開けよブラックボックス
●マスター・キー
人間の精神の脆弱性については――人類の脳髄のブラックボックスについては――最早、描写をする必要もないだろう。特に、√汎神解剖機関の『人類』の黄昏については、と、付け足しておくべきか。では、言の葉を返すようで悪いが、もしも、その暗黒とやらをお手軽に『解放』する事が可能であれば如何に。そんな『こと』が全人類に広まれば、人類は愈々、人類を止めてしまうに違いない。ヴェールの裏側に隠された狂気とはあまねく己との会話でしかないのだ。オマエは人であり、獣であり、蛆である、と。
全てはひとつの『夢』から始まった。その夢とは『他者を意のままに操りたい』という、人らしいものであった。それがフィクションの中であれば、容易な事くらいはわかっている。そう、所謂『催眠アプリ』と呼ばれる代物だ。さて、ここで、このカートゥーンが現実に侵蝕してきたなら如何に。催眠アプリは『鍵』のカタチをしている。渦巻きやら、光線やら、そのような『わかりやすさ』は不要なのだ。
あらあら~……私が見てしまったばかりに、動いてしまったばかりに、こうなってしまったのね。でも、全部、あなた達が望んだ事ですので~……。
全てを理解したが故の廃れだ。避けられる筈のない狂気だ。
泡立つものを受け入れてはならない。
●インストール
「君達ぃ! いや、ちょっと厄介な事になってねぇ。催眠アプリって知ってるかい?」
星詠み、暗明・一五六の口から飛び出したのは実に『らしい』言葉であった。
「待ってくれ給え。そういう話じゃあないのさ。その『催眠アプリ』ってのが如何やら本物みたいでねぇ。内容はわからないんだけど『鍵』をモチーフにしているってのはわかってるのさ。色? さあねぇ。銀色だったりするんじゃあないのかい?」
星詠みはそれらしい『鍵』を卓上に置いた。
置いたのだが、それがレプリカとして上出来なのかも不明である。
「まあ、あれさ。催眠ってのは本来、やりたくない事は『させられない』ものさ。それを捻じ曲げられるって事は、それはもう催眠じゃあないねぇ。何をさせられる? たぶん『全部を知りたい』とか『脳を開きたい』とかじゃあないのかね。アッハッハ」
抗う為の準備はした方が良さそうだ。
マスターより

にゃあらです。
鍵。
第一章。
催眠アプリ。何かを知りたい、何かが欲しい、そういう感情に反応する可能性が高いです。ただし、今回のシナリオではへっちなのはいけません。
へっちなのを強行したら身体を開かれて死にます。
第二章。
不明です。
第三章。
怪異との直接対決となります。
78
第1章 冒険 『催眠アプリの脅威!』

POW
気合と根性で催眠アプリに抗おう!
SPD
催眠アプリを見ないように頑張ろう!
WIZ
催眠アプリにかからないよう頭を使おう!
√汎神解剖機関 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
世界中を――全人類を――いつの日か、完全に堕落させる事を目的とでもしていたのか。本来ならば真逆を意図して扱われるだろう『鍵』を、冒涜している者こそが人類側に違いない。これはブラックボックスを開ける行為だ。ブラックボックスを開け、中身を理解し、正気の悉くを葬り去る窮極性である。
催眠アプリ――そう、世間では噂されている『本物』の正体。これを暴かなければ怪異の存在になど辿り着けないであろう。いや、もしかしたら、見なかった事にした方が良いのかもしれないが。それが出来るほど君達は真面ではないのだ。
全ては一に至り、再び、全としての侵略を開始するのか。
――鍵は君の前にある。

「POW」
……催眠です?
ふぁ……便利な様で、不便なもの……そう言った認識がある、ですが……時には救いにもなり得るモノ……それこそ、ヒトによりそう、ですけど……眠い、のです……
知りたいとなれば……なぜ眠くなり眠ってしまうのかが、知りたい、ですかね……
ヒトも、僕みたいな災厄も……眠気には勝てないのです……
「良い夢を見てね」
せめて夢の中は、幸せにありたいモノ……そう思いたいですし、夢を知りたいとも思うですね……ぐぅ……
アドリブ、歓迎です……
欠落しているのだ。本質へ手を伸ばす事は至難と謂えよう。
――門へと至る為には先ず、感覚を掴まなければならない。
三大欲求――その中のひとつ――最早、齎される必要もなく朦朧なので在れば『鍵』は無用の長物とされるのか。たとえば、若い頃。干渉された混沌の面構えについては、いよいよ記憶の片隅、泡沫に等しい。これを病だと見做すのならば『そう』なのだろう。これを慈悲と宣うのであれば『そう』なのだろう。まるで輪廻のような有り様に何を見ると謂うのか。……催眠です? 小さい欠伸に連なっての大きな欠伸、地面に寝転がってしまいそうな状態でも、尚、物を探している姿はいっそ正しくも思えた。ふぁ……。便利なようで不便なものだ。夢のようなもので、現実にしかないものだ。上下逆さまとなった認識に泡立ちのようなものを覚えたのは何故であろう。……時には救いにもなり得る、と、そうは、思いませんか……? 結局のところ全も一も人次第である。人に、如何様に『認められるのか』が『鍵』の有効な使い方なのかもしれない。……考えていると、眠く、なりますね……。考えなしと描写をしたのは何者であったのか。疑問とやらに答えはない。
知りたいとなれば……覗き込みたいと、なれば……なぜ、眠くなり、眠ってしまうのかが、知りたい、ですかね……。知ろうとしたところで、開いたところで、瞼の裏側が回転しないのであれば如何しようもない。如何に欲しがっていたとしても盲目、王様の方が出しゃばってしまえば台無しか。ヒトも、僕みたいな災厄も……眠気には勝てないのです……。度し難い高さの尖塔ではないか。天と地を無用とする所以など、既に朽ち果てているに同じであった。「良い夢を見てね」誰に対しての言の葉なのだろう。誰に対しての挨拶であろう。
せめて夢の中では……幸せにありたいモノ……そう、思いたいですし。
夢を知りたいとも、思うですね……。
墓を発くにしても道具は不可欠だ。
……ぐぅ……。
🔵🔵🔴 成功

渇望に反応するなら……鍵とやらに遭遇できる可能性は高いでしょうか
とはいえ。
切り開き、底を浚い、徹底的に調べ尽くして……
無いものは無かったが故の欠落であり、
僕が僕として此処に居る理由ですから。
“調整”に際し足の出た分を放り込んだ|忘却領域《ブラックボックス》、
無いとは言いませんが無価値で不要な事は分かり切っています
戦闘機械を洗脳するAIのような、模倣で仕立てた贋作のような……
粗末な紛い物では誤魔化しにもならない事も。
催眠の影響は《気合+義侠心》で捻じ伏せ
《第六感》《ハッキング》併用で必要な手掛かりを掴み取ります
後は……【忌刻】は“最も必要な能力”に恩恵があるそうですから。
それもヒントに使えるかと
ひどく消沈をするかのような心地であった。文字列の中で戦っているのだと気付かされたかのような気分であった。叩かれた画面の数々は最早未曾有、美しくも全てが『脳髄』を知るのか。絡みつくかのような暴挙――とめどない知性の海嘯。
渇望に反応するなら――覗き込んでくると謂うのなら――鍵とやらに遭遇できる可能性は高いでしょうか。鍵とは戸口を開ける為の切っ掛けに過ぎない。その切っ掛けを真に望み、解いてしまうのは他でもない己の精神であった。とはいえ……。切り開き、底を浚い、徹底的に調べ尽くして……。無いものは無かったが故の欠落であり、僕が僕として、正しさとして、此処にいる理由ですから。嗚呼、魔が如何して勇を敵とするのか。敵の在り方とやらを如何して倣いたがるのか。脳髄が幾ら集ってきたところで遍く沙汰など把握できない。……調整に際し、足の出た分を放り込んだ|忘却領域《ブラックボックス》、無いとは言いませんが無価値で不要な事は分かり切っています。これは『真』である。真実として存在を証明されてしまったのだから、今更、覆す事など不可能だと謂う事か。戦闘機械を洗脳するAIのような、頭の中をすっかり洗い流すかのような、模倣で仕立てた贋作のような……。粗末な、|紛い物《●●●》では誤魔化しにもならない事も……。態々、神の逆鱗に触れる事などない。何に覚醒するのが最善と解せる。
捻じ伏せてやった。地に叩き落してやった。此処が地面ではなかったとしても、この状況を曲げる事などさせない。アプリケーションに対しての干渉だ。蜘蛛の糸を手繰り寄せるかの如くに『怪異』へと精神を投じる。これは……怪異……と、謂うよりも……災厄……。解かれた封印をもう一度だ。まるで再生されたレコード。容赦なく反芻される過去と現在と未来の、カオスとした光景――成程、僕個人としては、あまり、趣味が良いとは思えないです。恩恵は得られた。如何やら、この第六感も『彼女』にとってはスクリーンらしい。
🔵🔵🔴 成功

POW判定、アドリブ大歓迎。
催眠ねぇ、いや催眠じゃなかったわね、じゃなんなのかしらコレ。
アタシの知りたいことと言われてもねぇ、昔のことはわかんないし。
知りたいかと言われたら|特に気になるわけでもないし《欠落に加えて思い出そうとしないようされてる》。
(どうにかこうにかして遠隔で聞いてる義妹はほくそ笑んで後ろで聞いてる実妹はガックリとうなだれてるだろう)
まぁ、考えてもどうにもならないことは考えても仕方ないわね。
いっそ|アンタ《鍵》の元凶っていうか今回の騒ぎの元でも教えなさいよと鍵を振ってみる。
災厄撒き散らしたら最後には希望が出てくるのはお約束でしょ?
思うようにはいかないものだ。
思う事すら出来そうにない。
掌の中のお手製については――誰もが怖れる執着の結果については――最早、理解している者は僅かであった。女曰く、僅かであるからこそ『今』が在るのだが、さて、虎視眈々と揺蕩っている者の姿や如何に。催眠ねぇ……いや、催眠じゃなかったわね、じゃなんなのかしら|鍵《コレ》。意識をしていようとも、意識をしていなくとも、干渉をしてくる不愉快なアプリケーションだ。雑に指先を触れてやるだけで己の欲望とやらと向き合えるらしい。アタシの知りたい事とか、アタシの身体の中身とか、言われてもねぇ。昔のことも今のことも、ひとつのことくらいしか興味ないし……。では、知りたくないのか、と。その患いの所以を理解したくはないのか、と。きらめく鍵が唆してくる。そんなことを言われても、特に気になるわけでもないし……。鍵の向こう側の誰かさんも『これ』には笑うしかない。遠く遠く、鍵とは一切関係のない誰かさんは、さて、ほくそ笑んでくれるのだろうか。ついでに三人目、真にオマエを『知っている』者にとっては絶望の欠片ともなり得る。……? 今、誰かに見られていたような……気の所為ね。まぁ、考えてもどうにもならないことは、頭の中にあっても仕方ないわね。欠落を埋めるわけにはいかない。それを、埋め尽くして終ったら――ハッピーエンドに辿り着いてしまうから。
いっそアンタの……鍵の……元凶っていうか、持ち主っていうか、今回の騒ぎの黒幕でも教えなさいよ。ぶんぶん、アプリケーションとやらを振ってみる。乱暴をされたと認識したのか『鍵』はカチリと文句を垂れた。災厄撒き散らしたら最後には希望が出てくるのはお約束でしょ? ピトスとなったオマエが『それ』を宣うのか。ブラックボックスの正体を暴く行為は果たして『誰』の為の未来と謂えよう。
……あらあら~……もう、見つけちゃったのね~。
でも、もう少し待ってくれると助かるわ~。
泡のような状態だ。水泡に擁されて、そのまま。
――奈落のようにされてしまうか。
🔵🔵🔴 成功

榴(h01965)と共闘
「催眠アプリ、真偽を|彼《星詠み》で確かめても良さそうな気はしますが……」
後ろ髪が引かれる思いを抱きつつ煙草に火を着ける
アプリ使わなくても好き勝手している? ずるいひとです
【魂魄蝶】を発動
何か集められる話はないだろうか?
さらに興奮剤を|過剰投与《オーバードーズ》
「ァ、ァァ……」
ぐるぐると|目を廻し《精神汚染》ながらアプリを起動、攫める成果はあるだろうか?
「榴?」
彼女の場合、きっかけにしてタガが外れる可能性がある
自傷行為に走らないように手を繋いで様子を見守るけど、お薬で気持ちよくなっている私こそ心配されそうな
ああ、堕落させて、満たして欲しい
榴、刺すならまず私にしてください

アドリブ・アレンジ歓迎。
小鳥姉様(h01076)と共闘。
心情
…いや、小鳥姉様。
…それは…多分、意味がないかと…。
…あの店長様だと…寧ろ、堕落させたがるので…。(経験者談)
…今更、アプリで…堕落の上書きが可能なのだろうか?
…で、出来ないような気がする。
…さ、刺しませんから。
…小鳥姉様、僕は…こう謂うのに…何故か耐性が…。
行動
小鳥姉様の様子を見つつ、√能力で[第六感]を底上げする
隣で当たり前のように薬の使用されるのを見て止めはしない
僕はあの方との|契約《・・》で既に|堕落《・・》している
こっそり繋いだ手とは反対の手で、器用に手首に打ち込むのは、自前の薬。
この状態で催眠アプリを直観で解析を試みる。
外れてしまったタガを如何して、直す必要がある。
与えられたきっかけを誰が台無しにするものか。
池に浮かんだ満月の美しさ、それを実態なのだと思い込んでしまえば、あとは楽なのか。身を投げて、五体で着地し、支離滅裂な言動とやらに神意を見出せたのならば享楽とせよ。まるで酩酊者のように、まるで依存者のように、水煙草の傍らに酒気を置いていく。嗚呼、たとえば煙草の代わりとしてオピウムとやらを添えてやれば如何だろうか。結局のところ生涯と謂うものは――魔物のような沙汰であった。……催眠アプリ。なんともチープな、なんともカートゥーンな響きではないか。コメディの一歩先で待機しているのは果たして、聖人への試練に違いない。真偽を|彼《星詠み》で確かめても良さそうな気はしますが……。まったく恐ろしいほどの情念だ。後ろ髪を引かれる思いに抱かれながら、ゆっくり甘い匂いを愉しんでみる。さて、脳裡に浮かんだ『もの』は惰性であったのか。頭蓋骨の内側で回路とやらが七転八倒をしている。……小鳥姉様……その、それは……多分。知っている。二人とも『あれ』がどのような『もの』なのかを理解している。しているからこその心地であった。……むしろ、堕落させたがるので……。今更、そのような玩具で塗りたくる事が可能なのか。今更、そのような戯れで狂わせる事など可能なのか。絡みついた蛇よりも蛇をしている、蠍よりも蠍をしている、安定してきた奇跡。……アプリを使わなくとも好き勝手している? ずるいひとです。甘いところだけ掻っ攫った夜鷹、魂の残り滓の行方や如何に。
青白いものだ。精神も、|顔《かんばせ》も、何もかもが青白くなりそうだ。泡沫よりも、胡蝶よりも、長めに漂う美しさは笑顔を見せる為の下準備であるのか。そんな籠の中の鳥のお隣、同じく、籠の中の果実は『経験』を摘む事とした。知っている。これも、知っている。味わい方を心得ているからこそ、黙しているのだ。ァ、ァァ……。吸い付くようなお薬からの天啓――笑顔が綺麗だったと謂うのに、この目廻しはある種のナンセンスを孕んでいく。攫めた情報の中のひとつ、興味深いものがあった。これは、精神に対しての干渉だ。深く、深く、念入りに『時空がどのようになっているのか』を、懇切丁寧に……。いけない。これは、いよいよ逝ってしまいそうになる。眩暈を振り払う事だけは出来そうになかった。
……榴?
掴んでいたのは、繋いでいたのは、精神ではなく掌であった。もしも精神を繋げていた場合、四之宮・榴は如何なっていた事か。……僕は、あの方との|契約《●●》で既に|堕落《●●》している。していたところで何だと謂うのか。契約をしていなくとも、何れ、こうなっていたのではないか。此方もしっかりと目を廻している。こっそりと、ゆっくりと、器用に手首へと打ち込んだ――。解析をしよう。解析をして。
……僕は、今度こそ、抗う事もなく……?
自傷してはならない。自殺してはならない。神に説かれたのかと疑うほどに、それを相手に伝えるかのよう。……私の方が、心配されそうではあります。ああ、堕落させて、満たしてほしい。満たしても、満たしても、決して溢れない、都合のよろしい地獄ではないか。榴、刺すならまず私にしてください。……さ、刺しませんから。
……小鳥姉様、僕は……こういうのには……何故か……。
それは、榴、貴女が……これ以上ないほどに……。
二人して渦巻きへと引っ張られ、鍵は要らない。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

POW 連携アドリブ歓迎
他者を支配したいという願望はわかりますし
されたいという人も居るんでしょうけど
私は支配する側にも
支配される側にも立たないことを望みます。
私は解放するもの。
秩序を解体し、自由をもたらし
その先にある混沌を所望します。
願わくば、それが人の為になりますように。
人々が目先の|▓▓《安心》を拾うことなく、
不安を直視しながら生きられる世界が訪れますように。
|計画性《正気》などはじめから葬り去っていますから
正面突破でいかせて頂きます。
鍵とやら、接触できたら私の脳にインストールして
その性質を|解析《<ハッキング><情報収集><第六感>》し
事件解決の鍵となる予言【究極の回答】を導出します
大きな、大きな、何か。
私の目の前で指を廻している。
人形遊びに夢中なのか、鍵をかける事すらも忘れて……。
アプリケーションに囚われてコミュニケーションを忘れてしまった。支離滅裂だと嗤われる事もなく、只、これこそが正常なのだと盲目をする他にない。ヒトサマからのお叱りも、ヒトサマからの文句も、何もかもを塗り潰してやれば――嗚呼、ある種の幸福だけが息をするのか。他者を支配したいという願望はわかりますし、されたいという人も居るんでしょうけど。私は支配する側にも、支配される側にも立たないことを望みます。つまりは宣誓、己の為だけではなく、他人の為。いいや、世界そのものを抉じ開けるかのような想いで在ろうか。私は解放するもの。秩序を解体し、自由をもたらし、その先にある混沌を所望します。まったく危うげな脳味噌ではないか。噛み砕く要素すらも徹底的に排除して、丸呑みし易くする行為は――それこそ狂気と謳うべきだ。願わくば、それが人の為になりますように。人々が目先の|▓▓《安心》を拾うことなく、不安を直視しながら生きられる世界が訪れますように。まるで羽虫のような、蛆虫のような、覚悟の為の教唆ではなかろうか。腐敗を腐敗の儘に受け止めて――誰が錯乱せずに居られよう。
計画性など……正気など、はじめから葬り去っていますから、正面突破で、殺される猫のように、いかせて頂きます。インストール先はスマートフォンではない。鍵を差し込むべきは錠ではない。私の脳です。ずぶり、呆気なく、頭蓋を無かった事にでもしたのかと疑うほど。その性質、その正体、ここで私が|解析《知》ってしまいましょう。事件解決の『鍵』となる予言は如何に――そうとも、究極の回答。これは窮極なのだと示してくれ。消滅こそが最大級のおもてなしだ。
……これ、は。ぐるりん、ぐるりん、文字通りに目玉が回っているようだ。確信しました。間違いありません。私は今、ノイズを取り除かれる、手前のところに、います。インスタントに作られたインサニティどもの集合知。門の彼方で発見したのはぬいぐるみではない星越・イサで在ったのだ。……私が最初に直視しなければ、ダメなのは、わかっていますので。
月が落ちてくる。
🔵🔵🔴 成功

催眠アプリとかお手軽過ぎて怪しい!
普通に考えたらジョークアプリかウィルスだよねー
今回は本物よりもヤバいものらしいけど
催眠で何かをやらせるにしても行動できなければ意味ないよね
ねむねむにゃんこなボクは催眠にかかったら即マジ寝!
ぐっすりと寝てしまえば行動できないからね!
そこに<忘れようとする力>が加わることで寝てる間に催眠も忘れちゃう!
これで完璧なのです
とゆーことで…おやすみにゃさ~い
魂が九つ存在していたとしても、世界が九つ以上存在していたとしても。
夢の数と比べてしまえば極少数に違いない。
機械仕掛けに乗り込んでの大立ち回りだ。はて。
これは――真っ赤な幻である。
ポチポチと、ボチボチと、此処掘れワンワン、指示をされたのはにゃんこで在ろうか。タッチをされた画面の中のマスコットは、さて、消される事を望む筈もない。まるで自分自身の存在を主張するかの如くに、ぐるぐる、同じ画面を右往左往か。催眠アプリとかお手軽すぎて怪しい! 普通に考えたらジョークアプリかウィルスだよねー。ダウンロードした時点で、インストールした時点でドボンだ。湖に這入り込んでしまった月よりも溺れ易い。今回は本物よりもヤバいものらしいけど。手足を括りつけられた結果が人形劇だ。人形劇が悲劇なのであれば、成程、いっそ殺してくれと嘆く以外にない。催眠で何かをやらせるにしても行動できなければ意味ないよね。とりあえず、持ち込んできたのはマイ枕だ。ついでに、抱き枕の代わりとしてのぬいぐるみ。ねこちゃんが可愛いのは周知の事実である。いいね。ねむねむにゃんこなボクは催眠にかかったら即マジ寝!!! ぐっすりと寝てしまえば何にもできないからね! 逆手に取るのではない。懐に潜り込むのだ。潜り込んで、沈んで、そのまま提灯を作ればよろしい。そこに能力を添えてみるっぽい!
忘れようとする力――これが、人を人としている『もの』であった。寝ている間の何かしらも、夢の中での出来事も、忘れてしまえば只の水泡か。これで完璧なのです。とゆーことで……おやすみにゃさ~い。すぅすぅ、すやすや、ビックリするほど深い眠りだ。もしかしたら、夢の欠片すらも見ていないのかもしれない。
……むにゃ。
🔵🔵🔴 成功

●WIZ
私は私の事を知らない
だから、|こんなもの《・・・・・》で『解放』出来るなんて
俄かに信じ難いけれど……
呼び起こされる記憶――
実験、実験、実験、今日もまた一人天に召された
天使様、ああ天使様なのだよ君達は
孤児院とは名ばかりの魂の屠殺場で
私達は永遠に迷える子羊なのだろうか
知りたい。どうしてこんな事になってしまったのか
施設を脱走して、怪異を狩って生き延びる
あの怪異も元は人間だったのだろうか?
怪異は私……違う
錯綜する記憶のありもしない事がじわりと脳髄を蝕んでいく
見える、何かキラキラしたものが
聞こえる、より良く生きよと囁く声が
感じる、私が私じゃ無くなる衝動を
――その鍵なら、私をこじ開けられるのかしら
イレギュラーの発生、それが何を意味するのか。
ある種の|禁忌《タブー》に触れている。ある種の|地獄《アバドーン》に落ちていく。その、堕天めいた恍惚こそが、知的な好奇心こそが、真の悪魔の証明とも謂えようか。しかし、嗚呼、なんとも皮肉な事に、ここに落ちているのは純粋で無垢だった筈の天使である。聖なる哉、聖なる哉、作り物の、贋作の『聖餐』として、餅の代わりにこねられる現実のまったく柔らかな事か。私は私の事を知らない。だから、|こんなもの《・・・・・》で『解放』できるなんて、俄かに信じ難いけれど……。溺れているのだ。息苦しいのだ。今にも、死んでしまいそうなのだ。ならば、藁に縋ったって、ウィッカー・マンに乗り込んだって、誰も非難などしないだろう。掌の中に存在していた『鍵』のひとつ。さて、天使の頭の中には脳味噌が詰まっているのか、或いは――まるで手術台の上の鯉だ、患ってなどいないと謂うのに。呼び起こされる記憶――暗闇を弄っていた方が幾らか正気ではあった。
実験だ。実験だ。実験だ。筆舌に尽くし難いブレイン・ウォッシュの数々。今日もまた一人天に召された。召されてしまった『肉』を捌きながら、晒しながら、何者かの声が響く。天使様、ああ天使様なのだよ君達は。君達は、天使様なのだから、天に還る事も悪い事ではない筈さ。私は受け入れていなかったのかもしれないが、他の皆はそれを抱いていた。孤児院とは名ばかりの屠殺場で、私達は――永遠に迷える仔羊なのだろうか。隣人を愛する為にも自らを贄とせよ。ベルトコンベアで運ばれていく。ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる……。
立っていられない。今にも、倒れてしまいそうなめまい感だ。知りたい。それでも、知りたい。どうしてこんな事になってしまったのか。施設を脱走して、怪異を狩って生き延びる。あの怪異も――あの災厄も――元は人間だったのだろうか? きっと、そうなのだ。そうでなければ、私達が、こんな思いをしたのだって……? 怪異は私……? 違う。結論として、生まれ方の差別化なのだ。差別化されたところで、何もかもが同一なのであれば、神は何処までも光輝をしている。錯綜する記憶の、ありもしないこと。じわりと、天使の脳髄の証明をしてくれたのか。蝕まれている。侵されている。
見える、何かキラキラしたものが。
聞こえる、より良く生きよと囁く声が。
感じる、私が私じゃ無くなる衝動を。
この世の中は泡である。泡であり、球体であり、
爆ぜ、散り、集まり、繰り返すのである。
――その鍵なら、私をこじ開けられるのかしら。
🔵🔵🔴 成功

アドリブ、絡み〇
何この鍵~?よく出来てて、なんだかオシャレ~♪
占い好きな女子とかに人気でそうだよね、こういうの
あ、思わず浮かれてしまった
いけない、いけない~
催眠について、考えないとぉ~…
何か思い浮かべたら鍵が反応するのかな~?
鍵を撫でながらかんがえよ
う~ん、う~ん
思い浮かぶのが、スイーツのことばっかりだった、うは~っ
そんなんじゃ鍵は反応しなさそうだよね
なんかごめんなさいだよ~
ん~、他に思いつくこと考えないとかなぁ~
たとえば、この鍵を作った人ってどんなひと?とか
あまり能天気だと脱力して答えてくれなかったりする?
でももし何か反応して脳にぐわ~ってきたら
ドーナツとかアップルパイ思い浮かべて抗ってみよ
襤褸切れに抱かれていたのか、羊皮紙に擁されていたのか、何方にしても大層な代物であった。ぼろりと、お包みからこぼれ落ちた銀色の光は、さて、何処かの誰かの難を表してくれる。くるくると、くるくると、感情を表に出してくれたのならばきっと対応も楽だったに違いない。そんな想いは兎も角として、今、目の前の事象とやらに集中してやれば宜しいか。何この鍵~? よく出来てて、なんだかオシャレ~♪ ちょっと前の『エミちゃん』を彷彿とさせる邪気のなさだ。尤も、笹森・マキの場合はヴェールを纏っている可能性も考えられるのだが。占い好きな女子とかに人気出そうだよね、こういうの。陽の光の当たるところで、じっくりと観察したいが生憎と今は『夜』である。月の満ち欠けについては興味があんまりないのだが、如何してか、宙の様子すらも無秩序をしている気がした。あ、思わず浮かれてしまった。いけない、いけない~……。アプリケーションなのか実物なのかも曖昧な有り様だ。この『さま』とやらの真相を覗き込まなければならない。催眠について、考えないとぉ~……。何か思い浮かべたら鍵が反応するのかな~? それとも、他に動かし方とかあったりして……? 赤子のように、愛玩動物のように、撫でてやれ。脳髄に触れるかの如くに、そっと、そっと、思考を弱めのシャワーとして。
う~ん、う~ん。頭を抱える必要などなかった。頭を痛める術ですらもなかった。ほわほわ、頭の中で回転しているのはスイーツの楽園。ケーキに、チョコレートに、アイスクリームに……。うは~っ。垂れてきた涎を拭いながら『鍵』に視線をやる。こんなんじゃ反応しなさそうだよね。なんかごめんなさいだよ~。謝罪をしても感謝をしても『うん』とも口にしてくれない。いや、勿論、鍵に口などないのだが。ん~……他に思いつくこと考えないとなぁ~。たとえば――この鍵を作った人ってどんなひと? とか。
あまりにも能天気ではないか。暢気を極めているのではないか。鍵の方まで脱力しそうで、嗚呼、ちゃんと応えてくれるのか不安であった。そう、不安である。ミリ程度にでも不安が漏れたのであれば、これは恐ろしいほどのチャンスとも解せた。わ……わわ……頭の中が、ぐわぐわする……? 人だと思っていたのだ。人の影だと思い込んでいたのだ。人の演技がお上手なだけの――後輩の『お仲間さん』ではあったのだ。
ドーナツの穴を食べよう。
アップルパイのジュースを飲もう。
……うへぇ。もったいない。
🔵🔵🔴 成功
第2章 冒険 『Fly Me to the Moon』

POW
恐れることはない。月が照らす道を進もう
SPD
影から影へ。人知れず謎に迫っていく
WIZ
畏れよ。されど恐れず導きのままに
月は錠前であった。
催眠を施された月こそが、錠前とされたのだ。
がちゃりと、夜が、宙が開かれて、
彼方から『破滅』が落ちてくる。
それは『怪異』であった。
それは『災厄』であった。
それは『狂気』であった。
それは――ブラックボックスの化身どもであった。
君達はこの場所で『何か』に苛まれる。
その『なにか』を決めるのは、成程、君達自身だ。
蠢き、徘徊し、望むものどもの正体は――。
きっといつかの己なのだ。
※※※
あなたの前には『何か』があります。
その何かは『何』であれ、狂気を齎します。
正気を保ち続けてもいいですし、
狂ってしまっても構いません。

「POW」
……んにゅ、狂気……
それがどうしたというのでしょう……?
想いによっては、誰しもが狂気に陥ると僕は思う……
そう、例えそれが正義を司る者でも……悪としてエゴを貫こうとする者でも、です……ふぁ……
狂気を齎す存在……僕自身が狂気を滲み出している、可能性もあるのでしょう……
でなければ、夢を勧めたりしません……
夢は、自由なのです……誰にも邪魔されない、苦しむ事のない、傷つく事もない、不要とされる事もない、幸せなのです……
不幸でも望む存在が居ればそれもまた夢となる……自由があります……
だから、みんな眠れば良いのですよ……
逃げるのは、負けではありません……次に勝つ為の、布石なのです……すぴー……
反芻する獣の如くに、嗚呼、泡沫をスルメとした。
落ちていくような感覚だ。昇っていくような感覚だ。矛盾をしている感覚を同時に味わう。如何して『これ』を虚構だと嗤えよう。……んにゅ、狂気……。現実だったとしても幻想だったとしても、この世界の綱渡り、それがどうしたというのでしょう……? 想いによっては、在り方によっては、誰しもが狂気に陥ると僕は思う……。まるで暴走する筆ではないか。まるで朽ち果てる前のインクではないか。ぽつ、ぽつ、滴る、月の光の音色に沈むか。たとえ、それが正義を司る者でも……悪としてエゴを貫こうとする者でも、です……。まったく欠伸がこぼれて仕方がない。鍵を開けようと、閉めようと、変わらぬ奈落だと知っているのに。狂気を齎す存在……僕自身が狂気を滲み出している、トリックスタァをしている、可能性もあるのでしょう……。覗き込んだ先で出会った何者かのヴェール。これを剥ぎ取ったところでブラックボックスは素直にならない。……でなければ、夢を勧めたりしません。
夢は、自由なのです。幻想は、誰かの為の何かなのです……。誰にも邪魔されない、苦しむ事のない、傷つく事もない、不要とされる事もない……幸せなのです。さて、幸せとはいったい何者の為に育まれた花束なので在ろうか。贈ろうと試みたところで真実を覆す事は出来ない。不幸でも望む存在がいれば、それもまた夢となる……自由があります……。だから、みんな、眠れば良いのですよ。夜を布団として、月を枕として、ぬくもりにやられる。逃げるのは、負けではありません……次の勝つ為の、布石なのです。
水溜まりに投げた石の反応や如何に。
世界は何処までも円形であった。
……すぴ……。
🔵🔵🔴 成功

POW判定、アドリブ大歓迎。
あん?誰よ、アンタ?
見たことないはずなんだけど……胸がざわつくっていうか《《怖いっていうか》》
怖い、アタシが?アタシに怖いものなんかないはずなのに。
来るな、来るな、こっちに寄ってくるんじゃないっ!
(過去ノベルに登場した男性冒険者に見えてる、記憶は覚えてないけど魂やらに刻まれてる感じ、恐慌状態に陥っていない何かに向かって暴れまわる羽目に)
ドラゴンステーキの加減は如何に。生肉ではないか。
いよぉ……元気だったか? 随分と愉快な面ァしてんじゃねぇか!
魂が翻弄されている。
不意に声を掛けられた。こんなにも綺麗な月夜だと謂うのに、こんなにもおそろしい月夜だと謂うのに、より『強烈な』何かしらに、角を掴まれた感覚に陥った。いや、感覚ではない。確かにオマエは何者かに――それも、絶対的な強者に――悪意に、囚われている。咽喉を鳴らすか、鳴らさないかの前に『返答』をしてみせる。あん……? 誰よ、アンタ? わからない。目と鼻の先で嗤っている『それ』の正体がわからない。勿論、何処ぞの√の冒険者だと謂う事くらいは『外見』でわかる。わからないのは――見たことないはずなんだけど。胸がざわつくっていうか……気分が悪いっていうか……怖いっていうか。脳髄が、精神が、警鐘を散らかしている。滑るようにやってきた光景はトマトよりも惨劇であった。怖い……? アタシが? アタシに怖いものなんか、ないはず、なのに……? ギャハハハハ! おいおい、なぁに言ってんだよ! 恐怖で記憶も吹っ飛んじまったのか? 俺だよ、俺! 折角だからよ、今度は登録者数6666人達成記念の時にゲスト参加してくれよ! 遊ぼうとしている。遊んでやろうとしている。この男は――まったく、何もかも、不明な儘だが――アーシャ・ヴァリアントを蹂躙しようと嗤っていた。なあ、俺を殺すんだろ? だったら、もっと、吠えてみたら如何だ? 来るな……来るな、こっちに寄ってくるんじゃないっ!
鋭利な爪が肉を裂いた。何度も、何度も、噛み砕いてやった。
嗚呼、ドラゴンプロトコル、オマエはいったい『何』を見ているのか。何を見て、何を聞いて、何を殺そうとしているのか。宙に向かって威を揮うサマは、無様は、まるで月の影に捕縛されたヒトサマである。※を……※を返しなさい! ※※※※を……! 煌々と、燦々と、御守りとやらが|催眠《ちから》を発揮した。……アタシ……アタシ……は……! 朦朧とする意識の中で『見えた』のは|義妹《サーシャ》の貌。
ブラックボックスを開けてはならない。
🔵🔵🔴 成功

WIZ アドリブ連携歓迎
月が微睡み、落下する…
|狂気的《Lunatic》とはまさにこのことです、ね
私は私の認識が現実との接点をすっかり失い
人類のための選択ができなくなってしまうことを恐れますが
狂気には恐れず踏み込みます
「それ」が人類の未来の為の解放ならば喜んで受け入れますが
誰かが裏で糸を引き、狂気を恣意的に用いんとしているならば
その尻尾を掴んでおしおきしなければいけません
期待と使命感を胸に、|狂気に身を任せ《<狂気耐性><精神抵抗>》、
いざ、|観測と選択《<視力><聞き耳><情報収集><第六感>》に向かいます
どちらにしても…おもしろいものが見られそう、です。ふへへ…
ふへへ……ふへへへへ……どちらにしても、おもしろいものが見られそう、です。耳を澄ませた。目の玉を転がした。波のような情報を貪食しようとした。閃いた第六感の所為で何もかもが台無しなのだと気づいてしまった。鍋に鍵がついている時点で奇怪と思えばよかったのだ。……な。なんですか、これ。私は、このような『もの』を……?
十字に裂けた満月より、数多の筒が降ってくる。そんな幻覚に囚われたのかと、嗚呼、己を疑ってしまうほどの極光であった。或いは、落ちてくるのは筒ではなく、その正体で在ったとも表現が出来よう。月が微睡み、夜を手摺りとして、それに捕まらず落下して……。|狂気的《Lunatic》とは、まさに『このこと』です……ね。境界を殺されたのだ、白と黒を滅ぼされたのだ。これを『消滅』以外の言の葉で把握する事など赦されない。私は私の認識が、私は私の証明が、現実との接点をすっかり失い、人類のための選択をできなくなってしまうことを恐れますが――盲目でないのであれば、白痴でないのであれば――狂気には恐れず踏み込みます。これは宣言ではない。これは『根底』である。晴れやかとなったノイズに感謝して、只、頭からの溺死を試みよ。……「それ」が人類の未来の為の解放ならば、人類の未来の為の開錠ならば、喜んで受け入れますが。誰かが裏で糸を引き、狂気を恣意的に用いんとしているならば、その尻尾を掴んでおしおき――? いえ、これは……私だから、今の『私』だから、わかることなのですが。『不確定』ではなく『確定』なのでしょうか……?
期待と使命感を胸に抱いていた。狂気に身を任せ、いざ、と、潜り込んでみた。観測し、選択し、それを悦ぼうと構えていた。だが、嗚呼――莫迦げている事だけれども――道がひとつしか見えないだなんて、おもしろくもない。……ああ、そうですか。私に、頭痛もくれないなんて、確かに、これは落胆なのでしょう。ブラックボックスの中身は猫である。シュレディンガー、これは『毒殺』であった。
ただの希望が、絶望が、ぽつんとしている。
オマエの欠落の出番だ。これを乱してしまえばいい。
🔵🔵🔴 成功

榴(h01965)と共闘
月が降る、吸い寄せられる
とても綺麗
手を繋いだまま榴に微笑む
「大丈夫です。お薬があるから大丈夫」
そっと抱き寄せて耳元で囁く
目の前にあった|狂気《お薬》を掴むのに躊躇いはない
|過剰投与《オーバードーズ》に躰が震える
でも足りない、全然足りない
「トリガーを引くだけでいいですから」
銃を彼女に握らせる
その手を包み自身の躰に押しつけて何度もトリガーを引かせる
銃弾の痛みもお薬が快楽に変えてくれる
「ッア……!」
あまりにも甘い声が漏れた
榴はどんな顔をしていますか?
困惑か恐怖かそれとも歓喜?
彼女に刻めるでしょうか、取り返しのつかない|傷《トラウマ》を
「あなたが後悔する日は来るのでしょうか?」

アドリブ・アレンジ歓迎。
小鳥姉様(h01076)と共闘。
心情
…月が降ってきそう…。
…え?
…僕の狂気って…|僕自身《・・・》?
…狂っている|自覚《・・》はある。
…独善に、そして恋に…っ…!
…眩暈がする程、その狂気は、狂喜であり…認めないとは謂えない。
…だって、それがあってこその…今の僕なのだから…
…嗚呼、だから…僕には、催眠が…効きにくいのです、ね…
行動
僕の狂気は僕自身だった。
小鳥姉様の様子を見つつ、小鳥姉様の狂気とはなんだろう?
心配をそうに手を繋いでいるが、この手が離れてしまいそうで。
小鳥姉様が己を責めるのなら、僕が傷付こう。
僕は、自分の痛みは理解できないけど、独善で貴女の痛みを受け入れたい。
隣の狂気の色を気にしていた。
己の痛みは理解できないけれども、覗き込もうとした。
チョウチンアンコウの戯言に屈するかの如くに、翼を有する獣と触れ合うかの如くに、三千世界には数多の甘露が転がっていた。土の上だったとしても、土の下だったとしても、舌、届く範囲に存在しているのだから、舐る以外の選択肢は――道は――ない。内臓は隅々までも侵されている。脳髄だって勿論、隅から隅まで締め付けられている。これが蛇蝎の亜種の所業なのであれば――満月が落ちてきても、満月に吸い寄せられても、仕方が無いか。ああ、とても綺麗。結局のところ、二人して粋な科白など不要なのだ。落ちるならば堕ちてくれと、過程を踏んでいるのだから構わないと、狂気がおどる。籠の中の『小鳥』の方からの微笑み。さて、繋がれた手は粘着の所為で離れそうにもなく、只、ソファへと沈むかのような心地のみ。大丈夫です。お薬があるから、大丈夫。小鳥の囀りが、プロのサキュバスの囁きが、榴の耳朶へと滑り込んだ。それを耳石の代わりとして、ころころ、キャンディを遊ばせるかの如くに。抱き寄せた。何を抱き寄せた。お薬を掴むのに躊躇などない――それは最初からでは? 云々と|過剰摂取《オーバードーズ》に震えてみせた。でも足りない、全然、足りない。こ、小鳥……姉様……僕は……僕の、狂気は……僕自身……?
降ってきそうだと、ぼんやりとイメージしていた。想像は妄想となって肥大化し、情け容赦のない伝え方とやらをしてくる。……狂っている|自覚《・・》はある。何が狂気を招いたのか。何が情念となって殴りつけてきたのか。……独善に、そして恋に……っ……! 嗚呼、ついに謂った。謂ってしまった。口に出してしまった。此処にきての|確信《・・》に頭の中身がひっくり返る。……眩暈がするほど、その狂気は、狂喜であり……認めないとは謂えない……認めるしかない……! 四之宮・榴を四之宮・榴としている所以なのだ。これを自分自身で糺す事など、それこそ冒涜的である。……嗚呼、だから……僕は……。効果が薄いのではない。効果が無いに等しいのだ。オマエはしっかりと堕落をしている。度が過ぎるほどに契約者をしている。
堕落と堕落が支え合っている。支え合っているのではなく、縋り合っていると表現すべきか。榴……榴……あなたは、トリガーを引くだけでいいですから。人のカタチをした果実とやら、人の味がした果実とやら、握らせてくれたのは弱点ですらなかった。銃である。死棘の名を冠する得物は今|魔弾《・・》の意味を捻じ曲げ、全ての弾を最後のひとつとした。小鳥姉様……それは……いえ、僕が、貰ってもいいですか? ダメに決まっている。赦されないに決まっている。それでも、奪ってやると宣うのであれば|独善《くる》い尽くすと良い。這入り込んだ。這入り込んだのだ。お薬の効果が失せる前に、何度も、何度も。奴隷が奴隷を躾けているのだ、問題などない。
ッア……!
甘い声である。甘くて、甘くて、隣人までも中てられるほど。榴はどんな顔をしていますか? 問うたところで脳味噌、ドロドロに溶けているかのようで見えやしない。困惑か、恐怖か、それとも、歓喜……? 彼女に刻めるでしょうか、取り返しのつかない|傷《トラウマ》を。……あなたが後悔する日は来るのでしょうか?
喉元過ぎれば熱さを忘れる。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

ねむねむにゃんこが目覚めたら…なんだこれ?
猫っぽいようで猫じゃない?
いや、やっぱり猫かも?
月があって黒っぽい猫みたいなものがいるとなれば猫でしょ!
…なんかゆらゆら揺らいで不定形な物体なような気もするしなー
なんか見ていると精神が不安定になるこれはやっぱり猫じゃないかも?
んー、ここはコール&レスポンス!
にゃーにゃー鳴いて返事があればきっとお仲間っぽい!
とは言え、お仲間でないときのための保険は必要だよね
<龍魂活性>で蘇生の保険をかけておくにゃーん
お友達はいない。お仲間はいない。
月への跳躍は容易だが、あれは真に月なのか。
返事はない、おそらく狂気であった。
夢なのか、現なのか、何方にしても幻実、馥郁としたまん丸を齧ろうと試みた。たらふく食べてやりたいと、たらふく飲んでやりたいと、またたび、度重なる目眩に何を想うのか。きっと寝起きの所為だろう。きっと中途半端に起きてしまった所為だろう。ねむねむにゃんこが目覚めたら……なんだこれ? 猫にもわからないのだ。人がわからないのも仕方がない。猫っぽいようで猫じゃない。ネコ? ネコ? いや、やっぱり猫かも? 宜しくどうぞと嗤ってくれた月のうねり。この、円形からはみ出た尾っぽについては誰が説明をしてくれるのか。月があって黒っぽい猫みたいなものがいるとなれば猫でしょ! 視線を合わせようとした。焦点を正そうとした。捉えようと思えば思うほど月面の『それ』は安定を削がれていく。なんか……ゆらゆら、揺らいで、不定形な物体のような気もするしなー。脳髄を直に殴られたかのような感覚。心地の悪さが齎すのは月ではなく土星のイメージ。なんか見ていると精神がぐるぐるになる。これはやっぱり猫じゃないかも? んー? そろそろ白黒ハッキリさせよう。ここはコール&レスポンス! シュレディンガーの猫も吃驚な箱の中身の開け方だ。毒殺だなんてつまらない。
にゃー。にゃー。鳴くよりも前に、お訊ねするよりも前に、古龍の力とやらを解放すると宜しい。いや、これこそ本物の山猫なのだが、誰が如何見たって龍である。お返事くれたらお仲間だ。お仲間ではなかった時の備えとして九つ、魂とやらをストックせよ。保険をかけておくにゃーん! 声を掛けた。|戸口《つき》の彼方で歌う者の正体や如何に。
錠前が落ちてきた。落ちてきたのだから、潰されそう。
保険かけといて正解だったにゃーん。
🔵🔵🔴 成功

見覚えはありませんが……心当たりはありますね
英雄云々とは無関係な嘗ての邪魔者。
完全上位互換が別に存在する技術体系。
後は……下位互換というほど極端ではなくとも、相対的に重要度の低い雑学のような諸々。
再孵化の直後であれば確かに
容量オーバーを引き起こしていたでしょうし……
遺憾ながら今もまだ全て解凍するには不足でしょう
再度の【忌刻】が悪性:強欲の《封印を解く》事で
趣味技能:独占を解放
《気合+リミッター解除》
一時的に耐久と処理能力を向上させ《ハッキング》
欠片とて捨てさせず・手放さず抱え込み
封印を掛け直して圧縮、ブラックボックスへ詰め直します
……いずれにせよ死蔵には違いありませんが。
どうでもいい事ですね
魔法使いも知り得ない『真意』の在処。
在処を求めようにも真意、其処へと向かう意思すらも抱けない。
逆鱗のカタチを把握しようと、怒りの罪深さを曝け出そうと、吼えたところで何にもならない。成立させようと、成功させようと、繰り返し、繰り返し、同じ事を『かまえた』ところで如何にもできない。渾沌が尻を追いかけ回すかのような有り様だ。何者かが大きく、巨きく嗤っている。見覚えはありませんが……心当たりはありますね。英雄云々とは無関係な嘗ての邪魔者。完全上位互換が別に存在する技術体系。それは無数の目の玉を開けているかのような、それは無数の耳朶を近づけているかのような、忌々しくも愛らしいもの。後は……下位互換というほど極端でなくとも、相対的に、重要度の低い雑学のような諸々……。嗚呼、まったく視点が魔皇ではないか。そもそも『互換』の二文字、それが何を意味しているのかくらいは理解していると謂うのに。再孵化の直後であれば確かに、容量オーバーを引き起こしていたでしょうし……遺憾ながら、今もまだ全て解凍するには不足でしょう。折角の再生が台無しだ。ディラン・ヴァルフリートを台無しにはしたくない。そういう、ある種の情念が身を焦がすかの如くに。ですが……僕は、ほんの少しですが、やり方を把握しています。邪を以て悪を制す。毒で毒を打ち倒せるのであれば目と鼻と口を描いても生きていけるか。何を独占したいのだ。何を独り占めしたいのか。ブラックボックス、筆舌に尽くし難いものを『尽くして』やれ。
脳髄の悲鳴など知るものか。精神の軋みなど今更だ。強欲で在るが儘に、大罪で在るが儘に、我儘に――あらゆる『もの』に干渉していく。これが、僕。それが、俺。欠片も残してやるものか、欠片もこぼしてやるものか、ゴミ箱は綺麗に舐り取られ――改めて、ブラックボックスへと詰め直してやる。……いずれにせよ死蔵には違いありませんが。どうでもいい事ですね。神で在れ、荒くれ者で在れ、等しく――役者でしかない。
封じてやった。閉じ込めてやった。
確定は不確定へと、帰っていく。
🔵🔵🔴 成功

●SPD
月が怪異そのもの?
いや、あれは…
己を狂わせる何かに耐えながら
影を渡って根源に迫る
あの光は危険だ
本能がそう感じた
いいえ、あの光は
月がとても綺麗ですね
施設には友人と呼べる者達がいた
いたのだ。今はいない
私が最後だったし
私の後の子達はよく知らない
だから、私が知ってる彼彼女らが
あの光の中から手招きしているのだ
こっちへ来て一緒に遊ぼうと
私は両親がいない
正確に言えば今はいない
数え年4つくらいの朧気な最初の記憶
少なくともそういった愛情に包まれていた頃もあった
それらが全て消え失せた
何かによって、いつの間にか
その彼彼女らが光の中から手招きするのだ
こっちへおいで、お帰りと
私は影を渡り
そんな過去から逃げるのだ
足元を見ている場合ではない。宙を見ている場合ではない。
見てはいけない。歪んでいるのだから。渦巻いているのだから。
星の智慧を授けよう。オマエは愛らしい。
賢者は歩みを止めなかった。歩みを止めていたのであれば、今頃、真面な生涯を送っていた事だろう。賢者は何を見た。賢者は天使を見た。では、歩むしかなかった天使のひとつは、果たして何を見なければならなかったのか。……月が怪異そのもの? 月が、狂気の象徴……いや……あれは……。降り注いで来た月光が頭蓋を透って内側、ぐるぐると空隙を埋めた。耐える。耐えようとする。我慢して、我慢して、我慢し続けて、通り過ぎていくのを待つ。違う、待っている余裕はない。影を渡って、水面を跳ねて|根源《●●》へと迫る。あの光は危険だ。あの月は災厄だ。本能的にそう感じたのも束の間、予想外なほどに身体が、視線が動かなくなった。いいえ、あの光は……月がとても綺麗ですね。誰に告白しているのだろう。きっと自分自身だ。自分自身の境遇にこそ告白をせねばならないのだ。紫煙にやられた目玉のように、じわじわと、溶かされるかの如くに。
施設には友人と呼べる者達がいた。たくさん、たくさん、いたのだ。今はいない。仮に、存在を許されていたとしても、私が最後だったし。後の子達は気配も知らない。だから、私が知ってる彼、彼女らが、あの光の中から手招きしているのだ。兎のように、自殺兎のように、三月兎のように、ぐるぐる、ぐるぐる、囲うように回りながら――こっちへ来て一緒に遊ぼうと。ああ、めまいがする。私の身体の隅々までわかっているくせに。うるさい。
私には両親がいない。正確に言えば、彼、彼女らと同じように今はいない。数え年4つくらいの朧気な最初の記憶――懊悩の『お』の字も解せぬ頃――少なくともそういった愛情に包まれていた時もあった。それらが全て消え失せた。泡沫よりも儚く、夢よりも容易く。何かによって、いつの間にか。その彼、彼女らが光の中から手招きするのだ。気の狂った帽子屋のように、慈悲にやられた女王のように、こっちへおいで、おかえり、と……。ダメだ。捕まってはいけない。たとえ、前後不覚だったとしても、イカロスだと罵られても。
私は影を渡り、そんな過去から逃げるのだ。
🔵🔵🔴 成功

目の前に眼鏡が落ちてきた
割れたレンズに血が付いてるシュウヤさんの眼鏡が―
―…と、ヤバイ
ノイズ混じりに見たくないものが見えそうになったから
思わず眼鏡をグシャっと握り潰しちゃった、ヤヴァ…
…こっからが狂うかどうかの瀬戸際か…やめてよ~
力の制御できなくなって暴れてシュウヤさんの眼鏡割って
あばら折って重傷にした時のこと思い出しちゃったじゃん
なんで力の制御ができなくなるほど暴れたかは…
…そこは本気で思い出したくないし、見たくないよ
また何か見えかけたら全力で拒絶するし
エミちゃんからもらった漆黒のピアス触りながら耐えよう【狂気耐性】
ん~…その後も大変だったな~
上司も仲間も重傷にしたし、重い処分もクビも覚悟してたんだけど
どうなるか聞いたら、シュウヤさんったらさ~…
眼鏡の修理代だけでいい、とか言うし
え…?正気ですか?ってこっちが聞き返しちゃったよね~…
そんな軽い処分にしたら上層部に怒られるでしょって言ったら
案の定怒られてたし…申し訳なかった
そして、いつしか恋心が…
なんてことにはならないんだなぁ~これが♪
なんてことにはならないんだなぁ~これが♪
抱きつく事くらいは許してほしい。
大きな、巨きな、月を見上げて、落ちてきたのはふたつの光か。月が分裂するとは思えないし、そもそも、月が落ちてくるなんて莫迦げた妄想だ。では、笹森・マキの前に落ちてきた『もの』はいったい何であったのか。甘くて美味しいスイーツだろうか。辛くて凄まじい地獄であろうか。いや、何方でもないが、地獄で生まれた物と考える事は容易い。眼鏡だ。眼鏡が『ひとつ』落ちてきた。ふたつと思えたのはおそらく『月』だったが故である。さて。割れたレンズに付着している赤。赤。赤。赤が侵入してきたところで閃き。この眼鏡はシュウヤさんの『もの』だ。ぐら、と、世界が傾いた。世界ではなく自分が傾いた。何か、ケダモノめいた気配が心身を乗っ取らんと蠢動し――っと……ヤバイ。ぐしゃ、と。握り潰してしまった。ノイズに混じってやってきた見たくないもの、悉くに蓋をしたくて、やってしまった。ヤヴァ……。そも、眼鏡に『質感』が在るのもオカシイ。これは、幻なのだ。
こっからが狂うかどうかの瀬戸際か……や、やめてよぉ~……。ぽやぽやしていたオマエも『こう』晒されてしまっては頭を抱えるしかない。思い出したのは過去の事柄。想いを巡らせているのは己の失態。力の制御ができなくなって、暴れて、シュウヤさんの眼鏡割って……あばら折って重傷にした時のこと、思い出しちゃったじゃん。いいや、完全には思い出せていない。月の光は徐々に、徐々に、その愉悦の為に強烈となって『前頭葉』から開こうとする。な、なんで……なんで、制御できなくなるほど、暴れたのかは……そこは……。猿になりたい。見たくないし、聞きたくないし、口にしたくもないのだから。ぎらり、と、貌を出した正体不明。いや……いや、覗かないで……! 漆黒のピアスに触れて誰かの笑顔を壁とする。エミちゃん……ありがとう。これなら、なんとか、耐えられそう。
ん~……その後も大変だったな~。ネジを締めてやった頭蓋骨、もう、おそろしいものは溢れてこない。上司も仲間も重傷にしたし、あの時は、重い処分もクビも覚悟してたんだけど。どうなるか聞いたら、シュウヤさんったらさ~……。不器用なのだ、あの人は。解剖の技術は凄まじいけれども、ひどく不器用で、素直なのだ。眼鏡の修理代だけでいい、とか言うし。え……正気ですか? 聞き返す事になった。ひどく失礼だったと今でも思うけれども、あの返事があったからこそ、笹森・マキはここにいる。そんな軽い処分にしたら上層部に怒られるでしょ。で、案の定。しっかり怒られていたのであった。うん……申し訳なかった。
そして、いつしか恋心が……。
晴れていた。夜は、虚を湛えていた。
月はもう、無くなっていた。
ま、綺麗だなんて言うわけがないよね。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功
第3章 ボス戦 『人間災厄『すべての鍵と成る者』』

POW
あなたの身体を開きましょう
【意識の外から近付き、鍵 】が命中した部位を切断するか、レベル分間使用不能にする。また、切断された部位を食べた者は負傷が回復する。
【意識の外から近付き、鍵 】が命中した部位を切断するか、レベル分間使用不能にする。また、切断された部位を食べた者は負傷が回復する。
SPD
あなたの脳を開きましょう
【笑顔を残して消えること 】による牽制、【意識の外から優しく抱きしめること】による捕縛、【頭に差し込まれる鍵】による強撃の連続攻撃を与える。
【笑顔を残して消えること 】による牽制、【意識の外から優しく抱きしめること】による捕縛、【頭に差し込まれる鍵】による強撃の連続攻撃を与える。
WIZ
あなたの心を開きましょう
【泡となって溶け、望む光景を見せる泡 】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【心の内にある思い出を、ただ見続けること】に対する抵抗力を10分の1にする。
【泡となって溶け、望む光景を見せる泡 】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【心の内にある思い出を、ただ見続けること】に対する抵抗力を10分の1にする。
月が消失した。
月が消滅した。
月を戸口としたのだから――門と定めたのだから――成程、取り替え子が起きても異常ではない。いや、勿論、現状こそが『異』そのものだが、この招来は『確定』していた沙汰であった。鍵束を手にしている|彼女《それ》。その半身は名状し難く……この世のカタチの全てを冒涜するかの如く……只、ブクブクと泡立っていた。
あらあら……私の『見た』通りになりましたね~。此処から先も、きっと、私が『見た』通りになるのでしょう。ですから~……ええ……私も、抗うということを、してみようかと~……。開きましょう。開きましょう。身体を、脳を、心を、開きましょう。
ブラックボックスは最早なく、全てを道が一つとなった。

……ふむ
貴女の「見た」通りになるのが災厄の能力、ですか
厄介ですね、僕なんかよりもとてもとても強い
ですが、為す術なくただ倒されるというのは気に食わないのです
僕はゆっくり眠りたいだけなのだから
狂気を同じく孕む者同士、人間災厄同士、勝負事といきましょう
ここまで来て負けるのは正直気に食わないので
貴女の「見た」ことすら、僕は「夢」に置き換えてしまいましょう
ええ、楽しい夢も、悲しい夢も、全てが全て、僕が望む夢の為に
僕を含めた全ての存在が、皆が幸せと望める夢を創る為にも
カダス、力を貸して下さい
「大いなる夢」を見せてみせましょう
さあ、夢の大海に沈むといいです……すぴー……
アドリブ歓迎です
休ませてやった脳髄の泥船化、月と同じ運命を辿れ。
枕と泥の違いすらも、夢と現の違いすらも、最早、この場においては些細なものであった。嘲笑う混沌の貌、その、薄ら寒い鬼のようなサマも、ヴェールの裏側に隠してしまえば問題などなかったのだ。つまり、ヴェールは取り払われ、祓われる未来すらも汚すに至ったのである。……ふむ。貴女の「見た」通りになるのが、貴女が「開けた」通りになるのが、災厄の能力ですか。これがもしも本当であれば、これがもしも真実であれば、成程、対処不能に近しいと笑う以外にない。厄介ですね、僕なんかよりも、とても、とても、強くて恐ろしい。あらあら~……そんなふうに、謙遜をする子は、だいたい、肚に何かを抱えているものですので~。それに、私自身も、私の力には逆らえませんので~……。意識の外からの語り掛けとは随分と余裕そうではないか。抗うと口にしていた『彼女』の想い、ほんの僅かに諦めとやらが見え隠れしていた。……為す術なく、ただ倒されると言うのは、お互いに、気に食わないのでしょう。それに、僕はゆっくり眠りたいだけなのだから……。眠りたいと謂うので在れば、目を瞑りたいと謂うのであれば、嗚呼、願わなければ良かったのか。
狂気を孕む者同士、人間災厄同士、勝負事といきましょう。まったく分の悪い|勝負《もの》だと|鍵《それ》は微笑んだ。微笑みと共に薄れていく女は、さて、影よりもひどい色無しとなった。……僕を相手にそれは……。悪手だ。悪手としか言いようがない。泡沫ほどで、胡蝶ほどで、ようやく溶ける事が赦されるのだ。ここまで来て負けるのは正直、嫌ですので。僕の方も、全力で――貴女の「見た」ことすら、僕が「夢」にしてしまいましょう。喜怒哀楽の『どれ』で在ろうと『全部』で在ろうと構わない。全てが全て、望むが儘に、夢の儘に――沈黙をしてくれダイモーン=スルタン、幸せを貪る皆の為に。
カダス、力を貸してください。
喰われようとも、啜られようとも、聳え立つ壁ほどの脅威ではない。驚異的なほどに柔らかな枕が、ああ、鍵の紛失を倣っていく。「大いなる夢」を見せてあげましょう。さあ、夢の大海に沈むといいです……。夢見が悪くなりそうね。
🔵🔵🔴 成功

アドリブ大歓迎。
(引き続き錯乱状態でボスがあの男に見えてる)
まだ死なないの、いいわ、何度でもぶっ殺してやるっと襲いかかるも
普段の精細を欠いた動きではあっさり避けられ捕縛され頭パッカンされて返り討ち。
死体と脳を晒されるも√能力により復活、実妹の力で正気に戻る。
よく覚えてないけど最悪気分からスッキリした感じだわといいつつ
色々やってくれたみたいねお返ししてあげるとボスに襲いかかってズッタズタに解体する。
はぁまだ頭クラクラするから|義妹《サーシャ》を抱きしめに帰りましょと
お隣の実妹の献身には気づけない、お姉ちゃんでしたとさ。
大事な|妹《●》の為に『自分』を大切にしてやれば良い。
一度殺した。二度殺した。三度殺した。四度殺した。獣の数字へと至ったところで、嗚呼、オマエが完全に殺しきれていない所以に辿り着く事など|二度と《●●●》ない。まだ死なないの? 殺したっていうのに、死なないの? いいわ。何度でも何度でも何度でも、気が済むまでぶっ殺してやるから、かかってきなさいよ……! アーシャ・ヴァリアントの双眸には、ドラゴンプロトコルの脳味噌には、さて、幻覚とやらが粘り付いて離れない。あらあら~……なんだか、申し訳ないことを、しちゃったわね。謝罪の言の葉の代わりに贈り物をしてやれ。笑顔だけを残して喪失し、そのまま、優しく優しく狂気を抱いてやる。それが捕縛とされた瞬間――鍵は頭蓋を引っ剥がす。……酢醤油を用意しなかったのは、私のミスですので~……ごめんなさいね。ぼろりと、醜態と死体と、それと味噌を晒される。ああ、それでも尚、√能力者は死ねないのか。……アタシ、は……今まで、何を……? 正気に戻して良かったのか。洗脳をされている儘で良かったのか。これだから、|実妹《かのじょ》の優しさこそが底無しと嗤われる――よく覚えてないけど、最悪な気分からスッキリ、晴れやかな感じだわ。で、アンタが今回の黒幕であっているのよね? 指を差さずともわかる筈だ。鍵の所有者は如何してなのだろうか。頭を抱えている。貴女は……そう。そうなるのが、運命なのでしょうね。何か、すごく馬鹿にされている気がした。色々やってくれたみたいだし、倍にしてお返ししてあげる……! 理解し難い力の奔流。この融合こそが最も『知る』べき幸福だと謂うのに――兎も角、解体はされたのだ。ズタボロの肉とやらを、骨とやらを、ブラックボックスとやらを足蹴にしてやれ。
はぁ……。頭蓋骨と脳髄が皮膚の内、逆転したかのような感覚だ。まだ、頭クラクラするから|義妹《サーシャ》を抱きしめに帰りましょ。……お姉ちゃん……。お隣の|実妹《カーシャ》、彼女の|献身《こえ》は届かない。届けようとしたところで『バレずに』するのは至難であった。……抱きしめるだけじゃ、物足りないかも。
🔵🔵🔴 成功

アドリブ・アレンジ歓迎。
小鳥姉様(h01076)と共闘。
心情
…小鳥姉様に負担は、かけたくありませんので…僕は前に出ます。
…以前と、立ち位置が逆…ですね。
…それだけ…僕らの関係が…より親密になった…のでしょうか?
…それとも心の在り方、なのでしょうか?
…幾ら開いても、僕が基本的に…伽藍洞だと、分かるだけ、です。
…装備は幾らでもありますから…全部味わってください、ね?
行動
√能力を使用しつつ、連撃を叩き込みます。
小鳥姉様との[連携攻撃]を意識して。
回復は[生命力吸収]or[インビジブル融合]です。
回避はしたいですが、小鳥姉様に当たる位なら僕が|喰らい《庇い》ます。
防御は[ジャストガード]です。

榴(h01965)と共闘
「抗う。彼女には未来が見えて、それは望ましいものではない」
望み通りなら抗う必要はない
前に出る榴の背中を見ながら死棘による『|クイックドロウ《先制攻撃》』
彼女が前に出るなら支援に徹しましょう
【虚機関】を発動
|影官吏《エージェント》も『援護射撃』に余念なく
同時に榴を『かばう』
榴が集中的に狙われないよう『おびき寄せ』る
彼女の力は信頼しているが、榴は何も見えていないのか?
私には、気がつけばずるい星詠みに溺れる自分が見えていた
なんて甘美で堕落に満ちているのだろうか
ああ、もっと
無意識のうちに|お薬《エクスィテ》を打ち|目が廻る《精神汚染》
思い出に浸るより抱いて貰おうそうしましょう
星の低俗さによがっている。獣の容赦のなさにすがっている。
掴まれた。捕まった。こぽこぽと、泡を吐く。
反吐が出るほどに見飽きていた。溜息がこぼれるほどに見つめ合っていた。変えようとしても、逸らそうとしても、運命からは逃れられないのだと|彼女《それ》は嘆く。抗う……彼女には未来が見えて、それは望ましいものではない。態々、如何して突きつけてやったのか。先程まで溺れていたと謂うのに、震えていたと謂うのに、随分と理性的ではないか、と。望み通りなら抗う必要もないし、捻じ曲げようと考える術もない。さて、籠の中の小鳥を置き去りにするかの如くに――前へ、前へと急いているのは人の味を湛えた果肉であったのか。……小鳥姉様に負担は、かけたくありませんので……。自己負担とやらが上手なお二人様のクセして真面を倣うのが得意ではないか。……以前と、位置が逆……ですね。深まったのは関係性だろうか。それとも、情念や、堕落の沙汰の延長線だろうか。延長戦を早々に切り上げて正体とやらに没頭するとよろしい。……より、親密に、密着したのは……心の在り方、なのでしょうか? 捨てられたくない。離れたくない。これを手にしたのだから、本当に死ぬまで付き合ってくれ。重苦しさが息を殺そうとしてきた。酸素が足りていない。
黄泉のように、罹患者のように、転げ落ちたのかと錯覚するほどの意気揚々であった。その背中を見ながらも、見守りながらも、構えてやった|死棘《あか》いもの。榴が前に出るなら、義妹が前を望むなら――私は、支援に徹しましょう。いっそ紫煙に塗れてくれたのなら、肺臓を滅ぼしてくれたのなら、噛んでくれるだけでも問題ない。……私は、こんな状況だって謂うのに、度し難い……。明けない夜を暴いても良いのか? オマエは夜にこそ居場所を求めて、さまよっているのでは? 現れた|影官吏《エージェント》どもの連携。隙間なく、隙なく、今現在、あえて晒す必要など皆無だと――。
簒奪者は――人間災厄は――刹那、目の前の果実を開けようとした。しかし、何かを察したのか|彼女《●●》はそれを躊躇った。……幾ら開いても、僕が伽藍洞だと……分かるだけ、です。その通りだ。まったく贋作なのだ。インビジブルの群れが渦を生成し、只、脆弱を偽りで塗り固める。……装備は幾らでもありますから……全部味わってください、ね? ある種の絶望が此処には存在していた。まあまあ……私まで、巻き込まないでくれませんか。おっとりが取り柄だった。特徴的な喋り方だった。それが、砕けるほどの地獄であった。
箱庭の中で小鳥が柘榴を食んでいる。地獄の中で柘榴が小鳥を焼いている。そんな、ありもしないイメージが敵にだけ粘つくとは奇怪なものであった。……どこを、見ているのですか。僕が……貴女様の『鍵』を喰らいますので……こっちに、来てくれませんか。同族嫌悪だなんて言の葉は嘘なのだ。嘘ではないと笑うのならば、如何して同族が手を繋いでいる。……榴。榴には、見えていないのでしょうか。何が見えている。何が、広がっている。それは花喰・小鳥――狡さの|幻覚《イメージ》なのではないか。なんて甘美で堕落に満ちているのだろうか。ああ、もっと……観劇をされる側として……もっと。
意識は要らない。|興奮剤《エクスィテ》のいぢわるにやられて。
目が廻る……。
小鳥姉様……小鳥姉様! そっちに……。
思い出に浸かるよりも、過去に囀るよりも、抱いて貰おうそうしましょう。
視覚の共有の所為としておこう。あとは捕食者とやらに叩いてもらえ。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

抗う、と。
視ていた割には些か遅きに失する印象を受けますが……
愚痴や言い分があれば伺いはしましょう
討伐の片手間以上の意識は割けませんが。
【畏刻】《異形化》/A7B22C1
七つ増えて八頭、いつぞやの異星人のように敵の箱庭なら
暴食による自己強化も捗るのですが……
そうでないなら大気からの搾取とインビジブル捕食程度に。
[錬気竜勁]《オーラ防御+属性攻撃》の
風を纏いセンサーとしつつ《第六感》併せ敵の動きを感知
翼をそのまま伸縮自在の斬撃武器として薙ぎ払い
部位数・攻撃範囲・手数と《怪力》で磨り潰します
さて……
貴女が視たものと異なる結末にはなったでしょうか?
帰還前に夜空を一飛びするのも悪くないかもしれませんね
運命に切り刻まれたのか。或いは、翼に……。
時間と空間、その狭間にて『女』は『女』としての自己を見失った。半永久的に続くかと思われていた『それ』も今、刹那の顕現だったとしても、元の通りにしてくれたのであれば鍵に感謝をしなければならない。しかし、嗚呼、それにしても、強欲を罪と認めるワケにはいかなくなった。抗う……と。視ていた割には、聞いていた割には、些か遅きに失する印象を受けますが……。愚痴や言い分があれば伺いはしましょう。魔王は魔王らしく、勇者は勇者らしく、互いの身の上話とやらに興味を持たなければならない。……あらあら。そうですね。私は、早かれ、遅かれ、見てしまった『もの』からは逃れられないのですよ。ですけれど、私にも、好ましくない中身はありますので……。愚痴であった。グチグチと、ネチネチと、所謂、能力の制御が不可能な簒奪者であった。……まるで、理性を手に入れてしまった怪物です。わかりました。討伐の片手間以上の意識は割けませんが……僕は、貴女を怪物として叩くとしましょう。瞳を隠そうとしたゴルゴー、その末路は知っての通りだ。
ヒュドラや八岐大蛇、それらのキメラとして|畏刻《ちから》を発現するオマエはおそろしい。おそろしくて、おぞましくて、されど、善意を抱いているのだから、性質は宜しくない。いつぞやの異星人のように敵の箱庭なら……。暴食する事も容易ではあった。しかし、開けようとしているのはディラン・ヴァルフリートそのものだ。吸い込めよインビジブル。搾取するヒトサマの如くに――王様が呆れ果てるほどに。
意識の外に失せようとも、不意を打とうと試みても、さて、真の『ヒーロー』には届かない。……もしも、仮に。貴女が『貴女に都合がいい未来』を見ていたのであれば、僕も開かれていたのでしょうか。問うてみたところで淘汰されたのだ。第六感に、風に引っ掛かった錠前。最早、刺し込んでいる暇もない。捉えました……。泡沫は泡沫であれ、蝶々は蝶々であれ、只、叩き落され、踏みつけられ、磨り潰されると好い。さて……貴女が視たものと異なる結末にはなったでしょうか? ……今からでも、悪役をされては、どうですか……。
帰還前に夜空を一飛びするのも悪くないかもしれませんね。
お姫様を掻っ攫ったのは何者だろうか。
🔵🔵🔴 成功

アドリブ、絡み〇
おぉ!半分泡ブクなお姉さんだぁ
綺麗な泡ブクだね~もう半分の方の髪と瞳も綺麗で好き♪
ふむふむ、抗うということをしてみるんですね~
なんだかちょっとマキの話し方と似てて、ふにゃ~ってなりかけたけど
やってる事がかなりヤヴァいから戦わないといけないなぁ
というわけで~マキも抗いますのでよろしくお願いします(頭下げ)
ん?良い笑顔浮かべたと思ったら姿を消しちゃった?
と思ったら、優しく抱きしめられる感じがぁ~
あ…いいかも…いい感じの抱きつき方だコレェ
でも開こうとしたりヤバそうなのきたら避けるし
魔弾を撃ったり反撃しとくよ【野生の勘】【疾翔】
ハグは歓迎だけど、そういうのは勘弁なんだ~ごめんね?
半分ほど解放された記憶とやら、そのまま、出発進行と拳を上げるのは如何なものか。物々しい雰囲気も、騒々しい雰囲気も、神々しさのひとつに塗り潰されていく。これが精神の狂いなのだとしたら、まったく、気触れとは何処までも美しい。おぉ! 半分泡ブクなお姉さんだぁ。チラチラと、ジロジロと、右往左往と忙しない視線とやら。これが渦巻きの類ではなくて良かったとオマエは心の底から思ってみたりした。綺麗な泡ブクだね~もう半分の方の髪と瞳も綺麗で好き♪ フワフワとした感想だ。フヨフヨとした脳味噌だ。いっそ、開かずとも浮いているのかもしれない。ふむふむ、抗うということをしてみるんですね~。性格的にはきっと正反対な筈だ。それでも言の葉の調子の良さ、如何にも被っていてたまらない。なんだか、ちょっとマキの喋り方と似てて、ふにゃ~ってなりかけたけど。ぴたりと、此処でようやく視線が定まった。やってる事がかなりヤヴァいから戦わないといけないなぁ。ヤヴァいと謂うよりもシヴァいか。無自覚なカーリーの化身とやらに注意喚起をせよ。というわけで~マキも抗いますのでよろしくお願いします。ぺこり。緊張感が戻ってきた。回復した『威』が放たれ、改めての『異』と出遭うのか。
猫がないのか、人がないのか、鍵だけは存在しており、それは笑みを倣っていた。ん? 良い笑顔浮かべたと思ったら……消えちゃった? 月のように消失したのだ。月のように消滅したのだ。消滅をした次の瞬間にはお隣さん、そっと、身体を包み込まれる。優しくしてくれる感じかぁ~。このまま、マキに「いい子いい子」してくれるのかなぁ……? とても宜しい。心地が良くて。枕よりも柔らかくて、ぬくもり溢れる――でも、マキは、お姉さんが思っているよりも修羅場を潜って来たからねぇ~。避けるのではない。受け流すのでもない。ならば、如何するのか。それにしても勿体ない跳躍。もう少し抱擁されていても罰は当たらなかったと謂うのに――ハグは大歓迎だけど、そういうのは勘弁なんだ~ごめんね。突き付けてやった銃剣。最早、魔弾の力など無くとも必中だ。微笑み以外の『もの』全てが、ひとつに戻された。
……やらせないよ。これも、お姉さんが見ていた光景なのかな。
泡が散る。
🔵🔵🔴 成功

僕は学んだのです
猫っぽいものは猫ではないとゆーことを
つまり、あの女性に見えるやつも女性ではないのです
きっとよくわからないものなのです!
なので人型を相手するのとは違うかもしれない
それによくわからないものと対峙するときは初見殺しが怖いよね
なので未知を既知へと変えるために突撃!
とーぜん<龍魂活性>で蘇生の保険をかけておくです
前回と同じ方法です?
それだけ有効な方法なので仕方ないのです
それはさておき…知っているとゆーことは対処できるとゆーこと
なのでなんかいい感じに戦えるのにゃー
最も旧く、最も強烈な『それ』を貶めてしまえ。
真実を暴く為には、ヴェールを剥ぐ為には、先ず、己の価値観や常識を疑わなければならない。疑いに疑ってその後、それを取り除く事に成功したのであれば、そのままゆっくりと嚥下してやれば宜しい。僕は学んだのです。猫っぽいものは猫ではないとゆーことを。呆気のない哲学ではないか。良識のない物真似ではないか。そう考えたのであれば古の龍、これも龍っぽい猫、如何なものか。それはそれ、これはこれってことだよね。あの女性に見える奴も女性ではないのです。あらあら……なんだか、失礼な事を謂われたような気がします。きっとよくわからない『もの』なのです! ソレに関しては大正解ではないか。人間災厄は人間のカタチをしているだけの災厄であり、これを除かなければ人の栄えは失われる。なので、人型を相手にするのとは違うかもしれない。じっと、じぃっと観察してやれ。隅々までも、脳天から爪先までも、オマエの掌の中で転がしてやると良い。それに、よくわからないものと対峙するときは初見殺しが怖いよね。おお、未知だ。未知が満ち満ちている。満ちているのであれば、嗚呼、穴を開ける為にも――既知へと変える為にも――突撃するよね。まあまあ……随分と、暴れ足りないようで……。笑顔であろうと、なかろうと、結末が同じであれば関係なく。消え失せた。消え失せた。鍵となるものが喪失した。
当然、ただの突撃では、ただの吶喊では返り討ちに遭うのが常である。故に、保険をかけておく事で『返り討ちされる』のを問題なく『した』のか。前回と同じ方法です? それだけ有効な方法なので仕方ないのです。仮に、相手が『保険』を見ていたとしても除去する術がなければ構わない。それはさておき……知っているのは、対処できるのは『ボク』も同じ。にゃあ。後者の方は『ボク』だけだったにゃ? にゃーん! 抱きつかれるよりも素早く招いてやれ。霊験あらたか、無銘の鋭利さを発揮せよ。
竜頭蛇尾などありえない、最後まで龍として振る舞うと良い。
🔵🔵🔴 成功

■黒
その鍵がヤバイ奴なのね……大体分かったわ
呼んだのはあなたかしら?
私は黒栖・鳳華――通りすがりの能力者よ!
助けを呼ぶAnkerの声に導かれ
|仕事着《メイド服》のままサーナの前に姿を現す
閃光! 変身し戦闘へ介入
サーナを守るよう前に出てレフトブリンガーで斬りかかる
意識の外から鍵を撃ってくるんでしょうが……遅いのよ
既に炎獄斬は放たれた
炎に包まれた空間で敵は動けない
開けるものなら開いてごらんなさいよ
私の中身を覗かせる趣味なんて無いんだからね!
さあやっちゃいなさい、サーナ
あなたの因縁はあなたが断つべきなんだから!

■黒
POW
分からない、何が真実で何が虚構なのか
実験体|だった《・・・》
幸せ|だった《・・・》
じゃあ、今は――分からない。誰か、助けて!
敵の攻撃からひたすら逃げ惑う
叫ぶと共に何者かが目の前に
誰……助けて、くれるの?
私は、サーナ
|能力者《鳳華》の背後に回り呼吸を落ち着ける
炎の中、改めて自身が何者か問い掛ける
私は、私……今の私は
ただ、怪異を狩るもの、それだけよ……!
生きる理由なんて後から考えればいい
否定なんかさせない
諦めたりもしない
終わらせるわ、今度こそ!
手にしたバルザイに力を込めて
狂気を撥ね退け前へ出る
叩き切ってあげるわ、今度こそ!
ひどいものが、わるいものが、癖となって心身にこびりつく。まるで粘土のように、まるで糊のように、脳髄を押し出してくるかの如くでたまらない。故に、わからない。何が真実で何が虚構なのか。右も左も上も下も、自分が其処に存在を赦されているのかも。実験体|だった《・・・》。幸せ|だった《・・・》。じゃあ、今は――わからない。何にも、まったくが理解できない。たとえ、鍵を渡されたのだとしても、私には鍵の使い方すらも残されていない。果たして、人間災厄は攻撃をしているのだろうか。果たして、簒奪者は攻撃を試みているのだろうか。囁くかのように、呟くかのように、じわじわと天使の心とやらを解き放ってやろうと試みているだけだ。あらあら~……貴女は、他の皆さんとは違って、お優しいのですね。あの瞳が宿しているのは、あの泡沫が湛えているのは、決して慈悲なのではない。迫りくる『それ』は化け物だ。化け物は出来損ないよりも出来の悪い精神をしている。助けて……誰か……誰か……お願いだから、助けて……! 縋りついたその先での偶然。いいや、これは必然なのだ。何故ならば、人間災厄『すべての鍵と成るもの』が視ている。
その鍵がヤバい奴なのね。大体わかったわ。理解が出来ないと、わからないと、頭を抱えていた天使の代わりをした。黒栖・鳳華は存在し――メイドとしての真価を発揮せんとするのか。で、呼んだのはあなたかしら? 震えている、縮こまっている『声の主』をぐっと起こしてやったならば自己紹介と洒落込むと良い。私は黒栖・鳳華、通りすがりの能力者よ! 嗚呼、文字通りの英雄ではないか。元鉄十字の怪人が『それ』を倣うなど、おそらく、組織にとっては大誤算である。まあ、いいわ。私が来たからにはどんな『ゴミ』だろうと片付けてみせるから。えっと……その『ゴミ』って、もしかして私の事かしら……? ぴくりと、簒奪者から笑顔が剥がれ落ちそうになった。
助けが来るなんて、まさか、と思っていた。結局のところ世界は天使に優しいらしく。しかし、その優しさは『かわいそう』から来る『もの』とも考えられた。私は、サーナ。その、鳳華さん……背中、お借りしますね。呼吸を整える。肺臓にたっぷりの酸素を送り込む。枯渇していた脳髄へと運んでやったならば、改めて、自分が何者なのかを咀嚼していく。私は……私は……サーナ・ストレガは……。眼に這入り込んできた熱、その赫々に誓え。
閃光――!
覗き込む、その|動作《ステップ》を追い抜く為にも一撃は揺るがなかった。たとえ、避けられるとわかっていても――わかっていたからこそ――変身と同時での|霊剣《レフトブリンガー》だったのだ。遅いのよ。何もかも。貴女が覗き込もうとした時点で、意識の外へと失せた時点で、世界は燃えているんだから……。おお、阿鼻。炎獄。最早、鍵を回す事すらも至難とされた。これは……貴女、私に、何もさせないつもりで……。抱擁の前に抱擁をされたのだ。身動きの取れないウィッカー・マンに水を与える所以はない。
今の私は怪異を狩るもの。怪異を狩って、災厄を屠って、只、誰かの為にある。生きる理由なんて、死なない理由なんて後から考えればいい。否定なんかさせないし、拒絶されることもない。諦めるものか。終わらせるわ、今度こそ! 前だ。前だけを見て、|得物《バルザイ》を握れ。神の面構えを拝むのではなく、その顔に突き立ててやれ。狂気はない。撥ね退けてやったのだ。叩き切ってあげるわ、何度でも! どうかしら。これが「ひと」の強さよね。私の中身も、サーナの中身も、誰の中身も覗かせる趣味なんて無いんだからね! さあ、やっちゃいなさい。あなたの因縁は、あなたが断つべきなんだから!
やっぱり、こうなるのよね~……抗えなかったわぁ。
抗う、抗うなんて、謂うけれど。
最初から諦めている『あなた』に勝ち目なんてなかったのよ。
心臓を抉るかの如くに錠前を破れ。
空は見事に復活し――ブラックボックスが鎮座するのみ。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功