと思うから。
雨上がりでしっとりと濡れた森、そして眼前に割いている梅雨の季節を彩る花。
ルカはそのまんまるな花を見つめて、ライラに訊いてみる。
「……これ、紫陽花?」
「ええ、このお花は紫陽花よ!」
そう教えて貰えば、改めて咲く花をじいと見つめて。
「……図鑑でしか、見たこと、なかった」
小さな星のような花が集まったような手毬花に思う。
(「想像してたよりも花の集まりの部分が大きいんだな……」)
そんな紫陽花をよりいっそう艶やかに魅せるのは、月の光に輝く雫たち。
「月光に照らされた光る雨粒も、川のせせらぎも美しいわね」
ライラはその美しい彩りに微笑みを湛え、そして聞こえる優しい水の音に誘われるように歩みを進めれば。
きょろりと興味深々周囲を見回している彼に、こんなお誘いを。
「……ねえ、よかったら川の中を歩かない?」
わくわくと逸る気持ちのまま、そう彼を手招いて。
「この季節なら気持ちがいいと思うの。冷たくてちょっとびっくりするかもしれないけれど!」
「……ん、歩いて、みる」
彼女の提案に頷き、ちゃぷりと。
せーので一緒に足を浸してみれば、思わずふたり顔を見合わせる。
「……涼しい。ライラも、涼しい?」
「ええ、とっても涼しいわ!」
一瞬ひやりとした冷たさと、足を優しく擽られるような心地良い川の流れを感じて。
そしてすぐにその冷たさに慣れれば、ぱしゃぱしゃと、ライラははしゃいじゃう。
(「|家に匿われていた《籠の鳥》時代からすると夢のような幸せ」)
友達と一緒に、こうやって自由に水の中で遊べる今に。
そんなふたりが足を浸している川は、虹の色を讃えていて。
「……っ?」
ルカは浅い川底で、龍の川を彩る石たちを見つめる。
(「これが龍玉なのかな。1つずつ色が違うんだ……」)
それは、話に聞いていた龍玉。
この川が虹のような彩りなのは、底に沈んでいる龍玉が様々な色をしているからで。
ライラも川底にある煌めきを見つければ、手を差し入れてひと掬い。
掌にそっと招いたのは、足元に光っていた花弁のような龍玉。
だって、思わず彼にあげたくなったから。
幸せの祈りを込めて、ライラはルカへと差し出す。
持ち主の願いが叶うといわれている、龍の加護がありそうな、煌めきのひとひらを。
「……龍玉、俺に、くれる?」
ルカはそんな花弁のような龍玉を受け取ってから。
「……なら、俺も、ライラに、あげる」
お返しに、自分の掬ったものを彼女へ。
そして、ぱっと花のように表情を綻ばせて。
「まあ、わたしにもくださるの!?」
ルカから差し出された『龍玉』を受け取って交換こすれば、ライラは微笑んで返す。
「宝物にするわ」
そんな向けられた彼女の言葉と笑顔に……グルルル、とルカは喉を鳴らす。
ライラが|家に匿われていた《籠の鳥》時代から解き放たれ今、自由に羽搏いていると感じるように。
似たような感覚をおぼえたから……研究室で隔離されてた時とは大違いだな、って。
そして七色蛍が舞う中、虹色の龍の川を共に楽しく進みながらも。
貰った龍玉を握った手を、ルカは自然と胸の位置へと添えながらも思うのだった――今、心臓の辺りが暖かくなった気がする、なんて。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

セレネ(h03434)と
夜の森でも導の灯りのようなの
咲く二藍の紫陽花に見惚れちゃう
川の方には蛍もいるんだもんね、行こう……!
川沿いを照らす小さな虹蛍と
傍らに綺麗な天使の貴女
ふふ、幻想的ね。一緒にお散歩、なのよ
じゃあ、ついでに涼んじゃう?
浅瀬に足を浸しながら掌を差し出して
とっておきの龍玉のお守り探し
セレネの見つけた鱗の龍玉綺麗ね
龍鱗は魔除けと終わりなき幸せの意味もあるみたい
私も探さなきゃ…!
揺らめく水面に輝く白に薄紅の鱗を掬って
セレネの鱗と合わせ
はーと型にも見えて可愛いのよ
龍玉に願いを叶えてもらえるなら
セレネはどうする?
!嬉しい…っ!勿論呼んで欲しいの
私の願いはね、セレネとずっと友達でいたいな

鴛海さん/h00299と
とても綺麗な夜の森
紫陽花もとても綺麗でずっと見ていたいですが
川の方にも行ってみませんか?
虹色に輝く蛍たちと川底の煌めきに瞳を瞬かせ
これが、龍玉…
川底に輝く煌めきを見つめ
お守りにもなるらしいので
よかったら一緒にお気に入りを探しませんか
はい、ぜひ…!
手を重ねてそっと水流に足を浸し
わ、これ鱗みたいです
なんだか龍の鱗が流れ着いたみたいで素敵ですね
魔除けと終わりなき幸せ…
なんだかとてもすごいお守りになりそうです
…!ハート型、確かに…!
二つでもっと素敵なお守りですね
願いですか…えっと
願いらしいものは思い浮かばないのですが
鴛海さんにお願いというか
その、ラズリって呼んでも、いいですか?
賑やかな雨恋祭りが終わるころ、ずっと降っていた雨も上がって。
次に訪れた森を彩るのは、小さな星々を集めたような梅雨に咲くまんまるな花たち。
そんな花たちが纏う雨粒が、柔く降る月光に煌めいて。
鴛海・ラズリ(✤lapis lazuli✤・h00299)は思わず見惚れちゃう。
「夜の森でも導の灯りのようなの」
キラキラと艶やかな輝きを放つニ藍の紫陽花が、まるで道案内してくれるようで。
そんなラズリ共に、雨上がりの森を歩きながらも……とても綺麗な夜の森、と。
セレネ・デルフィ(泡沫の空・h03434)もきょろりと視線を巡らせながら、ふと微か耳に聞こえる音に気が付いて。
「紫陽花もとても綺麗でずっと見ていたいですが、川の方にも行ってみませんか?」
「川の方には蛍もいるんだもんね、行こう……!」
紫陽花の煌めきと、そして近くに聞こえる川のせせらぎに誘われるように、ふたり並んで歩き出せば。
ふわり、目の前を横切った七色を見つけて、ラズリは微笑む。
「ふふ、幻想的ね。一緒にお散歩、なのよ」
川沿いを照らす小さな虹蛍と、そして、傍らに綺麗な天使の貴女と――って。
それからセレネは、ラズリと一緒に夜の森のお散歩をしながらも。
刹那、ぱちりと瞳を瞬かせる。
木々に覆われていた視界が開ければ、そこは七色の風景。
虹色に輝く蛍たちと、龍の川と呼ばれるその川底に沈む煌めきたちに。
そして、目の前を流れる龍の川が七色に彩られているのは。
「これが、龍玉……」
セレネが見つめる、川底に輝く煌めき……龍玉が、様々な色をしているから。
それにこの龍玉にまつわる、聞いた話を思い出しながらも。
「お守りにもなるらしいので、よかったら一緒にお気に入りを探しませんか」
セレネが告げたお誘いに、ラズリは頷いて笑んで、早速ちゃぷり。
「じゃあ、ついでに涼んじゃう?」
浅瀬に足を浸しながら、傍らの天使へと掌を差し出して。
星を湛える魔女の掌に、セレネも己の手を重ねて委ねる。
「はい、ぜひ……!」
そしてそっと足を浸してみれば、ひやっと感じる冷たさに一瞬だけ瞳を瞬かせるも。
ふたり顔を見合わせて笑い合った後、いざ始めるのは、とっておきの龍玉のお守り探し!
それから、煌めく川底をひと掬いしてみれば。
「わ、これ鱗みたいです」
セレネの掌に淡く煌めくのは、鱗のような龍玉。
「なんだか龍の鱗が流れ着いたみたいで素敵ですね」
「セレネの見つけた鱗の龍玉綺麗ね」
そしてラズリは、こう続ける。
「龍鱗は魔除けと終わりなき幸せの意味もあるみたい」
そう聞けば、セレネはまじまじと改めて、己の掌の中を見つめて。
「魔除けと終わりなき幸せ……なんだかとてもすごいお守りになりそうです」
ほわりと紡がれる声を聞きながら、ラズリもきょろりと七色を映す薄氷の双眸を巡らせて。
「私も探さなきゃ……!」
揺らめく水面に手を浸して、ひと掬い。
輝く白に薄紅の鱗を手招いて、セレネの鱗と、ぴとりと合わせてみれば。
「はーと型にも見えて可愛いのよ」
「……! ハート型、確かに……! 二つでもっと素敵なお守りですね」
神聖な鱗もふたつ合わされば、可愛いハートのお守りに。
そしてほわほわとハートを作る龍玉を見つめるセレネに、ラズリはこう訊ねてみる。
「龍玉に願いを叶えてもらえるなら、セレネはどうする?」
そう聞かれれば、セレネは小さくこてりと首を傾けてから。
「願いですか……えっと、願いらしいものは思い浮かばないのですが」
ふと改めてラズリを見つめれば、こう告げるのだった。
「鴛海さんにお願いというか……その、ラズリって呼んでも、いいですか?」
「! 嬉しい……っ! 勿論呼んで欲しいの」
そしてラズリがぱっと笑顔を咲かせて頷けば、あっという間に叶っちゃうセレネの願い事。
だから今度は、ラズリがお願い事を紡ぐ番。
「私の願いはね、セレネとずっと友達でいたいな」
星のようなたくさんの光が舞い遊ぶ、夜空の只中のような煌めきの中で。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【☯】
大洋さんと川沿いを歩きます
事前情報はありましたが実物に勝るものはありませんね
龍の川、名前の通り七色に輝いていて美しい川です
蛍を見るのも久しぶりです
……必死にならなくても、向いているではありませんか
そう返せば、彼は何処かもどかしそうで
景色を楽しみながら歩いていましたが彼の提案に乗ります
此処を訪れた記念にもなりますし、頂いていきましようか
形も様々なので気に入ったものを探すのも楽しいものです
目に留まったのは勾玉の様な形をした青色の龍玉
角度を変えると色合いが濃淡に変化します
大洋さんは見つけましたか?貴方は赤色ですね
くっつける……?ああ、見事にハートの型になりましたね
では、此方を持ち帰りましょう

【☯】
ルカさんと川沿いお散歩デートもとい捜査続行~!
雨もすっかりやんじゃった…結局相合傘しそびれちゃったな。
でもルカさんが心なしか楽しそうだからボクもHAPPYです!
確か蛍ってパートナーを求めて飛んでるんだっけ?
なんだかちょっとボクに似てる。
大好きな貴方に振り向いて欲しくて必死なカンジがさ。
えっ?もう向いてる…?
そーだ龍玉!確かこの辺で拾えるんでしたよね!
ボク達もイイカンジの探してみません?
照隠しに慌てて屈んだら、明滅に導かれるように川岸から掬いあげて。
ボクもルカさんの色違いみっけました!
てかこれ勾玉型って言うんだ…あ!ルカさん、ここをこうしてくっつけたら。
じゃーん!ハート型ぽくなりません!?
日が落ちるまではしとしとと降っていた雨も、夜を迎えれば予報通りにあがって。
これで今日はもう傘いらず……となってしまって、ちょっぴりだけしょんぼり。
(「雨もすっかりやんじゃった……結局相合傘しそびれちゃったな」)
こっそりお目当てだった、そぼ降る雨に相合傘チャンス! をなんだかんだ逃してしまった、逝名井・大洋(TRIGGER CHAMPLOO・h01867)であるけれど。
まだこれからも雨が降る日は沢山あるし、それに何よりも。
「事前情報はありましたが実物に勝るものはありませんね」
……龍の川、名前の通り七色に輝いていて美しい川です、と。
夜の森の川沿いを並んで歩く道明・玻縷霞(黒狗・h01642)の様子を見れば、大洋はひとつこくりと頷いて笑み宿す。
(「でもルカさんが心なしか楽しそうだからボクもHAPPYです!」)
というわけで、ルカさんと川沿いお散歩デートもとい捜査続行~! と。
ふたりきりの雨上がりの森を、うきうき歩いていれば。
「蛍を見るのも久しぶりです」
玻縷霞の声に視線巡らせれば、ふわり闇夜に舞い飛ぶ光たちに大洋も気づいて。
「確か蛍ってパートナーを求めて飛んでるんだっけ?」
まるで気を引くかのように周囲を飛び交う七色蛍に重ねるのは、己の在り方。
「なんだかちょっとボクに似てる。大好きな貴方に振り向いて欲しくて必死なカンジがさ」
そして、そんな大洋の声を聞いて。
玻縷霞は小さく首を傾けつつも、こう返す。
「……必死にならなくても、向いているではありませんか」
「えっ? もう向いてる……?」
でも、そうぱちりと瞬かせた瞳で自分を見つめる大洋は何処かもどかしそうだと感じたのだけれど。
「そーだ龍玉! 確かこの辺で拾えるんでしたよね! ボク達もイイカンジの探してみません?」
「此処を訪れた記念にもなりますし、頂いていきましようか」
ふいに屈んで川底を掬わんとする、そんな彼の提案に乗って頷く。
「形も様々なので気に入ったものを探すのも楽しいものです」
やはり、心なしか楽しそうな声色で。
大洋が照隠しに慌てて屈んだことは、きっと気付いていない様子で。
そして明滅に導かれるように、川岸から互いにちゃぷりと掬いあげたものを、見せ合いこ。
玻縷霞の目に留まったのは、勾玉の様な形をした青色の龍玉。
角度を変えると色合いが濃淡に変化する龍玉を、似た色を湛える瞳で見つめながらも。
「大洋さんは見つけましたか?」
そう訊ねてみれば、すぐに返ってくるのは嬉々とした声。
「ボクもルカさんの色違いみっけました!」
「貴方は赤色ですね」
玻縷霞は自分の掬ったものとお揃いのようなカタチをした、彼の瞳のような彩の龍玉に双眸を細めて。
「てかこれ勾玉型って言うんだ……」
大洋は改めて、じいと見つめてみれば。
瞬間、ぱっと顔を上げれば――ぴとり。
「あ! ルカさん、ここをこうしてくっつけたら」
「くっつける……?」
「じゃーん! ハート型ぽくなりません!?」
お互いのような青と赤を仲良く寄り添わせれば、ハートの出来上がり!
そんな並んだ龍玉を見れば、玻縷霞もこくりと頷いて。
「ああ、見事にハートの型になりましたね」
七色蛍が飛び交う中、嬉しそうにはしゃぐ相棒へと紡ぐ……では、此方を持ち帰りましょう、って。
ハートの対同士、連れて帰ることにする。青と赤の勾玉型の龍玉を、ふたり色違いのお揃いで。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【櫻月】
水気を含む森の馨りや
川のせせらぎは
浄化されている様で気持ちが良い
神霊や精霊を身近に感じる
天粒に濡れた路は滑りやすい
舞が転ばぬ様、気に留め歩く
初めてばかりもそう悪くはないの、か
七彩の仄かな揺らめきに咲く笑顔に
自然と心が緩む
…龍神と縁がある身としては
やはり龍玉に興味が湧く
折角だから、取ってみるか
靴を脱ぎ揃え
裾が濡れぬ様気に掛けつつ
川底に指を伸ばす
手にしたのは薄紫色の鱗型
月光に翳すと、淡い桃色にも変化して
…桜の花びらにも見える、な
良い土産が出来た
舞も拾ってみるといい
細い身体が流れに攫われぬ様、手を差し伸べ
ほら……掴まれ
彼女が手にした月の輝石
互いを見つけた自分達と重なり
偶然なのか、必然なのか…

【櫻月】
先程とは違う風景
川がキラキラと輝いていて
こんなに綺麗なのですねじぃと眺めてしまう
何をするのも何を観るのも初めてなモノばかり
ゆっくりと歩く優しい彼に心が暖かい
初めてはわからない事もありますがいつも新鮮です
静琉様!見てください
色鮮やかで宝石でしょうか?
ぱぁと笑顔ではしゃいでしまうと優しい笑顔の彼に
子供ぽかったかしら?と恥ずかしくなる
彼が川へと足を歩み、何かしらを掬い上げた
桜の花びら?そう思わせる美しさ
は、はい
私も誘われて草履と足袋を脱ぎ
そっと彼の手を握る
川の中に足を入れて冷たさに感動
気になる一つの煌めき
三日月の様な形の…綺麗
まるで静琉様
お互い似てるのが見つかるなんて運命みたいですね
賑やかな商店街の雨恋う祭りも、楽しくも心あたたまるひとときであったが。
やはり氷薙月・静琉(想雪・h04167)が身近に感じるのは、神霊や精霊の気配揺蕩う神聖なる空気感。
雨は上がったものの、いまだ水気を含む雨の馨りを纏う夜の森。
そして耳に心地よく聞こえる、七色龍眠る川のせせらぎは、浄化されている様で気持ちが良い、と。
そうも思うも……少々心配事もあるのだ。
「川がキラキラと輝いていて、こんなに綺麗なのですね」
先程とは違う景色、ときょろり視線を巡らせては。
じぃと好奇の眼差しであれもこれもと眺めてしまう、共に歩む櫻・舞(桃櫻・h07474)の姿を見れば。
何せ、天粒に濡れた路は滑りやすい。
故に周囲に夢中になって、その足が取られぬやもしれぬと思うから。
けれど、それも致し方ないとも思うのだ。
彼女にとっては、何をするのも何を観るのも、初めてなモノばかりで。
そんな初めてに触れた彼女の笑顔を商店街で見た時も、来て良かったと、穏やかな気持ちになったのだから。
そして静琉は、舞が転ばぬ様にと気に留め歩きながらも、こう思い直すのだった。
「初めてばかりもそう悪くはないの、か」
そう思わず言の葉が零れれば、刹那返る声に、自然と緩む静琉の心。
「初めてはわからない事もありますがいつも新鮮です」
七彩の仄かな揺らめきに花咲く、無垢な彼女の笑顔に。
そして舞は心躍るまま、ぱぁと笑顔ではしゃいでしまっていたけれど。
向けられる優しい笑顔の彼に気が付けば、ちょっぴり恥ずかしくなる……子供ぽかったかしら? なんて。
でもすぐにまた、わくわくする初めてを見つけて。
「静琉様! 見てください。色鮮やかで宝石でしょうか?」
彼女が次に興味を示したのは、七色の龍が眠る川を彩っている、川底に沈む龍玉。
そうこてりと首を傾ける舞の声に、静琉も虹色の水底へと視線を向けて。
(「……龍神と縁がある身としては、やはり龍玉に興味が湧く」)
「折角だから、取ってみるか」
そう紡げば、靴を脱ぎ揃え、裾が濡れぬ様気に掛けつつ、ちゃぷりと。
浅い川へと足を浸して、川底の煌めきへと指を伸ばして。
その手に招いたのは、龍の鱗の如き薄紫色の龍玉。
それをそっと、淡く照る月光に翳せば、湛える色が淡い桃色へと変じて。
「……桜の花びらにも見える、な」
――良い土産が出来た、と。
まるで共に在る彼女のような、春のひとひらの如き彩りとの出会いに満足げに頷く。
舞は、そんな彼の様子を不思議そうに眺めていたのだけれど。
「桜の花びら?」
彼の声に、掬い上げられた彩りをそっと覗いてみれば、こくりと思わず頷く。
静琉の龍玉は、桜の花びらと思わせるような美しさだと、舞も思ったから。
そして今度は、彼女へとこう声を向けてみる静琉。
「舞も拾ってみるといい」
「は、はい」
そんな誘いの声に頷けば、彼がしていたように見様見真似で草履と足袋を脱いでから。
「ほら……掴まれ」
細い身体が流れに攫われぬ様にと、差し伸べられた静琉の手をそっと舞は取って。
彼と同じように、ちゃぷんと足を川に浸してみれば、ぱちりと思わず瞬いてしまう。
擽るようにさらりと流れる水はひやりと冷たくて、でもその心地良さに感動して。
それから、きょろりと川底の虹色へと瞳を巡らせれば……気になる煌めきが、ひとつ。
それをそっと手に招けば、自然と舞の口から言の葉が零れ落ちる。
「……綺麗」
――まるで静琉様、なんて。
その手に輝くのは、三日月の様な形の龍玉で。
「お互い似てるのが見つかるなんて運命みたいですね」
ふわりと笑んで紡ぐ舞と同じ想いが、静琉の心にも咲き開くのだった。
偶然なのか、必然なのか……彼女が手にした月の輝石を見つめながら。
互いを見つけた自分達と重なって。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

※アドリブ、絡みお任せ
まだまだ迷子
今度は森に差し掛かって、光がてんてん綺麗
提灯も光もあるので何のその、光る彩に誘われて進むすすむ
雨水の溜まった所もぴちゃぴちゃ、ちゃぷちゃぷ、らんらんらん♪
今度は音が変わったのと、光る物が変わったのに気づいて覗き込む
川の中に虹がある。きれい、きらきら、ゆらゆら。光がふわふわ。
蛍が浮き上がるのを見上げれば空にもいっぱいだと見上げたまま
暫く見て居た川から、蛍の光に誘われて虹の上をばしゃばしゃ
脚にこつこつ当たる石をひょいと拾っては、気に入った龍玉をがま口へ
いくつか取った中で、最後の一つは鱗っぽい様な花弁の様な形
ふしぎな石、これもおみやげ。みんなに見せて上げよう。
妖怪の友達みんなに自慢できる宝物ができて
ほくほくしながら、気づけば奥へ奥へ
ゆうらり、ゆらり、案内提灯の導く通りの帰り道……?
いや、目・草(目・魄のAnkerの義子供・h00776)は夜になっても、まだまだ楽しく迷子の寄り道中。
賑やかな商店街を後にすれば、今度は森に差し掛かって。
鬱蒼と暗い森ならばちょっぴり不安だったかもしれないけれど、わくわく足が進むのは、光がてんてん綺麗だから。
それに、提灯も光もあるので何のその。
光るる彩に誘われるまま、とことこ進むすすむ。
雨はいつの間にか上がったから、大きな葉っぱの傘も、もう不要。
それでも、水溜まりはそこかしこにできたままなのだけれど。
草は構わず、ちゃぷちゃぷ、らんらんらん♪
雨水の溜まった所もぴちゃぴちゃ、雨上がりにしかできない楽しさを満喫中。
けれど、ふと顔を上げれば、こてり首を傾げて。
草はふと、ひょこりと覗き込んでみる。
今度は音が変わったことと、光る物が変わったことに気づいて。
そして目に飛び込んできたのは、きれいで、きらきら、ゆらゆら。
「川の中に虹がある」
それに、いつの間にか周囲にも、光がふわふわ。
七色蛍が浮き上がるのを見上げれば、もっといっぱいのキラキラを向けた瞳にも煌めかせる。
空にも光がいっぱいだと、うんと高い夜空を見上げたまま。
そして暫く眺めていた川の上を舞う蛍の光たちにゆらり誘われて、虹の上をばしゃばしゃ。
こつこつと脚に当たる色とりどりの石……龍玉をひょいと拾っては、気に入ったものはがま口へと仕舞って。
キラキラで財布がずしりとなれば、ちょっとしたおかねもち気分。
そしてご機嫌にいくつか取った中で、草が最後のひとつにと手にしたのは。
「ふしぎな石、これもおみやげ。みんなに見せて上げよう」
まるで川に眠る龍の鱗の様な、花弁の如き形をした龍玉。
そんなひとひらのような煌めきも大事にがま口に入れれば。
草は提灯をゆらりら、気づけばその足は奥へ奥へ。
妖怪の友達みんなに自慢できる宝物ができて、ほくほくの満足顔で。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

雨で濡れるのも心地よかったけど、
雨上がりは涼しくて過ごしやすいね~~
冷たい風を受けながら
福引きで当てたキュートな如雨露を
ぶらぶら揺らしてあるこうか
お、ここが例の
『七色龍の眠る川』かな?
噂通りの絶景って感じで気を抜いたら
ずっとここに居座ってしまいそう~~
──ん?この龍玉、やけにジグザグしていて|大銀龍《ペディランサス》に似てるなぁ。
アレの花言葉は確か……【千客万来】。
こりゃ持って帰ってお店の御守りとして
飾るしかないよね~~
なんたって龍玉は願いを
叶えてくれると言われているんだし
あたしの大切なお店、繁盛させてね~~
ぎゅっと握って願ったなら
ゆっくりのんびり
目的の場所へと向かおうか
日中降っていた雨もあがって、夜を迎えた空には星や月が煌めいて見えるけれど。
でも足を踏み入れた森の中はしっとり濡れていまだ艶やかだし。
「雨で濡れるのも心地よかったけど、雨上がりは涼しくて過ごしやすいね~~」
雨の余韻を感じるような、ひやりとした冷たい風を受けながらも。
福引きで当てたキュートな如雨露をぶらぶら、揺らして歩くのは、ボタン・フラワーデザート(砂漠の花・h07279)。
そんな小さな雨を降らせることができる新しい相棒を片手に、せせらぎが聴こえる方へと向かってみれば。
「お、ここが例の『七色龍の眠る川』かな?」
視界が開けた刹那、瞳に飛び込んできたのは虹色を讃える川。
龍の川とも呼ばれているという川は、どこかその謂れの通り神聖な気がして。
暫し、幻想的な彩りを眺めていれば、ボタンはハッとする。
(「噂通りの絶景って感じで気を抜いたら、ずっとここに居座ってしまいそう~~」)
でもそうなっちゃうとちょっぴり困るから、きょろりと視線を巡らせてみて。
川底に沈んでいる龍玉を掌でふと掬い上げてみれば。
龍の川というだけあって、龍の鱗のような形のものをいくつか目にした後。
ボタンの瞳に留まったのは、鱗というよりは龍の背びれのような変わった形のもの。
「──ん? この龍玉、やけにジグザグしていて|大銀龍《ペディランサス》に似てるなぁ」
それからそれをじいと見遣れば、思い返してみる。
(「アレの花言葉は確か……【千客万来】」)
そしてこくりとひとつ大きく頷いたボタンは、その龍玉を連れて帰ることにする。
「こりゃ持って帰ってお店の御守りとして、飾るしかないよね~~」
だって、なんたって龍玉は願いを叶えてくれると言われているんだし、って。
龍玉にまつわる、聞いた話を思い出したから。
そして龍の背びれのような龍玉に、ボタンは嬉々と早速お願いを。
「あたしの大切なお店、繁盛させてね~~」
それからぎゅっと掌で握って願ったなら、ご機嫌に尻尾を揺らして再び歩き出す。
目的の場所へと向かおうか――って、ゆっくりのんびり、雨上がりの森を。
🔵🔵🔵 大成功

この川を辿れば件の妖が…
…しかし龍の名を持つ川に、七色に輝く石と蛍か…
…少し、少しだが見て廻るのも悪くないやもしれぬ、な…
輝きに目を向けつつ滝へ進むなか、蛍たちが我の周囲を舞う
…どことなく、一休みしていくよう誘われているような…
ま、まあ無碍にしてはいかぬし、ここは甘えてゆこう
靴を脱ぎ、岸辺に腰掛け足を川に浸す
…しばし歩んできた故か水の冷たさが心地よい
蛍たちもどこか嬉しそうにみえる
…と、今度は川底の石を指している?
確か…龍玉、であったな
なれば、こちらも…
そこで目についたのは丸く、黄色いもの
白みを帯びたそれは、どこか輝く陽を思わせる
食は陽があってこそ、故にそれに近しいものにも惹かれるのであろうか…
商店街で思いのほか、甘い物や遊びを存分に満喫しまくったのだけれど。
夜の森に入れば、レイパスト・サンカバー(新生せし「界食EclipseZero」・h06654)は気を取り直して、きりり。
「この川を辿れば件の妖が……」
話に聞いていた龍の川を見つければ、此処へ来た当初の目的・退治するべき古妖のもとに辿り着けるはず、なのだけれど。
やはり幼い少女の見目に思考も影響されているからか、そわりと。
「……しかし龍の名を持つ川に、七色に輝く石と蛍か……」
虹色に輝く川をちらりと見遣れば、こうも思い直す。
(「……少し、少しだが見て廻るのも悪くないやもしれぬ、な……」)
そしてわくわく、輝きに目を向けつつも、嬉々と川の中へとちゃぷりと入れば。
滝へと進むなか、ふわりと自分の周辺を舞い遊ぶたくさんの七色蛍たちが。
それから、その光の軌道が、なんとなく何かを訴えているような気もして。
じいと見つめてみれば、ぽつりとレイパストは紡ぎ落とす。
「……どことなく、一休みしていくよう誘われているような……」
いや、焦りは禁物だというし。
七色蛍たちも、森を訪れた自分を快く出迎えてくれているような気がするから。
「ま、まあ無碍にしてはいかぬし、ここは甘えてゆこう」
そう紡ぐやすぐに、うきうきとレイパストは靴を脱いで。
岸辺に腰掛ければ、ちゃぷりと足を川に浸してみる。
瞬間、ひやりと冷たさを感じたけれど、それも慣れれば気持ちよくて。
(「……しばし歩んできた故か水の冷たさが心地よい」)
その冷たさと擽るように流れる水の感触に、満足げに頷けば。
戯れるように周囲を飛ぶ光たちに、瞳を細める……蛍たちもどこか嬉しそうにみえる、と。
それからレイパストはふと気づく。
「……と、今度は川底の石を指している?」
そして思い出すのは、事前に聞いた話。
「確か……龍玉、であったな」
なれば、こちらも……と。
ふと目について掬ってみたのは、ころんと丸くて、黄色いもの。
黄色の中に白みを帯びたそれは、どこか輝く陽を思わせるもので。
レイパストは掌の上で、その陽の色の玉を転がして見ながらも、そっと首を傾けるのだった。
――食は陽があってこそ、故にそれに近しいものにも惹かれるのであろうか……なんて。
🔵🔵🔵 大成功

おーー!七色に輝く川だー!綺麗!
すごいなー。こんな風景を見れるなんて、部屋から出てきたかいがあるってもんだ。
龍玉、持って帰ってもいいみたいだし、せっかくだからいくつか持って帰っちゃおうかな。
そうと決めたら川に入ろっと!
この手のひらサイズの大きめなのを1つと、加工したらアクセサリーにもなりそうな小粒な龍玉を7色分を拾っておこうかな!
あとはのんびり一休みしよーっと。
この木陰は柔らかな草も生えてて座り心地も悪くなさそう。
寝ちゃわないように気をつけないと……
日が暮れて夜になれば、ずっと降り続いていた雨もすっかり止んで。
祭りで賑わう商店街を後にすれば、アドリアン・ラモート(ひきこもりの吸血鬼・h02500)が向かったのは。
家の布団で幸せな睡眠のひとときは、もう少しお預けだけれど。
「おーー! 七色に輝く川だー! 綺麗!」
アドリアンの眼前に広がるのは、ぱちりと思わず目も覚めるような、キラキラ煌めく七色の風景。
雨上がりの森に流れる虹色をした龍の川の話は、事前に聞いてはいたのだけれど。
アドリアンは満足げに、うんうんと頷いて。
改めて色とりどりの光に溢れる、七色龍が眠る川と謂れている清流を暫し眺めてみる。
「すごいなー。こんな風景を見れるなんて、部屋から出てきたかいがあるってもんだ」
夢でも美しい景色をみることはあるのだけれど。
この景色を目の当たりにして感激できる今を思えば、部屋から出てきてよかったと改めて思うほど、煌めく彩りは幻想的で。
龍の川が虹色に見える秘密も、聞いている。
「龍玉、持って帰ってもいいみたいだし、せっかくだからいくつか持って帰っちゃおうかな」
様々な色や形の石――龍玉が、川底に沈んでいるから。
そして龍玉は、いくでも好きなものを持ち帰っても大丈夫だというから。
「そうと決めたら川に入ろっと!」
アドリアンはわくわく、ちゃぷりと川に足を浸して。
早速川の底を掬って、掌に転がる龍玉をひとつひとつ吟味してみる。
「この手のひらサイズの大きめなのを1つと、加工したらアクセサリーにもなりそうな小粒な龍玉を7色分を拾っておこうかな!」
それから、気に入ったものを満足するだけ、存分に掬い終えれば。
ふと草がふかりと生えている場所を、ぽふぽふ。
「この木陰は柔らかな草も生えてて座り心地も悪くなさそう」
そう確認すれば……あとはのんびり一休みしよーっと、なんて。
ころりと寝転がれば、沢山の光が、目の前をふわふわ。
七色蛍たちが舞う輝きを見ていたら――うとうと?
いえ、アドリアンはふるふると首を振って、こう自分自身に言って聞かせる。
「寝ちゃわないように気をつけないと……」
引きこもりだけれど吸血鬼ではあるから、きっと夜は大丈夫……いや、やはりいつだって睡眠は最高なのだけれど。
のんびりはするものの、休憩をするだけにして。
きちんと古妖の事件を解決して、何の憂いもなくゆっくり寝られるように、今はまだ頑張って起きておくつもり。
🔵🔵🔵 大成功

【匣幻】
漸く雨が上がったね
月も星も明かりを灯してくれるとは僥倖
みなの日頃の行いが良いのだろうね
空の星月も美しいが
水面でも星が瞬いているよう
この水底の耀きが龍玉と言っていたね
不思議で、美しい光景だ
七色龍が眠るという伝承も信じたくなってしまうな
龍玉掬いねぇ
ふふ、靇が龍玉を掬うとは面白い
なんて水底を覗き込み
そうかい?
そんな効果があったらいいねえ
くすくすと咲む
ふ、と目に止まった耀きへ
徐に手を伸ばす
見失わぬよう、落とさぬよう
掬い上げるのは
星煌めく菫青、淡い紫、薄紅
ふふふ、良い彩と巡り逢えたようだ
ははは!
素晴らしい飛びっぷりだったね
それだけ縁を感じるものがあったのかな?
劉もよく受け止めたね
二人はどんな龍玉を?
多色に移ろう龍玉も
見守ってくれそうな龍玉も美しいね
きっと二人を護ってくれるだろうよ
マリーツァには開運招福
劉には商売繁盛辺りを付けてくれるかもしれないね
これは驚いた
本当に蛍が七色に光っている
目の前の光景に瞬いて
おや…ふふふ
マリーツァの愛らしい耳が七色に光っているよ
ん?私も?
はは、ではみなお揃いだね

【匣幻】3名
そうだネ
皆が良い子に過ごしているから天も笑いかけているよう
薄暗い森も神秘的に思える
この美しい輝きが龍玉か
天の川にも劣らぬ美しい地上の夜光
七色は虹だと希望や幸運を示す彩
此の伝承もそんな夢を齎していたのだろうか…なんてネ
おや、龗が龍玉を頂くのは逆に縁起が良いように思う
掬う幸福が玉に満ちてゆくようで
是非肖りたいネ?マリーツァちゃん
水底を覗き
輝く龍玉を眺めて静かに指先を水に沈める
先に触れた龍玉を貰おう
さぁ、掬ったのは
可憐に輝く淡い青
角度を変えれば揺れる淡紅
…縁のある彩は意識せずとも触れるものだな
おや?子猫さんが盛大に跳んで――おっと
両手を差し伸べ小さい体を受け止める
はは、勢いやよし
ちゃんと拾えたかい?
私は此方を拾ったよ
ほうら…少し色が変わるものを
おや!商売上手になれるよう日々精進せねばネ
ん、二人も心安らぐ彩を賜れたようだ
おお、これは素晴らしい
夢のような光景とはこの事だろう
ふふ、雪羽ちゃん?君の宝石の様な角にも七色が
蛍に気に入られたのかな?
私の髪にも寄ってきたかい?では、私も仲間入りだ

【匣幻】
子猫の姿でぴょこぴょこ走りながら
葉っぱの雫がキラキラお月様の光を映してキレイ
お星様が降りてきたみたい!
んん、毛が濡れちゃうけど…(ぷるぷる雫を払いつつ)
七色の龍さん…!
どんな色なのかな?
虹の色は…幸せの色?
なら絶対にゲットしないといけません!(ぐ
ふふ、綺麗な靇さんと一緒に猫も拾いますよ!
雪羽さまと一緒なら
パワーが強くなりそうな気がしますよね?劉さま
はっそうだ濡れちゃう…
うぅ川岸からじーっと狙って…
きらりと光ったのをえーいってジャンプで狙います!
…って着地のこと考えてなかったかもー!
はっ濡れてない…?
劉さま!ありがとうございます!
えへへちゃんと拾えました
ほんのりあったかそうな、橙みたいな金の色
お月様の欠片が落ちてきたみたい
雪羽さまの優しい色も、劉さまの色が変わるのも綺麗で…そわそわしちゃいます
蛍さんの幸せの色がいっぱい…!
はわー…ふわふわ浮かんで、これだけで幸せな気持ちになります
ほえ?(お耳ぴこぴこ
あっ劉さまの白い髪にも!
蛍さんの色がほんのり映ってとっても綺麗!
ふふ、おそろですね!
雨恋い泳ぐ金魚たちが齎したのか、日中、止むことなく天より降っていた恵みの雨。
しとしととひたすら降る雨は止みそうにないように思えたのだけれど。
「漸く雨が上がったね」
日も沈み夜を迎えれば、雨粒のかわりに柔く降るのは、行く道を仄か照らす瞬き。
雨上がりの夜空を見上げれば、藤春・雪羽(藤紡華雫・h01263)の紫式部の瞳にも夜の煌めきが宿って。
「月も星も明かりを灯してくれるとは僥倖。みなの日頃の行いが良いのだろうね」
「そうだネ、皆が良い子に過ごしているから天も笑いかけているよう」
李・劉(ヴァニタスの匣ゆめ・h00998)も夜闇の中、天の微笑みの恩恵を沢山見つける。数多輝く光たちを……薄暗い森も神秘的に思える、って。
そんなふたりと一緒に森をぴょこぴょこ行くのは、一匹の子猫ちゃん。
子猫の姿で走りながら、久遠・マリーツァ(Ipheion・h01241)の尻尾もご機嫌にゆらゆら。
「葉っぱの雫がキラキラお月様の光を映してキレイ。お星様が降りてきたみたい!」
雨は上がったけれど、艶やかに濡れた風景を、月や星の光が幻想的にキラキラ煌めかせて。
そんなまるで夜空のような景色の中、わくわく心も踊っちゃうのだけれど。
雫が濡らすのは、夜の森だけではなくて。
「んん、毛が濡れちゃうけど……」
ちょっとしっとりとなった毛並みにも落ちた雫をぷるぷる払うマリーツァ。
瞬間、ぷるぷるキラキラちりばめられる星の如き雨粒に雪羽は瞳を細めた後。
「空の星月も美しいが、水面でも星が瞬いているよう」
誘われるようにふと目を向けたのは、ゆるりとせせらぐ川の水面。
そしてそんな夜の森を流れる川が湛えるのは、夜に映える、淡くも鮮やかな彩り。
「この水底の耀きが龍玉と言っていたね。不思議で、美しい光景だ」
そう、この川の底には、様々な色をした石が沈んでいるという。
「この美しい輝きが龍玉か」
雪羽の視線を追った劉も、龍玉の輝き宿す流れを見つめ紡ぐ。
……天の川にも劣らぬ美しい地上の夜光、と。
そしてこの川は、龍の川と呼ばれているようだが。
雪羽は眼前の川を見れば、頷いてしまう。
「七色龍が眠るという伝承も信じたくなってしまうな」
「七色の龍さん……! どんな色なのかな?」
そうきょろりと視線巡らせるマリーツァは、ただでさえうきうきしていたのに。
「七色は虹だと希望や幸運を示す彩。此の伝承もそんな夢を齎していたのだろうか……なんてネ」
「虹の色は……幸せの色? なら絶対にゲットしないといけません!」
劉の言葉を聞けば、ぐ、と俄然やる気満々に。
この川に沈んだ龍玉は、いくつでも掬って持ち帰って構わないというから。
そんな、煌めく綺麗な色探しに張り切るマリーツァとともに、雪羽もそっと水底を覗き込んで見つつも。
「龍玉掬いねぇ。ふふ、靇が龍玉を掬うとは面白い」
そう笑めば、劉は届いた言の葉に首を傾け返してみせる。
「おや、龗が龍玉を頂くのは逆に縁起が良いように思う」
……掬う幸福が玉に満ちてゆくようで、なんて。
「ふふ、綺麗な靇さんと一緒に猫も拾いますよ!」
マリーツァも尻尾をゆらりら、劉と顔を見合わせれば。
「雪羽さまと一緒なら、パワーが強くなりそうな気がしますよね? 劉さま」
「是非肖りたいネ? マリーツァちゃん」
「そうかい? そんな効果があったらいいねえ」
うんうんと頷き合い自分を見つめるふたりに、雪羽もくすくすと咲む。
そしてそう言われたから早速、その手をおもむろに伸ばしてみる。
ふ、と目に止まった耀きへ。
それを見失わぬよう、落とさぬよう、そっと掬い上げてみれば。
星煌めく菫青に淡い紫、薄紅――掌に転がる色に、雪羽は満足気に笑み咲かせる。
……ふふふ、良い彩と巡り逢えたようだ、って。
そんな、気になる耀きを見つけて掬った雪羽に続いて。
同じように水底を覗き、輝く龍玉を眺める劉だけれど。
さぁ、掬ったのは、と――水に沈めた彼の指先が拾い上げるのは、先に触れた龍玉。
そして、瞳に己が掬ったいろを映せば。
「……縁のある彩は意識せずとも触れるものだな」
それは、可憐に輝く淡い青、角度を変えれば揺れる淡紅。
七色龍の導きに、揺らめき変わる龍玉の彩を見つめる瞳を微か瞬かせる。
それからふたりに続き、マリーツァも張り切っていざ、龍玉掬い……をしようと思ったのだけれど。
「はっそうだ濡れちゃう……」
そう気づけば、うぅと唸りつつも。
川岸からじーっと狙って……えーいっ。
猫が獲物を捕らえるように、きらりと光ったものを狙ってジャンプ!
でも、うにゃっと前足を伸ばして飛び掛かりながらも、マリーツァはハッとする。
「……って着地のこと考えてなかったかもー!」
というわけで、そのまま勢いよく川へとダイブ……!?
いや、宙を舞うその姿を目の当たりにして。
「おや? 子猫さんが盛大に跳んで――おっと」
両手を咄嗟に差し伸べた劉が、すかさずキャッチ。
「はっ濡れてない……?」
「はは、勢いやよし。ちゃんと拾えたかい?」
小さくてもふもふな彼女の体を、川に落ちる前にしっかりと。
そして受け止められつつ、マリーツァはホッとしながらも礼を告げて。
「劉さま! ありがとうございます! えへへちゃんと拾えました」
「ははは! 素晴らしい飛びっぷりだったね。それだけ縁を感じるものがあったのかな? 劉もよく受け止めたね」
雪羽は楽し気に笑んだ後、ふたりへと訊ねてみる。
「二人はどんな龍玉を?」
「私は此方を拾ったよ。ほうら……少し色が変わるものを」
「わたしのは、ほんのりあったかそうな、橙みたいな金の色です」
……お月様の欠片が落ちてきたみたい、なんて。
マリーツァはそう自分の拾った龍玉をふたりに見せつつも、そわそわしちゃう。
「雪羽さまの優しい色も、劉さまの色が変わるのも綺麗で……」
「多色に移ろう龍玉も、見守ってくれそうな龍玉も美しいね。きっと二人を護ってくれるだろうよ」
それぞれの掌で煌めく耀きを見せあいこしながら。
そして雪羽は、聞いた龍玉にまつわる話を思い返し続ける。
「多色に移ろう龍玉も、見守ってくれそうな龍玉も美しいね。きっと二人を護ってくれるだろうよ」
この龍玉は持ち主の願いが叶うと、そんな謂れがあるようだから。
「マリーツァには開運招福、劉には商売繁盛辺りを付けてくれるかもしれないね」
「おや! 商売上手になれるよう日々精進せねばネ」
劉も満足気に、互いに掬った龍玉を改めて眺めてみる……ん、二人も心安らぐ彩を賜れたようだ、と。
そんな龍玉拾いに楽しく興じている中、マリーツァはふと、ふわり淡く舞い飛ぶ光たちに気づく。
「蛍さんの幸せの色がいっぱい……!」
劉も言っていた幸せの色――虹色に光る七色蛍をたくさん見つけて。
「はわー……ふわふわ浮かんで、これだけで幸せな気持ちになります」
「これは驚いた。本当に蛍が七色に光っている」
雪羽も眼前の光景に、思わず瞳を瞬かせれば。
「おお、これは素晴らしい」
劉も、様々な輝き溢れる夜に紡ぐ……夢のような光景とはこの事だろう、と。
でも今3人も、その光景の只中にあるから。
「おや……ふふふ、マリーツァの愛らしい耳が七色に光っているよ」
「ほえ?」
雪羽は、ぴこぴこ揺れるマリーツァの七色なお耳に微笑むも。
そんな彼女に、劉も教えてあげる。
「ふふ、雪羽ちゃん? 君の宝石の様な角にも七色が。蛍に気に入られたのかな?」
「ん? 私も?」
そして、マリーツァが視線で追いかけっこしていた七色蛍が、その翅を休めた先は。
「あっ劉さまの白い髪にも! 蛍さんの色がほんのり映ってとっても綺麗!」
「私の髪にも寄ってきたかい?」
そんな、ちょっぴりてしてししたいのを堪えながら言ったマリーツァの声に、再び小さく首を傾けつつも。劉は七色灯るふたりへと向けた瞳を細め、紡いで。
「では、私も仲間入りだ」
「はは、ではみなお揃いだね」
「ふふ、おそろですね!」
そう幸せ色に照る顔を見合わせれば――雨上がりの夜にふわり満開、笑顔もお揃い。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『冥紫紡』

POW
冥玉呪・憶乱紫霧
【封印されし誰かの思い出】を語ると、自身から半径レベルm内が、語りの内容を反映した【夢想空間】に変わる。この中では自身が物語の主人公となり、攻撃は射程が届く限り全て必中となる。
【封印されし誰かの思い出】を語ると、自身から半径レベルm内が、語りの内容を反映した【夢想空間】に変わる。この中では自身が物語の主人公となり、攻撃は射程が届く限り全て必中となる。
SPD
冥玉呪・飛幻暗伏
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【幻憶玉】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【闇】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【幻憶玉】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【闇】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
WIZ
冥玉呪・魂還縁
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【幻憶玉】を、同時にレベル個まで具現化できる。
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【幻憶玉】を、同時にレベル個まで具現化できる。
龍の背を辿るかのように、虹色纏う川の流れを遡って歩いていれば。
眼前に現れたのは、水飛沫が煌めく滝。
そして此処で行き止まり……かのように見えるが。
よくよく目を凝らせば、滝の裏に空間が存在するのがわかる。
そう――この滝の裏こそ、古妖の隠れ家。
七色蛍や龍の川に暫しわかれを告げ、慎重に滝の裏の洞窟へと足を踏み入れれば。
龍玉とはまた違った、煌めく大きな玉が転がっていて。
最奥へと進めば、そこは思いのほか広い場所に出る。
そして、そこにいたのは――。
『! どうして人が、此処に?』
少女か少年か、男か女か……それも不明な、中世的な佇まいの存在。
√能力者達の出現に瞳を瞬かせるも、すぐに気を取りなおして、彼かはたまた彼女かは名乗る。
『僕は|冥紫紡《めいしぼう》……。他人の思い出を愛でる古妖だよ』
そう、眼前に在るのは、封印より解き放たれし古妖『冥紫紡』。
それから古妖は、傍にある玉を撫でながらも続ける。
『他人の思い出を幻憶玉に封印するんだ。思い出を奪われた相手は、ずうっと眠ってしまうけれどね……』
けれど折角だから、綺麗な幻憶玉にしたいから、って。
沢山の人が訪れる雨恋祭は標的探しにお誂え向き、次に封印する思い出を奪う候補を絞っていたようだ。
封印を解放した年配の男性も勿論候補の一人であり、他の人も被害に遭いかねない。
やはり眼前の古妖は、此処で倒しておくべきである。
冥紫紡自身も、後をつけられ、追い詰められた状態であることはもう察している様子だけれど。
隠れ家に訪れた者達をくるりと見回して続ける。
――僕の大事な宝物だから、あげないよ、って。
それから、ひとりずつに視線を向けて。
『貴方の思い出は、どんな幻憶玉になるのかな?』
冥紫紡はそう興味深げに紡ぐ。それぞれが抱く思い出を吟味するかのように。
<マスターより補足>
第3章は古妖との戦闘です。
通常通り、古妖との戦闘をメインに戦っていただいて勿論OKですし。
思い出に関する心情寄りのプレイングでも構いません。
自らの大切な思い出を思い浮かべたり、戦いのさなかに同行者と語ったりだとか。
思い出を奪われた人(封印された思い出もご自由に設定いただいて構いません)の思い出に触れて、何らかの思いを抱きながら戦うなども大丈夫です。
世界観やルール等に沿っていれば、お好きに設定や行動していただいて大丈夫です。

んにゅ……思い出を大切にすることは、共感できるですが、その思い出を奪い、永遠に眠らせるのは、僕にとって間違いであると思うですよ……
幸せな夢を見せて、その夢に溺れたいと願うなら僕は叶えるですが、帰るべき場所が存在している者達を、永遠の眠りを与えることはしないのです……
だから、ええ、戦いましょう……
思い出を奪うのであれば、奪われないように僕は抗いましょう……
カダス、また力を貸してください……
空中浮遊、空中移動、空中ダッシュ、地形を利用しながら移動し、生命力吸収も行いながら戦うのです……
夢の大海に沈むといいです……すぴー……
連携・アドリブ歓迎なのです……
まるで虹色の龍が導いているかのように、龍の川を辿った先。
川のせせらぎが水が落ちる音へと変われば、大きな滝の風景が現れて。
うとうとしながらも何とか滝までやってきた鬼灯・睡蓮(人間災厄「白昼夢」の護霊「カダス」・h07498)は、やはり眠そうな薄目のまま、ふらふら~っと。
足を踏み入れてみたのは、滝の裏側。
そこは誰にも邪魔されず安眠できそう……ではあるものの。
今回ここにやって来たのは、すやすや安眠できる場所を探すことが目的ではなく。
『! どうして人が、此処に?』
この場に潜んでいるという、古妖退治のお仕事のためである。
そして驚く古妖『冥紫紡』の周囲にある玉へと眠そうな瞳を向け、睡蓮は紡ぐ。
「んにゅ……思い出を大切にすることは、共感できるですが、その思い出を奪い、永遠に眠らせるのは、僕にとって間違いであると思うですよ……」
その玉は『幻憶玉』といい、冥紫紡が作ったものだというが。
それは、他人の思い出を愛でる古妖が、人々の思い出を封印して作ったもの。
さらに思い出を奪われた相手は、ずうっと眠ってしまうのだという。
人の思い出を愛でる、そんな気持ち自体はわかるし、幻憶玉も思い出の美しさを物語るようにキラキラ煌めいているのだけれど。
『でも、綺麗だろう? それに、ずっと幸せな夢を見れるならいいんじゃない……?』
睡蓮は、そんな冥紫紡の言動を否定する。
「幸せな夢を見せて、その夢に溺れたいと願うなら僕は叶えるですが、帰るべき場所が存在している者達を、永遠の眠りを与えることはしないのです……」
だから、ええ、戦いましょう……、と。
そんな睡蓮の言葉に、冥紫紡も仕方ないといったように小さく首を傾けつつも口にする。
『じゃあ、奪った思い出を語ってあげるね……。この幻憶玉は、女の子が去年家族で過ごした『雨恋祭』思い出で――』
刹那、日中廻った商店街の風景が反映された夢想空間に変わるが。
(「思い出を奪うのであれば、奪われないように僕は抗いましょう……」)
睡蓮は空中にふわり浮遊し駆け、地形も利用しながら移動して。
「カダス、また力を貸してください……」
生命力吸収も試みつつ、逆に誘ってあげる。
やはりうとうとしながらも刹那発動するのはそう、夢は夢でも――『大いなる夢』。
『……!?』
「夢の大海に沈むといいです……すぴー……」
召喚した護霊「カダス」が繰り出す夢の奔流で、冥紫紡を飲み込んで。
🔵🔵🔵 大成功

小鳥姉様(h01076)とデート
…記憶は、僕とっては、硝子細工のようなモノです。
…きっと、皆様にとっては違うのでしょうね?
――でも、小鳥姉様との想い出が無くなるのは…厭です。
小鳥姉様のウィンクに微笑みは、心臓がドキリッします。
思わず頬を染めて思わす顔を逸らす。
――必中にはなってしまいますが、よろしいですか?
疑問を口にして、答えを待つ。
許可が下りれば、闇を纏おうが√能力で360度に疎らに全ての場所をミサイルで攻撃します。
周りなど一切気にしません。炙り出すのが目的です。
…唯、僕は小鳥姉様を護りたい。
僕には|半身《レギオン》が与えたダメージを《生命力吸収》出来、《インビジブル融合》で回復できるから。

榴(h01965)とデート
煙草に火を着けて一服
「他人の思い出を覗き見ですか? あまりよい趣味とは言えませんね」
ましてそれを吟味だなんて
自身は他人の夢を覗き見る災厄なのは黙っておく
榴にはウインクして微笑んでおく
死棘を抜いて|『クイックドロウ《先制攻撃》』
前に出て漂う紫煙と纏う香りで『おびき寄せ』る
榴を|守る《かばう》
私は|問題ない《鉄壁・激痛耐性》
|的確に防御《ジャストガード》して対応
「榴、彼女の“闇”を剥がせますか?」
肝心な相手が隠れては埒があかない
榴の攻撃に隙を見せれば|影を滑るように《ダッシュ》肉薄
【殺戮人形】を発動
くるくるくるくる、|死の舞踏《ダンスマカブル》
思い出に浸るにはまだ早いです
七色に煌めく川で水遊びしてかけ合いっこしたり、龍玉を拾って交換こしたり。
じゃれ合いながらも夜の森を進んでいれば、ふと視界に入ってきたのは流れ落ちる水と上がる飛沫。
楽しい時間はあっという間というが、ふたりが辿り着いたのは今回の目的地――森の奥にある大きな滝であった。
いや、正確に言えば、水が流れ落ちる滝の裏側。
『! また人が来た……!?』
そこに隠れていた古妖『冥紫紡』は、ふたりの姿を見て驚いたように声を上げるけれど。
花喰・小鳥(夢渡りのフリージア・h01076)はそんな古妖を後目に、煙草に火を着けて一服。
滝壺の裏の洞窟に、ゆうらり甘い匂いを帯びた紫煙を漂わせながら。
「他人の思い出を覗き見ですか? あまりよい趣味とは言えませんね」
古妖が作り出した玉を見遣りつつも続ける。
……ましてそれを吟味だなんて、と。
そう――冥紫紡の周囲に転がっている幻憶玉は、古妖が人々の思い出を封印して作ったものだという。
そしてそんな幻憶玉を見つめ、小鳥の言葉を聞きながら、四之宮・榴(虚ろな繭〈|Frei Kokon《ファリィ ココーン》〉・h01965)は思う。
「……記憶は、僕とっては、硝子細工のようなモノです」
……きっと、皆様にとっては違うのでしょうね? って。
キラキラしていて、でもそれはとても繊細で、脆くて儚いもの。
榴にとって、思い出はそのようなもので、それは皆とは違う感覚……そう、思っていたのだけれど。
同時に脳裏に過るのは、今日得た沢山の煌めき。
それは、小鳥から貰った鬼灯の龍玉や赤と白の金魚の髪留めの輝きであったり。
ふたりで祭りを楽しんだひとときや、恋バナやお喋りをした時間、水をかけあって遊んだ夜の森……そんな楽しいデートの記憶。
そしてその煌めきをひとつずつ思い返した今、榴はこう思うのだ。
「――でも、小鳥姉様との想い出が無くなるのは……厭です」
それからふと小鳥へと視線を向ければ、思わず心臓がドキリッとしてしまう。
だって、ぱちりとウインクして向けられた彼女の微笑みが美しくて。
それから熱くなった頬を染めながらも、思わず顔を逸らしてしまう榴だけれど。
小鳥はそんな彼女に微笑みつつも黙っておく――自身は他人の夢を覗き見る災厄だということは。
だが刹那、小鳥は素早く|死棘《スティンガー》を抜いて。
『この幻憶玉は僕の大事な宝物だから、あげないよ。それに君たちは、どんな思い出を持ってるのかな……?』
マシンピストルに分類される自動拳銃を以て、クイックドロウを仕掛けるけれど。
冥紫紡は装備する幻憶玉の射程まで跳躍し、逆に自身を攻撃しようとした小鳥へと攻撃を仕掛けてくる。
だが、小鳥の先制射撃は、相手の攻撃手段を把握している故の行動で。
漂わせる紫煙と纏う香りで敵をおびき寄せれば……私は問題ない、と。
前に立ち、鉄壁の身をもって全力で庇う――榴を守る、と。
だが、的確なタイミングで防御しながらも、小鳥は声を向ける。
「榴、彼女の“闇”を剥がせますか?」
冥紫紡は今、闇を纏い隠密状態になっているから。
そして榴はその声を聞けば。
「――必中にはなってしまいますが、よろしいですか?」
疑問を口にし、答えを待って。
「肝心な相手が隠れては埒があきませんから」
許可だとわかる返る言葉を受け取れば、満を持して感覚を拡張し発動する。
闇を纏おうが、360度に疎らに、全ての場所をレギオンミサイルで攻撃する『|幾何学模様を展開する機械の半身《レギオンスウォーム》』を。
周りなど一切気にせず撃ち出すその数多の弾は、敵を炙り出すことが目的で。
そして何より、榴の心に宿る想い。
(「僕には半身レギオンが与えたダメージを生命力吸収出来、インビジブル融合で回復できるから」)
それは身を挺して前に立つ小鳥と同じ。
……唯、僕は小鳥姉様を護りたい、と。
『! なっ』
そして榴の攻撃に隙を見せた冥紫紡へと、小鳥は肉薄する。影を滑るように戦場を駆けて。
瞬間、再び死棘の銃口を敵へと向ければ、くるくるくるくる。
――死がふたりを分かつまで。
『う、ぐっ!』
「思い出に浸るにはまだ早いです」
『殺戮人形』をもって古妖へと披露しお見舞いするは、|死の舞踏《ダンスマカブル》の銃撃。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

思い出を愛でる、ねぇ
悪いけど他人に私の思い出をどうこうされたくないなぁ
悲しかったね、とか嬉しかったねとかもしかしたら寄り添って眺めて大切にしてくれるのかもしれないけど、そんなのは真っ平。
人と共有したい思い出もあれば、ずーっと奥底に閉じ込めて誰にも触れてほしくない大切な場合だってあるでしょ?
私がそうだからさ、キミのその行いは私には受け入れ難いんだよね
私にとって何より大切な“兄”の様な人だった彼との思い出に批評も同情も要らない
アレは私だけのものだから。
奪われた思い出の持ち主の中にもきっとそういう人はいただろうから
それ、返して貰うよ
夜の森を照らしてくれた七色の蛍たちに感謝し、虹の彩り帯びる龍の川を辿れば、到着した目的の地。
まるでこの地に眠るという七色龍や蛍の妖怪たちが道案内してくれたようであったけれど。
でも辿り着いた滝の裏に潜む古妖は、妖怪は妖怪でも、是とは決してできない存在。
『僕は冥紫紡……。他人の思い出を愛でる古妖。幻憶玉に思い出を封印するんだ』
そうどこか誇らしげにさえ思えるように語る古妖に、懐音・るい(明葬筺・h07383)はこう返す。
「思い出を愛でる、ねぇ。悪いけど他人に私の思い出をどうこうされたくないなぁ」
だって、思うのだから。
「悲しかったね、とか嬉しかったねとかもしかしたら寄り添って眺めて大切にしてくれるのかもしれないけど、そんなのは真っ平」
自分の思い出に対して、いくら大切に愛でるような気持ちを相手が抱くのだとしても、そんなことはお断りで。
何より、思い出とひとことにいっても、色々なものがあることをるいは知っている。
「人と共有したい思い出もあれば、ずーっと奥底に閉じ込めて誰にも触れてほしくない大切な場合だってあるでしょ?」
それは、るい自身がそうだから――はっきりと、冥紫紡の言葉を否定する。
「キミのその行いは私には受け入れ難いんだよね」
だって、むしろそれは決してされたくなどないものなのだ。
(「私にとって何より大切な“兄”の様な人だった彼との思い出に批評も同情も要らない」)
――アレは私だけのものだから、と。
だがその言葉に、いっそう興味を示すように紡ぐ冥紫紡。
『そんな思い出をね、僕は宝物にして集めたいんだ』
そしてそんな古妖へのるいの返事は勿論、是であるわけがない。
誰にも触れられたくない自分だけの思い出――それはきっと多くの人が持っていて。
「奪われた思い出の持ち主の中にもきっとそういう人はいただろうから」
だから、るいは改めて冥紫紡へと告げる……それ、返して貰うよ、って。
🔵🔵🔵 大成功

紫遠(h03007)と
アドリブアレンジ歓迎
綺麗な記憶を集めるのはちょっと理解できるけど……これ古妖寄りの思考かな!!?
でも君は敵だからね
――さぁ、おいで俺の|思い出《白龍》、力を貸してくれないかい?
√能力の近接攻撃
一気に懐へと潜り込み攻撃
少々武道の心得があってね
躊躇はしない、俺の隙は紫遠が埋めてくれるから
ぐちょぐちょの靴が邪魔……ポイしたら紫遠君へ一直線
あ、ごめ……流石、紫遠は荒事慣れしてるね(笑)
俺も君が心配だから、オーラ防御張っとく
ちらと幻憶玉を見て「壊したいな」
呟けば、少しは心乱れてくれるかな?
思い出はそれぞれだけのモノ
他者が所有すれば、美しさは半減
願わくば、
男性が心置きなく偲べるように

ジン(h05630)と
アドリブアレンジ大歓迎
綺麗なものを集めるのが好きねぇ…
それで記憶を集めるあたり古妖だよなぁ
…せめてとんぼ玉にしてくれ
√能力使用
前に出て接近戦へ
ダメージは見切って受け流し
ジンと連携、フォローしながら追い詰めていく
ジンが戦えるのは知っているけど心配なのよ
視野端になにか、は、靴?!
な、え?どこか、ら……オマエの靴か…
ぐじゅぐじゅの靴が嫌だったんだね!ごめんね!!
…ジンちゃん素足じゃん
オレもうちょっと前出よう
記憶の玉って割ったらどうなるんだろ
目が覚めるなら思いっきり割るのありかも?
綺麗なものを眺めるだけで手元に置かなければ
撃たれることも無かっただろうに
残念だね
まるで七色の龍の背のような、虹色に煌めく川をぱしゃりと歩いていけば。
辿り着いたのは、大きな滝……いや、滝の裏側に隠れた秘密の道。
そんな隠れ家を奥まで歩みを進めれば、刹那目に飛び込んでくるのは、美しい煌めきや色を纏う大きな宝玉。
それが何であるかを、斯波・紫遠(くゆる・h03007)は知っている。
「綺麗なものを集めるのが好きねぇ……それで記憶を集めるあたり古妖だよなぁ」
そう、それは人々の思い出……その人にとっての、大切な過去の記憶。
そして紫遠と共に、古妖の作り出した『幻憶玉』をじいと見遣りながらも。
「綺麗な記憶を集めるのはちょっと理解できるけど……これ古妖寄りの思考かな!!?」
『あ、君もわかる? ふふ、綺麗なものは集めたくなるよね』
ジン・サカツキ(雪静か・h05630)の言葉に、うんうんと頷く古妖『冥紫紡』だけれど。
妙な親近感をジンに抱いているかもしれない冥紫紡と、周辺の幻憶玉を見れば、思わず紫遠は呟きを落とす。
「……せめてとんぼ玉にしてくれ」
けれども、最初からわかりきっているのだ。
「でも君は敵だからね」
『これは僕の大事な宝物だから、あげないよ』
たとえもしも思考の傾向がちょっぴり似ていたとしても、互いに相容れぬ存在だということは。
けれどジンは、冥紫紡へと示してみせる。
――さぁ、おいで俺の|思い出《白龍》、力を貸してくれないかい?
そう紡ぎ、その身に纏いし|白く美しい神聖竜《俺の相棒》の聖なる光はそう、かつての天上界で出会った竜との思い出で。
幻憶玉を手にする敵へと見据えれば速度をぐんと上げ、一気に距離を詰めて。
「少々武道の心得があってね」
『……!』
懐へと潜り込んだ瞬間、躊躇なく踏み出し繰り出すは、神聖術・慈悲の爪痕。
だって、ジンには分かっているから――俺の隙は紫遠が埋めてくれるから、って。
いや、紫遠だってわかっているのだ。
「ジンが戦えるのは知っているけど心配なのよ」
だから共に前へと踊り出て、幻憶玉纏い跳躍し攻撃してこんとしている古妖へと接近戦を仕掛けつつ。
向けられる衝撃を出来る限り見切って受け流し、ジンと連携し合いフォローしながらも。
――危ないからね、避けるなよ。
『! くっ』
これまで苦楽を乗り越えてきた相棒の閃きを、紫遠も敵へと容赦なく振るう。
怨讐炎を纏わせた無銘【香煙】の刃を閃かせ、敵を追い詰めていかんと。
そして乱の揺らめき宿す打刀で、|【狗神】此レ成ルハ陽炎ノ一撃《ブッタギリ》せんと斬撃を連ねていけば。
紫遠は瞬間、視野の端になにかを捉えた――かと、思えば。
「は、靴!? な、え? どこか、ら……」
「ぐちょぐちょの靴が邪魔……」
「オマエの靴か……」
一直線に飛んできたのはそう、ポイされたジンの靴であると、紫遠も気づいたし。
「ぐじゅぐじゅの靴が嫌だったんだね! ごめんね!!」
「あ、ごめ……流石、紫遠は荒事慣れしてるね」
「……ジンちゃん素足じゃん」
まじまじと裸足なジンの姿を見遣れば、さらに数歩前へ前へと踏み出す……オレもうちょっと前出よう、なんて。
そして冥紫紡も、数多の幻憶玉の記憶を具現化させようとするも。
ジンはちらと幻憶玉を見て、こんな呟きをぽろり。
「――壊したいな」
「記憶の玉って割ったらどうなるんだろ、目が覚めるなら思いっきり割るのありかも?」
『なっ、僕の宝物に、そんなことさせないよ……!』
それから思惑通り、微か心乱れた様子の相手にジンは教えてあげる。
「思い出はそれぞれだけのモノ。他者が所有すれば、美しさは半減」
そんな言葉に、頷くかのように紡ぎ続く紫遠。
「綺麗なものを眺めるだけで手元に置かなければ、撃たれることも無かっただろうに」
『何だって……、くッ!』
……残念だね、って。
そして、ふたりで連携し攻撃を見舞っては、冥紫紡へとたたみかけていきつつ。
雨恋祭に七色の森、数多の煌めきや彩り。
そんな今日の思い出を胸にそっと描きながら、素足でもなんのその。
戦場を駆けるジンは思うのだった……願わくば、男性が心置きなく偲べるように、と。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

ラズリ(h00299)と
思い出を奪う古妖…ですか
先ほど手に入れた対のような龍玉をぎゅっと握って
…共に戦いましょう、ラズリ
大切な思い出を…渡すわけには、いきませんから
繋いだ手をそっと握り返して
極夜ノ咆哮を願いましょう
ひとから奪うだけの古妖に、明日を奪う戒めを
Crystallo di Cantoに込めた氷雪の魔法で
私たちを守るように
ラズリとの思い出も、皆さんとの思い出も
とても温かで、優しいたいせつなおもいで
私がここにいる、確かな証です
ラズリと、ずっと一緒にいたいから、
もう、失うのはいやです…!
絞り出す言葉と不安
でもラズリの声で、少しだけ和らいで
…はい、守り抜きましょう
わたしたちの大切なものを

セレネ(h03434)と
……あら、奪うなんて駄目よ
私が在るべきなのに一番大切なのは
紡いできた記憶だもの
貴女と片割れのような龍玉を離さないように
そっとセレネの掌へ縋る様に繋いで
うん、一緒に行こう。セレネ
護るのよ、私たちの大事な記憶を
不躾ね、想い出だって人の宝なのよ
私は元々空っぽだから、……だから、今は
宝物を少しずつ集めているの
此れはわたしだけのもの、唯一なのよ
悪い子にはきつくお仕置きするわ
みんな、協力してくれる?
星謳いの協奏曲を奏でセレネの攻撃に合わせ追撃
セレネ、大丈夫。私もずっと此処よ
掌から伝わる貴女の温もりで力が湧くの
最期まで絶対に、貴女との大切なものを失くさない
失わせるわけにもいかないから
数多の七色に導かれ、飛沫く煌めきのその裏側。
確かにその煌めきは、宝物というに相応しく美しいのだけれど。
『この幻憶玉に、奪った思い出を封印するんだ。僕の大切な宝物だよ』
でも、鴛海・ラズリ(✤lapis lazuli✤・h00299)はそう紡ぐ古妖『冥紫紡』の言葉にふるりと首を横に振ってみせる。
「……あら、奪うなんて駄目よ」
滝の裏の洞穴に転がっている幻憶玉は、奪った他人の思い出から作られていて。
そして奪われた者は深い眠りに落ち、未来までも失うという。
それに、ラズリは思い出の大切さをよく知っているから。
「私が在るべきなのに一番大切なのは、紡いできた記憶だもの」
そんなラズリの言葉を聞きながら、セレネ・デルフィ(泡沫の空・h03434)も古妖へと目を遣れば。
「思い出を奪う古妖……ですか」
龍の川で掬い上げた、対のような龍玉をぎゅっと握って続ける。
……共に戦いましょう、ラズリ、って
その声にラズリもこくりと頷きこたえ、セレネの掌へ縋る様に繋ぐ――貴女と片割れのような龍玉を離さないように、と。
そしてセレネも、きゅっと繋いだ手をそっと握り返して。
「大切な思い出を……渡すわけには、いきませんから」
「うん、一緒に行こう。セレネ」
ラズリは改めて古妖へと視線を向けて紡ぐ。
……護るのよ、私たちの大事な記憶を、と。
それから、冥紫紡の先程の言葉に、首を傾けてみせる。
「不躾ね、想い出だって人の宝なのよ」
そしてふっと、こう口にするラズリだけれど。
「私は元々空っぽだから、……だから、今は、宝物を少しずつ集めているの」
『僕と同じだ、僕もほら、幻憶玉を……宝物を、こんなに集めてるよ』
続いた古妖の言葉に、はっきりと否定の色を示す。
「此れはわたしだけのもの、唯一なのよ」
だからそれを奪って自分の宝にしてしまおうという輩に、ラズリは改めて告げる。
……悪い子にはきつくお仕置きするわ、って。
そして戦場に幻憶玉を具現化される冥紫紡へと、セレネも紡ぐ――極夜ノ咆哮を願いましょう、と。
「其処に朝の訪れは無い……」
ひとから奪うだけの古妖の明日を奪う、日輪の訪れをも阻害する戒めを。
それから、ラズリと自分を守るように静かに煌めかせるのは、空のかけらが揺れる宝珠に流れる氷雪の魔法。
『! く……っ』
そして微か揺らぐ敵へと、さらにラズリも差し向ける――いっておいで、愛し仔たち、と。
「みんな、協力してくれる?」
刹那奏でるは、星謳いの協奏曲。
黄道十二星座を司る煌めきたちが、セレネの魔法に合わせて追撃を。
それからセレネも、敵の幻憶玉を目にしながらも紡ぐ。
「ラズリとの思い出も、皆さんとの思い出も。とても温かで、優しいたいせつなおもいで」
……私がここにいる、確かな証です、と。
そして、だからこそ生じる、絞り出す精一杯の言葉と不安。
「私がここにいる、確かな証です。ラズリと、ずっと一緒にいたいから」
――もう、失うのはいやです……! って。
けれど、そうぐっと握る手の感触に微笑みながらも。
「セレネ、大丈夫。私もずっと此処よ」
ラズリも、掌から伝わる彼女の温もりを感じれば、力が湧いてくるのだ。
そしてセレネもそんなラズリの声に、少しだけ気持ちが和らいで。
「……はい、守り抜きましょう。わたしたちの大切なものを」
こくりと大きくひとつ頷いて。
ラズリも星を振りまくような星霊獣に指示しながらも、約束を。
「最期まで絶対に、貴女との大切なものを失くさない」
『なっ、う……ぐっ!』
自分達のキラキラなとっておきの宝物を……失わせるわけにもいかないから、って。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【ナハト】
冥紫紡ちゃん……邏傳君に倣って
冥冥ちゃんとでも呼んでおこうか?
そういう愛らしそうな存在なら良かっただろうにねェ
…元より記憶力がそんなに無いから
そうやって愛でられていられる方が
ある意味では幸いなのかもしれない
……冗談だよ、
邏傳君の言葉も尤もだ
手放し、無くしていい思い出等なく
共にあった持ち主の元にあるのが一番で
そんな眩い事を云われてしまうと如何しようねェ
拳で語り合う、思い出語りが好みなら
いくらでも御相手してあげるんだけども
牽制代わりに咆哮ひとつ、
此れから殴るよって教えてあげないとねェ
キミが思うところの綺麗な誰かの思い出の中で
悪いオイタは成敗してくれようか?

【ナハト】
冥紫紡ちゃん、
ちと長いから冥ちゃんでい?
むー。俺も記憶力よくねぇの
宝物にされるなら悪ぅない?
やっぱ大事な思い出、
もってかれちゃら嫌だな
俺今日だけでも
すんごい楽しかったんよ
カナトちゃんと
色々美味しいの食べて
ラムネ可愛い美味しで
福引面白くて
川冷たくて気持ちよくて
蛍ちゃんも龍玉ちゃんも
きれいでさ
ほらみてみて。拾ったん
俺たちの思い出もきらきらよ
冥ちゃんが見せる誰かの思い出
嬉しそだったり楽しそだったり
幸せな感じで確かに綺麗
でも冥ちゃんそこ居らんじゃん
一緒な思い出なら
もっともっと綺麗よ
で。カナトちゃん
冥ちゃんと何して遊ぼか
思い出語りつつ拳で語るー?
じゃカナトちゃんの次は俺ね
カラダめいっぱい動かそ
龍の川を辿って、足を踏み入れた滝の裏に潜んでいたモノ。
彼、いや彼女かもしれない存在は、冥紫紡と――他人の思い出を愛でる古妖だと、自分のことを告げたのだけれど。
八卜・邏傳(ハトでなし・h00142)はこてりを首を傾けて、こう返す。
「冥紫紡ちゃん、ちと長いから冥ちゃんでい?」
そして緇・カナト(hellhound・h02325)も、古妖を見遣りながら紡ぐ。
「冥紫紡ちゃん……邏傳君に倣って、冥冥ちゃんとでも呼んでおこうか?」
……そういう愛らしそうな存在なら良かっただろうにねェ、なんて。
見目こそ中性的で、害がある存在だとは一見わからないかもしれないけれど。
『別に何とでも呼ぶといいよ。だって思い出を奪ったら、君たちも眠っちゃうんだから……』
幻憶玉を撫でながらもそう告げる冥紫紡は、人から様々なものを奪う悪質な古妖だ。
けれど、大事そうに冥紫紡が抱えている幻憶玉……思い出たちを見れば、ふとふたりはこう思ってもしまう。
「……元より記憶力がそんなに無いから、そうやって愛でられていられる方がある意味では幸いなのかもしれない」
「むー。俺も記憶力よくねぇの。宝物にされるなら悪ぅない?」
自分達にあまりない、過去の記憶。
それが、眼前の冥紫紡のように大切にされていたら、それはそれで悪くはないかも……なんて。
でも邏傳は、もしも思い出が奪われてしまったらと、改めて考えてみれば。
「やっぱ大事な思い出、もってかれちゃら嫌だな。俺今日だけでも、すんごい楽しかったんよ」
『へえ、どんな思い出なのかな?』
今日新しく増えた、カナトとの思い出たちを、冥紫紡へと教えてあげる。
「カナトちゃんと色々美味しいの食べて、ラムネ可愛い美味しで、福引面白くて。川冷たくて気持ちよくて、蛍ちゃんも龍玉ちゃんもきれいでさ」
そして、カナトも……冗談だよ、って続いて。
自分達の思い出に興味を示す古妖へと告げながらも。
「邏傳君の言葉も尤もだ。手放し、無くしていい思い出等なく、共にあった持ち主の元にあるのが一番で」
「ほらみてみて。拾ったん。俺たちの思い出もきらきらよ」
邏傳の言葉を聞けば、笑んでしまう。
「そんな眩い事を云われてしまうと如何しようねェ」
今日だけでもいっぱいできた思い出はそう、きらきらで擽ったくて。
そして次は、冥紫紡が語る番。
『この龍玉に封印してある思い出はね、結婚したての夫婦のものだよ。とっても幸せそう』
幻憶玉に封印されし誰かの思い出を。
そして周囲が幸せいっぱいの夢想空間へと変わる中。
「冥ちゃんが見せる誰かの思い出、嬉しそだったり楽しそだったり、幸せな感じで確かに綺麗」
邏傳も、その思い出が素敵なものだということはわかるし頷けるのだけれど。
得意気に語る古妖へと、こう続ける。
「でも冥ちゃんそこ居らんじゃん」
そう、それは冥紫紡の思い出ではない。
そこに冥紫紡という存在があったのではなく、この思い出は奪い取っただけなのだ。
だがその言葉にも、首を傾けて返す冥紫紡。
『僕がいない? そんなことどうでもいいよ、だってほら、こんなにこの幻憶玉は綺麗なんだから』
「一緒な思い出なら、もっともっと綺麗よ」
だから――今から一緒に。
邏傳はカナトへと、こう訊いてみる。
「で。カナトちゃん。冥ちゃんと何して遊ぼか」
冥紫紡自身が「いる」今、何をして遊ぼうかと。
そして問われれば、カナトはこんな遊びを提案する。
「拳で語り合う、思い出語りが好みなら、いくらでも御相手してあげるんだけども」
「思い出語りつつ拳で語るー?」
そう邏傳も興味を示せば――牽制代わりに、恐慌状態を齎す咆哮ひとつ。
『えっ、……っ!?』
「此れから殴るよって教えてあげないとねェ」
――逃れる術など在りはしない、と。
虚空から伸びる鎖で捕まえれば、腕を巨大に獣爪化させれば拳をぐっと握ってみせて。
「じゃカナトちゃんの次は俺ね。カラダめいっぱい動かそ」
邏傳も固く握った拳を、まるで螺鈿細工の様に輝く刻印絡む異物に変形させれば、準備も万端!
『そんなの、この綺麗な思い出に関係ない……うぐっ、がっ!』
カナトは邏傳と共に、自身の思い出として、身体で古妖にわからせる。
――キミが思うところの綺麗な誰かの思い出の中で、悪いオイタは成敗してくれようか? なんて。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【☯】
此処にある玉は全て他人から奪った思い出なのですね
回収しなければ人々は眠ったまま……倒して、解放しましょう
長く生きていれば思い出は増えていくもの
温かいものも、そうではないものもありますが
私にとって今思い浮かべるものは半年前の記憶でしょうか
ある日、大洋さんから69課配属の勧誘の手紙が届きました
彼の素性を探る必要があった為、渡りに船という所でした
今思えば、彼の好意を利用したようなものですが……
彼の事を知り、次第に力になりたいと思うようになりました
始まりは正しいものではなかったかもしれませんが、今は彼に応えたいと思うのです
敵からの攻撃は神凪にて無効化を
本命の一撃は大洋さんに任せましょう

【☯】
あーコレは窃盗罪ですね!
了解ですルカさん、殺りましょ!!
愛銃を両手に構えて、光明を発動。
無数に出現した幻憶玉を脚力で躱しながら接近を。
交戦の最中、脳裏を過るのはルカさんとの出会いの記憶。
誰かのノックをずっと待ってた。
雑居ビルの一室に現れたルカさんは…まさにボクにとっての光明だった。
当時は彼の素性も知らず、涼やかな双眸に惹かれて誘ったんだっけ。
あの日からあの場所は…『牢獄』から『居場所』に変わったんだ。
こんなかけがえのない思い出を、盗られるワケにはいかないよねぇ!!
ルカさんが無効化するタイミングに合わせて前衛へスイッチ。
Thunderbirdの稲光を散らしながら零距離射撃を喰らわせたいな!
敵の潜む隠れ家、龍の川を辿った先の滝の裏へと踏み込めば。
「此処にある玉は全て他人から奪った思い出なのですね」
そう紡ぐ道明・玻縷霞(黒狗・h01642)に、その場にいた古妖はむしろ得意気に頷く。
『そうだよ、僕は他人の思い出を愛でる古妖。幻憶玉に思い出を封印するんだ、綺麗でしょ』
というわけで、物的証拠も言質も取ったとなれば。
「あーコレは窃盗罪ですね!」
「回収しなければ人々は眠ったまま……倒して、解放しましょう」
「了解ですルカさん、殺りましょ!!」
警視庁公安部に籍を置く立場として、そして√能力者として、やるべきことは明確。
さらに幻憶玉を具現化して抵抗してくる相手に、逝名井・大洋(TRIGGER CHAMPLOO・h01867)は愛銃をすかさず両手に構えて。
『僕の大事な宝物だから、あげないよ……、っ!』
――ボクのとっておき、見せてあげる。
刹那、強力な霊能力を纏い、狙い定めてその引き金をひきつつも。
速度をぐんと増した脚力で無数に出現した幻憶玉を躱しながら、一気に対象へと接近し距離を詰めて。
『君たちの思い出は、どんなものなのかな?』
そう興味深げな冥紫紡との交戦の最中、大洋の脳裏を過るのは、玻縷霞との出会いの記憶。
いや、それは何も、大洋に限ったことではなくて。
「長く生きていれば思い出は増えていくもの。温かいものも、そうではないものもありますが、私にとって今思い浮かべるものは半年前の記憶でしょうか」
玻縷霞だって、同じで。
改めて過去のことを、思い出を、ふたり思い返してみる。
「ある日、大洋さんから69課配属の勧誘の手紙が届きました。彼の素性を探る必要があった為、渡りに船という所でした」
「当時は彼の素性も知らず、涼やかな双眸に惹かれて誘ったんだっけ」
そう、大洋は誰かのノックをずっと待っていて。
玻縷霞がノックしその扉を開けたその時が、始まりだった。
その始まりは、玻縷霞が思うに、正しいものではなかったかもしれないのだけれど。
「今思えば、彼の好意を利用したようなものですが……彼の事を知り、次第に力になりたいと思うようになりました」
大洋へと青の瞳を向けて、迷いなく続ける――今は彼に応えたいと思うのです、と。
そしてそんな出逢いは、大洋にとっては。
「雑居ビルの一室に現れたルカさんは……まさにボクにとっての光明だった」
暗闇に一条の光が差したような、そんな感覚。
そう――あの日からあの場所は……『牢獄』から『居場所』に変わったんだ、と。
そんな思い出はふたりにとって、間違いなくかけがえのない宝物で。
「こんなかけがえのない思い出を、盗られるワケにはいかないよねぇ!!」
何よりそれは、ふたりだけのものなのだから。
だから、自分の思い出ではない誰かの思い出を語られたって、周囲をいくら夢想空間に変えたところで。
『どう、素敵な思い出話でしょ。君たちの思い出も奪……っ!?』
「……失礼」
玻縷霞が右掌で触れれば、発動した神凪で無効化されるのだから。
そして敵の攻撃を打ち消した玻縷霞は、後は大洋に任せることにする。
自分が無効化したタイミングに合わせ、前へと颯爽と躍り出た彼に――本命の一撃を。
瞬間、自分を照らしてくれるとっておきの光を背に、さらに霊能力の輝きを迸らせるように。
『僕の語った思い出が!? って、ぐっ!!』
大洋は素早く接敵し、零距離射撃を喰らわせてやる。
霊力弾『Thunderbird』の眩い稲光を、戦場に散らしながら。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

🫧ラライサ
ろくな事をしないやつと出会ってしまったな
思い出、ね
兵器で人形である俺にあるのは積み重ねられた「記録」だけ
「今の俺」の記録は「次の俺」にそのままバックアップされ引き継がれる
…その記録は果たして「俺」の「思い出」だと言えるのだろうか
それでも聖女サマは俺の思い出だと示してくれる
レーザー射撃で牽制しつつ、撃ち抜いていくよ
俺が起動して、それからの日々
思い出の中には……いつも、ちいさな迦楼羅の聖女がいた
小さくてでも強くて
我儘だけど優しくて
傲慢だけど、お人好し
そんな日々の記録を…思い出を失いたくない
これは、「俺だけの」ものだ
次の俺にも渡したくない
そんな思いを抱いて
…その通りだ
誰にも渡しはしないよ

🌟ラライサ
あらあら
人の大切な思い出を奪ってしまう、欲張りさんをみつけたわ
悪い子ね
思い出とはひとの歩んできた路に他ならない
生き様で
呪いで
祝福で
儚くも強かなもの
…イサ、その「記録」を「思い出」というの
ララの大切な思い出はあげない
イサの思い出も
かごめかごめ
窕のナイフをふるい切断する
光の鳥と金の蓮咲くナイフはララの大好きなパパの寵愛の証
光を纏い遍くを灼き尽くす迦楼羅天の劫火
早業で駆け逃がさぬように串刺しよ
桜ハーバリウムの鳥が変じる銀災のフォークはララの愛するママの加護の証
禍を串刺し破魔桜が浄化する
ララはパパとママとも一緒に戦ってるの
勿論イサとも
眠るのはお前
お前のための綺麗な想い出なんて
ありはしないの
虹色の夜の森の奥、滝の裏の隠れ家もキラキラと輝いてはいるのだけれど。
『ね、綺麗だろう? 僕の宝物だよ』
「ろくな事をしないやつと出会ってしまったな」
詠櫻・イサ(深淵GrandGuignol・h00730)はふるりと小さく首を横に振る。
確かに、眼前に転がる幻憶玉は綺麗なのだけれど。
それは得意気にしている古妖『冥紫紡』のものでは決してない。
「あらあら。人の大切な思い出を奪ってしまう、欲張りさんをみつけたわ」
だってそう、ララ・キルシュネーテ(白虹迦楼羅・h00189)の言うように、人の思い出を奪って封印したものなのだから。
ララは首を傾けて……悪い子ね、と。赤き花一華を細め、続ける。
「思い出とはひとの歩んできた路に他ならない」
そう、それは――生き様で、呪いで、祝福で、儚くも強かなもの。
そんなララの言葉を聞きながら、イサは呟きを落とす。
「思い出、ね」
兵器で人形である自分に残っているそれは記憶ではなく、積み重ねられた「記録」だけで。
「今のイサ」の記録は「次のイサ」にそのままバックアップされ引き継がれる。
だから、思ってしまうのだ。
……その記録は果たして「俺」の「思い出」だと言えるのだろうか、と。
でも――それでも。
「……イサ、その「記録」を「思い出」というの」
聖女サマはそう、それはイサの思い出だと示してくれて。
『君達も素敵な思い出があるみたいだね、僕にちょうだい』
「ララの大切な思い出はあげない。イサの思い出も」
敵が幻憶玉で反撃してくることも、事前にわかっているから。
イサも、dea.THETIS-ABYSSのレーザー射撃で牽制しつつ敵を撃ち抜いていかんと狙い定め、射出させながらも。
(「俺が起動して、それからの日々。思い出の中には……いつも、ちいさな迦楼羅の聖女がいた」)
自分の脳内に過る「思い出」を思い返してみれば、彼女はいつも、そこにいてくれている。
小さくてでも強くて、我儘だけど優しくて。
傲慢だけど、お人好しな――そんな迦楼羅の聖女サマが。
そして今日も共にあるララを見遣れば、イサは今生じている強い思いを口にする。
「そんな日々の記録を……思い出を失いたくない」
――これは、「俺だけの」ものだ。次の俺にも渡したくない、って。
泡沫を纏いながら、そんな思いを抱いて。
そしてイサに続き、ララも……かごめかごめ。
――かこって、囚って、花の毒。
『!! ぐっ』
窕のナイフをふるい、悪い子を容赦なく切断する。
ララにとってふと浮かぶ思い出といえば、そう――大好きなパパのこと。
だって光の鳥と金の蓮咲くナイフは、パパからの寵愛の証なのだから。
迦楼羅焔を纏った、窕と銀災。
それは、光を纏い遍くを灼き尽くす迦楼羅天の劫火。
「駆けて逃がさぬように串刺しよ」
そして、桜ハーバリウムの鳥が変じる銀災のフォークは、ララの愛するママの加護の証。
パパとママの加護を受けし聖女は、禍を串刺し破魔桜で浄化する。
「ララはパパとママとも一緒に戦ってるの。勿論イサとも」
だから……眠るのはお前、と。
「お前のための綺麗な想い出なんて、ありはしないの」
「……その通りだ。誰にも渡しはしないよ」
イサも、ララの言葉に頷いてみせる。
だって、これまで一緒にで積み重ねてきたたくさんの「思い出」は、ふたりだけの宝物なのだから。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【櫻月】
己ではどうする事も出来ぬ切望、苦悩
其れを利用するなど卑劣極まりない
…赦されん
《来い……新月、雪那》
式神護霊である二体を召喚
敵を近づけぬよう陽動しろ
幽影が幻憶玉の破壊へと伸びると同時
狐火と氷雪が行手を塞ぐ
戦闘に慣れていないであろう舞が気掛かりだが
何時でも庇えるよう意識は傍に
護霊達と舞が敵を引き付けている間
鎮守の霊力を此の身に宿す
時が満ちれば、影闇に紛れ距離を縮めよう
《……欺瞞に染る心臓よ 滾ること無く滅び還らん》
囁く様に、唄う様に
神言を生み出し呪にて屠る
二度と…他者の尊きものを奪うな
何時かの自分へと、重ねるように口にする
舞…怪我は無いか?
身なりを整えてやりながら
彼女の心境を慮る
頑張ったな

【櫻月】
丸い大きな玉が転がっている
それは誰かの想い出でしょうか?
想い出は無くなるのは悲しいです
私の様に想い出せないのはきっとその人にとってツライ事
だからこそ、その方達に返してあげてください
静琉様が怒ってらっしゃる?
きっとやはりコレはいけない事なのですね
アレは式神様達?
足手纏いになるかもしれませんが
御伽絵巻を取り出して
詩を詠う様に語る
怪談「番町皿屋敷」
さぁ、皆様この世界は貴方の世界
どうかあの者に想いを貫いて
静琉様の為に足止めに唄い続ける
彼の想いを他の方の想いを
彼と合わせて
はい、私は大丈夫です
静琉様は大丈夫ですか?
彼の優しい気遣いにホッとして
新たな想い出ができた事に嬉しく笑う
まるで虹の鱗を湛える龍の如く、夜の森をゆるりと流れる龍の川を辿って。
辿り着いた滝の裏側に潜んでいるモノこそ、今回の討伐対象の古妖なのだけれど。
櫻・舞(桃櫻・h07474)はくるりと見回して、ふと首を傾ける。
舞の瞳に映るのは、丸い大きな玉。それがいくつも転がっていて。
聞いた話を思い返せば、紡いでみる。
――それは誰かの想い出でしょうか? って。
そんな彼女の言葉に、古妖『冥紫紡』はわらう。
『そうだよ。だって僕は他人の思い出を愛でる古妖で、幻憶玉に思い出を封印するんだ』
けれど舞は、ふるりと首を横に振って口にする。
「想い出は無くなるのは悲しいです」
だって、舞は知っているから。
……私の様に想い出せないのはきっとその人にとってツライ事、と。
「だからこそ、その方達に返してあげてください」
でも古妖が聞く耳を持つはずはなく。
『僕の大事な宝物だから、あげないよ』
そんな所業や言動に憤る、氷薙月・静琉(想雪・h04167)。
雨恋祭りに七色の森、今日これまでのお出かけに満足してご機嫌であっただけに、尚のこと。
(「己ではどうする事も出来ぬ切望、苦悩。其れを利用するなど卑劣極まりない」)
……赦されん、と。
短く怒りの色を孕んだ声で紡ぎ落せば、静琉は戦場へと喚ぶ。
――来い……新月、雪那。
「敵を近づけぬよう陽動しろ」
古妖が幻憶玉を具現化させれば、その破壊へと幽影が伸びた刹那。
戦場を染めるは、古妖の行手を塞ぐ狐火と氷雪の彩り。
そんな彼の様をみれば、再び首を傾ける舞だけれど。
(「静琉様が怒ってらっしゃる? アレは式神様達?」)
でも彼女なりに理解する……きっとやはりコレはいけない事なのですね、と。
だから、足手纏いになるかもしれませんが、と紡ぎながらもぱらりと。
――むかしむかし、江戸の番町のあるお屋敷におきくという、美しい腰元がおりました――。
御伽絵巻を手にし広げれば、詩を詠う様に語る諳んじるは、怪談「番町皿屋敷」。
周囲が、語りの内容を反映した怪談空間へと変じれば。
「さぁ、皆様この世界は貴方の世界。どうかあの者に想いを貫いて」
舞は唄い続ける。彼の為に足止めをするために。
そして静琉は、朗々と耳に届く語りを聞きながらも。
(「戦闘に慣れていないであろう舞が気掛かりだが」)
何時でも庇えるようにと常に意識は彼女の傍に。
同時に、護霊達と舞が敵を引き付けている間、彼の身に宿るは鎮守の霊力。
十分に時が満ちれば、囁く様に、唄う様に、神言を生み出して。
――……欺瞞に染る心臓よ 滾ること無く滅び還らん。
舞はそんな彼から紡がれし神言に添わせるように唄う。
彼の想いを、他の方の想いを……そう気持ちを合わせ、込めて。
そして静琉が影闇に紛れ距離を縮めれば、呪にて屠る。
『何……っ!』
「二度と……他者の尊きものを奪うな」
何時かの自分へと重ねるように、そう口にしながら。
それから、堪らず敵がよろめけば、彼女へと視線と声を向けて。
「舞……怪我は無いか?」
「はい、私は大丈夫です。静琉様は大丈夫ですか?」
身なりを整えてくれる彼に、こくりと舞は頷いて返しながらも。
彼の優しい気遣いにホッとするけてど。
彼女の心境を慮り……頑張ったな、と。そう瞳細める静琉も、彼女の無事に内心ホッと安堵していて。
そしてやはり、今日は良き外出であったと改めて思う。
新たな想い出ができた事に嬉しく笑う、舞のその顔を見れば。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

🐾໊ 魄(h00181)と
※アドリブ、絡みお任せ
迷子の子が迷いこんだのは奥
滝にみんな集まっているのを何の迷いも疑いも無くひょこひょこと
そこに何かあるの?ひみつの場所かな?
不思議そうにしていたけど、飽きたのか滝の水飛沫で遊び始め
きらきら、ばしゃばしゃ、つめたくて気持ちい
邪魔にならない様にはしているけど
何やら大玉が目に付いてはじーっと
ぼんやりと思い出を想像したのは
かっこいい猫、大きくて強そうな猫
それだけ、疲れたのか一欠伸して滝壺の傍ですやぁ
魄の戦いを知ってか知らずか、ぎゅっとしっかり服を掴んで大人しい
終わる頃には、うんうんと唸りながらもまだ寝ていそうだ

🐾໊/草(h00776)を迎えに
お子の大冒険には困ったものだね。
黒猫又に急かされてお迎え
他の人がまばらに見えてきた滝へ
明らかに気温が落ち着いているそこを動きたくはないが
子を探さないわけにはいかない
黒髪の黒目のお子を見かけませんだかい?
聞き込み、情報あれば取り合えずと行ってみる
やっと見つけたお子の後ろへ行って慌てて抱き留め
すやすやと心地よさげに眠る子を抱える
危なっかしいったらありゃしない。
ああ、おこをつれかえるだけなので邪魔はしない様に。
敵を見ても何の戦闘中に「正直病」になったとしてもかまわない
お子がかわいいのだからと早く連れて帰りたそうに戦うだけ
何時もと変わらない程、何時もただただ正直なのだ
それも成長の過程のうち……とも、言えるのかもしれないけれど。
「お子の大冒険には困ったものだね」
それはそれとして、心配に思うのも親心。
目・魄(❄️・h00181)は黒猫又に急かされて、迷子のお子のお迎えへ。
ゆらり揺れる二尾に案内されれば、そこは虹色の川の奥、他の人がまばらに見えてきた滝であって。
本当の心は、明らかに気温が落ち着いているそこを動きたくはないのだが、魄はその足を止めない。
「黒髪の黒目のお子を見かけませんだかい?」
だって、子を探さないわけにはいかないから。
そんな迷子の子が迷いこんだのは、森の奥。
同じく滝に皆が集まっているのを見れば、何の迷いも疑いも無くひょこひょこと歩み寄って。
「そこに何かあるの? ひみつの場所かな?」
何だか滝の裏に、あるっぽい……?
そうこてりと首を傾けて不思議そうにしていた、目・草(目・魄のAnkerの義子供・h00776)なのだけれど。
よくわからないから、そのうち興味も薄れて飽きれば。
「きらきら、ばしゃばしゃ、つめたくて気持ちい」
滝の水飛沫でぱちゃぱちゃと遊び始める。
そして何やらお仕事をしている人たちの邪魔にならない様にはしているのだけれど。
何やら、龍玉よりももっと大きなキラキラの玉が目に付いて、じーっと見つめてみれば。
草の脳裏にぼんやりと現れたのは――かっこいい猫、大きくて強そうな猫。
でもそれが思い出を想像したとは、本人も思う間もなく……すやぁ。
それだけ疲れたのか、ふわあとひと欠伸すれば、滝壺の傍でこてんと夢の中。
そんなお子の行方を聞き込みしながら、情報あれば取り合えずと滝の傍までやって来ていた魄であったが、刹那慌てて抱き留める。
やっと見つけたお子の後ろへと駆け寄り、すやすやと心地よさげに眠る子を抱えて。
「危なっかしいったらありゃしない」
そう紡ぐも、声に宿るのは安堵と。大冒険を成して満足そうなお子の顔を見つめる、柔い視線。
そして、古妖の気配を感じれば……ああ、おこをつれかえるだけなので邪魔はしない様に、なんて。
数多具現化された幻憶玉を見ても、何ら問題はない。
滝の裏で繰り広げられている戦いを知ってか知らずか、お子はぎゅっとしっかり服を掴んで大人しいし。
古妖の幻憶玉が齎す「正直病」になったとしても一向にかまわない。
お子がかわいいのだからといたって正直に、早く連れて帰りたそうに氷柱を降らせるだけ。
そんなお子は余程疲れたのだろう、うんうんと唸りながらもずっと寝ていそうなくらい熟睡している様子で。
その姿を見れば、魄はまた愛らしいと正直になる。
古妖の術の影響か――いや、きっとこれは何時もと変わらない程、ただただ正直な親心なのである。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【分福2】連携、アドリブ歓迎
確かに、星光を閉じ込めたようにキラキラして、集めたくなるほどに美しいです。
は。いや、ダメです。これらは、持ち主に返すんですっ!
更紗さんの思い出を不可抗力で覗いてしまいます。
更紗さんが、ひどく大人を怖がる理由を知り、涙で前が見えませんですよぅ。
戦闘中に僕の目を塞いじゃダメでしょ!
こんなにも、残酷で恐ろしい思い出だとしても、更紗さんの一部。
渡しません。絶対にっ!
僕も一緒に踊っていいんですか!?
盆踊りしかしたことないですけど、派手にいきましょう!
大蟹の背中を舞台に、どうぞ。
金縛りの目で、敵を捕らえて、ご鑑賞あれ。
蟹爪を限界まで増やし、賑やかな祭囃子を打ち鳴らし攻撃です。

【分福2】アドリブ歓迎
ガザミなら、妾の思い出を見られてもいい。
それにしても、値踏みする敵の目が、奴の目によく似ている。
妾の父親。たぶん、銀毛の九尾。
顔を覚えていない。
ふらりと現れる度に、容姿がかわり、でも、あの目だけは変わらない。
奴の甘言に惑わされ、金で心を病んだ大人達に命を狙われたこと、数えきれず。
未熟な妾は、全てを殺すしかなかった。
皆、周りの思い出の中に見えるような、誰かには優しい父母、兄姉だったのだろうな。
ヘドロみたいな思い出に埋もれた記憶を、ガザミたちと過ごして取り戻せた。
母は子煩悩な人で、新しい思い出が懐の中にある。
今日の舞は、格別に鋭さマシマシだ。
ガザミと二人で存分に舞うとしよう!
それはきっと、その玉のように綺麗に煌めくような思い出なのだろう。
『僕の宝物だよ。綺麗でしょ?』
「確かに、星光を閉じ込めたようにキラキラして、集めたくなるほどに美しいです」
古妖『冥紫紡』の言葉に、思わずガザミ・ロクモン(葬河の渡し・h02950)も頷いてしまうほど、滝の裏に転がっている幻憶玉は綺麗なのだけれど。
でもガザミはすぐにハッとして、首を小さく横にぶんぶん。
「は。いや、ダメです。これらは、持ち主に返すんですっ!」
だってこの幻憶玉は、誰かから古妖が奪った思い出なのだから。
そして、神楽・更紗(深淵の獄・h04673)はふと、お耳がぴこり。
いや……ガザミにならば、自分の思い出を見られてもいい、とは思っていたのだけれど。
(「それにしても、値踏みする敵の目が、奴の目によく似ている」)
更紗には、眼前のそれが誰か、本能的にわかったのだ。
「妾の父親。たぶん、銀毛の九尾」
顔を覚えていないのは、ふらりと現れる度に、容姿がかわっていたから。
でも――あの目だけは、変わらなくて。
「奴の甘言に惑わされ、金で心を病んだ大人達に命を狙われたこと、数えきれず。未熟な妾は、全てを殺すしかなかった」
そう見える過去の光景に紡ぎながらも、更紗は思う。
……皆、周りの思い出の中に見えるような、誰かには優しい父母、兄姉だったのだろうな、なんて。
けれど、更紗はガザミに、眼前に繰り広げられているような過去を知られても構わないと思っている。
だって、それは過去の話であって。
「ヘドロみたいな思い出に埋もれた記憶を、ガザミたちと過ごして取り戻せた」
それに母は子煩悩な人で、新しい思い出が懐の中にある。
思い出という過去が、更紗にだってあったことを、取り戻せたのだから。
けれど、そんな更紗の思い出を不可抗力で覗いてしまったガザミの方が、涙が止まらない。
だって、更紗がひどく大人を怖がる理由を知ってしまったのだから。
「涙で前が見えませんですよぅ。戦闘中に僕の目を塞いじゃダメでしょ!」
けれど同時に、ガザミは思うのだ――こんなにも、残酷で恐ろしい思い出だとしても、更紗さんの一部、と。
『僕はいろんな思い出を集めてるから、こういうのも欲しいな……』
だから、そう紡ぐ冥紫紡へとガザミは声と視線を投げる。
――渡しません。絶対にっ! と。
更紗だって、このような過去を、しかもガザミと一緒に見せられれば。
「今日の舞は、格別に鋭さマシマシだ。ガザミと二人で存分に舞うとしよう!」
「僕も一緒に踊っていいんですか!? 盆踊りしかしたことないですけど、派手にいきましょう!」
――空を裂き 辻に足止め はたた神。
――イタダキマス。
「大蟹の背中を舞台に、どうぞ」
更紗の霊波がいつも以上に鋭く迸る中――金縛りの目で、敵を捕らえて、ご鑑賞あれ、なんて。
ガザミはしゃきんっと蟹爪を限界まで増やし、賑やかな祭囃子を打ち鳴らして。
『何で急に盆踊り……、うぐっ!?』
ふたりで一緒にキレキレな鋭さで、敵を踊り倒します!
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

「あれ? あれがわるいやつ?」
「よーしやるぞー!」
かろんは龍玉でポケットをぱんぱんにして、古妖の住処までやってきました。
大神に奥にいるのが敵だと教えられて、気合十分で挑みます。
古妖が語る思い出が現実を夢想空間に変えていきますが、漫画やアニメに慣れた世代のかろんには退屈な時間だったようです。
「むずかしい! はなしは! わからん!」
ルートブレイカーを発動し、右手で夢想空間をばんばん叩いて現実に戻していきます。無慈悲です。
「みんなやっちゃえ!」
元に戻った空間で大神や眷属たちをけしかけ、攻撃していきます。
敵が思い出を語るたびに、かろんは忙しくばんばんします。それなりに応援もしています。
キラキラな龍玉も大漁で、ほくほく気分で滝へと辿り着いて。
滝の裏の隠れ家を見つければ、こてりと首を傾げる獅猩鴉馬・かろん(大神憑き・h02154)。
「あれ? あれがわるいやつ?」
『僕の大事な宝物だから、あげないよ』
滝の裏へと足を踏み入れてとにかく進んだ先にいたのは、大きなキラキラの玉を独り占めしている存在。
その欲張りな言葉からもわかるように、眼前にいる人が話に聞いていた古妖だと大神も教えてくれたから。
「よーしやるぞー!」
かろんは七色の龍玉でポケットをぱんぱんにしたまま、気合十分!
倒すべくき敵へといざ、挑みます!
だが、相手は強敵の古妖。
『折角来てくれたし、僕が集めた思い出をみせてあげる』
かろんが動くよりも先に、封印されし誰かの思い出を語り始めれば。
周囲ががらりと、語りの内容を反映した夢想空間へと変じる。
でも、その話を聞いたかろんは、ますます大きく首を傾げるばかり。
語られる思い出は、きっと幻憶玉やこの夢想空間のような、綺麗な内容のものなのだろうけれど。
何せ、かろんは漫画やアニメに慣れた世代だから。
「むずかしい! はなしは! わからん!」
彼女にとってそんな話をされてもただただ、よくわからない退屈な時間であったようだ。
だから飽きて右掌で古妖に触れば、発動するはルートブレイカー。
『な、なんで、僕の思い出の空間が……!?』
そう驚く冥紫紡に構わず、右手でばんばん!
叩いては現実に戻していくかろん。その様は何とも無慈悲です。
そしてよくわからない空間を無効化すれば、元に戻った空間で、満を持して。
「みんなやっちゃえ!」
大神や眷属たちをかろんがけしかければ、総攻撃!
それに、敵が懲りずに再び思い出を語るたびに。
『く、じゃあ別の思い出を……って、また!?』
かろんは忙しくばんばん! 勿論それなりに、大神や眷属たちのことも応援もしているのです。
🔵🔵🔵 大成功

こんばんは。君が噂の古妖?
他人の思い出を愛でる、他人から思い出を聞いて愛でるならともかく奪い取って封印するなんて趣味が悪いねぇ。
「僕の思い出も欲しい?だ~め。あげない。」
僕の思い出はなんてことないものから、とても大切な物までどれだって、君のような存在にあげれる物じゃないんだよね。
Noirgeistで時計の短針と長針を模したナイフを召喚して両手に持ち、宙に様々な種類の影の傘を召喚。
傘に攻撃させたり、目の前で開いて目くらましをしたりして、敵の攪乱をさせている間に√能力で自身を強化。
その後、傘の影から攻撃していく。
「君が闇を纏うなら、僕も闇を纏って対抗しようかな」
夜の森を流れる、七色の龍の川の終着点は大きな滝であった。
いや正確に言えば、まだこの先はもう少しあって。
聞いた予知の通りに滝の裏側を見てみれば、巧みに隠された古妖の隠れ家が。
そして√能力者のお仕事をするべく、アドリアン・ラモート(ひきこもりの吸血鬼・h02500)はその奥へと進んでいれば。
お昼寝にも静かで良さそう、ではあったのだけれど。
「こんばんは。君が噂の古妖?」
『噂の? ああ、そうか、僕の宝物が綺麗だって噂が立っちゃったのかな』
声をかけてみるのは、滝の裏の洞窟にいた存在。
そしてどこか得意気な古妖『冥紫紡』へと、アドリアンは視線を向けて。
「他人の思い出を愛でる、他人から思い出を聞いて愛でるならともかく奪い取って封印するなんて趣味が悪いねぇ」
『趣味が悪い、だって? 見なよ、こんなにも僕の作り出す幻憶玉は綺麗でしょ』
それから冥紫紡はアドリアンにこう提案を持ちかける。
『それで、君にはどんな思い出があるのかな? 気に入ったら、僕にくれない?』
まるで吟味するかのように、じいと視線を向けながら。
でも勿論、それに対するアドリアンのこたえは。
「僕の思い出も欲しい? だ~め。あげない。」
それから小さく首を傾けつつも、こう続ける。
「僕の思い出はなんてことないものから、とても大切な物までどれだって、君のような存在にあげれる物じゃないんだよね」
自分の思い出はそう、誰でもない自分のものなのだから。
だから、思い出の代わりに、アドリアンはたっぷりあげることにする。
Noirgeistが刹那形を変え、時計の短針と長針を模したナイフを喚んで両手に持てば、宙に様々な種類の影の傘を召喚して。
傘に攻撃させたり、目の前でぱっと開いては目くらましをしたりした後。
敵を攪乱をさせている間に√能力で自身を強化し、傘の影からの攻撃を。
いや、攻撃は勿論のこと。
『く、この……!』
「君が闇を纏うなら、僕も闇を纏って対抗しようかな」
――闇よ、全てを飲み込む王となれ。我が影を纏い、破滅と栄光の力を示せ――Umbra Dominus!
Umbra Dominusを展開すれば、アドリアンも闇を纏い紛れる。
Umbra Regaliaで攻撃を仕掛けていきながらも、どんな内容のものだって、思い出を奪われるわけにはいかないから。
🔵🔵🔵 大成功

──みつけた。
キミがお爺さんの
大切な思いに漬け込んで
解き放たれた古妖だねぇ?
悪いけど、
楽しい気持ちで終わりたいから
あまり長居するつもりはないよ。
『──どうぞ、ご贔屓に。』
砂漠と蔦で捕らえて
牡丹の花を舞わせながら
思いに耽ける。
自分が店で提供した花を見ては
嬉しそうに笑ったり
真剣に悩むお客様の姿や
世間話に花を咲かせながら
楽しそうに茶菓子を嗜む常連さんの姿。
そんな日々の一片を思い浮かべる。
──こんなにも幸せな思い出を
渡してやるものか。
……冥紫紡、だっけ?
その玉を綺麗にしたいならさ
他人の思い出なんかより
自分の中の譲れない思い出の方が
よっぽど綺麗になると思うよ。
雨恋祭の喧騒だったり、七色の森であったり、滝の裏の隠れ家であったり。
隠れることが上手な古妖へと──みつけた、と。
「キミがお爺さんの大切な思いに漬け込んで、解き放たれた古妖だねぇ?」
『僕は、他人の思い出を愛でる古妖だからね』
そう悪びれもなく言う古妖『冥紫紡』へと、ボタン・フラワーデザート(砂漠の花・h07279)は端的に告げる。
「悪いけど、あまり長居するつもりはないよ」
……楽しい気持ちで終わりたいから、と。
その言葉を聞けば、古妖はまた興味津々に視線を向けるけれど。
『その楽しい気持ちって、思い出? どんなのかな?』
──どうぞ、ご贔屓に。
砂漠と蔦でその身を捕らえて、牡丹の花を舞わせながら、そしてふと思いに耽ける。
刹那、ぱっと様々な花が咲き、沢山の植物が並ぶ風景……それは、自分の店のもので。
店で提供した花を見ては、嬉しそうに笑ったり、真剣に悩むお客様の姿。
はたまた、世間話に花を咲かせながら、楽しそうに茶菓子を嗜む常連さんの姿も。
ボタンが思い浮かべるのは、そんな日々の一片で。
それは、いつもよく見る日常の風景かもしれないけれど。
だからこそ、ボタンは思うのだ――こんなにも幸せな思い出を、渡してやるものか、って。
そう告げれば、ますます興味深そうに古妖は見つめてくるも。
『君の思い出がどんな幻憶玉になるか、僕は知りたいな』
懲りずにそう紡ぐ敵へと、ボタンは教えてあげる。
「……冥紫紡、だっけ? その玉を綺麗にしたいならさ」
……他人の思い出なんかより、自分の中の譲れない思い出の方がよっぽど綺麗になると思うよ、と。
🔵🔵🔵 大成功

|記憶《おもい》を愛でる、か…
だが汝は|記憶《おもい》の有り様を解しておらぬな…
それは持つ者が抱き、語り、形にし紡ぐからこそ輝く
故に、汝の愛で方は輝きを奪い、独り善がりに作り変えておるのだ
大人しく持ち主に返し、聞き手に回れぬというのなら…
その過ちを繰り返させぬよう、輪廻させよう!
相手の先制攻撃を警戒し、できる限り素早く回避(相手が必中状態なら【オーラ防御】で防御)できるよう身構えつつ「形成した輪廻が、破滅を撃ち砕く」で攻撃
もし相手が隠密状態であればあえて弾丸を自分の近くに着弾させ、自身を強化しつつ相手からの奇襲を防いでゆく
状況によっては【範囲攻撃】も織り交ぜ相手を燻り出し、追い詰めてゆこう
夜の森を流れる龍の川を辿って、辿り着いた古妖の隠れ家。
それは、水飛沫上がる滝の裏側であった。
そして、その奥にいたのは。
『僕は冥紫紡……。他人の思い出を愛でる古妖だよ』
他人の思い出を封印した幻憶玉を大事そうに愛でる、古妖『冥紫紡』であった。
いや、レイパスト・サンカバー(新生せし「|界食《EclipseZero》」・h06654)が見ても、古妖が抱えている幻憶玉とやらを見れば、綺麗だとは思うのだけれど。
「|記憶《おもい》を愛でる、か……」
そう紡ぎつつも、ふるふると微か首を横に振って告げる。
「だが汝は|記憶《おもい》の有り様を解しておらぬな……」
――それは持つ者が抱き、語り、形にし紡ぐからこそ輝く、と。
だって冥紫紡が宝物だと言う幻憶玉はすべて、誰か別の人の思い出を奪って作ったものなのだから。
とはいえ、相手は古妖。レイパストの言葉が理解できない様子で、逆に首を傾けて。
『でも見てよ、この幻憶玉、こんなに綺麗だよ』
「故に、汝の愛で方は輝きを奪い、独り善がりに作り変えておるのだ」
そうはっきりと告げても分からぬ様子の古妖へと、レイパストは言い放つ。
「大人しく持ち主に返し、聞き手に回れぬというのなら……」
――その過ちを繰り返させぬよう、輪廻させよう! と。
『じゃあ、そんなに言う君の思い出は、どんな幻憶玉になるんだろうね?』
そうあくまで奪った思い出にしか興味がなさそうな古妖には、何を言っても無駄なようだから。
幻憶玉による相手の先制攻撃を警戒しながらも、できる限り素早く身を翻して。
反撃がきても回避できるよう身構えつつも、レイパストは発動させる。
――未来を絶たせはせぬ……砕け、そして輪廻せよ!
輪廻の弾丸を撃ち出し、破滅の光を悪しき存在に見舞いながら。
そんな冥紫紡はすかさず闇に紛れ隠密状態になるけれど、それも想定済。
あえて弾丸を自分の近くに着弾させて自身を強化しつつも、相手からの奇襲を防いでいく立ち回りを見せながらも。
『僕を見つけられるかな……う、ぐっ!』
範囲攻撃を織り交ぜ、隠れてばかりの相手を燻り出しては、攻撃をたたみかけて。
|記憶《おもい》の本当の美しさを理解していない敵を追い詰めていく。
🔵🔵🔵 大成功

志稲愛海マスターにおまかせします。
【概要】自身のことを地縛霊だと思っていたが、実は生前などない“そういう設定”の怪異。
カミガリの部署の1つ、特殊捜査四課にて管理されている。
おどおどした様子で自身なさげ。
噂の内容のブレから、性別や年齢がよく変わる。
【心情】こんなぼくでもできることがあれば!という感じで頑張ります。
【戦闘方法】敵を「落とし手」で引きずり込む、精神を操り事故を誘発する、交通ルールを利用した攻撃など。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
夜の森を征き、七色の彩りが導くまま、辿り着いた大きな滝。
そしてその裏側に隠された洞窟へと、そろりと足を踏み入れたのは、柳・弥月(人妖「交通事故の地縛霊」の心霊テロリスト・h05779)。
古妖がいるというこの洞窟は、罠なども特になさそうな、何の変哲もない洞窟に見えるけれど。
奥に進むたびに、弥月はそれをいくつも目にする。
キラキラと煌めく、大きな玉――幻憶玉を。
そしてそれを作り出した存在は、隠れ家の最奥にいて。
『僕は、他人の思い出を愛でる古妖。幻憶玉に思い出を封印するんだ』
……君はどんな思い出があるのかな、なんて問われれば、ちょっぴりおどおどしてしまう。
だって弥月は、今でこそ|警視庁異能捜査官《カミガリ》の部署の1つ、特殊捜査四課の管理下にありながらも、こうやって出歩けたりはしていて。
自身のことは地縛霊だと思っていたのだけれど。
でも実は弥月は――生前などない、“そういう設定”の怪異なのだ。
だから、思い出と言われても、そんなものがあるのか、自信もないし。
何より、交通事故の怪異に関する噂の内容のブレから、性別や年齢さえもよく変わるのだから。
そして冥紫紡が封印されし誰かの思い出を語れば、周囲が夢想空間へと変わるけれど。
でも、逆に言えば、弥月は誰よりも「思い出」を持っているのかもしれない。
「……使わせてもらうね。ぼくが“今”を生きるために」
刹那覚醒するのは、知られざる、とある「交差点の地縛霊」の記憶。
沢山の交通事故の地縛霊の記憶が、弥月にはあるのだから。
そして――こんなぼくでもできることがあれば! と。
動揺している冥紫紡の精神を操り、事故を誘発させて。
『え、これって、誰のどういう思い出……ふぎゃ!』
ふいに躓いた岩による不運な転倒事故で、心身共に大ダメージを与えるのだった。
🔵🔵🔵 大成功

【光と翼】
アドリブ歓迎
思い出関連ノベル
https://tw8.t-walker.jp/scenario/show?scenario_id=3162
…俺の、思い出?
【冥紫紡に思い出を覗かれたなら】
…っ!…グルルル
(あれも思い出に入るんだな。…なら、今のライラと一緒にいる記憶も…?)
…思い出、盗られる、嫌だ
(ライラが「これからも思い出を作っていこう」って言ってたから、盗られたらそれが出来なくなる。ライラも、きっと悲しむ。…それも、嫌だな)
そう思いながらマスクを外して言霊を放つ。
…動くな
「怪力」が加わった体術やナイフで攻撃。
敵の攻撃は、致命傷になるもの以外は「異常修復」や「痛覚麻痺」を利用し、敢えて受けて【自己修復】や「カウンター」を繰り出す。
【全てを食い千切る狂犬】では、「痛覚麻痺」や「異常修復」を活かして自身の腕や首の皮膚を切り裂いて再行動を繰り返す。
隠密状態の敵は「過剰強化」された嗅覚や聴覚で居場所を「追跡」、察知して躱す。
…グルルル
(あの記憶が無かったら、こうやって反抗することも、友達と一緒に居て楽しいって感じることも無かったんだろうな)
…ライラ、ごめん。…いつもの、癖で、気持ち悪い、ところ、見せた。
(自分を守りながら戦うの、やっぱり難しいな)

【光と翼】
アドリブ歓迎
思い出……?
わたしは思い出が欠落しているから、残念だけれど差し出せるものはないわ
だから──(すらりと愛剣を抜いて)
戦いましょう、護るために
……ルカさん!?
彼の様子が変わったのは冥紫紡の仕業ね
ぎり、と唇を噛み
……ルカさんの大切な思い出を盗らせたりしない!
ルカさんは、何も持たない空っぽのわたしを友達って呼んでくれた!
これから一緒に楽しい思い出を作るんだからっ!
[迷彩]を纏いながら[怪力]で[貫通攻撃]をして[傷口をえぐる]
冥紫紡からの攻撃は【révélation】で対応
ルカさんの戦い方に合わせて、わざと冥紫紡からの攻撃を受けてからカウンターを返す
これでお揃いね、ルカさん!
ルカさんとの楽しかった「思い出」を奪われることを恐怖している自分に気づいた
ああ、そうだわ
わたし、もう、貴方に貰っていたの
わたしがずっと欲しくてたまらなかった、大切な思い出を──
【lumière】で祝福のような光の雨を降らせる
ううん、気持ち悪いだなんてとんでもないわ!
ルカさん、とっても格好良かったの!
でも──、と戦う前の約束を笑いながら話す
「帰ったら、怪我したところを撫で撫での刑よ!」
ルカさんといるとぽぅっと胸があたたかくなるの
今日のことも、きっと大切な思い出になったわ
まるで、この地に眠ると謂れている七色龍が導いてくれたかのように。
虹色の川を辿った果てに見つけたのは、飛沫を上げる滝であった。
そして此処で龍の川の道も終わり、この先は行き止まり……かと、思ってしまいそうになるけれど。
でも、よくよく目を凝らせば、見つけるのは道の続き――滝の裏にあるのはそう、古妖の隠れ家。
これまで歩んできた龍の川を仄か照らしていたのは、様々な色に輝く龍の鱗のような龍玉であったけれど。
同じ周囲を照らす玉でも、滝の奥の洞窟にいくつも転がっているそれは。
『僕は他人の思い出を愛でる『冥紫紡』、幻憶玉に思い出を封印するんだ』
そう、この場所に潜む古妖――『冥紫紡』が、人々から奪った思い出で作ったもの。
さらに古妖に思い出を奪われた人は、ずっと眠ってしまうのだという。
とはいえ冥紫紡にとっては、思い出をなくした人がどうなろうと構わないのだ。
だって、奪った思い出はキラキラと、それぞれの彩りを放っているから。
だから冥紫紡は、満足気に幻憶玉を撫でながら笑う。
……僕の大事な宝物だから、あげないよ、って。
そして経緯や理由などは、古妖から奪われて眠る人達とは違えど。
「思い出……? わたしは思い出が欠落しているから、残念だけれど差し出せるものはないわ」
ライラ・カメリア(白椿・h06574)も、その言の葉通り、抜け落ち欠けているのだ。
周囲から愛されていたはずの鳥がどのように、どうして籠の中から羽搏いて自由を得たのか。
いや……何も識らないでよかった、甘やかな籠の中の鳥であったことさえも。
ライラも思い出を失ったのだ、言ってはいけない言葉を口にしたあの時から。
故に、いくら古妖が欲したって、それをあげることができないし。そのことは、ライラ自身もよくわかっているから。
――だから、と。
そう口にすれば、すらりと愛剣を抜いて。
「戦いましょう、護るために」
嘗て聖女が振るったと云う聖剣を手に、ライラは紡ぐ。今、自分がやるべきことを。
だって、コウガミ・ルカ(解剖機関の飼い犬・h03932)と共に此処へとやって来たのは、それを成すためなのだから。
けれど刹那、冥紫紡は嬉々と語り始める。封印されし誰かの思い出を。
そして夢想空間が広がれば、ルカは思わず瞳を見開いて、焼けただれた喉から出辛い声を落とす。
「……俺の、思い出?」
『君、思い出あるんだろう? ね、僕に見せてよ』
それは、無機質な研究所の光景。
投与され続ける薬物、名も知らぬ白衣の群れ、回復するも残る傷跡、ぼんやりと薄れる意識、激痛や息苦しさ――そして。
大人しくしていることしか知らなかった自分に、彼女が差し出してくれた手や言の葉。
そんな自分の思い出を、吟味するかのように冥紫紡に覗かれれば。
「……っ! ……グルルル」
唸りながらも、ルカはこうも思う……あれも思い出に入るんだな、なんて。
それから、ふと耳に届くのは。
「……ルカさん!?」
様子が変わった自分に気づいて向けられたライラの声。
そして冥紫紡の仕業だと即座に状況を察したライラの耳にも、ふいに彼の声が届く。
「……思い出、盗られる、嫌だ」
だって、ルカは考えてみたのだ。
思い出が奪われると、どうなるのかを。
(「……なら、今のライラと一緒にいる記憶も……?」)
手毬かき氷や金魚風鈴の音色を楽しんだ雨恋祭りに、互いに龍玉を拾って交換した龍の川。
それこそ研究所で隔離されていた時には感じなかった、ぽかぽかするような心臓辺りの暖かさ。
それらが奪われてしまうって考えれば、ルカは思ったから――それは嫌だ、と。
そしてそんな彼の声を聞き、その姿を見れば、ぎり、と唇を噛んで。
「……ルカさんの大切な思い出を盗らせたりしない!」
ライラは真っ直ぐに冥紫紡へと視線を向けて、声を上げる。
「ルカさんは、何も持たない空っぽのわたしを友達って呼んでくれた!」
――これから一緒に楽しい思い出を作るんだからっ! と。
そしてそんな言葉を聞けば、ルカは改めて思うのだ。
(「盗られたらそれが出来なくなる。ライラも、きっと悲しむ」)
……それも、嫌だな、って。
だからそう思いながらも、ルカはマスクを外して放つ。
あの時に、反抗してもいいって、教えて貰ったから。
「……動くな」
怪力が加わった牽制の言霊を、その言霊が宿す捕縛の力を、連なるナイフの刃の閃きを――眼前の敵へと牙を剥く、狂犬の咆哮を。
けれど相手も古妖、向けられる攻撃に顔を顰めるも、幻憶玉の射程まで跳躍すれば。
『! く、そうはさせないよ。だって僕には、幻憶玉があるんだからっ』
闇を纏い隠密状態になりつつ、素早く先手を取らんと攻撃を仕掛けてくる冥紫紡。
だがルカは、敢えてその攻撃を受ける。
痛覚をなくす「異常修復」や「痛覚麻痺」を利用し、そして繰り出すは展開した自己修復のカウンター。
『……!?』
「……痛み、無い。身体の、損傷、作り直せば、いい」
反撃と共に、受けたダメージを全回復させるために。
だがそれは何も、ルカだけではなくて。
ライラも迷彩を纏いながら、怪力を駆使した貫通攻撃で傷口を抉らんとすれば。
同じように、幻憶玉の射程まで跳躍し先制攻撃を仕掛けてくる敵の攻撃をわざとその身に受けた刹那。
「これでお揃いね、ルカさん!」
『なっ!?』
冥紫紡へと間髪入れずに振るわれるは、|Valkyrie《ヴァルキリー》――révélationによる反撃のカウンターを繰り出せば、全回復してみせて。
転がる幻憶玉を改めて見たライラは気づき、そして自覚する。
過去の思い出は、確かに欠落したけれど。でも、今の自分にだってあるのだということを。
彼との楽しかった「思い出」が……そして、それ奪われることを恐怖している自分に。
だから、向けた空色にルカの姿を映せば。
「ああ、そうだわ。わたし、もう、貴方に貰っていたの」
――せめて最期に祝福を──!
刹那、戦場に降り注ぐは、祝福の如き光の雨。
そう、ライラはもう貰っていると気づいたのだ。
(「わたしがずっと欲しくてたまらなかった、大切な思い出を──」)
そして『全てを食い千切る狂犬』を痛覚麻痺や異常修復を活かし、再行動を繰り返すべく、ルカが自身の腕や首の皮膚を切り裂けば。
闇に紛れる敵の居場所を追跡して察知し、咄嗟に身を翻して躱す。
冥紫紡の攻撃を、過剰強化された嗅覚や聴覚をもって。
『! 闇を纏っているのに、何で……、ぐぅっ!』
そして大きくよろめく敵へと……グルルル、と再び唸りながらも。
「………壊す」
「――お覚悟を」
「白椿」の嵐を纏い、必殺・剣の舞を繰り出す彼女と共に大きく踏み出して。
『……っ! 思い出僕だけの、宝物、なのにっ……がはっ!』
冥紫紡へとふたり一緒に最後の攻撃を見舞いながらも、ルカはやはりこう思うのだった。
(「あの記憶が無かったら、こうやって反抗することも、友達と一緒に居て楽しいって感じることも無かったんだろうな」)
そしてついに古妖が地へと崩れ落ちた後、戻って来た夜の静けさの中、ルカは紡ぐ。
「……ライラ、ごめん。……いつもの、癖で、気持ち悪い、ところ、見せた」
それから、ちょっぴりしゅんとしつつも思うのだった。
(「自分を守りながら戦うの、やっぱり難しいな」)
けれどそんな彼へと、ライラは首を大きく横に振ってみせた後。
「ううん、気持ち悪いだなんてとんでもないわ! ルカさん、とっても格好良かったの!」
でも――と笑いながら続けるのは、戦う前のこんな約束。
「帰ったら、怪我したところを撫で撫での刑よ!」
そして、奇跡のように煌めく|世界《いま》がやはり好きだと、そう思う。
(「ルカさんといるとぽぅっと胸があたたかくなるの」)
ふたりで楽しく過ごした今日のことも……きっと大切な思い出になったわ、って。
それにこれからも一緒に、たくさん思い出を作っていくつもりだから。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功