花と願いと悪鬼夜行
「ええと、お集まりいただきありがとう。√妖怪百鬼夜行で封印されていた古妖が復活してしまったから、再封印に力を貸してもらいたいんだ」
ツバキ・ブレスフィールド(八方美人な月下美人・h02977)はどこか浮かない顔でそう告げた。集まった√能力者たちもそれには勘づいているくらい、わかりやすく。
「封印されていた古妖を解き放ってしまったのが……幼いこどもでね。曰く、亡くなってしまった両親にもう一度会いたい、という願いを叶えてあげると古妖との約束をしたらしい。
その子本人も、古妖の封印を解いてしまったことを酷く気にしている。もし余裕があればその子のフォローもしてくれると、とても助かるかな」
ツバキは如何にも困った、という顔をしている。これは余裕があれば、ではなくやってほしい、と暗に言っている気がした。
「古妖には付き従う妖怪も存在するみたいだから、そういうやつらが襲って来る可能性もある。もしかしたら、古妖を封印するのに特別な手段が必要になるかもしれない。
なかなか難しいけれど、ぼくもきみたちならなんとか出来ると信じているからね」
ツバキがふわりと笑う。人好きがするような、邪気のない笑み。
「古妖に小さな未来あるこどもの願いを食い潰される。そんな未来なんて、あってはならないとぼくは思う。
この未来が確定しないことと、きみたちの無事を祈るよ。頑張ってね」
ツバキが道を指し示す。救いたい未来と今を胸に、今一歩を踏み出したのは誰だったか。
マスターより
みなさま、√EDENでは二度目まして。雛田導夢と申します。
こどもが復活させてしまった古妖を再封印しよう、という趣旨のシナリオです。
行動によるシナリオ分岐もございます。
第1章🏠『君に捧げる花を』
第1章は古妖の封印を解いてしまったこどものフォローのため、亡くなった両親のお墓に供えるお花をプレゼントしましょう。
ちなみにこどもさんはまだ幼い少年です。とても責任を感じています。
第2章A⛺『袋小路を駆け抜けろ』
分岐です。封印のための儀式をしましょう。
第2章B👾『悪い百鬼夜行』
分岐です。古妖に付き従う妖怪を退治しましょう。
第3章👿『大妖『荒覇吐童子』』
ボス戦闘です。古妖を再封印して解決しましょう!
みなさまのご参加、お待ちしております!
2
第1章 日常 『君に捧げる花を』
POW
色鮮やかな大輪の花を選ぶ
SPD
精巧に束ねられたブーケを選ぶ
WIZ
相手に伝えたい花言葉の花を選ぶ
√妖怪百鬼夜行 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フランは色鮮やかな大輪の花を選んでお花を渡すの。赤、黄色、オレンジ……元気の出そうな明るい色がいいな。花言葉をつたえてもいいけど、今回のフランは見た目から入ろうとおもうなの。元気を出して、自分を責めないように、あなたのせいじゃないよってわかりやすいように。
でもちっちゃい子だって聞いたから、もしかしてフランよりちっちゃい子かもしれないの。
その子さえよければ、フランもいっしょにお墓参り行ってもいいかな?もちろん他に行くって言ってる人がいたらいっしょにねっ。
一人称:フラン、二人称:あなた・~ちゃん、口調:なの、~の、かな、だね(なのと語尾に着けがち)
○アドリブ・絡み大歓迎
供えたい花は決まっているのかい?
もしまだならボクの店にある花言葉辞典でも見ながら選ぶといいよ。
…お代?まさか、キミみたいな子供から貰う気はないよ。でも、そうだなぁ。折角だから、キミの御両親のお話を聞かせて貰えないかな?
中身は何でもいいさ。好きな物とか、どういう事を一緒にしただとか、キミの覚えている限りでいい。
こうやって話を誰かにすることは、亡くなった人の事を忘れない為にも、自分自身の為にもボクは大切だと思ってる。
ひとしきり話に花が咲いたら、花を買って供えにいこうか。
大丈夫、キミが選んだものなら何でも喜んでくれるさ。
今日聞いた御両親の素敵な話は、本にして子供にあげようかな。
「んー、これかな?」
いくつかの花を選んで、花束を。色鮮やかで華やかな、大輪の花。明るい色の、想いの花。
「これもいいかも、どうかな?」
「え、えと」
少年の控えめな反応にフランキスカ・ウィルフレア(絵本の妖精・h03147)は優しく笑顔を向ける。萎縮する心を解すように。
「こんなのもあるよ。選び方はたくさんだ」
「これはなあに?」
「花言葉辞典だよ。こういった思いの伝え方もありなんじゃないかな」
「そうね!それもとってもすてきなの!」
八雲・綴(遊糸・h03212)の提案にフランキスカが応える。ちらり、少年を見ればおどおどとした反応。まだ萎縮が抜けないらしい。責任を強く感じているのもあるのかもしれないが。
「ゆっくりでいいよ。キミの思いを伝える花だからね」
うつむき加減に少年が綴を見る。
「でも……お代は」
「…お代?まさか、キミみたいな子供から貰う気はないよ。でも、そうだなぁ。折角だから、キミの御両親のお話を聞かせて貰えないかな?」
「僕の……話?」
「そう、中身は何でもいいさ。好きな物とか、どういう事を一緒にしただとか、キミの覚えている限りでいい」
「え、えと」
言葉は素直で、雄弁。まだ萎縮する少年に、フランキスカがそっと寄り添う。
「ゆっくりでいいの。大丈夫」
「……」
息を飲む。そうして紡がれた言葉は。
「おとうさんとおかあさんは、花が好きだったんだ。
僕、おとうさんがたまに買ってくる花をおかあさんが喜んで生けてるのが……楽しそうで。だから、えっと」
潤む瞳は記憶の向こう側へ。ゆっくりとゆっくりと。
「大丈夫、キミが選んだものなら何でも喜んでくれるさ。そんなにも花が好きな御両親なんだから」
「フランもそう思うの!きっと喜んでくれるわ」
「あ、ありがとう、ございます」
目からあふれた涙をぬぐいながら、少年はいくつかの花を選んだ。色鮮やかな花、小さく優しく咲く花、ささやかな彩り。
選び終わった少年を見て、フランキスカがぽん、と手を鳴らす。
「フランもいっしょにお墓参り行ってもいいかな?もちろん綴ちゃんもいっしょにねっ」
「ボクもいいのかい?」
「もちろん!あなたがいいって言ってくれたらだけど」
どう? そう少年に聞くフランキスカの優しい顔に、少年はゆっくりとうなずく。
「もちろん……です。一緒に行ってくれたら、嬉しい」
「決まりなの!」
ぱっと明るく。花を携えて、三人は歩く。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功
真弓・和虎墓前に白菊を手向け、手を合わせる。
少年、君、なんて名前だ?
突然だけど!俺は『イタコ』でなー!
時間に限りがあるけど、お前さんの両親を呼んでやれる。
ただし!一生に一度キリで、10分しか呼べねー。
…信じて、話してみるかい?写真とかありゃ、呼びやすくなっから。
【生類変化拳・海若】で【相手にとって大切な存在】に化けるぜ。
…『本物』は、恨み言とか言いたくなっちまうかもだから。後悔や別れを告げんなら『偽物』がいいんだ。
時間を区切んのは、未練が湧くから。
『今は、寒くも、辛くもないところで、一緒に暮らしているよ』
『あなたをいつも、見守っているよ』
…化け術師が泣いちまったら、商売上がったりじゃねーか。畜生め。
墓前に手向けた白菊。手を合わせれば、隣の少年もゆっくりとまねるように手を合わせた。
不安そうな少年を見て、真弓・和虎(この手に護れるモノなど無く・h03578)はにっと笑顔を見せる。
「少年、君、なんて名前だ?」
「ええ、と……」
もごもごと口ごもる少年に、ぱっと言葉を渡す。
「突然だけど!俺は『イタコ』でなー!時間に限りがあるけど、お前さんの両親を呼んでやれる」
「え……」
少年の声が、かすかに揺れた。
「ただし!一生に一度キリで、10分しか呼べねー。…信じて、話してみるかい?写真とかありゃ、呼びやすくなっから」
そう言えば、少年はゆっくりとポケットを探る。出てきた小さなカードケースから、一枚、小さな写真を取り出した。
「これしか、ないんです」
「そーか。ありがとな。どれどれ……」
優しそうな男性と線の細い女性と、今より少し小さな少年の映った写真。
「じゃ、行くぞ。10分だけだかんな」
「は、はい」
ゆらり、揺らめくように。かすかな間。そしてそこに立っていたのは。
「おとうさん……!」
泣きそうな声。気丈にふるまっていた子は、ただのこどもに戻っていた。
伝えてあげることは一つ。それが偽物だとしても。
『今は、寒くも、辛くもないところで、一緒に暮らしているよ』
「うん、……うん」
『あなたをいつも、見守っているよ』
「ごめんなさい、……ごめんなさい」
「でも、」
すう、と姿が和虎のものに戻る。少年の顔は涙に彩られてはいたが、どこかつきものが取れたようだった。
「…化け術師が泣いちまったら、商売上がったりじゃねーか。畜生め」
🔵🔵🔵 大成功
古妖の封印を解いてしまった少年の元へと訪れる
彼や彼女達の負う人生の物語。ときに幸せばかりでは無いことを、厭でも知っている
やあ、と柔らかく声をかけ、少年と同じ高さになるよう腰を下ろす
「大丈夫さ。過ちというのは、人が成長していくのに大切なことだからねぇ」
君の両親にも見守ってもらおう、と贈った花は彼の人生へ希望の意を込めて
カスミソウ(感謝、幸福)とガーベラ(希望)
「たくさん落ち込んだら、おいしいものを食べて、心が元気になったら前を向くといいよ」
「君の時間は君の自由だ。その分、君が大切にしてあげて欲しい」
微笑んで、少年の背中を押す。時を刻む者からの、ちょっとしたアドバイスを添えて
刻・懐古(懐中時計の付喪神・h00369)が少年を見つけたとき、彼は今にも泣きそうな顔をしていた。
「やあ」
柔らかく声をかけ、少年と同じ高さになるよう腰を下ろす。かすかに少年の肩が跳ねるのを見た。
「大丈夫さ。過ちというのは、人が成長していくのに大切なことだからねぇ」
懐古の言葉に少年はうつむき加減にうなずいた。まだ飲み込めてはいないらしい。それも仕方がないことだ。
君の両親にも見守ってもらおう、と贈った花は彼の人生へ希望の意を込めて。
「カスミソウとガーベラだよ。どうぞ」
「あ、……ありがとうございます」
おどおどしたように、それでもしっかりと大切そうに花を受け取った少年の頭にぽんと手を置く。
「たくさん落ち込んだら、おいしいものを食べて、心が元気になったら前を向くといいよ」
少年は懐古の目をしっかりと見た。
「君の時間は君の自由だ。その分、君が大切にしてあげて欲しい」
ゆっくりとうなずいた少年を見て、懐古も優しく微笑んだ。
🔵🔵🔵 大成功
ふにゃっとした笑顔を浮かべながら、少年の隣に腰を下ろす。その目は眠たげだが、どこか真剣さを帯びている。
「お墓にお花を供えるなんて、すごく優しいじゃないか。でも、一人で責任を感じる必要はないんだぜ。君が想いを込めるだけで、それで十分さ。」
花棚に目を向けながら、
「ねえ、ご両親に伝えたい気持ちって、どんなのかな?たとえば、これ。花には花言葉ってのがあってさ、少年が伝えたい気持ちの花を一緒に選ばないかい?」
俺は少年の選んだ花の束をそっと手に取り、柔らかく微笑んだ。
「これなら、ご両親もきっと喜んでくれるよ。一緒に届けに行こうな。」
「ほら、これが君の気持ちの形だ。大丈夫、ちゃんと届くさ。」
アドリアン・ラモート(ひきこもりの吸血鬼・h02500)はふにゃっとした笑顔を浮かべながら、少年の隣に腰を下ろす。その目は眠たげだが、どこか真剣さを帯びている。
「お墓にお花を供えるなんて、すごく優しいじゃないか。でも、一人で責任を感じる必要はないんだぜ。君が想いを込めるだけで、それで十分さ」
「……」
少年はおどおどとしているが、小さくうなずく。アドリアンは花棚に目を向けながら、
「ねえ、ご両親に伝えたい気持ちって、どんなのかな?たとえば、これ。花には花言葉ってのがあってさ、少年が伝えたい気持ちの花を一緒に選ばないかい?」
そう言えば、少年がうなずく。ひとつひとつの花の花言葉を確認しながら、花を一緒に選んだ。
アドリアンは少年の選んだ花の束をそっと手に取り、柔らかく微笑んだ。
「これなら、ご両親もきっと喜んでくれるよ。一緒に届けに行こうな。」
「は、はい。……喜んでくれたら、いいな」
少年は小さく笑っていた。手に持った花束が、揺れる。
「ほら、これが君の気持ちの形だ。大丈夫、ちゃんと届くさ。」
🔵🔵🔴 成功
第2章 集団戦 『悪い百鬼夜行』
POW
妖怪大行進
命中する限り「【百鬼夜行の一斉突撃】による攻撃→技能攻撃→[百鬼夜行の一斉突撃]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
命中する限り「【百鬼夜行の一斉突撃】による攻撃→技能攻撃→[百鬼夜行の一斉突撃]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
SPD
百鬼大悪戯
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【大つづら(爆発する)】を、同時にレベル個まで具現化できる。
爆破地点から半径レベルm内の全員に「疑心暗鬼・凶暴化・虚言癖・正直病」からひとつ状態異常を与える【大つづら(爆発する)】を、同時にレベル個まで具現化できる。
WIZ
万夜大宴会
半径レベルmの指定した全対象に【妖気】から創造した【妖怪料理】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
半径レベルmの指定した全対象に【妖気】から創造した【妖怪料理】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
願いと引き換えに。そんな甘い話があるはずがない。
だが、甘い話に寄って来る者もいる。大助かりだ。まあ、今となればただの邪魔者。
もし邪魔立てするなら生かしてなおけぬ。邪魔立てせずとも、生かしてはおけぬ。
悔いるのなら、自分の愚かさを悔いるがいい。
少年は花を抱えて墓へ急ぐ。しかし、そんな彼の元に、影が向かう。
ソノ・ヴァーベナ(サポート)明るく元気でマイペースな日サロ好きギャルエルフ!柔軟でシンプルな考え方をしつつ、自分の芯はしっかり持ってるよ。「お助けとか支援」が行動の基本で、共感力が高いから周りと自然に打ち解けられるタイプ。おもしろいことや楽しいことが大好きだけど、シリアスな場面も燃えちゃう!
戦闘では遠距離攻撃がメイン。魔力装填型の銃器を使いながら、鉄壁の防御で敵の攻撃を弾くスタイル。味方をサポートする立ち回りも得意で、仲間にとって頼れる存在だよ。スキルや√能力は必要な時に全力で活用!自由に動かしてもらえると嬉しいし、アドリブも大歓迎だよ!
「その子に手を出すのはだめだよ!」
ソノ・ヴァーベナ(ギャウエルフ・h00244)の声に少年は立ち止まる。目の前に現れた百鬼夜行の集団に、少年は動かない、動けない。腰を抜かしてしまったようだ。
「だいじょーぶ?」
ソノはそっと少年を抱えようとする。けれど、少年はすぐに正気を取り戻して、手を借りるだけで立ち上がった。
「お姉さん、ぼく……」
「ん、心配しなくていいよ。ちょっと待っててね?」
安心させるような笑顔に、少年はまっすぐうなずく。そうして、少し離れたところに下がっていった。
「よし、じゃあやっちゃおうかな」
そう呟いて、マギア・スナイパーライフルを構える。後ろには行かせない、そう語るようにソノの目はまっすぐ百鬼夜行を見据えた。
「わかってるだろうけど、ここから先は行かせないから!」
ソノの言葉が高らかに響く。それは少年の耳にも届いただろう。かちゃり、ライフルの引き金に指がかかる。
銃声が一閃。この戦いの始まりを告げた。
🔵🔵🔴 成功
羽柴・美月家族を失った子供の弱みに付け込むような真似は許せないわ!
少年には封印はあたし達が元に戻すから心配しないで、と伝えて安全な所に逃げるよう伝えるわ。
敵が大人数の集団だから連射の手数と攻撃範囲に物を言わせて押し切るわ。
つづらの爆発は攻撃範囲が広い上、設置数が多くて避けきるのは無理だろうから直撃を受けないようにスモールシールドで防ぐようにするわ。
敵の数が多いから一緒に戦ってる人がいたら積極的に手伝うわ。
1+1=2を3や4、あるいはそれ以上に出来るのが人間の知恵だから。
「家族を失った子供の弱みに付け込むような真似は許せないわ!」
羽柴・美月(冒険者・h04349)は手をぎゅっと握る。
「あ、あの」
戦場から少し離れたところでおろおろとしている少年。美月は安心させるように笑顔を浮かべると、優しい声を意識して言った。
「大丈夫、あたしたちが何とかするから、安全な場所にいてね」
「でも……」
「心配しないで! あたしたち、強いんだから」
ちょっと冗談めかして言えば、少年は少し控えめにうなずいた。
お辞儀をして走り去っていく少年を少しの間見守って、美月は百鬼夜行に向かって振り向く。
「あの子のもとには行かせないわ!」
ショートボウを構え、矢の雨を降らせる。相手は多勢。手数で攻めていこうと見事な連射を見せた。
百鬼夜行も負けてはいない。大きなつづらを具現化し、爆発を起こそうとする。
「あ、危ないわね……!」
スモールシールドで防御しながら、着実に敵の数を減らしていく。
「1+1=2を3や4、あるいはそれ以上に出来るのが人間の知恵なのよ。あなたたちみたいなのにはわからないかもだけど!」
🔵🔵🔵 大成功
あの少年は無事に逃げられたみたいね。良かったわ。
あとはこいつらを片付けるだけね。
集団で突撃してくる敵には必ず先頭に立つ集団のリーダー(大きかったり強い奴)がいるはずだから、そいつを見つけてスーパーストレートを撃ち込んで群れを崩していくわ。
相手は知能も感情もない殺人マシンではなく、人間の心の弱みにつけ込むだけの知能のある存在なら、リーダーをやられれば群れ全体が動揺して単に1人倒す以上のダメージになるから。
リーダーを倒したら次はその次に強そうな奴、というように順番に殴り倒して敵が怖じ気づいて逃げるなり全滅するまで繰り返すわ。
リーリエ・エーデルシュタインさて、間に合ったかしら?
よかった、まだ無事のようね
なら後顧の憂いを断ちましょう
ミスティーク・ローズに乗って突撃
百鬼夜行の群れに接触する寸前で私は飛び退って退避
ミスティーク・ローズはそのまま百鬼夜行の群れにぶつけて牽制
ダメージにならなくても殴る時間が出来れば十分!
【百錬自得拳】で仕掛けるわ
殴る目標が変えられそうなら変更しつつ
ダメそうなら殴って後続にぶつけましょう
要は止まればいいんでしょう?
向こうの突撃はかわしていきたいところだけど
回避が無理そうなら
右手にオーラ防御、左手にエネルギーバリアを纏って重ね受け
多少は軽減できるでしょう
痛みは激痛耐性で誤魔化しましょうか
さて、まだまだ
殴り合い、しましょうか
ぱしん、と手を打ち鳴らす音が響く。リーリエ・エーデルシュタイン(アンダー・ザ・ローズ・h05074)は愛機ミスティーク・ローズにまたがり、百鬼夜行を見据えていた。
「さて、間に合ったかしら?」
視線の先には逃げ行く少年。小さな笑みが浮かぶ。
「よかった、まだ無事のようね。なら後顧の憂いを断ちましょう」
ぶおん、ぶおんとエンジンを稼働させ、加速。一気に百鬼夜行との距離を縮めた。このままぶつかる……と、思いきや。
ずざ、とリーリエは後ろに飛び退った。ミスティーク・ローズは百鬼夜行たちに体当たり。どしゃ、と先頭の小鬼たちがバランスを崩すのを見た。
「それで十分!」
拳が目にもとまらぬ速さで叩きつけられる。【百錬自得拳】は百鬼夜行の妖怪たちを確実にとらえた。
百鬼夜行もどしゃり、どしゃりと前へ進む。リーリエの拳と百鬼夜行の突撃が重なり合って、目にもとまらぬ大勝負になっていた。
そんな光景を見て、声を上げる少女が一人。
「あたしも、やってやるわ!」
佐藤・しのぶ(スポーツ少女・h08348)はひらり、身を百鬼夜行の群れに飛び込ませる。
集団で突撃してくる敵には必ず先頭に立つ集団のリーダーがいるはず。そいつを崩せば……!
と、見つけたひときわ大きなイノシシの妖怪。周りを見て指示のようなしぐさもしている。こいつが!
「いくよ」
すた、と素早くイノシシの前に滑り込んで、渾身の打撃を叩き込む!
【スーパーストレート】!
イノシシ妖怪は見事に打撃を食らって背後に飛んでいく。地面にたたきつけられた後に、ピクリとも動かなくなった。
百鬼夜行たちがざわめき出したのがわかる。統率が取れなくなって、動きが鈍っていく。
「よし、……そこのお姉さん! リーダーは倒したから、あとはこいつらを片付けるだけよ!」
はた、と声の方にリーリエが振り向く。気が付けば百鬼夜行を構成する妖怪たちもだいぶ減っていた。
「あら、本当。やるじゃない、お嬢さん」
「お姉さんこそ!」
二人の女傑が語るもそこそこに、残った妖怪たちを見る。
「さて、まだまだ……殴り合い、しましょうか」
残り少ない妖怪たちはあっという間に蹂躙されていった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『大妖『荒覇吐童子』』
POW
鬼道怪腕撃
全身の【鬼の血】を【右腕】に集中すると、[右腕]が激しく燃え上がり、視界内の全員の「隙」が見えるようになる。
全身の【鬼の血】を【右腕】に集中すると、[右腕]が激しく燃え上がり、視界内の全員の「隙」が見えるようになる。
SPD
荒覇吐瞬迅拳
【古き鬼に伝わる古の格闘術】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
【古き鬼に伝わる古の格闘術】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
WIZ
鬼爪微塵撃
【無数の人や妖怪を切り裂いた鬼爪】を用いて「自身が構造を熟知している物品」の制作or解体を行うと、必要時間が「レベル分の1」になる。
【無数の人や妖怪を切り裂いた鬼爪】を用いて「自身が構造を熟知している物品」の制作or解体を行うと、必要時間が「レベル分の1」になる。
口調
~ね ~なの ~かしら
●同年代に対して
呼び:~くん・ちゃん
口調:~ね ~なの ~かな?
●年上に対して
呼び:~さん
口調:~なの ~かな ~ですか
場合によって敬語混じり
√能力は指定した物をどれでも使用します。
前へ出る必要があれば前へ。サポート行動の優先度が高ければサポートへ回ります。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
生かしてはおけぬ。許してはおけぬ――。
●
ゆらり、大妖は周囲を見渡す。まるで、何かを探すように。
その視線があの少年を探しているのだ、と気づいた夕星ツィリ(星想・h08667)はふわりと前に出た。
「あの子を危ない目には合わせたくないの。だから、あなたを行かせる訳にはいかない」
微かに瞳が揺れる。ツィリを捉えた大妖の瞳が、ぎら、と輝いた。
大きな腕がツィリを食い破ろうと紅く紅く染まっていく。恐ろしい程に。美しいくらいに。大妖の瞳が、ツィリの「隙」を見る。一見隙だらけのそれは、油断なのか、それともツィリの覚悟を示したものか。
大妖の腕が、ツィリに降り注ごうとした。――その瞬間。
ツィリが手を伸ばした。
ぱきり。空気が割れた音がする。大妖の技は一瞬にして無かったことになり、ツィリがするりと避けた後にはぱちぱちと瞬く光だけが残った。口元が微かに緩まる。それを飲み込んで、未だ殺気止まぬ大妖を見ていた。
🔵🔵🔴 成功
シキ・イズモ(サポート)人間(√EDEN)の職業暗殺者×サイコメトラー、12歳の女です。
口調はややダウナーに(ボク、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)な感じに話します。
毒使いで、体に毒を(多少は効果を受けますが時間差で無効化して)吸収したり、吸収した毒を培養して放出したり、血と混ぜて硬化させたりといった戦い方をします。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
シキ・イズモ(紫毒の鳥兜未遂・h00157)が大妖を睨め付ける。あの大妖には毒が効くだろうか。まず脳裏に浮かんだそれを確かめるために、シキは霧状に毒を散布した。
広範囲を攻める毒の霧。大妖にもそれはもちろん届いて……。
――!!
ぐらり、大妖が揺れるのが分かった。毒は効く。ならば容赦なく攻撃出来る。
大量に散布されていく毒を払う大妖。徐々に体力も奪われていく。そんな中でも、大妖の目はシキの方ではない、はるか後ろを見るのだ。
――させない。
「こっちを見てなよ。あっちには行かせないから」
親ともう一度会いたい。そんな幼子の気持ちを利用するのは、あまり好ましくなかった。
「今の相手はボクだ。余計なことなんて考えられなくしてあげるよ」
苛立ち交じりの言葉は吐き捨てられるように。
一層勢いの増した毒の霧。この苛立ちを、今すぐにでも解消したい。そんな思いとは裏腹に、大妖は腕を振るう。避けながら、さっさと片付けてしまおうと心に決めていた。
🔵🔵🔴 成功
人間災厄「蟲巫女」のサイサリス融合体×御伽使い。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、時々文字化け(るび振り)
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしませんが、昆虫に害する行為には成功の為でも参加しません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
巫条・命(壊された祠の主・h01102)がひとつ、話を紡ぎあげる。
『夏のある日のことでした』
語るは夏の日の話。
大妖は知ってか、知らずか。命の元にゆらり、ゆらりと歩みを進めている。
命の言葉は、揺れることがない。
ゆらり、ゆらり。ゆるり、ゆるり。
「|陦後°縺帙◆縺上↑縺??縺ァ《私の邪魔をしないで》」
ぱちん。
空間の空気が、変わった。
じとり、汗が滲む。まるで、夏の日のような。
「早々に、どうにかしてしまいましょう。おいで」
ざわり。背筋が震えるような。暑いのに、寒くて。どうにも出来ないような。
――ぶうん。音がした。なにか、虫の羽音。
大妖が振り払うように腕を振るう。けれど、気配と羽音は消えない。むしろ、少しずつ増えているような。
暑くて。なにもわからなくなるような……。
「|遘√?蜑阪°繧画カ医∴縺ヲ縺上□縺輔>《私の前から、消えてください》」
ずくり。何かに刺された感覚と、痛みが走る。
🔵🔵🔴 成功
観王寺・透(サポート)人間(√EDEN)の霊能力者×|古代語魔術師《ブラックウィザード》、16歳の男です。
普段の口調は「脱力(僕、呼び捨て、だね、だよ、~かい?)」仲間には「丁寧(僕、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
√能力は指定した物をどれでも使用し、運動が苦手なのであまり積極的には行動せず、他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
よろしくおねがいします!
「わ……っと」
観王寺・透(人間(√EDEN)の霊能力者・h01836)は大妖の攻撃の余波を慌てて躱した。
元々、運動はそこまで得意ではない。上手く動けるかと言えば、是とは言えなかった。だから、せめてサポートはしたいと思って来たのだが。
「僕は出来ることしかやれないから」
手をそっと伸ばす。周囲の【忘れようとする力】を増幅させて、回復を促す。これで、少しでも力になれたらいいのだけれど。周囲に視線を向ける。大妖の攻撃でえぐれていた地形や草花が癒えているのが見えた。正確には癒えているよりは忘れている、なのかもしれないが。
これでなんとかなればいい。そんな風に思ったのもつかの間。
異変を感じたらしい大妖がぎょろりと目を透に向ける。サポーターは狙われやすい。ゲームでも定石な流れだ。
「逃げるのも、得意じゃないんだけどな……っ」
振り下ろされる腕や爪から必死に逃げる。痛いのは嫌だ。攻撃されるのはもちろん嫌だ。
🔵🔵🔴 成功
ノスタルジア・フォスター(サポート)和傘を盾に使い支援防御&サポート
絡みやアドリブ等はおまかせです。
√能力は指定した物をどれでも使用し、複数の耐性持ちなので怪我などは厭わず仲間をかばう防御行動。
日常パートは楽しみましょうーはい。
他の√能力者に迷惑や公序良俗に反する行動はしません。
よろしくお願い致します。
「危ないですね」
ノスタルジア・フォスター(星を追う・h00828)は傘で攻撃をいなしながら呟いた。
大妖の攻撃は一撃一撃が重い。周囲の仲間たちもそれに苦戦しているように見えた。
さて、どう動くか。うーん、とノスタルジアが頭を使っていると。
ぶおん、と腕が振るわれた。
がきり、硬質な音がする。傘で受けた腕の振り下ろしだったが、なかなかどうしてこれが重い。びりびりと痺れる感覚がして、小さく笑った。
「これは、早めに片付けた方が良さそうですね」
傘を構えたまま、目を閉じる。波打っていた心が静かになっていく。ゆっくりと、ゆっくりと……。
ぱちり。目を開ければ、そこには「ノスタルジア」が立っている。無邪気だった頃の、ノスタルジアが。
「手を貸して」
囁くように言えば、「ノスタルジア」はふわりと笑った。そうして、大妖と向き合う。
さあ、早めに片付けてしまおう。あの少年も、それでようやく安心できるだろうから。
🔵🔵🔴 成功
貴殿が此度の星詠みか。
俺は鬼臨坂、名を弦正と申す。よしなに願い申し上げる。
戦だけの任務ではないと聞いた。
手掛かりの収集、罠の仕掛け、捜し物、偵察、追跡…
やれる事は様々御座るが、他者との親密な交流や説得は俺には向かぬ。
機械の扱いも不得手だ。
戦闘において、正々堂々とは申さぬ。不意打ちなと搦手なと、有効とあらば使う。
主立って扱うは妖刀『八咫月』を用いた居合。だが集団相手にはその限りではない。
剣術の他、忍術——遁走術と隠形術——にも多少心得が御座る。
技能や能力、装備品は、何れも必要に応じて使用する。
振舞いは他者の仕事を妨げぬ事、公序良俗に反さぬ事と留意致す。
以上だ。
然らば、御免仕る。
鬼臨坂・弦正(金輪際・h07880)は大妖を見据えていた。
幼子を唆し、自らの封印を解かせた悪しき大妖。未だ「生かしてはおけぬ、許してはおけぬ」と謳い、幼子を手にかけようとするその様は正しく悪鬼夜行とでも言うしか無いものだった。
「こうした有り様を見て見ぬ振りは出来ぬな」
大妖もだいぶ傷は負っているようだが、未だなんてこともないように腕を振るい、周囲の√能力者たちを圧倒している。この調子では、早めにカタをつけた方が良さそうだと弦正は判断した。妖刀をすらりと抜き取り、ゆっくりと構えていく。
妖刀『八咫月』を構えた弦正を、大妖も認識したらしい。武術の構えをした大妖と弦正が向かい合う形になった。
一歩早かったのは、大妖。大きく腕を振るい、その腕はたしかに弦正を捉えた。
――次の瞬間。
一瞬の剣閃が大妖を切り裂いていた。
大妖がごとり、と倒れる。弦正の傷は既に無く、ようやくその場に静寂が戻っていた。
🔵🔵🔴 成功